JP2010025151A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Hitoshi Fukuda
均 福田
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Abstract

【課題】一対の防振ブッシュ2によって重錘3を弾性支持してなるダイナミックダンパDにおいて、振動入力方向である上下方向のばね特性を柔らかなものとしながら、ブッシュ軸心x周りの剛性は確保しやすくして、重錘3の首振りを抑制する。
【解決手段】防振ブッシュ2は、内筒部材5及び外筒部材6とそれらを連結するゴム弾性体7とからなり、その主ばね部として、ブッシュ軸心x方向に見ると、内外筒部材5,6間で上下方向線Vに対し線対称状に延びる二対の脚部70,…,71,…を備えている。ブッシュ軸心x方向に見て1G状態では、上側の脚部70が略水平に延びる一方、下側の脚部71は水平方向からやや下向きに傾斜して延びている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、制振対象物に付加してその振動を抑えるためのダイナミックダンパに関し、特に、質量体を弾性支持するために防振ブッシュを用いるものに係る。
従来より自動車においては種々の振動を効果的に低減すべくダイナミックダンパが用いられており、例えばエンジンマウントやサスペンションメンバ或いはステアリングホイールへの適用例が知られている。また、オープンカーのように車体全体の曲げ剛性を確保し難い自動車では、フレームの前端部或いは後端部にダイナミックダンパを配置することもある。
例えば特許文献1に記載のダイナミックダンパは、自動車のトランクルームのコーナー部に設置するものであり、一対の防振ブッシュを互いの軸心が一致するように並べてそれらの中間に質量体を配置し、防振ブッシュの内筒に挿通したボルトを該質量体に螺着してなる。
また、特許文献2のものでは質量体に形成した貫通孔に防振ブッシュの外筒を圧入し、内筒をボルトによって制振対象物に取り付けるようにしている。このものでは、内外筒を繋ぐゴム弾性体にすぐり部を設けて、防振ブッシュの軸心と直交する方向のうち所定方向の剛性を低下させるようにしている。これにより、共振周波数を低めにチューニングして、車体振動を適正に減衰させることができる。
特開2004−239401号公報 特開2006−194266号公報
ところが、前記従来例(特許文献1,2)のように防振ブッシュを用いて質量体を弾性支持する構造では、そのブッシュの軸心周りに質量体が揺動しやすく(以下、首振りともいう)、このような望ましくない運動によって本来の振動低減作用が損なわれる虞れがある。
特に、自動車の車体全体の曲げ振動を効果的に抑えようとすれば、質量体はかなり大きなものになってしまい、それを配置スペースの制約が大きいエンジンルーム内に設ける場合には異形状とせざるを得ないから、首振りによる悪影響が大きくなりやすい上に、首振りによって周囲の部品との干渉の問題も生じる。
斯かる不具合に対して単に防振ブッシュの主ばねの剛性を高くした場合は、質量体の首振りを抑えることはできるとしても、同時に振動入力方向の動ばねが高くなってしまい、比較的低い周波数帯にピークを有する車体全体の曲げ振動を効果的に抑えることはできなくなる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、質量体を一対の防振ブッシュによって弾性支持してなるダイナミックダンパにおいて、その防振ブッシュの主ばね部の構造に工夫を凝らし、振動入力方向のばね特性を十分に柔らかなものとしながらブッシュの軸心周りの剛性は確保して、首振りを抑制することにある。
前記の目的を達成するための本願請求項1の発明は、制振対象物に一対の防振ブッシュを、互いの軸心が一致するように並設して、これにより質量体を弾性支持してなるダイナミックダンパが対象である。そして、前記防振ブッシュが、内筒部材と、その外周から離間した外包部材と、それらを連結するゴム弾性体とからなり、このゴム弾性体の主ばね部は、防振ブッシュの軸心方向に見て、前記内筒部材から所定の振動入力方向に対し線対称状に対を成して延びる複数対の脚部を有するものとする。
