以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられている。施錠装置16は、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有するとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払出が実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可能となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、装飾部材39の前面から露出するようにして設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄として数字が付された図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回では、図柄表示装置41において予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることにより、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては、当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
音声ランプ制御基板には、スピーカ部64から出力される音量を調節するためのボリュームスイッチ1000が設けられている。基板ボックス84には、ボリュームスイッチ1000と対応する位置に、当該ボリュームスイッチ1000を基板ボックス84の外部に露出させるための貫通孔が形成されている。このため、遊技場の管理者等は、基板ボックス84を開放することなくボリュームスイッチ1000を操作することができる。
本パチンコ機10では、電源が投入された場合と、図柄の変動表示が所定時間行われなかった場合と、において、図柄表示装置41にてデモ演出(変動開始待ち表示演出)が開始されるとともにスピーカ部64からデモ演出と対応する楽音が出力されるようになっている。そして、上記ボリュームスイッチ1000を操作した場合には、スピーカ部64から出力される音量のみならず、上記デモ演出の実行契機も設定できるようになっている。
具体的に説明すると、ボリュームスイッチ1000は、9段階に調節可能なダイヤルスイッチによって構成されている。スピーカ部64の音量出力は、OFF状態と、小音量出力状態と、大音量出力状態と、のいずれかに設定できるようになっている。デモ演出の実行契機は、電源が投入された場合と、図柄の変動表示が所定時間行われなかった場合と、のいずれにも実行する第1実行契機と、電源が投入された場合に実行する一方で図柄の変動表示が所定時間行われなかったとしても実行しない第2実行契機と、上記いずれの場合にも実行しない第3実行契機と、のいずれかに設定できるようになっている。そして、ボリュームスイッチ1000を第1段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力がOFF状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第1実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第2段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力がOFF状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第2実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第3段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力がOFF状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第3実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第4段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力が小音量出力状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第1実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第5段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力が小音量状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第2実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第6段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力が小音量出力状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第3実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第7段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力が大音量出力状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第1実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第8段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力が大音量状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第2実行契機に設定される。ボリュームスイッチ1000を第9段階に調節した場合には、スピーカ部64の音量出力が大音量出力状態に設定されるとともにデモ演出の実行契機が第3実行契機に設定される。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6及び図7に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図であり、図7は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域が設定されている。具体的には、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。
主図柄は、図7(a)〜(j)に示すように、「1」〜「9」の数字が描かれた数字部と、タコ等のキャラクタ図柄と、により構成されている。また、サメのキャラクタ図柄には、図7(d)に示す「4」と描かれた数字部の周囲が黄色表示されたものと、図7(j)に示す「4」と描かれた数字部の周囲が虹色表示されたものと、がある。以下では、前者を単に「4」の主図柄と称し、後者を裏「4」の主図柄と称することとする。副図柄は、図7(k)に示すように、貝形状の絵図柄によって構成されている。
上図柄列Z1には、図7(a)〜(i)に示す「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、図7(a)〜(i)に示す「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に図7(a)〜(i)に示す「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に裏「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了した場合には、後述する第1大当たり結果,第2大当たり結果,第3大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、「3」,「7」の付された主図柄が「第1特定図柄」に相当し、「1」,「5」,「9」の付された主図柄が「第2特定図柄」に相当し、「2」,「4」,「6」,「8」の付された主図柄が「非特定図柄」に相当する。第1大当たり結果又は第2大当たり結果が発生する場合には、同一の数字が付された第1特定図柄の組み合わせ,同一の数字が付された第2特定図柄の組み合わせ,同一の数字が付された非特定図柄の組み合わせのいずれかが停止表示される。第3大当たり結果が発生する場合には、同一の数字が付された非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄の種類は上記のように数字が付された図柄に限定されることはなく、例えば、数字そのものが変動表示される構成としてもよく、図柄そのものが変動表示される構成としてもよい。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行う。具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を用い、第1大当たり結果〜第3大当たり結果の大当たり種別を判定する際に大当たり種別カウンタC2を用い、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選にリーチ乱数カウンタC3を用い、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に乱数初期値カウンタCINIを用い、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する際に変動種別カウンタCSを用いる。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選には電動役物開放カウンタC4を用いる。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えている。上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合には、その履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「30」の30種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「14」,「21」,「36」,「39」,「42」,「67」,「70」,「73」,「100」,「105」,「110」,「131」,「141」,「151」,「164」,「168」,「185」,「195」,「205」,「211」,「223」,「226」,「229」,「241」,「261」,「266」,「272」,「278」,「284」の30種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては、当否抽選に際してアドレス情報が「1」〜「3」である大当たり数値情報が参照され、高確率モードにおいては、当否抽選に際して全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が3個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い30個である。これにより、低確率モードでは大当たり当選となる確率が1/100となるのに対して高確率モードでは大当たり当選となる確率が1/10となり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32の開閉回数が異なる高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が6回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個となるまで継続される。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態の当選確率が同一(例えば、共に4/5)となっている。一方、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比して、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり、電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比して、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、第1大当たり結果と、第2大当たり結果と、第3大当たり結果と、が設定されている。
第1大当たり結果は、高頻度入賞モードの開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが当該当否抽選モード移行後における遊技回数が5回となるまで高確率モードとなるとともに、サポートモードが当該サポートモード移行後における遊技回数が85回となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。すなわち、開閉実行モードの終了後に当否抽選における抽選結果が大当たり当選とならなかった場合、遊技回数が0〜5回においては、高確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技となり、遊技回数が6〜85回においては、低確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技となり、遊技回数が86回以降においては、低確率モード及び低頻度サポートモードにおける遊技となる。
第2大当たり結果は、低頻度入賞モードの開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが当該当否抽選モード移行後における遊技回数が5回となるまで高確率モードとなるとともに、サポートモードが当該サポートモード移行後における遊技回数が45回となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。すなわち、開閉実行モードの終了後に当否抽選における抽選結果が大当たり当選とならなかった場合、遊技回数が0〜5回においては、高確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技となり、遊技回数が6〜45回においては、低確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技となり、遊技回数が46回以降においては、低確率モード及び低頻度サポートモードにおける遊技となる。
第3大当たり結果は、低頻度入賞モードの開閉実行モードが実行され、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが当該当否抽選モード移行後における遊技回数が5回となるまで高確率モードとなるとともに、サポートモードが当該サポートモード移行後における遊技回数が25回となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。すなわち、開閉実行モードの終了後に当否抽選における抽選結果が大当たり当選とならなかった場合、遊技回数が0〜5回においては、高確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技となり、遊技回数が6〜25回においては、低確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技となり、遊技回数が26回以降においては、低確率モード及び低頻度サポートモードにおける遊技となる。
以下では、開閉実行モードにおける遊技を「大当たり中遊技」といい、当該遊技を実行可能な遊技状態を「大当たり中遊技状態」ともいう。高確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技を「高確時短遊技」といい、当該遊技を実行可能な遊技状態を「高確時短遊技状態」ともいう。低確率モード及び高頻度サポートモードにおける遊技を「低確時短遊技」といい、当該遊技を実行可能な遊技状態を「低確時短遊技状態」ともいう。低確率モード及び低頻度サポートモードにおける遊技を「通常遊技」といい、当該遊技を実行可能な遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。また、第1大当たり結果に基づく80回の低確時短遊技状態を「第1低確時短遊技状態」、第2大当たり結果に基づく40回の低確時短遊技状態を「第2低確時短遊技状態」、第3大当たり結果に基づく20回の低確時短遊技状態を「第3低確時短遊技状態」ともいう。
振分テーブルにおいて、「0〜2」が第1大当たり結果と対応しており、「3〜20」が第2大当たり結果と対応しており、「21〜29」が第3大当たり結果と対応しているが、この数値の振分は任意である。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜296の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜98」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、低頻度サポートモードと比してリーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定されている構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況下で中図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。例えば、「4」の主図柄によってリーチラインが形成されている場合には、中図柄列Z2の「4」の主図柄又は裏「4」の主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの電断信号の入力により起動されるNMI割込み処理と、が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図11のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的に説明すると、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する。但し、主制御装置81には反転回路が設けられているため、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合、入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合、入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS201では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS202にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS206に進む。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS203にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS204では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS206に進む。「0」となっている場合には、ステップS205にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的に説明すると、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する。但し、主制御装置81には反転回路が設けられているため、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合、入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合、入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS206では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS207にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS211に進む。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS208にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS209では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS211に進む。「0」となっている場合には、ステップS210にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS211に進む。
ステップS211では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、MPU202において上作動口33や下作動口34の入賞信号の入力を確認したとしても即座に入賞の発生と特定するのではなく、複数回として設定された入賞基準回数の確認タイミングに亘って継続して上記入賞信号の入力を確認した場合に、入賞が発生したと特定する。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
タイマ割込み処理(図10)の説明に戻り、ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
作動口用の入賞処理について図12のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS302〜ステップS306の処理を実行することなくステップS307に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS303では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS307に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS304に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS305では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する。当該処理については、後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは音声ランプ制御装置82に送信されることとなるが、音声ランプ制御装置82では、当該保留コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
ステップS301にて否定判定した場合、ステップS303にて否定判定した場合又はステップS306の処理を実行した後には、ステップS307にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS308にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS303〜ステップS306の処理を実行する。この場合、ステップS303〜ステップS306の処理後におけるステップS307の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS303〜ステップS305の情報取得処理と、ステップS306の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、保留予告用の処理を早いタイミングで実行することができる。
