JP2010027220A - 粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料室内において、鏡筒の先端部への絞り部材の着脱を効率良く行うことのできる粒子線装置を提供する。
【解決手段】粒子線を先端から放出する鏡筒10と、鏡筒10の先端と連通する真空室1とを有し、鏡筒10から放出された粒子線を真空室1内に配置された試料に照射する粒子線装置において、鏡筒10の先端部に着脱自在に設置される絞り部材と、絞り部材を一端側で保持する保持部材6と、保持部材6と連結して保持部材6を傾斜可能に支持する支持部材8と、試料に照射される粒子線の光軸に対して直交する方向に支持部材を移動可能とする移動機構11とを具備し、移動機構11による支持部材8の移動に伴って保持部材6の移動及び傾斜の動作が行われ、これにより鏡筒10の先端部への絞り部材の着脱が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、鏡筒と試料室(内部に試料が配置される真空室)との間に差動排気機能を設けることにより、高真空に真空引きされた鏡筒内部の圧力に対して、試料室内部を低真空雰囲気とすることのできる走査電子顕微鏡等の粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡(SEM)等の粒子線装置において、試料が配置される試料室内部の真空雰囲気を、鏡筒内部の真空雰囲気に対して低真空(圧力の高い)状態とし、この低真空状態の試料室内部に、観察・検査対象として水分を含む細胞等のウエットサンプルを配置することがある。
このような場合に使用される低真空SEMの構成においては、差動排気用の絞り部材が鏡筒の先端部に配置される。この絞り部材には、小さな開口が形成されている。
ここで、鏡筒の先端部には対物レンズが設置されており、対物レンズにおいて電子線が通過する孔の内部に絞り部材の開口が位置するように絞り部材が配置される。
このような構成からなる低真空SEMの例を図1に示す。同図において、試料室1の上部には、鏡筒10が設けられている。試料室1の内部に接する鏡筒10の先端側には、対物レンズ2が取付けられている。
鏡筒10の基端側(図1における上方側)には、図示しない電子源(電子銃)が配置されている。鏡筒10内において、電子源から放出された電子線は、鏡筒10内部の空間10a(対物レンズ2の貫通孔2aを含む)を、同図における下方に向けて通過する。これにより、当該電子線は、鏡筒10の先端から試料室1内部に放出される。なお、電子線が通過する鏡筒10内部の空間10aは、鏡筒10の先端において、試料室1内部と繋がっている。
試料室1内には、図示しない試料が配置されており、鏡筒10の先端から放出された電子線は当該試料に照射される。このようにして電子線が照射された試料からは、二次電子や反射電子等の被検出電子が発生する。当該被検出電子は、検出器(図示せず)により検出され、その検出結果に基づき試料像が形成される。
ここで、観察・検査対象としての試料が、水分を含むウエットサンプルである場合、試料室1内部の真空雰囲気は、鏡筒10の内部空間10aの真空雰囲気に対して低真空状態に設定される。すなわち、試料室1内部の圧力を、高真空状態とされた鏡筒10内部の圧力よりも高く設定する。
このように、試料室1内の真空雰囲気と鏡筒10内の真空雰囲気との間で圧力差が生じる場合には、試料室1内において、鏡筒10の先端部に差動排気用の絞り部材4を取付けておく。
絞り部材4は、所定形状の開口が形成された絞り3と、この絞り3を支持する支持フランジ部4aとから構成されている。支持フランジ部4aにおいて、絞り3を支持している支持部が対物レンズ2の貫通孔2aに嵌合することにより、鏡筒10の先端部に絞り部材4が固定される。このような絞り部材4は、本装置の操作者の手作業により、鏡筒10の先端部に着脱自在に取付けられる。
低真空SEMによる試料(第1の試料)の観察・検査が終了し、通常のSEMによる他の試料(第2の試料)の観察・検査を行う際には、上記により観察・検査が終了した第1の試料を試料室1内から図示しない試料交換室に移送し、試料室1と試料交換室との間のバルブを閉める。
その後、試料室1内部の雰囲気を一旦大気圧に戻してから、操作者は試料室1の外気へ通じる扉を開け、試料室1内部に手を入れて、鏡筒10の先端部から絞り部材4を取り外す。取り外された絞り部材4は、試料室1外に配置される。このように絞り部材4の取り外し作業が終了した後、操作者は試料室1の扉を閉める。その後、試料室1内部の真空引きが行われる。