前記のようなダイナミックダンパは制振対象物への付加振動系を構成し、その共振周波数付近の振動が入力すると、この振動の入力方向に質量体が大きく振動することによって制振対象物の振動を減殺する。そうして質量体を振動入力方向に大きく振動させるために前記の構成では、質量体を弾性支持する防振ブッシュにおいてゴム弾性体の主ばね部を、振動入力方向に対し線対称状の複数対の脚部を有するものとしている。
すなわち、前記線対称状の複数対の脚部をそれぞれ振動入力方向から比較的大きく傾斜させることで、即ち少なくとも45°以上、好ましくは60°以上、傾斜させることで、防振ブッシュのばね特性を振動入力方向には比較的柔らかなものとなり、低い周波数帯にチューニングしやすくなる。しかも、そうして振動入力方向には柔らかなばね特性を実現しながらも、脚部が複数対あれば軸心周りの剛性は確保しやすく、所謂首振りを効果的に抑えることが可能になる。
そのように制振対象物に合わせて共振周波数をチューニングすることは、ダイナミックダンパにおいて極めて重要であり、そのためにばね特性(動ばね)の管理が厳しく要求されるものであるが、一般的な防振ブッシュではゴムの硬度や主ばね部の形状のばらつきが比較的大きく、荷重支持方向のばね特性が10%以上ばらつくことも多い。
そこで、好ましいのは、ゴム弾性体の主ばね部を、振動入力方向に対しそれぞれ線対称状となる二対の脚部を有するものとし、そのうちの少なくとも一対の脚部は、質量体の静荷重を受ける状態で防振ブッシュの軸心方向に見ると、振動入力方向に略直交して延びるように設けることである(請求項2)。こうして脚部が振動入力方向に略直交して延びる場合は、その形状のばらつきによる振動入力方向のばね特性のばらつきが極小化されるので、ダイナミックダンパのばね特性のばらつきを小さくする上で有利になる。
より好ましいのは前記主ばね部の二対の脚部をいずれも振動入力方向に略直交して延びるようにし、互いに離間させて略平行に設けることである(請求項3)。尚、主ばね部として三対以上の脚部を設けることも考えられるが、個々の脚部の耐久性も考慮して適度な太さに設定しようととすれば、二対の脚部とするのが適当である。
また、前記主ばね部の二対の脚部を、内筒部材における振動入力方向の両端部にそれぞれ対応して設けてもよく(請求項4)、こうすれば、振動入力方向の動ばねを高くすることなく、ブッシュ軸心周りの剛性を高くしやすい。その場合に、内筒部材をその軸心方向に見て振動入力方向に長い扁平形状のものとすれば、より効果が高い(請求項6)。
ところで、上述したように、本発明のダイナミックダンパによれば、一対の防振ブッシュより弾性支持した質量体のブッシュ軸心周りの揺動による首振り運動を効果的に抑制できるものであるが、これ以外にも、例えばブッシュ軸心方向の抉り(こじり)によって、質量体が首振り運動をする場合がある。
これに対し、前記一対の防振ブッシュを、中間に前記質量体を挟んで互いに軸心方向に離間させて設ける場合に、それら各防振ブッシュの主ばね部を各々前記軸心方向について質量体から離れるよう偏位させるようにすれば(請求項5)、前記のようなブッシュ軸心方向の抉りによる質量体の首振りも抑制することができる。
以上、説明したように本発明に係るダイナミックダンパによると、一対の防振ブッシュによって質量体を弾性支持する場合に、そのブッシュの軸心方向に見てゴム弾性体の主ばね部には、振動入力方向に対し線対称状の複数対の脚部を備えることで、振動入力方向のばね特性を柔らかなものとしながら、軸心周りの剛性を十分に確保することができ、質量体の首振りを抑制してそれによる悪影響を軽減しつつ、周囲との干渉の問題も未然に防止することができる。
特に、前記線対称状の脚部を振動入力方向に略直交するように設ければ、その形状のばらつきによる主ばねの特性ばらつきを極小化でき、ダイナミックダンパのチューニングに有利になる。
