JP2008095821A - トルクロッド - Google Patents
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Abstract
【課題】固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができるトルクロッドを提供すること。
【解決手段】マス部材30は、トルクロッド100の幅方向中央を通過する第1仮想線に対して非対称となる位置に取着される。これにより、振動の入力に伴ってトルクロッド100(連結部材61)が共振する場合には、非対称位置に取着されマス部材30の効果によって、複数の振動モードを生成させることができると共に、それら各振動モードを連成させることができ、その分、所定の振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】マス部材30は、トルクロッド100の幅方向中央を通過する第1仮想線に対して非対称となる位置に取着される。これにより、振動の入力に伴ってトルクロッド100(連結部材61)が共振する場合には、非対称位置に取着されマス部材30の効果によって、複数の振動モードを生成させることができると共に、それら各振動モードを連成させることができ、その分、所定の振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、トルクロッドに関し、特に、固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができるトルクロッドに関するものである。
従来、例えば、FF型の車両などでは、トルクロッドを車両のエンジン側と車体側との間に架設して、そのトルクロッドがエンジンからのトルクを受けることで、加速時におけるエンジンのロール方向の変位を規制することが行われている。また、このトルクロッドは、エンジン側と車体側との間で振動を絶縁する機能も担っている。
トルクロッドは、一般に、金属材料から構成される連結部材と、その連結部材の両端に配設される防振ブッシュ(第1ブッシュ、第2ブッシュ)とを備え、防振ブッシュは、内筒と外筒との間にゴム状弾性材からなる防振基体を介在させて構成されている。
ところで、トルクロッドの固有振動数が、車体側部材(ボディメンバ)の固有振動数と一致している場合には、例えばエンジンのアイドリング振動などに起因して、トルクロッドが共振すると、そのトルクロッドを介して車体側部材にも共振が発生し、騒音・振動が引き起こされることで、乗員に不快感を与えるという問題点があった。
そこで、例えば、特許文献1には、連結部材(ロッド部材)にダイナミックダンパを設け、トルクロッドの固有振動数を、車体側部材の固有振動数と異ならせることで、車体側部材が共振することを抑制する技術が開示されている。
WO2002/042662公報
しかしながら、上述したトルクロッドでは、ダイナミックダンパを別途製造(加硫成形)する必要があり、製造コストが嵩むという問題点があった。そこで、連結部材にマス部材を溶接固定して、連結部材の質量を調整することで、固有振動数を車体側部材と異ならせる技術も従来から知られている。
しかしながら、いずれの場合も、固有振動数を車体側部材と異なるせるためには、マス部材の質量を十分に確保することが必要となり、軽量化を図ることができないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができるトルクロッドを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のトルクロッドは、エンジン側に取り付けられる第1ブッシュと、車体側に取り付けられる第2ブッシュと、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュを互いに連結する連結部材とを備え、前記エンジンのロール方向への変位を規制するものであり、質量体として構成され前記連結部材に取着されるマス部材を備え、前記連結部材は、平板状に構成されると共に、前記第2ブッシュの外周面から外方へ向けて張り出すフランジ部を備え、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュはそれぞれの中心を、前記連結部材の上面視において、前記連結部材の幅方向中央を通過する第1仮想線上に位置させ、前記マス部材は、前記フランジ部であって前記第1仮想線に対して非対称となる位置に取着されると共に、その取着位置は、前記連結部材の上面視において、前記第2ブッシュから前記第1ブッシュと反対方向へ延長される前記第1仮想線と前記第2ブッシュの中心から延設される第2仮想線とのなす角度が10°以上となる領域又は前記第1仮想線から20mm以上離れた領域であって、かつ、前記角度が135°以内となる領域とされている。
請求項2記載のトルクロッドは、請求項1記載のトルクロッドにおいて、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュは、前記連結部材の側面視において、前記連結部材の厚み方向中央を通過する第3仮想線に対して対称に構成され、前記マス部材は、前記連結部材の側面視において、前記第3仮想線に対して非対称となる位置において前記フランジ部に取着されている。
