JP2010024864A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧縮着火式のエンジンにおいて、燃費の悪化を必要最小限に抑制しつつ、NOxの排出を抑制可能な減速リッチスパイクを実現するエンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】 ECU1Aは、減速フューエルカット運転時に筒内に燃料を噴射する減速リッチスパイクを行う圧縮着火式のエンジン50につき、減速リッチスパイクで目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射する分割噴射制御手段を備える。また目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射するにあたっては、ECU1Aは具体的にはエンジン50の運転状態である吸入空気量Gaと回転数NEとに基づき、各分割噴射の燃料噴射量と、各分割噴射間のインターバルとを決定する噴射条件決定手段をさらに備える。
【選択図】 図2

Description

本発明はエンジンの制御装置に関し、特に減速フューエルカット運転時に筒内に燃料を噴射する減速リッチスパイクを行う圧縮着火式のエンジンについての制御装置であるエンジンの制御装置に関する。
従来、NOx吸蔵還元型触媒(以下、単にNOx触媒とも称す)が排気系に設けられたエンジンが知られている。NOx触媒は、流入する排気の酸素濃度が高いとき、すなわち排気の空燃比(A/F)が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵する。一方、NOx触媒は、流入する排気の酸素濃度が低下し、且つ還元剤が存在するときには吸蔵していたNOxを窒素(N)に還元しつつ放出する。したがって、流入する排気のA/Fが低くなったときはNOx触媒に吸蔵されていたNOxがNに還元されつつ放出される。
かかるNOx触媒では、排気浄化能力を維持するため、吸蔵されたNOxを還元、放出する必要がある。このため、排気のA/Fを一時的に低くするいわゆるリッチスパイクを行い、吸蔵されたNOxを還元、放出する。そしてこのリッチスパイクとして、減速フューエルカット運転時に筒内に燃料を噴射する減速リッチスパイクが従来から知られている。
ここで、通常燃焼時には筒内に供給される空気量が多いため、リッチな状態を作り出すためにはそれだけ多くの燃料を必要とする。これに対して、減速フューエルカット運転時には筒内に供給される空気量が少ないため、リッチな状態を作り出すための燃料の量も通常燃焼時と比較して少なくて済む。このため減速リッチスパイクによれば燃費の悪化を抑制することができる点で有利である。
減速リッチスパイクに関する技術として、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1または2で提案されている。
特開2006−009638号公報 特開2003−083054号公報
近年では環境問題への取り組みが重要な課題となっており、その一環として今後益々厳しくなる排ガス規制もクリアする必要がある。そして排ガス規制のNOx値をクリアするためには、燃焼でNOxの排出を抑制するとともに、NOx触媒による後処理を高効率で行うことが必要不可欠になってくる。
しかしながら、燃焼でNOxの排出を低減するためには効率の低いところでエンジンの運転を行う必要があり、この結果、燃費の悪化を招くことになる。また、排気浄化能力を維持するためにNOx触媒を還元する際には、リッチスパイクで燃料を添加することが必要となり、必然的に燃費の悪化を招くことになる。
すなわち、NOxの排出を抑制しようとすると燃費の悪化を招くことから、燃費の悪化を必要最小限に抑制しつつ、NOxの排出を抑制可能な技術が望まれる。
この点、リッチスパイクでNOx触媒の還元を行う方法には、減速リッチスパイクのほか、通常燃焼時に筒内に燃料を噴射してリッチな状態を作る方法(以下、第1の方法と称す)や、燃料添加弁で燃料を筒外に噴射してリッチな状態を作る方法(以下、第2の方法と称す)もあるが、これらの方法には以下の問題がある。
すなわち第1の方法では、筒内燃焼を行うため排気経路に燃料が付着ほとんど付着しないものの、トルクの変動を防止する必要があり、ロバスト性が必ずしも高くないという問題がある。
また第2の方法では、筒外噴射のためトルク変動は発生しないものの、燃料が液体のままで分散しにくく、排気経路に付着し易い(すなわち燃費が必要以上に悪化し易い)という問題がある。
これに対して減速リッチスパイクによれば、減速時にはエンジンの状態が比較的安定していることからロバスト性が高いという利点がある。また減速時には筒内に供給される空気量が少ないことから、リッチな状態を作るために必要な燃料も少なくて済み、第1または第2の方法と比較して燃費の点でも有利である。
