JP2008128227A - 超高効率4サイクル内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置と、圧縮比可変ピストンを有する可変圧縮比機構とを備える事によって部分負荷域におけるポンプ損失を低減すると共に圧縮比を高め、圧縮比に対して膨張比を大とする事によって熱効率を大幅に向上させること。
【解決手段】クランク軸と同期して回転する吸気カム軸により駆動される吸気弁を備え、開弁期間は変えずにクランク軸46と吸気カム軸との位相角を変えて吸気弁の開閉時期を変化させるバルブタイミング可変装置55を備えた内燃機関において、シリンダーヘッドに燃焼室へ臨む圧縮比可変ピストンを備え、運転状態に応じて圧縮比可変ピストンを移動させる事によって燃焼室容積を可変とし、更に上死点付近で開弁するバルブタイミングが固定されたもう1つの吸気弁を備える様にした。
【選択図】図6
【解決手段】クランク軸と同期して回転する吸気カム軸により駆動される吸気弁を備え、開弁期間は変えずにクランク軸46と吸気カム軸との位相角を変えて吸気弁の開閉時期を変化させるバルブタイミング可変装置55を備えた内燃機関において、シリンダーヘッドに燃焼室へ臨む圧縮比可変ピストンを備え、運転状態に応じて圧縮比可変ピストンを移動させる事によって燃焼室容積を可変とし、更に上死点付近で開弁するバルブタイミングが固定されたもう1つの吸気弁を備える様にした。
【選択図】図6
Description
本発明は4サイクル内燃機関(火花点火式)に係わり、更に詳しくは開閉時期を変える吸気弁用のバルブタイミング可変装置と、シリンダーヘッドに備えられた圧縮比可変ピストンにより燃焼室容積を可変とする可変圧縮比機構とを備え、これによりポンプ損失を低減させると共に圧縮比に対して膨張比を大とする事によって大幅に熱効率を向上させる内燃機関に関するものである。
一般に4サイクル内燃機関(火花点火式)ではスロットル弁によりシリンダー内に吸入される吸気を絞って吸入吸気量を制限し、これによりエンジン出力を制御する様にしている。しかしながらこの方法では吸入吸気を絞る事によるポンプ損失(吸気抵抗損失)が増大し、為に熱効率の大幅低下を余儀なくされている。この対策として吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置を備え、一旦シリンダー内に吸入した吸気を所定量押し戻し(吸気弁の閉弁時期を遅らせる)、これによりスロットル弁を開き気味に制御する事によってポンプ損失を低減させる方法が実用化されているが、有効圧縮比の低下によって圧縮端温度・圧力が十分に上らず燃焼が悪化し、熱効率の向上は僅かなものであった(10%位の向上)。即ち、吸気弁の閉弁時期を遅らせるほどポンプ損失は減少するが、他方では有効圧縮比の大幅低下による燃焼悪化のマイナス要因に足を引っ張られ、熱効率の大幅向上は見込めないのである。
本発明の目的は、既に述べた様に吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置と、圧縮比可変ピストンにより燃焼室容積を可変とする可変圧縮比機構とを備え、これにより部分負荷域でポンプ損失を低減させると共に圧縮比を高め、熱効率を大幅に高める事にあり、加えて圧縮比に対して膨張比を大として、更なる熱効率の向上を図るところにある。
本発明は上記目的を達成する為、クランク軸と同期して回転する吸気カム軸により駆動される吸気弁を備え、開弁期間は変えずにクランク軸と吸気カム軸との位相角を変えて吸気弁の開閉時期を変化させるバルブタイミング可変装置を備えた4サイクル内燃機関において、シリンダーヘッドに燃焼室へ臨む圧縮比可変ピストンを備え、運転状態に応じて圧縮比可変ピストンを移動させる事によって燃焼室容積を可変とし、更に上死点付近で開弁するバルブタイミングが固定されたもう1つの吸気弁を備え、シリンダー内に一旦吸入した吸気を所定量押し戻して出力を制御すると共に圧縮比可変ピストンを移動させて燃焼室容積を変化させる様にしたのである。
本発明を理解する為に、先ず開弁期間を変えずに吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置について説明する。図1において1は4サイクル内燃機関、2はクランクの軸で、クランク軸2により歯付きベルト3(又はチエン)を介して歯付きプーリー4(又はスプロケット)、歯付きプーリー6(又はスプロケット)が回転比1/2に減速して駆動され、これにより各々図示しない排気カム軸、吸気カム軸が駆動される。特に図示しないが.内燃機関1にはシリンダー内へ吸気を供給する吸気通路が接続され、ここに燃料を噴射する燃料噴射弁などが配設され、更にシリンダー内の既燃ガスを排気する排気通路が接続され、ここに触媒コンバーターなどが配設されている。又、シリンダーヘッドには燃焼室へ臨む点火プラグが配設されている。5は開弁期間は変えずに吸気弁の開閉時期を変化させるバルブタイミング可変装置で(公知の構造である)、仕切壁7を有するハウジング8とベーン9を有するローター10とを備えている。ハウジング8はボルトにより歯付きプーリー6に結合・固定され、ローター10はボルトにより吸気カム軸に結合・固定されている。仕切壁7とベーン9とにより進角室11(図では3個ある)と遅角室12(図では3個ある)が形成され、各々に作動油が供給される。即ち、油圧制御弁15からの作動油が進角用油路13を介して進角室11へ供給され、遅角用油路14を介して遅角室12へ供給される様になっている(より詳しくは吸気カム軸及びローター10に形成された進角用油路を介して進角室11へ供給され、吸気カム軸及びローター10に形成された遅角用油路を介して遅角室12へ各々供給される)。油圧制御弁15は油圧ポンプからの油圧が供給されるポート19を有し、後述するエンジンコントロールユニット22(以下ECU)からの出力信号により軸方向への移動量が電磁ソレノイドにより駆動制御されるプランジャー16と、スプール弁17と、バネ18とを有しており、バネ18の反発力とプランジャー16の押圧力とが均衡する位置でスプール弁17が位置決め
される様になっている。ここで、油圧制御弁15がECU22からの出力信号によりプランジャー16の押圧力が最も小さくなる様に継続的に制御された場合には、バネ18の反発力によりスプール弁17は図示の如く右方へ移動し、油圧ポンプからの油圧が遅角用油路14を介して遅角室12に供給されると共に進角用油路13を介して進角室11の油圧がドレーンポート20にドレーンとして排出され、この結果、ローター10は最遅角側の位置へ移動する。これに対し油圧制御弁15がECU22からの出力信号によりプランジャー16の押圧力が最も大きくなる様に継続的に制御された場合には、バネ18に抗してスプール弁17が図中左方向へ移動し、油圧ポンプからの油圧が進角用油路13を介して進角室11に供給されると共に遅角室12の油圧が遅角用油路14を介してドレーンポート21にドレーンとして排出され、この結果、ローター10は最進角側の位置へ移動する事になる。ここで上記説明は電磁ソレノイドのプランジャー16を継続的に同方向に制御した場合であるが、この継続時間やプランジャー16の押圧力を制御する事でローター10のクランク軸2に対する位相角、即ち吸気カム軸のクランク軸2に対する位相角を最遅角位置と最進角位置との間で任意の位相角に設定する事ができる。