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS401〜ステップS409の処理が4msec周期の処理として実行され、その残余時間でステップS410及びステップS411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS402では、制限解除処理を実行する。当該制限解除処理は、タイマ割込み処理(図10)の作動口用の入賞処理(図12)におけるステップS306において、保留予告用の所定の確認処理が制限されている状況下でそれを解除するための処理である。制限解除処理の詳細については後に説明する。
ステップS403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ステップS404では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
ステップS405では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードに移行したり、高確率モードや高頻度サポートモードに移行したりする。
ステップS406では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
ステップS407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS408では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断監視基板205において電断の発生が確認され当該電断監視基板205からMPU202のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS409にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS410では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS408にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS412以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS412では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS413にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS414にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS401〜ステップS407の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
なお、ステップS409において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
次に、ステップS404の遊技回制御処理を図14〜図19のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理及びステップS507〜ステップS512の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。
その後、ステップS506にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリア(開始実行情報記憶手段)に変動開始フラグ(開始実行情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該変動開始フラグは、変動表示が開始された直後であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図13)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、始動保留記憶数Nを1減算する。続くステップS602にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップ604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS505の変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS802では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。詳細は後述するが、高確率モードフラグは、開閉実行モードの終了に際して格納される。
低確率モードである場合には、ステップS803にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「3」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として確認個数カウンタエリアが設けられており、ステップS803では、当該確認個数カウンタエリアの情報を「3」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS804にて、確認個数を「30」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「30」の情報に更新する。
ステップS803又はステップS804の後は、ステップS805にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「3」である場合には、当否テーブルにおいて「3」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「21」の情報を取得する。また、例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「30」である場合には、当否テーブルにおいて「30」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「284」の情報を取得する。
続くステップS806では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS805にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS807にて、ステップS806にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS808にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS809にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS805に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS804にて確認個数として「30」を設定する。この場合においてステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「30」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「284」を参照して比較処理を行い、次に「29」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「278」を参照して比較処理を行い、さらに「28」〜「2」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
当否抽選モードが低確率モードである場合についても同様であり、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、「3」〜「1」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して当否判定を行うように、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS805にて取得した場合に、ステップS806における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS807にて肯定判定をする。そして、ステップS810にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS701にて当否判定処理を実行した後は、ステップS702にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS703にて今回の大当たり当選の種別が第1大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握するとともに、ROM203の振分テーブルから第1大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、第1大当たり情報に対応しているか否かを特定する。第1大当たり結果である場合には、ステップS704にて第1大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS703にて第1大当たり結果でないと判定した場合には、ステップS705にて今回の大当たり当選の種別が第2大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報が、ROM203の振分テーブルから取得した第2大当たり情報に対応した情報と対応しているか否かを特定する。第2大当たり結果である場合には、ステップS706にて第2大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
第1大当たりと第2大当たりのいずれでもない場合(ステップS703及びステップS705が共にNOである場合)には、第3大当たり結果であることを意味するため、ステップS707にて第3大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS708にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS704,ステップS706〜ステップS708の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS704,ステップS706及びステップS707では、今回の遊技回の当否判定結果が第1大当たり結果,第2大当たり結果,第3大当たり結果のいずれであるかをMPU202にて特定するための情報を、RAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS704では第1大当たりフラグを格納し、ステップS706では第2大当たりフラグを格納し、ステップS707では第3大当たりフラグを格納する。
上記各停止結果設定処理のいずれかを実行した場合には、ステップS709にて変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、第1大当たりフラグ,第2大当たりフラグ及び第3大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれも格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値(本実施の形態では「0〜98」)である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903に進み、リーチ種別を特定する。ROM203のリーチ種別特定用テーブル記憶エリアには、リーチ乱数カウンタC3の値と、今回の遊技回において図柄表示装置41にて発生させるリーチ種別と、の対応関係を定めたリーチ種別特定用テーブルが記憶されている。より詳しくは、リーチ種別特定用テーブル記憶エリアには、通常遊技状態下で大当たりリーチ発生となる場合に用いられる通常大当たり用リーチ種別特定用テーブルと、通常遊技状態下で外れリーチ発生となる場合に用いられる通常外れ用リーチ種別特定用テーブルと、高確時短遊技状態下で大当たりリーチ発生となる場合に用いられる高確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルと、高確時短遊技状態下で外れリーチ発生となる場合に用いられる高確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルと、第1低確時短遊技状態下で大当たりリーチ発生となる場合に用いられる第1低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルと、第1低確時短遊技状態下で外れリーチ発生となる場合に用いられる第1低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルと、第2低確時短遊技状態下で大当たりリーチ発生となる場合に用いられる第2低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルと、第2低確時短遊技状態下で外れリーチ発生となる場合に用いられる第2低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルと、第3低確時短遊技状態下で大当たりリーチ発生となる場合に用いられる第3低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルと、第3低確時短遊技状態下で外れリーチ発生となる場合に用いられる第3低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルと、が記憶されている。そして、ステップS903では、そのときの遊技状態と、大当たり発生の有無と、に基づいて対応するリーチ種別特定用テーブルを参照し、リーチ乱数カウンタC3の値からリーチ種別を特定する。
本パチンコ機10では、リーチ種別として、スペシャルリーチと、スーパーリーチと、ノーマルリーチと、がある。
通常外れ用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜71」であればノーマルリーチとなり、「72〜97」であればスーパーリーチとなり、「98」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。また、通常大当たり用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜17」であればノーマルリーチとなり、「18〜89」であればスーパーリーチとなり、「90〜296」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。
つまり、通常遊技状態における遊技回では、約4.17分の1の確率で外れノーマルリーチとなり、約1650分の1の確率で大当たりノーマルリーチとなり、約11.5分の1の確率で外れスーパーリーチとなり、約413分の1の確率で大当たりスーパーリーチとなり、約300分の1の確率で外れスペシャルリーチとなり、約143分の1の確率で大当たりスペシャルリーチとなる。ノーマルリーチの出現率は、約4.16分の1であり、ノーマルリーチ発生時における大当たりの期待度は約0.25%である。スーパーリーチの出現率は、約11.2分の1であり、スーパーリーチ発生時における大当たりの期待度は約2.7%である。スペシャルリーチの出現率は、約97.1分の1であり、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度は約68%である。以上のとおり、本パチンコ機10では、大当たり期待度の異なる3種類のリーチ表示を備えており、スペシャルリーチが発生した場合に大当たり期待度が最も高くなるようになっている。
第1低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜71」であればノーマルリーチとなり、「72〜97」であればスーパーリーチとなり、「98」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。また、第1低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜83」であればノーマルリーチとなり、「84〜223」であればスーパーリーチとなり、「224〜296」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。
つまり、第1低確時短遊技状態における遊技回では、約4.17分の1の確率で外れノーマルリーチとなり、約354分の1の確率で大当たりノーマルリーチとなり、約11.5分の1の確率で外れスーパーリーチとなり、約212分の1の確率で大当たりスーパーリーチとなり、約300分の1の確率で外れスペシャルリーチとなり、約407分の1の確率で大当たりスペシャルリーチとなる。ノーマルリーチの出現率は、約4.12分の1であり、ノーマルリーチ発生時における大当たりの期待度は約1.2%である。スーパーリーチの出現率は、約10.9分の1であり、スーパーリーチ発生時における大当たりの期待度は約5.1%である。スペシャルリーチの出現率は、約173分の1であり、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度は約42%である。第1低確時短遊技状態は80回の遊技が行われた場合に終了するため、第1低確時短遊技状態では、ノーマルリーチが約19回発生することを期待でき、スーパーリーチが約7.3回発生することを期待でき、スペシャルリーチが約0.46回発生することを期待できる。
第2低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜70」であればノーマルリーチとなり、「71〜96」であればスーパーリーチとなり、「97,98」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。また、第2低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜50」であればノーマルリーチとなり、「51〜150」であればスーパーリーチとなり、「151〜296」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。
つまり、第2低確時短遊技状態における遊技回では、約4.22分の1の確率で外れノーマルリーチとなり、約582分の1の確率で大当たりノーマルリーチとなり、約11.5分の1の確率で外れスーパーリーチとなり、約297分の1の確率で大当たりスーパーリーチとなり、約150分の1の確率で外れスペシャルリーチとなり、約203分の1の確率で大当たりスペシャルリーチとなる。ノーマルリーチの出現率は、約4.19分の1であり、ノーマルリーチ発生時における大当たりの期待度は約0.72%である。スーパーリーチの出現率は、約11.1分の1であり、スーパーリーチ発生時における大当たりの期待度は約3.7%である。スペシャルリーチの出現率は、約86.3分の1であり、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度は約42%である。第2低確時短遊技状態は40回の遊技が行われた場合に終了するため、第2低確時短遊技状態では、ノーマルリーチが約9.5回発生することを期待でき、スーパーリーチが約3.6回発生することを期待でき、スペシャルリーチが約0.46回発生することを期待できる。
第3低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0〜69」であればノーマルリーチとなり、「70〜94」であればスーパーリーチとなり、「95〜98」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。また、第3低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルには、リーチ乱数カウンタC3の値が、「0,1」であればノーマルリーチとなり、「2〜4」であればスーパーリーチとなり、「5〜296」であればスペシャルリーチとなるように、対応関係が設定されている。
つまり、第3低確時短遊技状態における遊技回では、約4.29分の1の確率で外れノーマルリーチとなり、約14900分の1の確率で大当たりノーマルリーチとなり、12.0分の1の確率で外れスーパーリーチとなり、約9900分の1の確率で大当たりスーパーリーチとなり、75分の1の確率で外れスペシャルリーチとなり、約102分の1の確率で大当たりスペシャルリーチとなる。ノーマルリーチの出現率は、約4.28分の1であり、ノーマルリーチ発生時における大当たりの期待度は約0.02%である。スーパーリーチの出現率は、約12.0分の1であり、スーパーリーチ発生時における大当たりの期待度は約0.12%である。スペシャルリーチの出現率は、約43.2分の1であり、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度は約42%である。第3低確時短遊技状態は20回の遊技が行われた場合に終了するため、第3低確時短遊技状態では、ノーマルリーチが約4.7回発生することを期待でき、スーパーリーチが約1.7回発生することを期待でき、スペシャルリーチが約0.46回発生することを期待できる。
以上のとおり、本パチンコ機10では、高頻度サポートモードの遊技回数が異なる第1低確時短遊技状態,第2低確時短遊技状態,第3低確時短遊技状態において、対応する遊技状態が終了するまでに期待できるスペシャルリーチの発生回数が等しく、且つ、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度が等しくなっている。
ちなみに、高確時短遊技状態では、大当たりリーチ発生となる場合に高確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブルが用いられ、外れリーチ発生となる場合に高確時短外れ用リーチ種別特定用テーブルが用いられる。したがって、第1大当たり,第2大当たり,第3大当たりのいずれが発生した場合であっても、高頻度サポートモードが終了するまでに期待できるスペシャルリーチの発生回数が等しく、且つ、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度が等しくなっている。
リーチ種別を特定した後、ステップS904では、特定したリーチ種別と対応するリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照し、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得する。なお、各リーチ発生用変動表示時間テーブルは、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されている。ステップS905では、取得した変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS906にて変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS907にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては、低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS709にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS710にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報、リーチ発生の場合のリーチ種別の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、第1大当たり結果の情報、第2大当たり結果の情報、第3大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS710にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS711にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS507〜ステップS512の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS507にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図18)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係るメイン表示部43における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS509にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS704,ステップS706〜ステップS708のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS510では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信される。表示制御装置212は、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