しかしながら、減速リッチスパイクであっても、燃料を噴射する以上、燃費の悪化自体は避けられず、また減速リッチスパイクでは空気量が少ないことから筒内に噴射した燃料を燃焼させないようにできるところ、筒内噴射であるにも関わらず、第2の方法と同様に燃費が必要以上に悪化し易いという問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、圧縮着火式のエンジンにおいて、燃費の悪化を必要最小限に抑制しつつ、NOxの排出を抑制可能な減速リッチスパイクを実現するエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は減速フューエルカット運転時に筒内に燃料を噴射する減速リッチスパイクを行う圧縮着火式のエンジンにつき、前記減速リッチスパイクで目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射する分割噴射制御手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、燃料を分割噴射することで噴射した燃料の表面積を増すことができ、これにより燃料の蒸発を促進することができる。このため本発明によれば、燃料の付着を抑制することができる。また燃料の付着を抑制できることから、必要以上の燃料を噴射することを抑制でき、この結果、目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を噴射することができる。このように分割噴射により燃料の蒸発を促進し、燃料の付着を抑制できることに加えて、目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を噴射する本発明によれば、燃費の悪化を必要最小限に抑制できる。またこれによりNOx触媒の還元も行えることから、本発明によれば、NOxの排出も抑制できる。
また本発明は前記エンジンの運転状態に基づき、各分割噴射の燃料噴射量と、各分割噴射間のインターバルとを決定する噴射条件決定手段をさらに備える構成であってもよい。すなわち必要な燃料噴射量を分割して噴射するにあたっては、具体的には本発明のような噴射条件決定手段をさらに備えることが好適である。
また本発明は前記各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合に、前記噴射条件決定手段が、前記各分割噴射の燃料噴射量を最低燃料噴射量と決定するとともに、前記各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合に、燃圧を上昇させる燃圧上昇手段をさらに備える構成であってもよい。本発明によれば、各分割噴射の燃料噴射量がソフト或いはハード的に噴射可能な燃料噴射量以下である場合であっても、最低燃料噴射量を噴射することで燃費の悪化を必要最小限に抑制できる。また本発明によれば、燃圧を上昇させることで燃料の微粒化を促進できるので、最低燃料噴射量を噴射した場合であっても、燃料の付着を抑制できる。
本発明によれば圧縮着火式のエンジンにおいて、燃費の悪化を必要最小限に抑制しつつ、NOxの排出を抑制可能な減速リッチスパイクを実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)1Aで実現されている本実施例に係るエンジンの制御装置をエンジン50など関連する各構成とともに模式的に示す図である。吸気系10は、エアフロメータ11と、インタークーラ12と、ディーゼルスロットル13と、インテークマニホールド14とを有して構成されている。エアフロメータ11はエアフロセンサと大気温センサとを有して構成されており、吸入空気量Gaを計測するとともに計測した吸入空気量Gaに応じた信号を出力する。インタークーラ12は過給機30によって圧縮された吸気を冷却する。ディーゼルスロットル13はECU1Aの制御のもと、図示しないアクチュエータによって開閉駆動し、吸入空気量を調節する。インテークマニホールド14はエンジン50の各気筒に吸気を分配する。
排気系20は、エキゾーストマニホールド21と、NOx触媒22と、Oセンサ23と、A/Fセンサ24とを有して構成されている。エキゾーストマニホールド21は、各気筒からの排気を下流側で一つの排気通路に合流させる。NOx触媒22は、内部流路の壁面上にアルミナからなる担体の層を備えている。また担体上には、バリウム(Ba)と白金(Pt)が担持され、これにO2 ストレージ能力のあるセリア(Ce2 O3 )が添加されている。なお、NOx触媒22は、例えば、アルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属とを担持して構成することができる。