また、一対の防振ブッシュの中間に質量体を配置する場合は、各防振ブッシュの主ばね部を各々質量体から離れるよう偏位させることで、ブッシュ軸心方向の抉りによる首振りも抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1、2は本発明に係るダイナミックダンパDの一実施形態を示し、このダイナミックダンパDは、図示しない自動車のフロントサイドフレームF(仮想線で示す)の前端付近に取り付けられて、このフレームFを含めた自動車の車体全体(制振対象物)の曲げ振動を低減するためのものである。図の例では鉄板のプレス成型品である馬蹄状のベース板1の上半部がフレームFの内側面に重ね合わされて締結される一方、二股に分かれたベース板1の下半部1a,1aには各々防振ブッシュ2,2が取り付けられて、その間に重錘(質量体)3を吊り下げている。
図2ににも示すように、ベース板1の下半部1aの下側は防振ブッシュ2の外周に沿うように緩やかに湾曲した円弧状に形成され、その下半部1aの上側には、鉄板を折り曲げてなる断面コ字状のブラケット4の側縁部が溶接されている。このブラケット4の下縁部も防振ブッシュ2の外周に沿うような円弧状とされていて、前記ベース板1の下半部1aの下側部分と共に防振ブッシュ2を保持している。すなわち、防振ブッシュ2は、前記ベース板1の下半部1aの下側部分とブラケット4の下縁部とに外周面を溶接されている。
前記防振ブッシュ2は、図3にも示すように、内筒部材5とその外周を離間して囲む外筒部材6(外包部材)と、それらを連結するゴム弾性体7とからなる。内筒部材5及び外筒部材6は例えばアルミや鉄の合金製で円筒状をなし、同図(a)に示すように、単体では内筒部材5が相対的に上側に位置するよう偏心していて、重錘3の静荷重を受ける1G状態(図2を参照)ではゴム弾性体7の撓みにより内筒部材5の軸心xが外筒部材6の軸心と概ね一致するようになっている(以下、ブッシュ軸心xともいう)。
前記のようにベース板1の下半部1a,1aに各々取り付けられた状態で一対の防振ブッシュ2,2の軸心xは略一致しており、間に重錘3を挟んで一対の防振ブッシュ2,2が軸心x方向に離間して並んでいる。この重錘3は、自動車の車体全体の曲げ振動を抑えるためにかなり大きな質量を有し、配置スペースの制約が大きいエンジンルーム内に設けることから、周囲との干渉を避けるように異形状とされているが、その重心に対応してボルト孔(図示せず)が形成されており、各防振ブッシュ2の内筒部材5に挿通されたボルト8が螺入されている。
尚、図1〜3において符号9は、外筒部材6の内周面における上下両側にそれぞれ設けられたストッパゴム層であり、これはゴム弾性体7と一緒に加硫成形されたもので、内外筒5,6の上下方向の相対変位を或る範囲内に規制するようになっている。
本願発明の特徴部分として、前記図2、3に示すようにブッシュ軸心x方向に見ると、防振ブッシュ2のゴム弾性体7は、内筒部材5及び外筒部材6を連結する主ばね部として、図の上下方向(振動入力方向であり、図3(a)に仮想線Vで示す)に対しそれぞれ線対称状に延びる二対の脚部70,…,71,…を有している。これらの脚部70,…,71,…は、図3(b)に示すようにブッシュ軸心x方向には概ね内筒部材5の中央部位に設けられており、内外筒部材5,6にそれぞれ接着される拡径端以外は比較的細めに形成されて、上下方向に柔らかな動ばねを示すものである。
そうして上下方向に柔らかな動ばねを示すゴム弾性体7、即ち防振ブッシュ2,2によって大きな質量の重錘3を弾性支持することにより、この実施形態のダイナミックダンパDは、例えば10〜20Hzという低い周波数帯に共振点が現れるようになり、自動車の車体全体の曲げ振動のピークに合わせて適切にチューニングすることができる。
一方で、そうして脚部70,…,71,…をあまり太くせず、上下方向に柔らかなばねを実現した場合、内外筒部材5,6はブッシュ軸心xの周りに相互に回動しやすくなり、重錘3がブッシュ軸心xの周りに所謂首振り運動をしやすくなる。これは、ダイナミックダンパDにとっては望ましくない動作であり、本来の振動低減作用が損なわれることになるばかりか、そうして首を振る重錘3がエンジンルーム内の他の部品と干渉する虞れもある。
