JP2010024938A - エンジンの吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼の安定化と燃費の改善を同時に図ることができるとともに、構造の単純化とコストダウンを図ることができるエンジンの吸気装置。
【解決手段】燃焼室9内に混合気のタンブル流を発生させるエンジン1の吸気装置において、翼26を保持した弁体27の空気の流れ方向上流端を、空気の流れ方向に対して垂直方向に延びる回転軸28によって前記吸気ポート24の底面に回動可能に枢支するとともに、該弁体27を閉じ方向に付勢するスプリング(付勢手段)29を設ける。又、前記翼26の断面形状を吸気の流れ方向上流側から下流側に向かって吸気ポート24の上面側に凹状に湾曲する形状とし、該翼26を吸気の流れ方向に所定隙間δを隔てて複数配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸気ポートを流れる吸気から翼に作用する揚力を利用することによって燃焼室内に生起されるタンブル流の強さを吸気量に応じて自動制御するようにしたエンジンの吸気装置に関するものである。
4サイクルエンジンにおいては、スロットル開度が小さくて吸気量が少ない低負荷運転時には吸気ポートを流れる吸気の流速が低いため、燃焼室での混合気の撹拌が不十分となり、燃焼室での混合気の燃焼が不安定となって燃費や排ガス特性が悪化するという問題がある。
そこで、例えば図4に示すように、吸気ポート124の底面にタンブルフラップ127を回転軸128によって回動可能に枢支し、該タンブルフラップ127を不図示のアクチュエータによって回転軸128を中心として回動させることによって開閉する提案がなされている。これによれば、吸気流量が少なくて吸気の流速が低い低負荷運転時には、図4に示すように、タンブルフラップ127をその下流端が吸気ポート124の上面に近づくよう開き、該タンブルフラップ127によって吸気の流れを吸気ポート124の上面側に偏向させるとともに、吸気の流れを絞ってその流速を高めることによって、燃焼室109に強いタンブル流を生起させて混合気の燃焼の安定化を図ることができる。これに対して、吸気流量が多くて吸気の流速が高い高負荷運転時には、タンブルフラップ127を閉じることによって、必要な吸気量を確保することができる。
尚、特許文献1には、流体流路に回動可能に片持ち支持された弁部材にウィング(翼)を設け、流体流路を流れる流体からウィングに作用する揚力によって弁部材に閉方向の力を加えることによって弁部材を小さな駆動トルクで閉方向に回動させ、弁部材を駆動するアクチュエータの小型化と低コスト化を図る提案がなされている。
特開2008−115772号公報
しかしながら、図4に示す従来の吸気装置においては、低負荷運転時にタンブルフラップ127を閉じて吸気の流れの一部を阻害することによって燃焼室109にタンブル流を発生させているため、タンブル流は強化することができるものの、吸気ポート124の通気抵抗が増大してポンピングロスが大きくなり、燃焼の安定化と燃費の改善を同時に図ることが困難であった。
又、タンブルフラップ127の開閉にアクチュエータが必要であるため、構造が複雑化するとともに、大幅なコストアップが避けられないという問題もあった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、燃焼の安定化と燃費の改善を同時に図ることができるとともに、構造の単純化とコストダウンを図ることができるエンジンの吸気装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、燃焼室に連なる吸気ポート内に吸気の流れ方向を該吸気ポートの上面側に偏向させることによって燃焼室内に吸気のタンブル流を発生させるエンジンの吸気装置において、翼を保持した弁体の吸気の流れ方向上流端を、吸気の流れ方向に対して垂直方向に延びる回転軸によって前記吸気ポートの底面に回動可能に枢支するとともに、該弁体を閉じ方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記翼の断面形状を吸気の流れ方向上流側から下流側に向かって吸気ポートの上面側に凹状に湾曲する形状とし、該翼を吸気の流れ方向に所定隙間を隔てて複数配設したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記吸気ポートをシリンダヘッドとこれに接続される吸気マニホールドに亘って形成し、前記弁体の吸気の流れ方向上流端を吸気マニホールド側に設けられた前記回転軸によって回動可能に枢支するとともに、該弁体を回転軸から前記シリンダヘッド側に向かって延ばしたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、吸気量が少なくて吸気の流速が低い低負荷運転時には吸気から翼に作用する揚力が小さいため、弁体は付勢手段によって吸気ポートを部分的に閉じ、該弁体に保持された翼が吸気ポートでの吸気の流れを吸気ポートの上面側に偏向するとともに、吸気の流速を高める。この結果、燃焼室には強いタンブル流が発生し、このタンブル流によって燃焼室の混合気の撹拌が良好に行われて低負荷時の混合気の燃焼が安定化し、燃費や排ガス特性が改善される。
他方、吸気量が多くて吸気の流速が高い高負荷運転時には吸気から翼に作用する揚力が大きく、この揚力が付勢手段の付勢力を超えるため、弁体は大きな揚力によって開いて吸気の流れを阻害しない。このため、高負荷運転時に必要な吸気量が十分確保されるとともに、吸気ポートの通気抵抗が低く抑えられ、ポンピングロスが低減されて燃費の改善が図られる。
以上の結果、燃焼の安定化と燃費の改善を同時に図ることができる。
又、弁体の翼には吸気量に応じた揚力が作用するため、該弁体の開度、つまりは燃焼室に生起されるタンブル流の強さは吸気量に応じて自動制御され、この弁体の開閉にはアクチュエータが不要であるため、吸気装置の構造単純化とコストダウンが図られる。
請求項2記載の発明によれば、弁体に保持された翼の断面形状を吸気の流れ方向上流側から下流側に向かって吸気ポートの上面側に凹状に湾曲する形状としたため、弁体が閉じる低負荷運転時においては、弁体に保持された各翼が吸気の流れ方向上流側から下流側に向かうに連れて吸気ポートの底面から離れるよう配置される。このため、各翼の凹状の上面に沿って流れる吸気を吸気ポートの上面側に偏向させることができるとともに、各翼の凸状の下面に沿って流れる吸気を吸気ポートの上面側へ引き上げることができる。
又、翼が吸気の流れ方向に所定隙間を隔てて複数配設されるとともに、低負荷運転時には弁体が閉じて各翼が吸気の流れ方向上流側から下流側に向かうに連れて吸気ポートの底面から離れるよう配置されるため、各翼の下面に沿って流れる吸気がその下流側に配設された翼との間の隙間を通って下流側の翼の上面側へ流れることによって徐々に吸気ポートの上面側へ引き上げられ、吸気ポートの上面側(複数の翼の上方)を流れる吸気の量と流速が増大する。
以上の結果、低負荷運転時には吸気ポートの上面側へと流れが偏向された吸気が燃焼室に勢い良く流入するため、燃焼室には強いタンブル流が発生し、この強いタンブル流によって燃焼室の混合気の撹拌が良好に行われて混合気の燃焼が安定化し、燃費や排ガス特性が改善される。又、複数の翼は吸気の流れの向きを変えるだけで吸気の流れを阻害しないため、吸気ポートの通気抵抗が低く抑えられ、通気抵抗に伴うポンピングロスが低減されてエンジン出力の向上が図られる。
請求項3記載の発明によれば、吸気の流れ方向の広い範囲に亘って翼を配設することができるため、翼の曲率半径を大きくすることができ、該翼に沿って流れる吸気の流動抵抗を低く抑えてエンジン出力の更なる向上を図ることができる。又、翼を回転軸から離れた位置に配置することができるため、該翼に作用する揚力によって弁体に作用する回転軸回りのモーメントが大きくなり、この大きなモーメントによって弁体を確実に吸気ポートの底面側に回動させてこれを開くことができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る吸気装置の低負荷運転時の作用を示すエンジン要部の縦断面図、図2は同吸気装置の高負荷運転時の作用を示すエンジン要部の縦断面図、図3は図2のA−A線拡大断面図である。
