JP2011138649A - 電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、試料室内を大気開放することなく容易な作業により短時間で差動排気絞りの着脱,位置調整,交換が行え、高分解能化が可能になる環境制御型電子線装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は上記の目的を達成するために、電子線を放出する電子銃と、電子銃から放出された一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記対物レンズ下に配置される試料室と、前記試料室内に備えられた試料微動装置と、前記試料室内の真空度を制御する排気系とを備えた電子顕微鏡において、前記試料微動装置に、差動排気絞りを着脱する交換部材を設置し、前記試料微動装置による前記交換部材の駆動により差動排気絞りを前記対物レンズに対して着脱することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は電子顕微鏡に関し、特に差動排気絞りを備え、試料室の真空度を制御する電子顕微鏡に関する。
試料室内の真空度を低真空から高真空まで制御可能な環境制御型電子線装置では、試料室内部を低真空にした場合でも電子源部を高真空あるいは超高真空に維持する必要がある。そのために、電子源部と試料室との間に差動排気絞りを設けている。
差動排気絞りの位置に関して、一次電子線の散乱を防止するためには差動排気絞りは試料からできるだけ近い位置にあることが望ましい。試料と差動排気絞りとの間の距離が短ければ、一次電子線の経路に存在するガスが少なくなり、ガスによる一次電子線の散乱を防止できる。一方、低倍率で観察するためには、一次電子線偏向の観点から差動排気絞りの位置は一次電子線の偏向支点と同じ位置にあることが望ましい。
また、差動排気絞りの穴径に関しては、試料室をより低い真空度に設定したい場合には差動排気絞りの径を小さくする必要があり、分析用途で大きなプローブ電流が必要な場合には径の大きな差動排気絞りが適している。
このように差動排気絞りの上下位置、穴径は観察条件により変更できることが望ましく、差動排気絞りは位置移動や交換できることが望ましい。
また、低真空で長時間の観察やEDXなど分析など大きなプローブ電流を照射する使用条件では、差動排気絞りにコンタミネーションが付き易くなる。コンタミネーションはチャージアップによる像障害の原因となるため、定期的な絞り交換が必要となる。このことからも差動排気絞りは容易に交換できる構造が望ましい。
差動排気絞りの交換作業は、一般的な環境制御型電子線装置では試料室の大気開放を伴う。すなわち、試料室に大気を導入して開けてから差動排気絞りを交換し、交換後に試料室を閉めて真空排気する必要がある。また、交換作業は手作業である。
差動排気絞りを操作する機構としては、特許文献1に試料室を大気開放することなく差動排気絞りを着脱可能とした機構が開示されている。
特開2008−10177号公報
一般的な差動排気絞りの交換作業では試料室の大気開放と真空排気が必要であるため交換作業に時間がかかるという問題がある。また、交換作業は手作業であるため専用のジグを用いたとしても作業自体が煩雑であるだけでなく、差動排気絞りの部品を試料室内に落とす危険性がある。部品が小さい場合は試料室から排気系に落ち、装置の故障の原因となる可能性がある。さらに、試料室を大気開放することは試料室内部を清浄に保つ観点からも問題がある。
特許文献1記載の機構によれば、試料室を大気開放することなく差動排気絞りの着脱を容易に行うことができるので、用途に合わせて短時間で容易に差動排気絞りを着脱できる。例えば大きなプローブ電流を要する分析用途では差動排気絞りを取外し、低真空観察用途では差動排気絞りを装着することができる。しかし、絞り径や絞り位置を変更するためには機構上に装着する絞り自体を交換しなければならない。この場合には試料室を大気開放し、手作業による交換が必要である。
一般的な電子線装置には対物レンズ上方の中間室に対物レンズ絞りが設置されている。絞りにはコンタミネーション付着防止のため過熱されていることもある。さらに定期的に交換も必要である。絞りを交換するため大気開放する場合、表面積の大きい試料室まで大気開放されてしまう。このため真空引きを行う時、目標真空度まで時間が掛かる。また、据付等の目的で試料室を大気開放する場合、対物レンズ絞りのヒータが冷えるまで30分程度待つ必要がある。