請求項3記載のトルクロッドは、請求項1又は2に記載のトルクロッドにおいて、前記連結部材は、前記フランジ部を厚み方向に貫通して形成される貫通孔を備え、前記マス部材は、前記貫通孔に圧入固定されている。
請求項4記載のトルクロッドは、請求項1から3のいずれかに記載のトルクロッドにおいて、前記第2ブッシュは、前記車体側に取り付けられる内筒と、前記内筒の外周側に位置する外筒と、前記内筒および外筒の間に介設されると共にゴム状弾性材から構成される防振基体とを備えると共に、前記防振基体は、前記連結部材の上面視において、ハの字状に拡開する一対のゴム脚として構成され、前記マス部材は、前記連結部材の上面視において、前記一対のゴム脚の内の一方のゴム脚を延長した領域に位置している。
請求項1記載のトルクロッドによれば、マス部材を、フランジ部であって第1仮想線に対して非対称となる位置に取着する構成であるので、振動の入力に伴って連結部材が共振する場合には、非対称位置に取着されマス部材の効果によって、複数の振動モードを生成させることができると共に、それら各振動モードを連成させることができ、その分、所定の振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができるという効果がある。
即ち、第1仮想線を車両前後方向に向けると共に、連結部材の上面及び下面を車両上下方向へ向けてトルクロッドを配置した状態で、車両上下方向の振動に伴う連結部材の共振点(固有振動数)が、車体側部材の共振点(固有振動数)と一致する場合には、マス部材を取着することで、トルクロッド(連結部材)の固有振動数を変化させ、車体側部材の固有振動数と異ならせる必要がある。
この場合、本発明のトルクロッドによれば、連結部材が車両上下方向に変位する振動モードだけでなく、非対称位置に取着されたマス部材の効果によって、連結部材が第1仮想線を中心として回転(揺動)する振動モードをも生成させることができる。その結果、両振動モードの連成効果によって、より少ない質量のマス部材であっても、車両上下方向の共振点(固有振動数)を変化させることができるという効果がある。
また、本発明のトルクロッドによれば、フランジ部を第2ブッシュ側に設け、そのフランジ部にマス部材を取着する構成であるので、共振点(固有振動数)の変更に必要なマス部材の質量をより少なくすることができるという効果がある。
即ち、トルクロッドは、第1ブッシュが第2ブッシュに比して、比較的高いばね定数を有するため、連結部材が、第1ブッシュ側を支点として、第2ブッシュ側を車両上下方向へ変位させるモード(いわゆる首振りモード)で振動する。そのため、支点となる第1ブッシュからより遠い位置(第2ブッシュ側)にマス部材を配置することで、首振りモードにおける共振点(固有振動数)を、より少ない質量のマス部材で効率的に変化させることができる。その結果、マス部材の小型化・軽量化を図り、その分、トルクロッド全体としての小型化・軽量化を図ることができる。
ここで、マス部材の取着位置は、連結部材の上面視において、第2ブッシュから第1ブッシュと反対方向へ延長される第1仮想線と第2ブッシュの中心から延設される第2仮想線とのなす角度が10°以上となる領域又は前記第1仮想線から20mm以上離れた領域であって、かつ、前記角度が135°以内となる領域とされているので、車両上下方向に変位する振動モードの共振点(固有振動数)をより少ない質量のマス部材で効率的に変化させることができるという効果がある。
即ち、マス部材の取着位置が支点となる第1ブッシュに近づくに従って、上述したように、より大きな質量のマス部材が必要になるところ、本発明のトルクロッドによれば、前記角度を135°以内として、マス部材を第1仮想線から十分に離間させる構成であるので、マス部材を非対称位置に配置する効果を確実に得ることができる。その結果、複数の振動モードを連成させることができ、その分、車両上下方向に変位する振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができる。
一方、マス部材の取着位置が支点となる第1ブッシュから遠い位置となる場合には、上述したように、マス部材の質量をより少なくすることができるところ、本発明のトルクロッドによれば、前記角度が10°以上となる領域又は第1仮想線から20mm以上離れた領域にマス部材を配置する構成であり、マス部材を第1仮想線により近づけることができるので、マス部材を非対称位置に配置する効果に加え、マス部材を支点(第1ブッシュ)からより遠い位置に配置する効果も得ることができる。その結果、これらの相乗効果により、車両上下方向に変位する振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができる。