また、試料交換室内においては、観察・検査対象の試料として、第1の試料から第2の試料への試料交換が行われる。第2の試料は、通常のSEMによる観察・検査の対象とする。
絞り部材4が取り外された状態の試料室1の内部が所定の真空度(通常のSEM観察が行われる真空度)に到達したら、試料室1と試料交換室との間のバルブを開ける。そして、通常のSEM観察の対象となっている第2の試料を試料室1内に導入する。
このようにして試料室1内部に配置された第2の試料に対して、鏡筒10からの電子線の照射が行われ、その試料像の取得が行われることとなる。
なお、低真空SEMにおいて、試料室内に差動排気絞りを上下方向に昇降させるための昇降機構と、降下後の差動排気絞りを水平方向に移動させる水平移動機構と、これら昇降機構及び水平移動機構の操作部とが設けられた装置もある(特許文献1参照)。
特開2008−10177号公報
図1に示す装置において、試料室1内部に配置された絞り部材4は、装置稼動時には真空雰囲気内にあるので、絞り部材4の着脱作業を容易に行うことができない。
すなわち、上述のごとく、試料室1内部の雰囲気を一旦大気圧に戻してから、操作者が試料室1内部に手を入れて、絞り部材4の着脱作業が行われることとなり、作業性が悪く、また試料室1内部の当該大気圧復帰及びその後の真空引きに時間がかかり、着脱作業の効率が良くない。
また、上記特許文献1に開示された構成では、操作者の手動による上記操作部の引出操作及び回転操作からなる2方向の手動操作が必要となる。
よって、1方向の手動操作によって作業性良く当該絞りの着脱を行えるようにしたほうが望ましい。また、手動操作によらずに、駆動源による動作によって効率的に当該絞り部材の着脱を行えるようにしたいとの要望もある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、試料室内において、鏡筒の先端部への絞り部材の着脱を効率良く行うことのできる粒子線装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく粒子線装置は、粒子線源と粒子線源からの粒子線を集束するレンズとを備え、該粒子線を先端から放出する鏡筒と、鏡筒の先端と連通する真空室とを有し、鏡筒から放出された粒子線を真空室内に配置された試料に照射する粒子線装置において、鏡筒の先端部に着脱自在に設置される絞り部材と、絞り部材を一端側で保持する保持部材と、保持部材と連結して保持部材を傾斜可能に支持する支持部材と、試料に照射される粒子線の光軸に対して直交する方向に支持部材を移動可能とする移動機構とを具備し、移動機構による支持部材の移動に伴って保持部材の移動及び傾斜の動作が行われ、これにより鏡筒の先端部への絞り部材の着脱が行われることを特徴とする。
本発明においては、鏡筒の先端部に着脱自在に設置される絞り部材と、絞り部材を一端側で保持する保持部材と、保持部材の他端側と連結して保持部材を傾斜可能に支持する支持部材と、試料に照射される粒子線の光軸に対して直交する方向に支持部材を移動可能とする移動機構とが設置され、移動機構による支持部材の移動に伴って保持部材の移動及び傾斜の動作が行われ、これにより鏡筒の先端部への絞り部材の着脱が行われる。
これにより、当該粒子線の光軸に対して直交する方向に支持部材を移動させるという1方向の動作のみによって、鏡筒の先端部への絞り部材の着脱を行うことができる。
従って、操作者は、手動による1方向の動作を行えば手動操作による絞り部材の着脱を実行することができ、作業性が簡易となって効率良く絞り部材の着脱を行うことができる。
また、駆動源による動作によって絞り部材の着脱を行う場合には、1方向に支持部材を移動させることのできる駆動源を設置すればよいので、低コストにて効率良く絞り部材の着脱を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図2は、本発明における粒子線装置の主要部を示す概略構成図である。同図において、試料室1の上部には、鏡筒10が設けられている。試料室1の内部に接する鏡筒10の先端部には、対物レンズ2が取付けられている。
