JP2010027981A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換可能な光電変換素子を提供する。
【解決手段】一方の表面上に凹凸が設けられた基板(1)の該凹凸が設けられた表面上に、少なくとも第1の電極層(2)と、n型半導体層(4)とp型半導体層(5)との積層構成からなる光電変換層と、第2の電極層(3)とを順次積層形成した構成とし、少なくとも、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、前記基板の凹凸に倣った形状を有する光電変換素子とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子に関する。
光電変換素子は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子であるため、変換効率がその主要な評価対象となる。光電流の生成には光電変換層(内部電界の存在)が必要であるが、内部電界を生成する方法としていくつかの素子構成が知られている。その代表的なものとして、ショットキー接合、n型無機半導体/p型有機半導体接合を利用したヘテロpn接合、有機/有機ヘテロpn接合を利用した光電変換素子が報告されている。
例えば、電極層間に半導体層(二層の光電変換層を有する)を備え、二層の光電変換層間の界面に凹凸を有する有機薄膜太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案における凹凸の形成方法は,高粘度(50〜6000cps)の有機半導体材料をスピンコート法で塗布し、このときに発生する塗布むらを凹凸として利用している。この二層の光電変換層間の界面に形成された凹凸によって接触面積が増加させ、電荷取り出し効率を向上させるとするものである。
しかし、上記手法で形成される所望の凹凸を得るための有機半導体材料の粘度では、必ずしも高いエネルギー変換効率が得られる膜厚が形成できず条件が一致しない。つまり、塗布むらを発生するほどの高粘度では、太陽電池としての特性が得られない場合もある。また、所望の塗布むらを発生させるには、スピンコータ内の温度、湿度管理を精度よく制御しないと凹凸形状がばらつくという問題もある。
また、基板、第1の電極層、または第2の電極層の少なくともいずれかが微細な凹凸構造を有し、凹凸構造を有する電極層と光電変換層との間にバッファ層を形成してなる有機薄膜太陽電池が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これによって、光を有効に活用するとしている。この提案では、光を有効に活用するための反射防止構造体(凹凸)基板、第1の電極層、または第2の電極層の少なくともいずれかを形成している。しかし,可視光の短波長側である400nmの光に対して反射防止の効果を得るには、構造体の凸部間の距離および高さは200nm前後となる。このような構造体が形成された基板上に電極を形成すると、構造体の壁面には電極が形成されにくいため、シート抵抗が高くなってしまうという問題がある。また、バッファ層は、凹凸構造を有する少なくとも前記基板、第1の電極層、または第2の電極層のいずれかと、光電変換層との間に設けられ、凹凸構造により膜厚の薄い光電変換層が短絡するのを防止するために形成される。これによって、光電変換層は凹凸のない平坦な構造となる。
なお先に本出願人は、少なくとも一方が透明な電子集電電極とホール集電電極間に、電子輸送層(特定の構造式を有する高分子材料)とホール輸送層(酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化ニッケル等)が設けられた光電変換素子とこれを用いた良好な光電変換特性を示すと共に長期安定性に優れた太陽電池を提案した(例えば、特許文献3参照)。光電変換素子の層構成に関しては例示されているが、各層の界面構造に関しては記載されていない。
特開2007−73717号公報 特開2007−5620号公報 特開2007−13115号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、光エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換可能な光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔9〕に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、基板上に、少なくとも第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とが順次積層形成されてなる光電変換素子であって、
前記基板には、光電変換層が設けられる一方の表面上に凹凸が設けられ、前記光電変換層はn型半導体層とp型半導体層との積層構成からなり、
少なくとも、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、前記基板の凹凸に倣った形状を有することを特徴とする光電変換素子により解決される。
