JP2010028013A - 気相成長装置用のサセプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェーハとサセプタとの間のスティッキングの発生を防止しつつ、ウェーハ載置部の外周部に設けられた当接部とウェーハとが当接した際に、ウェーハのテーパー加工の違いによらずウェーハ載置部の内周面とウェーハ外周縁との距離が一定となるようなサセプタを提供すること。
【解決手段】半導体ウェーハ8を載置する円形凹状のウェーハ載置部7を上面に有し、ウェーハ載置部7に載置された半導体ウェーハ8の外周部に対して、実質的に点接触又はウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿って線接触した状態で当接可能に形成された当接部9が、ウェーハ載置部7の外周部に沿って少なくとも3箇所設けられており、ウェーハ載置部7を平面視した場合に、ウェーハ載置部7の任意の直径で分けられる2つの領域のそれぞれに当接部9が少なくとも1つ含まれ、当接部9の高さが半導体ウェーハ8の厚さの1/2〜1倍であるサセプタを使用する。
【選択図】図3
【解決手段】半導体ウェーハ8を載置する円形凹状のウェーハ載置部7を上面に有し、ウェーハ載置部7に載置された半導体ウェーハ8の外周部に対して、実質的に点接触又はウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿って線接触した状態で当接可能に形成された当接部9が、ウェーハ載置部7の外周部に沿って少なくとも3箇所設けられており、ウェーハ載置部7を平面視した場合に、ウェーハ載置部7の任意の直径で分けられる2つの領域のそれぞれに当接部9が少なくとも1つ含まれ、当接部9の高さが半導体ウェーハ8の厚さの1/2〜1倍であるサセプタを使用する。
【選択図】図3
Description
本発明は、エピタキシャルウェーハの製造に使用される気相成長装置用のサセプタに関する。
半導体ウェーハ(以下、単に「ウェーハ」ともいう)へエピタキシャル層を成長させるためには、一般に加熱方法や気相成長用サセプタ(以下、単に「サセプタ」ともいう)の形状の違いにより各種構造の気相成長装置が使用されている。この中で、従来は生産性の問題により円形平板状のサセプタを下側から加熱する縦型気相成長装置や樽型のサセプタを側面のランプにより加熱するバレル型気相成長装置が多用されてきた。
しかし、現状ではエピタキシャル層に要求される品質が年々厳しくなり、従来の縦型やバレル型気相成長装置では対応できなくなる傾向があり、最近は枚葉型の気相成長装置が注目されている。
一般に、横型枚葉式の気相成長装置は、石英製で通路上のチャンバーの中に黒鉛の母材にSiCをコートした円盤状のサセプタが設置されており、当該サセプタに設けられた円形凹状のウェーハ載置部に半導体ウェーハを載せ、サセプタの表裏両面に配置したランプにより当該半導体ウェーハを加熱しつつ、石英製チャンバーの一方に設置したノズル部より各種原料ガスをチャンバー内に導入する構造となっている。
一般に、横型枚葉式の気相成長装置は、石英製で通路上のチャンバーの中に黒鉛の母材にSiCをコートした円盤状のサセプタが設置されており、当該サセプタに設けられた円形凹状のウェーハ載置部に半導体ウェーハを載せ、サセプタの表裏両面に配置したランプにより当該半導体ウェーハを加熱しつつ、石英製チャンバーの一方に設置したノズル部より各種原料ガスをチャンバー内に導入する構造となっている。
この円盤状のサセプタを使用してエピタキシャル成長を行う気相成長装置において、ウェーハをサセプタ上に自動搬送する際にベルヌーイチャック等の搬送手段が使用される。この場合、約10mmの高さからウェーハをサセプタ上に落とすため、ウェーハとサセプタの間の空気が速やかに抜けずに、ウェーハがサセプタ上で滑りやすい状態になる。このような状態になると、ウェーハの一端がウェーハ載置部の内周面に接触することがあり、次のような問題を生じる場合がある。
