JP2010024205A - 5−メチルシトシンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
プロピオニトリルおよびギ酸エステルを出発原料にして得られる化合物(I)2−ホルミルプロピオニトリルアルカリ金属塩または2−ホルミルプロピオニトリルに、尿素を反応させて5−メチルシトシンを安全でしかも高い収率で目的化合物を製造する方法を提供することである。
【解決手段】
化合物(1)と尿素とを含水溶媒中にて、酸性条件下で反応させ、引き続き塩基性条件下にて反応させることを特徴とする5−メチルシトシンの製造方法、または、プロピオニトリル、ギ酸エステルおよび塩基を反応させて、化合物(1)を得る工程(I)、
化合物(1)と尿素とを含水溶媒中にて、まず、酸性条件下にて反応させ、引き続き塩基性条件下にて反応させる工程(II)、を含むことを特徴とする5−メチルシトシンの製造方法により解決される。
【選択図】なし
プロピオニトリルおよびギ酸エステルを出発原料にして得られる化合物(I)2−ホルミルプロピオニトリルアルカリ金属塩または2−ホルミルプロピオニトリルに、尿素を反応させて5−メチルシトシンを安全でしかも高い収率で目的化合物を製造する方法を提供することである。
【解決手段】
化合物(1)と尿素とを含水溶媒中にて、酸性条件下で反応させ、引き続き塩基性条件下にて反応させることを特徴とする5−メチルシトシンの製造方法、または、プロピオニトリル、ギ酸エステルおよび塩基を反応させて、化合物(1)を得る工程(I)、
化合物(1)と尿素とを含水溶媒中にて、まず、酸性条件下にて反応させ、引き続き塩基性条件下にて反応させる工程(II)、を含むことを特徴とする5−メチルシトシンの製造方法により解決される。
【選択図】なし
Description
本発明の属する分野は、アンチセンスDNA医薬品や抗ウイルス薬等の医薬中間物質として使用される5−メチルシトシンの製造方法に関するものである。
5−メチルシトシンの製造方法として、以下に述べる方法が挙げられる。
(I)ナトリウムイソプロピラート存在下、α−メチル−β−メトキシアクリロニトリルと尿素を反応させる方法(特許文献1)。
(II)チミンに対して、1,2,4−トリアゾールおよびリン酸ハライドを反応させて、5−メチル−4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ピリミジン−2−(1H)−オンを得た後に、さらにアンモニアと反応させて、5−メチルシトシンを得る方法(特許文献2)。
(III)2,4−ジメトキシ−5−メチルピリミジンに塩化アセチルを反応させた後に、さらにアンモニアと反応させて、5−メチルシトシンを得る方法(非特許文献1)。
(I)ナトリウムイソプロピラート存在下、α−メチル−β−メトキシアクリロニトリルと尿素を反応させる方法(特許文献1)。
(II)チミンに対して、1,2,4−トリアゾールおよびリン酸ハライドを反応させて、5−メチル−4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ピリミジン−2−(1H)−オンを得た後に、さらにアンモニアと反応させて、5−メチルシトシンを得る方法(特許文献2)。
(III)2,4−ジメトキシ−5−メチルピリミジンに塩化アセチルを反応させた後に、さらにアンモニアと反応させて、5−メチルシトシンを得る方法(非特許文献1)。
(I)、(II)は、収率がともに約30%であり、効率よく目的物を製造することができない。(III)は、原料の2,4−ジメトキシ−5−メチルピリミジンをチミンから調製しなければならないことから、反応工程数が多く、実用的ではない。また、2,4−ジメトキシ−5−メチルピリミジンからの収率が60%弱であり、満足できるものではない。
このように、従来技術では、5−メチルシトシンを収率よく製造できる方法が見出されていない。
さらに、チミンをハロゲン化剤と反応した後に、4位にアミノ基を位置選択的の導入し、次いで加水分解することにより、収率よく5−メチルシトシンを得る製造方法も開示されている。(特許文献3)
この方法では工程数は少ないが、毒性の強いハロゲン化剤を使用しなければならない。
特開昭59−93059号公報
EP0544210
Tetrahedron Lett.1968,18,2171.
