JP2010027882A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層セラミックコンデンサのセラミック層を薄層化するとセラミックグリーンシートを形成する際に、キャリアフィルムの表面に塗布された剥離剤の突起等によりセラミックグリーンシートを貫通したピンホールの発生が増加する課題があった。
【解決手段】第1のセラミックスラリー1と第2のセラミックスラリー2を用意し、第1のセラミックスラリー1を基材3上に形成した成形体6に生じたピンホール7の有無を検出し、検出されたピンホール7にインクジェットを用いて第2のセラミックスラリー2を吐出し充填する。このとき第2のセラミックスラリー2が、第1のセラミックスラリー1と同じセラミック粉体と有機物の組成比を有し、第1のセラミックスラリー1の1/100〜1/10の粘度とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ等のセラミック層を有する積層セラミック電子部品の製造方法に関するものであり、特にセラミック層の形成に用いるセラミックグリーンシートの製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、電子機器に用いられる積層セラミックコンデンサや積層セラミック配線基板のような積層セラミック電子部品においても小型化及び高性能化が求められている。
積層セラミックコンデンサにおいては、小型化及び高容量化のために、誘電体のセラミック層を薄層化し、セラミック層及び導電体層を多層化したものが求められている。
また、積層セラミック配線基板においては、小型化及び配線導電体の高密度化のために、絶縁体のセラミック層を薄層化し、また配線用の導電体層の幅及び間隔をより微細にして、セラミック層及び導電体層を多層に形成したものが求められている。
例えば、従来の積層セラミックコンデンサを得る方法は、次のようなものである。
セラミック粉体と、バインダー、可塑剤等の有機物とを有機溶剤等の分散媒に分散しセラミック層となるセラミックスラリーを作製する。
このセラミックスラリーを、ドクターブレード等を用いてキャリアフィルム上にテープ状に成形し、乾燥させてセラミックグリーンシートを得る。
次に、セラミックグリーンシート上に導電体層となる金属粉末を含有する導電ペーストを印刷し導電ペースト層を形成する。
さらに、導電ペースト層が形成されたセラミックグリーンシートを複数枚、積層して加圧、圧着して積層体を得て、この積層体を個片に切断してグリーンチップを形成する。次にグリーンチップを焼成しセラミック焼結体を得て、セラミック焼結体の両端部に金属粉末を含有する導電ペースト等を付与して端子電極を形成するものであった。
積層セラミックコンデンサのセラミック層を薄層化すると、セラミックグリーンシートを形成する際に、キャリアフィルムの表面に塗布された剥離剤の突起やセラミックスラリー中に発生した気泡によって、セラミックグリーンシートを貫通したピンホールの発生が増加する。
このピンホールは、セラミック層に残留してセラミック層の上下に形成された導電体層間を短絡させてしまい、積層セラミックコンデンサの静電容量が発現しなくなるという課題があった。
図5は従来のセラミックグリーンシートの要部断面図である。
セラミックグリーンシートのピンホールの影響をなくすため、特許文献1には、図5に示すようにキャリアフィルム63上に形成した下層のセラミックグリーンシート66上の全面に更にセラミックスラリーを塗布し、下層のセラミックグリーンシート66のピンホール67にセラミックスラリーを流し込みながら上層のセラミックグリーンシート62を形成することにより、ピンホール67を低減することが提案されている。
特開平2−143410号公報
しかしながら、このような従来の積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートを2層に分割して形成するため、セラミック層の薄層化に伴いセラミックグリーンシートを薄層化していくと下層のセラミックグリーンシート66は、キャリアフィルム63の表面の剥離剤65の影響を受け易くなりピンホール67の発生率が高くなる。
そのためピンホールを低減することが困難になり、積層セラミックコンデンサにおいてはショート不良が増大する課題があった。