エピタキシャル成長を用いるウェーハの用途として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transister)に代表されるパワーデバイスが挙げられる。このようなパワーデバイス向けエピタキシャルウェーハの製造では、エピタキシャル層の厚さが大きく、100μm程度に達することも少なくない。こうした厚い層を成長させる際に、上記のようにウェーハの一端がウェーハ載置部の内周面に接触していると、ウェーハ載置部の内周面とウェーハ外周面との間にブリッジと呼ばれる両者に跨った析出物が成長し、両者が固着する現象、すなわちスティッキング現象が発生しやすい。この現象が生じると、エピタキシャル成長後にサセプタからウェーハを取り出すときに、固着している成長膜を剥がさなければならず、その際にウェーハにクラックが生じたり、サセプタのSiC膜が剥離してサセプタを破損したりすることがある。このようなことが起こると、半導体ウェーハの歩留まりの低下や生産ラインのストップ等好ましくない状況につながるので問題である。
また、ウェーハをサセプタに搬送した際に上記のようなウェーハとウェーハ載置部の内周面との間の接触がなかったとしても、エピタキシャル成長中にウェーハはサセプタの回転によって遠心力を受け、それが原因となってウェーハの外周面とウェーハ載置部の内周面とが接触する場合もある。そのような場合にも、上記のようなスティッキング現象が発生しやすい。
こうしたウェーハとウェーハ載置部の内周面との接触に伴うスティッキング現象を回避するために、例えば特許文献1では、ウェーハの外周面に接触しないような比較的低い当接部をウェーハ載置部の外周部に設け、ウェーハが移動した際に当接部をウェーハ外周部裏側のテーパー面に当接させて、ウェーハ載置部の内周面にウェーハが接触するのを防止する方法が提案されている。すなわち、ウェーハの外周部には面取り加工によるテーパーが存在するので、当該テーパーに当接しつつウェーハの最外周には当接しないような当接部を設けることにより、ウェーハをウェーハ載置部の内周面から離れた位置で停止させようとするものである。このような当接部ならば、ウェーハのテーパーと当接した際にウェーハの陰に隠れることができるので、原料ガスと直接触れることなくウェーハをウェーハ載置部の内周面から離れた場所に保持することができる。その結果、ウェーハとサセプタの間のスティッキングのみならず、ウェーハと当該当接部との間のスティッキングも防止されるので、有効な方法である。
特開2004−327761号公報
ところで、ウェーハの外周部に設けられるテーパーの角度は、その面取り加工の方法により変化するものであり、1つに定まるものではない。このため、テーパーの角度の大きいもの(斜面が急であるもの)から、テーパー角度の小さいもの(斜面がなだらかであるもの)まで、様々なウェーハが存在する。テーパーに当接部を当接させてウェーハを保持する上記方法の場合、当接部からウェーハ最外周までの距離は、テーパー角度が大きいものでは短くなり、テーパー角度が小さいものでは長くなる。したがって、あらゆるウェーハに対応可能なサセプタを作成しようとすると、ウェーハ載置部の内周面と当接部との距離を相当長くとらなければならない。さもなくば、テーパー角度の小さいウェーハを載置した際に、ウェーハの最外周がウェーハ載置部の内周面に接触してしまうおそれがあるためである。
すなわち、上記方法によれば、ウェーハとウェーハ載置部の内周面との間隔は、比較的大きなものとなり、しかもウェーハの種類(テーパー角度)によって変化することになる。このことは、加工しようとするウェーハの種類(テーパー角度)によって、ウェーハへの温度のかかり方が一定とはならないことを意味しており、品質の安定を損ねる原因のひとつになる点で問題だった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ウェーハとサセプタとの間のスティッキングの発生を防止しつつ、ウェーハと当接部とが当接した際に、ウェーハのテーパー加工の違いによらずウェーハ載置部の内周面とウェーハ最外周との距離が一定となるようなサセプタを提供することを課題とする。
本発明者らは、ウェーハのテーパー加工の違いによらずウェーハ載置部の内周面とウェーハ最外周との距離を一定に保つことのできるサセプタを得ることを目的に、ウェーハを保持する当接部の形状について種々検討を行った結果、次の2つの事実を知見した。すなわち、当接部の高さをウェーハの厚みの半分以上とすることで、ウェーハのテーパー加工の違いによらず確実にウェーハを所定の位置で当接させることができるという事実と、たとえ当接部が原料ガスに対して露出することになったとしても、ウェーハと当接部の接触状態を実質的に点接触又はウェーハ載置部の深さ方向に延びる線に沿った線接触とすることにより、ウェーハと当接部との間のスティッキングを防止することができるという事実である。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものであり、上記の課題を解決することができるものである。
