JP2010027151A - ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッドへの動力伝達機構の構造は複雑にせず、動力伝達機構におけるバックラッシュの発生を抑制でき、且つヘッドへの送り負荷が変動することを抑制でき、ヘッドの送り制御を安定して行うことができる「ディスク装置」を提供することを目的とする。
【解決手段】 ヘッドベース21とラック部材31がα1方向へ移動すると、引っ張りコイルばねの引っ張り力Fpが作用する付勢回転体52と従動回転体54の噛み合い部分におけるピッチ円形の比(Rb/Ra)が小さくなり、トルクの伝達率が低下して、ラック部材31に過大な付勢力Fxが作用するのを防止できる。その結果、ラック部材31に適度な付勢力Fxを安定して与え、バックラッシュを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータからの動力でヘッドを往復移動させる動力伝達機構を有するディスク装置に係り、特に、前記動力伝達機構のバックラッシュを抑制するばね部材の長さの変化による負荷の変動を抑制できるディスク装置に関する。
光ディスクや磁気ディスクを回転駆動して、情報の記録動作や再生動作を行うディスク装置は、モータの動力を利用してヘッドをディスクの記録面に沿って移動させている。ヘッドを移動させる動力伝達機構では、モータの動力が歯車列で減速されてピニオン歯車に与えられる。ヘッドと共に移動するラックが前記ピニオン歯車が噛み合っており、ピニオン歯車の回転力がラックに伝達されてヘッドの移動力に変換される。あるいは、モータの回転力が減速されてヘッドの移動方向に延びるスクリュー軸に与えられる。また、ヘッドには前記スクリュー軸と噛み合う係合部材が設けられ、スクリュー軸の回転力がヘッドの移動力に変換される。
通常の記録動作または再生動作では、ヘッドをディスクの記録面に沿ってゆっくり移動させることが必要であり、またシーク動作では、ヘッドを高速で移動させて目標の記録位置または再生位置へ至らせることが必要である。しかし、歯車を主体とした動力伝達機構は、歯車列内でのバックラッシュやピニオン歯車とラックとの噛み合いのバックラッシュまたはスクリュー軸と係合部材との噛み合いのバックラッシュなどが発生するのを避けることができない。前記バックラッシュが存在していると、ヘッドの送り精度が低下し、特にシーク動作においては、バックラッシュによって、ヘッドを目標の位置に停止させることができないなどの問題が生じる。
そこで、ヘッドやヘッドと一緒に移動するラックなどをばね部材で一方向へ押圧して、歯車間の噛み合い部に一方向の負荷を作用させることでバックラッシュを抑制することが考えられている。しかし、ばね部材の作用長がヘッドの位置に応じて変化するために、ヘッドやその他の移動部に作用する付勢力が変動し、ヘッドの位置に応じてモータに作用する負荷が変動する欠点がある。これに対処するためには、比較的大きな出力のモータやステッピングモータを使用することが必要となり、ディスク装置の薄型化や小型化を実現できなくなるのみならず、製造コストも高くなる。
以下の特許文献1と特許文献2に記載の発明は、ヘッドに付勢力を与えるばね部材の形状や構造を工夫することで、ヘッドに作用する付勢力の変動を抑制しようとしている。
特許文献1に記載の発明は、トーションばねの付勢力をラックに対して一時的に作用させ、その後はトーションばねの先端部をラックに摺動させることで、ラックに作用する付勢力の大きな変動を抑制しようとしている。しかし、トーションばねの先端部とラックとの摺動部に傷が発生しやすく、その結果、前記先端部とラックとの摺動負荷が不安定になって、かえって、モータの負荷に変動を与えやすい。
次に、特許文献2に記載の発明は、コイルばねを曲げて使用し、コイルばねの曲げ変形を回復しようとする弾性力を使用してヘッドおよびラックに対してその移動方向への付勢力を与えている。しかし、コイルばねを曲げて使用した場合に、曲げの復元の際にさほど大きな弾性力を発揮できない。コイルばねの曲げによってラックなどにバックラッシュを抑制できるだけの付勢力を与えようとすると、コイルばねの線径を大きくしなくてはならず、また、コイルばねを曲げて取り付ける作業も煩雑である。