又、プランジャー16の押圧力を制御して進角用油路13、遅角用油路14と、ポート19とがいずれも連通しない様にスプール弁17の位置を調整する事で油圧の給・排がなくなって、任意の位相角に固定する事ができる(この時、作動油は剛体化した様になる)。ECU22には所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサーからの信号(これによりエンジン回転も検出される)、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサーからの信号、負荷センサー(例えばアクセルセンサー)からの信号、車速センサーからの信号、冷却水温を検出する水温センサーからの信号などが入力され、ローター10の、即ち吸気カム軸のクランク軸2に対する位相角が目標値となる様に油圧制御弁15に制御信号を出力する。これを受けて油圧制御弁15は上記の様に制御する事になるが、この制御はカム角センサーからの信号により吸気カム軸の現在の位相角を把握して、目標とする位相角となる様にフィードバック制御するのである。図2は吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置の他の例を示し、クランク軸と同期して歯付きベルト等により回転する歯付きプーリー28(又はスプロケット)は軸受27により支持され、吸気カム軸23の回りに回転可能に支持されている。歯付きプーリー28の外筒部37の内側にはヘリカルスプライン31が形成され、ボルト26により吸気カム軸23に固定された内筒部24の外側にはヘリカルスプライン25が形成されており、ヘリカルスプライン31、25の間にはシール部30(油圧をシールする)を有する油圧ピストン29が備えられている。そして油圧ピストン29の内・外周面にはヘリカルスプラインが形成され、各々ヘリカルスプライン25、31と噛み合っている。36はバネ、32は進角室33へ油圧を供給する進角用油路、34は遅角室35へ油圧を供給する遅角用油路である。従って、油圧ピストン29を軸方向へ移動させる事によりこの軸方向の運動が内筒部24と外筒部37との相対回転運動に変換され、両者間の相対回転位相が変化し、吸気カム軸のクランク軸に対する位相角を連続的に変化させる事ができる。この油圧ピストン29を軸方向へ移動させるには油圧ピストン29の前後に形成される進角室33と遅角室35への油圧を油圧制御弁15′により切換え制御する事によって為され、これにより油圧ピストン29は所定の位置に移動、固定される。ECU22′からの制御信号を受ける油圧制御弁15′については図1で述べた通りなので、説明は省略する。ところで図2では油圧ピストン29を油圧により駆動する様にしていたが、電気的駆動も可能である。即ち図3において歯付きプーリー28′はヘリカルスプライン31′を、吸気カム軸23′はヘリカルスプライン25′を各々有し、両者間にはプランジャー39が備えられ、プランジャー39の内・外周面に形成されたヘリカルスプラインがヘリカルスプライン25′、31′と各々噛み合う様に構成されている。このプランジャー39は図2の油圧ピストン29に相当するもので、歯付きプーリー28′は軸受部38により吸気カム軸23′の回りに回転可能に支持されている。従ってECUからの制御信号によりサーボモーター44を所定角度回転させれば、ウオーム43により扇形ギァ42が支点41を中心にレバー40を揺動させ、プランジャー39を移動させる事ができる。この他、電磁クラッチ(電磁ブレーキ)の摩擦制動によってクランク軸に対する吸気カム軸の回転位相を変化させるバルブタイミング可変装置も考えられている(例えば特開2001−164951、特開2003−278514号公報)。
吸気弁の開弁期間は変えずに開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置は以上の如く構成されている。さてこの様なバルブタイミング可変装置を備えた内燃機関では部分負荷域での熱効率を向上させる為に、吸気弁の閉弁時期を遅らせてポンプ損失を低減させようとすると、図4(イ)からも明らかな様にθの期間吸気弁が開かない為、この間吸気がシリンダー内へ吸入されずにエンジンは負の仕事を強いられ、熱効率が低下する(例えば代表的は吸気弁では開弁時期は上死点前10°CA、閉弁時期は下死点後40°CAであるから、図4(イ)の破線示の如く閉弁時期を40°遅らせるとθは30°CAとなる)。しかもポンプ損失の一層の低減の為に更に吸気弁の閉弁時期を遅らせると、ますます大きな問題となる。この様な欠点を解消するには、図5の如く上死点近傍で開弁するバルブタイミングが固定されたもう1つの吸気弁I2を備えるのが良い(例えば図4(ロ)の如く上死点前10°CAで開弁し、下死点後40°CAで閉弁する)。ここでI1はバルブタイミング可変装置により開閉時期が変化する吸気弁、EXは排気弁を示す(バルブタイミングは固定)。こうすると部分負荷域で吸気弁I1の閉弁時期を遅らせても、図4(イ)のθの期間は吸気弁I2が開いているから、吸気がシリンダー内へ吸入され、エンジンが負の仕事を強いられず、熱効率の低下はない。吸気弁I2はバルブタイミングが固定されなければならないから、排気弁EXを駆動する排気カム軸にカムを備え、ロッカーアームなどを介して駆動するなどとし、吸気弁I1を駆動する吸気カム軸とは別系統とする必要がある。
される様になっている。ここで、油圧制御弁15がECU22からの出力信号によりプランジャー16の押圧力が最も小さくなる様に継続的に制御された場合には、バネ18の反発力によりスプール弁17は図示の如く右方へ移動し、油圧ポンプからの油圧が遅角用油路14を介して遅角室12に供給されると共に進角用油路13を介して進角室11の油圧がドレーンポート20にドレーンとして排出され、この結果、ローター10は最遅角側の位置へ移動する。これに対し油圧制御弁15がECU22からの出力信号によりプランジャー16の押圧力が最も大きくなる様に継続的に制御された場合には、バネ18に抗してスプール弁17が図中左方向へ移動し、油圧ポンプからの油圧が進角用油路13を介して進角室11に供給されると共に遅角室12の油圧が遅角用油路14を介してドレーンポート21にドレーンとして排出され、この結果、ローター10は最進角側の位置へ移動する事になる。ここで上記説明は電磁ソレノイドのプランジャー16を継続的に同方向に制御した場合であるが、この継続時間やプランジャー16の押圧力を制御する事でローター10のクランク軸2に対する位相角、即ち吸気カム軸のクランク軸2に対する位相角を最遅角位置と最進角位置との間で任意の位相角に設定する事ができる。又、プランジャー16の押圧力を制御して進角用油路13、遅角用油路14と、ポート19とがいずれも連通しない様にスプール弁17の位置を調整する事で油圧の給・排がなくなって、任意の位相角に固定する事ができる(この時、作動油は剛体化した様になる)。ECU22には所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサーからの信号(これによりエンジン回転も検出される)、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサーからの信号、負荷センサー(例えばアクセルセンサー)からの信号、車速センサーからの信号、冷却水温を検出する水温センサーからの信号などが入力され、ローター10の、即ち吸気カム軸のクランク軸2に対する位相角が目標値となる様に油圧制御弁15に制御信号を出力する。