本発明の目的は、試料室内を大気開放することなく容易な作業により短時間で差動排気絞りの着脱,位置調整,交換が行え、高分解能化が可能になる環境制御型電子線装置を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するために、電子線を放出する電子銃と、電子銃から放出された一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記対物レンズ下に配置される試料室と、前記試料室内に備えられた試料微動装置と、前記試料室内の真空度を制御する排気系とを備えた電子顕微鏡において、前記試料微動装置に、差動排気絞りを着脱する交換部材を設置し、前記試料微動装置による前記交換部材の駆動により差動排気絞りを前記対物レンズに対して着脱することを特徴とする。
また、試料室はバルブを介して接続した試料交換器を備え、試料交換室は、交換部材の試料微動装置への着脱を行う交換棒を備えることを特徴とする。
さらに、試料微動装置の駆動により、前記差動排気絞りの上下方向の位置を調整することを特徴とする。
本発明によれば、試料微動装置に設置された試料交換器を用いて差動排気絞りの交換が可能となり、試料微動装置により差動排気絞りを駆動するため、容易な手順で差動排気絞りの着脱が可能となり、着脱及び交換に要する時間も短縮できる。
また、試料室を大気圧に解放しない状態で差動排気絞りの対物レンズに対する着脱が可能となる。さらに、差動排気絞りのメンテナンスが容易にできるようになるほか、絞りの上下方向の位置も調整可能となるため、観察条件に合わせた絞りの選択,位置調整が可能となる。
さらに、既存の試料微動装置を使用し差動排気絞りおよびインレンズ用試料ホルダーの着脱を行うため、新規に機構を設ける必要がないことからコストアップを最小限に抑えられる効果もある。
本発明の実施例を示す説明図。 差動排気絞り取り出し手順の説明図。 差動排気絞りユニット構成図。 差動排気絞り着脱用ホルダー構成図。 差動排気絞り取付けおよび取外しの詳細説明図。 絞り取付けフロー。 絞り取外しフロー。 自動制御用ボタン例。 栓ユニット構成図。 栓ユニット取付けおよび取外しの詳細説明図。 栓ユニット取付けフロー。 栓ユニット取外しフロー。 インレンズ用試料ホルダーユニット。 インレンズ用試料ホルダーユニット取付けおよび取外しの詳細説明図。 インレンズ用試料ホルダーユニット取付けフロー。 インレンズ用試料ホルダーユニット取外しフロー。
以下、図面を参照し、本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例の概略図である。走査型電子顕微鏡1は、大きくは、頂部に設置した電子銃室2と、その下方に設置した集束レンズ室3と、その下方に設置した中間室4と、その下方に設置した対物レンズ室5と、その下方に設置した試料室6とより構成され、前記電子銃室2内には電子源7が設置され、集束レンズ室3内には集束レンズ8が設置され、対物レンズ室5内には対物レンズ9が設置されている。また、この対物レンズ9の下方部に対応する試料室6内には差動排気絞りユニット10が設置され、その下方にはXYZRの駆動機構を持っている試料微動装置11が設置され、その上に差動排気絞り着脱用ホルダー12設置されている。また試料交換器18が設置され試料室6から試料室大気開放することなく試料等を出し入れできる。そして各室は、排気系を構成する真空ポンプ(例えば、イオンポンプ13,14,ターボ分子ポンプ15,ロータリーポンプ16,17)を作動させることで、超高真空,高真空,低真空に保持される。そして、各真空ポンプと各室を連通する管路やバイパス管路の途中に弁101〜107を設け、これらを操作手順にしたがって開閉することで、各室内を必要な真空度あるいは大気圧にすることができる。
次に差動排気絞りの着脱方法について図2に基づいて説明する。
差動排気絞りが固定されている差動排気絞りユニット10を取外す場合、試料交換器18に設置されている試料交換器バルブ19を閉めて、試料交換器18を大気圧にする。試料交換器18に設置されている試料交換棒20に差動排気絞り着脱用ホルダー12を固定し、試料交換器18を真空にする。試料微動装置11の試料搭載部を試料交換棒20が届く位置(試料交換位置)まで移動させた後、試料交換器バルブ19を開け、試料交換棒20を試料室6に押し込み差動排気絞り着脱用ホルダー12を試料微動装置11の試料搭載部に固定する。