次に、特許文献3に記載された発明は、ヘッドと一緒に移動するラックに引っ張りコイルばねから付勢力が与えられる。そして、ラックの歯列をその移動方向に対して斜めに形成するとともに、このラックに噛み合うピニオン歯車を、歯列のピッチ円径が螺旋状に変化する構造として、引っ張りコイルばねの付勢力によってピニオン歯車に与えられる負荷トルクが、ラックの移動位置において大きく変動するのを抑制しようとしている。
しかし、特許文献3に記載の発明は、ピニオン歯車のピッチ円が螺旋状であるため、ピッチ円径が小さい部分では、ピニオン歯車が一定角度だけ回転する際にラックと噛み合う歯の数が少なくなり、ピッチ円径が大きい部分では、同じ一定角度だけ回転する際にラックと噛み合う歯の数が大きくなる。そのため、ピニオン歯車を一定の回転数で回転させたときに、ラックに作用する移動速度が変化してしまう。そのため、モータの回転数からヘッドの移動位置を割り出すのが困難であり、ヘッドの移動位置やシーク位置の制御が非常に難しくなる。
また、ラックの歯列がラックの移動方向に対して斜めの向きであるため、ピニオン歯車が回転したときに、ラックには常に斜めの移動力が作用することになり、ラックは前記移動力の分力によって、常にガイド部に押し付けられる。そのため、ラックとガイド部との磨耗によって、ラックが移動するときの負荷が使用時間の継続によって増大する可能性がある。
特開2005―190508号公報 特開2007−200455号公報 特開2003−308666号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、モータからヘッドへ動力を伝える動力伝達機構を従来と同じ単純な構造にでき、しかも、ヘッドに対して常に安定した付勢力を与えて、動力伝達機構のバックラッシュを抑制できるディスク装置を提供することを目的としている。
本発明は、ディスクを回転駆動する回転駆動部と、前記回転駆動部に設置されたディスクの記録面に沿って移動して記録動作と再生動作の少なくとも一方を行うヘッドと、前記ヘッドを移動させるためのモータと、前記モータの駆動力を前記ヘッドに伝達する動力伝達機構とを有するディスク装置において、
前記ヘッドに付勢力を与えて前記動力伝達機構のバックラッシュを抑制する付勢機構が、前記動力伝達機構とは別に設けられており、
前記付勢機構は、ばねによってトルクが与えられる付勢回転体と、前記付勢回転体からトルクが与えられる従動回転体と、前記従動回転体のトルクを前記ヘッドの移動方向に沿う付勢力に変換する運動変換部とを有しており、
前記付勢回転体の外周部と前記従動回転体の外周部には互いに噛み合う歯列が形成され、前記ばねから前記付勢回転体に与えられるトルクが大きくなるにしたがって、前記歯列の噛み合い部における(従動回転体のピッチ円径)/(付勢回転体のピッチ円径)の比が小さくなるように、前記付勢回転体の前記歯列のピッチ円と前記従動回転体の前記歯列のピッチ円が共に非真円形状とされていることを特徴とするものである。
本発明は、付勢機構からヘッドまたはヘッドとともに移動するラックなどの移動部材に対して付勢力が与えられるが、この付勢機構内にばねと付勢回転体と従動回転体とが設けられ、従動回転体から運動変換部への出力部において、既にばねの作用長の変化に対応する付勢力の変動が修正されている。そのため、ヘッドがどの位置であっても、付勢機構からヘッドに対して変動の少ない付勢力を与えることができ、この付勢力によってバックラッシュを抑制できる。また、動力伝達機構には、バックラッシュを吸収するためのばね部材が設けられていないため、動力伝達機構は、通常のラックとピニオン歯車を使用した送り機構やスクリュー軸と係合部材を使用した送り機構を採用することができる。
本発明は、例えば、前記運動変換部は、前記従動回転体の回転力によって回動させられる付勢アームと、前記ヘッドまたは前記ヘッドと共に移動する部材と前記付勢アームとを連結する連結部とで構成されているものである。
本発明は、付勢回転体と付勢アームとが固定されて、付勢回転体と付勢アームとが一体に回動する構造であってもよいし、または付勢回転体の回転力が他の歯車に伝達され、他の歯車から付勢アームに回動力が伝達されるものであってもよい。
本発明は、前記付勢アームの回動支点と前記連結部とを結ぶ線を連結線とし、前記回動支点と前記連結部との距離を作用アーム長としたときに、
前記連結線と前記ヘッドの移動方向とが成す角度が90度のときに、前記作用アーム長が短く、前記角度が90度よりも小さくなるにしたがってまたは90度よりも大きくなるにしたがって、前記作用アーム長が長くなっており、