(1)本発明の気相成長装置用のサセプタは、半導体ウェーハを載置する円形凹状のウェーハ載置部を上面に有し、前記ウェーハ載置部に載置された前記半導体ウェーハの外周部に対して、実質的に点接触又は前記ウェーハ載置部の深さ方向に延びる線に沿って線接触した状態で当接可能に形成された当接部が、前記ウェーハ載置部の外周部に沿って少なくとも3箇所設けられており、前記ウェーハ載置部を平面視した場合に、前記ウェーハ載置部の任意の直径で分けられる2つの領域のそれぞれに前記当接部が少なくとも1つ含まれ、前記当接部の高さが前記半導体ウェーハの厚さの1/2〜1倍であることを特徴とする。
(2)前記当接部のうち前記半導体ウェーハと当接可能な接触端と前記ウェーハ載置部の内周面との間隔が0.3〜2mmであることが好ましい。
(3)前記当接部の高さは前記半導体ウェーハの厚さの1/2〜2/3倍であることが好ましい。
本発明のサセプタを使用することにより、ウェーハとサセプタとの間のスティッキングの発生を防止しつつ、ウェーハが移動して当接部と当接した際に、ウェーハのテーパー加工の違いによらずウェーハ載置部の内周面とウェーハ最外周との距離を一定に保つことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のサセプタ3の一実施形態を含む気相成長装置の概略を示す側面図である。図2は同概略を示す平面図である。
ここにおける気相成長装置は、シリコンウェーハ等半導体ウェーハのエピタキシャル成長に使用される横型装置である。この装置は、図1及び図2に示すように、チャンバー1内に石英製の反応管2を有しており、反応管2の一方から他方へ(図1では左方向から右方向へ)原料ガスを流通することができるようになっている。反応管2内には水平円盤型のサセプタ3が長手方向の中央部に位置して設けられるとともに、サセプタ3を長手方向の前後から挟むように水平な仕切り板6が設けられている。仕切り板6は原料ガスがサセプタ3の表面を流通するように、原料ガスの流れを規定している。
サセプタ3は、反応管2内に下方から挿入された支持軸4により水平に支持されており、支持軸4の回転により中心部の垂直軸周りに回転駆動される。反応管2の上方と下方には、反応管2内を所定温度に加熱する加熱用ランプ5がサセプタ3を挟むようにして設けられている。
サセプタ3の上面には、ウェーハ載置部7が設けられている。ウェーハ載置部7は、ウェーハ8を水平に収容する構成になっている。気相成長装置は、ウェーハ8を1枚ずつエピタキシャル成長させる枚葉タイプの装置であり、ウェーハ載置部7がサセプタ3の中央に1つ設けられている。
図3は、サセプタ3にウェーハ8が載置された状態図で、(a)は部分断面図であり、(b)は平面図である。図4は、図3とは別形態のサセプタ3にウェーハ8が載置された状態図で、(a)は部分断面図であり、(b)は平面図である。図3及び図4に示すように、ウェーハ載置部7の外周部には、例えば、3個の略三角柱状の当接部9がウェーハ載置部7の内周面の周方向に120度おきに設けられている。当接部9は、その先端部であるウェーハ8と当接可能な接触端をウェーハ載置部7の中心に向けてウェーハ載置部7に固定されている。当接部9の外周側は、図3に示すようにウェーハ載置部7の内周面と一体化していてもよいし、図4に示すようにウェーハ載置部7の内周面から離れていてもよい。
図5は、ウェーハ8が載置された状態のサセプタ3の部分断面図で、(a)は当接部9の高さがウェーハの厚さの半分である場合であり、(b)は当接部9の高さがウェーハ8の厚さの半分以上、同等未満の場合であり、(c)は当接部9の高さがウェーハ8の厚さと同じ場合である。図6は、当接部9の高さがウェーハ8の厚さの半分未満の場合にウェーハ8が載置された状態のサセプタ3の部分断面図である。