試料微動装置11はXYZR軸の駆動機構を備えており、XY軸により差動排気絞り着脱用ホルダー12を差動排気絞りユニット10の直下に移動させ、ZR軸の駆動により差動排気絞りユニット10を対物レンズ9から差動排気絞り着脱用ホルダー12に固定させる。そして再度試料微動装置11の試料搭載部を試料交換位置まで移動させ、試料交換棒20によって差動排気絞り着脱用ホルダー12を試料交換器18内に持ってくる。試料交換器バルブ19を閉じて試料交換器18を大気圧にして、差動排気絞りユニット10が固定された差動排気絞り着脱用ホルダー12を取出す。以上の手順で試料室を真空に保持したまま差動排気絞りユニット10を取外すことができる。
差動排気絞りユニット10,対物レンズ9、および差動排気絞り着脱用ホルダー12の具体的構成を図3,図4および図5に基づいて説明する。
図3において、差動排気絞りユニット10は、対物レンズ室5と試料室6を差動排気するための絞り21と、その絞りを受ける絞りウケホルダー22と、絞り21を固定する絞り押さえホルダー23と、その絞りウケホルダー22の脱落防止および対物レンズ室5と試料室6の間を漏れなく差動排気するための導電性Oリング24と、絞りウケホルダー下部に回転用マイナス溝25で構成されている。
また、図4において、差動排気絞り着脱用ホルダー12は、着脱時に絞りウケホルダー22を固定するためのOリング27と、絞りウケホルダー22を回転させるためのリブ形状の突起28で構成されていて、試料微動装置に取付けられる形状となっている。
差動排気絞りユニット10の着脱時の様子を図5に示す。絞りウケホルダー22と対物レンズ9との間には、絞りウケホルダー22が着脱する時の摩擦から対物レンズ9を保護するカバー26が配置されている。そしてカバー26の内径には絞りウケホルダー22を固定するためのネジが切ってある。
差動排気絞りユニット10の着脱のメカニズムを図5に基づいて説明する。
試料微動装置11に搭載のX,Y軸駆動機構29で差動排気絞り着脱用ホルダー12を対物レンズ9直下に移動させる。回転用マイナス溝25とリブ形状28の方向を合わせR軸駆動機構30で行いZ軸駆動機構29で回転用マイナス溝25とリブ形状28が噛み合う位置まで上昇する。R軸駆動機構30で回転させ対物レンズ9にねじ込みされている差動排気絞りユニット10を取外すことができる。
一方、取付けるときは、差動排気絞り着脱用ホルダー12に差動排気絞りユニット10を固定させて対物レンズ9直下に移動させる。Z軸駆動機構29で対物レンズ9内に挿入させながらR軸駆動機構30で回転させ対物レンズ9にねじ込むことで固定させることができる。このとき、回転量を調整することで、差動排気絞りユニット10のZ方向の位置調整が行うことができる。
なお、本実施例では、試料交換器18が装備されている例について説明した。試料交換器18がない装置すなわち試料交換をドローアウトで行っている場合でも、試料微動装置による取出しおよび取付けができるため、特殊工具等を使った差動排気絞りの交換作業が発生せず誰でも容易に着脱ができる。また、高さ位置調整も資料室を大気解放せずに行うことができる。
差動排気絞りユニット10の取付けのフローチャートを図6に示す。太枠内は操作画面による操作を示し、それ以外は装置の動作を示している。差動排気絞りユニット10を取付ける場合、装置の操作者は絞り交換用ホルダー12上に差動排気絞りユニット10を取付けた後、試料微動装置11の試料搭載部を試料交換位置に移動させ、試料交換器18を介して絞り着脱用ホルダー12を取付ける。次に操作者は図8に示す試料微動装置操作画面上で絞り位置を指定する。この操作により指定された位置に作動排気絞りユニット10を取付けるためのR軸回転数(K)が計算され、装置の内部メモリー(図示しない)に記憶される。