前記作用アーム長および前記角度の変動により生じる前記作用アームから前記ヘッドに与えられる前記付勢力の伝達効率の変化を打ち消すことができるように、前記(従動回転体のピッチ円径)/(付勢回転体のピッチ円径)の比が決められているものとして構成できる。
上記本発明は、付勢アームからヘッドまたはヘッドと共に移動するラックなどに対して付勢力が与えられる際に、付勢アームの回動支点から連結部までの距離が変動し、この距離の変動に応じて、付勢アームからヘッドに与えられる付勢力の分力の大きさが変化する。この場合に、前記付勢アームの回動位置の変化による前記付勢力の変動が相殺されるように、前記(従動回転体のピッチ円径)/(付勢回転体のピッチ円径)の比が決められているため、ヘッドの移動範囲の全域において変動の少ない付勢力を作用させやすくなる。
本発明は、前記動力伝達機構は、前記ヘッドと一緒に移動するラックと、前記ラックに噛み合ってモータの力で駆動されるピニオン歯車とを有しており、前記付勢力によって、前記ラックと前記ピニオン歯車との噛み合いのバックラッシュが抑制されるものである。
ただし、前記動力伝達機構は、ヘッドの移動方向に沿って延びるスクリュー軸にモータの回転力が与えられ、ヘッドに前記スクリュー軸のねじ溝に係合する係合部材が設けられているものであってもよい。
本発明のディスク装置は、付勢機構からヘッドに対して常に適正な大きさの付勢力を与えて、動力伝達機構のバックラッシュを抑制することができる。しかも、付勢機構を動力伝達機構とは別の機構として独立して設けることにより、動力伝達機構を、バックラッシュ抑制用のばねを含まないシンプルな構造にできる。
図1は、本発明の実施の形態のディスク装置を、ドライブシャーシの裏面から見た底面図であり、ヘッドがその移動範囲のほぼ中間点に位置している状態を示している。図2ないし図4は、ディスク装置をドライブシャーシの裏面から見た部分拡大底面図であり、図2はヘッドがディスクの外周側(α1側)の移動終端に至った状態、図3は、図1と同様にヘッドがその移動範囲のほぼ中間点に位置している状態、図4は、ヘッドがディスクの内周側(α2側)の移動終端に至った状態をそれぞれ示している。
図1には、ディスク装置1の筐体の内部に設けられたドライブシャーシ10が裏面10cを手前に向けて示されている。ドライブシャーシ10は金属板を使用したプレス加工工程、または軽金属材料を使用したダイキャスト成型工程などで形成されている。
ドライブシャーシ10には回転駆動部13が設けられている。回転駆動部13は、ドライブシャーシ10に固定されたスピンドルモータ14を有している。スピンドルモータ14の回転軸はドライブシャーシ10の表面側へ突出しており、この回転軸にターンテーブルが固定されている。CDやDVDなどの光記録方式のディスクは、その中心穴が前記ターンテーブルに設置され、ターンテーブルとクランパとでディスクの中心部が挟まれてクランプされる。
ドライブシャーシ10には、回転駆動部13の側方に大きな開口部10eが形成されており、開口部10eの内部に、ヘッド20がα1−α2方向へ移動自在に設けられている。α1側は、ターンテーブルに装着されるディスクの外周側であり、α2側は、前記ディスクの内周側である。
ヘッド20は、アルミニウム合金などの軽金属材料で形成されたヘッドベース21を有している。ヘッドベース21の一方の側部に一対の基準軸受部21aと基準軸受部21bが一体に形成されており、基準軸受部21aと基準軸受部21bに、円形の基準摺動穴が同一線上に形成されている。ヘッドベース21の他方の側部に案内突部21cが形成されており、案内突部21cにU字状に開口する摺動凹部が形成されている。
ヘッドベース21の図1と逆側に向く表側には対物レンズが設けられており、ヘッドベース21の内部に設けられた半導体レーザなどの発光素子から発せられた光が前記対物レンズにより集光されてディスクの記録面に照射される。ディスクの記録面から反射された反射光はヘッドベース21内の受光素子で検知されて、ディスクに記録されている情報が再生される。あるいは、ヘッド20はディスクに対して情報を記録する記録動作が可能なものであってもよい。