これを受けて油圧制御弁15は上記の様に制御する事になるが、この制御はカム角センサーからの信号により吸気カム軸の現在の位相角を把握して、目標とする位相角となる様にフィードバック制御するのである。図2は吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置の他の例を示し、クランク軸と同期して歯付きベルト等により回転する歯付きプーリー28(又はスプロケット)は軸受27により支持され、吸気カム軸23の回りに回転可能に支持されている。歯付きプーリー28の外筒部37の内側にはヘリカルスプライン31が形成され、ボルト26により吸気カム軸23に固定された内筒部24の外側にはヘリカルスプライン25が形成されており、ヘリカルスプライン31、25の間にはシール部30(油圧をシールする)を有する油圧ピストン29が備えられている。そして油圧ピストン29の内・外周面にはヘリカルスプラインが形成され、各々ヘリカルスプライン25、31と噛み合っている。36はバネ、32は進角室33へ油圧を供給する進角用油路、34は遅角室35へ油圧を供給する遅角用油路である。従って、油圧ピストン29を軸方向へ移動させる事によりこの軸方向の運動が内筒部24と外筒部37との相対回転運動に変換され、両者間の相対回転位相が変化し、吸気カム軸のクランク軸に対する位相角を連続的に変化させる事ができる。この油圧ピストン29を軸方向へ移動させるには油圧ピストン29の前後に形成される進角室33と遅角室35への油圧を油圧制御弁15′により切換え制御する事によって為され、これにより油圧ピストン29は所定の位置に移動、固定される。ECU22′からの制御信号を受ける油圧制御弁15′については図1で述べた通りなので、説明は省略する。ところで図2では油圧ピストン29を油圧により駆動する様にしていたが、電気的駆動も可能である。即ち図3において歯付きプーリー28′はヘリカルスプライン31′を、吸気カム軸23′はヘリカルスプライン25′を各々有し、両者間にはプランジャー39が備えられ、プランジャー39の内・外周面に形成されたヘリカルスプラインがヘリカルスプライン25′、31′と各々噛み合う様に構成されている。このプランジャー39は図2の油圧ピストン29に相当するもので、歯付きプーリー28′は軸受部38により吸気カム軸23′の回りに回転可能に支持されている。従ってECUからの制御信号によりサーボモーター44を所定角度回転させれば、ウオーム43により扇形ギァ42が支点41を中心にレバー40を揺動させ、プランジャー39を移動させる事ができる。この他、電磁クラッチ(電磁ブレーキ)の摩擦制動によってクランク軸に対する吸気カム軸の回転位相を変化させるバルブタイミング可変装置も考えられている(例えば特開2001−164951、特開2003−278514号公報)。
吸気弁の開弁期間は変えずに開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置は以上の如く構成されている。さてこの様なバルブタイミング可変装置を備えた内燃機関では部分負荷域での熱効率を向上させる為に、吸気弁の閉弁時期を遅らせてポンプ損失を低減させようとすると、図4(イ)からも明らかな様にθの期間吸気弁が開かない為、この間吸気がシリンダー内へ吸入されずにエンジンは負の仕事を強いられ、熱効率が低下する(例えば代表的は吸気弁では開弁時期は上死点前10°CA、閉弁時期は下死点後40°CAであるから、図4(イ)の破線示の如く閉弁時期を40°遅らせるとθは30°CAとなる)。しかもポンプ損失の一層の低減の為に更に吸気弁の閉弁時期を遅らせると、ますます大きな問題となる。この様な欠点を解消するには、図5の如く上死点近傍で開弁するバルブタイミングが固定されたもう1つの吸気弁I2を備えるのが良い(例えば図4(ロ)の如く上死点前10°CAで開弁し、下死点後40°CAで閉弁する)。ここでI1はバルブタイミング可変装置により開閉時期が変化する吸気弁、EXは排気弁を示す(バルブタイミングは固定)。こうすると部分負荷域で吸気弁I1の閉弁時期を遅らせても、図4(イ)のθの期間は吸気弁I2が開いているから、吸気がシリンダー内へ吸入され、エンジンが負の仕事を強いられず、熱効率の低下はない。吸気弁I2はバルブタイミングが固定されなければならないから、排気弁EXを駆動する排気カム軸にカムを備え、ロッカーアームなどを介して駆動するなどとし、吸気弁I1を駆動する吸気カム軸とは別系統とする必要がある。
図6は本発明による超高効率4サイクル内燃機関の一実施例で、45は4サイクル内燃機関、46はクランク軸で、クランク軸46により歯付きベルト47(又はチェーン)を介して歯付きプーリー48(又はスプロケット)が回転比1/2に減速して駆動され、歯付きプーリー48の軸上には歯車49が固定され、この歯車49と1/1の回転比で噛み合う歯車50、56が備えられている(図では歯付きプーリー48は歯車49の手前にある)。55は開弁期間は変化させずに吸気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置で、例えば図1のものを使用しており、ハウジング51はボルトにより歯車50と結合・固定され、ローター52はボルトにより吸気カム軸と結合・固定されている。このバルブタイミング可変装置55は油圧制御弁62により制御されるが、両者の構造及び作用については図1で説明したので省略する。60は進角室53へ油圧を供給する進角用油路、61は遅角室54へ油圧を供給する遅角用油路である。59は開弁期間を変えずに排気弁の開閉時期を変えるバルブタイミング可変装置で、ハウジング57はボルトにより歯車56と結合・固定され、ローター58はボルトにより排気カム軸と結合・固定され、油圧制御弁63により制御されるが、このバルブタイミング可変装置59及び油圧制御弁63は各々バルブタイミング可変装置55、油圧制御弁62と基本的には同じものである。このバルブタイミング可変装置59は必要不可欠なものではないが(即ち、排気カム軸によって駆動される排気弁の開閉時期を固定しても良いが)、あれば後述する様に多くの利点を有するので、本実施例ではこれを備えたものとして説明する。64はエンジンコントロールユニット(以下ECU)で、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサーからの信号(これに基いてエンジン回転速度も検出される)、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサーからの信号、アクセル開度を検出するアクセルセンサーからの信号、スロットル弁67の開度を検出するスロットルセンサーからの信号、エンジン冷却水温を検出する水温センサーからの信号、大気圧センサーからの信号、スロットル弁67の下流側の吸気通路66内の圧力を検出する圧力センサーからの信号、後述する圧縮比センサーからの信号、排気通路内の酸素濃度を検出するO2センサーからの信号などが入力される。このECU64はマイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種の制御プログラムを実行する事によってエンジンの運転状態に応じて吸気弁や排気弁の開閉時期、後述する圧縮比、更には燃料噴射弁68の燃料噴射量、点火プラグの点火時期などを制御する。