また、下層のセラミックグリーンシート66のピンホール67の孔径が大きくなり上層のセラミックグリーンシート62の厚みを一定に制御することが困難になりセラミックグリーンシートの厚みばらつきが大きくなるため、積層セラミック電子部品に構造欠陥が生じ、積層セラミックコンデンサにおいては耐電圧不良が増大する課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決し、セラミックグリーンシートを薄層化しても、セラミックグリーンシートのピンホール欠陥を低減し、かつセラミックグリーンシートの表面の平滑性を良好にすることができ、構造欠陥を低減できる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとを用意する第1の工程と、第1のセラミックスラリーを基材上に成形し成形体を形成する第2の工程と、前記成形体のピンホールを検出する第3の工程と、前記ピンホールに第2のセラミックスラリーを吐出して充填する第4の工程と、前記成形体を乾燥してセラミックグリーンシートを形成する第5の工程と、を備える積層セラミック電子部品の製造方法である。
以上のように本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、ピンホールを検出し、この検出したピンホールに第2のセラミックスラリーを吐出して充填することによって、セラミックグリーンシートのピンホールの欠陥を低減することができる。さらにピンホールを含む微小領域にのみ吐出できるため、ピンホール以外の周囲の表面に残留する第2のセラミックスラリーを微量にすることができ、セラミックグリーンシートの表面の凹凸の発生を抑制し平滑性を良好にすることができる。これによって積層セラミック電子部品の構造欠陥を低減することができる。
また、第1のセラミックスラリーはセラミック粉体と有機物を第1の分散媒中に分散させたものであり、第2のセラミックスラリーは前記セラミック粉体と前記有機物を第2の分散媒中に分散させたものであり、第2のセラミックスラリーの前記セラミック粉体と前記有機物との組成比は、第1のセラミックスラリーの前記セラミック粉体と前記有機物との組成比と同じであることが好ましく、セラミックグリーンチップを焼成する際に、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーの収縮率が同じになるため、ピンホールに充填された第2のセラミックスラリーの表面の凹凸を低減させることができる。
第2のセラミックスラリーの粘度は、第1のセラミックスラリーの粘度の1/100〜1/10であることが好ましく、これによって第2のセラミックスラリーの吐出容量がピンホールの空孔容量よりも大きくとも、成形体の第1のセラミックスラリーが第2のセラミックスラリーに拡散するため、第2のセラミックスラリーが乾燥した後、ピンホールが充填された表面の凹凸を低減させ、セラミックグリーンシートの平滑性を良好にすることができる。
第2のセラミックスラリーをインクジェット方式を用いて吐出することが好ましく、吐出量を微量にすることができ、セラミックグリーンシートの表面の凹凸の発生を低減することができる。また吐出を高速に行うことができるため移動している成形体のピンホールに吐出するタイミングを精度良く行うことができ、ピンホールに対する吐出位置のばらつきを低減することができる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態の積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを用いて説明する。
図1は、積層セラミックコンデンサの一部断面斜視図である。
図1に示すように、積層セラミックコンデンサはセラミック層51と導電体層52とが交互に積層されたセラミック焼結体53に端子電極54を有するものであり、端子電極54はセラミック焼結体53の両端部に露出した導電体層52と導通してセラミック焼結体53の両端部に配設されている。
セラミック層51は、チタン酸バリウム等を主成分とする誘電体材料のセラミック粒子から構成され、導電体層52は、ニッケル、ニッケル合金等の卑金属やパラジウム、白金等の貴金属を含有している。
セラミック層51は、導電体層52間に挟まれた厚みが3μm以下であることが好ましく、セラミック層51の薄層化により静電容量を大きくすることができる。
次に、積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
図2は、本発明の実施の形態の積層セラミックコンデンサの工程図、図3は同積層セラミックコンデンサに用いられるセラミックグリーンシートの製造装置の概略図、図4は同セラミックグリーンシートの要部断面図である。
積層セラミックコンデンサの製造工程は、図2に示すように、まず第1のセラミックスラリー1と第2のセラミックスラリー2を用意する第1の工程31を行う。