ドライブシャーシ10に形成された開口部10eの一方の側部に、基準案内シャフト22が設けられ、他方の側部に摺動案内シャフト23が設けられている。基準案内シャフト22は、α1側の端部が保持部材24で保持され、α2側の端部が保持部材25で保持されており、保持部材24と保持部材25は、ドライブシャーシ10の裏面10cに固定されている。摺動案内シャフト23は、α1側の端部が、裏面10cに固定された保持部材26に保持され、α2側の端部が裏面10cに固定された保持部材27に保持されている。基準案内シャフト22と摺動案内シャフト23は、互いに平行に延びている。
ヘッドベース21の基準軸受部21aと基準軸受部21bに形成された基準摺動穴が、基準案内シャフト22にほとんど隙間なく摺動できるように挿通され、ヘッドベース21の案内突部21cに開口するU字状の摺動凹部が摺動案内シャフト23に摺動自在に挿通されている。ヘッド20は基準案内シャフト22を移動基準としてα1−α2方向へ案内される。
ドライブシャーシ10には、その裏面10cに固定されたモータMの動力をヘッド20の移動力として伝達する動力伝達機構30が設けられている。動力伝達機構30には、ヘッド20と一緒に移動するラック部材31が設けられている。ラック部材31には一対の軸受部31a,31bが一体に形成されており、それぞれの軸受部31a,31bに開口する摺動穴が基準案内シャフト22に摺動自在に挿通されている。また、前記軸受部31aから延びる固定部31cが、ヘッドベース21の下面に固定されており、ラック部材31は、ヘッド20と一緒に基準案内シャフト22を基準としてα1−α2方向へ移動する。
図1では、ヘッド20およびラック部材31が、そのα1−α2方向への移動範囲のほぼ中間点に位置している。ヘッドベース21の一方の基準軸受部21aが、保持部材24に当たる位置が、ヘッド20およびラック部材31のα1方向への移動終端であり、ラック部材31の軸受部31bが保持部材25に当たる位置が、ヘッド20およびラック部材31のα2方向への移動終端である。
前記ラック部材31には直線状に配列する歯列32が形成されている。この歯列32の歯の並び方向は、基準案内シャフト22の軸中心線と平行である。
動力伝達機構30には減速歯車列が設けられている。減速歯車列は、モータMの出力軸33に固定されたウオーム歯車34を有している。ウオーム歯車34は、ウオームホイール35と噛み合っている。ウオームホイール35は、ドライブシャーシ10に固定された支持軸36に回転自在に支持されている。ウオームホイール35には、それよりもピッチ円径の小さい平歯車が一体に形成されている。ドライブシャーシ10に固定された支持軸41には、大径歯車38と小径のピニオン歯車39とが一体とされた二段ギヤが回転自在に支持されている。大径歯車38は、ウオームホイール35と一体の前記平歯車と噛み合っており、ピニオン歯車39は、ラック部材31の歯列32と常に噛み合っている。
モータMの回転力は前記減速歯車列により減速されてピニオン歯車39に伝達され、このピニオン歯車39の回転力がラック部材31に伝達されて、ラック部材31とヘッド20がα1−α2方向へ移動させられる。
ドライブシャーシ10の裏面10cには、動力伝達機構30とは別個に付勢機構50が設けられている。
図1および図2ないし図4に示すように、付勢機構50は、ドライブシャーシ10に固定された支持軸51に回転自在に支持されている付勢回転体52と、ドライブシャーシ10に固定された支持軸53に回転自在に支持されている従動回転体54とを有している。付勢回転体52の外周部には歯列55が形成され、従動回転体54の外周部には歯列56が形成されている。歯列55と歯列56は同じモジュールの歯を有しており、歯列55と歯列56は噛み合っている。
付勢回転体52には、ピン形状のばね掛け部52aが設けられ、ドライブシャーシ10の裏面10cにもピン形状のばね掛け部10dが設けられ、ばね掛け部52aとばね掛け部10dとの間に、ばね部材として引っ張りコイルばね57が掛けられている。この引っ張りコイルばね57によって、付勢回転体52に時計方向への付勢トルクTaが作用している。また前記付勢トルクTaによって、従動回転体54に反時計方向のトルクTbが作用している。
従動回転体54には付勢アーム58が固定されており、付勢アーム58は、従動回転体54の回転中心である支持軸53を回動支点として、従動回転体54と一緒に回動する。