過給機30は可変容量型ターボチャージャであり、コンプレッサ部31と、タービン部32とを有して構成されている。過給機30は、図示しないコンプレッサホイールを収納するコンプレッサ部31が吸気系10に、図示しないタービンホイール32を収納するタービン部32が排気系20に、夫々介在するようにして配設されている。コンプレッサホイールとタービンホイールとは回転軸で連結されており、タービンホイールが排気によって駆動されると、回転軸を介してコンプレッサホイールが駆動し吸気を圧縮する。また過給機30はタービン部32に図示しないバリアブルノズルを備えている。バリアブルノズルはECU1Aの制御のもと、タービン容量を変更する。
排気還流系40はEGR通路41と、EGRクーラ42と、EGRバルブ43とを有して構成されている。EGR通路41は吸気系10と排気系20とを連通している。EGR通路41は本実施例では具体的にはインテークマニホールド14の上流側の集合部分とエキゾーストマニホールド21の下流側の集合部分とを連通している。EGRクーラ42は還流される排気を冷却する。EGRバルブ43はECU1Aの制御のもと、EGR通路41の開度を変更し、還流される排気の量を調節する。これによりEGR率が変更される。なお、排気還流系40は例えばエンジン50の気筒毎に設けられてもよい。
エンジン50は圧縮着火式のディーゼルエンジンであり、各気筒51に直接燃料を噴射する燃料噴射弁52を備えている。各燃料噴射弁52は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレール)53と接続されている。コモンレール53は、図示しない燃料供給管を介して燃料ポンプ(図示省略)と連通している。燃料ポンプから吐出された燃料はコモンレール53へ供給され、コモンレール53で所定圧まで蓄圧されて各気筒51の燃料噴射弁52へ分配される。そして、燃料噴射弁52に駆動電流が印加されると、燃料噴射弁52が開弁し、これにより燃料噴射弁52から気筒51内へ燃料が噴射される。エンジン50には、クランク角センサ61やエンジン50の冷却水温を検出するための水温センサ62など各種のセンサが配設されている。
ECU1Aは、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータと入出力回路などを有して構成されている。ECU1Aは主にエンジン50を制御するように構成されており、本実施例では具体的には燃料噴射弁52や燃料ポンプのほか、ディーゼルスロットル13や、過給機30や、EGRバルブ43などを制御するように構成されている。これら制御対象はECU1Aに電気的に接続されている。また、ECU1Aにはエアフロメータ11や、クランク角センサ61や、水温センサ62などの各種のセンサが電気的に接続されている。ROMはCPUが実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPUがROMに格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAMの一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU1Aでは各種の制御手段や判定手段や検出手段や算出手段などが機能的に実現される。
この点、本実施例では以下に示す分割噴射制御手段と、噴射条件決定手段とがECU1Aで機能的に実現される。分割噴射制御手段は、減速フューエルカット運転時に筒内に燃料を噴射する減速リッチスパイクで燃料を分割して噴射する。この点、分割噴射制御手段はより具体的には目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射するように構成されている。また目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射するにあたっては、噴射条件決定手段が、エンジン50の運転状態(ここでは具体的には吸入空気量Gaおよび回転数NE)に基づき、各分割噴射の燃料噴射量と、各分割噴射間のインターバルとを決定する。
次にECU1Aの動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。ECU1Aでは、図2のフローチャートに示す処理がごく短い時間間隔で繰り返し実行される。ECU1Aは減速リッチスパイクの実行条件が成立したか否か、或いは成立しているか否かを判定する(ステップS11)。本実施例では具体的には減速フューエルカット運転になったか否かを判定することで、減速リッチスパイクの実行条件が成立したか否かを判定する。減速フューエルカット運転になったか否かは、例えば所定のエンジン回転数NE以上で、アクセルOFFになったか否かで判定することができる。
但しこれに限られず、減速リッチスパイクの実行条件が成立したか否かは、減速フューエルカット運転になったか否かの判定を含め、適宜の条件であってよい。例えば減速フューエルカット運転になったと判定した場合に、さらに前回NOx還元を行ってから所定の期間が経過したか否かを判定し、所定期間が経過したと判定した場合に、減速リッチスパイクの実行条件が成立したと判定してもよい。また、例えば減速フューエルカット運転になったと判定した場合に、さらに推定したNOx触媒22のNOx吸蔵量が所定値を超えたか否かを判定し、所定値を超えたと判定した場合に、減速リッチスパイクの実行条件が成立したと判定してもよい。