図1及び図2に示すエンジン1は、自動車用の直列4気筒の4サイクルエンジンであって、そのシリンダブロック2に図1及び図2の紙面垂直方向に形成された4つのシリンダ3(図1及び図2には1つのみ図示)にはピストン4が上下摺動可能に嵌挿されている。又、シリンダブロック2の下部にはクランクケース5が取り付けられており、このクランクケース5内には図1及び図2の紙面垂直方向に長いクランク軸6が回転可能に配されている。そして、前記ピストン4はコンロッド7を介してクランク軸6に連結されており、ピストン4のシリンダ3内での上下の往復直線運動はコンロッド7によってクランク軸6の回転運動に変換される。尚、図示しないが、シリンダブロック2の下部には、潤滑オイルを収容するオイルパンが取り付けられている。
他方、シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド8が被着されており、このシリンダヘッド8には各気筒毎に燃焼室9と吸気ポート10及び排気ポート11がそれぞれ形成されている。そして、各気筒において、吸気ポート10と排気ポート11が燃焼室9にそれぞれ開口する開口部10a,11aは吸気バルブ12と排気バルブ13によってそれぞれ適当なタイミングで開閉されてシリンダ3内での所要のガス交換がなされる。
即ち、吸気バルブ12と排気バルブ13は、シリンダヘッド8に挿通固着された円筒状のバルブガイド14,15にそれぞれ摺動可能に挿通保持されており、これらはバルブスプリング16,17によってそれぞれ閉じ方向に付勢されている。
又、シリンダヘッド8の上部には、図1及び図2の紙面垂直方向に長い吸気カム軸18と排気カム軸19が回転可能且つ互いに平行に配されており、これらの吸気カム軸18と排気カム軸19には気筒毎に吸気カム18aと排気カム19aがそれぞれ一体に形成されている。そして、各吸気カム18aと各排気カム19aは、吸気バルブ12と排気バルブ13の各上端に取り付けられたバルブリフタ20,21の上面に当接している。尚、図示しないが、吸気カム軸18と排気カム軸19を含む動弁系は、シリンダヘッド8の上部に被着されたヘッドカバーによって覆われている。
而して、エンジン1が動作して前記クランク軸6が回転駆動されると、このクランク軸6の回転は不図示の伝動機構によって前記吸気カム軸18と排気カム軸19に伝達され、これらの吸気カム軸18と排気カム軸19がクランク軸6の1/2の速度で回転駆動される。このように吸気カム軸18と排気カム軸19が回転駆動されると、これらに一体に形成された吸気カム18aと排気カム19aがバルブリフタ20,21を介して吸気バルブ12と排気バルブ13をバルブスプリング16,17の付勢力に抗してそれぞれ適当なタイミングで押し下げ、シリンダヘッド8の吸気ポート10が燃焼室9に開口する開口部10aと排気ポート11が燃焼室9に開口する開口部11aをそれぞれ適当なタイミングで開閉するため、各シリンダ3内において所要のガス交換がなされる。尚、図1及び図2はエンジン1の吸気行程を示しており、この吸気行程においては吸気カム軸18の吸気カム18aによって吸気バルブ12が押し下げられて開口部10aが開口している。
又、シリンダヘッド8の吸気側の端面には、シリンダヘッド8に各気筒毎に形成された前記吸気ポート10に連なる吸気マニホールド22が取り付けられており、各吸気マニホールド22の内部の吸気ポート23とシリンダヘッド8の吸気ポート10とは相連通して1つの吸気ポート24を形成している。尚、図示しないが、吸気マニホールド22の上流端にはスロットルボディとエアクリーナが接続されている。又、シリンダヘッド8の吸気側には、シリンダヘッド8の吸気ポート10を流れる空気に適量の燃料を適当なタイミングで噴射するインジェクタ25が取り付けられており、このインジェクタ25によって噴射される燃料と吸気ポート10を流れる空気が混合されて所定の空燃比(A/F)の混合気が形成される。更に、シリンダヘッド8の排気側の端面には、排気ポート11に連なる不図示の排気マニホールドが取り付けられている。
而して、本実施の形態においては、シリンダヘッド8と吸気マニホールド22の各吸気ポート10,23によって形成される1つの連続した吸気ポート24には、複数(図示例では3枚)の翼26を空気の流れ方向に配列保持して成る弁体27が開閉可能に設けられている。
上記弁体27は、その上流端(空気の流れ方向上流端)が回転軸28によって回動可能に枢支されており、回転軸は、吸気マニホールド22の吸気ポート23の底面に図1及び図2の紙面垂直方向(空気の流れ方向に対して垂直方向)に延びて各気筒を貫通している。そして、この弁体27は、回転軸28から空気の流れ方向下流側(シリンダヘッド8側)に向かって延びている。