付勢アーム58の先部に長穴58aが開口しており、前記ラック部材31に固定された連結突起59が長穴58aに摺動自在に挿入されている。前記付勢アーム58および付勢アーム58に形成された長穴58aと、前記連結突起59とによって、従動回転体54のトルクを、ヘッド20およびラック部材31の移動方向に沿う付勢力Fxに変換するための運動変換部が構成されている。
図2ないし図4では、引っ張りコイルばね57から付勢回転体52に作用する引っ張り力をFpで示している。前記引っ張り力Fpによって付勢回転体52に時計回りの付勢トルクTaが作用し、前記付勢トルクTaによって従動回転体54に反時計回りのトルクTbが作用している。
引っ張りコイルばね57の作用長は、図2に示すように、ヘッド20がα1側の移動終端に至っているときが最も長く、図3に示すように、ヘッド20の移動位置が中間位置のときに図2よりも短くなり、図4に示すように、ヘッド20がα2側の移動終端に至っているときが最も短くなる。よって、引っ張り力Fpは、図2のときが最大であり、図4のときが最小であり、付勢トルクTaは、図2のときが最大であり、図4のときが最小である。図2、図3、図4では、付勢回転体52の回転中心から引っ張り力Fpのベクトルに延びる垂直線の長さrの変動量がわずかであるため、付勢回転体52に作用する付勢トルクTaは、図2、図3、図4の順でほぼ一次関数的に小さくなる。
図2ないし図4では、付勢回転体52の歯列55のピッチ円をP1で示し、従動回転体54の歯列56のピッチ円をP2で示している。ピッチ円P1,P2は、それぞれの歯列55,56の歯先の軌跡と歯元の軌跡の中間を通る線である。
付勢回転体52のピッチ円P1と従動回転体54のピッチ円P2は、共に真円形状ではなく、その噛み合いの場所によって曲率半径が相違する。図2ないし図4のそれぞれでは、付勢回転体52の歯列55と従動回転体54の歯列56とが互いに噛み合っている部分における、付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径をRaで示し、従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径をRbで示している。図2ないし図4に示すように、付勢回転体52と従動回転体54との噛み合い部が移動するにしたがって、前記曲率半径RaとRbが変化する。
図2に示すように、ヘッド20がα1側(ターンテーブルに設置されているディスクの外周側)の移動終端に位置しているとき、付勢アーム58および従動回転体54が時計方向へ回動させられ、付勢回転体52が反時計方向へ最も大きく回動させられる。よって、引っ張りコイルばね57の引っ張り力Fpによって付勢回転体52に与えられる付勢トルクTaが最大になる。このとき、付勢回転体52と従動回転体54との噛み合い部における(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比が最小になる。そのため、付勢回転体52から従動回転体54へのトルクの伝達率が低下して、従動回転体54に作用するトルクTbが極端に増大するのを防止できる。
図3に示すように、ヘッド20がその移動範囲のほぼ中間点に至ると、引っ張りコイルばね57の作用長が短くなり引っ張り力Fpが小さくなるため、付勢回転体52に作用する付勢トルクTaが低下する。このとき、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比が少し大きくなり、引っ張り力Fpが低下しても従動回転体54に作用するトルクTbの低下が抑制される。
また、図4に示すように、ヘッド20がα2側(ターンテーブルに設置されているディスクの内周側)の移動終端に移動すると、引っ張り力Fpが小さくなり、付勢回転体52に作用する付勢トルクTaが最小になる。ただし、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比が最大になり、付勢回転体52から従動回転体54へのトルクの伝達率が高くなるため、従動回転体54に作用するトルクTbが極端に低下するのを防止できる。
このようには、ヘッド20とラック部材31が移動して、付勢回転体52に作用する付勢トルクTaの大きさが変動すると、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比が前記変動を打ち消すように変化する。