これに対しこの実施形態では、前記したようにブッシュ軸心x方向に見て(図2、3参照)、上下の方向線Vに対し各々線対称な二対の脚部70,…,71,…がそれぞれ上下方向よりは水平方向に近い角度範囲において延びており、上下方向については柔らかなばねを実現しやすい一方で、上側の脚部70,70と下側の脚部71,71とが、それぞれ内外筒部材5,6の相対回動変位を規制することで、ブッシュ軸心x周りの剛性は確保しやすいものである。
特に上側で対を成す脚部70,70は、図2のように重錘3の静荷重を受ける1G状態では略水平に、即ち振動入力方向である上下方向に対し略直交して延びているから、例えばゴムを硬めにして軸心x周りの剛性を確保しても、上下方向のばね特性は柔らかく維持することができる。しかも、そうして振動入力方向に略直交する脚部70,70においては、その形状が多少、ばらついていても、そのことによる上下方向のばね特性のばらつきは抑えることができる。
すなわち一般にダイナミックダンパにおいてその効果を十分に発揮させるために、前記の如く共振周波数をチューニングすることが極めて重要であり、そのためには防振ブッシュ2のばね特性(動ばね)の管理が厳しく要求されるが、前記上側の脚部70,70のように振動入力方向に略直交して延びている場合は、その形状のばらつきによる振動入力方向のばね特性のばらつきが極小化されるからである。
一方、下側で対を成す脚部71,71は、図2のように1G状態でブッシュ軸心x方向に見て、水平方向から下向きに概略10〜15°くらい傾斜して斜めに延びており、こうして少しだけ傾斜させることによって重錘3の静荷重を受け止めやすくなるとともに、ゴムの変形が局部的に大きくなることも抑制して、耐久性を確保しやすいというメリットがある。
したがって、この実施形態1に係るダイナミックダンパDによると、それを自動車のフロントサイドフレームFの前端付近に取り付けることによって、車体全体の曲げ共振による比較的大きな上下振動が生じても、これを受けて重錘3が上下に振動することによって振動を効果的に減殺するようになる。この共振の周波数は約10〜20Hzくらいの低周波帯にピークを持つものであり、この実施形態のように大重量の重錘3を柔らかなばね特性の防振ブッシュ2で支持することで、共振周波数に合わせた適切なチューニングが可能になる。
しかも、この実施形態では前記防振ブッシュ2のゴム弾性体7に主ばね部として上下二対の脚部70,…,71,…を設け、それらを互いに上下に離間させるとともに、振動入力方向である上下方向からは比較的大きく傾斜して延びるようにしたので、ブッシュ軸心x周りの剛性は確保しやすく、重錘3の首振り運動を抑制してそれによる制振効果への悪影響を軽減しながら、首振りによる干渉の問題も防止することができる。
また、そうして上下二対の脚部70,…,71,…を振動入力方向に対し比較的大きく傾斜させて、略直交するか或いはそれに近い状態にしたことで、その形状のばらつきに起因するばね特性のばらつきを小さくすることができ、ダイナミックダンパDの共振周波数を制振対象物に合わせてチューニングする上で有利になる。
(実施形態2)
図4には本発明の実施形態2に係るダイナミックダンパDを示し、これは防振ブッシュの主ばね部の構造が少しだけ実施形態1と異なるのみで、それ以外は実施形態1のものと同じなので、以下、同一部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
すなわち、図示のようにブッシュ軸心x方向に見ると、実施形態2の防振ブッシュ2においてゴム弾性体7は、主ばね部を構成する二対の脚部70,…,71,…のうち下側の脚部71,71も略水平に、即ち、振動入力方向である上下方向に対し略直交して延びており、このことで前記実施形態1よりもさらにブッシュ軸心x周りの剛性を確保しやすく、上下方向の動ばねを柔らかくすることができ、しかもそのばらつきは抑えやすいものである。