〔2〕:上記〔1〕に記載の光電変換素子において、前記光電変換層が、n型無機半導体層とp型有機半導体層との積層構成からなることを特徴とする。
〔3〕:上記〔1〕または〔2〕に記載の光電変換素子において、前記凹凸が、基板の一方の表面上に周期的に設けられたことを特徴とする。
〔4〕:上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の光電変換素子において、前記基板に設けられる凹凸がストライプ状もしくはドット状であり、その壁面と凹部底辺のなす角が90度より大きいことを特徴とする。
〔5〕:上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の光電変換素子において、前記n型半導体層と、該n型半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に電子取り出し促進層が形成されていることを特徴とする。
〔6〕:上記〔5〕に記載の光電変換素子において、前記電子取り出し促進層のイオン化エネルギーもしくはイオン化ポテンシャルからバンドギャップを引いたエネルギーレベルが、前記n型半導体層に接して積層される電極層のそれより小さく、かつn型半導体層のそれより大きいことを特徴とする。
〔7〕:上記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の光電変換素子において、前記p型半導体層と、該p型半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に正孔取り出し促進層が形成されていることを特徴とする。
〔8〕:上記〔7〕に記載の光電変換素において、前記正孔取り出し促進層のイオン化エネルギーが、前記p型半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層の仕事関数より大きく、かつp型半導体層のイオン化エネルギーより小さいことを特徴とする。
〔9〕:上記〔1〕乃至〔8〕のいずれかに記載の光電変換素子において、前記一方の表面上に凹凸が設けられた基板の他方の表面に反射防止手段を設けたことを特徴とする。
本発明の光電変換素子によれば、一方の表面上に予め凹凸が設けられた基板の該凹凸面側に第1の電極層と、光電変換層(n型半導体層とp型半導体層との積層構成からなる)と、第2の電極層とが順次積層形成され、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、前記基板の凹凸に倣った形状を有するため、pn接合界面の接触面積が増加してより多くのキャリア(電子と正孔)が発生し、エネルギー変換効率を向上させることができる。特に、光電変換層をn型無機半導体層とp型有機半導体層との積層構成とすれば、エネルギー変換効率の良好な光電変換素子が構成できる。
また、n型無機半導体層と、該n型無機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に電子取り出し促進層を形成すれば、n型半導体層とp型半導体層との界面で発生した電子を効率よく、接する電極層に取り出すことができる。
あるいは、p型有機半導体層と、該p型有機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に正孔取り出し促進層を形成すれば、n型半導体層とp型半導体層との界面で発生した正孔を効率よく、接する電極層に取り出すことができる。
すなわち、電子取り出し促進層および/または正孔取り出し促進層の形成により、電子取り出し効率向上および/または正孔取り出し効率向上がもたらされて光電変換素子のエネルギー変換効率をさらに向上させることができる。
さらに、凹凸が設けられた一方の表面とは反対側の基板表面に反射防止手段を設ければ、光を効率よく光電変換層に取り込むことができ、n型半導体層とp型半導体層との界面でのキャリア発生が増加してエネルギー変換効率が向上する。
前述のように本発明における光電変換素子は、基板上に、少なくとも第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とが順次積層形成されてなる光電変換素子であって、
前記基板には、光電変換層が設けられる一方の表面上に凹凸が設けられ、前記光電変換層はn型半導体層とp型半導体層との積層構成からなり、
少なくとも、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、前記基板の凹凸に倣った形状を有することを特徴とするものである。
本発明において、光電変換層はn型半導体層とp型半導体層との積層構成からなり、このようなpn層界面において光電変換機能を有する半導体であれば、無機半導体/有機半導体、有機半導体/有機半導体、無機半導体/無機半導体のいずれの組み合わせで積層構成してもよい。特に、n型無機半導体層とp型有機半導体層が好ましく用いられる。
以下、n型無機半導体層とp型有機半導体層からなる光電変換層を基本に実施の形態を説明する。
本発明の光電変換素子の層構成例を図1の概略断面図に示す。