請求項2記載のトルクロッドによれば、請求項1記載のトルクロッドの奏する効果に加え、マス部材を、連結部材の側面視において、第3仮想線に対して非対称となる位置に取着する構成であるので、振動の入力に伴って連結部材が共振する場合には、非対称位置に取着されマス部材の効果によって、複数の振動モードを生成させることができると共に、それら各振動モードを連成させることができ、その分、所定の振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材の質量をより少なくすることができるという効果がある。
即ち、第3仮想線を車両前後方向に向けると共に、連結部材の上面及び下面を車両上下方向へ向けてトルクロッドを配置した状態で、車両左右方向の振動に伴う連結部材の共振点(固有振動数)が、車体側部材の共振点(固有振動数)と一致する場合には、マス部材を取着することで、トルクロッド(連結部材)の固有振動数を変化させ、車体側部材の固有振動数と異ならせる必要がある。
この場合、本発明のトルクロッドによれば、連結部材が車両左右方向に変位する振動モードだけでなく、非対称位置に取着されたマス部材の効果によって、連結部材が第3仮想線を中心として回転(揺動)する振動モードをも生成させることができる。その結果、両振動モードの連成効果によって、より少ない質量のマス部材であっても、車両左右方向の共振点(固有振動数)を変化させることができるという効果がある。
請求項3記載のトルクロッドによれば、請求項1又は2に記載のトルクロッドの奏する効果に加え、フランジ部に貫通孔を形成し、その貫通孔にマス部材を圧入固定する構成であるので、製造コストの削減を図ることができると共に、共振点(固有振動数)のチューニングを容易とすることができるという効果がある。
即ち、第2ブッシュの外筒等を連結部材と一体に構成する場合には、その外筒等を形成するプレス工程において貫通孔も同時に形成することができ、貫通孔を形成するための工程を別途設ける必要がない。よって、溶接によりマス部材を固定する場合と比較して、製造工程を簡素化して、その分、製造コストの削減を図ることができる。
また、貫通孔への圧入によりマス部材を固定する構成であれば、その圧入量を変更することによって、連結部材全体としての重心位置を調整することができるので、共振点(固有振動数)のチューニングを容易に行うことができる。更に、この場合には、マス部材の材質(密度)や大きさ(長さなど)を変更することによっても、連結部材全体としての重心位置を大幅に変更することができ、その分、共振点(固有振動数)のチューニングをより容易に行うことができる。
請求項4記載のトルクロッドによれば、請求項1から3のいずれかに記載のトルクロッドの奏する効果に加え、一対のゴム脚をハの字状に拡開させると共に、一方のゴム脚を延長した領域にマス部材を位置させる構成であるので、連結部材が車両上下方向に変位する振動モードにおいて、非対称位置に取着されたマス部材の効果によって、他の振動モード(連結部材が第1仮想線を中心として回転(揺動)する振動モード)を生成させる場合には、ゴム脚の変形を、捩り方向成分を少なくし、その分、剪断方向成分を多くする態様で行わせることができる。その結果、トルクロッドの過大な変位を抑制して、他の部材との干渉等を回避することができると共に、両振動モードの連成効果を安定して発揮させ、車両上下方向の共振点(固有振動数)の変化を確実に行わせることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態におけるトルクロッド100の上面図であり、図2は、トルクロッド100の側面図である。また、図3は、トルクロッド100の部分断面斜視図であり、図1のIII−III線における断面図に対応する。
なお、本実施の形態では、本発明の適用対象として、FF型自動車のエンジンを3点懸架で支持する際に、エンジンのロール方向及び前後方向の変位を規制するトルクロッドを例に説明する。
図1から図3に示すように、トルクロッド100は、図示しないエンジン側(図1及び図2右側)に取り付けられる第1ブッシュ10と、図示しない車体側(図1及び図2左側)に取り付けられる第2ブッシュ20と、これら第1ブッシュ10及び第2ブッシュ20を互いに連結する連結部材61と、その連結部材61に装着されるマス部材30とを備え、加速時におけるエンジンのロール方向への変位や前後方向の変位を規制し得るように構成されている。
図1から図3に示すように、第1ブッシュ10は、エンジン側に取り付けられる第1内筒11と、その第1内筒の外周側に位置する第1外筒12と、それら第1内筒11及び第1外筒12の間に介設されると共にゴム状弾性材から構成される第1防振基体13とを備える。
図1から図3に示すように、第1内筒11は、アルミニウム合金から円筒状に構成され、中央に穿設された送通孔を介して、エンジン側へボルトにより締結固定される。第1外筒12(図4から図6参照)は、鉄鋼材料から円筒状に構成されると共に、後述する連結部材61と一体に構成され、第1内筒11の外周側に所定間隔を隔てて位置する。第1防振基体13は、第1内筒11と第1外筒12との間を周方向全周にわたって連結すると共に、後述する覆設ゴム部62に連なって構成されている。