4サイクル内燃機関はここでは多気筒機関とし、その1断面を図7に、図7を上方からみて吸気弁、排気弁、圧縮比可変ピストンなどのレイアウトを図8(イ)に示す。図7において吸気弁77、80は各々吸気カム軸79、81によって駆動され、更に吸気カム軸79は図6のローター52に結合・固定されているから、歯車50によって駆動され、吸気カム軸81は歯車49によって駆動される様になっている。排気弁82は排気カム軸83によって駆動され、これはローター58に結合・固定されているから、歯車56によって駆動される。吸気弁77及び排気弁82の開閉時期は可変であるが、吸気弁80のそれは固定されている。図では吸気弁77を閉鎖しておくバネなどの図示は省略してあるが、吸気カム軸79のカムは例えばピボット式ロッカーアーム78を介して吸気弁77を開閉する様になっている(吸気弁80、排気弁82についても同様とする)。尚、点火プラグ94は図8に示す通り2〜3個備える事が望ましい。ここで、燃焼室70の形状についてであるが、図8(イ)においてCは高さが最小の(平均すると1mm位)スキッシュエリア、Bは排気弁82のピストン69との干渉を防ぐに足る中間の高さの領域、Aは高さが最大の燃焼室の主たる部分である(領域Aの内でも圧縮比可変ピストン71の直下の部分が高さ最大である)。この場合、図8(ロ)の如く領域Cに排気弁82の占める部分が含まれる様に、領域Bに吸気弁77、80の占める部分が含まれる様に構成しても良い。尚、圧縮比可変ピストン71を図8(ハ)の如く燃焼室中央に配置し、吸気弁、排気弁を各々3個づつ備える様にしても良い(3個の吸気弁の内、1〜2個は開閉時期を固定する)。シリンダーヘッド84には燃焼室70に臨む圧縮比可変ピストン71が備えられ(ガスシール用のピストンリングを有する)。ロッド72を介してアクチュエーター76に連結している。アクチュエーター76は油圧式で、油圧シリンダー内に嵌め込まれた油圧ピストン73と、この油圧ピストン73により仕切られる第1油圧室74と、第2油圧室75とから構成されている。このアクチュエーター76の制御にはECU64からの出力信号が入力される油圧制御弁85が使用され、油圧ポンプからの油圧が第1油圧路92を介して第1油圧室74へ、第2油圧路93を介して第2油圧室75へ各々供給される。油圧制御弁85はECU64からの出力信号により軸方向への移動量が電磁ソレノイドにより駆動制御されるプランジャー86を有しており、バネ91の反発力とプランジャー86の押圧力とが均衡する位置でスプール弁87が位置決めされる様になっている。ここで油圧制御弁85がECU64からの出力信号によりプランジャー86の押圧力が最も小さくなる様に継続的に制御された場合には、バネ91の反発力によりスプール弁87は上方へ移動し、油圧ポンプからの油圧が第1油圧路92を介して第1油圧室74に供給されると共に、第2油圧室75からの油圧が第2油圧路93を介してドレーンポート89にドレーンとして排出され、圧縮比可変ピストン71は燃焼室70から最も離れた位置へ移動する(上方へ移動)。これに対し油圧制御弁85がECU64からの出力信号によりプランジャ86の押圧力が最も大きくなる様に継続的に制御された場合には、バネ91に抗してスプール弁87が図中下方へ移動し、油圧ポンプからの油圧が第2油圧路93を介して第2油圧室75へ供給されると共に、第1油圧室74の油圧が第1油圧路92を介してドレーンポート90にドレーンとして排出され、圧縮比可変ピストン71は燃焼室70へ最も引っ込んだ位置へ移動する(下方へ移動)。ここで上記説明は電磁ソレノイドのプランジャー86を継続的に同方向へ制御した場合であるが、この継続時間やプランジャー86の押圧力を制御する事で圧縮比可変ピストン71の位置を任意の位置に設定する事ができる。又、プランジャー86の押圧力を制御して第1油圧路92、第2油圧路93と、ポート88とがいずれも連通しない様にスプール弁87の位置を調整する事で油圧の給排がなくなって、圧縮比可変ピストン71を任意の位置に固定する事ができる(この時、作動油は剛体化した様になる)。ECU64は圧縮比可変ピストン71の位置が目標値となる様に油圧制御弁85に制御信号を出力し、これを受けて油圧制御弁85は上記の様に制御する事になるが、この制御は圧縮比可変ピストン71の位置を検出する位置センサーである圧縮比センサー(図示せず)からの信号により圧縮比可変ピストン71の現在の位置を把握して目標とする制御位置となる様にフィードバック制御する。
次に本内燃機関の制御について図6、7により詳しく説明する。
先ずエンジンアイドル状態ではアクセル開度は最小開度であり、これを受けてECU64からの制御信号により吸気弁77は図10(イ)の破線示の様に例えば下死点後115°CAで閉弁する様に(大幅に遅らせ)制御され、これによりシリンダー内に一旦吸入した吸気は約2/3が押し戻され1/3が残る様になる。この時、吸気弁77は例えば上死点後65°CAに開弁となり、θ′の期間は閉じているが、吸気弁80は開いているので、吸気はシリンダー内へ吸入され、エンジンが負の仕事を強いられる事はない。吸気弁80は上死点付近で開弁し―例えば上死点前10°CAで開弁、下死点後30°CAで閉弁―バルブタイミングは固定されており、これは既に図5で説明した通りである。同時にECU64からの制御信号により圧縮比可変ピストン71の位置が制御され(最も下がった位置に)、燃焼室70の容積を最小にして、実圧縮比(吸気弁77が閉弁した時のピストン位置で計算した圧縮比)を最適値に制御する(例えば燃料の種類によって異なるが、9〜12とする)。この場合、吸気弁77の閉弁時期を更に遅らせれば遂にはスロットル弁67により吸気を絞る必要がなくなるが、こうすると、実圧縮比は燃焼室70の容積を更に縮小して制御する必要があり、燃焼室形状が扁平になり、冷却損失の増大や燃焼が悪化すると考えられるので、本実施例ではスロットル弁67により吸気を若干絞る様にしている。スロットル弁67はアクセルと機械的に連動させても良いが、ECU64からの信号により制御されるDCモーターにより駆動した方が自由度が増すので、本実施例ではその様に構成してある。この様に吸気弁77の閉弁時期を大幅に遅らせてシリンダー内に一旦吸入した吸気を所定量押し戻しているので、吸気を全く絞らないか、又は若干絞る程度で良いのので、ポンプ損失を大幅に減少させて熱効率を向上させる事ができる。