又、弁体27の上流端と吸気マニホールド22の吸気ポート23の底面との間には付勢手段としてのスプリング29が縮装されており、このスプリング29によって弁体27は閉じ方向(その下流端が吸気ポート24(10)の上面に近づいて空気の流れを絞る方向:回転軸28を中心とする図1及び図2の反時計方向)に付勢されている。
ここで、弁体27に配列保持された各翼26は、その断面形状が空気の流れ方向上流側から下流側に向かって吸気ポート24の上面側に凹状に湾曲する形状とされており、3枚の翼26は空気の流れ方向に所定隙間δを隔てて配設されている。又、3枚の翼26は、シリンダヘッド8と吸気マニホールド22の各吸気ポート10,23にそれぞれ配設されており(図示例では、吸気マニホールド22の吸気ポート23に1枚の翼26が配設され、シリンダヘッド8の吸気ポート10に2枚の翼26が配設されている)。これらの翼26は、空気の流れ方向上流側から下流側に向かうに連れて吸気ポート24の底面から離れるように(つまり、吸気ポート24を流れる空気を吸気ポート24の上面側に偏向させて絞るように)配置されている。
次に、本発明に係る吸気装置の作用について説明する。
エンジン1が動作して各気筒のピストン4がシリンダ3内で下動する吸気行程においては、図1及び図2に示すように吸気バルブ12が開き、シリンダ3内に発生する負圧に引かれて空気(新気)が不図示のエアクリーナを通過して浄化され、不図示のスロットルバルブによって調量された後に吸気マニホールド22とシリンダヘッド8の各吸気ポート23,10(両吸気ポート22,10を連ねた吸気ポート24)を燃焼室9に向かって図示矢印方向に流れる。
ここで、空気流量が少なくて空気の流速が低い低負荷運転時には、空気の流れによって弁体27の各翼26に下向きに作用する揚力L1はスプリング29の付勢力Fよりも小さいため(L1<F)、弁体27は図1に示すように閉じる。このように弁体27が閉じた状態では、該弁体27に配列保持された複数(3枚)の翼26は、空気の流れ方向上流側から下流側に向かうに連れて吸気ポート24の底面から離れるように(つまり、吸気ポート24を流れる空気を吸気ポート24の上面側に偏向させて絞るように)配置されているため、吸気ポート24における空気の流れを絞って空気の流速を高めるとともに、空気の流れを吸気ポート10の上面側へと偏向させる。
而して、本実施の形態では、弁体27に配列保持された複数(3枚)の各翼26の断面形状を吸気の流れ方向上流側から下流側に向かって吸気ポート24の上面側に凹状に湾曲する形状としたため、図1に矢印にて示すように、該翼26の凹状の上面に沿って流れる空気を吸気ポート24の上面側に偏向させることができるとともに、各翼26の凸状の下面に沿って流れる吸気を吸気ポート24の上面側へ引き上げることができる。
又、本実施の形態では、3枚の翼26が弁体27において吸気の流れ方向に互いに所定隙間δを隔てて配設されるとともに、図1に示す低負荷運転時には弁体27が閉じてこれに保持された翼26が空気の流れ方向上流側から下流側に向かうに連れて吸気ポート24の底面から離れるよう配置されるため、各翼26の下面に沿って流れる空気がその下流側に配設された翼26との間の隙間δを通って下流側の翼26の上面側へ流れることによって徐々に吸気ポート24の上面側へ引き上げられ、吸気ポート24の上面側(複数の翼26の上方)を流れる空気の量と流速が増大する。
上述のように吸気ポート24を流れる過程で弁体27に保持された複数の翼26によって流れ方向が吸気ポート24の上面側へと偏向された空気には、インジェクタ25から適量の燃料が噴射され、この燃料と空気が混合することによって所望の空燃比(A/F)の混合気が形成される。そして、この混合気は、吸気ポート24の上面側へと流れが偏向された状態で開口部10aから燃焼室9に勢い良く流入するため、燃焼室9には混合気による強いタンブル流が発生し、このタンブル流によって燃焼室9で混合気の撹拌が良好に行われる。この結果、混合気量の少ない低負荷運転時においても燃焼室9での混合気の燃焼が安定化し、希薄燃焼が可能となって燃費や排ガス特性が改善される。