また本ステップでは、減速リッチスパイク実行フラグがONであるか否かを判定することで、減速リッチスパイク実行条件が成立しているか否かを判定する。そして減速リッチスパイク実行フラグがONである場合には、ステップS11で肯定判定される。ステップS11で肯定判定であれば、ECU1Aは減速リッチスパイク実行フラグをONにする(ステップS12)。これにより、減速リッチスパイクの実行条件が成立する。ステップS12に続いて、ECU1Aは減速フューエルカット運転中であるか否かを判定する(ステップS13)。本ステップで肯定判定されることにより、減速リッチスパイクが継続されることになる。ステップS11またはS13で否定判定であれば、減速リッチスパイク実行フラグをOFFにする(ステップS17)。
一方、ステップS13で肯定判定であれば、ECU1Aは吸入空気量Gaおよび回転数NEを検出する(ステップS14)。続いて、ECU1Aは各分割噴射の燃料噴射量と、各分割噴射間のインターバルとを決定する(ステップS15)。これにより、目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射することが可能になる。ステップS15に続いてECU1Aは、目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射する(ステップS16)。これにより減速リッチスパイクが分割噴射で行われる。
図3は分割噴射の様子を筒内温度或いは筒内圧の変化の様子とともに模式的に示す図である。図3に示すように分割噴射は、具体的には筒内温度T或いは筒内圧力Pが最大となる圧縮上死点付近(圧縮上死点を含む)から、圧縮上死点よりも進角側に亘ったタイミングの範囲で行うことができる。この点、分割噴射(パイロット噴射)はボアのオイル希釈が問題とならない最大進角のタイミングから開始することができる。またかかるタイミングはエンジンや燃料噴射弁の異なるハード諸元毎に実験などに基づき決定することができる。また分割噴射は各分割噴射で燃料噴射量を均等にして行うことができ、各分割噴射間のインターバルは回転数NEに応じて決めることが可能な最小のインターバルとすることが好適である。
この点、各分割噴射の燃料噴射量は、具体的には次の式(1)に基づき算出することができる。
各分割噴射の燃料噴射量=トータル噴射量×(最大進角/パイロットインターバル) ・・・(1)
但し最大進角はTDC基準である。またトータル噴射量(mmst)は目標空燃比に対して必要な燃料噴射量であり、エアフロメータ11の出力に基づき検出される吸入空気量Gaと目標空燃比とから求めることができる。目標空燃比はNOx触媒22でリッチな状態を作り出すための空燃比であり、例えばストイキとして設定した14.5以下の空燃比に設定することができる。また分割噴射を開始するタイミングである最大進角(°CA)は、オイル希釈の問題が生じないクランクアングルとすることができる。またパイロットインターバル(°CA)は各分割噴射間のインターバルであり、噴射可能最小インターバル(ms)と回転数NE(rpm)とから算出することができる。
減速リッチスパイクで燃料を分割噴射することで、噴射した燃料の表面積を増すことができ、これにより燃料の蒸発を促進することができる。このため燃料の付着を抑制できる。また燃料の付着を抑制できることから、必要以上の燃料を噴射することを抑制でき、この結果、目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を噴射することができる。これにより、燃費の悪化を必要最小限に抑制できる。
さらに分割噴射の条件を固定することなく、吸入空気量Gaや回転数NEに応じて各分割噴射の燃料噴射量やインターバルを決定することで、エンジン50の運転状態に応じた最大のNOx還元効果を得ることができる。
そしてかかる分割噴射を行う減速リッチスパイクでは燃費の悪化とNOxの排出とを抑制できるため、例えば等浄化率の場合には燃費を低減することができ、また等燃費の場合には浄化率を向上させることができる。またかかる減速リッチスパイクは制御プログラムの変更で実現可能なことからコスト的にも有利である。
このようにECU1Aは、圧縮着火式のエンジン50において、燃費の悪化を必要最小限に抑制しつつ、NOxの排出を抑制可能な減速リッチスパイクを実現できる。