ステップS511では、RAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリア(制限情報記憶手段)に制限フラグ(制限情報)を格納する。当該制限フラグは、後述する保留予告用の確認処理の実行が制限されている状況であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図13)のステップS402における制限解除処理にて消去される。制限フラグを格納した場合には、ステップS512にてモード移行処理を実行し、本遊技回制御処理を終了する。
モード移行処理では、図19のフローチャートに示すように、ステップS951において当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードである場合には、ステップS952に進み、遊技回数カウンタの値を1減算する。遊技回数カウンタは、高確率モード下において遊技可能な残り遊技回数を把握するためのカウンタであり、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられている。続くステップS953では、遊技回数カウンタの値が0であるか否かを判定し、遊技回数カウンタの値が0である場合には、ステップS954にて高確率モードフラグを消去する。
ステップS951にて高確率モードでなく低確率モードであると判定した場合と、ステップS953にて遊技回数カウンタの値が0でないと判定した場合と、ステップS954にて高確率モードフラグを消去した場合と、には、ステップS955に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高頻度モードフラグ格納エリア(高頻度状態情報記憶手段)に、第1高頻度モードフラグ(第1高頻度状態情報),第2高頻度モードフラグ(第2高頻度状態情報),第3高頻度モードフラグ(第3高頻度状態情報)のいずれかが格納されているか否かを判定する。詳細は後述するが、第1高頻度モードフラグとは、第1大当たり発生に基づく開閉実行モードの終了後に格納されるフラグであり、第2高頻度モードフラグとは、第2大当たり発生に基づく開閉実行モードの終了後に格納されるフラグであり、第3高頻度モードフラグとは、第3大当たり発生に基づく開閉実行モードの終了後に格納されるフラグである。高頻度サポートモードでなく低頻度サポートモードである場合には、そのまま本処理を終了する。高頻度サポートモードである場合には、ステップS956に進み、サポートカウンタの値を1減算する。サポートカウンタは、高頻度サポートモード下において遊技可能な残り遊技回数を把握するためのカウンタであり、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられている。続くステップS957では、サポートカウンタの値が0であるか否かを判定し、0でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、サポートカウンタの値が0である場合には、ステップS958にて格納されている高頻度モードフラグを消去した後に本処理を終了する。
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図20のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS1002に進み、1の遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、第1大当たりフラグ,第2大当たりフラグ,第3大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれも格納されていない場合には、そのまま本処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004に進み、RAM204に第1大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。第1大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1005にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられたラウンドカウンタRCに15をセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタである。その後、高確率モードフラグと高頻度モードフラグの少なくとも一方が各種フラグ格納エリア234の対応する格納エリアに格納されている場合には、当該格納されているモードフラグを消去し、本処理を終了する。また、第1大当たりフラグではなく第2大当たりフラグ又は第3大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1006にて上記ラウンドカウンタRCに6をセットする。その後、高確率モードフラグと高頻度モードフラグの少なくとも一方が各種フラグ格納エリア234の対応する格納エリアに格納されている場合には、当該格納されているモードフラグを消去し、本処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1007に進む。ステップS1007では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合、ラウンドカウンタRCの値が1以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。大入賞口32aを開放させた場合には、大入賞口32aを開放させたことを示す開放コマンドを音声ランプ制御装置82に対して送信する。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。大入賞口32aを閉鎖させた場合には、ラウンドカウンタRCの値を1減算するとともに、大入賞口32aを閉鎖させたことを示す閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS1008では、ラウンドカウンタRCの値が0であるか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が0である場合には、開閉実行モードの終了条件が成立したことを意味する。かかる場合には、ステップS1009にて高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1010にて遊技回数カウンタに5をセットする。ステップS1011では、高頻度モードフラグ格納エリアに大当たりフラグと対応する高頻度モードフラグをセットする。具体的には、第1大当たりフラグが格納されている場合、第1高頻度モードフラグを格納し、第2大当たりフラグが格納されている場合、第2高頻度モードフラグを格納し、第3大当たりフラグが格納されている場合、第3高頻度モードフラグを格納する。ステップS1012では、サポートカウンタ設定処理を実行する。サポートカウンタ設定処理では、第1大当たりフラグが格納されている場合、サポートカウンタに85をセットし、第2大当たりフラグが格納されている場合、サポートカウンタに45をセットし、第3大当たりフラグが格納されている場合、サポートカウンタに25をセットする。
サポートカウンタ設定処理を実行した場合には、ステップS1013にて開閉実行モードの終了処理を実行し、本処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、第1大当たりフラグ,第2大当たりフラグ,第3大当たりフラグのうち格納されているフラグを消去する。
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報が大当たり当選であることを期待させる保留予告が、当該保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回から前記保留情報に関わる遊技回までの複数の遊技回にわたって行われ得る構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図21のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254に設けられた各エリアに記憶される。例えば、ワークRAM254には、第1エリアと、第2エリアと、第3エリアと、第4エリアと、保留記憶数格納エリアと、よりなる保留記憶情報格納エリアが設けられている。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、保留表示領域Gaに対応した保留表示用エリア271が設定されている。
保留表示用エリア271には、保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
次に、主制御装置81のMPU202及び表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告に係る処理について説明する。ここで、本パチンコ機10では、保留予告用の確認処理の実行が制限されることがあるとともに、当該制限が開始された場合には所定の解除条件が成立するまで継続される。以下の説明では、先ず保留予告用の確認処理の実行が制限されていない場合について説明し、その後に、保留予告用の確認処理の実行が制限される場合及び当該制限が解除される場合について説明する。
主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理について説明する。ここで、保留コマンドの設定処理は、既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図12)のステップS306において実行される。かかるステップS306の保留コマンドの設定処理は上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される。そして、当該保留コマンドの設定処理では、今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。この場合に、大当たり当選の情報が含まれているか否かの確認に際しては、上記当否判定処理(図17)において当否判定を行う上で用いられたROM203の当否テーブル及びRAM204の各種カウンタエリア233における確認個数カウンタエリアが用いられる。
図22は保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。ステップS1101では、保留予告用の確認処理の実行を制限すべき一の条件が成立していることを示す制限フラグがRAM204に格納されているか否かを判定する。ステップS1102では、始動保留記憶数Nが1であるか否かを判定する。ステップS1103では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。
制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。また、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であっても、始動保留記憶数Nが「1」である場合すなわち複数の保留情報が記憶されてない場合(ステップS1102:YES)であって当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。
今回は、保留予告用の確認処理の実行が制限されない場合の処理であるため、上記制限条件のいずれにも該当しない。つまり、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であって複数の保留情報が記憶されている場合(ステップS1102:NO)には、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかに関係なく保留予告用の確認処理が開始される。また、制限フラグが格納されている場合(ステップS1101:YES)又は複数の保留情報が記憶されていない場合(ステップS1102:YES)のいずれかに該当する状況であっても、当否抽選モードが低確率モードである場合(ステップS1103:YES)には、保留予告用の確認処理が開始される。
保留予告用の確認処理では、先ずステップS1104にて、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。
ステップS1105では、今回取得した保留情報に基づいてメイン表示部43の変動表示が開始される仮想遊技回(今回の入賞に基づく遊技回)における当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。上述したとおり、本パチンコ機10では、開閉実行モードが終了してから5遊技回が終了するまでの間、当否抽選モードが高確率モードとなり、その後に当否抽選モードが低確率モードに移行する。このため、保留情報を取得した際の当否抽選モードと、取得した保留情報を用いて当否判定を行う際の当否抽選モードと、が異なる事象が生じる。例えば、高確率モード下で3回目のメイン表示部43の変動表示を行っている際に3個目の保留情報を取得した場合、当該3個目の保留情報は、高確率モードではなく低確率モードの当否判定で用いられることとなる。そこでステップS1105では、仮想遊技回における当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定することとしている。具体的には、開閉モード中に今回の処理を行っている場合には、仮想遊技回における当否抽選モードが高確率モードであると判定する。メイン表示部43の変動表示中に今回の処理を行っている場合には、高確率モードフラグが格納されていない場合、仮想遊技回における当否抽選モードが低確率モードであると判定する。高確率モードフラグが格納されている場合には、遊技回数カウンタの値と、始動保留記憶数Nと、に基づいて、仮想遊技回における当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
仮想遊技回が高確率モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「30」の情報に更新することで、確認個数を「30」に設定する。ステップS1107では、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1108では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1104にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1107にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1109にて、ステップS1108において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1110にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1111にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1107に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1109にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1112にて大当たり保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1106にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1111の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1114にてリーチ判定処理を行った後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
仮想遊技回が低確率モードである場合には、ステップS1113に進み、低確率モード処理を行う。
低確率モード処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS1151において、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「30」の情報に更新することで、確認個数を「30」に設定する。ステップS1152では、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1153では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1104にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1152にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1154にて、ステップS1153において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1155にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1156にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1152に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。そして、大当たり判定用の情報が大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1156にて否定判定をし、ステップS1160にてリーチ判定処理を行った後に本処理を終了する。
ステップS1154にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1157に進み、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「3」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「3」の情報より大きい情報である場合には、大当たり判定用の情報が、低確率モード下では大当たり当選とならないものの高確率モード下では大当たり当選となるものであることを意味する。かかる場合には、ステップS1158にて仮想大当たり情報を記憶するとともに、ステップS1160にてリーチ判定処理を行い、本処理を終了する。仮想遊技回が低確率モードである場合に確認個数「30」〜「4」と対応する大当たり数値情報を用いて比較処理を行うのは、例えば大当たり発生となる遊技回のメイン表示部43の変動表示を行っている際に本処理を行った場合といった、仮想遊技回以前の遊技回において大当たり発生となる場合、仮想遊技回が低確率モードではなく高確率モードとなるからである。
ステップS1157にて上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「3」の情報以下の情報であると判定した場合には、大当たり判定用の情報が、低確率モードと高確率モードのいずれであっても大当たり当選となるものであることを意味する。かかる場合には、ステップS1159にて大当たり保留コマンドを設定した後に本処理を終了する。
図24は、ステップS1114(図22参照)及びステップS1160(図23参照)にて行うリーチ判定処理を示すフローチャートである。
ステップS1201では、仮想遊技回において、図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の入賞に基づきステップS305にて取得したリーチ乱数カウンタC3の値が「0〜98」のいずれかであるか否かを判定する。リーチ表示が発生する場合には、ステップS1202に進み、リーチ種別を特定する。リーチ種別の特定に際しては、仮想遊技回における遊技状態と対応するリーチ種別特定用テーブルを参照し、リーチ乱数カウンタC3の値からリーチ種別を特定する。続くステップS1203では、特定したリーチ種別がノーマルリーチであるか否かを判定する。ノーマルリーチである場合には、ステップS1204にて第1リーチ保留コマンドを設定する。ノーマルリーチでない場合には、ステップS1205に進み、特定したリーチ種別がスーパーリーチであるか否かを判定する。スーパーリーチである場合には、ステップS1206にて第2リーチ保留コマンドを設定する。スーパーリーチでない場合には、スペシャルリーチであることを意味するため、ステップS1207にて第3リーチ保留コマンドを設定する。また、リーチ表示が発生しない場合には、ステップS1208にて完全外れ保留コマンドを設定する。
上記各保留コマンドのいずれかを設定した場合には、ステップS1209に進み、仮想大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。仮想大当たり情報が記憶されていない場合には、そのまま本処理を終了し、仮想大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS1210に進み、設定した保留コマンドを仮想大当たり情報を含む保留コマンドに変更し、本処理を終了する。以上のとおり、大当たり保留コマンド以外の各保留コマンド(以下、これらを総称して「外れ保留コマンド」ともいう。)は、リーチ発生の有無と、リーチ発生となる場合のリーチ種別と、仮想大当たりの有無と、を含んでいる。
上記大当たり保留コマンド等の各保留コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
次に、主制御装置81のMPU202において保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
上述したとおり、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理の実行が制限される場合とは、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1102:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
である。
先ず上記(I)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
制限フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図14)において、変動終了コマンドを設定した後のステップS511にて格納される。