図1から図3に示すように、第2ブッシュ20は、車体側に取り付けられる第2内筒21と、その第2内筒の外周側に位置する第2外筒22(図4から図6参照)と、それら第2内筒21及び第2外筒22の間に介設されると共にゴム状弾性材から構成される第2防振基体23とを備える。
図1から図3に示すように、第2内筒21は、アルミニウム合金から上面視三角形状の柱状体に構成され、中央に穿設された送通孔を介して、車体側へボルトにより締結固定される。第2外筒22(図4から図6参照)は、鉄鋼材料から円筒状に構成されると共に、後述する連結部材61と一体に構成され、第2内筒21の外周側に所定間隔を隔てて位置する。第2防振基体13は、上面視ハの字状に拡開して構成され第2内筒21と第2外筒22との間を2箇所で連結する一対のゴム脚として構成されると共に、後述する覆設ゴム部62に連なって構成されている。
連結部材61は、その外面全体が覆設ゴム部62に覆設される部材であり、上述した第1外筒12及び第2外筒22と共に金具部材60(図4から図6参照)の一部として構成されている。ここで、金具部材60の詳細構成について、図4から図6を参照して説明する。
図4は、金具部材60の上面図であり、図5は、図4のV−V線における金具部材60の断面図である。また、図6は、図4のVI−VI線における金具部材60の断面図である。金具部材60は、鉄鋼材料からなる一対の金属板を重ね合わせて構成されると共に、上述したように、連結部材61と第1外筒12及び第2外筒22とが一体に構成されている。
具体的には、図4から図65に示すように、一対の金属板は、第1及び第2外筒12,22の半部が円筒状に形成された上下対称形状の金属板として構成されており、一方の金属板(図5上側)と他方の金属板(図5下側)とを互いに上下逆向きに重ね合わせると共にその状態で嵌合部61bをプレス成形することで、一対の金属板が連結され、金具部材60が形成される。
その結果、図4から図6に示すように、金具部材60は、第1及び第2外筒12,22が円筒状に形成されると共に、これら第1及び第2外筒12,22が平板状の連結部材61により連結される。第1及び第2外筒12,22の中心O1,O2は、図4に示す上面視において、連結部材61の幅方向(図4上下方向)中央を通過する第1仮想線L1上に位置する。なお、外筒12,22の中心O1,O2は、内筒11,21の送通孔の中心と一致する(図1参照)。
図4から図6に示すように、金具部材60は、上面視において、第1及び第2外筒12,22よりも大きく形成され、第1及び第2外筒12,22の外周面から外方へ向けて張り出す部分がフランジ部61cとされている。なお、連結部材61には、上面視長穴状の開口部61aが板厚方向に穿設されている。
図4又は図6に示すように、フランジ部61cの上面側及び下面側には、一対のマス部材30が装着されている。マス部材30は、トルクロッド100の共振点(固有振動数)を調整するための質量体であり、鉄鋼材料から直方体状に構成され、本実施の形態では、溶接手段により固定されている。
図4に示すように、マス部材30は、第1仮想線L1に対して非対称となる位置において、フランジ部61cに取着されている。即ち、マス部材30の取着位置は、図4に示す上面視において、第1仮想線L1であって第2外筒22から第1外筒12と反対方向(図3左方)へ延長される部分と、第2外筒22の中心O2から延設される第2仮想線L2とのなす角度が10°以上となる領域(10°<θ1)又は第1仮想線L1から20mm以上だけ離れた領域、かつ、上記した角度が135°以内となる領域(θ2<135°)とされている。
以上のように構成されたトルクロッド100によれば、フランジ部61cであって第1仮想線L1に対して非対称となる位置にマス部材30を取着したので、振動の入力に伴って連結部材61が共振する場合には、非対称位置に取着されマス部材30の効果によって、複数の振動モードを生成させることができると共に、それら各振動モードを連成させることができ、その分、所定の振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材30の質量をより少なくすることができる。
即ち、第1仮想線L1を車両前後方向に向けると共に、連結部材61の上面及び下面を車両上下方向へ向けてトルクロッド100を配置した状態で、車両上下方向の振動に伴う連結部材61の共振点(固有振動数)が、車体側部材(図示せず)の共振点(固有振動数)と一致する場合には、マス部材30を取着することで、トルクロッド100(連結部材61)の固有振動数を変化させ、車体側部材の固有振動数と異ならせる必要がある。
この場合、本実施の形態におけるトルクロッド100によれば、連結部材61が車両上下方向(図2上下方向)に変位する振動モードだけでなく、非対称位置に取着されたマス部材30の効果によって、連結部材61が第1仮想線を中心として回転(揺動)する振動モードをも生成させることができる。その結果、両振動モードの連成効果によって、より少ない質量のマス部材30であっても、車両上下方向の共振点(固有振動数)を十分に変化させることができる。