第1のセラミックスラリー1は、セラミック粉体と有機物とを第1の分散媒中に分散させたものであり、図3に示すように第1のセラミックスラリー1をタンク11に投入する。
第1のセラミックスラリー1のセラミック粉体は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等を主成分とする粉末であり、セラミック粉体の副成分としてDy、Er、Yの希土類元素等を含有している。またセラミック層51の厚みが1μm〜3μmの場合、セラミック粉末の平均粒子径が0.1μm〜0.4μmであることが好ましい。
セラミック粉体は、例えば主成分の粉末と副成分の酸化物等の粉末をボールミル等によって混合後、仮焼、粉砕を順次行って作製される。
有機物は、バインダー及び可塑剤等に用いるものであり、バインダーは、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアセタール樹脂等を用いることができる。可塑剤は、フタル酸エステル等を用いることができる。
第1のセラミックスラリー1は、セラミック粉体100重量部に対し有機物を3重量部〜15重量部の組成比とすることが好ましく、セラミックグリーンシート8をシート状に保持し、セラミック粉体の分散性が良くセラミックグリーンシート8の表面状態の平滑性、及びセラミックグリーンシート8を積層する際のセラミックグリーンシート8同士の接着性を良好にすることができる。
第1の分散媒は、特に限定されないが、例えば有機溶剤を用いる場合は、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、芳香族類が用いられ、アルコール類はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが例示され、ケトン類としてはアセトン、エステル類としては酢酸ブチル、エーテル類としてはブチルカルビトール、ブチルセルソルブ、芳香族類としてはトルエン、キシレンが挙げられる。
また、第1のセラミックスラリー1は、ドクターブレード法を用いて成形体6を形成する場合は、粘度が100mPa・s〜3000mPa・sとすることが好ましく、セラミックグリーンシート8をシート状に保持し、セラミックグリーンシート8の表面状態の平滑性を良好にすることができる。粘度は温度が20℃の条件でE型粘度計を用いて測定したものである。
第2のセラミックスラリー2はセラミック粉体と有機物とを有機溶剤等の第2の分散媒中に分散させたものであり、第2のセラミックスラリー2はタンク18に投入する。
第2のセラミックスラリー2のセラミック粉体と有機物は、第1のセラミックスラリー1のセラミック粉体と有機物と同じ材料であり、かつセラミック粉体と有機物との組成比が第1のセラミックスラリー1のセラミック粉体と有機物との組成比と同じであることが好ましい。
第2のセラミックスラリー2が第1のセラミックスラリー1のセラミック粉体と有機物との組成比と同じ組成比を有することによって、セラミックグリーンチップを焼成する第9の工程39(後述)において第1のセラミックスラリー1と第2のセラミックスラリー2の収縮率を同じにすることができるため、ピンホール7に充填された第2のセラミックスラリー2の表面の凹凸を低減させることができる。
さらに第2のセラミックスラリー2の第2の分散媒は、第1のセラミックスラリー1の第1の分散媒と相溶性を有するものであることが好ましい。これによって、第2のセラミックスラリー2と成形体6の第1のセラミックスラリー1とが瞬時に拡散し合うため、成形体6が乾燥してしまう前に短時間でピンホール7を充填することができ、また第2のセラミックスラリー2が成形体6の表面に薄膜に広がりセラミックグリーンシート8の表面上の凹凸の発生を低減することができる。
ここで相溶性は、二種またはそれ以上の物質が相互に親和性を有し、相分離せずに溶液を形成する性質を言い、相溶性を有する物質は互いに他方を高濃度で含有することができる。
また、第2のセラミックスラリー2の粘度は、第1のセラミックスラリー1の粘度の1/100〜1/10とすることが好ましく、粘度は第2の分散媒の含有量によって調整することができる。これにより、第1のセラミックスラリー1のセラミック粉体と有機物が第2のセラミックスラリー2に拡散し易くなるため、第2のセラミックスラリー2の吐出量がピンホール4の空孔容量より大きい場合でも、ピンホール7に充填された第2のセラミックスラリー2が乾燥した後の表面の凹凸を低減させることができる。