当該制限フラグは、主制御装置81のMPU202における通常処理(図13)のうち、ステップS402の制限解除処理において消去される。制限解除処理について、図25のフローチャートを用いて説明すると、先ずステップS1301にて、RAM204に変動開始フラグが格納されているか否かを判定する。変動開始フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図14)において、変動開始処理を実行した後のステップS506にて格納される。つまり、変動開始フラグは、任意の一の遊技回が開始される場合に常に格納される。
変動開始フラグが格納されていない場合には、そのまま本制限解除処理を終了する。変動開始フラグが格納されている場合には、ステップS1302にてRAM204から制限フラグを消去するとともに、ステップS1303にてRAM204から変動開始フラグを消去した後に、本制限解除処理を終了する。
ここで、遊技回制御処理(図14)は、通常処理(図13)が1回実行される場合に1回実行される構成である。そして、変動開始処理及び変動終了処理のうち変動終了処理を1回の遊技回制御処理にて実行した場合には、かかる処理回の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されることがない。また、1回の通常処理において、制限解除処理は遊技回制御処理よりも早いタイミングで実行される。このため、所定の処理回の通常処理における遊技回制御処理にて変動開始フラグが格納された場合には、当該処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行されることはなく、次の処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行される。
つまり、制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納される。そして、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて制限フラグが消去される。
制限フラグが格納されており、上記(I)の条件が成立している場合には、保留コマンドの設定処理(図22)のステップS1103にて否定判定をすることにより、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114のリーチ判定処理に進む。そして、リーチ判定処理にて第1リーチ保留コマンド,第2リーチ保留コマンド,第3リーチ保留コマンド,完全外れ保留コマンドのいずれかを設定し、保留コマンドの設定処理を終了する。
上記(I)の条件が設定されていることによる作用及び効果を説明する。
上記(I)の条件によって保留予告用の確認処理の実行が制限されることにより、当否抽選モードが高確率モードである状況では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまで保留予告用の確認処理の実行が制限される。
ここで、高確率モードである状況における変動開始処理の当否判定処理(図17)及び保留予告用の確認処理(ステップS1104〜ステップS1113)では、大当たり数値情報の確認個数が「30」に設定される。このため、少なくとも確認対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。
さらにまた、本パチンコ機10では、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが並設されていて両作動口33,34への入賞が同時に発生し得るとともに、各作動口33,34への入賞が発生したか否かの判定及びそれぞれの入賞に対する情報取得処理がタイマ割込み処理にて実行される構成である。このため、通常処理の1処理回において、上作動口33への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されるとともに、下作動口34への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されることがある。この場合に、当否抽選モードが高確率モードである状況において、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で保留予告用の確認処理の実行が制限されない構成を想定すると、1処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じ得る。
上記想定した構成の場合、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることとなる。そうすると、遊技回の進行、遊技状態の移行、及び遊技球の発射制御などを良好に行えなくなってしまうことが懸念される。また、上記想定した構成の場合、本パチンコ機10では、通常処理においてステップS401〜ステップS408の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となることが起こり得る。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限されるため、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることを抑えられる。
ちなみに、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS401〜ステップS408の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、保留コマンドの設定処理において比較処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、本パチンコ機10では変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成であるため、上記のような不都合を生じさせることなく、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じてしまうことを抑えられる。
ちなみに、1遊技回の平均消化時間は約10secとなっており、当該10secの間に4msec周期の通常処理が実行される回数は約2500回となる。つまり、1遊技回単位で見た場合に、2500回の処理回の通常処理のうち変動開始処理は1回の処理回の通常処理に対してのみ実行されるため、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのも2500回に1回となる。また、遊技ホールの1営業日単位で見た場合、本パチンコ機10の遊技を終日行ったとしても、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは1,2回あるかないかといった程度となる。したがって、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成としたとしても、保留予告用の確認処理の実行が実際に制限されることは稀であり、保留予告の演出に対する実質的な影響はないものと考えられる。
次に上記(II)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
既に説明したとおり、制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納される。そして、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて制限フラグが消去される。したがって、保留情報が記憶されていない状況では、基本的に制限フラグが格納されており、当否抽選モードが高確率モードである状況では上記(I)の条件が成立することとなる。
但し、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後においては、制限フラグが格納されていない状況で保留情報が記憶されていない状況となる。これに対して、このような状況では上記(II)の条件が成立する。そうすると、保留コマンドの設定処理(図22)では、ステップS1103にて否定判定をすることにより、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114のリーチ判定処理に進む。そして、リーチ判定処理にて第1リーチ保留コマンド,第2リーチ保留コマンド,第3リーチ保留コマンド,完全外れ保留コマンドのいずれかを設定し、保留コマンドの設定処理を終了する。
これにより、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後において保留情報が取得された状況であっても、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告に関わる処理、具体的には保留予告制御処理及び変動表示制御処理を説明する。上記各処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
保留予告制御処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1401では、音声ランプ制御装置82からいずれかの保留コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかの保留コマンドを受信している場合には、ステップS1402にて、ワークRAM254の保留記憶数格納エリアに保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1加算する。ステップS1403では、保留情報設定処理を行う。表示側保留記憶数SNは、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応しており、保留情報設定処理では、保留表示用エリア271における第1単位エリア272〜第4単位エリア275のうち、上記ステップS1402にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して保留表示情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに保留表示情報が格納されることにより、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4に白色の保留画像(本実施の形態では「○」の画像)が表示される。また、保留情報設定処理では、ワークRAM254に設けられた保留記憶数格納エリアの上記ステップS1402にて1加算した表示側保留記憶数SNと対応するエリアに、大当たり当選の有無の情報、リーチ発生の有無の情報、リーチ発生の場合にはそのリーチ種別の情報、仮想大当たりの有無の情報を記憶する。
続くステップS1404では、予告設定処理を行う。
予告設定処理では、図27のフローチャートに示すように、ステップS1501にて予告抽選処理を行う。予告抽選処理では、先ず、ワークRAM254に設けられた抽選用カウンタエリアから予告抽選用のカウンタ値を読み出す。
ここで、抽選用カウンタエリアは「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、予告抽選処理では、プログラムROM253に記憶されている予告抽選用テーブルを参照して、上記読み出した予告抽選用のカウンタ値が保留予告発生当選に対応しているか否かを判定する。
保留予告発生当選となる確率は任意であるが、本パチンコ機10では、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても20分の1の確率で保留予告発生当選となるように予告抽選用テーブルが設定されている。ちなみに、主制御装置81は、当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する場合に高確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信し、高確率モードから低確率モードに移行する場合に低確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。このため、表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82を経由して受信する高確移行コマンド及び低確移行コマンドによって高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを特定する。なお、予告抽選の当選確率は上記のものに限定されることはなく、低確率モードと高確率モードとで当選確率が異なっていてもよい。
ステップS1501にて予告抽選処理を行った場合には、ステップS1502にて上記予告抽選処理の結果が保留予告発生当選であったか否かを判定する。保留予告発生当選でなかった場合には、保留予告を行わないため、そのまま本処理を終了する。保留予告発生当選であった場合には、保留予告を実行すべくステップS1503〜ステップS1512に示す予告準備処理を行った後に本処理を終了する。
予告準備処理の説明に先立ち、表示画面Gに表示される主図柄について改めて説明する。
主図柄は、図7(a)〜(j)に示すように、「1」〜「9」の数字が描かれた数字部と、タコ等のキャラクタ図柄と、により構成されている。各主図柄には属性が設定されており、当該属性は、数字部周囲の色によって表現されている。具体的に説明すると、「3」,「7」の主図柄は、第1属性に分類されており、数字部周囲が赤色表示されている。「1」,「5」,「9」の主図柄は、第2属性に分類されており、数字部周囲が青色表示されている。また、「2」,「4」,「6」,「8」の主図柄は、第3属性に分類されており、数字部周囲が黄色表示されている。加えて、裏「4」の主図柄は、第1属性〜第3属性のいずれにも分類できるオールマイティ属性に分類されており、数字部周囲が虹色表示されている。属性は、第3属性→第2属性→第1属性の順にその属性順位が高くなる構成となっている。
本パチンコ機10では、いずれかの有効ラインL1〜L5上に同一属性の主図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了した場合、チャンス目となる。保留予告を実行すると決定し、且つ、大当たりとリーチ表示のいずれも発生しない遊技回では、いずれかの有効ラインL1〜L5上にチャンス目が最終停止表示される。チャンス目は、属性レベル1〜属性レベル6の6段階の属性レベルに分類される。属性レベル1には、第3属性の主図柄の組み合わせが分類されており、属性レベル2には、上図柄列Z1から順に第3属性の主図柄,オールマイティ属性の主図柄,第3属性の主図柄の組み合わせが分類されており、属性レベル3には、第2属性の主図柄の組み合わせが分類されており、属性レベル4には、上図柄列Z1から順に第2属性の主図柄,オールマイティ属性の主図柄,第2属性の主図柄の組み合わせが分類されており、属性レベル5には、第1属性の主図柄の組み合わせが分類されており、属性レベル6には、上図柄列Z1から順に第1属性の主図柄,オールマイティ属性の主図柄,第1属性の主図柄の組み合わせが分類されている。属性レベルは、属性レベル1→属性レベル2→属性レベル3→属性レベル4→属性レベル5→属性レベル6の順にレベルが高くなる構成となっている。つまり、オールマイティ属性の主図柄を含むチャンス目と、オールマイティ属性の主図柄を含まないチャンス目と、を比較した場合、前記各チャンス目の上図柄列Z1及び下図柄列Z3の主図柄の属性が等しい場合には、オールマイティ属性の主図柄を含むチャンス目の方が属性レベルが高くなる。一例を挙げて説明すると、上図柄列Z1から順に「7」,「3」,「3」の主図柄によって形成されたチャンス目は属性レベル5のチャンス目となる一方、上図柄列Z1から順に「7」,裏「4」,「3」の主図柄によって形成されたチャンス目は属性レベル6のチャンス目となり、後者のチャンス目の方が属性レベルが高くなる。
さて、予告準備処理では、ステップS1503において、今回受信した保留コマンドから、大当たり当選の有無の情報、リーチ発生の有無の情報、リーチ発生の場合にはそのリーチ種別の情報を把握し、その把握した情報をMPU252のレジスタに記憶する。上述したとおり、主制御装置81のMPU202は、大当たり発生の場合に大当たり保留コマンドを送信し、外れノーマルリーチが発生する場合に第1リーチ保留コマンドを送信し、外れスーパーリーチが発生する場合に第2リーチ保留コマンドを送信し、外れスペシャルリーチが発生する場合に第3リーチ保留コマンドを送信し、上記いずれでもない場合に完全外れ保留コマンドを送信する。したがって、表示制御装置212のMPU252は、上記各保留コマンドのいずれを受信したかにより、大当たり当選の有無等の上記各情報を把握することができる。
上記各情報を把握した後、ステップS1504では、属性アップ率決定処理を行う。詳細は後述するが、保留予告としてチャンス目を表示する場合には、先の遊技回において表示したチャンス目の属性レベルよりもチャンス目の属性レベルをアップさせるか否かのアップ抽選を実行する。属性アップ率決定処理では、ステップS1503の把握結果に基づいて、上記アップ抽選の当選確率(属性アップ率)を決定する。具体的には、大当たり発生の場合、アップ抽選の当選確率を1分の1と決定し、外れスペシャルリーチ発生の場合、アップ抽選の当選確率を5分の4と決定し、外れスーパーリーチ発生の場合、アップ抽選の当選確率を2分の1と決定し、外れノーマルリーチ発生の場合、アップ抽選の当選確率を4分の1と決定し、完全外れの場合、アップ抽選の当選確率を5分の1と決定する。
なお、属性アップ率の決定を所定の抽選を行って決定する構成としてもよい。例えば、大当たり発生の場合には、50%の割合で属性アップ率を1分の1と決定し、30%の割合で属性アップ率を5分の4と決定し、15%の割合で属性アップ率を2分の1と決定し、3%の割合で属性アップ率を4分の1と決定し、2%の割合で属性アップ率を5分の1と決定する。また、完全外れの場合には、1%の割合で属性アップ率を1分の1と決定し、3%の割合で属性アップ率を5分の4と決定し、6%の割合で属性アップ率を2分の1と決定し、40%の割合で属性アップ率を4分の1と決定し、50%の割合で属性アップ率を5分の1と決定する。このように、大当たり発生の期待度が高い図柄の変動表示を行うものであるほど、高い属性アップ率の選択される可能性が高くなる構成としてもよい。
ステップS1505では、表示側保留記憶数SNの値から保留記憶数を把握する。続くステップS1506では、チャンス目の属性レベルを決定する属性レベル決定処理を行う。属性レベル決定処理では、ステップS1503の把握結果と、保留記憶数と、に基づいて属性レベルを決定する。
ステップS1507では、保留予告を実行すると決定したことを示す予告フラグがセットされているか否かを判定する。予告フラグがセットされていない場合には、保留予告を実行すると決定していない状況下で保留予告発生当選となったことを意味する。かかる場合には、ステップS1508にて予告フラグをセットするとともに、ステップS1504にて決定した属性アップ率及びステップS1506にて決定した属性レベルをワークRAM254に記憶する。その後、ステップS1510では、保留予告の実行回数を記憶する。具体的には、ワークRAM254には保留予告の実行回数をカウントするための予告回数カウンタが設けられており、当該予告回数カウンタに表示側保留記憶数SNをセットする。
ステップS1511では、図柄を変動表示中であるか否かを判定する。図柄を変動表示中でない場合には、そのまま本処理を終了し、図柄を変動表示中である場合には、ステップS1512にて変更フラグをセットし、本処理を終了する。
保留予告制御処理の説明に戻り、ステップS1404にて予告設定処理が終了した場合、又はステップS1401にて保留コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1405に進み、音声ランプ制御装置82からシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。シフト時コマンドを受信していない場合にはそのまま本保留予告制御処理を終了する。
シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS1406に進み、ワークRAM254の保留記憶数格納エリアに保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1減算する。続くステップS1407では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。具体的には、第1単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア273→第1単位エリア272、第3単位エリア274→第2単位エリア273、第4単位エリア275→第3単位エリア274といった具合に各単位エリア272〜275内の保留表示情報をシフトする。これにより、保留表示領域Gaでは、保留画像が単位保留表示領域Ga1〜Ga4において下位側に移動表示される。また、シフト処理では、保留記憶情報格納エリアの第1エリア〜第4エリアに記憶されている大当たり当選の有無等の情報を下位エリア側に順にシフトさせる。シフト処理が終了した場合には、本保留予告制御処理を終了する。
次に、変動表示制御処理を図28のフローチャートに基づいて説明する。変動表示制御処理は、保留予告制御処理(図26)が実行された後に起動されるものである。そして、変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動開始コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。
ステップS1601では、図柄表示装置41にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。1遊技回分の図柄の変動表示が行われていない場合には、ステップS1602に進み、主制御装置81から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。変動開始コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動開始コマンドを受信している場合には、ステップS1603にて変動開始用処理を実行し、本変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS1604に進み、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS1605にて変動中用処理を実行し、本変動表示制御処理を終了する。変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1606にて変動終了用処理を実行し、本変動表示制御処理を終了する。
以下、ステップS1603の変動開始用処理、ステップS1605の変動中用処理及びステップS1606の変動終了用処理を詳細に説明する。なお、保留予告の理解を容易なものとするため、保留予告を実行すると決定していない状況下における上記各処理と、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合における上記各処理と、保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回における上記各処理と、を個別に説明することとする。
先ず、保留予告を実行すると決定していない状況下における変動開始用処理,変動中用処理及び変動終了用処理を説明する。上述したとおり、保留予告を実行すると決定した場合には、予告設定処理(図27)のステップS1508において予告フラグがセットされる。つまり、保留予告を実行すると決定していない状況下とは、予告フラグがセットされていない状況下のことである。
ステップS1603の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、主制御装置81から送信された変動開始コマンドを受信したことに基づき、図柄表示装置41における図柄の変動表示を開始させるための処理である。