特に図の例では、上側で対を成す脚部70,70の基端が内筒部材5の上縁と略一致する一方、下側で対を成す脚部71,71の基端は内筒部材5の下縁と略一致するように設けられており、内筒部材5の上下両縁にそれぞれ対応して二対の脚部70,…,71,…が振動入力方向に最大限に離間していることで、ブッシュ軸心x周りの剛性をより確保しやすい。尚、対を成す脚部70,…,71,…の基端同士を繋げてもよいが、こうすると内外筒部材5,6との接着面積の確保が難しくなる。
図5は、前記した実施形態1、2の防振ブッシュ2においてゴム弾性体7の脚部70,…,71,…の位置を変更し、数値計算シミュレーションによってばね特性の変化を調べた実験について示す。同図(a)に模式的に示すのは、実施形態1をベースに上下の脚部70,71同士の間隔を広げて、中心角で60°とした比較例1の計算モデルであり、それぞれの脚部70,71の太さは変更していない。また、同図(b)には、同じく脚部70,71同士の間隔を120°とした比較例2の計算モデルを示す。
同図(c)は、実施形態1の静ばね定数を1としてこれに対する静ばねの比率を表しており、本願の実施形態と比較例とでは、同じ太さの二対の脚部70,…,71,…を有するにも拘わらず、防振ブッシュの上下方向のばね特性が大きく異なっており、全体的な傾向として脚部70,…,71,…が振動入力方向(図の上下方向)に近づくほどばね定数が高くなり、振動入力方向対して大きく傾ける(直交方向に近づける)ほど、柔らかなばね特性になることが分かる。
また、ブッシュ軸心x周りのばね(剛性)については、上下方向ほどの変化はないが、実施形態2が最も高く、実施形態1と比較例2とが略同じであり、比較例1が最も低い。これは、振動入力方向には関係なく隣り合う脚部70,71同士の中心角が小さく、かつ間隔は広いほど剛性が高くなるということができる。すなわち、比較例1は、実施形態1に比べて上下の脚部70,71の中心角が大きいことから、軸心x周りの剛性が低下していると考えられる。
一方、比較例2は、比較例1よりもさらに上下の脚部70,71の中心角が大きいものの、その結果として例えば上側の対を成す脚部70,70同士の中心角は小さくなっており、比較例1の上下の脚部70,71の中心角と同じになっている。そして、比較例1,2同士では、比較例2の方が隣り合う脚部70,71同士の間隔が広いことになり、このことで比較例2の方が軸心x周り剛性が高くなっていると考えられる。
したがって、実施形態2のように脚部70,71が略平行で、しかも内筒部材5の外径いっぱいまで離れた場合にブッシュ軸心x周りの剛性は最も確保しやすくなり、このことで、実施形態1のものと比べても重錘3の首振りを抑えやすく、しかも上下方向の動ばねは柔らかなものにできることが分かる。
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記実施形態1、2に限定されるものではなく、その他の種々の構成を包含する。すなわち、例えば前記各実施形態では、図2、4に示すようにブッシュ軸心x方向に見て、ゴム弾性体7の上側の脚部70,70は略水平に延びる一方、下側の脚部71,71は略水平か(図4)或いは下向きに少しだけ傾斜して延びている(図2)が、これに限ることなく、上下の脚部70,…,71,…はそれぞれ上下方向よりは水平方向に近い範囲、即ち上下方向線Vに対し45°以上、好ましくは60°以上傾斜して、延びていればよい。
また、弾性ブッシュ2には主ばね部として三対以上の脚部を設けることも可能であるが、個々の脚部の耐久性も考慮して、或る程度以上の太さを確保しようとすれば、この実施形態のように二対の脚部70,…71,…とするのが最適と考えられる。
また、前記各実施形態では、内筒部材5として断面が略真円形状のものを用いているが、一例を図6に示すように、内筒部材5’は上下方向(振動入力方向)に長い扁平形状としてもよい。こうすれば上下の脚部70,71同士の間隔を広げやすいので、各実施形態の作用効果をさらに高めることも可能になる。一方、外筒部材6の形状も円筒状でなくてよく、さらに必ずしも筒状でなくてもよい。