この時、実圧縮比も最適値に制御される為(9〜12と高く)、圧縮端温度・圧力が高く、火災伝播速度も増し、熱効率の向上率は大である。しかも燃焼室70の容積も最小に制御されるので、残留ガスが非常に少なく、燃焼に良い条件を与える。次にアクセルを開いてアクセル開度を増すと、これを受けてECU64からの制御信号により吸気弁77の閉弁時期が早められ、これによりシリンダー内に吸入した吸気の押し戻され量が順次減少して出力が増し、エンジンは低負荷域、中負荷域、高負荷域と移ってゆく。同時にECU64からの制御信号により圧縮比可変ピストン71の位置がその都度制御され(位置が上方へ移動)、燃焼室70の容積を順次増加させて常に実圧縮比を最適に制御する(例えば9〜12とする)。そして全負荷域ではアクセルは全開であり、これを受けて吸気弁77の閉弁時期は図10(イ)の実線示のタイミングとなり(例えば下死点後40°CAで閉弁、開弁は上死点前10°CA)、圧縮比可変ピストン71も最も引き上げられた位置となり、燃焼室70の容積が最大となる(実圧縮比は9〜12と最適値)。ところでアクセル開度に応じて吸気弁77の閉弁時期を変え、かつ圧縮比可変ピストン71を移動させる場合、排気行程中や吸気行程中は圧縮比可変ピストン71には高圧のガス圧が作用しないから、排気行程中や吸気行程中、又は排気行程から吸気行程にかけて圧縮比可変ピストン71を移動させる様にタイミングを取ると、これに要する駆動損失は僅かで済む。従ってECU64からの制御信号もその様にタイミングを取る事が望ましい。又、エンジン過渡期においてアクセルを開いてエンジン負荷を増す場合、吸気弁77の閉弁時期制御よりも圧縮比可変ピストン71の制御が遅れると、高圧縮比状態となってノッキングを起す恐れがあるから、ECU64からの制御信号は油圧制御弁62へのタイミングよりも油圧制御弁85へのタイミングの方を所定のクランク角度だけ(又は所定の時間だけ)早めてやる事が望ましい。尚、全負荷域(高負荷域)では吸気弁77の閉弁時期は図10で(イ)の実線示の様に固定されるが、これをエンジン回転速度に応じて可変としても良い(例えば低速域では閉弁時期を実線示より早め、高速域では遅らせると、充填効率が増加する)。又、アクセル開度に応じて吸気弁77の閉弁時期を変える場合、単純な制御ではなくアクセルを開く速度も検出して、一定速度を越えたら急加速と判断し、吸気弁77の閉弁時期を直ちに最も早めたタイミングとして加速性を向上させる手法も実施すると良い。以上の様にエンジンのアイドル状態や部分負荷域ではポンプ損失が大幅に減少するので、熱効率が飛躍的に高まる(この時、実圧縮比も高く取れるので、従来の様な有効圧縮比の低下による燃焼悪化は全くない)。かつ排気弁の開弁時期は従来と同じであるので、実圧縮比に対して膨張比は非常に高く、燃焼ガスを完全膨張させて排気損失を無くし、熱効率を更に向上させる事ができる。エンジン冷態時(暖機運転中)はアイドル回転速度を高めるが、これもECU64からの制御信号により吸気弁77の閉弁時期を通常のアイドル状態の時より若干早める事で為される。以上述べた吸気弁77の閉弁時期制御や圧縮比可変ピストン71の位置制御は全てECU64からの制御信号に基いて行なわれ、図6に示した各センサーからの信号を総合的に考慮し(アクセルセンサーからの信号が基本となる)、制御される。尚、本発明では一旦シリンダー内に吸入した吸気を押し戻すから、吸気脈動が激しいと思われ、従って吸気流量の測定にはアクセル開度(又は吸気弁77の閉弁時期)とクランク軸回転速度とを基本として、これに吸気通路66内の圧力、大気圧力などの情報で補正を加えて推定し、この結果から燃焼噴射弁68の燃料噴射量を計算するのが良いと思われる(O2センサー又は空燃比センサーからの信号によりフィードバック制御する事が望ましい)。ところで排気弁82の開閉時期は固定されていても良いが、本実施例の様に可変としても良く、これにより次の様な利点が生れる。即ち、前者ではエンジンアイドル状態や極低負荷域では膨張比が高過ぎ(シリンダー内に吸入した吸気を2/3押し戻すとした時、実圧縮比が10であれば28の高膨張比となる)、燃焼ガスの膨張させ過ぎが考えられ、排ガス温度が大幅に低下して、触媒コンバーターによる排ガス浄化作用の悪化が懸念される。しかし後者によれば膨張比は適正化されるから、この様な欠点は解消される(本発明の排ガス浄化対策については後述する)。従って排気弁82の開閉時期は本実施例の様に可変化した方が良く、これは排気側のバルブタイミング可変装置59によって為される(バルブタイミング可変装置59は例えば油圧制御弁63によって制御される油圧式が用いられるが、これは吸気側のバルブタイミング可変装置55と基本的には同じ構造なので、説明は省略する)。この場合、排気弁82は通常は図10(ロ)の実線示の様に例えば下死点前50°CAで開弁し、上死点後20°CAで閉弁するが、エンジンアイドル状態や極低負域では破線示の如く開弁時期を早めて(例えば下死点前100℃Aとして)、実質的に膨張比を適正化するのである。この場合、排気弁82の閉弁時期は上死点前30℃Aとなり、シリンダー内に排ガスを若干閉じ込める事になるが、本発明では熱焼室70の容積が小さくなる様に制御されており、吸気通路66内の圧力も大気圧に近いので、残留ガス又は依然として少なく、燃焼の悪化はない、以上はエンジンの運転状態に応じてエンジンの負荷や回転速度などの情報に基いて全てECU64によって細かく制御される。図7では圧縮比可変ピストン71を移動するに当り、油圧式アクチュエーターを使用していたが、図11に示す如くサーボモーターをアクチュエーターとして使用する事ができる。即ち図11において、圧縮比可変ピストン71のロッド95にはネジ部96が形成され、ロッド95を回転させると圧縮比可変ピストン71が移動する。シリンダーヘッド84にはウォームホイール97が回転自在に支持され、その中心部をロッド95がキーやスプラインを介して貫通しており、従ってロッド95はウオームホイール97の中心部をスライドしながらウオームホイール97の回転を伝達する事ができる。ウオームホィール97にはウオーム98が噛み合っており、ウォーム98の回転軸上に図示しないサーボモーターが備えらえれている。従ってECU64からの制御信号によりこのサーボモーターを回転させればロッド95が回転し、圧縮比可変ピストン71が移動してエンジンの運転状態に応じて適正な実圧縮比とする事ができる。この場合も図示しない圧縮比センサーからの出力信号によりフイードバック制御する事は言うまでもない。尚、本発明ではシリンダーヘッド84側から見て、図9の如く圧縮比可変ピストン71の下端部の一部がシリンダー内周面の外側に出る様に配置すると、その分吸気弁や排気弁を大径化する事ができる。
先ずエンジンアイドル状態ではアクセル開度は最小開度であり、これを受けてECU64からの制御信号により吸気弁77は図10(イ)の破線示の様に例えば下死点後115°CAで閉弁する様に(大幅に遅らせ)制御され、これによりシリンダー内に一旦吸入した吸気は約2/3が押し戻され1/3が残る様になる。この時、吸気弁77は例えば上死点後65°CAに開弁となり、θ′の期間は閉じているが、吸気弁80は開いているので、吸気はシリンダー内へ吸入され、エンジンが負の仕事を強いられる事はない。吸気弁80は上死点付近で開弁し―例えば上死点前10°CAで開弁、下死点後30°CAで閉弁―バルブタイミングは固定されており、これは既に図5で説明した通りである。同時にECU64からの制御信号により圧縮比可変ピストン71の位置が制御され(最も下がった位置に)、燃焼室70の容積を最小にして、実圧縮比(吸気弁77が閉弁した時のピストン位置で計算した圧縮比)を最適値に制御する(例えば燃料の種類によって異なるが、9〜12とする)。この場合、吸気弁77の閉弁時期を更に遅らせれば遂にはスロットル弁67により吸気を絞る必要がなくなるが、こうすると、実圧縮比は燃焼室70の容積を更に縮小して制御する必要があり、燃焼室形状が扁平になり、冷却損失の増大や燃焼が悪化すると考えられるので、本実施例ではスロットル弁67により吸気を若干絞る様にしている。スロットル弁67はアクセルと機械的に連動させても良いが、ECU64からの信号により制御されるDCモーターにより駆動した方が自由度が増すので、本実施例ではその様に構成してある。この様に吸気弁77の閉弁時期を大幅に遅らせてシリンダー内に一旦吸入した吸気を所定量押し戻しているので、吸気を全く絞らないか、又は若干絞る程度で良いのので、ポンプ損失を大幅に減少させて熱効率を向上させる事ができる。