図29のフローチャートに示すように、ステップS1701では、今回受信した変動開始コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように、主制御装置81は変動開始コマンドを送信する場合に種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1701では、今回受信した変動開始コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、第1大当たり結果の情報、第2大当たり結果の情報、第3大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1701では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、リーチ発生の場合にはリーチ種別の情報及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU252のレジスタに記憶する。
続くステップS1702では、MPU252のレジスタに記憶されている情報から、今回の遊技回において大当たり当選が発生するか否かを判定する。大当たり当選が発生する場合には、ステップS1703に進み、停止ラインを決定する。本パチンコ機10では、既に説明したように、図柄表示装置41の表示画面Gに5つの有効ラインL1〜L5が設定されている。そして、大当たり結果となる場合には、いずれかの有効ラインL1〜L5上に大当たり図柄の組み合わせが停止表示され、大当たり結果とならない場合であっても、リーチ表示となる場合にはいずれかの有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組み合わせが停止表示される。さらにまた、大当たり結果及びリーチ表示のいずれにもならない場合であっても、保留予告を行う場合にはいずれかの有効ラインL1〜L5上にチャンス目が停止表示される。この場合に、ステップS1702では、上記各種図柄の組み合わせを停止表示させるための有効ラインを決定する。
停止ラインの決定について簡単に説明すると、ワークRAM254には、有効ラインL1〜L5の数に対応させて「0〜4」の数値範囲が設定されたライン情報更新用エリアが設けられている。ライン情報更新用エリアでは、予め定められた周期で上記数値範囲においてカウンタ値の更新が実行される。停止ラインの決定に際しては、その時点でライン情報更新用エリアに格納されている数値情報を取得する。
ステップS1704では、上記ステップS103にて決定した停止ラインに最終停止表示させる図柄の組み合わせを決定する。大当たり当選の発生時における図柄の組み合わせを決定する場合には、MPU252のレジスタに記憶されている情報から大当たりの種別を把握する。そして、第1大当たり結果又は第2大当たり結果である場合には、同一の数字が付された第1特定図柄の組み合わせ,同一の数字が付された第2特定図柄の組み合わせ,同一の数字が付された非特定図柄の組み合わせのいずれかを最終停止表示させると決定し、第3大当たり結果である場合には、同一の数字が付された非特定図柄の組み合わせを最終停止表示させると決定する。プログラムROM253には、大当たり種別と対応した組み合わせ情報テーブルが記憶されており、図柄の組み合わせは、上記組み合わせ情報テーブルと、所定周期で更新されるカウンタから取得した値と、に基づいて決定される。
このように、本パチンコ機10では、最終停止表示された図柄の組み合わせからは開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモード下で遊技可能な遊技回数を把握できないようになっている。詳細は後述するが、本パチンコ機10では、高頻度サポートモード下で遊技可能な遊技回数を開閉実行モードにおいて報知するようになっている。
停止ライン及び最終停止表示させる図柄の組み合わせを決定した場合には、ステップS1705にてこれら決定結果をワークRAM254に記憶し、本処理を終了する。
ステップS1702にて大当たり当選が発生しないと判定した場合には、ステップS1706にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。リーチ表示が発生する場合には、ステップS1703に進み、リーチ図柄の組み合わせを停止表示させる有効ラインを決定する。その後、ステップS1704にて最終停止表示させる図柄の組み合わせを決定するとともに、ステップS1705にて上記各決定結果をワークRAM254に記憶し、本処理を終了する。リーチ表示が発生しない場合には、ステップS1707にて予告フラグがセットされていないか否かを判定する。保留予告を実行すると決定していない状況下では予告フラグがセットされていない。また、予告フラグがセットされていない状況下で大当たり当選とリーチ表示のいずれも発生しない場合には、今回の図柄の変動表示が完全外れ変動表示であることを意味する。このため、ステップS1703及びステップS1704では、完全外れ変動表示用の停止ライン及び図柄の組み合わせを決定する。その後、ステップS1705にて上記各決定結果をワークRAM254に記憶し、本処理を終了する。
ステップS1605の変動中用処理について説明する。変動中用処理は、図柄の変動表示を開始させた後に実行する処理である。
図31のフローチャートに示すように、ステップS1901では、今回の遊技回において大当たり当選が発生するか否かを判定し、大当たり当選が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。大当たり当選が発生しない場合には、ステップS1902に進み、今回の遊技回においてリーチ表示が発生するか否かを判定する。リーチ表示が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。大当たりとリーチ表示のいずれも発生しない場合には、ステップS1903にて変更フラグがセットされているか否かを判定する。変更フラグは、図柄の変動表示下で予告フラグをセットした場合にセットされるフラグである(図27参照)。つまり、予告フラグがセットされていない状況下では、変更フラグがセットされていることはない。このため、保留予告を実行すると決定していない状況下では、ステップS1903にて否定判定をし、そのまま本処理を終了する。
ステップS1606の変動終了用処理について説明する。変動終了用処理は、図柄の変動表示を最終停止表示させるために実行する処理である。
変動終了用処理では、図32のフローチャートに示すように、ステップS2001にて予告フラグがセットされているか否かを判定する。保留予告を実行すると決定していない状況下では、予告フラグがセットされていないためステップS2001にて否定判定をし、ステップS2010に進む。ステップS2010では、最終停止表示コマンドの出力処理を実行する。これにより、最終停止表示コマンドがVDP255に出力され、今回の遊技回における停止結果の図柄が最終停止表示される。最終停止表示コマンドの出力処理が終了した場合には、本処理を終了する。
次に、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合における変動開始用処理,変動中用処理及び変動終了用処理を説明する。
図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合には、変動開始用処理を実行する時点において予告フラグがセットされていない。したがって、変動開始用処理では、保留予告を実行すると決定していない状況下と同一の処理を行う。
変動中用処理では、図31のフローチャートに示すように、ステップS1901において、今回の遊技回において大当たり当選が発生するか否かを判定し、大当たり当選が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。大当たり当選が発生しない場合には、ステップS1902に進み、今回の遊技回においてリーチ表示が発生するか否かを判定する。リーチ表示が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。大当たりとリーチ表示のいずれも発生しない場合には、ステップS1903にて変更フラグがセットされているか否かを判定する。予告設定処理(図27)にて説明したとおり、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合には、ステップS1512にて変更フラグがセットされる。このため、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合には、ステップS1903にて肯定判定するとともに、ステップS1904〜ステップS1909に示す変動変更処理を実行し、本処理を終了する。上述したとおり、大当たりとリーチ表示のいずれも発生しない場合であって、変動開始用処理を実行する時点において予告フラグがセットされていない場合、変動開始用処理では、完全外れ変動表示用の停止ライン及び図柄の組み合わせを決定する。変動変更処理では、完全外れ変動表示を実行する遊技回において、保留予告を実行することが可能であれば完全外れ変動表示から保留予告(すなわちチャンス目表示)に変更する処理を実行する。
ここで、図柄表示装置41において行われる図柄の変動表示の一連の流れを説明する。
図柄の変動表示が開始された場合には、上図柄列Z1、中図柄列Z2及び下図柄列Z3の全ての図柄列において、表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上、不能又は難しくなるように高速変動表示(又は第1速度表示)が行われる。変動表示開始から所定の期間が経過した場合には、先ず上図柄列Z1について、当該上図柄列Z1における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示(又は第1速度表示よりも遅い第2速度表示)に切り換えられ、その後に上図柄列Z1における変動表示が停止される。上図柄列Z1における変動表示が停止された場合には、下図柄列Z3について、当該下図柄列Z3における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられ、その後に下図柄列Z3における変動表示が停止される。下図柄列Z3における変動表示が停止された場合には、中図柄列Z2における表示画面G内に表示されている各図柄の識別が外観上容易なものとなるように高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。そして、下図柄列Z3における変動表示が停止されてから所定の期間が経過した場合に、中図柄列Z2における変動表示が停止される。
さて、変動変更処理では、ステップS1904において、全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されているか否かを判定する。具体的には、変動表示を開始してからの経過時間を把握することにより、全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されているか否かを判定する。全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されている場合には、完全外れ変動表示から保留予告に変動表示を変更する。具体的には、先ずステップS1905において、停止ラインを決定するとともに当該決定結果をワークRAM254に記憶し、停止ラインを変更する。続くステップS1906では、ワークRAM254に記憶されている属性レベルを把握する。属性レベルは、予告設定処理(図27)のステップS1506において決定され、ステップS1509においてワークRAM254に記憶されている。ステップS1907では、把握した属性レベルと対応するとともにチャンス目を形成する図柄の組み合わせを決定し、当該決定結果をワークRAM254に記憶することで最終停止表示される図柄の組み合わせを完全外れ組み合わせからチャンス目に変更する。なお、プログラムROM253には、属性レベルと対応したチャンス目情報テーブルが記憶されており、図柄の組み合わせは、上記チャンス目情報テーブルと、所定周期で更新されるカウンタから取得した値と、に基づいて決定される。その後、ステップS1908にて保留予告を開始したことを示す開始済フラグをセットするとともに、ステップS1909にて1回目の保留予告であることを示す初回フラグをセットし、本処理を終了する。一方、ステップS1904にていずれかの図柄列が高速変動表示を終了させていると判定した場合には、停止ライン及び図柄の組み合わせを変更することなく、すなわち変動表示を保留予告に変更することなく、そのまま本処理を終了する。
変動終了用処理を図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS2001では、予告フラグがセットされているか否かを判定する。図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合には、予告フラグがセットされているため、肯定判定をしてステップS2002に進む。ステップS2002では、初回フラグがセットされているか否かを判定する。初回フラグがセットされている場合には、ステップS2003にて初回フラグをクリアした後にステップS2004に進む。初回フラグがセットされていない場合には、ステップS2011に進み、変更フラグがセットされているか否かを判定する。変更フラグがセットされている場合には、ステップS2004に進み、変更フラグがセットされていない場合には、ステップS2005に進む。ここでは図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合について説明しているため、必ずステップS2004に進む。つまり、保留予告を実行すると決定した遊技回では、当該遊技回の図柄の変動表示を保留予告に変更したか否かに関わらず、必ずステップS2004に進む。
ステップS2004では、保留予告表示処理を実行する。
保留予告表示処理では、いずれの保留情報に基づいて保留予告が発生している、又はいずれの保留情報に基づいて次遊技回以降に保留予告が発生するのかを保留表示領域Gaにて報知するための処理を行う。具体的には、ワークRAM254に記憶されている属性アップ率を把握し、プログラムROM253に記憶されている属性アップ率と対応する保留予告表示用抽選テーブルを参照する。その後、前記保留予告表示用抽選テーブルと、所定周期で更新されるカウンタから取得した値と、に基づいて、保留表示領域Gaに表示する画像を決定する。
具体的に説明すると、属性アップ率が1分の1である場合、80%の割合で赤色の保留画像を表示すると決定し、15%の割合で青色の保留画像を表示すると決定し、4%の割合で黄色の保留画像を表示すると決定し、1%の割合で虹色の保留画像を表示すると決定する。属性アップ率が5分の4である場合、60%の割合で赤色の保留画像を表示すると決定し、30%の割合で青色の保留画像を表示すると決定し、10%の割合で黄色の保留画像を表示すると決定する。属性アップ率が2分の1である場合、50%の割合で赤色の保留画像を表示すると決定し、25%の割合で青色の保留画像を表示すると決定し、25%の割合で黄色の保留画像を表示すると決定する。属性アップ率が4分の1である場合、30%の割合で赤色の保留画像を表示すると決定し、20%の割合で青色の保留画像を表示すると決定し、50%の割合で黄色の保留画像を表示すると決定する。属性アップ率が5分の1である場合、10%の割合で赤色の保留画像を表示すると決定し、20%の割合で青色の保留画像を表示すると決定し、70%の割合で黄色の保留画像を表示すると決定する。
保留表示領域Gaに表示する保留画像を決定した場合には、各単位保留表示領域Ga1〜Ga4のうち、第1単位保留表示領域Ga1から保留予告を実行すると決定した保留記憶数と対応する単位保留表示領域までの保留画像を、上記決定した保留画像に変更する。なお、保留予告を実行すると決定した保留記憶数は、予告回数カウンタの値から把握することができる。
ステップS2005では、変更フラグがセットされていないか否かを判定する。ここでは図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合について説明しているため、変更フラグがセットされている。そこで、ステップS2005にて否定判定をし、ステップS2012に進む。ステップS2012では、上書きフラグがセットされているか否かを判定する。詳細は後述するが、上書きフラグとは、保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回においてセットされ得るフラグである。このため、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合には、ステップS2012にて否定判定をし、ステップS2014にて変更フラグをクリアする。その後、ステップS2007では、予告回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合には、予告設定処理のステップS1510において予告回数カウンタに1以上の値をセットしているため、ステップS2007にて否定判定をし、ステップS2010にて最終停止表示コマンドの出力処理を実行する。これにより、最終停止表示コマンドがVDP255に出力され、今回の遊技回における停止結果の図柄が最終停止表示される。最終停止表示コマンドの出力処理が終了した場合には、本処理を終了する。
次に、保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回における変動開始用処理,変動中用処理及び変動終了用処理を説明する。
変動開始用処理(図29)におけるステップS1701〜ステップS1706の処理については、保留予告を実行すると決定していない状況下と同一である。すなわち、大当たり当選が発生する場合と、リーチ表示が発生する場合と、には、保留予告を実行すると決定している状況下であっても、チャンス目ではなく大当たり図柄の組み合わせ又は外れリーチ図柄の組み合わせを最終停止表示させると決定する。大当たり当選とリーチ表示のいずれも発生しない場合には、ステップS1707にて予告フラグがセットされていないか否かを判定する。保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回では予告フラグがセットされているため、ステップS1707にて否定判定をし、ステップS1708にて予告開始用処理を実行した後に本変動開始用処理を終了する。
ここで、予告開始用処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1801では、開始済フラグがセットされていないか否かを判定する。開始済フラグがセットされていない場合には、ステップS1802にて開始済フラグをセットする。なお、保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回において開始済フラグがセットされていない場合としては、例えば、保留予告を実行すると決定した遊技回において、変動変更処理を実行せずに外れリーチ図柄の組み合わせを最終停止表示させた場合等がある。続くステップS1803では、ワークRAM254に記憶されている属性レベルを把握する。ちなみに、ステップS1803では、変動中用処理(図31)におけるステップS1906と同様、予告設定処理(図27)のステップS1506にて決定された属性レベルが把握されることとなる。
一方、ステップS1801にて開始済フラグがセットされていると判定した場合には、今回の遊技回が2回目以降の保留予告であることを意味する。かかる場合には、ステップS1807〜ステップS1812に示す属性レベル第2決定処理を実行する。
属性レベル第2決定処理では、ステップS1807において、ワークRAM254に記憶されている属性レベルが6でないか否かを判定する。属性レベルが6でなく5以下である場合には、ステップS1808に進み、ワークRAM254に記憶されている属性アップ率を把握する。続くステップS1809では、アップ抽選処理を実行する。アップ抽選処理では、プログラムROM253に記憶されている属性アップ率と対応するアップ抽選テーブルを参照し、当該アップ抽選テーブルと、所定周期で更新されるカウンタから取得した値と、に基づいて、属性レベルの上昇量を決定する。
具体的に説明すると、属性アップ率が1分の1である場合、50%の割合で上昇量を1と決定し、30%の割合で上昇量を2と決定し、20%の割合で上昇量を3と決定する。属性アップ率が5分の4である場合、20%の割合で上昇量を0と決定し、60%の割合で上昇量を1と決定し、15%の割合で上昇量を2と決定し、5%の割合で上昇量を3と決定する。属性アップ率が2分の1である場合、50%の割合で上昇量を0と決定し、45%の割合で上昇量を1と決定し、3%の割合で上昇量を2と決定し、2%の割合で上昇量を3と決定する。属性アップ率が4分の1である場合、75%の割合で上昇量を0と決定し、24%の割合で上昇量を1と決定し、1%の割合で上昇量を2と決定する。属性アップ率が5分の1である場合、80%の割合で上昇量を0と決定し、20%の割合で上昇量を1と決定する。
アップ抽選処理を実行した後、ステップS1810では、アップ抽選に当選したか否か、すなわち上昇量が1以上であるか否かを判定する。上昇量が1以上である場合には、ステップS1811にてワークRAM254に記憶されている属性レベルと対応する値に上昇量を加算し、当該加算結果を新たな属性レベルとしてワークRAM254に記憶する。なお、加算結果が7以上の値となる場合には、新たな属性レベルとして6をワークRAM254に記憶する。
アップ抽選処理を行ったものの上昇量が0であった場合(アップ抽選に外れた場合)には、ステップS1812に進み、ワークRAM254に記憶されている属性レベルを把握する。また、ステップS1807にてワークRAM254に記憶されている属性レベルが6であると判定した場合には、当該属性レベルを上回る属性レベルが設定されていないため、アップ抽選処理を実行することなくステップS1812にて属性レベルが6であると把握する。
ステップS1803にて属性レベルを把握した場合、又は上記属性レベル第2決定処理を実行した場合には、ステップS1804にてチャンス目を停止させる有効ラインを決定するとともに、ステップS1805にて把握した属性レベルと対応するとともにチャンス目を形成する図柄の組み合わせを決定する。チャンス目を停止させる有効ライン及びチャンス目となる図柄の組み合わせを決定した場合には、ステップS1806にてこれら決定結果をワークRAM254に記憶し、本処理を終了する。
以上のとおり、予告開始用処理では、1回目の保留予告を実行する場合、予告設定処理にて決定した属性レベルに基づいてチャンス目となる図柄の組み合わせを決定する。また、2回目以降の保留予告を実行する場合には、1回前の保留予告において最終停止表示させたチャンス目の属性レベルと等しい、又は1回前の保留予告において最終停止表示させたチャンス目の属性レベルよりも高い属性レベルのチャンス目となる図柄の組み合わせを決定する。つまり、2回目以降の保留予告では、最終停止表示されるチャンス目の属性レベルが低下することがない。一方、変動開始用処理では、大当たり当選が発生する場合と、外れリーチ表示が発生する場合と、において、保留予告を実行すると決定している状況下であっても、チャンス目ではなく大当たり図柄の組み合わせ又は外れリーチ図柄の組み合わせを最終停止表示させると決定する。したがって、例えば先の遊技回において属性レベル5のチャンス目(例えば上図柄列Z1から順に「7」,「3」,「3」の主図柄の組み合わせ)が停止し、今回の遊技回において上図柄列Z1の第1属性の主図柄がいずれの有効ライン上にも停止しなかった場合には、属性レベル5及び属性レベル6のチャンス目が最終停止表示される可能性がなくなるため、大当たり発生を含むリーチ表示を行われることが確定する。
ここで、予告設定処理を改めて説明する。
