JP2010024363A - ポリアゾ化合物錯塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ポリアゾ化合物錯塩の製造方法等に関する。
車載用カーナビゲーションや液晶プロジェクターなどの液晶表示装置(LCD)、プロジェクションテレビなどのフラットパネル表示装置(FPD)には、高い偏光度はもとより、高温下にて長時間、光を照射しても透過率が低下しないという耐光性を有する偏光膜が求められており、このような偏光膜としては、ポリアゾ化合物錯塩を含む偏光膜が提案されている。
高い偏光度と優れた耐光性とを偏光膜に与えるポリアゾ化合物錯塩として、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩(以下、錯塩(I)と記すことがある)が特許文献1に記載されている。
高い偏光度と優れた耐光性とを偏光膜に与えるポリアゾ化合物錯塩として、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩(以下、錯塩(I)と記すことがある)が特許文献1に記載されている。
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル、又はアルコキシを表し、R3は、アミノまたは水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。)
錯塩(I)の具体的な製造方法としては、式(II)で示されるポリアゾ化合物(以下、ポリアゾ化合物(II)と記すことがある)に、水存在下、無水硫酸銅を反応させて錯塩(I)を含む水溶液を得た後、該水溶液中に塩化ナトリウムをさらに加えて錯塩(I)を析出させ、濾過する方法が開示されている。
しかしながら、析出槽内で錯塩(I)を含む水溶液から錯塩(I)を析出させるために塩化ナトリウムを用いることから、前記析出槽及び濾過器は塩化ナトリウムに起因する塩素イオンに対して耐腐食性を有する材料からなる析出槽及び濾過器である必要があった。
塩化ナトリウムを用いることない錯塩(I)の新規な製造方法が求められている。
塩化ナトリウムを用いることない錯塩(I)の新規な製造方法が求められている。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の[1]〜[4]で示される発明に至った。
[1] 下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩の製造方法。
(1)式(II)で示されるポリアゾ化合物に、水存在下、銅塩、ニッケル塩、亜鉛塩又は鉄塩を反応させて、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を含む水溶液を得る工程
(2)炭素数2〜4のアルコール及び炭素数3〜4のケトン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中に、前記工程(1)で得られた水溶液を添加し、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を析出させる工程
(3)前記工程(2)で析出された式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を濾過する工程
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル又はアルコキシを表し、R3は、アミノ又は水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。)
[1] 下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩の製造方法。
(1)式(II)で示されるポリアゾ化合物に、水存在下、銅塩、ニッケル塩、亜鉛塩又は鉄塩を反応させて、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を含む水溶液を得る工程
(2)炭素数2〜4のアルコール及び炭素数3〜4のケトン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中に、前記工程(1)で得られた水溶液を添加し、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を析出させる工程
(3)前記工程(2)で析出された式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を濾過する工程
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル又はアルコキシを表し、R3は、アミノ又は水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。)
本発明の製造方法によれば、塩化ナトリウムを用いることがなくとも、錯塩(I)を析出させて錯塩(I)を製造することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明で得られる錯塩(I)は、Meが、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)及び鉄(Fe)からなる群から選ばれる遷移金属を表す。特に銅が好ましい。