図1(1)において、符号1は基板(電極形成側の一方の面に凹凸が形成されている)、2は第1の電極層、3は第2の電極層、4はn型無機半導体層、5はp型有機半導体層を示す。図1(1)では凹凸を省略しているが、少なくとも、基板1と第1の電極層2との界面、第1の電極層2とn型無機半導体層4との界面、n型無機半導体層4とp型半導体層5との界面が基板の凹凸に倣った形状を有する。
図1(2)、(3)は、それぞれ、一方の面に凹凸が形成されている基板上に、第1の電極層と、光電変換層(n型無機半導体層とp型有機半導体層)と、第2の電極層とが順次積層形成され、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、前記基板の凹凸に倣った形状を有する様子を模式的に示す断面図である。
例えば、リソグラフィ等の方法により基板の一方の表面に凹凸状のパターンを形成しておき、この基板の凹凸に倣って順次、第1の電極層の形成、n型の無機半導体層の形成、p型の有機半導体層の形成、第2の電極層の形成がなされた構成となっている。
基板の一方の表面に予め凹凸を形成しておくことによって、この上に積層される各構成層をこの凹凸に倣って形成することができる。つまり、基板上に精度良く凹凸を形成しておけば、各構成層界面において凹凸形状を忠実に反映し、安定して形成することができる。
特に、n型無機半導体層とp型有機半導体層との界面が凹凸を有することで、pn接合界面の接触面積が増加して界面でより多くのキャリア(電子と正孔)が発生し、光電変換におけるエネルギー変換効率を向上することができる。なお、図1の構成において光は基板側から入射するものとする。
また、図1(3)に示すように、光電変換層(p型有機半導体層)と第2の電極層との界面は必ずしも凹凸がなくてもよい。
下記表1に、凹凸パターンを形成した場合における基板の表面積の増加率を計算した結果を示す。
凹凸パターンの形状として、ラインパターンとドットパターンについて計算した。図2の模式図に、例として表面積の増加率を計算した際の断面形状が逆V字型の凹凸パターン(ラインパターン)を示す。
表1に示す結果は、凹凸パターンの高さが200nmであり、パターンのピッチが1200nmの場合の計算結果である。
凹凸パターンを形成した場合の表面積をSとし、形成しない場合の表面積をS0として、その比(S/S0)を表面積の増加率として表している。
ラインパターンにおいては、その断面形状が、矩形、台形、逆V字形である場合について、また、ドットパターンにおいては、ドット形状が、円柱、円錐台、円錐である場合について、それぞれ表面積の増加率を計算した。
表1に示されているように、表面積の増加率としては、壁面が90度(°)の矩形や円柱形状が大きくなる。
断面形状が台形の凹凸パターンである場合について、凹凸のピッチ変化に対する表面積の増加率(S/S0)を計算した結果を図3に示す。
凹凸パターンの高さが、それぞれ、100nm、200nm、500nmである場合についてそれぞれ算出した。表面積増加率としては、凹凸パターンのピッチが狭く、高さの高いほうが大きい結果が得られた。
図4に、凹凸パターンの高さをパラメータとして調べた凹凸のピッチ変化に対する電極のシート抵抗変化率(R/R0)を示す。
図4において、横軸は凹凸パターンのピッチであり、縦軸は抵抗変化率(R/R0)である。なお、抵抗変化率(R/R0)は、凹凸パターンを形成した基板上にITOを200nm製膜(凹凸を有する膜)したときのシート抵抗Rと、凹凸パターンの無い基板上にITOを製膜したときのシート抵抗Rとの比である。
図4から、ピッチが狭くパターンの高さが高いと、シート抵抗比が大きくなることがわかる。電極のシート抵抗が高いとエネルギー変換効率が減少するため、許容されるのはせいぜい10倍程度と考えると、凹凸パターンのピッチとしては1000nm以上で、パターンの高さとしては200nm以下であることが好ましい。
前記表面積の増加率(S/S0)および抵抗変化率(R/R0)から、基板に形成する凹凸パターンの断面形状が、例えば、図5の電子顕微鏡写真に示すように矩形に近い場合では、表面積増加率は大きくなる。しかし、このような凹凸パターンでは第1の電極層が壁面に付着しにくくなって電極の抵抗値が高くなるという不具合がある。
このため、図6(1)あるいは図6(2)の電子顕微鏡写真に示すように、凹凸パターンの壁面が傾斜した形状にすると、電極材料が壁面にも付着しやすくなって凸部や凹部および壁面のそれぞれの膜厚差が小さくなり、高抵抗になるのを防ぐことができる。
図6(1)および図6(2)に示したように、凹凸パターン構造体の壁面と凹凸パターンの凹部底辺とのなす角は90度(°)より大きいほうがよい。
凹凸パターンの形状としては、第1の電極材料のカバレージを確保でき、表面積増加効果が得られる。例えば、図7(1)の電子顕微鏡写真に示す壁面が傾斜したラインパターンや、図7(2)の電子顕微鏡写真に示す壁面が傾斜したドットパターン、あるいは図示しないストライプ状のパターンやピラミッド構造パターンなどが好ましい。これらの凹凸パターンは周期的であるものが好ましい。