又、弁体27に保持された複数(3枚)の翼26は吸気ポート24において空気の流れの向きを変えるだけで空気の流れを阻害しないため、吸気ポート24の通気抵抗が低く抑えられ、通気抵抗に伴うポンピングロスが低減されてエンジン1の出力向上が図られる。
更に、本実施の形態では、1つの連続した吸気ポート24をシリンダヘッド8とこれに接続される吸気マニホールド22に亘って形成し、弁体27の吸気の流れ方向上流端を吸気マニホールド22側に設けられた回転軸28によって回動可能に枢支するとともに、該弁体27を回転軸28からシリンダヘッド8側(空気の流れ方向下流側)に向かって延ばしたため、吸気の流れ方向の広い範囲に亘って複数(3枚)の翼26を配設することができる。このため、各翼26の曲率半径を大きくすることができ、該翼26に沿って流れる空気の流動抵抗を低く抑えてエンジン1の更なる出力向上を図ることができる。
而して、上述のようにシリンダヘッド8の各燃焼室9に流入してタンブル流を生起した混合気は、その後、吸気バルブ12が閉じてピストン4がシリンダ3内を上動する圧縮行程において圧縮されるが、この過程で燃焼室9の混合気のタンブル流は崩壊して強力な乱流に変化する。この乱流によって燃料と空気の混合が促進され、乱流化した混合気は、ピストン4が上死点近傍に達した時点で不図示の点火プラグによって着火・燃焼せしめられ、この混合気の燃焼によって発生する高圧を上面に受けるピストン4がシリンダ3内を下動する膨張行程に移行する。
そして、ピストン4が下死点を過ぎてシリンダ3内を再び上動する排気行程に移行すると、排気バルブ13が開き、混合気の燃焼によって燃焼室9に発生した高温・高圧の排気ガスはシリンダヘッド8の開口部11aから排気ポート11へと勢い良く流出し、不図示の排気マニホールド及びこれに連なる不図示の排気管、触媒コンバータ、サイレンサ等を通って大気中に排出される。
而して、エンジン1においては、以上のサイクルが繰り返されて当該エンジン1が連続運転される。
他方、不図示のスロットルバルブが徐々に開かれてエンジン1の回転数が増加し、これに伴って吸気ポート24を流れる空気の流量及び流速も増加すると、空気の流れによって弁体27の各翼26に下向きに作用する揚力Lが次第に大きくなる。そして、吸気ポート24を流れる空気の流量が所定値を超えて弁体27の各翼26に下向きに作用する揚力Lがスプリング29の付勢力Fよりも大きくなると(L>F)、弁体27が回転軸28を中心として図1の時計方向に回動して開き、その開度は空気の流量(流速)に比例して大きくなる。このため、吸気ポート24を流れる空気の流量に応じて弁体27の開度が自動的に調整され、該弁体27による空気流の偏向作用によって燃焼室に生起されるタンブル流の強さが空気の流量に応じて自動制御される。
そして、エンジン1の高負荷運転時には空気の流量が更に増えて流速も高くなるため、空気の流れによって弁体27の各翼26に下向きに作用する揚力L2は最大となり、弁体27はこの大きな揚力L2によって回転軸28を中心として図2に示すように吸気ポート24の底面に当接するまで回動して前回状態となる。このように弁体27が全開状態となると、この弁体27は吸気ポート24の空気の流れを流れを阻害しないため、高負荷運転時に必要な空気量が十分確保されるとともに、吸気ポート24の通気抵抗が低く抑えられ、ポンピングロスが低減されて燃費の改善が図られる。
以上のように、本実施の形態によれば、エンジン1の低負荷運転時には、図1に示すように弁体27が閉じて燃焼室9に強いタンブル流を生起させるために混合気の燃焼の安定化が図られ、高負荷運転時には図2に示すように弁体27が全開して吸気ポート24の通気抵抗を低く抑えるために燃費の改善が図られるため、燃焼の安定化と燃費の改善が同時に図られる。
又、本実施の形態に係る吸気装置においては、前述のように弁体27の各翼26には空気量に応じた揚力Lが作用するため、該弁体27の開度、つまりは燃焼室9に生起されるタンブル流の強さは空気量に応じて自動制御され、この弁体27の開閉にはアクチュエータが不要であるため、当該吸気装置の構造単純化とコストダウンが図られる。