本発明で得られる錯塩(I)は、Meが、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)及び鉄(Fe)からなる群から選ばれる遷移金属を表す。特に銅が好ましい。
Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。
ここで、アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜4のアルキルが挙げられ、中でもメチルが好ましい。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等の炭素数1〜4のアルコキシが挙げられ、中でもメトキシが好ましい。
ここで、アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜4のアルキルが挙げられ、中でもメチルが好ましい。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等の炭素数1〜4のアルコキシが挙げられ、中でもメトキシが好ましい。
Aとしては、例えば、5−スルホ−2−ナフチル、6−スルホ−2−ナフチル、7−スルホ−2−ナフチル、8−スルホ−2−ナフチル、4−スルホ−1−ナフチル、5−スルホ−1−ナフチル、6−スルホ−1−ナフチル、7−スルホ−1−ナフチルなどの−SO3Qを1個有するナフチル;1,5−ジスルホ−2−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−1−ナフチル、4,6−ジスルホ−1−ナフチルなどの−SO3Qを2個有するナフチル;1,5,7−トリスルホ−2−ナフチル、3,6,8−トリスルホ−2−ナフチル、4,6,8−トリスルホ−2−ナフチルなどの−SO3Qを3個有するナフチル等が挙げられる。
Aとしては、染色性の観点から、−SO3Qを2〜3個有するナフチルが好ましく、特に、1,5−ジスルホ−2−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−2−ナフチルが好ましい。
Aとしては、染色性の観点から、−SO3Qを2〜3個有するナフチルが好ましく、特に、1,5−ジスルホ−2−ナフチル、6,8−ジスルホ−2−ナフチル、4,8−ジスルホ−2−ナフチル、5,7−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−ジスルホ−2−ナフチルが好ましい。
Qは、水素;リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;エタノールアミン、アルキルアミンなどの有機アミンの4級アンモニウム;アンモニウムを表す。中でも、アルカリ金属及び水素が好ましく、とりわけナトリウム及び水素が好適である。
ポリアゾ化合物(I)中のQは互いに異なっていてもよい。すなわち、例えば、1分子内に−SO3H、−SO3Naが同時に含まれていてもよい。
ポリアゾ化合物(I)中のQは互いに異なっていてもよい。すなわち、例えば、1分子内に−SO3H、−SO3Naが同時に含まれていてもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル又はアルコキシを表す。アルキル、アルコキシとしては、前記のナフチルに結合し得る基として例示された基と同じ基が例示される。
R1は、水素、メチル、メトキシであることが好ましく、R2は、水素、メチル、メトキシであることが好ましい。
R1は、水素、メチル、メトキシであることが好ましく、R2は、水素、メチル、メトキシであることが好ましい。
R3は、アミノまたは水酸基を表す。R3の結合位置としては、通常、ベンゾイルアミノに対してオルト位又はパラ位であり、好ましくは、ベンゾイルアミノに対してパラ位である。
本発明の工程(1)は、ポリアゾ化合物(II)に、銅塩、ニッケル塩、亜鉛塩又は鉄塩を、水存在下で反応させて、錯塩(I)を含む水溶液を得る工程である。
ポリアゾ化合物(II)は、例えば、先ず、式(III)で示されるビスアゾ化合物(以下、ジアゾ化合物(III)と記すことがある)を酸性の水性媒体中、0〜40℃の条件下で亜硝酸塩、好ましくは亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾ化する。
(式中、A、R1、R2、Rは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
(式中、A、R1、R2、Rは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
次いで、ジアゾ化合物(III)を式(IV)で示される化合物と水性媒体中、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸、好ましくは塩酸又は硫酸で、0〜40℃、pH6〜11、好ましくはpH6〜8、とりわけ好ましくはpH7程度に調整することにより、ポリアゾ化合物(II)を得る方法などが挙げられる。
(式中、R3は、前記と同じ意味を表す。)
(式中、R3は、前記と同じ意味を表す。)
工程(1)で用いられる塩は、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅などの銅塩;硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケルなどのニッケル塩;硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛塩;硫酸鉄、塩化鉄、酢酸鉄などの鉄塩である。特に銅塩が好ましく、とりわけ硫酸銅が好ましい。