次に操作者は試料微動装置操作画面上で「取付け」ボタンをクリックする。この操作により試料微動装置11は以下のように自動的に動作する。まず、試料微動装置11の試料搭載部が試料交換位置から絞り取付け開始位置に移動される。絞り取付け開始位置は絞りウケホルダー22がカバー26に接触する位置である。この位置の座標(X0,Y0,Z0,R0)は、対物レンズ位置および差動排気絞り着脱用ホルダー12の形状,差動排気絞りユニット10の形状によって決まり、予め装置の内部メモリーに登録されている。次に試料微動装置11のR軸が1回転されるとともに、Z軸方向に差動排気絞りユニット10のネジのピッチ相当分だけ上昇される。R軸の回転数がK回に達するまでこの動作を繰り返すことによって、差動排気絞りユニット10が指定された位置に取付けられる。このときのZ軸座標(Z1)およびR座標(R1)が装置の内部メモリーに記憶された後、試料微動装置11の試料搭載部が試料交換位置に戻される。このとき、試料微動装置11のR軸は回転させないので、差動排気絞りユニット10は対物レンズ9内に留まる。このように、操作者が絞り取付け位置を指定すると試料微動装置11が自動的に動作し差動排気絞りユニット10が指定位置に取付けられる。
なお、上記例はR軸を1回転単位で回転させている場合の例である。この場合Kは整数であり、R1=R0となるが、Kは整数でなくても良い。このときR1は指定された絞り取付け位置により異なった値となりR1≠R0となるがZ軸方向の位置をより細かく指定できる。
差動排気絞りユニット10の取外しのフローチャートを図7に示す。太枠内は操作画面による操作を示し、それ以外は装置の動作を示している。差動排気絞りユニット10を取外す場合、装置の操作者は試料微動装置11の試料搭載部を試料交換位置に移動させ、試料交換器18を介して絞り着脱用ホルダー12を取付ける。次に操作者は試料微動装置の操作画面上で「取外し」ボタンをクリックする。このボタンは差動排気絞りユニット10が取付けられていないときは「取付け」と表示され、取付けられているときは「取外し」と表示される。試料微動装置11は以下のように自動的に動作する。まず、試料微動装置11の試料搭載部が試料交換位置から絞り取外し開始位置(X0,Y0,Z1,R1)に移動される。Z1とR1は絞り取付け時に装置の内部メモリーに記憶された値である。次に試料微動装置11のR軸が取付け時とは逆方向に1回転されるとともに、Z軸方向に差動排気絞りユニット10のネジのピッチ相当分だけ下降される。R軸の回転数がKに達するまでこの動作を繰り返すことによって、作動排気絞りユニット10が取外される。取外された後に試料微動装置11の試料搭載部は試料交換位置に戻される。このように、差動排気絞りユニット10を自動的に取外すことができる。
本発明によれば、試料交換器を用いて差動排気絞りの交換が試料室を大気圧にすることなく可能になる。このため、通常の試料交換と同じ手順となり、交換に要する時間が10分程度となる。手順も容易となるため、ユーザで交換が可能となる。
ユーザが交換可能になることで、メンテナンスが容易にできるようになるほか、絞りの上下方向の位置も調整可能となるため、観察条件に合わせた絞りの選択,位置調整が可能となる。
なお、本発明では、操作者が絞り径の変更が可能となる。絞り径を変更した場合、試料室を低真空にできる限界値も変動する。このため、絞りの影響を受けやすい対物レンズ室の真空度をモニタし設定した値をよりも圧力が上がった場合に装置を安全に停止させることで、人為的なミスによる装置のダメージをなくすことができる。
また、本実施例では、差動排気絞りのねじ込みによる設置を行っているが、ねじだけでなく、挿入による設置も可能である。この場合、差動排気絞り着脱用ホルダー12と差動排気絞りユニット10を固定する機構が必要である。ねじ込み式では、差動排気絞りユニット10の脱落が起こらないというメリットがある。この点は、実施例2においても同様である。
本発明の差動排気絞りの着脱方法は、差動排気絞りを別のものに置き換えることにより、様々に応用が可能である。
差動排気絞りの代わりに孔の無い部品、すなわち栓を装着することもできる。この栓を用いれば、作業内容に応じて、試料室または中間室のみ大気開放が可能となる。中間室には対物レンズ絞りが設置されており、コンタミネーション付着防止のため過熱されていることもある。さらに定期的に交換も必要である。本発明を用いれば中間室のみ大気開放できるので、真空排気時間が大幅に削減される。また、据付等の目的で試料室を大気開放する場合も対物レンズ絞りが冷えるのを待たずに大気開放が可能となる。大気開放する場所が限定できるので、真空領域にゴミ等の混入も防ぐことができる。この点は、(2−1)で記載する。