試料室1内は真空排気され、低真空SEMとして使用されるときには、試料室1内部が真空排気された状態で、試料室1内に微小リークガスが供給される。鏡筒10内部の空間10aは、別系統の真空排気系により真空排気される。
鏡筒10の基端側(図2における上方側)には、図示しない電子源(電子銃)が配置されている。鏡筒10内において、電子源(粒子線源)から放出された電子線(粒子線)は、鏡筒10内部の空間10a(対物レンズ2の貫通孔2aを含む)を、同図の下方に向けて通過する。これにより、当該電子線は、鏡筒10の先端から試料室1内部に放出される。なお、電子線が通過する鏡筒10内部の空間10aは、鏡筒10の先端において、試料室1内部と繋がっている。
試料室1内には、図示しない試料(低真空SEM観察の対象とされた第1の試料)が配置されており、鏡筒10の先端から放出された電子線は当該試料に照射される。このとき、当該電子線は、当該試料上を走査する、このようにして電子線が照射された試料からは、二次電子や反射電子等の被検出電子が発生する。当該被検出電子は、検出器(図示せず)により検出され、その検出結果に基づき試料像(走査像)が形成される。
図2に示す状態は、試料室1内に配置される試料がウエットサンプル等の場合に、試料室1内部を低真空状態として試料の観察・検査を行う際の装置の状態を示している。
同図において、保持部材6の先端側(一端側)には、中空構造の凸部からなる絞り載置部6bが保持されている。この絞り載置部6b上には、環状の絞り5が載置されて固定されている。絞り載置部6bと絞り5により、本実施例の絞り部材が構成される。
このときの鏡筒10の先端付近の拡大図を図3に示す。絞り5は、絞り載置部6bに載置された状態で、対物レンズ2の貫通孔2a内に配置されている。絞り5には、開口5aが形成されており、開口5aの中心は、絞り載置部6bに形成されている貫通孔の中心軸上に位置する。開口5aの大きさは非常に小さく設定されており、絞り5は、高真空雰囲気となっている鏡筒10の内部空間10aと、それよりも圧力が高い低真空雰囲気となっている試料室1の内部空間との圧力差を仕切っている。
保持部材6の先端側における絞り載置部6bの周囲部には円状に溝が形成されており、該溝内にOリング6aが配置されている。Oリング6aは、図2の状態において、対物レンズ2の先端と接触する。これにより、保持部材6の当該周囲部と対物レンズ2の先端との間は、気密にシーリングされる。
保持部材6の基端側(他端側)の一部は、ピン7を介して支持部材8の先端部と連結している。支持部材8の先端部の両側には、それぞれ凸部8aが設けられている。図では、一方(片側)に設けられた凸部8aが示されている。双方(両側)の凸部8aにはピン7が貫通する孔が形成されており、各凸部8a毎に個別に設けられたピン7がそれぞれ該孔を貫通するように設けられている。
また、保持部材6の当該一部の両側面には、ピン7と接触する凹部がそれぞれ形成されている。支持部材8の先端部の両側にそれぞれ配置されたピン7が当該凹部と接触することにより、保持部材6の基端部はピン7に挟まれることとなる。これにより、保持部材6の他端側は支持部材8の先端側に連結される。この結果、保持部材6は、支持部材8に対して傾斜可能に支持部材8に支持されることとなる。なお、保持部材6の当該一部に貫通孔を形成し、当該貫通孔及び支持部材8先端部の各孔を貫通する1本のピン7を配置するようにしてもよい。
さらに、保持部材6の基端部(他端部)と支持部材8との間には、板バネ9が介在されている。この板バネ9は、保持部材6の基端と支持部材8との間隙を広げるように作用する。図2及び図3に示す状態では、板バネ9は縮んだ状態となっている。
また、保持部材6における支持部材8との連結部(保持部材6の上記一部)の上面には、傾斜制御ブロック18の先端部が接触している。傾斜制御ブロック18の先端部には、保持部材6との接触面としての第1の面18a及び第2の面18bが形成されている。第1の面18aは、ほぼ水平面に沿う面とされており、第2の面は、水平面に対して所定の傾斜角度を有する傾斜面となっている。なお、傾斜制御ブロック18の基端側は、対物レンズ2の側面に取付けられている。
図2及び図3に示す状態において、当該先端部における第1の面18aが、保持部材8の当該連結部と接触している。これにより、保持部材6の基端には板バネ9による外力が加わって、当該基端を上方に持ち上げる力が印加されているが、保持部材8の当該連結部の上面が上記第1の面18aと接触することにより押え付けられている。この結果、保持部材6の基端は下がって、保持部材6の先端は持ち上げられる。この結果、保持部材6の先端側にあるOリング6aは対物レンズ2の先端部に押し付けられて確実に密着する。