また、第2のセラミックスラリー2の粘度が1/100より小さいとピンホール7に充填された第2のセラミックスラリー2の表面が凹状になり易く、1/10を超えると凸状になり易く、積層セラミックコンデンサの耐電圧不良が増大する。
次に、第1のセラミックスラリー1を基材3上にシート状に成形し成形体6を形成する第2の工程32を行う。
図3に示す成形体6の形成は、ドクターブレード法を用いたものであり、長尺状の基材3が連続的に供給リール21から供給されると共に、第1のセラミックスラリー1がスラリー供給部12から基材3の上に連続的に塗布され、この第1のセラミックスラリー1を一定のギャップを有したドクターブレード13で掻き取り、一定の厚みの第1のセラミックスラリー1の薄膜の成形体6を形成する。
基材3は、発光部14の光の透光性を有し、図4に示すようにポリエステル、ポリエチレン等のフィルム4の表面にシリコーン樹脂等の剥離剤5が塗布されているものである。また基材3の厚みは30μm〜50μmが好適に用いられる。
また、成形体6の形成は、リバースロールコーター法、ダイコーター法等を用いてもよい。
さらに、図2、図3に示すように、成形体6のピンホール7の有無を検出する第3の工程33と、検出されたピンホール7に第2のセラミックスラリー2を吐出ノズル20から吐出し充填する第4の工程34と、成形体6を乾燥してセラミックグリーンシート8を形成する第5の工程35を順次行う。
ピンホール7は、図4に示すように成形体6を貫通した空孔であり、基材3の表面に塗布された剥離剤5の突起や第1のセラミックスラリー1を作製する際に発生した気泡によって生じるものである。
ピンホール7の検出装置22は、発光部14と受光部15を備え、発光部14と受光部15は、夫々基材3側、成形体6側に配設され、成形体6のシート面に対し垂直方向に対向して設けられる。
ピンホール7の検出は、成形体6を保持した基材3を一定速度にて走行させながら、発光部14の光を基材3側から照射し、ピンホール7を貫通した光を受光部15が検知することにより行われる。
このとき、受光部15が、発光部14以外の他の光によって誤動作するのを防ぐため、発光部14と基材3間、及び受光部15と成形体6間を遮光板16で覆うことが好ましく、また他の光による誤動作を防ぐため受光部15と成形体6間は、感度が落ちない範囲においてできるだけ離した方が良い。
吐出装置23は、タンク18と、吐出ヘッド19と、この吐出ヘッド19の下部に設けた吐出ノズル20を備えたものであり、インクジェット方式を用いることが好ましく、微量の塗布を高速で行うことができ、特に圧電式のインクジェット装置が好ましく、吐出制御を高速で行うことができる。
吐出ヘッド19は、検出装置22と乾燥炉24間に設けられ、成形体6の搬送方向と直交する方向に可動する機構をとっている。
吐出制御部17は、ピンホール7の有無の検出により第2のセラミックスラリー2の吐出を制御するものであり、受光部15が発光部14の光を検知した場合はピンホール7を検出したと判定し、検出したピンホール7の位置情報を得る。位置情報は成形体6の搬送方向と直交する方向である幅方向におけるピンホール7の位置を示している。
続いて、吐出制御部17によって、吐出ヘッド19をピンホール7の位置情報に対応する幅方向の位置に移動させ、ピンホール7が吐出ノズル20の下の位置に搬送されるタイミングに合わせて吐出ノズル20から第2のセラミックスラリー2を吐出する。
吐出された第2のセラミックスラリー2は、ピンホール7に流れ込んで充填され、貫通した空孔を塞ぐ。
また、第2のセラミックスラリー2の吐出容量は、最頻値の孔径を有するピンホール7の空孔容量以上、かつ最大の孔径を有するピンホール7の空孔容量以下とすることが好ましく、ピンホール7が充填された表面が凹状になる場合を減少させ、耐電圧不良を低減することができる。
一方、受光部15が発光部14の光を検知しなかった場合、吐出制御部17はピンホール7を検出しなかったと判定し、この検出しなかった位置には、第2のセラミックスラリー2の吐出を行わない。これによってピンホール7を含む微小領域にのみ吐出するため、セラミックグリーンシート8の表面の凹凸の発生を低減できる。
セラミックグリーンシート8の表面に形成された第2のセラミックスラリー2の凹凸の厚みは、セラミックグリーンシート8の厚みに対し1/10以下の割合であることが好ましく、積層セラミックコンデンサの構造欠陥の発生を防止することができる。