本発明のサセプタ3に設置される当接部9の高さは、ウェーハ8の厚さの1/2〜1倍である。ウェーハ8がウェーハ載置部7の中心からずれて当接部9と当接する際、当接部9の高さがウェーハの厚さの半分(1/2)以上であれば、図5(a)〜(c)に示すようにウェーハ8の外周縁に必ず当接部9が当接することになる。したがって、ウェーハ8のテーパー加工(テーパー角度)の違いによらず、ウェーハ載置部7の内周面とウェーハ8とは少なくとも一定の間隔が確保されることになる。これに対して、当接部9の高さがウェーハ8の厚さの半分未満では、図6に示すように、当接部9がウェーハ8の下に潜り込むことになるので、ウェーハ8のテーパー加工(テーパー角度)によっては、ウェーハ8がウェーハ載置部7の内周面に接触してスティッキングを引き起こしたり、ウェーハ8がウェーハ載置部7の内周面から離れすぎて温度条件が変わってしまったりすることになる。また、当接部9の高さがウェーハ8の厚さ(1倍)以下であれば、原料ガスの流れが当接部9によって乱されないので、ウェーハ8上に均一なエピタキシャル層を成長させることができる。より好ましい当接部9の高さは、ウェーハ8の厚さの1/2〜2/3倍である。
当接部9のウェーハ8に対する接触端とウェーハ載置部7の内周面との間隔は、0.3〜2mmであることが好ましい。前記間隔が0.3mm以上であれば、スティッキングを効果的に抑制することができ、前記間隔が2mm以下であれば、ウェーハ載置部7の内周面とウェーハ8との近接状態が維持されてウェーハ8上の温度分布を均一に保つことができる。
当接部9は、ウェーハ8の外周部と実質的に点接触又はウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿って線接触する。「実質的に」とは、点状又は線状に接触している状態であれば点又は線接触と判断するという意味である。すなわち、点接触や線接触といっても実際にはある程度の面積をもって接触しているので厳密には面接触と考えることもできるが、そのような考え方をせず、面と認識される程に大きな接触面積でなければ点接触又は線接触と考えるという意味である。
なお、当接部9の形状は、ウェーハ8の外周縁に対して実質的に点接触又はウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿って線接触することができるものであれば特に限定されない。このような形状としては、図7に示すような形状が例示される。図7は、図3及び図4とは別形態のサセプタ3にウェーハ8が載置された状態図で、(a)は部分断面図であり、(b)は平面図である。図7において、当接部9は略半円柱形状で示されている。このような形状であっても、当接部9は、ウェーハ8の外周部と実質的に点接触又はウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿って線接触することができる。
次に、「ウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿った線接触」について説明する。これは、スティッキングの発生を抑制し、又はスティッキングが発生したとしても剥がす際にウェーハを損傷し難いものとするために必要な線接触の状態である。このことを説明するために、ウェーハ載置部7の深さ方向と「垂直に」延びる線に沿って線接触した場合を説明する。ウェーハ載置部7の深さ方向と垂直に延びる線に沿って線接触する場合とは、例えば、図8のように当接部9が略四角柱状である場合が挙げられる。図8は、当接部9がウェーハ8とウェーハ載置部7の深さ方向と垂直に延びる線に沿って線接触した場合の状態図である。このような場合のウェーハ8と当接部9との接触状態は、ウェーハ8がウェーハ載置部7の内周面と接触したときと同じものであり、きわめてスティッキングが発生しやすい状態である。つまり、「ウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿った線接触」とは、ウェーハ8がウェーハ載置部7の内周面に接触した場合とは異なる接触状態にあることを意味するものである。したがって、線接触がウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線からやや傾いていたとしても差し支えなく、そのような場合も本発明の範囲に含まれる。例えば、傾きの程度は45度以内、好ましくは21度以内であれば許容される。