工程(1)における反応は、通常、まず、上記塩、水及びポリアゾ化合物(II)を含む水溶液を、通常、約70〜100℃で加熱することによって反応する。さらに必要に応じて、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムなどのリチウム塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのナトリウム塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのカリウム塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ピリジンなどのアミン等を添加してもよい。
反応は、通常、30分〜10時間程度行われる。
反応は、通常、30分〜10時間程度行われる。
工程(1)により、錯塩(I)を含む水溶液を得る。該水溶液における水の含有量は、通常、該水溶液100重量部に対して50〜70重量部程度であり、好ましくは、55〜65重量部程度である。
本発明の工程(2)は、炭素数2〜4のアルコール及び炭素数3〜4のケトン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中に、前記工程(1)で得られた水溶液を添加し、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を析出させる工程である。
ここで、アルコールとしては、エタノール、n−プロパール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどが例示され、ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチルケトンなどが例示される。
有機溶媒としては、特に、プロパノールが好ましく、とりわけ、イソプロパノールが好ましい。
特に、有機溶媒において、プロパノール以外のアルコールの量が、プロパノール100重量部に対して50重量部以下、好ましくは10重量部以下、とりわけ好ましくは1重量部以下であることが好ましい。
ここで、アルコールとしては、エタノール、n−プロパール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどが例示され、ケトン化合物としては、アセトン、メチルエチルケトンなどが例示される。
有機溶媒としては、特に、プロパノールが好ましく、とりわけ、イソプロパノールが好ましい。
特に、有機溶媒において、プロパノール以外のアルコールの量が、プロパノール100重量部に対して50重量部以下、好ましくは10重量部以下、とりわけ好ましくは1重量部以下であることが好ましい。
工程(2)で用いられる有機溶媒の使用量は、工程(1)で得られた水溶液の固形分1重量部に対して、通常、10〜20重量部、好ましくは12〜15重量部である。ここで、工程(1)で得られた水溶液の固形分とは、工程(1)で得られた水溶液における水分重量を除いた重量を意味する。
工程(2)の好ましい態様としては、工程(1)で得られた水溶液を有機溶媒中に、1時間以上、好ましくは2〜5時間程度かけて、徐々に添加する方法が挙げられる。
工程(2)において、塩化ナトリウムなどのハロゲン化アルカリ金属塩、硫酸ナトリウムなどの硫酸アルカリ金属塩などの塩を混合させて塩析させてもよいが、工程(2)や工程(3)に用いる反応容器や、工程(3)に用いる濾過器の腐食防止の観点から、ハロゲン化アルカリ金属塩及び硫酸アルカリ金属塩の合計含有量は、工程(1)で得られる水溶液中の1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下、とりわけ好ましくは、実質的にハロゲン化アルカリ金属塩及び硫酸アルカリ金属塩を含有しないことが好ましい。
工程(2)において、水を混合させてもよいが、錯塩(I)の収率を向上させるためには、水の含有量は、有機溶媒100重量部に対して50重量部以下程度に調整される。ここで、水の含有量は、工程(3)に供せられる溶液、すなわち、濾過に供せられる溶液中の水の含有量を意味する。
有機溶媒は、通常、5℃以上、50℃未満、好ましくは、5〜45℃の温度範囲に調整した後、5℃以上、50℃未満、好ましくは、5〜45℃の温度範囲に保温される。そして、保温された有機溶媒に、工程(1)で得られた水溶液を添加し、錯塩(I)を析出させる。
保温中は攪拌動力0.1〜0.4[kw/m3]程度で攪拌すると、濾過性の優れた錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
工程(1)で得られた水溶液を有機溶媒中に、通常、30分〜3時間かけて添加する。
保温中は攪拌動力0.1〜0.4[kw/m3]程度で攪拌すると、濾過性の優れた錯塩(I)を与える傾向があることから好ましい。
工程(1)で得られた水溶液を有機溶媒中に、通常、30分〜3時間かけて添加する。
本発明の工程(3)は、前記工程(2)で析出された錯塩(I)を濾過によって分離する工程である。濾過としては、重力濾過、真空濾過、加圧濾過、遠心濾過、圧搾濾過などが挙げられるが、本発明の製造方法は、塩化ナトリウムを用いることがなくとも、通常、平均濾過比抵抗が低いことから、重力濾過でも工業的な製造方法として採用することができる。