すなわち、図4、図3、図2の順で、付勢回転体52に作用する付勢トルクTaが徐々に大きくなったときに、これに対応して、付勢回転体52から従動回転体54へのトルクの伝達比(Tb/Ta)が徐々に小さくなる。よって、引っ張りコイルばね57の作用長が伸びて引っ張り力Fpが大きくなっても、ラック部材31に作用する付勢力Fxが極端に増大するのを防止でき、モータMへの負荷が増大するのを抑制できる。
次に、図2ないし図3に示すように、付勢アーム58の回動支点である支持軸53の中心と、ラック部材31と付勢アーム58との連結部である連結突起59の中心とを結ぶ線を連結線Loとし、支持軸53の中心と連結突起59の中心との距離を作用アーム長Lxとすると、作用アーム長Lxは、図3において最も短くなり、図2と図4において、作用アーム長Lxは長くなる。
図3では、ヘッド20がその移動範囲のほぼ半分の位置にあるため、付勢アーム58からラック部材31に与えられる移動方向(α2方向)への付勢力Fxと、前記連結線Loとがほぼ直角である。
図2から図3までの間の付勢アーム58の回動角度と図3から図4までの間の付勢アーム58の回動角度がほぼ同じθである。よって、図2における作用アーム長Lxと図4における作用アーム長Lxはほぼ等しい。
図2では、ラック部材31の移動方向に作用する付勢力Fxと連結線Loとの成す角度β1が90度よりも小さく、図4では、付勢力Fxと連結線Loとの成す角度β2が90度よりも大きい。図2では、Fx=Fa・cosθであり、図4ではFx=Fb・cosθである。FaとFbは、共に連結線Loと直交する方向へ作用する付勢力である。
前記作用アーム長Lxの変動と、付勢力Fxと連結線Loとの成す角度の変動により、図3では付勢アーム58のトルクにより、ラック部材31に対して大きな付勢力Fxが作用し、図2と図4では、付勢アーム58のトルクによりラック部材31に作用する付勢力Fxが低減する。
そこで、付勢機構50では、作用アーム長Lxの変動と前記角度の変動を加味して、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比が設定されて、ヘッド20とラック部材31がどの位置にあっても、ラック部材31に対してα2方向へ作用する付勢力Fxの変動を小さくできるようにしている。
まず、ヘッド20およびラック部材31が、図2と図3との間で移動するときは、図2に示すように、引っ張りコイルばね57の作用長が伸びて付勢回転体52の付勢トルクTaが大きくなるにしたがって、作用アーム長Lxが長くなり、且つ付勢力Fxと連結線Loとの成す角度β1が小さくなって、付勢アーム58からラック部材31に与えられるα2方向への力の伝達効率が低下する。したがって、図2から図3範囲では、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比をさほど大きく変化させなくても、付勢トルクTaの変化に起因する付勢力Fxの変動を抑制できる。したがって、図2と図3の移動範囲では、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比の変動幅はわずかであり、あるいは前記比を一定にすることも可能である。
これに対し、ヘッド20およびラック部材31が、図3と図4との間で移動するときは、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比の変動幅を、図2と図3との範囲での前記比の変動幅よりも大きくしている。
ヘッド20およびラック部材31が、図3の位置からα2方向へ移動して図4の位置に至る範囲では、引っ張りコイルばね57の作用長が短くなり、引っ張り力Fpが小さくなって付勢回転体52に作用する付勢トルクTaが小さくなる。一方、付勢アーム58の作用アーム長Lxが徐々に長くなり、且つα2方向への付勢力Fxと連結線Loとの角度β2も徐々に大きくなるため、付勢アーム58からラック部材31に与えられるα2方向の力の伝達効率も、図4に向かうにしたがって徐々に低下する。
そこで、付勢機構50では、図3から図4に向かうにしたがって、(従動回転体54のピッチ円P2の曲率半径Rb)/(付勢回転体52のピッチ円P1の曲率半径Ra)の比を大きくして行き、しかもその変動幅を大きくできるように、ピッチ円P1,P2を設定している。