支持部材8の基端部は、エアシリンダ13のシャフト11の先端に取付けられている。シャフト11及び支持部材8における両者の接合部分は、位置規制ブロック12の上面に載置されている。位置規制ブロック12は、試料室1の側壁内面に固定されている。
エアシリンダ13は、X方向移動機構16、Y方向移動機構15、及びZ方向移動機構14を介して、試料室1の側壁外面に取付けられている。エアシリンダ13のシャフト11は、試料室1の側壁に設けられた開口を気密に貫通している。
ここで、X方向移動機構16は、図中の左右方向にエアシリンダ13を移動させるものである。この左右方向は、エアシリンダ13のシャフト11が移動する方向に一致する。Y方向移動機構15は、図中の紙面に直交する方向にエアシリンダ13を移動させるものである。Z方向移動機構14は、図中の上下方向にエアシリンダ13を移動させるものである。当該上下方向は、垂直方向に一致する。
図2及び図3に示す状態では、鏡筒10の内部空間10aと試料室1の内部空間は、開口5aが形成された絞り5により仕切られている。絞り5は、差動排気の機能を備える。これにより、試料室1内部の雰囲気を、鏡筒10内部の高真空とされた雰囲気よりも低真空状態とすることができる。この状態で、鏡筒10の内部空間10aと通り、絞り5の開口5a及び絞り載置部6bの貫通孔を通過した電子線は、試料室1内部の図示しない試料に照射され、上述した試料像の取得が行われる。
このような低真空SEMとしての装置の使用から、通常のSEMとしての使用に移行する場合について、以下に説明する。
低真空SEMでの観察対象とされた第1の試料を図示しない試料交換室に移送した後、試料室1と試料交換室との間のバルブを閉める。そして、試料室1の内部雰囲気を低真空状態とするために、試料室1内に供給していた微小リークガスの供給を停止する。このとき、試料室1内部の真空排気は停止しない。これにより、試料室1の内部雰囲気は、通常のSEM観察を行うことのできる所定の真空雰囲気となる。
また、試料交換室内においては、観察・検査対象の試料として、第1の試料から第2の試料への試料交換が行われる。第2の試料は、通常のSEMによる観察・検査の対象とする。
その後、試料室1内部の真空排気を継続した状態で、図2及び図3に示す状態から、エアシリンダ13の駆動により、エアシリンダ13のシャフト11を試料室1内部から引き抜く動作を実行する。当該動作により、シャフト11が、試料室1内部からエアシリンダ13が位置する方向に動いて図中の左方向に移動すると、図2の状態から、まず図4に示す状態となる。
図4に示す状態では、図2の状態からシャフト11が図中の左方向に少し移動しており、これに伴って支持部材8及びこれに連結する保持部材6も当該左方向に移動している。これにより、保持部材6の当該連結部と傾斜制御ブロック18の先端部との接触状態が変化する。
この状態を拡大した図を、図5に示す。図5に示すように、保持部材6と支持部材8とを連結するピン7の位置は、保持部材6及び支持部材8が図中左方向に移動することにより、傾斜制御ブロック18に対して相対的に左側に移動している。この結果、傾斜制御ブロック18先端の第1の面18aと保持部材6の当該連結部との接触が解除される。
また、保持部材6の基端には、板バネ9により上方に持ち上げられるような力が加えられている。これにより、保持部材6は、ピン7の位置を支点(中心)として、図中の時計回りの方向に向かって傾斜する。そして、保持部材6の先端側に位置する絞り載置部6b及びこれに載置された絞り5は当該傾斜に伴って下降する。この結果、保持部材6先端側のOリング6aと対物レンズ2の先端部との接触が外れることとなる。
図4及び図5に示す状態から、シャフト11の当該移動に伴い、支持部材8及び保持部材6がさらに左方向に移動した状態を図6及び図7に示す。図6及び図7に示す状態では、板バネ9の作用によって保持部材6がさらに傾斜しており、絞り載置部6b及び絞り5は、対物レンズ2の貫通孔2a内から外れている。
図6及び図7に示す状態からさらにシャフト11が移動すると、図8及び図9に示す状態となる。すなわち、シャフト11の当該移動に伴って、支持部材8及び保持部材6が左方向に移動すると、これに伴って絞り載置部6b及び絞り5は、対物レンズ2の下方において左側に移動することとなる。