差動排気絞りの代わりに試料を乗せたインレンズ用試料ホルダーを取付けることで、対物レンズ内に試料を置いてくる事が可能となる。インレンズ用試料ホルダーは、試料微動装置から離れて対物レンズ内に留まるため、試料微動装置からの振動の影響がない。さらに、インレンズ用試料ホルダーは対物レンズに固定されているので例え振動が起こったとしてもレンズの振動と試料の振動は同期するため、画像に振動が載り難くなる。この点は、(2−2)で記載する。
(2−1)差動排気絞りユニット10をOリング24と貫通穴の無い栓32を備えた栓ユニット31に置き換えることで、対物レンズ室5と試料室6に仕切りを設けることができる。
対物レンズ絞り33の交換時には中間室4と対物レンズ室5を大気開放して試料室はTMP15で真空引きが可能になる。また、試料室を大気開放する場合は、中間室4と対物レンズ室5をTMP15で真空引きしているので対物レンズ絞り33に設置されているヒータ34を停止させる必要がない。このように大気開放する室を限定できるのでヒータ34を冷ます時間や大気圧から真空引きする表面積を減らすことができるので装置が使えない時間が最小にすることができる。
栓ユニット31を取外すときのメカニズムを図10に基づいて説明する。
メカニズムは差動排気絞りユニット10の場合と同じである。しかし、栓ユニット31のねじ込み量はOリング24がカバー26のネジを切っていない面に当たるまでねじ込む必要がある。これより真空が保つことができる。
栓ユニット31の取付けのフローチャートを図11に示す。
太枠内は操作画面による操作を示し、それ以外は装置の動作を示している。栓ユニット31を取付ける場合、装置の操作者は絞り交換用ホルダー12上に栓ユニット31を取付けた後、試料微動装置11の試料搭載部を試料交換位置に移動させ、試料交換器18を介して絞り着脱用ホルダー12を取付ける。次に試料微動装置操作画面上で「取付け」ボタンをクリックする。この操作により試料微動装置11は以下のように自動的に動作する。まず、試料微動装置11の試料搭載部が試料交換位置から栓ユニット取付け開始位置に移動される。栓ユニット取付け開始位置は栓ユニット31がカバー26に接触する位置である。この位置の座標(X0,Y0,Z0,R0)は、対物レンズ位置および絞り着脱用ホルダー12の形状,栓ユニット31の形状によって決まり、予め装置の内部メモリーに登録されている。次に試料微動装置11のR軸が一定回転されるとともに、Z軸方向に栓ユニット31のネジのピッチ相当分だけ上昇される。予め指定された位置に取付けられる。
栓ユニット31の取外しのフローチャートを図12に示す。
太枠内は操作画面による操作を示し、それ以外は装置の動作を示している。栓ユニット31を取外す場合、装置の操作者は試料微動装置11の試料搭載部を試料交換位置に移動させ、試料交換器18を介して絞り着脱用ホルダー12を取付ける。次に操作者は試料微動装置の操作画面上で「取外し」ボタンをクリックする。このボタンは何らかのユニットが取付けられていないときは「取付け」と表示され、取付けられているときは「取外し」と表示される。試料微動装置11は以下のように自動的に動作する。まず、試料微動装置11の試料搭載部が試料交換位置から栓ユニット取外し開始位置に移動される。次に試料微動装置11のR軸が取付け時とは逆方向に1回転されるとともに、Z軸方向に差動排気絞りユニット10のネジのピッチ相当分だけ下降される。R軸の一定回転数になるまでこの動作を繰り返すことによって、栓ユニット31が取外される。取外された後に試料微動装置11の試料搭載部は試料交換位置に戻される。このように、栓ユニット31を自動的に取外すことができる。
このように、栓ユニット31の着脱方法は、実施例1の差動排気絞りユニット10の着脱方法と同じである。
(2−2)差動排気絞りユニット10をインレンズ用試料ホルダー36上に試料37を乗せたインレンズ用試料ホルダーユニット35に置き換えることで対物レンズ内に設置することができる。さらに対物レンズ上方に二次電子検出器38を設置することで磁場により吸い上げられた二次電子を得ることができる。
アウトレンズ形電子線装置では対物レンズ内に試料を入れればインレンズと同じ効果が得られて収差は小さくなり高分解能化が可能になるが、振動の影響による像障害の問題が出てくる。一般にアウトレンズに使用する試料微動装置は大型の試料にも対応するべく試料微動装置も大型で自重も重く振動の影響を受け易い。そのため、試料微動装置に試料を載せたまま対物レンズ内に配置すると、振動の影響を受けてしまう。そこで、本実施例のインレンズ用試料ホルダーユニット35を用いれば、試料微動装置からの振動の影響をなくすことができる。