また、本実施の形態におけるトルクロッド100によれば、第2ブッシュ側のフランジ部61cにマス部材30を取着する構成であるので、共振点(固有振動数)の変更に必要なマス部材の質量をより少なくすることができる。
即ち、トルクロッド100は、第1ブッシュ10が第2ブッシュ20に比して、比較的高いばね定数を有するため、連結部材61が、第1ブッシュ10側を支点として、第2ブッシュ20側を車両上下方向(図2上下方向)へ変位させるモード(いわゆる首振りモード)で振動する。そのため、支点となる第1ブッシュ10側からより遠い位置(第2ブッシュ20側)にマス部材を配置することで、首振りモードにおける共振点(固有振動数)を、より少ない質量のマス部材30で効率的に変化させることができる。その結果、マス部材30の小型化・軽量化を図り、その分、トルクロッド100全体としての小型化・軽量化を図ることができる。
ここで、マス部材30の取着位置が支点となる第1ブッシュ10側に近づくに従って、上述したように、より大きな質量のマス部材30が必要になるところ、本実施の形態におけるトルクロッド100によれば、角度θ2を135°以内として(図4参照)、マス部材30を第1仮想線L1から十分に離間させる構成であるので、マス部材30を非対称位置に配置する効果を確実に得ることができる。その結果、複数の振動モードを連成させることができ、その分、車両上下方向に変位する振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材30の質量をより少なくすることができる。
一方、マス部材30の取着位置が支点となる第1ブッシュ10側から遠い位置となる場合には、上述したように、マス部材30の質量をより少なくすることができるところ、本実施の形態におけるトルクロッド100によれば、角度θ1が10°以上(図4参照)となる領域又は第1仮想線L1から20mm以上離れた領域にマス部材30を配置する構成であり、マス部材30を第1仮想線L1により近づけることができるので、マス部材30を非対称位置に配置する効果に加え、マス部材30を支点(第1ブッシュ10)からより遠い位置に配置する効果も得ることができる。その結果、これらの相乗効果により、車両上下方向に変位する振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材30の質量をより少なくすることができる。
なお、本実施の形態におけるトルクロッド100によれば、図1に示すように、一対のゴム脚23をハの字状に拡開させると共に、一方のゴム脚23を延長した領域にマス部材30を位置させる構成であるので、金具部材60(連結部材61)が車両上下方向に変位する振動モードにおいて、非対称位置に取着されたマス部材の効果によって、他の振動モード(連結部材61が第1仮想線L1を中心として回転(揺動)する振動モード)を生成させる場合には、ゴム脚23の変形を、捩り方向成分を少なくし、その分、剪断方向成分を多くする態様で行わせることができる。その結果、トルクロッド100の過大な変位を抑制して、他の部材との干渉等を回避することができると共に、両振動モードの連成効果を安定して発揮させ、車両上下方向の共振点(固有振動数)の変化を確実に行わせることができる。
次いで、図7(a)を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態におけるトルクロッド100は、マス部材30が溶接手段によりフランジ部61cに固定されたが、第2実施の形態におけるトルクロッドでは、マス部材230がフランジ部261cに圧入固定されている。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7(a)は、第2実施の形態における金具部材260の断面図であり、図4のVI−VI線における断面図に対応する。図7(a)に示すように、第2実施の形態では、金具部材260が、フランジ部261cを厚み方向に貫通して形成される貫通孔を備えており、この貫通孔にマス部材230が圧入固定されている。これにより、製造コストの削減を図ることができると共に、共振点(固有振動数)のチューニングを容易とすることができる。
即ち、第2ブッシュ20の外筒22等を連結部材61と一体に構成する場合には、その外筒22等を形成するプレス工程において貫通孔も同時に形成することができ、貫通孔を形成するための工程を別途設ける必要がない。よって、溶接によりマス部材30を固定する場合と比較して、製造工程を簡素化して、その分、製造コストの削減を図ることができる。
また、貫通孔への圧入によりマス部材230を固定する構成であれば、その圧入量を変更することで、連結部材61(金具部材260)全体としての重心位置を調整することができるので、共振点(固有振動数)のチューニングを容易に行うことができる。更に、この場合には、マス部材230の材質(密度)や大きさ(図7上下方向長さや直径など)を変更することによっても、金具部材260全体としての重心位置を大幅に変更することができ、その分、共振点(固有振動数)のチューニングをより容易に行うことができる。