前述の構成とした本発明の光電変換素子によれば、少なくとも、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、基板の凹凸に倣った形状を有するため、pn接合界面の接触面積が増加してより多くのキャリアが発生し、光電変換においてエネルギー変換効率を向上することができる。特に光電変換層がn型無機半導体層とp型有機半導体層との積層構成からなる光電変換素子は好ましい構成である。
さらに、本発明の光電変換素子は、n型無機半導体層と、該n型無機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に電子取り出し促進層を形成することができる。この場合、電子取り出し促進層のイオン化エネルギーもしくはイオン化ポテンシャルからバンドギャップを引いたエネルギーレベルが、n型無機半導体層に接して積層される電極層のそれより小さく、かつn型無機半導体層のそれより大きいことが望ましい。電子取り出し促進層は、使用する無機半導体層および電極層によって適宜選択すればよい。
すなわち、n型無機半導体層と、該n型無機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に電子取り出し促進層を形成したので、n型半導体層とp型半導体層との界面で発生した電子を効率よく、接して積層される電極層(第1の電極層もしくは第2の電極層)に取り出すことができる。これにより、電子の取り出し効率が向上するため、光電変換素子のエネルギー変換効率を向上することができる。
また、p型有機半導体層と、該p型有機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に正孔取り出し促進層を形成することができる。この場合、正孔取り出し促進層のイオン化エネルギーが、前記p型有機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層の仕事関数より大きく、かつp型有機半導体層のイオン化エネルギーより小さいことが望ましい。正孔取り出し促進層は、使用する有機半導体層および電極層によって適宜選択すればよい。
すなわち、p型有機半導体層と、該p型有機半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に正孔取り出し促進層を形成したので、n型半導体層とp型半導体層との界面で発生した正孔を効率よく、接して積層される電極層(第1の電極層もしくは第2の電極層)に取り出すことができる。これにより、正孔の取り出し効率が向上するため、光電変換素子のエネルギー変換効率を向上することができる。
本発明の上記電子取り出し促進層と正孔取り出し促進層を設けた光電変換素子の層構成例(凹凸を省略)を図8の層構成断面図に示す。
図8において、符号21は基板(電極形成側の一方の面に凹凸が形成されている)、22は第1の電極層、23は第2の電極層、24はn型無機半導体層、25はp型有機半導体層、26は電子取り出し促進層、27は正孔取り出し促進層を示す。図2では凹凸を省略しているが、少なくとも、基板21と第1の電極層22との界面、第1の電極層22と電子取り出し促進層26の界面、電子取り出し促進層26とn型無機半導体層24との界面、n型無機半導体層24とp型半導体層25との界面が基板の凹凸に倣った形状を有する。
さらに本発明の光電変換素子においては、凹凸が設けられた一方の表面とは反対側の基板表面、すなわち、第1の電極層が積層形成されていない他方の表面に反射防止手段を設けることができる。
反射防止構造体の形状としては、例えば、ピラミッド構造、円錐構造、波型構造等が挙げられる。これら構造の周期は可視光の短波側の波長の1/2以下、具体的には200nm以下で、構造体の高さが250nm以上であれば反射防止構造体としての効果が得られる。例えば、このような反射防止構造体が形成された透明シートを、前記図1または図8に示す基板の第1の電極層が形成されていない、いわゆる光入射面側に貼り合せた構成としてもよい。あるいは熱インプリント法、光インプリント法等によって反射防止構造体を基板に転写してもよい。また、反射防止構造体を基板表面に直接形成したものでもよい。
基板の光入射面側に反射防止構造体を形成することによって効率よく光電変換素子内、すなわち、光電変換層内に光を取り込むことができ、n型半導体層とp型半導体層との界面でキャリアの発生が増加し、エネルギー変換効率が向上する。
前述のように、本発明の光電変換素子は、光電変換機能を備えた各種デバイスや太陽電池など広い分野で使用することができる。
以下、本発明の光電変換素子を構成する各層について説明する。
[基板]
基板の材質としては特に限定されないが、基板側から光を入射する場合は透明材料であることが好ましい。具体的には、青板ガラスなどのガラス、石英、ポリカーボネートなどのプラスチック材料からなるものが挙げられる。
基板の一方の表面上に設けられる凹凸は、例えば、リソグラフィ技術およびエッチング技術を組み合わせて基板に直接形成してもよいし、モールド(型)を形成し、熱インプリント法、光インプリント法、射出成形法等により樹脂基板に形成してもよい。
[第1の電極層]