インレンズ用試料ホルダーユニット35の取付け,取外しのフローチャートを図15,図16に示すが、試料の出し入れは差動排気絞りユニット10と同じ手順となるため省略する。WDは固定位置Zを変更することで調整が可能である。
試料微動装置11は対物レンズに装着後、インレンズ用試料ホルダーユニット35が離れるので試料微動装置11からの振動の影響をなくすことが可能である。
なお、本発明は、走査電子顕微鏡だけでなく、試料微動機構を備えた荷電粒子線装置にも用いることができる。
1 走査電子顕微鏡
2 電子銃室
3 集束レンズ室
4 中間室
5 対物レンズ室
6 試料室
7 電子源
8 集束レンズ
9 対物レンズ
10 差動排気絞りユニット
11 試料微動装置
12 差動排気絞り着脱用ホルダー
13,14 イオンポンプ
15 ターボ分子ポンプ
16,17 ロータリーポンプ
18 試料交換器
19 試料交換器バルブ
20 試料交換棒
21 絞り
22 絞りウケホルダー
23 絞り押さえホルダー
24 導電性Oリング
25 回転用マイナス溝
26 カバー
27 Oリング
28 リブ形状の突起
29 X,Y,Z軸駆動機構
30 R軸駆動機構
31 栓ユニット
32 栓
33 対物レンズ絞り
34 ヒータ
35 インレンズ用試料ホルダーユニット
36 インレンズ用試料ホルダー
37 試料
38 二次電子検出器
101〜107 弁

Claims (8)

  1. 電子線を放出する電子銃と、電子銃から放出された一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記対物レンズ下に配置される試料室と、前記試料室内に備えられた試料微動装置と、前記試料室内の真空度を制御する排気系とを備えた電子顕微鏡において、
    前記試料微動装置に、差動排気絞りを着脱する交換部材を設置し、
    前記試料微動装置による前記交換部材の駆動により差動排気絞りを前記対物レンズに対して着脱することを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 請求項1の電子顕微鏡において、
    前記試料室はバルブを介して接続した試料交換器を備え、当該試料交換室は、前記交換部材の前記試料微動装置への着脱を行う交換棒を備えることを特徴とする電子顕微鏡。
  3. 請求項1の電子顕微鏡において、
    前記試料微動装置の駆動により、前記差動排気絞りの上下方向の位置を調整することを特徴とする電子顕微鏡。
  4. 請求項1の電子顕微鏡において、穴径の異なる差動排気絞りの着脱を行うことを特徴とする電子顕微鏡。
  5. 請求項1の電子顕微鏡において、
    前記対物レンズの内側にねじが切られたカバーを備え、前記試料微動装置の回転駆動により、前記差動排気絞りの着脱を行うことを特徴とする電子顕微鏡。
  6. 電子線を放出する電子銃と、電子銃から放出された一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記対物レンズ下に配置される試料室と、前記試料室内に備えられた試料微動装置と、前記試料室内の真空度を制御する排気系とを備えた電子顕微鏡において、
    前記試料微動装置に、栓を着脱する交換部材を設置し、
    前記試料微動装置による前記交換部材の駆動により栓を前記対物レンズに対して着脱することを特徴とする電子顕微鏡。
  7. 電子線を放出する電子銃と、電子銃から放出された一次電子線を試料上に集束する対物レンズと、前記対物レンズ下に配置される試料室と、前記試料室内に備えられた試料微動装置と、前記試料室内の真空度を制御する排気系とを備えた電子顕微鏡において、
    前記試料微動装置に、試料を搭載する試料ホルダーを着脱する交換部材を設置し、
    前記試料微動装置による前記交換部材の駆動により前記試料ホルダーを前記対物レンズに対して着脱することを特徴とする電子顕微鏡。
  8. 請求項7の電子顕微鏡において、
    前記対物レンズは、アウトレンズ型対物レンズであることを特徴とする電子顕微鏡。
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