また、第2のセラミックスラリー2の吐出のタイミングは、第1のセラミックスラリー1の第1の分散媒が蒸発し成形体6が乾燥する前に行うことが好ましく、ドクターブレード法を用いて成形体6を形成する場合は、成形体6が乾燥して粘度が5000mPa・sを超える前に行うことが好ましく、これによって第2のセラミックスラリー2が成形体6に拡散し易くなるので、セラミックグリーンシート8の表面に凹凸が生じることを低減することができる。
次に、第2のセラミックスラリー2をピンホール7に充填した後、成形体6を乾燥炉24に入れて第1のセラミックスラリー1の第1の分散媒及び第2のセラミックスラリー2の第2の分散媒を蒸発させ乾燥させた後、基材3の表面にセラミックグリーンシート8を保持した状態で基材3を回収リール25に巻き取る。
続いて、セラミックグリーンシート8上に導電体層52となる導電ペーストをグラビア印刷法、スクリーン印刷法等により所定の形状に印刷し導電ペースト層を形成する第6の工程36を行い、次に導電ペースト層が形成されたセラミックグリーンシート8を複数枚、所定枚数を重ねて加圧し、セラミックグリーンシート8と導電ペースト層が交互に積層した積層体を得る第7の工程37を行う。
さらに、積層体を所定の形状に個片に切断しセラミックグリーンチップを得る第8の工程38を行い、次にセラミックグリーンチップを所定の温度、雰囲気で焼成しセラミック焼結体53を得る第9の工程39を行う。
続いて、セラミック焼結体53の両端部に金属粉末を含有する導電ペーストを塗布した後、焼成又は硬化し下地電極(図示せず)を形成し、さらに下地電極上に湿式めっきにより金属層(図示せず)を形成して、セラミック焼結体53に端子電極54を形成する第10の工程40を行い、積層セラミックコンデンサを作製する。
以上のように、第1のセラミックスラリー1の成形体6のピンホール7の有無を検出し、検出したピンホール7に第2のセラミックスラリー2を吐出してピンホール7を充填することにより、セラミックグリーンシート8のピンホール7の欠陥を低減することができ、かつセラミックグリーンシート8の表面の凹凸の発生を抑制し表面の平滑性を良好にすることができるため、構造欠陥による積層セラミックコンデンサのショート不良、耐電圧不良を低減することができる。
以下、積層セラミックコンデンサの具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
第1のセラミックスラリーは、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉体と、ポリブチラール樹脂のバインダーとジブチルフタレートの可塑剤の有機物とを、イソプロピルアルコールの第1の分散媒に混合し、媒体撹拌ミルで分散させて作製した。
このとき第1のセラミックスラリーは、セラミック粉末100重量部に対し、ポリブチラール樹脂9重量部、ジブチルフタレート4重量部、イソプロピルアルコール70重量部に配合し、粘度を1000mPa・sとした。
第2のセラミックスラリーは、第1のセラミックスラリーの一部を抜き取り、第2の分散媒として第1のセラミックスラリーと同じ分散媒のイソプロピルアルコールを添加して粘度を30mPa・sに調整し作製した。
また、第2のセラミックスラリーの第2の分散媒は、イソプロピルアルコールの代わりに、これと相溶性のある一価アルコール類、ケトン類、エステル結合を1つ有するエステル類を用いてもよい。
次に、基材として表面にシリコーン系の剥離剤を塗布したポリエステルフィルムからなるキャリアフィルムを用い、このキャリアフィルム上に、ドクターブレード法を用いて第1のセラミックスラリーをテープ状に成形し成形体を形成した。このときドクターブレードのギャップを10μmにした。
検出装置の発光部は、直線状の連続体であり成形体の幅全体に亘ってキャリアフィルム側に設けた。
受光部は、複数の単体の受光部を一定間隔で設けたものであり、発光部と対向するように成形体側に設けた。
ピンホールのサイズは、成形体の厚みが6μm〜12μmの場合、ピンホールの孔径は約10μm〜約100μmであり、その中で孔径が30μm〜50μmが最頻値であり、吐出容量をこの最頻値のピンホールの空孔容量以上とするため、吐出ノズル径が60μmのものを使用し、この吐出ノズル径に対応してピンホールの検出間隔を40μmとした。
この吐出ノズルによる1回の吐出容量は約1×10-7mlである。
単体の受光部を40μmの間隔で配設し、成形体が搬送方向に40μm移動する間隔毎にピンホールの有無の検出を行った。
ピンホールの検出は、成形体を保持して走行しているキャリアフィルム側から発光部によって光を照射し、ピンホール内を通過した照射された光を受光部が検知することにより行った。
吐出制御部は、照射された光を検知した単体の受光部の位置を得て、これを検出されたピンホールの位置情報とした。