また、前記各実施形態の防振ブッシュ2においてゴム弾性体7の脚部70,…71,…は、内筒部材5のブッシュ軸心x方向中央部位に設けられているが、これらは、それぞれ重錘3から離れるようにブッシュ軸心x方向に偏位させてもよく、こうすれば、その重錘3がブッシュ軸線x方向に抉るように首振りすることも抑制しやすい。
さらに、ダイナミックダンパDへの振動入力方向は、前記実施形態のように上下方向に限ることなく、それ以外の方向であってもよい。
また、重錘3は前記各実施形態のように異形状のものに限らず、円柱状や矩形状のものであってもよく、それを支持する一対の防振ブッシュ2の車体に対する配設構造も前記各実施形態のものに限定されない。制振対象物も自動車の車体には限らない。
以上、説明したように、本発明に係るダイナミックダンパは、比較的低い周波数帯に合わせてチューニングしても質量体の首振り運動を抑制しやすいもので、自動車のエンジンルームに配設する場合に特に好適である。
本発明の実施形態1に係るダイナミックダンパの斜視図である。 同ダイナミックダンパをブッシュ軸線方向に見た側面図である。 防振ブッシュの単体図で、(a)はブッシュ軸線方向に見た側面図であり、(b)は、主ばね部の形状を示すように分解した斜視図である。 実施形態2のダイナミックダンパに係る図2相当図である。 防振ブッシュのばね特性の変化を調べたシミュレーションの説明図で、(a)(b)はそれぞれ比較例1、2の計算モデルであり、(c)は、ばね特性を示す表である。 内筒部材として振動入力方向に長い扁平形状のものを用いた他の実施形態に係る図3(a)相当図である。
符号の説明
D ダイナミックダンパ
F 自動車のフロントサイドフレーム(制振対象物)
V 上下方向線(振動入力方向)
1 ベース板
2 防振ブッシュ
3 重錘(質量体)
4 ブラケット
5,5’ 内筒部材
x 内筒部材の軸心(ブッシュ軸心)
6 外筒部材(外包部材)
7 ゴム弾性体
70、71 脚部

Claims (6)

  1. 制振対象物に一対の防振ブッシュを互いの軸心が一致するように並設して、これにより質量体を弾性支持してなるダイナミックダンパであって、
    前記防振ブッシュは、内筒部材と、その外周から離間した外包部材と、それらを連結するゴム弾性体とからなり、
    前記ゴム弾性体の主ばね部は、防振ブッシュの軸心方向に見て、前記内筒部材から所定の振動入力方向に対し線対称状に対を成して延びる複数対の脚部を有する、ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. ゴム弾性体の主ばね部は、振動入力方向に対しそれぞれ線対称状となる二対の脚部を有し、そのうちの少なくとも一対の脚部は、質量体の静荷重を受ける状態で防振ブッシュの軸心方向に見ると、振動入力方向に略直交するように延びている、請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 質量体の静荷重を受ける状態で防振ブッシュの軸心方向に見ると、主ばね部の二対の脚部がいずれも振動入力方向に略直交するように延びて、互いに離間して略平行に設けられている、請求項2に記載のダイナミックダンパ。
  4. 主ばね部の二対の脚部が、内筒部材における振動入力方向の両端部にそれぞれ対応して設けられている、請求項2又は3のいずれかに記載のダイナミックダンパ。
  5. 一対の防振ブッシュは、中間に質量体を挟んで互いに軸心方向に離間して設けられており、それら各防振ブッシュの主ばね部は、各々前記軸心方向について質量体から離れるよう偏位して設けられている、請求項1〜4のいずれか1つに記載のダイナミックダンパ。
  6. 防振ブッシュの軸心方向に見て、内筒部材が振動入力方向に長い扁平形状とされている、請求項1〜5のいずれか1つに記載のダイナミックダンパ。
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