この時、実圧縮比も最適値に制御される為(9〜12と高く)、圧縮端温度・圧力が高く、火災伝播速度も増し、熱効率の向上率は大である。しかも燃焼室70の容積も最小に制御されるので、残留ガスが非常に少なく、燃焼に良い条件を与える。次にアクセルを開いてアクセル開度を増すと、これを受けてECU64からの制御信号により吸気弁77の閉弁時期が早められ、これによりシリンダー内に吸入した吸気の押し戻され量が順次減少して出力が増し、エンジンは低負荷域、中負荷域、高負荷域と移ってゆく。同時にECU64からの制御信号により圧縮比可変ピストン71の位置がその都度制御され(位置が上方へ移動)、燃焼室70の容積を順次増加させて常に実圧縮比を最適に制御する(例えば9〜12とする)。そして全負荷域ではアクセルは全開であり、これを受けて吸気弁77の閉弁時期は図10(イ)の実線示のタイミングとなり(例えば下死点後40°CAで閉弁、開弁は上死点前10°CA)、圧縮比可変ピストン71も最も引き上げられた位置となり、燃焼室70の容積が最大となる(実圧縮比は9〜12と最適値)。ところでアクセル開度に応じて吸気弁77の閉弁時期を変え、かつ圧縮比可変ピストン71を移動させる場合、排気行程中や吸気行程中は圧縮比可変ピストン71には高圧のガス圧が作用しないから、排気行程中や吸気行程中、又は排気行程から吸気行程にかけて圧縮比可変ピストン71を移動させる様にタイミングを取ると、これに要する駆動損失は僅かで済む。従ってECU64からの制御信号もその様にタイミングを取る事が望ましい。又、エンジン過渡期においてアクセルを開いてエンジン負荷を増す場合、吸気弁77の閉弁時期制御よりも圧縮比可変ピストン71の制御が遅れると、高圧縮比状態となってノッキングを起す恐れがあるから、ECU64からの制御信号は油圧制御弁62へのタイミングよりも油圧制御弁85へのタイミングの方を所定のクランク角度だけ(又は所定の時間だけ)早めてやる事が望ましい。尚、全負荷域(高負荷域)では吸気弁77の閉弁時期は図10で(イ)の実線示の様に固定されるが、これをエンジン回転速度に応じて可変としても良い(例えば低速域では閉弁時期を実線示より早め、高速域では遅らせると、充填効率が増加する)。又、アクセル開度に応じて吸気弁77の閉弁時期を変える場合、単純な制御ではなくアクセルを開く速度も検出して、一定速度を越えたら急加速と判断し、吸気弁77の閉弁時期を直ちに最も早めたタイミングとして加速性を向上させる手法も実施すると良い。以上の様にエンジンのアイドル状態や部分負荷域ではポンプ損失が大幅に減少するので、熱効率が飛躍的に高まる(この時、実圧縮比も高く取れるので、従来の様な有効圧縮比の低下による燃焼悪化は全くない)。かつ排気弁の開弁時期は従来と同じであるので、実圧縮比に対して膨張比は非常に高く、燃焼ガスを完全膨張させて排気損失を無くし、熱効率を更に向上させる事ができる。エンジン冷態時(暖機運転中)はアイドル回転速度を高めるが、これもECU64からの制御信号により吸気弁77の閉弁時期を通常のアイドル状態の時より若干早める事で為される。以上述べた吸気弁77の閉弁時期制御や圧縮比可変ピストン71の位置制御は全てECU64からの制御信号に基いて行なわれ、図6に示した各センサーからの信号を総合的に考慮し(アクセルセンサーからの信号が基本となる)、制御される。尚、本発明では一旦シリンダー内に吸入した吸気を押し戻すから、吸気脈動が激しいと思われ、従って吸気流量の測定にはアクセル開度(又は吸気弁77の閉弁時期)とクランク軸回転速度とを基本として、これに吸気通路66内の圧力、大気圧力などの情報で補正を加えて推定し、この結果から燃焼噴射弁68の燃料噴射量を計算するのが良いと思われる(O2センサー又は空燃比センサーからの信号によりフィードバック制御する事が望ましい)。ところで排気弁82の開閉時期は固定されていても良いが、本実施例の様に可変としても良く、これにより次の様な利点が生れる。即ち、前者ではエンジンアイドル状態や極低負荷域では膨張比が高過ぎ(シリンダー内に吸入した吸気を2/3押し戻すとした時、実圧縮比が10であれば28の高膨張比となる)、燃焼ガスの膨張させ過ぎが考えられ、排ガス温度が大幅に低下して、触媒コンバーターによる排ガス浄化作用の悪化が懸念される。しかし後者によれば膨張比は適正化されるから、この様な欠点は解消される(本発明の排ガス浄化対策については後述する)。従って排気弁82の開閉時期は本実施例の様に可変化した方が良く、これは排気側のバルブタイミング可変装置59によって為される(バルブタイミング可変装置59は例えば油圧制御弁63によって制御される油圧式が用いられるが、これは吸気側のバルブタイミング可変装置55と基本的には同じ構造なので、説明は省略する)。この場合、排気弁82は通常は図10(ロ)の実線示の様に例えば下死点前50°CAで開弁し、上死点後20°CAで閉弁するが、エンジンアイドル状態や極低負域では破線示の如く開弁時期を早めて(例えば下死点前100℃Aとして)、実質的に膨張比を適正化するのである。この場合、排気弁82の閉弁時期は上死点前30℃Aとなり、シリンダー内に排ガスを若干閉じ込める事になるが、本発明では熱焼室70の容積が小さくなる様に制御されており、吸気通路66内の圧力も大気圧に近いので、残留ガス又は依然として少なく、燃焼の悪化はない、以上はエンジンの運転状態に応じてエンジンの負荷や回転速度などの情報に基いて全てECU64によって細かく制御される。図7では圧縮比可変ピストン71を移動するに当り、油圧式アクチュエーターを使用していたが、図11に示す如くサーボモーターをアクチュエーターとして使用する事ができる。即ち図11において、圧縮比可変ピストン71のロッド95にはネジ部96が形成され、ロッド95を回転させると圧縮比可変ピストン71が移動する。シリンダーヘッド84にはウォームホイール97が回転自在に支持され、その中心部をロッド95がキーやスプラインを介して貫通しており、従ってロッド95はウオームホイール97の中心部をスライドしながらウオームホイール97の回転を伝達する事ができる。ウオームホィール97にはウオーム98が噛み合っており、ウォーム98の回転軸上に図示しないサーボモーターが備えらえれている。従ってECU64からの制御信号によりこのサーボモーターを回転させればロッド95が回転し、圧縮比可変ピストン71が移動してエンジンの運転状態に応じて適正な実圧縮比とする事ができる。この場合も図示しない圧縮比センサーからの出力信号によりフイードバック制御する事は言うまでもない。尚、本発明ではシリンダーヘッド84側から見て、図9の如く圧縮比可変ピストン71の下端部の一部がシリンダー内周面の外側に出る様に配置すると、その分吸気弁や排気弁を大径化する事ができる。