当接部9は、ウェーハ載置部7の外周部に沿って少なくとも3箇所設けられる。これまで述べてきたように、当接部9はウェーハ8がウェーハ載置部7の内周面に接触するのを防止する役割を持つものだが、当接部9が2箇所しか設けられない場合は、2つの当接部9を結んだ直線に沿った方向に対するウェーハの移動については接触を防止することができるが、それと直角の方向に対するウェーハの移動については接触を防止することができないためである。
また、少なくとも3箇所設けられる当接部9は、ウェーハ載置部7を平面視した場合に、ウェーハ載置部7の任意の直径で分けられる2つの領域のそれぞれに少なくとも1つ含まれるように配置されなければならない。このことを図9により説明する。図9は、ウェーハ載置部7の平面図であり、ウェーハ載置部7を平面視した場合にその直径(破線)で領域が2つに分けられている状態を示している。このうち図9(a)は、2つの領域の片方に当接部9が1つも存在していない状態を示している。この場合、これらの領域を形成する直径(破線)と垂直に交わる方向であって当接部9が存在しない領域の方へウェーハ8が移動したとき、当接部9はウェーハ8の動きを止めることができない。このため、ウェーハ8は、ウェーハ載置部7の内周面に接触してスティッキングを発生するおそれがある。これに対して、2つの領域のそれぞれに少なくとも1つの当接部9が存在する図9(b)の状態であれば、ウェーハ8がいかなる方向に移動した場合であっても、いずれかの当接部9がウェーハ8に当接することができるので、ウェーハ8とウェーハ載置部7の内周面との接触を防止することができる。
なお、図10のようにウェーハ載置部7に凹部10を設けてもよい。図10は、図3、図4、及び図7とは別形態のサセプタ3にウェーハ8が載置された状態の部分断面図である。凹部10は、ウェーハ載置部7よりも小径で、ウェーハ載置部7の底面から下側に凹んでおり、かつ、ウェーハ載置部7と同心の円形の凹部である。このような凹部10を設けることにより、ウェーハ8をサセプタ3へ搬送した際に、ウェーハ8とウェーハ載置部7との間に存在する空気の層を速やかに除くことができるので、ウェーハ8の位置安定性をさらに向上することができる。
次に、エピタキシャル成長下におけるサセプタ3の機能について説明する。
エピタキシャル成長では、ベーキング工程の後、エピタキシャル成長工程が開始される。エピタキシャル成長工程では、反応管2内が所定温度に加熱されるとともに、その管内の仕切り板6より上側の空間に、原料ガスが反応管2の一端部から他端部へ流通される。また、ウェーハ8をウェーハ載置部内に支持するサセプタ3が、周方向に所定速度で回転する。このような操作により、ウェーハ8の上面にエピタキシャル層が形成される。
ここで、上記エピタキシャル成長工程に先立ち、サセプタ3のウェーハ載置部7の定位置(同心位置)にベルヌーイチャック等の搬送手段を備えたロボットによりウェーハ8が搬送されるが、このとき、従来型のサセプタを使用した場合、これまで述べてきたようにウェーハ載置部内でウェーハが定位置から径方向に滑る可能性がある。また、従来型のサセプタを使用した場合、エピタキシャル成長中にサセプタが回転することによっても、ウェーハ載置部内のウェーハは遠心力によって定位置から径方向に滑る可能性がある。ウェーハ載置部内でウェーハが滑って定位置から外れ、その外周縁がウェーハ載置部の内周面に接触すると、上述のように、ウェーハとウェーハ載置部の外周面とを跨ぐようにブリッジと呼ばれる析出物が成長し、両者が固着する危険がある。このような状態になると、ウェーハをサセプタのウェーハ載置部から取り出す際に、ウェーハにクラックを生じたり、サセプタのSiC膜が剥離してサセプタが破損したりする結果につながる。
これに対して、本実施形態のサセプタ3を使用した場合には、ウェーハ載置部7の外周部に沿って複数設けられた当接部9の存在により、ウェーハ8が搬送された際にウェーハ8とウェーハ載置部7の内周面との接触が防止される。また、エピタキシャル成長中にサセプタ3が回転した場合にも、ウェーハ載置部7の外周部に沿って複数設けられた当接部9の存在により、ウェーハ8とウェーハ載置部7の内周面との接触が防止される。その結果、ウェーハ8の外周縁とウェーハ載置部7の内周面との間にブリッジが成長して固着するというトラブルの発生を防止することができる。そのため、50μm以上の厚いエピタキシャル層の形成を行う場合であっても、サセプタ3とウェーハ8との間のブリッジによるスティッキング現象が効果的に防止される。また、当接部9とウェーハ8とは点接触又はウェーハ載置部7の深さ方向に延びる線に沿って線接触しているので、両者の間でのブリッジの成長は抑制される。仮に、両者の間にブリッジによるスティッキングが生じても、このような接触状態であれば剥がす際にウェーハ8を損傷し難い。