予告設定処理は、保留予告を実行すると決定したか否かに関わらず、保留コマンドを受信した場合に必ず実行される(図26参照)。そして、図27に示すように、予告抽選処理の結果が保留予告発生当選であった場合には、予告フラグがセットされている場合、すなわち保留予告を実行すると決定済みである場合であっても、ステップS1503〜ステップS1506の処理を実行し、属性アップ率及び属性レベルを決定する。ステップS1507では、予告フラグがセットされていないか否かを判定する。予告フラグがセットされている場合には、ステップS1513に進み、属性アップ率比較処理を実行する。
属性アップ率比較処理では、ステップS1504にて決定した属性アップ率と、ワークRAM254に記憶されている属性アップ率と、を比較する。つまり、今回の予告設定処理にて決定した属性アップ率と、今回の予告設定処理よりも前の予告フラグをセットした予告設定処理において決定した属性アップ率と、を比較する。ステップS1514では、前者の属性アップ率が後者の属性アップ率よりも高いか否かを判定する。今回の予告設定処理にて決定した属性アップ率の方が高い場合には、ステップS1515に進み、今回の予告設定処理にて決定した属性アップ率をワークRAM254に記憶することで属性アップ率を変更する。続くステップS1516では、上書きフラグをセットする。その後、ステップS1510では、保留予告の実行回数を記憶する。ステップS1511では、図柄を変動表示中であるか否かを判定する。図柄を変動表示中でない場合には、そのまま本処理を終了し、図柄を変動表示中である場合には、ステップS1512にて変更フラグをセットし、本処理を終了する。一方、今回の予告設定処理よりも前の予告フラグをセットした予告設定処理において決定した属性アップ率の方が高い場合には、属性アップ率を変更することなく、且つ予告回数を変更することなく、そのまま本処理を終了する。
以上のとおり、保留予告を実行すると決定済みである状況下において予告抽選処理の結果が保留予告発生当選となった場合には、決定した属性アップ率が既に決定済みである属性アップ率よりも高ければ属性アップ率及び予告回数が変更される。一方、決定した属性アップ率が既に決定済みである属性アップ率よりも低かった場合には、決定した属性アップ率が無効とされるとともに、当該保留記憶に基づく保留予告が実行されなくなる。
保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回における変動中用処理を説明する。保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回において変更フラグがセットされている状況は、保留予告を実行すると決定済みである状況下において予告抽選処理の結果が保留予告発生当選となり、属性アップ率及び予告回数が変更された状況である。かかる状況では、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合と同一の処理を実行する。
保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回における変動終了用処理を説明する。
変動終了用処理では、図32のフローチャートに示すように、ステップS2001において、予告フラグがセットされているか否かを判定する。予告フラグがセットされている場合には、ステップS2002に進み、初回フラグがセットされているか否かを判定する。初回フラグがセットされている場合には、ステップS2003にて初回フラグをクリアした後にステップS2004に進む。初回フラグがセットされていない場合には、ステップS2011に進み、変更フラグがセットされているか否かを判定する。変更フラグがセットされている場合には、ステップS2004に進み、変更フラグがセットされていない場合には、ステップS2005に進む。ステップS2004では、保留予告表示処理を実行する。
ここで、保留予告を実行すると決定した遊技回よりも後の遊技回において初回フラグ又は変更フラグがセットされている状況は、保留予告を実行すると決定済みである状況下において予告抽選処理の結果が保留予告発生当選となり、属性アップ率が変更された状況である。かかる状況では、図柄の変動表示中に保留予告を実行すると決定した場合と同一の処理を実行する。この結果、保留予告を実行すると決定済みである状況下において予告抽選処理の結果が保留予告発生当選となり、属性アップ率が変更された状況では、保留表示領域Gaに表示されている白色以外の保留画像数が増加するとともに、保留画像の表示色が変化し得る。
ステップS2005では、変更フラグがセットされていないか否かを判定する。変更フラグがセットされていない場合には、ステップS2006にて予告回数カウンタの値から1を減算するとともに、ステップS2007にて減算後の予告カウンタの値が0となったか否かを判定する。予告カウンタの値が0となった場合には、保留予告を実行すると決定した際の保留記憶と対応する遊技回の図柄の変動表示が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS2008にて開始済フラグをクリアするとともに、ステップS2009にて予告フラグをクリアする。その後、ステップS2010にて最終停止表示コマンドの出力処理を実行し、本変動終了用処理を終了する。一方、ステップS2007にて予告回数カウンタの値が0でないと判定した場合には、開始済フラグ及び予告フラグをクリアすることなくステップS2010に進み、最終停止表示コマンドの出力処理を実行する。その後、本変動終了用処理を終了する。
ステップS2005にて変更フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS2012に進み、上書きフラグがセットされているか否かを判定する。上書きフラグがセットされている場合には、ステップS2013にて上書きフラグ及び変更フラグをクリアする。その後、上記ステップS2007〜ステップS2010の処理を実行し、本変動終了用処理を終了する。また、変更フラグがセットされている一方で上書きフラグがセットされていないと判定した場合(ステップS2005がNOであってステップS2012がYESである場合)には、ステップS2014にて変更フラグをクリアするとともに、上記ステップS2007〜ステップS2010の処理を実行し、本変動終了用処理を終了する。
ちなみに、変更フラグがセットされている一方で上書きフラグがセットされていない場合に予告回数カウンタの値から1を減算しない理由は以下による。予告回数カウンタには、予告設定処理(図27)のステップS1510において表示側保留記憶数SNがセットされる。また、変動中用処理(図31)では、完全外れ変動表示を実行すると決定した遊技回において全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されている場合、保留予告を実行すべく停止ライン及び図柄の組み合わせを変更する。したがって、全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されている状況において保留コマンドを受信し、当該保留コマンドの受信に基づく予告設定処理において保留予告を実行すると決定した場合には、予告回数カウンタの値よりも1遊技回多く保留予告を実行することが可能となるからである。本パチンコ機10では、最大保留個数が4個であるため、最大で5遊技回にわたって保留予告を実行することができる。
ここで、図柄表示装置41の表示画面Gにて行われる保留予告の一表示態様を、図33及び図34に基づいて説明する。
図33(a)に示す表示画面Gには、所定の遊技回において、保留記憶数が2個あるとともに全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されている様が表示されている。
かかる状況において遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合、表示制御装置212は保留予告制御処理を実行する(図26、ステップS1402〜ステップS1403)。これにより、表示画面Gには、図33(b)に示すように、第3単位保留表示領域Ga3に白色の保留画像が表示される。
3個目の保留記憶に基づく予告設定処理において保留予告を実行すると決定した場合には、全図柄列Z1〜Z3が高速変動表示されているため、当該遊技回における変動表示が完全外れ変動であれば保留予告に変更される。この結果、所定の遊技回では、図34(c)に示すように、第2ラインL2上に上図柄列Z1から順に「2」,「8」,「4」の主図柄が停止し、属性レベル1のチャンス目が停止表示される。また、表示制御装置212は、チャンス目が停止表示された後のタイミングにおいて保留予告表示処理を実行する(図32,ステップS2004)。これにより、保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1〜第3単位保留表示領域Ga3では、保留画像が白色表示から青色表示に変更される。そして、上記属性レベル1のチャンス目が最終停止表示され、所定の遊技回が終了する。
このように、保留予告を実行すると決定した場合には、保留予告を実行すると決定していない場合と対応する白色の保留画像を最初に表示し、図柄の変動表示が停止表示された後に、保留予告を実行すると決定している場合と対応する赤色,青色,黄色,虹色のいずれかの保留画像に変更する。
表示制御装置212は、次遊技回の変動開始コマンドの示す情報がリーチ表示を発生させない情報(完全外れ変動表示)であった場合、予告開始用処理(図30)においてステップS1807〜ステップS1812の処理を実行する。所定の遊技回では属性レベル1のチャンス目を最終停止表示しているため、アップ抽選処理を実行し、今回の遊技回で最終停止表示させるチャンス目の属性レベルを決定する。
この結果、次遊技回では、図34(a)に示すように、第2ラインL2上に上図柄列Z1から順に「1」,裏「4」,「9」の主図柄が停止し、属性レベル4のチャンス目が最終停止表示される。
なお、表示制御装置212は、次遊技回の図柄の変動表示を行っている最中に遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合、すなわち保留予告を実行すると決定済みの状況下で保留記憶数が増加した場合であっても、予告設定処理を実行する(図26、ステップS1404)。そして、予告抽選処理の結果が保留予告発生非当選であった場合と、保留予告発生当選であったものの今回決定した属性アップ率が既に決定済みである属性アップ率よりも低かった場合と、には、図34(a)に示すように、第3単位保留表示領域Ga3に白色の保留画像が表示される。なお、保留予告発生当選であったものの今回決定した属性アップ率が既に決定済みである属性アップ率よりも高かった場合には、保留予告を実行すると決定していない場合と対応する白色の保留画像を第3単位保留表示領域Ga3に最初に表示し、図柄の変動表示が終了した後に第1単位保留表示領域Ga1〜第3単位保留表示領域Ga3の保留画像を赤色,青色,黄色,虹色のいずれかの保留画像に変更する。
表示制御装置212は、次次遊技回の変動開始コマンドの示す情報がリーチ表示を発生させない情報(完全外れ変動表示)であった場合、予告開始用処理(図30)においてステップS1807〜ステップS1812の処理を実行する。上記次遊技回では属性レベル4のチャンス目を最終停止表示しているため、アップ抽選処理を実行し、今回の遊技回で最終停止表示させるチャンス目の属性レベルを決定する。
この結果、次次遊技回では、図34(b)に示すように、第2ラインL2上に上図柄列Z1から順に「3」,「7」,「7」の主図柄が停止し、属性レベル5のチャンス目が最終停止表示される。
表示制御装置212は、次次次遊技回の変動開始コマンドの示す情報がリーチ表示を発生させる情報であって種別コマンドの示す情報が第1大当たり結果又は第2大当たり結果の情報であった場合、変動開始用処理においてチャンス目が有効ライン上に停止するのではなく、大当たり図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するよう、停止ライン及び図柄の組み合わせを決定する。
この結果、次次次遊技回では、図34(c)に示すように、第2ラインL2上に上図柄列Z1から順に「7」,「7」,「7」の主図柄が停止し、第1確変大当たり発生となる旨が報知される。このように、保留予告を実行すると決定した際の保留記憶が第1確変大当たり結果の情報であった場合には、前記保留記憶と対応する遊技回において、チャンス目を最終停止表示させるのではなく大当たり発生となる図柄の組み合わせを最終停止表示させる。なお、保留予告を実行すると決定した際の保留記憶が完全外れの情報であった場合には、前記保留記憶と対応する遊技回においてもチャンス目が最終停止表示され、そのまま保留予告が終了する。
次に、開閉実行モードにおいて実行される開閉モード中処理を図35のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS2101では、開放コマンドを受信したか否かを判定し、開放コマンドを受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。開放コマンドを受信した場合には、ステップS2102に進み、ワークRAM254に設けられた開放回数カウンタの値に1を加算する。ステップS2103では、開放回数カウンタの値が6であるか否かを判定する。開放回数カウンタの値が6である場合には、ステップS2104に進み、今回の開閉実行モードが第1大当たり結果に基づくものであるか否かを判定する。第1大当たり結果に基づくものである場合には、ステップS2105にて大入賞口32aが15回開放されることを報知し、本処理を終了する。上述したとおり、本パチンコ機10では、最終停止表示された図柄の組み合わせから第1大当たり,第2大当たり,第3大当たりのいずれが発生するかを遊技者が把握することができない。そこで、第1大当たり結果に基づく開閉実行モードでは、6回目の大入賞口32a開放の際に大入賞口32aが15回開放されることを報知することとしている。
一方、ステップS2104にて第1大当たり結果に基づくものでないと判定した場合には、今回の大入賞口32aの開放が最後の開放であることを意味する。かかる場合には、ステップS2107に進み、保留記憶情報格納エリアの第1〜第4エリアに記憶された保留記憶情報を確認する。ステップS2108では、確認した保留記憶情報に大当たり又は仮想大当たりを示す情報があるか否かを判定する。大当たりを示す情報のみならず仮想大当たりを示す情報があるか否かを判定するのは、以下の理由による。上述したとおり、本パチンコ機10における最大の保留記憶数は4であり、開閉実行モードの終了後には5回の高確時短遊技状態に移行する。したがって、仮想大当たりを示す情報が記憶されている場合には、大当たりを示す情報が記憶されている場合と同様、開閉実行モードの終了後の4回以内に大当たりが発生することを意味するからである。
大当たり又は仮想大当たりを示す情報がある場合には、ステップS2109にて大当たりが発生することを報知するか否かを決定する報知抽選を行うとともに、ステップS2110にて報知抽選に当選したか否かを判定する。
報知抽選では、先ず、ワークRAM254に設けられた報知抽選用カウンタエリアから報知抽選用のカウンタ値を読み出す。ここで、報知抽選用カウンタエリアは「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、報知抽選では、プログラムROM253に記憶されている報知抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知抽選用のカウンタ値が報知当選に対応しているか否かを判定する。
プログラムROM253には、上記報知抽選用テーブルとして、第1大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいて用いられる第1報知抽選用テーブルと、第2大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいて用いられる第2報知抽選用テーブルと、第3大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいて用いられる第3報知抽選用テーブルと、が記憶されている。第1報知抽選用テーブルには、「0〜74」のカウンタ値が報知当選として定められており、第2報知抽選用テーブルには、「0〜49」のカウンタ値が報知当選として定められており、第3報知抽選用テーブルには、「0〜24」のカウンタ値が報知当選として定められている。つまり、保留記憶情報で大当たり発生となる場合には、第1大当たり結果に基づく開閉実行モードである場合、75%の割合で報知当選となり、第2大当たり結果に基づく開閉実行モードである場合、50%の割合で報知当選となり、第3大当たり結果に基づく開閉実行モードである場合、25%の割合で報知当選となる。
報知当選である場合には、ステップS2111にて保留大当たりが発生することを報知し、本処理を終了する。具体的には、図36(a)に示すように、表示画面Gに「保留連確定おめでとう!」の文字が表示される。このとき、高頻度サポートモード下で遊技可能な遊技回数は報知しない。
大当たり及び仮想大当たりを示す情報がない場合(ステップS2108がNOの場合)と、大当たり又は仮想大当たりを示す情報があるものの報知抽選に外れた場合(ステップS2111がNOの場合)と、には、ステップS2112にて高頻度サポートモード下で遊技可能な遊技回数(サポート回数)を報知し、本処理を終了する。例えば今回の開閉実行モードが第1大当たり結果に基づくものである場合には、図36(b)に示すように、表示画面Gに「チャンス!85回」の文字が表示される。
ステップS2103にて開放回数カウンタの値が6でないと判定した場合には、ステップS2106に進み、開放回数カウンタの値が15であるか否かを判定する。開放回数カウンタの値が15である場合には、今回の開閉実行モードが第1大当たり結果に基づくものであって、今回の大入賞口32aの開放が最後の開放であることを意味する。かかる場合には、上述したステップS2107〜ステップS2112の処理を行い、本処理を終了する。
開放回数カウンタの値が15でない場合には、ステップS2113にて開放中動画を出力し、本処理を終了する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、保留記憶情報に基づいて大当たりが発生する場合、報知抽選に当選すれば大入賞口32aの最後の開放において保留大当たりが発生することを報知するとともにサポート回数を報知せず、報知抽選に当選しなければ大入賞口32aの最後の開放においてサポート回数のみを報知するようになっている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
高頻度サポートモードの遊技回数が異なる第1低確時短遊技状態,第2低確時短遊技状態,第3低確時短遊技状態において、対応する遊技状態が終了するまでに期待できるスペシャルリーチの発生回数が等しくなる構成とした。かかる構成とすることにより、第1低確時短遊技状態よりも遊技回数の少ない第2低確時短遊技状態や第3低確時短遊技状態に移行した場合であっても、第1低確時短遊技状態下における遊技と同様にスペシャルリーチが行われることを期待させることが可能となる。この結果、第1低確時短遊技状態以外の低確時短遊技状態に移行した場合に、遊技回数が少ないことでスペシャルリーチが行われることを期待できず、第1低確時短遊技状態以外の低確時短遊技状態における遊技が単調化してしまうことを抑制することが可能となる。
高頻度サポートモードの遊技回数が異なる第1低確時短遊技状態,第2低確時短遊技状態,第3低確時短遊技状態において、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度が等しくなる構成とした。かかる構成とすることにより、いずれの低確時短遊技状態であるかに関わらず、スペシャルリーチが行われた場合に大当たりが発生することを期待させることが可能となる。確かに、上記各低確時短遊技状態において、対応する遊技状態が終了するまでに期待できるスペシャルリーチの発生回数が等しくなる一方、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度が異なる構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、遊技者が遊技意欲を減退させてしまう可能性が考えられる。スペシャルリーチは大当たり期待度が最も高いリーチ表示であるため、遊技者は、スペシャルリーチが発生することを期待しながら遊技を行うものと想定される。このため、例えば第3低確時短遊技状態におけるスペシャルリーチの出現率を上げた結果として当該第3低確時短遊技状態における大当たり期待度が下がってしまった場合には、スペシャルリーチが発生したにも関わらず大当たり発生とならなかった場合、高頻度サポートモードにおける遊技回数が少ないことも相まって遊技者が遊技意欲を著しく減退させてしまう可能性が考えられるからである。一方、各低確時短遊技状態においてスペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度が等しい構成においては、上記懸念を好適に解消しつつ、いずれの低確時短遊技状態であるかに関わらず、スペシャルリーチが行われた場合に大当たりが発生することを期待させることが可能となる。
以上の結果、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
大当たり期待度が最も高いスペシャルリーチに関し、各低確時短遊技状態において期待できる発生回数及び大当たり発生の期待度が等しくなる構成とした。かかる構成とすることにより、第2低確時短遊技状態や第3低確時短遊技状態に移行した場合であってもスペシャルリーチを遊技者に楽しませることが可能となり、好適に遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
各低確時短遊技状態における大当たり確率が等しくなる構成とした。かかる構成においては、高頻度サポートモードの遊技回数が多い遊技状態に移行した場合の方が大当たり発生となる可能性が高くなる。この結果、遊技者に第1大当たりが発生することを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
各低確時短遊技状態におけるリーチ発生確率が等しくなる構成とした。かかる構成とすることにより、第1低確時短遊技状態下で80回の遊技を行った場合には、スペシャルリーチの行われることが期待される回数は他の低確時短遊技状態下で対応する回数の遊技を行った場合と等しいものの、ノーマルリーチやスーパーリーチに関して他の低確時短遊技状態下で対応する回数の遊技を行った場合よりも多く行われることを期待できる。この結果、遊技回数の多い第1低確時短遊技状態下においてリーチ表示が発生しない印象を遊技者が抱くことを回避することが可能となり、第1低確時短遊技状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
任意の2つの低確時短遊技状態を比較した場合、スペシャルリーチ発生時における大当たり発生の期待度は等しいものの、ノーマルリーチ発生時における大当たり発生の期待度と、スーパーリーチ発生時における大当たり発生の期待度と、が遊技回数の多い低確時短遊技状態の方が高くなる構成とした。対応する遊技状態が終了するまでに期待できるスペシャルリーチの発生回数が等しくなる構成とした場合、遊技者によっては、遊技回数の多い低確時短遊技状態下でスペシャルリーチが行われない印象を抱き、大当たり発生に対する期待感を減退させてしまう可能性が考えられる。そこで、遊技回数の多い低確時短遊技状態ではスペシャルリーチ以外のリーチ発生時における大当たり発生の期待度が高くなる構成とすることにより、スペシャルリーチ以外のリーチ表示でも大当たり発生となることを期待させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、例えば第1低確時短遊技状態下でノーマルリーチから大当たり発生となったことを視認した遊技者は、他の低確時短遊技状態下でノーマルリーチが行われた場合にも第1低確時短遊技状態下と同様に大当たり発生となることを期待するものと想定される。この結果、第1低確時短遊技状態のみならず他の低確時短遊技状態においてもスペシャルリーチ以外のリーチ表示に対して大当たり発生となることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