第1の電極層の材料としては、導電性を有するものであればよいが、基板側から光を入射する場合には透明電極とすることが好ましい。具体的には、ITO(InSnO)、IZO(In−Zn−O)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等が挙げられる。第1の電極層の膜厚としては、1〜300nmの範囲であることが好ましい。これよりも薄いとシート抵抗が大きくなり、逆に厚いと光透過率が悪くなる。
[n型半導体層]
n型半導体層としては、n型であれば有機半導体材料、無機半導体材料を問わないが、好ましくは無機半導体材料のn型半導体層が用いられる。
n型無機半導体層としてはpn接合界面に光を効率よく照射するために透明であることが好ましい。例えば、IGZO(In−Ga―Zn−O)、ZnO、TiO2等が挙げられる。n型半導体層の膜厚としては、1〜300nmの範囲であることが好ましい。
[p型半導体層]
p型半導体層としては、p型であれば有機半導体材料、無機半導体材料を問わないが、好ましくは有機半導体材料のp型半導体層が用いられる。
p型有機半導体層としては、p型半導体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、スピンコート法による製膜が可能なものが好ましい。
有機半導体の材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体これらの共重合体等が挙げられる。ポリフェニレンビニレン誘導体の具体例としては、MEH-PPV(Poly[2-methoxy-5-(2-ethylhexyloxy)-1,4-phenylene-vinylene])、MDMO-PPV(Poly[2-methoxy-5-(3,7dimethyloctyloxy)-1,4-phenylene-vinylene])等が挙げられる。p型半導体層の膜厚としては、1〜300nmの範囲であることが好ましい。
[第2の電極層]
第2の電極層としては導電性を有するものであればよく、具体的には、Au、Al、Mo等が挙げられる。第2の電極層の膜厚としては、1〜300nmの範囲であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制約を受けるものではない。
[実施例1]
一方の表面にピッチ1200nm、高さ300nmで断面形状が逆V字型の凹凸パターンを形成した石英基板を用い、この石英基板の凹凸パターンが形成された表面上に、ITOをスパッタリング法により膜厚200nmで形成して第1の電極層とした。次に、形成したITO電極の上に、InGaZnOをスパッタリング法により膜厚100nmで製膜して無機半導体層とした。次いで、無機半導体層上に、MEH−PPVをスピンコート法により膜厚100nmで形成して有機半導体層とした。次に、有機半導体層上に、Auを蒸着法により膜厚100nmで形成して第2の電極層とした。以上のプロセスにより、素子面積が5mm×5mmの光電変換素子を作製した。
上記光電変換素子の断面をFIB(集束イオンビーム)でエッチング後、走査型電子顕微鏡で観察したところ、無機半導体層と有機半導体層との界面に石英基板に設けられた凹凸パターンに倣って忠実に凹凸が形成されていることが確認された。
また、上記凹凸パターンが無機半導体層と有機半導体層との界面に形成された光電変換素子を用いて、擬似太陽光(通過空気(AM1.5)、照射照度(100mW/cm2))を、石英基板の他方の面(凹凸パターンが設けられた側とは反対の面)に照射した結果、エネルギー変換効率は0.5%であった。
これに対して凹凸パターンが設けられていない石英基板を用いて上記と同様の構成で作製した比較の光電変換素子ではエネルギー変換効率は0.1%であった。
[実施例2]
一方の表面にピッチ1200nm、高さ300nmで断面形状が逆V字型の凹凸パターンを形成した石英基板を用い、この石英基板の凹凸パターンが形成された表面上に、ITOをスパッタリング法により膜厚200nmで形成して第1の電極層とした。次に、形成したITO電極の上に、ZnOをスパッタリング法により膜厚20nmで製膜して電子取り出し促進層を形成した。次に、形成した電子取り出し促進層の上に、InGaZnOをスパッタリング法により膜厚100nmで製膜して無機半導体層とした。次いで、無機半導体層上に、MEH−PPVをスピンコート法により膜厚100nmで形成して有機半導体層とした。次に、有機半導体層上に、Auを蒸着法により膜厚100nmで形成して第2の電極層とした。以上のプロセスにより、素子面積が5mm×5mmの光電変換素子を作製した。
上記光電変換素子の断面をFIB(集束イオンビーム)でエッチング後、走査型電子顕微鏡で観察したところ、無機半導体層と有機半導体層との界面に石英基板に設けられた凹凸パターンに倣って忠実に凹凸が形成されていることが確認された。
また、上記凹凸パターンが無機半導体層と有機半導体層との界面に形成された光電変換素子を用いて、実施例1と同様にして評価した結果、エネルギー変換効率は0.6%であった。実施例1の電子取り出し促進層を形成していない光電変換素子に較べて20%エネルギー変換効率の向上が認められた。
[実施例3]
実施例1の光電変換素子の構成において、石英基板の他方の表面(凹凸パターンが形成され側とは反対側の光入射面側)に、ピッチが200nmで、高さが250nmである反射防止構造体が表面に形成された透明シートを貼り付けた光電変換素子を作製した。