次いで、図7(b)を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態におけるトルクロッド100は、マス部材30がフランジ部61cの上面側及び下面側に対称に配置されたが、第3実施の形態におけるトルクロッドでは、マス部材330がフランジ部361cの厚み方向に対して非対称に配置されている。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7(b)は、第3実施の形態における金具部材360の断面図であり、図4のVI−VI線における断面図に対応する。図7(b)に示すように、第3実施の形態では、金具部材360が、フランジ部361cを厚み方向に貫通して形成される貫通孔を備えており、この貫通孔にマス部材330が圧入固定されている。
図7(b)に示すように、マス部材330は、貫通孔に圧入される圧入部に対して、貫
通孔から露出する頭部が大径に構成されている。これにより、マス部材330は、金具部材360(連結部材61)の側面視において、連結部材61の厚み方向(図7(b)上下方向)中央を通過する第3仮想線L3に対して非対称に配置されている。なお、第1及び第2ブッシュ10,20は、第3仮想線L3に対して対称に構成される。
通孔から露出する頭部が大径に構成されている。これにより、マス部材330は、金具部材360(連結部材61)の側面視において、連結部材61の厚み方向(図7(b)上下方向)中央を通過する第3仮想線L3に対して非対称に配置されている。なお、第1及び第2ブッシュ10,20は、第3仮想線L3に対して対称に構成される。
これにより、振動の入力に伴って金具部材360(連結部材61)が共振する場合には、非対称位置に取着されマス部材330の効果によって、複数の振動モードを生成させることができると共に、それら各振動モードを連成させることができ、その分、所定の振動モードにおける固有振動数を変化させるのに必要なマス部材330の質量をより少なくすることができる。
即ち、第3仮想線L3を車両前後方向に向けると共に、連結部材61の上面及び下面を車両上下方向へ向けてトルクロッドを配置した状態で、車両左右方向(図1上下方向)の振動に伴う連結部材の共振点(固有振動数)が、車体側部材の共振点(固有振動数)と一致する場合には、マス部材330を取着することで、トルクロッド(連結部材)の固有振動数を変化させ、車体側部材の固有振動数と異ならせる必要がある。
この場合、本実施の形態におけるトルクロッドによれば、金具部材360(連結部材61)が車両左右方向に変位する振動モードだけでなく、非対称位置に取着されたマス部材330の効果によって、連結部材61が第3仮想線L3を中心として回転(揺動)する振動モードをも生成させることができる。その結果、両振動モードの連成効果によって、より少ない質量のマス部材330であっても、車両左右方向の共振点(固有振動数)を十分に変化させることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される物ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記第1実施の形態では、マス部材30をフランジ部61cの上面側及び下面側にそれぞれ装着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上面側又は下面側のいずれか一方のみにマス部材30を装着することは当然可能である。
同様に、上記第1実施の形態では、フランジ部61cの上面側及び下面側に装着されるマス部材30がそれぞれ同じ構成の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上面側及び下面側に装着されるマス部材30が互いに異なる構成(例えば、大きさ、材質あるいは取着位置など)であることは当然可能である。
100 トルクロッド
10 第1ブッシュ
20 第2ブッシュ
21 第2内筒(内筒)
22 第2外筒(外筒)
23 第2防振基体(防振基体)
30,230,330 マス部材
61 連結部材
61c,261c,361c フランジ部
O1 第1ブッシュの中心
O2 第2ブッシュの中心
L1 第1仮想線
L2 第2仮想線
L3 第3仮想線
θ1,θ2 第1仮想線と第2仮想線とがなす角度
10 第1ブッシュ
20 第2ブッシュ
21 第2内筒(内筒)
22 第2外筒(外筒)
23 第2防振基体(防振基体)
30,230,330 マス部材
61 連結部材
61c,261c,361c フランジ部
O1 第1ブッシュの中心
O2 第2ブッシュの中心
L1 第1仮想線
L2 第2仮想線
L3 第3仮想線
θ1,θ2 第1仮想線と第2仮想線とがなす角度
Claims (4)
- エンジン側に取り付けられる第1ブッシュと、車体側に取り付けられる第2ブッシュと、前記第1ブッシュ及び第2ブッシュを互いに連結する連結部材とを備え、前記エンジンのロール方向への変位を規制するトルクロッドにおいて、
質量体として構成され前記連結部材に取着されるマス部材を備え、