本発明によれば吸気を絞らず(絞っても若干絞る程度)エンジン出力を制御・運転できるから、ポンプ損失が無くなり、熱効率を大幅に向上させる事ができる。しかもこの時、圧縮比(正確には吸気弁閉時におけるピストン位置で計算した実圧縮比)も高く設定できるから(9〜12と適正値に)、従来の様に有効圧縮比の低下による燃焼悪化は起らず、ポンプ損失の減少分がそのまま熱効率の向上につながる。しかもエンジンアイドル状態や部分負荷域では圧縮比(実圧縮比)に対して膨張比が非常に大であるから、燃焼ガスの完全膨張が可能であり、排気損失が減少して熱効率の向上率は非常に大きくなる。又、エンジンのアイドル状態や部分負荷域では吸気弁77が閉弁した時点から実際の圧縮行程が始まり、コネクティングロッドがシリンダー軸線に対して余り傾いてない間に圧縮や燃焼による高圧がピストンに作用するので、ピストンの摩擦損失が減少し、これも熱効率の向上につながる。更にはエンジンアイドル状態や極低負荷域では圧縮比可変ピストン71が最も下方へ移動し、燃焼室70の容積が極小となっていること、及び吸気を絞らない為(絞っても僅か)、排ガスの吸い戻しがない事などから残留ガス量が非常に少なく、燃焼が安定し、これも熱効率の向上につながるのである。加えて、この事からアイドル燃費の大幅低減が可能である。詳しく説明すると、従来ではアイドル燃費を改善させようと混合気を希薄化しても燃焼速度がますます遅くなる為、効果が表われなかった。又、従来では点火時期は最適値よりも遅れ側に設定してあるが、これを最適値に早めても吸入混合気に対する残留ガスの比率が増加しようとするから、効果が表われなかった。しかし本発明では上記の様に残留ガス量が非常に少なく、かつ実圧縮比も高く設定できるので、混合気の希薄化、点火時期の最適化によりアイドル燃費を大幅に改善する事ができる(アイドル回転速度も下げる事もできる)。本発明における熱効率向上の足を引っ張るものは、圧縮比可変ピストン71を下方へ移動させた時の燃焼室70のS/V値の増加による冷却損失増大である(Vは燃焼室の容積、Sはその表面積)。しかしながら本発明ではエンジンアイドル状態や部分負荷域では燃焼室容積が小さく、為に上死点付近では膨張比の変化率が大きいので、高温の燃焼ガスが作用する期間は上死点側に重心が移っており、S/V値が増加しているものの冷却に当てられる期間(時間)が大幅に減少しているので、冷却損失は最小限に抑えられる、冷却損失を減少させる為に、本発明ではEGRの採用や混合気の希薄化の手法を接極的に取り入れる。これにより燃焼ガスの最高温度が低下して冷却損失が減少する。しかし単純なEGRや希薄混合気の採用では火炎伝播速度が小さくなるので、シリンダー内ガス流動の強化や2〜3個の点火プラグによる多点着火を実施する。
特に本発明ではエンジンアイドル状態や部分負荷域では燃焼室容積が小さく制御されているので、上死点付近での膨張比の変化率が大きく、為に火炎伝播速度を大きくする必要があるので、多点着火は是非とも実施したいところである(多点着火による燃焼騒音が問題となる領域では、各々の着火時期に一定の差を与える)。
しかし、EGRの採用や混合気の希薄化により燃焼最高温度を低下させて冷却損失を減少させる手法は、燃焼最高温度を余り下げ過ぎると排ガス温度が低下して触媒コンバーターの浄化作用が悪化するから、膨張比を余り高く取れない事にもつながり、バランスが必要である。とは言っても本発明ではエンジンアイドル状態や低負荷域でも吸気は(殆ど)絞らず実圧縮比も限界まで高く取れるから、常に高負荷状態であるのと同じであり、燃焼最高温度は従来に比しかなり高いはずである。従って、実圧縮比に対する膨張比は十分に高く取れると考えられる。使用燃料としてはガソリンや天然ガス、水素等が考えられ、天然ガスや水素の場合は気体燃料であるから、元来排ガスは清浄であり、可燃範囲が広いので、希薄混合気の採用により触媒コンバーターの活性化温度を考えずに済み、実圧縮比に対する膨張比を思い切り大きく取れる。特に水素を燃料とする場合は可燃範囲が非常に広く(空気過剰率が10でも点火、燃焼する)、超希薄混合気の採用により、冷却損失の大幅低減が可能である(水素は元来燃焼速度が大であるが、やはり多点着火を実施する)。この場合、水素は超希薄混合気を採用できるから、エンジンアイドル状態や極低負荷域でもシリンダー内へ一旦吸入した混合気を多く押し戻す必要がなく(1/2位押し戻す程度か)、従って燃焼室容積を余り縮小させないで済むから、S/V値は余り大とはならないと考えられる。しかも排ガス中の有害成分はNOxのみであり(超希薄混合気の採用により非常に少ないが)、微量含まれる未然の水素は(水素は酸素と非常に結び付き易く、吸・排気弁回りのクレビス部やピストントップランド部に侵入した水素も燃焼が可能である為、極く微量である)無害なので、排ガス対策は容易であり、触媒コンバーターの浄化作用を発揮する温度(活性化温度)を考慮する必要がないから、実圧縮比に対して膨張比を非常に大きく設定して燃焼ガスを大気圧近くまで完全膨張させ、熱効率を大幅に向上させる事ができる。又、水素を燃料とする場合は図8にCで示すスキッシュエリアにも素早く火炎が伝播する特徴があり、燃焼の無駄がない、天然ガスの場合は、これをそのまま燃料とするよりも最初から少量の(10〜30%)水素を混入させて混合燃料とすると、水素は酸素と極めて結び付き易いから、混合気の更なる希薄化に伴なう完全燃焼により排ガス中の有害成分は極めて少なく、触媒コンバーターの活性化温度を考える必要がなく、実圧縮比に対する膨張比も大きく取れ、更には天然ガス資源を長く使うと言った意味からも望ましい。以上から冷却損失を減少させる事ができ、熱効率の飛躍的な改善が得られる。この事から天然ガスや水素を燃料とする場合は走行距離が大幅に延び、燃焼タンク(ボンベ)の更なる高圧比を図れば、同一容積の燃料タンクでガソリンやディーゼル車と並ぶ走行距離を達成する事ができる。
次に本発明における排ガス浄化対策であるが、燃料や天然ガスや水素(エチルアルコール、メチルアルコール、ジメチルエーテル等を改質したものも含む)の場合は(超)希薄混合気の採用により全て対処する。しかしそのままでは出力低下につながるので、高負荷域では理論混合比とし、三元触媒により排ガスを浄化する様にする(燃料がガソリンの場合は吸気弁直前にスロートベーンなどを備えて、燃料噴射弁から噴射される燃料をスロートベーンによる高速気流によって良く微粒化して、希薄混合気を採用できる様に工夫する)。こうするとエンジンアイドル状態や部分負荷域では触媒コンバーターの活性化温度を考える必要がないから、実圧縮比に対して膨張比を大として、燃焼ガスを十分に膨張させる事ができる。しかしこの様な状態からエンジンを急加速する場合はいきなり高負荷域を使う事になり、混合気が理論混合比に切り換えられるから、NOx、HC、COなどの有害成分が発生する事になるが(エンジンアイドル状態や低負荷域では三元触媒が活性化温度に達してないと考えられるから)、上記三元触媒を吸着型とすれば、これらの有害成分はこの間トラップされ、引き続いて触媒が活性化温度に達するから、この時点で浄化される様になる。
バルブタイミング可変装置55(59)の採用や可変圧縮比機構の採用はコスト高を招くがトラック用の分野では競争相手はディーゼル機関なので、問題ない(ディーゼル機関は排ガス浄化対策の為、将来は更にコスト高になると思われる)。かつディーゼル機関が競争相手なので、ピストンストロークをかなり思い切ったロングストロークタイプとする事ができ、S/V値の低減が図れる(冷却損失を減少)。
特に本発明ではエンジンアイドル状態や部分負荷域では燃焼室容積が小さく制御されているので、上死点付近での膨張比の変化率が大きく、為に火炎伝播速度を大きくする必要があるので、多点着火は是非とも実施したいところである(多点着火による燃焼騒音が問題となる領域では、各々の着火時期に一定の差を与える)。