この光電変換素子を用いて、実施例1と同様にして評価した結果、エネルギー変換効率はエネルギー変換効率は0.7%であり、実施例1の光電変換素子に較べて40%エネルギー変換効率が向上した。すなわち、光入射面側に反射防止構造体を形成したことにより,入射光を素子内に効率よく取り込めるようになり、さらにエネルギー変換効率が向上したと考えられる。
上記実施例からわかるように、本発明の光電変換素子は、n型無機半導体層とp型有機半導体層との接合界面が、基板の一方の表面に設けられた凹凸に倣って起伏した形状を有するために界面の接触面積が増加し、凹凸の無い平坦な接合界面に較べて光入射時に多くのキャリアが発生してエネルギー変換効率を向上することができる。
本発明の光電変換素子の層構成例示す概略断面図〔(1)〕と基板の凹凸に倣った形状を有する様子を模式的に示す断面図〔(2)、(3)〕である。 本発明において凹凸パターンを形成した基板における表面積の増加率を計算した際のラインパターンを示す模式図である。 本発明において断面形状が台形の凹凸パターンである場合について凹凸のピッチ変化に対する表面積の増加率(S/S0)を計算した結果を示す図である。 本発明において凹凸パターンの高さをパラメータとして調べた凹凸のピッチ変化に対する電極のシート抵抗変化率(R/R0)を示す図である。 本発明において凹凸パターンの断面形状が矩形に近い場合を示す電子顕微鏡写真である。 本発明において凹凸パターンの断面形状が構造体の壁面と凹部底辺とのなす角が90度より大きい場合を示す電子顕微鏡写真である。 本発明において凹凸パターンの壁面が傾斜したラインパターン(1)とドットパターン(2)を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の光電変換素子において電子取り出し促進層と正孔取り出し促進層を設けた層構成例(凹凸を省略)を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 第1の電極層
3 第2の電極層
4 n型無機半導体層
5 p型有機半導体層
21 基板
22 第1の電極層
23 第2の電極層
24 n型無機半導体層
25 p型有機半導体層
26 電子取り出し促進層
27 正孔取り出し促進層

Claims (9)

  1. 基板上に、少なくとも第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とが順次積層形成されてなる光電変換素子であって、
    前記基板には、光電変換層が設けられる一方の表面上に凹凸が設けられ、前記光電変換層はn型半導体層とp型半導体層との積層構成からなり、
    少なくとも、基板と第1の電極層との界面、第1の電極層と光電変換層との界面、n型半導体層とp型半導体層との界面が、前記基板の凹凸に倣った形状を有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記光電変換層が、n型無機半導体層とp型有機半導体層との積層構成からなることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記凹凸が、基板の一方の表面上に周期的に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記基板に設けられる凹凸がストライプ状もしくはドット状であり、その壁面と凹部底辺のなす角が90度より大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記n型半導体層と、該n型半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に電子取り出し促進層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記電子取り出し促進層のイオン化エネルギーもしくはイオン化ポテンシャルからバンドギャップを引いたエネルギーレベルが、前記n型半導体層に接して積層される電極層のそれより小さく、かつn型半導体層のそれより大きいことを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記p型半導体層と、該p型半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層との間に正孔取り出し促進層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 前記正孔取り出し促進層のイオン化エネルギーが、前記p型半導体層に接して積層される第1の電極層もしくは第2の電極層の仕事関数より大きく、かつp型半導体層のイオン化エネルギーより小さいことを特徴とする請求項7に記載の光電変換素子。
  9. 前記一方の表面上に凹凸が設けられた基板の他方の表面に反射防止手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光電変換素子。
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