そして、保持部材6の基端側の底面6cが位置規制ブロック12と接触することにより、傾斜されていた保持部材6の先端側が跳ね上げられて、図8及び図9に示す状態となる。このとき、板バネ9は縮んだ状態となっており、保持部材6は、ほぼ水平方向に沿った状態となっている。この状態では、傾斜制御ブロック18における保持部材6への接触部(傾斜制御ブロック18の先端部)と鏡筒2の先端部との間に絞り載置部6b及び絞り5が退避された状態となっている。この状態では、絞り5による差動排気は行われず、通常のSEMによる試料観察が行われることとなる。
このような図8及び図9に示す状態では、絞り部材を構成する絞り載置部6b及び絞り5は、対物レンズ2の貫通孔2aから外れて退避されているので、試料室1内での試料の移動及び傾斜動作に支障が発生することを防止することができる。
上述のようにして、試料室1の内部の真空状態を維持したまま鏡筒10の先端から絞り載置部6b及び絞り5の取り外しが行われた後には、試料室1と試料交換室との間のバルブが開けられる。そして、通常のSEM観察の対象とされた第2の試料が試料室1内に導入される。
このようにして試料室1内部に配置された第2の試料に対して、鏡筒10からの電子線の照射(走査)が行われ、その試料像(走査像)の取得が行われることとなる。
上記においては、低真空SEM観察の状態から通常のSEM観察の状態へ移行する場合について説明した。これとは逆に、通常のSEM観察の状態から低真空SEM観察の状態に移行する場合では、上述したエアシリンダ13によるシャフト11の移動動作を逆方向に行えばよい。この場合でも、試料室1の内部雰囲気は、真空状態のままで行うことができる。
また、上記においては、シャフト11の移動動作は、駆動源としてのエアシリンダ13により行われるものであった。しかしながら、このような駆動源を用いずに、手動操作により行うことも可能である。
例えば、シャフト11の基端側(試料室1の外側に位置する端部)にレバーを設置し、操作者がこのレバーを手で操作して動かすようにしてもよい。この場合でも、操作者は、レバーを1方向(図中の左方向又は右方向)に移動すれば、絞り部材の着脱を簡単に行うことができ、作業性が良い。
なお、保持部材6の絞り載置部6bの下面側に検出器を配置する構成とすれば、上述した低真空SEM観察の状態において、試料からの二次電子又は反射電子を該検出器により効率良く検出することもできる。
このように、本発明における粒子線装置は、粒子線源(電子銃)と粒子線源からの粒子線(電子線)を集束するレンズ(対物レンズ)2とを備え、該粒子線を先端から放出する鏡筒10と、鏡筒10の先端と連通する真空室(試料室)1とを有し、鏡筒10から放出された粒子線を真空室1内に配置された試料に照射する粒子線装置において、鏡筒10の先端部に着脱自在に設置される絞り部材(絞り5及び絞り載置部6b)と、絞り部材を一端側で保持する保持部材6と、保持部材6と連結して保持部材6を傾斜可能に支持する支持部材8と、試料に照射される粒子線の光軸に対して直交する方向に支持部材8を移動可能とする移動機構(シャフト)11とを具備し、移動機構11による支持部材8の移動に伴って保持部材6の移動及び傾斜の動作が行われ、これにより鏡筒10の先端部への絞り部材の着脱が行われる。
さらに、支持部材8の移動に伴う保持部材6の移動の際に、保持部材6と支持部材8との連結部において保持部材6と接触することにより、保持部材6の傾斜動作を制御する傾斜制御ブロック18が設けられている。ここで、傾斜制御ブロック18は、鏡筒10に取付けられている。
そして、支持部材8の移動に伴って、絞り部材が鏡筒10の先端部から外された後の保持部材6と接することにより、傾斜制御ブロック18の保持部材6への接触部と鏡筒10の先端部との間に絞り部材を退避させることのできる位置規制ブロック12が備えられている。
また、保持部材6の他端部と支持部材8との間には、該他端部と支持部材8との間隙を広げるように作用する板バネ9が介在されている。移動機構11は、エアシリンダからなるようにすることができる。
さらに、粒子線の光軸に沿う軸をZ軸としたときに、該Z軸とこのZ軸に対して直交するとともに互いに直交するX軸及びY軸の各軸方向に沿って移動機構の位置調整を行うことのできる位置調整機構14,15,16が具備されている。