前記連結部材は、平板状に構成されると共に、前記第2ブッシュの外周面から外方へ向けて張り出すフランジ部を備え、
前記第1ブッシュ及び第2ブッシュはそれぞれの中心を、前記連結部材の上面視において、前記連結部材の幅方向中央を通過する第1仮想線上に位置させ、
前記マス部材は、前記フランジ部であって前記第1仮想線に対して非対称となる位置に取着されると共に、その取着位置は、前記連結部材の上面視において、前記第2ブッシュから前記第1ブッシュと反対方向へ延長される前記第1仮想線と前記第2ブッシュの中心から延設される第2仮想線とのなす角度が10°以上となる領域又は前記第1仮想線から20mm以上離れた領域であって、かつ、前記角度が135°以内となる領域とされていることを特徴とするトルクロッド。 - 前記第1ブッシュ及び第2ブッシュは、前記連結部材の側面視において、前記連結部材の厚み方向中央を通過する第3仮想線に対して対称に構成され、
前記マス部材は、前記連結部材の側面視において、前記第3仮想線に対して非対称となる位置において前記フランジ部に取着されていることを特徴とする請求項1記載のトルクロッド。 - 前記連結部材は、前記フランジ部を厚み方向に貫通して形成される貫通孔を備え、
前記マス部材は、前記貫通孔に圧入固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトルクロッド。 - 前記第2ブッシュは、前記車体側に取り付けられる内筒と、前記内筒の外周側に位置する外筒と、前記内筒および外筒の間に介設されると共にゴム状弾性材から構成される防振基体とを備えると共に、前記防振基体は、前記連結部材の上面視において、ハの字状に拡開する一対のゴム脚として構成され、
前記マス部材は、前記連結部材の上面視において、前記一対のゴム脚の内の一方のゴム脚を延長した領域に位置していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトルクロッド。
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JP2006278030A JP2008095821A (ja) | 2006-10-11 | 2006-10-11 | トルクロッド |
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JP2006278030A JP2008095821A (ja) | 2006-10-11 | 2006-10-11 | トルクロッド |
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JP2008095821A true JP2008095821A (ja) | 2008-04-24 |
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ID=39378885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006278030A Withdrawn JP2008095821A (ja) | 2006-10-11 | 2006-10-11 | トルクロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008095821A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077978A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Nissan Motor Co Ltd | 液体封入式トルクロッド |
JP2011208705A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Tokai Rubber Ind Ltd | トルクロッドのストッパ構造 |
JP2012057739A (ja) * | 2010-09-09 | 2012-03-22 | Nissan Motor Co Ltd | トルクロッド |
JP2014178033A (ja) * | 2014-04-14 | 2014-09-25 | Yamashita Rubber Co Ltd | マウント構造 |
JP2016070333A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | ダイハツ工業株式会社 | トルクロッドの防振構造 |
US10933728B2 (en) | 2018-04-11 | 2021-03-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Driving source support structure |
-
2006
- 2006-10-11 JP JP2006278030A patent/JP2008095821A/ja not_active Withdrawn
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