また、本実施形態のサセプタ3を使用した場合には、ウェーハ8がウェーハ載置部7の中心からずれて当接部9と当接した際、当接部9がウェーハ8の外周縁に確実に当接するので、ウェーハ8のテーパー形状によらず、ウェーハ8とウェーハ載置部7の内周面との距離は一定に保たれる。このため、ウェーハ8の熱管理が容易になり、エピタキシャル層のロットによる振れも抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、枚葉式の気相成長装置を用いてエピタキシャルウェーハを製造しているが、これに限定されるものではなく、複数枚の半導体ウェーハ8を一度に処理するバッチ式の気相成長装置を用いてエピタキシャルウェーハを製造することもできる。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[スティッキング評価]
テスト基板として、200mmのP+型シリコンウェーハ(厚さ0.72mm)を使用し、反応温度1075℃、エピタキシャル成長速度2.5μm/minの条件にて、120μmのエピタキシャル層を成長させた。この際、実施例1として、ウェーハ載置部の外周部に高さ0.40mm、幅1.0mm、長さ0.50mmで略三角柱状の当接部を60度間隔で6箇所設置したサセプタを用意し、比較例1として、当接部を有しないサセプタを用意した。実施例1のサセプタ及び比較例1のサセプタについて、それぞれ10枚ずつのウェーハを使用してスティッキング評価を行った。評価においては、発明の効果を確認するため、意図的にサセプタを3度傾けてテスト用ウェーハがウェーハ載置部の内周面に接触しやすい状態とした。評価の結果、実施例1のサセプタを使用した場合のスティッキング発生枚数は0枚(発生率0%)だったのに対して、比較例1のサセプタを使用した場合のスティッキング発生枚数は5枚(発生率50%)であった。このことから、本発明のサセプタがスティッキングの防止に対して有効であることが示された。
テスト基板として、200mmのP+型シリコンウェーハ(厚さ0.72mm)を使用し、反応温度1075℃、エピタキシャル成長速度2.5μm/minの条件にて、120μmのエピタキシャル層を成長させた。この際、実施例1として、ウェーハ載置部の外周部に高さ0.40mm、幅1.0mm、長さ0.50mmで略三角柱状の当接部を60度間隔で6箇所設置したサセプタを用意し、比較例1として、当接部を有しないサセプタを用意した。実施例1のサセプタ及び比較例1のサセプタについて、それぞれ10枚ずつのウェーハを使用してスティッキング評価を行った。評価においては、発明の効果を確認するため、意図的にサセプタを3度傾けてテスト用ウェーハがウェーハ載置部の内周面に接触しやすい状態とした。評価の結果、実施例1のサセプタを使用した場合のスティッキング発生枚数は0枚(発生率0%)だったのに対して、比較例1のサセプタを使用した場合のスティッキング発生枚数は5枚(発生率50%)であった。このことから、本発明のサセプタがスティッキングの防止に対して有効であることが示された。
[エピタキシャル層の均一性評価]
テスト基板として、200mmのp型シリコンウェーハ(厚さ0.72mm)を使用し、反応温度1075℃、エピタキシャル成長速度2.3μm/minの条件にて、110μmのエピタキシャル層を成長させた。この際、実施例2として、ウェーハ載置部の外周部に高さ0.40mm、幅1.0mm、長さ0.50mmで略三角柱状の当接部を60度間隔で6箇所設置したサセプタを用意し、また、比較例2として、ウェーハ載置部の外周部に高さ0.77mm、幅1.0mm、長さ0.50mmで略三角柱状の当接部を60度間隔で6箇所設置したサセプタを用意した。得られたそれぞれのエピタキシャルウェーハについて、ウェーハの外周縁より半径方向へ2mmの地点のエピタキシャル層の厚さを、当接部の位置を中心として+15度から−15度の範囲で1度ごとにFTIR(Fourier Transform Infrared Spectrometer)で測定し、エピタキシャル層厚の均一性に対する当接部の影響を調べた。結果を図11に示す。