本実施例に係るECU1Bは、各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合に、分割噴射決定手段がさらに各分割噴射の燃料噴射量を最低燃料噴射量と決定するとともに、決定した最低燃料噴射量に応じて各分割噴射間のインターバルを決定するように構成されている点と、各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合に、燃圧を上昇させる燃圧上昇手段をさらに備えている点以外、ECU1Aと実質的に同一のものとなっている。なお、ECU1Bに関連する各構成はECU1Aの場合と同じとなっている。このため本実施例ではECU1Bその他関連する各構成については図示省略する。また、燃圧変更手段はECU1AのROMに格納されたプログラムを変更することで実現できる。
次にECU1Bの動作を図4に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、本フローチャートは図示のようにステップS21からS24までが追加されている点以外、図2に示すフローチャートと同一のものとなっている。このため本実施例では特にこれらのステップについて詳述する。ステップS15に続いてECU1Bは、各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量よりも大きいか否かを判定する(ステップS21)。肯定判定であればステップS16に進む。一方、否定判定であれば、ECU1Bは各分割噴射の燃料噴射量を最低燃料噴射量と決定する(ステップS22)。またこのときECU1Bは、決定した最低燃料噴射量に応じて各分割噴射間のインターバルを決定する(ステップS23)。具体的にはトータル噴射量を各分割噴射の燃料噴射量で割って得た値で、最大進角を割ることにより、各分割噴射間のインターバルを決定する。続いてECU1Bはレール圧(燃圧)を上昇させ(ステップS24)、その後燃料を分割噴射する(ステップS16)。
このように各分割噴射の燃料噴射量がソフト或いはハード的に噴射可能な燃料噴射量以下である場合には、最低燃料噴射量を噴射することで、燃費の悪化を必要最小限に抑制できる。またレール圧を上昇させることで燃料の微粒化を促進できるので、最低燃料噴射量を噴射した場合であっても、燃料の付着を抑制できる。
このようにECU1BはECU1Aと比較して、さらに各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合であっても、圧縮着火式のエンジン50において、燃費の悪化を必要最小限に抑制しつつ、NOxの排出を抑制可能な減速リッチスパイクを実現できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば分割噴射制御手段や分割噴射決定手段や燃圧変更手段はECU1で実現することが合理的であるが、例えばその他の電子制御装置や専用の電子回路などのハードウェアやこれらの組み合わせによって実現されてもよい。この点、本発明のエンジンの制御装置は例えば複数の電子制御装置や電子制御装置と電子回路等のハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。すなわち、本発明のエンジンの制御装置は例えば分散制御的な態様で実現されてもよい。
ECU1Aを関連する各構成とともに模式的に示す図である。 ECU1Aの動作をフローチャートで示す図である。 分割噴射の様子を筒内温度或いは筒内圧の変化の様子とともに模式的に示す図である。 ECU1Bの動作をフローチャートで示す図である。
符号の説明
1 ECU
22 NOx触媒
30 過給機
50 エンジン
52 燃料噴射弁

Claims (3)

  1. 減速フューエルカット運転時に筒内に燃料を噴射する減速リッチスパイクを行う圧縮着火式のエンジンにつき、
    前記減速リッチスパイクで目標空燃比に対して必要な燃料噴射量を分割して噴射する分割噴射制御手段を備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの制御装置であって、
    前記エンジンの運転状態に基づき、各分割噴射の燃料噴射量と、各分割噴射間のインターバルとを決定する噴射条件決定手段をさらに備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの制御装置であって、
    前記各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合に、前記分割噴射決定手段が、前記各分割噴射の燃料噴射量を最低燃料噴射量と決定するとともに、
    前記各分割噴射の燃料噴射量が噴射可能な燃料噴射量以下である場合に、燃圧を上昇させる燃圧上昇手段をさらに備えることを特徴とするエンジンの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012049740A1 (ja) * 2010-10-13 2012-04-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置

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