これにより、図3から図4に向かうにしたがって引っ張りコイルばね57の作用長が短くなり、引っ張り力Fpが小さくなって付勢回転体52の付勢トルクTaが低下し、さらに付勢アーム58からラック部材31に作用する力の伝達効率が低下しても、付勢回転体52から従動回転体54に伝達されるトルクの比(Tb/Ta)を大きくしていくことで、ラック部材31に作用する付勢力Fxが極端に低下するのを防止している。
以上の付勢機構50の動作により、図2から図4の前移動範囲で、ラック部材31に均一な付勢力Fxが作用し、この付勢力Fxによって、ラック部材31とピニオン歯車39との噛み合いのバックラッシュや、動力伝達機構30の歯車間のバックラッシュを適度に抑制でき、しかもモータMに作用する負荷が大きく変動するのを防止できる。
なお、付勢アーム58と連結される連結突起59は、ラック部材31ではなくヘッドベース21に設けられていてもよい。また、ばね部材は引っ張りコイルばね57に限られるものではなく、支持軸53の外周に装着されたトーションばねなどであってもよい。
本発明の実施の形態のディスク装置の一部を示す底面図である。 ディスク装置の一部を拡大した拡大底面図であり、ヘッドがディスクの外周側へ移動した状態を示す。 ディスク装置の一部を拡大した拡大底面図であり、ヘッドが中間位置に移動した状態を示す。 ディスク装置の一部を拡大した拡大底面図であり、ヘッドがディスクの内周側へ移動した状態を示す。
符号の説明
1 ディスク装置
10 ドライブシャーシ
13 回転駆動部
14 スピンドルモータ
20 ヘッド
21 ヘッドベース
22 基準案内シャフト
23 摺動案内シャフト
30 動力伝達機構
31 ラック部材
39 ピニオン歯車
50 付勢機構
52 付勢回転体
53 支持軸53
54 従動回転体
57 引っ張りコイルばね
58 付勢アーム
59 連結突起
P1 付勢回転体のピッチ円
P2 従動回転体のピッチ円

Claims (4)

  1. ディスクを回転駆動する回転駆動部と、前記回転駆動部に設置されたディスクの記録面に沿って移動して記録動作と再生動作の少なくとも一方を行うヘッドと、前記ヘッドを移動させるためのモータと、前記モータの駆動力を前記ヘッドに伝達する動力伝達機構とを有するディスク装置において、
    前記ヘッドに付勢力を与えて前記動力伝達機構のバックラッシュを抑制する付勢機構が、前記動力伝達機構とは別に設けられており、
    前記付勢機構は、ばねによってトルクが与えられる付勢回転体と、前記付勢回転体からトルクが与えられる従動回転体と、前記従動回転体のトルクを前記ヘッドの移動方向に沿う付勢力に変換する運動変換部とを有しており、
    前記付勢回転体の外周部と前記従動回転体の外周部には互いに噛み合う歯列が形成され、前記ばねから前記付勢回転体に与えられるトルクが大きくなるにしたがって、前記歯列の噛み合い部における(従動回転体のピッチ円径)/(付勢回転体のピッチ円径)の比が小さくなるように、前記付勢回転体の前記歯列のピッチ円と前記従動回転体の前記歯列のピッチ円が共に非真円形状とされていることを特徴とするディスク装置。
  2. 前記運動変換部は、前記従動回転体の回転力によって回動させられる付勢アームと、前記ヘッドまたは前記ヘッドと共に移動する部材と前記付勢アームとを連結する連結部とで構成されている請求項1記載のディスク装置。
  3. 前記付勢アームの回動支点と前記連結部とを結ぶ線を連結線とし、前記回動支点と前記連結部との距離を作用アーム長としたときに、
    前記連結線と前記ヘッドの移動方向とが成す角度が90度のときに、前記作用アーム長が短く、前記角度が90度よりも小さくなるにしたがってまたは90度よりも大きくなるにしたがって、前記作用アーム長が長くなっており、
    前記作用アーム長および前記角度の変動により生じる前記作用アームから前記ヘッドに与えられる前記付勢力の伝達効率の変化を打ち消すことができるように、前記(従動回転体のピッチ円径)/(付勢回転体のピッチ円径)の比が決められている請求項2記載のディスク装置。
  4. 前記動力伝達機構は、前記ヘッドと一緒に移動するラックと、前記ラックに噛み合ってモータの力で駆動されるピニオン歯車とを有しており、前記付勢力によって、前記ラックと前記ピニオン歯車との噛み合いのバックラッシュが抑制される請求項1ないし3のいずれかに記載のディスク装置。
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