吐出装置は、圧電式のインクジェット装置を用い、吐出ヘッドは、成形体の幅方向に移動できる機構をとっている。
吐出制御部によってピンホールが移動してくる幅方向の位置に吐出ヘッドを移動させ、ピンホールが吐出ノズルの下方に移動するタイミングに合わせ第2のセラミックスラリーを吐出ノズルから吐出し、第2のセラミックスラリーをピンホールに流し込んだ。
第2のセラミックスラリーの吐出は、第1のセラミックスラリーのイソプロピルアルコールが蒸発し成形体が乾燥する前に行うため、第1のセラミックスラリーをキャリアフィルム上に塗布してから第2のセラミックスラリーを吐出するまでの工程を常温中で行うことから、第2のセラミックスラリーの吐出は、第1のセラミックスラリーをキャリアフィルム上に塗布してから3〜10秒で行った。
また、吐出制御部は、ピンホールが検出されなかった場合は、インクジェット装置の吐出ヘッドを移動せず、吐出を行わないようにした。
続いて、成形体を乾燥炉に通し乾燥させて、厚みが2.5μmのセラミックグリーンシートを形成した。
次に、セラミックグリーンシート上にNi粉末を含有する導電ペーストを所定の形状にスクリーン印刷し乾燥した後、これを250枚積層してセラミックグリーンシートの積層体を得た。さらに積層体を所定の寸法に切断しグリーンチップとした後、窒素ガス中で加熱してバインダーと可塑剤を除去した後、Niが酸化しない程度の還元雰囲気下で焼成し、焼結体を得た。
続いて、焼結体を面取りした後、端面に端子電極となるCu粉末とガラスフリットを含有する導電ペーストを塗布し窒素ガス中で焼き付け下地電極を形成し、次に下地電極上にNiめっき、Snめっきを順次行い金属層を形成し、積層セラミックコンデンサを得た。
(実施例2〜実施例4)
実施例2〜実施例4は、第2のセラミックスラリーの粘度が異なる以外は、実施例1と同じ方法で積層セラミックコンデンサを作製した。
実施例2〜実施例4の第2のセラミックスラリーは、第1のセラミックスラリーの一部を抜き取り、イソプロピルアルコールを添加して粘度が夫々100mPa・s、10mPa・s、200mPa・s、5mPa・sに調整したものである。
(比較例1)
比較例1は、実施例1において、ピンホールの検出を行わずに第2のセラミックスラリーをピンホールへ吐出しなかった以外は、実施例1と同じ製造方法で積層セラミックコンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1のセラミックグリーンシートの代わりに、図5に示すように下層と上層のセラミックグリーンシートが一体となった厚み2.5μmのセラミックグリーンシートを用いたものである。
このセラミックグリーンシートは、キャリアフィルム63上に下層のセラミックグリーンシート66を形成した後、この下層のセラミックグリーンシート66上の全面に更にセラミックスラリーを塗布し、下層のセラミックグリーンシート66のピンホール67にセラミックスラリーを流し込みながら上層のセラミックグリーンシート62を形成したものである。
比較例2の下層のセラミックグリーンシート66の形成方法は、実施例1と、ドクターブレードのギャップが異なることと、ピンホール67の検出を行わなかったことが異なること以外は、第1のセラミックスラリーを用いて実施例1と同様に形成した。このときドクターブレードのギャップを5.7μmにして、下層のセラミックグリーンシート66の厚みを1.4μmに形成した。
上層のセラミックグリーンシート62の形成方法は、ギャップを5.7μmにしたドクターブレードを用いて下層のセラミックグリーンシート66上に第1のセラミックスラリーを塗布した。これ以外は下層のセラミックグリーンシート66と同様に形成した。
次に、得られたセラミックグリーンシートを用いて、導電ペースト印刷から端子電極形成までを実施例1と同じ製造方法で行い積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、実施例、比較例の積層セラミックコンデンサの試料について、電極1.5Vを印加し絶縁抵抗を測定しショート不良率を算出した。また電圧100Vを印加し絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗値が1MΩより小さいものを不良として耐電圧不良率を算出した。この結果を(表1)に示す。
Figure 2010027882
(表1)に示すように、ショート不良率については、実施例1〜実施例5は、ピンホールに第2のセラミックスラリーを充填することにより、比較例1に比べ改善されていることがわかる。