ここで、工程(3)における平均濾過比抵抗は、通常、7×109[m/kg]〜3×1011[m/kg]程度、好ましくは1×1010[m/kg]〜7×1010[m/kg]程度である。
濾過は、錯塩(I)を含む溶液を40〜45℃で保温しながら行うことが好ましい。
ちなみに、一般に、工業的に容易な濾過とは、平均濾過比抵抗(10xm/kg)の指数xが11以下の低い平均濾過比抵抗である(例えば、社団法人化学工学協会編、改訂五版化学工学便覧、15 濾過・圧搾 15・2・1 a 平均濾過比抵抗 p697、丸善株式会社(1988))。
ここで、工程(3)における平均濾過比抵抗は、通常、7×109[m/kg]〜3×1011[m/kg]程度、好ましくは1×1010[m/kg]〜7×1010[m/kg]程度である。
濾過は、錯塩(I)を含む溶液を40〜45℃で保温しながら行うことが好ましい。
ちなみに、一般に、工業的に容易な濾過とは、平均濾過比抵抗(10xm/kg)の指数xが11以下の低い平均濾過比抵抗である(例えば、社団法人化学工学協会編、改訂五版化学工学便覧、15 濾過・圧搾 15・2・1 a 平均濾過比抵抗 p697、丸善株式会社(1988))。
濾過終了後、錯塩(I)を有機溶媒や塩を5〜20重量部含んだ水で洗浄してもよい。さらに、必要に応じて錯塩(I)を乾燥してもよい。
かくして得られた錯塩(I)は、塩化ナトリウムを必要とせず、塩化ナトリウムに起因する塩素イオンに対して耐腐食性を有する析出槽および濾過器を用いなくてもよい。
本発明の製造方法によって得られた錯塩(I)は、通常、純度が高く、収率も優れている。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例により、何ら限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
(実施例1)
<式(II)で示されるポリアゾ化合物の製造例>
式(III-1)で示されるビスアゾ化合物(以下、化合物(III-1)と記すことがある)17部と亜硝酸ナトリウム3部を水150部に加えた後、20〜30℃で35%塩酸12部を加えて2時間攪拌した。過剰の亜硝酸ナトリウムはスルファミン酸を加えて消去され、化合物(III-1)のジアゾ化物を含む水溶液を得た。尚、化合物(III-1)をナトリウム塩の形式で下記に示した。
<式(II)で示されるポリアゾ化合物の製造例>
式(III-1)で示されるビスアゾ化合物(以下、化合物(III-1)と記すことがある)17部と亜硝酸ナトリウム3部を水150部に加えた後、20〜30℃で35%塩酸12部を加えて2時間攪拌した。過剰の亜硝酸ナトリウムはスルファミン酸を加えて消去され、化合物(III-1)のジアゾ化物を含む水溶液を得た。尚、化合物(III-1)をナトリウム塩の形式で下記に示した。
次いで、式(IV-1)で示される化合物を含む水溶液中に、当該水溶液及び炭酸ナトリウム水溶液をpHを7に維持しながら、1時間かけて添加した。添加終了後、更に1時間攪拌して、ポリアゾ化合物(II-1)を得た。尚、式(IV-1)で示される化合物はナトリウム塩の形式で下記に示した。
<工程(1)>
ポリアゾ化合物(II-1)15部(固形分)を水75部に加え、さらに、無水硫酸銅8部、モノエタノールアミン12部を加えて95℃に加熱し、同温度にて1時間攪拌して、前記式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩(以下、錯塩(I-1)と記すことがある)を含む水溶液を得た。
ポリアゾ化合物(II-1)15部(固形分)を水75部に加え、さらに、無水硫酸銅8部、モノエタノールアミン12部を加えて95℃に加熱し、同温度にて1時間攪拌して、前記式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩(以下、錯塩(I-1)と記すことがある)を含む水溶液を得た。
<工程(2)>
工程(1)で得られた水溶液を20℃まで冷却し、180部のイソプロパノールを収納した析出槽(SUS304製)に、冷却された該水溶液を2時間かけて添加し、錯塩(I-1)の析出物と水とを含む混合物を得た。得られた混合物を40℃でさらに保温した。
この際、析出槽の腐食は確認されなかった。
工程(1)で得られた水溶液を20℃まで冷却し、180部のイソプロパノールを収納した析出槽(SUS304製)に、冷却された該水溶液を2時間かけて添加し、錯塩(I-1)の析出物と水とを含む混合物を得た。得られた混合物を40℃でさらに保温した。
この際、析出槽の腐食は確認されなかった。
<工程(3)>
工程(2)で得られた混合物を、0.0028m2の濾過器(SUS304製)を用いて、49kPa(0.5kgf/cm2)加圧で濾過し、式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩31部を含むウエットケーキ60部(ポリアゾ化合物(II-1)に対し収率は99.9%)を得た。ウェットケーキの純度は99.5%であった。上記平均濾過比抵抗は7×109[m/kg]であった。平均濾過比抵抗(10xm/kg)の指数xが9であり、濾過が容易に行い得ることが確認された。
この際、濾過器の腐食は確認されなかった。