開閉実行モードでは、保留記憶情報に基づいて大当たり発生となるか否かを判定する構成とした。そして、保留記憶情報に基づいて大当たり発生となる場合には報知抽選を行い、報知抽選に当選した場合には、保留大当たりが発生することを報知する一方でサポート回数を報知しない構成とし、報知抽選に当選しなかった場合には、保留大当たりが発生することを報知せずにサポート回数のみを報知する構成とした。かかる構成とすることにより、サポート回数を遊技者に把握させることなく保留大当たりが発生することを遊技者に把握させることが可能となる。この結果、例えば第1大当たり結果となったことに基づいて開閉実行モードに移行し、その後に保留大当たりが発生する場合等において、サポート回数の多いときに限って保留大当たりが発生する等の印象を遊技者が抱く機会を低減させることが可能となる。
加えて、報知抽選では、サポート回数の多い大当たり結果に基づく開閉実行モードであるほど報知当選となる割合が高くなる構成とした。かかる構成とすることにより、サポート回数の少ない大当たり結果に基づいて開閉実行モードに移行した場合には、遊技者がサポート回数の少ないことを把握した後に図柄の変動表示を通じて大当たりが発生することを把握する機会を多くすることが可能となる。この結果、サポート回数の少ない状況下で大当たりが発生したことによって遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
以上の結果、遊技者が遊技意欲を減退させてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
同一の数字が付された第1特定図柄の組み合わせが最終停止表示された場合には、第1大当たり結果又は第2大当たり結果の可能性があり、同一の数字が付された第2特定図柄の組み合わせが最終停止表示された場合には、第1大当たり結果又は第2大当たり結果の可能性があり、同一の数字が付された非特定図柄の組み合わせが最終停止表示された場合には、第1大当たり結果,第2大当たり結果及び第3大当たり結果の可能性がある構成とした。このように、最終停止表示された図柄の組み合わせからはサポート回数を把握できない構成とすることにより、サポート回数の多いときに限って保留大当たりが発生する等の印象を遊技者が抱く機会を低減させることが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、開閉実行モードが終了した場合、5回の高確時短遊技状態を経た後に大当たり結果と対応する低確時短遊技状態に移行する構成としたが、開閉実行モードの終了後に高確時短遊技状態を経ることなく大当たり結果と対応する低確時短遊技状態に移行する構成としてもよい。
(2)上記実施の形態では、サポート回数の異なる3つの大当たりを備えた構成について説明したが、サポート回数の異なる2つの大当たりを備えた構成としてもよいし、サポート回数の異なる4つの大当たりを備えた構成としてもよい。
(3)上記実施の形態では、サポート回数の異なる3つの大当たりを備えた構成について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に有利となる遊技回数の異なる複数の大当たりを備えた構成であれば、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
例えば、開閉実行モードの終了後に20回まで抽選モードが高確率モードとなる第1大当たり結果と、開閉実行モードの終了後に10回まで抽選モードが高確率モードとなる第2大当たり結果と、開閉実行モードの終了後に5回まで抽選モードが高確率モードとなる第3大当たり結果と、を備える構成とする。
(4)上記実施の形態では、3種類のリーチ表示を備える構成としたが、リーチ表示の種類は任意である。
また、遊技状態によってリーチ表示の種類及びその数が変化する構成としてもよい。
例えば、第3低確時短遊技状態では、ノーマルリーチと、スーパーリーチと、スペシャルリーチと、の3種類のリーチ表示が行われ、第2低確時短遊技状態では、スーパーリーチと、スペシャルリーチと、の2種類のリーチ表示が行われ、第1低確時短遊技状態では、ノーマルリーチと、スーパーリーチと、スペシャルリーチと、上下図柄列追いかけリーチと、の4種類のリーチ表示が行われる構成とする。
(5)上記実施の形態では、任意の2つの低確時短遊技状態を比較した場合、スペシャルリーチ発生時における大当たり発生の期待度は等しいものの、ノーマルリーチ発生時における大当たり発生の期待度と、スーパーリーチ発生時における大当たり発生の期待度と、が遊技回数の多い低確時短遊技状態の方が高くなる構成としたが、かかる構成を変更する。
例えば、任意の2つの低確時短遊技状態を比較した場合、スーパーリーチ発生時における大当たり発生の期待度は遊技回数の多い低確時短遊技状態の方が高くなり、ノーマルリーチ発生時における大当たり発生の期待度は遊技回数の多い低確時短遊技状態の方が低くなる構成とする。
例えば、スーパーリーチ発生時における大当たり発生の期待度を、第1低確時短遊技状態において最も高くなる構成とし、ノーマルリーチ発生時における大当たり発生の期待度を、第2低確時短遊技状態において最も高くなる構成とする。
(6)上記実施の形態では、各遊技状態において外れ時におけるリーチ発生確率が等しくなる構成としたが、第1低確時短遊技状態と、第2低確時短遊技状態と、第3低確時短遊技状態と、で外れ時におけるリーチ発生確率が異なる構成としてもよい。
(7)上記実施の形態では、大当たり発生の期待度が最も高いスペシャルリーチに関し、第1低確時短遊技状態,第2低確時短遊技状態,第3低確時短遊技状態において、対応する遊技状態が終了するまでに期待できる発生回数が等しく、且つ、大当たりの期待度が等しくなる構成としたが、ノーマルリーチに関して上記構成を適用してもよいし、スーパーリーチに関して上記構成を適用してもよい。
(8)第1回数の遊技が終了するまで遊技者に有利となる第1遊技状態と、第1回数より少ない第2回数の遊技が終了するまで遊技者に有利となる第2遊技状態と、の2つの遊技状態において、対応する遊技状態が終了するまでに期待できるスペシャルリーチの発生回数が等しく、且つ、スペシャルリーチ発生時における大当たりの期待度が等しくなる構成を実現するためには、以下のようにすればよい。
第1遊技状態における外れスペシャルリーチの出現率を、第2遊技状態における外れスペシャルリーチの出現率に第2回数を乗算するとともに第1回数を除算した値とする。そして、第1遊技状態における大当たりスペシャルリーチの出現率を、第2遊技状態における大当たりスペシャルリーチの出現率に第2回数を乗算するとともに第1回数を除算した値とする。
さらに具体的にいうと、第1遊技状態外れ用リーチ種別特定用テーブルには、スペシャルリーチとなるリーチ乱数カウンタC3の数を、第2遊技状態外れ用リーチ種別特定用テーブルにおいてスペシャルリーチとなるリーチ乱数カウンタC3の数に第2回数を乗算するとともに第1回数を除算した数とする。そして、第1遊技状態大当たり用リーチ種別特定用テーブルには、スペシャルリーチとなるリーチ乱数カウンタC3の数を、第2遊技状態大当たり用リーチ種別特定用テーブルにおいてスペシャルリーチとなるリーチ乱数カウンタC3の数に第2回数を乗算するとともに第1回数を除算した数とする。
(9)上記実施の形態では、大入賞口32aの最後の開放が行われた場合に保留記憶情報を確認する構成としたが、保留コマンドを受信する毎に保留大当たりが発生するものであるか否かを確認する構成としてもよい。また、大入賞口32aの最後の開放が終了した場合に所定のエンディング演出を表示する構成においては、当該エンディング演出を開始する場合に保留記憶情報を確認する構成としてもよい。すなわち、保留記憶情報の確認タイミングは、開閉実行モードが終了するまでの間であれば任意である。
(10)上記実施の形態では、保留記憶情報で大当たり発生となる場合、第1大当たり結果に基づく開閉実行モードであれば75%の割合で報知当選となり、第2大当たり結果に基づく開閉実行モードであれば50%の割合で報知当選となり、第3大当たり結果に基づく開閉実行モードであれば25%の割合で報知当選となる構成としたが、報知当選となる割合はサポート回数の多い大当たり結果ほど高くなる構成であればよい。
(11)上記実施の形態では、報知抽選に当選した場合、表示画面Gに「保留連確定おめでとう!」の文字を表示することで保留大当たり発生を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、保留大当たり発生を示唆する構成であればよい。
例えば、報知抽選に当選した場合に所定のキャラクタが表示され、報知抽選に当選しなかった場合及び保留大当たりが発生しない場合に前記所定のキャラクタが表示されない構成とする。かかる構成とした場合であっても、所定のキャラクタが表示されるか否かによって保留大当たりの発生有無を示唆することが可能となる。
例えば、報知抽選に当選した場合に所定の報知音(例えば「ピピピピー」)が出力され、報知抽選に当選しなかった場合及び保留大当たりが発生しない場合に前記所定の報知音が出力されない構成とする。かかる構成とした場合であっても、所定の報知音が出力されるか否かによって保留大当たりの発生有無を示唆することが可能となる。
サポート回数の報知についても同様である。
(12)上記実施の形態では、大入賞口32aの最後の開放が行われた場合に保留大当たり又はサポート回数を報知する構成としたが、かかる構成を変更する。
例えば、大入賞口32aの最後の開放が終了した後に保留大当たり又はサポート回数を報知する構成とする。
例えば、保留大当たりを報知する場合、当該保留大当たりが1個目の保留記憶情報に基づくものであれば大入賞口32aの3回目の開放が行われた場合に報知し、当該保留大当たりが1個目の保留記憶情報に基づくものであれば大入賞口32aの3回目の開放が行われた場合に報知し、当該保留大当たりが2個目の保留記憶情報に基づくものであれば大入賞口32aの4回目の開放が行われた場合に報知し、当該保留大当たりが3個目の保留記憶情報に基づくものであれば大入賞口32aの5回目の開放が行われた場合に報知し、当該保留大当たりが4個目の保留記憶情報に基づくものであれば大入賞口32aの6回目の開放が行われた場合に報知する構成とする。保留大当たりを報知しない場合には、大入賞口32aの6回目の開放が終了した後又は7回目の開放が行われた場合にサポート回数を報知する構成とする。
例えば、開閉実行モードに移行した場合に、大入賞口32aの何回目の開放が行われた場合に保留大当たりを報知するかを決定する報知タイミング抽選を行う構成とする。そして、保留大当たりの報知タイミングとなった場合には、保留記憶情報を確認し、保留大当たりが発生するのであれば報知抽選を行って保留大当たりを報知するか否かを決定する構成とする。そして、保留大当たりを報知しない場合には、前記報知タイミングでサポート回数を報知する構成とする。
(13)上記実施の形態では、最終停止表示された図柄の組み合わせからサポート回数を把握できない構成としたが、最終停止表示された図柄の組み合わせからサポート回数を把握できる構成としてもよい。
(14)上記実施の形態において、高確率モード用に設定される大当たり数値情報の数が30個以外でもよいことは言うまでもなく、例えば20個であってもよい。また、低確率モード用に設定される大当たり数値情報の数は高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ないのであれば任意である。
(15)上記実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(16)上記実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。また、上記実施の形態において、逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
(17)上記実施の形態では、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数を4個としたが、かかる構成に限定されるものではなく、保留記憶可能な最大数は任意である。
(18)上記実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機1.表示画面上にて複数の絵柄群(図柄列Z1〜Z3)が変動表示されるように絵柄を変動表示させる絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
所定の判定を行う判定手段(主制御装置81の大当たり判定機能S701,S702及び大当たり種別判定機能S703,S705)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記各絵柄群の絵柄を最終停止表示させるまでの変動表示時間を決定する変動表示時間決定手段(主制御装置81の変動表示時間設定機能S709)と、
前記変動表示時間決定手段の決定した変動表示時間内で前記各絵柄群の変動表示を終了させるとともに、前記判定手段の判定結果が第1結果(第1大当たり結果)又は第2結果(第2大当たり結果)である場合、予め定めた所定絵柄の組み合わせ(同一の数字が付された主図柄の組み合わせ)を最終停止表示させるように、前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(音声ランプ制御装置82、表示制御装置212)と、
前記判定手段の判定結果が前記第1結果又は前記第2結果であって、前記変動表示時間決定手段の決定した変動表示時間を経過した場合、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり中遊技状態)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81の遊技状態移行処理機能S405)と、
前記判定手段の判定結果が前記第1結果となったことに基づく特別遊技状態が終了したことに基づいて、第1回数(80回)の遊技が終了するまで遊技者に有利な第1有利状態(第1低確時短遊技状態)に移行させる第1移行手段(主制御装置81のサポートカウンタ設定処理機能S1012及び高確率モードフラグ消去機能S954)と、
前記判定手段の判定結果が前記第2結果となったことに基づく特別遊技状態が終了したことに基づいて、前記第1回数より少ない第2回数(40回)の遊技が終了するまで遊技者に有利な第2有利状態(第2低確時短遊技状態)に移行させる第2移行手段(主制御装置81のサポートカウンタ設定処理機能S1012及び高確率モードフラグ消去機能S954)と
を備えた遊技機において、
前記所定絵柄の組み合わせを最終停止表示させる前段階として、前記所定絵柄の組み合わせを構成する待機絵柄(リーチ図柄)が前記表示画面上に停止表示されるように規定絵柄群(中図柄列Z2)を除く他の絵柄群の変動表示を終了させ、その後に前記規定絵柄群の変動表示を終了させる待機変動表示(リーチ表示)を複数備え、
前記第1有利状態下で前記待機変動表示を行う場合に、いずれの待機変動表示を行うかを決定する場合に用いる第1種別決定情報(第1低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブル及び第1低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブル)を記憶する第1記憶手段(ROM203のリーチ種別特定用テーブル記憶エリア)と、
前記第2有利状態下で前記待機変動表示を行う場合に、いずれの待機変動表示を行うかを決定する場合に用いる第2種別決定情報(第2低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブル及び第2低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブル)を記憶する第2記憶手段(ROM203のリーチ種別特定用テーブル記憶エリア)と
を備え、
前記第1種別決定情報及び前記第2種別決定情報を、前記第1有利状態下で前記第1回数の遊技が行われた場合と、前記第2有利状態下で前記第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示(スペシャルリーチ)を行うと決定することが期待される回数が等しくなるように、且つ、前記特定待機変動表示が行われた場合における前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が等しくなるように、構成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態下で第1回数の遊技が行われた場合と、第2有利状態下で第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示の行われることが期待される回数が等しい。かかる構成とすることにより、遊技回数の少ない第2有利状態に移行した場合であっても、第1有利状態下における遊技と同様に特定待機変動表示が行われることを期待させることが可能となる。また、第1有利状態と第2有利状態のいずれであっても特定待機変動表示が行われた場合における所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が等しくなる構成としたため、いずれの有利状態であるかに関わらず、特定待機変動表示が行われた場合に所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを期待させることが可能となる。
以上の結果、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
遊技機2.上記遊技機1において、前記判定手段の判定結果が前記第1結果及び前記第2結果でない場合に前記待機変動表示を行うか否かを決定する実行決定手段(主制御装置81の外れ時におけるリーチ発生判別機能S902)を備え、前記実行決定手段は、前記第1有利状態である場合と、前記第2有利状態である場合と、で前記待機変動表示を行うと決定する割合が等しいことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態である場合と、第2有利状態である場合と、で待機変動表示を行うと決定する割合が等しい。かかる構成とすることにより、第1有利状態下で第1回数の遊技を行った場合には、特定待機変動表示の行われることが期待される回数は第2有利状態下で第2回数の遊技を行った場合と等しいものの、他の待機変動表示に関して第2有利状態下で第2回数の遊技を行った場合よりも多く行われることを期待できる。この結果、遊技回数の多い第1有利状態下において待機変動表示が行われない印象を遊技者が抱くことを回避することが可能となり、第1有利状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機3.上記遊技機1又は遊技機2において、前記判定手段を、前記第1有利状態下における前記判定手段の判定結果が前記第1結果又は前記第2結果となる1遊技回の確率と、前記第2有利状態下における前記判定手段の判定結果が前記第1結果又は前記第2結果となる1遊技回の確率と、が等しくなる構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態下における判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となる1遊技回の確率と、第2有利状態下における判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となる1遊技回の確率と、が等しい。かかる構成においては、第1有利状態に移行した場合の方が、第2有利状態に移行した場合よりも判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となる可能性が高くなる。この結果、遊技者に判定手段の判定結果が第1結果となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機4.上記遊技機1乃至遊技機3のいずれかにおいて、前記特定待機変動表示を、前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合の最も大きい待機変動表示としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、特定待機変動表示が行われた場合、所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が最も大きい。かかる構成の場合、遊技者は、特定待機変動表示が行われることを期待しながら遊技を行うものと想定される。そこで、第1有利状態下で第1回数の遊技が行われた場合と、第2有利状態下で第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示の行われることを期待できる回数が等しくなる構成とすることにより、第2有利状態に移行した場合であっても特定待機変動表示を遊技者に楽しませることが可能となり、好適に遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
遊技機5.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、前記第1種別決定情報を、前記特定待機変動表示以外の所定の待機変動表示(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)が行われた場合における前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が、前記第2有利状態下で前記所定の待機変動表示が行われた場合における前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合よりも高くなる構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合には、第2有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合よりも所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が高い。第1有利状態下で第1回数の遊技が行われた場合と、第2有利状態下で第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示の行われることが期待される回数が等しい構成とした場合、遊技者によっては、遊技回数が多いにも関わらず第1有利状態下で特定待機変動表示が行われない印象を抱き、所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることへの期待感を減退させてしまう可能性が考えられる。そこで、第1有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合に所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が高くなる構成とすることにより、特定待機変動表示以外の待機変動表示でも所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを期待させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、第1有利状態下で所定の待機変動表示から所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されたことを視認した遊技者は、第2有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合にも所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを期待するものと想定される。この結果、第1有利状態のみならず第2有利状態においても所定の待機変動表示に対して所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