耐電圧不良率については、実施例1〜実施例3は、比較例1とほぼ同等であり、このことから、第2のセラミックスラリーの粘度が10mPa・s〜100mPa・s、すなわち第1のセラミックスラリーの粘度の1/100〜1/10とすることにより、第2のセラミックスラリーがピンホールの周囲のセラミックグリーンシートの表面に塗布されても、比較例1のピンホールがない部分のセラミックグリーンシートの表面の平滑性と同程度にすることができることがわかる。
また、実施例4、実施例5の第2のセラミックスラリーの粘度が夫々200mPa・s、5mPa・s、の場合は、比較例1に比べ第2のセラミックスラリーが充填されたピンホールの表面の平滑性が悪くなっているため耐電圧不良率が増加している。
一方、実施例4と実施例5は、比較例2と比較すると、比較例2は、下層のセラミックグリーンシートに生じたピンホールの発生数が多く孔径が大きいため、下層と上層が一体となったセラミックグリーンシートの表面の凹凸が大きくなっていることに対し、実施例4と実施例5は、ピンホールを含む微小領域にのみ第2のセラミックスラリーを塗布しているので比較例2よりセラミックグリーンシートの表面に生じる凹凸を小さくすることができているため、比較例2より耐電圧不良率が改善されていることがわかる。
以上のように、本発明の製造方法によりピンホールを低減し、かつセラミックグリーンシートの表面の凹凸の発生を抑制し表面の平滑性を良好にすることができ、構造欠陥による積層セラミックコンデンサのショート不良及び耐電圧不良を低減することができる。
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリーンシートを薄層化してもセラミックグリーンシートのピンホールを低減し、かつ表面の平滑性を良好にすることができる効果を有し、セラミックグリーンシートを用いてセラミック層を形成する積層セラミックコンデンサ、積層セラミック配線基板等の積層セラミック電子部品に有用である。
積層セラミックコンデンサの一部断面斜視図 本発明の実施の形態の積層セラミックコンデンサの工程図 本発明の実施の形態のセラミックグリーンシートの製造装置の概略図 本発明の実施の形態のセラミックグリーンシートの要部断面図 従来のセラミックグリーンシートの要部断面図
符号の説明
1 第1のセラミックスラリー
2 第2のセラミックスラリー
3 基材
4 フィルム
5 剥離剤
6 成形体
7 ピンホール
8 セラミックグリーンシート
11 タンク
12 スラリー供給部
13 ドクターブレード
14 発光部
15 受光部
16 遮光板
17 吐出制御部
18 タンク
19 吐出ヘッド
20 吐出ノズル
22 検出装置
23 吐出装置
24 乾燥炉
31 第1の工程
32 第2の工程
33 第3の工程
34 第4の工程
35 第5の工程
51 セラミック層
52 導電体層
53 セラミック焼結体
54 端子電極

Claims (4)

  1. 第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとを用意する第1の工程と、第1のセラミックスラリーを基材上に成形し成形体を形成する第2の工程と、前記成形体のピンホールを検出する第3の工程と、前記ピンホールに第2のセラミックスラリーを吐出して充填する第4の工程と、前記成形体を乾燥してセラミックグリーンシートを形成する第5の工程と、を備える積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 第1のセラミックスラリーはセラミック粉体と有機物を第1の分散媒中に分散させたものであり、第2のセラミックスラリーは前記セラミック粉体と前記有機物を第2の分散媒中に分散させたものであり、第2のセラミックスラリーの前記セラミック粉体と前記有機物との組成比は、第1のセラミックスラリーの前記セラミック粉体と前記有機物との組成比と同じである請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 第2のセラミックスラリーの粘度は、第1のセラミックスラリーの粘度の1/100〜1/10である請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 第2のセラミックスラリーをインクジェット方式を用いて吐出する請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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