工程(2)で得られた混合物を、0.0028m2の濾過器(SUS304製)を用いて、49kPa(0.5kgf/cm2)加圧で濾過し、式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩31部を含むウエットケーキ60部(ポリアゾ化合物(II-1)に対し収率は99.9%)を得た。ウェットケーキの純度は99.5%であった。上記平均濾過比抵抗は7×109[m/kg]であった。平均濾過比抵抗(10xm/kg)の指数xが9であり、濾過が容易に行い得ることが確認された。
この際、濾過器の腐食は確認されなかった。
(実施例2)
工程(1)までは実施例1と同様に行った。
<工程(2)>
工程(1)で得られた水溶液105部を25℃まで冷却した後、158部のエタノールを収納した析出槽(SUS304製)に、冷却された該水溶液を1時間かけて添加し、錯塩(I-1)の析出物と水とを含む混合物を得て、25℃に保温した。
この際、析出槽の腐食は確認されなかった。
<工程(3)>
前記混合物を用いる以外は実施例1と同様にして加圧濾過し、式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩12部を含むウエットケーキ60部(式(II-1)で示されるポリアゾ化合物に対し収率は96.0%)を得た。ウェットケーキにおける式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩の純度は99.5%であった。上記平均濾過比抵抗は3×1011[m/kg]であった。平均濾過比抵抗(10xm/kg)の指数xが11であり、濾過が容易に行い得ることが確認された。
この際、濾過器の腐食は確認されなかった。
工程(1)までは実施例1と同様に行った。
<工程(2)>
工程(1)で得られた水溶液105部を25℃まで冷却した後、158部のエタノールを収納した析出槽(SUS304製)に、冷却された該水溶液を1時間かけて添加し、錯塩(I-1)の析出物と水とを含む混合物を得て、25℃に保温した。
この際、析出槽の腐食は確認されなかった。
<工程(3)>
前記混合物を用いる以外は実施例1と同様にして加圧濾過し、式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩12部を含むウエットケーキ60部(式(II-1)で示されるポリアゾ化合物に対し収率は96.0%)を得た。ウェットケーキにおける式(I-1)で示されるポリアゾ化合物錯塩の純度は99.5%であった。上記平均濾過比抵抗は3×1011[m/kg]であった。平均濾過比抵抗(10xm/kg)の指数xが11であり、濾過が容易に行い得ることが確認された。
この際、濾過器の腐食は確認されなかった。
本発明の製造方法によれば、塩化ナトリウムを用いることがなくとも、錯塩(I)を析出させて錯塩(I)を製造することができる。
Claims (4)
- 下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩の製造方法。
(1)式(II)で示されるポリアゾ化合物に、水存在下、銅塩、ニッケル塩、亜鉛塩又は鉄塩を反応させて、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を含む水溶液を得る工程
(2)炭素数2〜4のアルコール及び炭素数3〜4のケトン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒中に、前記工程(1)で得られた水溶液を添加し、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を析出させる工程
(3)前記工程(2)で析出された式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を濾過する工程
(式中、Meは、銅、ニッケル、亜鉛、又は鉄を表す。Aは、1〜3個の−SO3Qを有するナフチルを表す。該ナフチルはアルキル又はアルコキシが結合していてもよい。Qは水素、アルカリ金属、有機アンモニウム又はアンモニウムを表す。分子内のQは、互いに異なっていてもよい。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素、アルキル又はアルコキシを表し、R3は、アミノ又は水酸基を表す。Rは水素又はメチルを表す。) - 前記工程(1)が、式(II)で示されるポリアゾ化合物に、水存在下、銅塩を反応させて、式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を含む水溶液を得る工程であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 前記工程(2)が、5〜45℃の温度で式(I)で示されるポリアゾ化合物錯塩を析出させる工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
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JP2009062496A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-03-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリアゾ化合物錯塩の製造方法 |
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2008
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