遊技機6.上記遊技機1乃至遊技機5のいずれかにおいて、所定条件(保留個数4個未満の状況で遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞)が成立した場合、前記所定の判定に用いる情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81の情報取得機能S305)と、
前記情報取得手段の取得した情報を規定数(4)を上限として保留記憶する保留記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記特別遊技状態下において、前記保留記憶手段に保留記憶されている情報が前記第1結果又は前記第2結果となる情報であるか否かを判定する第2判定手段(表示制御装置212の保留情報確認機能S2107,S2108)と、
前記第2判定手段が前記第1結果又は前記第2結果となる情報であると判定した場合、前記第2判定手段の判定結果と対応する対応情報(保留連確定)を報知するか否かを決定する報知決定手段(表示制御装置212の報知抽選機能S2109,S2110)と、
前記報知決定手段が前記対応情報を報知すると決定した場合、前記特別遊技状態が終了するまでの間に前記対応情報を報知する報知手段(図柄表示装置41)と、
前記特別遊技状態が終了するまでの間に、当該特別遊技状態の終了後に遊技者に有利となる有利回数(サポート回数)を示唆する有利回数示唆手段(図柄表示装置41)と
を備え、
前記報知決定手段を、前記判定手段の判定結果が前記第1結果となったことに基づく特別遊技状態である場合、前記判定手段の判定結果が前記第2結果となったことに基づく特別遊技状態である場合よりも高い確率で前記対応情報を報知すると決定する構成とし、前記有利回数示唆手段を、前記報知手段が前記対応情報を報知しない場合に限って前記有利回数を示唆する構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、特別遊技状態下において、保留記憶手段に保留記憶されている情報が第1結果又は第2結果となる情報であるか否かが判定される。そして、保留記憶手段に保留記憶されている情報が第1結果又は第2結果となる情報である場合には、対応情報が報知される可能性がある。また、特別遊技状態の終了後に遊技者に有利となる有利回数は、対応情報が報知されない場合に限って示唆される。かかる構成とすることにより、有利回数を遊技者に把握させることなく、保留記憶手段に保留記憶されている情報に基づいて所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを遊技者に把握させることが可能となる。この結果、例えば判定手段の判定結果が第1結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、その後に保留記憶手段に保留記憶されている情報に基づいて所定絵柄の組み合わせが最終停止表示された場合等において、有利回数の多いときに限って保留記憶されている情報で所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される等の印象を遊技者が抱く機会を低減させることが可能となる。
加えて、判定手段の判定結果が第1結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、保留記憶手段に第1結果又は第2結果となる情報が保留記憶されている場合には、判定手段の判定結果が第2結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、保留記憶手段に第1結果又は第2結果となる情報が保留記憶されている場合と比して、高い確率で対応情報が報知される。かかる構成とすることにより、判定手段の判定結果が第2結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、遊技者が有利回数の少ないことを把握した後に絵柄の変動表示を通じて判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となったことを把握する機会を多くすることが可能となる。この結果、有利回数の少ない状況下で所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されたことによって遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
以上の結果、遊技者が遊技意欲を減退させてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
なお、ここにいう「特別遊技状態が終了するまでの間」とは、特別遊技状態のみならず、各絵柄群の変動表示が開始されるまでの間も含む。
遊技機7.上記遊技機6において、前記判定手段の判定結果に基づいて最終停止表示させる絵柄の組み合わせを決定する最終停止表示絵柄決定手段(表示制御装置212の図柄の組み合わせ決定機能S1704)を備え、前記最終停止表示絵柄決定手段は、前記判定手段の判定結果が前記第1結果である場合と、前記判定手段の判定結果が前記第2結果である場合と、に同一の所定絵柄の組み合わせを最終停止表示させると決定し得ることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、判定手段の判定結果が第1結果である場合と、判定手段の判定結果が第2結果である場合と、に同一の所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることがある。かかる構成とすることにより、最終停止表示される絵柄の組み合わせから判定手段の判定結果(すなわち特別遊技状態終了後の有利回数)を遊技者が把握することを困難なものとすることが可能となる。この結果、判定手段の判定結果が第1結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、当該特別遊技状態下で対応情報を報知した場合において、有利回数の多いときに限って保留記憶されている情報で所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される等の印象を遊技者が抱く機会を低減させることが可能となる。
遊技機8.表示画面上にて複数の絵柄群(図柄列Z1〜Z3)が変動表示されるように絵柄を変動表示させる絵柄表示装置(図柄表示装置41)と、
所定の判定を行う判定手段(主制御装置81の大当たり判定機能S701,S702及び大当たり種別判定機能S703,S705)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記各絵柄群の絵柄を最終停止表示させるまでの変動表示時間を決定する変動表示時間決定手段(主制御装置81の変動表示時間設定機能S709)と、
前記変動表示時間決定手段の決定した変動表示時間内で前記各絵柄群の変動表示を終了させるとともに、前記判定手段の判定結果が第1結果(第1大当たり結果)又は第2結果(第2大当たり結果)である場合、予め定めた所定絵柄の組み合わせ(同一の数字が付された主図柄の組み合わせ)を最終停止表示させるように、前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(音声ランプ制御装置82、表示制御装置212)と、
前記判定手段の判定結果が前記第1結果又は前記第2結果であって、前記変動表示時間決定手段の決定した変動表示時間を経過した場合、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり中遊技状態)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81の遊技状態移行処理機能S405)と、
前記判定手段の判定結果が前記第1結果となったことに基づく特別遊技状態が終了したことに基づいて、第1回数(80回)の遊技が終了するまで遊技者に有利な第1有利状態(第1低確時短遊技状態)に移行させる第1移行手段(主制御装置81のサポートカウンタ設定処理機能S1012及び高確率モードフラグ消去機能S954)と、
前記判定手段の判定結果が前記第2結果となったことに基づく特別遊技状態が終了したことに基づいて、前記第1回数より少ない第2回数(40回)の遊技が終了するまで遊技者に有利な第2有利状態(第2低確時短遊技状態)に移行させる第2移行手段(主制御装置81のサポートカウンタ設定処理機能S1012及び高確率モードフラグ消去機能S954)と
を備えた遊技機において、
所定条件(保留個数4個未満の状況で遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞)が成立した場合、前記所定の判定に用いる情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81の情報取得機能S305)と、
前記情報取得手段の取得した情報を規定数(4)を上限として保留記憶する保留記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記特別遊技状態下において、前記保留記憶手段に保留記憶されている情報が前記第1結果又は前記第2結果となる情報であるか否かを判定する第2判定手段(表示制御装置212の保留情報確認機能S2107,S2108)と、
前記第2判定手段が前記第1結果又は前記第2結果となる情報であると判定した場合、前記第2判定手段の判定結果と対応する対応情報(保留連確定)を報知するか否かを決定する報知決定手段(表示制御装置212の報知抽選機能S2109,S2110)と、
前記報知決定手段が前記対応情報を報知すると決定した場合、前記特別遊技状態が終了するまでの間に前記対応情報を報知する報知手段(図柄表示装置41)と、
前記特別遊技状態が終了するまでの間に、当該特別遊技状態の終了後に遊技者に有利となる有利回数(サポート回数)を示唆する有利回数示唆手段(図柄表示装置41)と
を備え、
前記報知決定手段を、前記判定手段の判定結果が前記第1結果となったことに基づく特別遊技状態である場合、前記判定手段の判定結果が前記第2結果となったことに基づく特別遊技状態である場合よりも高い確率で前記対応情報を報知すると決定する構成とし、前記有利回数示唆手段を、前記報知手段が前記対応情報を報知しない場合に限って前記有利回数を示唆する構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、特別遊技状態下において、保留記憶手段に保留記憶されている情報が第1結果又は第2結果となる情報であるか否かが判定される。そして、保留記憶手段に保留記憶されている情報が第1結果又は第2結果となる情報である場合には、対応情報が報知される可能性がある。また、特別遊技状態の終了後に遊技者に有利となる有利回数は、対応情報が報知されない場合に限って示唆される。かかる構成とすることにより、有利回数を遊技者に把握させることなく、保留記憶手段に保留記憶されている情報に基づいて所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを遊技者に把握させることが可能となる。この結果、例えば判定手段の判定結果が第1結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、その後に保留記憶手段に保留記憶されている情報に基づいて所定絵柄の組み合わせが最終停止表示された場合等において、有利回数の多いときに限って保留記憶されている情報で所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される等の印象を遊技者が抱く機会を低減させることが可能となる。
加えて、判定手段の判定結果が第1結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、保留記憶手段に第1結果又は第2結果となる情報が保留記憶されている場合には、判定手段の判定結果が第2結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、保留記憶手段に第1結果又は第2結果となる情報が保留記憶されている場合と比して、高い確率で対応情報が報知される。かかる構成とすることにより、判定手段の判定結果が第2結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行した場合には、遊技者が有利回数の少ないことを把握した後に絵柄の変動表示を通じて判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となったことを把握する機会を多くすることが可能となる。この結果、有利回数の少ない状況下で所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されたことによって遊技者の遊技意欲を高めることが可能となる。
以上の結果、遊技者が遊技意欲を減退させてしまうことを好適に抑制することが可能となる。
なお、ここにいう「特別遊技状態が終了するまでの間」とは、特別遊技状態のみならず、各絵柄群の変動表示が開始されるまでの間も含む。
遊技機9.上記遊技機8において、前記判定手段の判定結果に基づいて最終停止表示させる絵柄の組み合わせを決定する最終停止表示絵柄決定手段(表示制御装置212の図柄の組み合わせ決定機能S1704)を備え、前記最終停止表示絵柄決定手段は、前記判定手段の判定結果が前記第1結果である場合と、前記判定手段の判定結果が前記第2結果である場合と、に同一の所定絵柄の組み合わせを最終停止表示させると決定し得ることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、判定手段の判定結果が第1結果である場合と、判定手段の判定結果が第2結果である場合と、に同一の所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることがある。かかる構成とすることにより、最終停止表示される絵柄の組み合わせから判定手段の判定結果(すなわち特別遊技状態終了後の有利回数)を遊技者が把握することを困難なものとすることが可能となる。この結果、判定手段の判定結果が第1結果となったことに基づいて特別遊技状態に移行し、当該特別遊技状態下で対応情報を報知した場合において、有利回数の多いときに限って保留記憶されている情報で所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される等の印象を遊技者が抱く機会を低減させることが可能となる。
遊技機10.上記遊技機8又は遊技機9において、前記所定絵柄の組み合わせを最終停止表示させる前段階として、前記所定絵柄の組み合わせを構成する待機絵柄(リーチ図柄)が前記表示画面上に停止表示されるように規定絵柄群(中図柄列Z2)を除く他の絵柄群の変動表示を終了させ、その後に前記規定絵柄群の変動表示を終了させる待機変動表示(リーチ表示)を複数備え、
前記第1有利状態下で前記待機変動表示を行う場合に、いずれの待機変動表示を行うかを決定する場合に用いる第1種別決定情報(第1低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブル及び第1低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブル)を記憶する第1記憶手段(ROM203のリーチ種別特定用テーブル記憶エリア)と、
前記第2有利状態下で前記待機変動表示を行う場合に、いずれの待機変動表示を行うかを決定する場合に用いる第2種別決定情報(第2低確時短大当たり用リーチ種別特定用テーブル及び第2低確時短外れ用リーチ種別特定用テーブル)を記憶する第2記憶手段(ROM203のリーチ種別特定用テーブル記憶エリア)と
を備え、
前記第1種別決定情報及び前記第2種別決定情報を、前記第1有利状態下で前記第1回数の遊技が行われた場合と、前記第2有利状態下で前記第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示(スペシャルリーチ)を行うと決定することが期待される回数が等しくなるように、且つ、前記特定待機変動表示が行われた場合における前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が等しくなるように、構成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態下で第1回数の遊技が行われた場合と、第2有利状態下で第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示の行われることが期待される回数が等しい。かかる構成とすることにより、遊技回数の少ない第2有利状態に移行した場合であっても、第1有利状態下における遊技と同様に特定待機変動表示が行われることを期待させることが可能となる。また、第1有利状態と第2有利状態のいずれであっても特定待機変動表示が行われた場合における所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が等しくなる構成としたため、いずれの有利状態であるかに関わらず、特定待機変動表示が行われた場合に所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを期待させることが可能となる。
以上の結果、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。
遊技機11.上記遊技機10において、前記判定手段の判定結果が前記第1結果及び前記第2結果でない場合に前記待機変動表示を行うか否かを決定する実行決定手段(主制御装置81の外れ時におけるリーチ発生判別機能S902)を備え、前記実行決定手段は、前記第1有利状態である場合と、前記第2有利状態である場合と、で前記待機変動表示を行うと決定する割合が等しいことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態である場合と、第2有利状態である場合と、で待機変動表示を行うと決定する割合が等しい。かかる構成とすることにより、第1有利状態下で第1回数の遊技を行った場合には、特定待機変動表示の行われることが期待される回数は第2有利状態下で第2回数の遊技を行った場合と等しいものの、他の待機変動表示に関して第2有利状態下で第2回数の遊技を行った場合よりも多く行われることを期待できる。この結果、遊技回数の多い第1有利状態下において待機変動表示が行われない印象を遊技者が抱くことを回避することが可能となり、第1有利状態下における遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機12.上記遊技機10又は遊技機11において、前記判定手段を、前記第1有利状態下における前記判定手段の判定結果が前記第1結果又は前記第2結果となる1遊技回の確率と、前記第2有利状態下における前記判定手段の判定結果が前記第1結果又は前記第2結果となる1遊技回の確率と、が等しくなる構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態下における判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となる1遊技回の確率と、第2有利状態下における判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となる1遊技回の確率と、が等しい。かかる構成においては、第1有利状態に移行した場合の方が、第2有利状態に移行した場合よりも判定手段の判定結果が第1結果又は第2結果となる可能性が高くなる。この結果、遊技者に判定手段の判定結果が第1結果となることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機13.上記遊技機10乃至遊技機12のいずれかにおいて、前記特定待機変動表示を、前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合の最も大きい待機変動表示としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、特定待機変動表示が行われた場合、所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が最も大きい。かかる構成の場合、遊技者は、特定待機変動表示が行われることを期待しながら遊技を行うものと想定される。そこで、第1有利状態下で第1回数の遊技が行われた場合と、第2有利状態下で第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示の行われることを期待できる回数が等しくなる構成とすることにより、第2有利状態に移行した場合であっても特定待機変動表示を遊技者に楽しませることが可能となり、好適に遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
遊技機14.上記遊技機10乃至遊技機13のいずれかにおいて、前記第1種別決定情報を、前記特定待機変動表示以外の所定の待機変動表示(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)が行われた場合における前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が、前記第2有利状態下で前記所定の待機変動表示が行われた場合における前記所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合よりも高くなる構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合には、第2有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合よりも所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が高い。第1有利状態下で第1回数の遊技が行われた場合と、第2有利状態下で第2回数の遊技が行われた場合と、で特定待機変動表示の行われることが期待される回数が等しい構成とした場合、遊技者によっては、遊技回数が多いにも関わらず第1有利状態下で特定待機変動表示が行われない印象を抱き、所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることへの期待感を減退させてしまう可能性が考えられる。そこで、第1有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合に所定絵柄の組み合わせが最終停止表示される割合が高くなる構成とすることにより、特定待機変動表示以外の待機変動表示でも所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを期待させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、第1有利状態下で所定の待機変動表示から所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されたことを視認した遊技者は、第2有利状態下で所定の待機変動表示が行われた場合にも所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを期待するものと想定される。この結果、第1有利状態のみならず第2有利状態においても所定の待機変動表示に対して所定絵柄の組み合わせが最終停止表示されることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技が単調化することを好適に抑制することが可能となる。