ここで、絞り部材は、差動排気の機能を備え、鏡筒10内雰囲気と真空室1内雰囲気との圧力差を仕切るためのものである。
本発明においては、このような構成により、移動機構11の水平方向(図中の左右方向)での移動により、鏡筒10先端からの絞り部材の着脱が可能となり、絞り部材の着脱作業が容易となる。
また、絞り部材の着脱作業の際に、真空室1内部を大気圧に復帰する必要がないので、真空室1内を大気圧復帰のためにリークすることなく当該着脱作業を行うことができる。これにより、短時間で当該作業を行うことができ、作業効率が向上する。
従来技術の低真空SEMの要部を示す図である。 本発明における粒子線装置の要部を示す図である。 図2の要部の拡大図である。 本発明における粒子線装置の要部を示す図である。 図4の要部の拡大図である。 本発明における粒子線装置の要部を示す図である。 図6の要部の拡大図である。 本発明における粒子線装置の要部を示す図である。 図8の要部の拡大図である。
符号の説明
1…試料室(真空室)、2…対物レンズ、3,5…絞り、6…保持部材、6a…Oリング、6b…絞り載置部、7…ピン、8…支持部材、9…板バネ、10…鏡筒、11…シャフト、12…位置規制ブロック、13…エアシリンダ、14…Z方向移動機構、15…Y方向移動機構、16…X方向移動機構、18…傾斜制御ブロック

Claims (10)

  1. 粒子線源と粒子線源からの粒子線を集束するレンズとを備え、該粒子線を先端から放出する鏡筒と、鏡筒の先端と連通する真空室とを有し、鏡筒から放出された粒子線を真空室内に配置された試料に照射する粒子線装置において、鏡筒の先端部に着脱自在に設置される絞り部材と、絞り部材を一端側で保持する保持部材と、保持部材と連結して保持部材を傾斜可能に支持する支持部材と、試料に照射される粒子線の光軸に対して直交する方向に支持部材を移動可能とする移動機構とを具備し、移動機構による支持部材の移動に伴って保持部材の移動及び傾斜の動作が行われ、これにより鏡筒の先端部への絞り部材の着脱が行われることを特徴とする粒子線装置。
  2. 支持部材の移動に伴う保持部材の移動の際に、保持部材と支持部材との連結部において保持部材と接触することにより、保持部材の傾斜動作を制御する傾斜制御ブロックを備えることを特徴とする請求項1記載の粒子線装置。
  3. 傾斜制御ブロックは、鏡筒に取付けられていることを特徴とする請求項2記載の粒子線装置。
  4. 支持部材の移動に伴って、絞り部材が鏡筒の先端部から外された後の保持部材と接することにより、傾斜制御ブロックの保持部材への接触部と鏡筒の先端部との間に絞り部材を退避させることのできる位置規制ブロックを備えることを特徴とする請求項2又は3記載の粒子線装置。
  5. 保持部材の他端部と支持部材との間には、該他端部と支持部材との間隙を広げるように作用する板バネが介在されていることを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の粒子線装置。
  6. 移動機構は、エアシリンダからなることを特徴とする請求項1乃至5何れか記載の粒子線装置。
  7. 粒子線の光軸に沿う軸をZ軸としたときに、該Z軸とこのZ軸に対して直交するとともに互いに直交するX軸及びY軸の各軸方向に沿って移動機構の位置調整を行うことのできる位置調整機構を備えることを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の粒子線装置。
  8. 絞り部材は、鏡筒内雰囲気と真空室内雰囲気との圧力差を仕切るためのものであることを特徴とする請求項1乃至7何れか記載の粒子線装置。
  9. 鏡筒から放出されて試料に照射される粒子線は、電子線であることを特徴とする請求項1乃至8何れか記載の粒子線装置。
  10. 電子線により試料上を走査し、該走査に基づく走査像を取得することを特徴とする請求項9記載の粒子線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112015005596B4 (de) 2015-01-13 2022-10-13 Hitachi High-Tech Corporation Ladungsteilchen-Strahlvorrichtung sowie Probentisch

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