しかし、EGRの採用や混合気の希薄化により燃焼最高温度を低下させて冷却損失を減少させる手法は、燃焼最高温度を余り下げ過ぎると排ガス温度が低下して触媒コンバーターの浄化作用が悪化するから、膨張比を余り高く取れない事にもつながり、バランスが必要である。とは言っても本発明ではエンジンアイドル状態や低負荷域でも吸気は(殆ど)絞らず実圧縮比も限界まで高く取れるから、常に高負荷状態であるのと同じであり、燃焼最高温度は従来に比しかなり高いはずである。従って、実圧縮比に対する膨張比は十分に高く取れると考えられる。使用燃料としてはガソリンや天然ガス、水素等が考えられ、天然ガスや水素の場合は気体燃料であるから、元来排ガスは清浄であり、可燃範囲が広いので、希薄混合気の採用により触媒コンバーターの活性化温度を考えずに済み、実圧縮比に対する膨張比を思い切り大きく取れる。特に水素を燃料とする場合は可燃範囲が非常に広く(空気過剰率が10でも点火、燃焼する)、超希薄混合気の採用により、冷却損失の大幅低減が可能である(水素は元来燃焼速度が大であるが、やはり多点着火を実施する)。この場合、水素は超希薄混合気を採用できるから、エンジンアイドル状態や極低負荷域でもシリンダー内へ一旦吸入した混合気を多く押し戻す必要がなく(1/2位押し戻す程度か)、従って燃焼室容積を余り縮小させないで済むから、S/V値は余り大とはならないと考えられる。しかも排ガス中の有害成分はNOxのみであり(超希薄混合気の採用により非常に少ないが)、微量含まれる未然の水素は(水素は酸素と非常に結び付き易く、吸・排気弁回りのクレビス部やピストントップランド部に侵入した水素も燃焼が可能である為、極く微量である)無害なので、排ガス対策は容易であり、触媒コンバーターの浄化作用を発揮する温度(活性化温度)を考慮する必要がないから、実圧縮比に対して膨張比を非常に大きく設定して燃焼ガスを大気圧近くまで完全膨張させ、熱効率を大幅に向上させる事ができる。又、水素を燃料とする場合は図8にCで示すスキッシュエリアにも素早く火炎が伝播する特徴があり、燃焼の無駄がない、天然ガスの場合は、これをそのまま燃料とするよりも最初から少量の(10〜30%)水素を混入させて混合燃料とすると、水素は酸素と極めて結び付き易いから、混合気の更なる希薄化に伴なう完全燃焼により排ガス中の有害成分は極めて少なく、触媒コンバーターの活性化温度を考える必要がなく、実圧縮比に対する膨張比も大きく取れ、更には天然ガス資源を長く使うと言った意味からも望ましい。以上から冷却損失を減少させる事ができ、熱効率の飛躍的な改善が得られる。この事から天然ガスや水素を燃料とする場合は走行距離が大幅に延び、燃焼タンク(ボンベ)の更なる高圧比を図れば、同一容積の燃料タンクでガソリンやディーゼル車と並ぶ走行距離を達成する事ができる。
次に本発明における排ガス浄化対策であるが、燃料や天然ガスや水素(エチルアルコール、メチルアルコール、ジメチルエーテル等を改質したものも含む)の場合は(超)希薄混合気の採用により全て対処する。しかしそのままでは出力低下につながるので、高負荷域では理論混合比とし、三元触媒により排ガスを浄化する様にする(燃料がガソリンの場合は吸気弁直前にスロートベーンなどを備えて、燃料噴射弁から噴射される燃料をスロートベーンによる高速気流によって良く微粒化して、希薄混合気を採用できる様に工夫する)。こうするとエンジンアイドル状態や部分負荷域では触媒コンバーターの活性化温度を考える必要がないから、実圧縮比に対して膨張比を大として、燃焼ガスを十分に膨張させる事ができる。しかしこの様な状態からエンジンを急加速する場合はいきなり高負荷域を使う事になり、混合気が理論混合比に切り換えられるから、NOx、HC、COなどの有害成分が発生する事になるが(エンジンアイドル状態や低負荷域では三元触媒が活性化温度に達してないと考えられるから)、上記三元触媒を吸着型とすれば、これらの有害成分はこの間トラップされ、引き続いて触媒が活性化温度に達するから、この時点で浄化される様になる。
バルブタイミング可変装置55(59)の採用や可変圧縮比機構の採用はコスト高を招くがトラック用の分野では競争相手はディーゼル機関なので、問題ない(ディーゼル機関は排ガス浄化対策の為、将来は更にコスト高になると思われる)。かつディーゼル機関が競争相手なので、ピストンストロークをかなり思い切ったロングストロークタイプとする事ができ、S/V値の低減が図れる(冷却損失を減少)。
1は4サイクル内燃機関、2・46はクランク軸、3・47は歯付きベルト、4・6・48は歯付きプーリー、5・55・59はバルブタイミング可変装置、7は仕切壁、8・51・57はハウジング、9はベーン、10・52・58はローター、11・53は進角室、12・54は遅角室、13・60は進角用油路、14・61は遅角用油路、15・62・63・15′は油圧制御弁、16・86はプランジャー、17・87はスプール弁、18・91はバネ、19・88はポート、20・21・89・90はドレーンポート、22・22′・64はECU、23・23′は吸気カム軸、24は内筒部、25・31・25′・31′はヘリカルスプライン、26はボルト、27は軸受、28は歯付きプーリー、29は油圧ピストン、30はシール部、32は進角用油路、33は進角室、34は遅角用油路、35は遅角室、36はバネ、37は外筒部、38は軸受部、39はプランジャー、40はレバー、41は支点、42は扇形ギァ、43はウォーム、44はサーボモーター、28′は歯付きプーリー、45は超高効率4サイクル内燃機関、49・50・56はギァ、65は排気通路、66は吸気通路、67はスロットル弁、68は燃料噴射弁、69はピストン、70は燃焼室、71は圧縮比可変ピストン、72・95はロッド、73は油圧ピストン、74は第1油圧室、75は第2油圧室、76はアクチュエーター、77・80、I1・I2は吸気弁、78はロッカーアーム、79・81は吸気カム軸、82は排気弁、83は排気カム軸、84はシリンダーヘッド、85は油圧制御弁、92は第1油路、93は第2油路、94は点火プラグ、96はネジ部、97はウォームホイール、98はウォーム。
Claims (3)
- クランク軸と同期して回転する吸気カム軸により駆動される吸気弁を備え、開弁期間は変えずにクランク軸と吸気カム軸との位相角を変えて、吸気弁の開閉時期を変化させるバルブタイミング可変装置を備えた4サイクル内燃機関において、シリンダーヘッドに燃焼室へ臨む圧縮比可変ピストンを備え、運転状態に応じて前記圧縮比可変ピストンを移動させる事によって燃焼室容積を可変とし、更に上死点付近で開弁するバルブタイミングが固定されたもう1つの吸気弁を備え、かくしてシリンダー内に一旦吸入した吸気を所定量押し戻して出力を制御すると共に前記圧縮比可変ピストンを移動させて燃焼室容積を変化させる様にした事を特徴とする超高効率4サイクル内燃機関。
- 開弁期間は変えずにクランク軸と排気カム軸との位相角を変えて排気弁の開閉時期を変化させるバルブタイミング可変装置を備えた請求項1記載の超高効率4サイクル内燃機関。
- 圧縮比可変ピストンを排気工程中か吸気工程中、又は排気工程から吸気工程にかけて移動させる様にした請求項1又は2記載の超高効率4サイクル内燃機関。
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