更に、本実施の形態では、弁体27の吸気の流れ方向上流端を吸気マニホールド22側に設けられた回転軸28によって回動可能に枢支するとともに、該弁体27を回転軸28からシリンダヘッド8側(空気の流れ方向下流側)に向かって延ばしたため、翼26を回転軸28から離れた位置に配置することができる。このため、各翼26に作用する揚力Lによって弁体27に作用する回転軸28回りのモーメントが大きくなり、この大きなモーメントによって弁体27を確実に吸気ポート24の底面側に回動させてこれを開くことができるという効果も得られる。
ところで、燃焼室での混合気の燃焼において、乱流化した混合気に着火がなされると、燃料と酸素との反応によって形成される火炎の表面に凹凸ができ、反応可能な表面積が増えて火炎の伝播速度が高められ、混合気のより安定した燃焼が可能となる。燃費向上のために筒内にEGRガスを導入してポンピングロスを低減させる技術を成立させる場合や、空燃比(A/F)をリーンにしてポンピングロスを低減させる技術を成立させる場合においても、混合気の安定した燃焼を実現することは必須であり、そのためには燃焼室でのタンブル流の強化が有効となる。このタンブル流の強化によって混合気の燃焼が安定化し、エンジン始動直後の点火タイミングを遅角させることによって、点火した混合気が燃焼して熱に変わる現象を遅らせ、排気行程時の排気ガス温度を高くし、エンジンの始動直後に触媒に到達する排気ガスの温度を高めて触媒の早期活性化を図り、結果的にTHCの低減化を図ることが可能となる。
尚、以上は特に燃料噴射式の自動車用4サイクルエンジンの吸気装置に本発明を適用した形態について説明したが、本発明は、キャブレタによって混合気を形成するエンジンや筒内噴射(直噴)エンジン等、他の任意の4サイクルエンジンに備えられる吸気装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
本発明に係る吸気装置の低負荷運転時の作用を示すエンジン要部の縦断面図である。 本発明に係る吸気装置の高負荷運転時の作用を示すエンジン要部の縦断面図である。 図2のA−A線拡大断面図である。 吸気装置の従来例を示すエンジン要部の縦断面図である。
符号の説明
1 エンジン
2 シリンダブロック
3 シリンダ
4 ピストン
5 クランクケース
6 クランク軸
7 コンロッド
8 シリンダヘッド
9 燃焼室
10 シリンダヘッドの吸気ポート
10a 吸気ポートの開口部
11 排気ポート
11a 排気ポートの開口部
12 吸気バルブ
13 排気バルブ
14,15 バルブガイド
16,17 バルブスプリング
18 吸気カム軸
18a 吸気カム
19 排気カム軸
19a 排気カム
20,21 バルブリフタ
22 吸気マニホールド
23 吸気マニホールドの吸気ポート
24 吸気ポート
25 インジェクタ
26 翼
27 弁体
28 回転軸
29 スプリング(付勢手段)
F 付勢力
L1,L2 揚力
δ 翼間の隙間

Claims (3)

  1. 燃焼室に連なる吸気ポート内に吸気の流れ方向を該吸気ポートの上面側に偏向させることによって燃焼室内に吸気のタンブル流を発生させるエンジンの吸気装置において、
    翼を保持した弁体の吸気の流れ方向上流端を、吸気の流れ方向に対して垂直方向に延びる回転軸によって前記吸気ポートの底面に回動可能に枢支するとともに、該弁体を閉じ方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするエンジンの吸気装置。
  2. 前記翼の断面形状を吸気の流れ方向上流側から下流側に向かって吸気ポートの上面側に凹状に湾曲する形状とし、該翼を吸気の流れ方向に所定隙間を隔てて複数配設したことを特徴とする請求項1記載のエンジンの吸気装置。
  3. 前記吸気ポートをシリンダヘッドとこれに接続される吸気マニホールドに亘って形成し、前記弁体の吸気の流れ方向上流端を吸気マニホールド側に設けられた前記回転軸によって回動可能に枢支するとともに、該弁体を回転軸から前記シリンダヘッド側に向かって延ばしたことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジンの吸気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017150379A (ja) * 2016-02-24 2017-08-31 株式会社Subaru エンジン

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