テスト基板として、200mmのp型シリコンウェーハ(厚さ0.72mm)を使用し、反応温度1075℃、エピタキシャル成長速度2.3μm/minの条件にて、110μmのエピタキシャル層を成長させた。この際、実施例2として、ウェーハ載置部の外周部に高さ0.40mm、幅1.0mm、長さ0.50mmで略三角柱状の当接部を60度間隔で6箇所設置したサセプタを用意し、また、比較例2として、ウェーハ載置部の外周部に高さ0.77mm、幅1.0mm、長さ0.50mmで略三角柱状の当接部を60度間隔で6箇所設置したサセプタを用意した。得られたそれぞれのエピタキシャルウェーハについて、ウェーハの外周縁より半径方向へ2mmの地点のエピタキシャル層の厚さを、当接部の位置を中心として+15度から−15度の範囲で1度ごとにFTIR(Fourier Transform Infrared Spectrometer)で測定し、エピタキシャル層厚の均一性に対する当接部の影響を調べた。結果を図11に示す。
図11から明らかなように、当接部の高さが0.40mmである実施例2のサセプタの場合にはエピタキシャル層の厚さがほぼ均一だったのに対して、当接部の高さが0.77mmの比較例2のサセプタの場合にはエピタキシャル層の厚さが当接部付近で小さくなることがわかる。これは、当接部の高さが本発明所定の範囲を超えると、原料ガスの流れが均一でなくなり、当接部の陰に相当する部分のエピタキシャル層成長が阻害されたためと推測される。当接部の高さが本発明所定の範囲である0.40mmの実施例2のサセプタの場合にはこのような現象は起こらず、本発明のサセプタを使用するとエピタキシャル層の均一性に影響を及ぼすことなくスティッキングを防止できることが示された。
1 チャンバー
2 反応管
3 サセプタ
4 支持軸
5 加熱用ランプ
6 仕切り板
7 ウェーハ載置部
8 ウェーハ
9 当接部
10 ウェーハ載置部7に設けられた凹部
2 反応管
3 サセプタ
4 支持軸
5 加熱用ランプ
6 仕切り板
7 ウェーハ載置部
8 ウェーハ
9 当接部
10 ウェーハ載置部7に設けられた凹部
Claims (3)
- 半導体ウェーハを載置する円形凹状のウェーハ載置部を上面に有する気相成長装置用のサセプタであって、
前記ウェーハ載置部に載置された前記半導体ウェーハの外周部に対して、実質的に点接触又は前記ウェーハ載置部の深さ方向に延びる線に沿って線接触した状態で当接可能に形成された当接部が、前記ウェーハ載置部の外周部に沿って少なくとも3箇所設けられており、
前記ウェーハ載置部を平面視した場合に、前記ウェーハ載置部の任意の直径で分けられる2つの領域のそれぞれに前記当接部が少なくとも1つ含まれ、
前記当接部の高さが前記半導体ウェーハの厚さの1/2〜1倍であることを特徴とする気相成長装置用のサセプタ。 - 前記当接部のうち前記半導体ウェーハと当接可能な接触端と前記ウェーハ載置部の内周面との間隔が0.3〜2mmである請求項1記載の気相成長装置用のサセプタ。
- 前記当接部の高さが前記半導体ウェーハの厚さの1/2〜2/3倍である請求項1又は請求項2記載の気相成長装置用のサセプタ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013094491A1 (ja) * | 2011-12-21 | 2013-06-27 | 株式会社ブリヂストン | ウエハホルダ |
US20130276704A1 (en) * | 2012-04-18 | 2013-10-24 | Sandeep Krishnan | Wafter carrier for chemical vapor deposition systems |
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2008
- 2008-07-24 JP JP2008190786A patent/JP2010028013A/ja active Pending
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