特開2006−69951号公報
このように、従来技術では、5−メチルシトシンを収率よく製造できる方法が見出されていない。
さらに、チミンをハロゲン化剤と反応した後に、4位にアミノ基を位置選択的の導入し、次いで加水分解することにより、収率よく5−メチルシトシンを得る製造方法も開示されている。(特許文献3)
この方法では工程数は少ないが、毒性の強いハロゲン化剤を使用しなければならない。
本発明は、簡単に入手できるプロピオニトリルおよびギ酸エステルを出発原料にして得られる化合物(I)2−ホルミルプロピオニトリルアルカリ金属塩または2−ホルミルプロピオニトリルに、尿素を反応させて5−メチルシトシンを得る方法であり、酸・塩基化合物を使い分けることにより安全でしかも高い収率で目的化合物を製造する方法を提供することである。
前記課題を克服すべく鋭意検討を重ねた結果、化合物(I)と尿素を酸性条件下にて反応させた後、塩基性条件下に切り替えて反応させることにより、安全で収率よく5−メチルシトシンを得ることが可能になり、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、化合物(1)
(Mは、水素原子またはアルカリ金属を示す。)
と尿素を含水溶媒中にて、酸性条件下で反応させ、引き続き塩基性条件下にて反応させることを特徴とする5−メチルシトシンの製造方法、または、プロピオニトリル、ギ酸エステルおよび塩基を反応させて、化合物(1)を得る工程(I)、
本発明によれば、特殊な試薬を使用することなく、短い工程で収率よく5−メチルシトシンを得ることができる。そのため、本発明の製造方法は、安全で工業的な5−メチルシトシンの製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
化合物(1)の原料であるプロピオニトリルは、市販品をそのまま使用することができる。好ましくは使用する前に蒸留等で精製したものである。
ギ酸エステルも特に制限はないが、炭素原子数1〜5のアルキルアルコールとから得られるエステルが好ましい。具体的にはギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチルが挙げられるが、ギ酸メチル、ギ酸エチルが好ましい。
ギ酸エステルは、市販品をそのまま、あるいは蒸留等の精製したものを使用しても何ら問題はない。
ギ酸エステルは、市販品をそのまま、あるいは蒸留等の精製したものを使用しても何ら問題はない。
本発明の反応において使用される塩基としては、例えば、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムn-ブトキシド、ナトリウムn-ブトキシド、カリウムn-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の金属水素化物が挙げられるが、好ましくは、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、特に好ましくはナトリウムメトキシドが使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
プロピオニトリル、ギ酸エステルおよび塩基による化合物(1)の製法は、特許文献4に記載されており、該条件に準じて合成できる。
化合物(1)の製造条件は該特許の記載条件に制限されることはないが、高温高圧条件下が好ましい。また、本反応条件は、不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。
反応温度は、120〜300℃、好ましくは150〜200℃である。
圧力は0.12〜10MPaであり、好ましくは0.5〜5MPaである。
反応時間は、上記温度および圧力に影響されるが、0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
反応温度は、120〜300℃、好ましくは150〜200℃である。
圧力は0.12〜10MPaであり、好ましくは0.5〜5MPaである。
反応時間は、上記温度および圧力に影響されるが、0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
プロピオニトリルとギ酸エステルおよび塩基の使用量は、反応式から量論量であれば特に問題ないが、多少の変動幅は考慮され、塩基1モルに対して、ギ酸エステルは0.7〜3.0モル、プロピオニトリルは1.0〜5.0モルが好ましい。さらに好ましくは塩基1モルに対して、ギ酸エステルは0.8〜1.5モル、プロピオニトリルは1.5〜3.0モルが好ましい。
上記反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。使用される溶媒は、反応に関与しないものならば特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状脂肪族炭化水素類;1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ニトロベンゼン等のニトロ化芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類が挙げられるが、好ましくは環状脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、溶液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、プロピオニトリル1gに対して、好ましくは0〜100ml、更に好ましくは0〜20mlである。
上記の反応によって化合物(1)の2−ホルミルプロピオニトリルアルカリ金属塩が得られるが、これは、反応終了後、例えば、濃縮、濾過等をすることによって取得することが出来る。又、該金属塩を水溶液中で、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸等)又は有機酸(酢酸、安息香酸等)を加えて中和することによって、遊離の2−ホルミルプロピオニトリルとしても得ることが出来る。又、これらの化合物は、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって、更に精製することも出来る。
遊離の2−ホルミルプロピオニトリルも本反応の原料として使用することもできる。
遊離の2−ホルミルプロピオニトリルも本反応の原料として使用することもできる。
得られた化合物(1)と尿素は、含水溶媒中にて、まず、酸性条件下で反応させ、引き続き塩基性条件下にて反応させることにより、目的とする5−メチルシトシンを高い収率で得ることができる。
化合物(1)および尿素の両者を十分に溶解させる有機溶媒としては、優れたものはなく、水を含む溶媒としては水および水と溶解性の高い有機溶媒の混合物が挙げられるが、好ましくは水である。水との溶解性の高い溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングルコールなどの低級グリコール、グリセリンなどの三級アルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル、アセトニトリルなどの低級ニトリル化合物等が挙げられる。
水と上記有機溶媒の混合割合は、原料化合物を十分に溶解させる比率であれば特に問題はないが、少なくとも水5重量%以上を含むことが好ましい。さらに好ましくは、50重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。
含水溶媒の使用量は、原料である化合物(1)および尿素を十分に溶解させる量であれば特に問題はなく、通常は原料の総重量の5倍以下である。
好ましくは、1〜3倍重量である。
化合物(1)および尿素の両者を十分に溶解させる有機溶媒としては、優れたものはなく、水を含む溶媒としては水および水と溶解性の高い有機溶媒の混合物が挙げられるが、好ましくは水である。水との溶解性の高い溶媒としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングルコールなどの低級グリコール、グリセリンなどの三級アルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル、アセトニトリルなどの低級ニトリル化合物等が挙げられる。
水と上記有機溶媒の混合割合は、原料化合物を十分に溶解させる比率であれば特に問題はないが、少なくとも水5重量%以上を含むことが好ましい。さらに好ましくは、50重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。
含水溶媒の使用量は、原料である化合物(1)および尿素を十分に溶解させる量であれば特に問題はなく、通常は原料の総重量の5倍以下である。
好ましくは、1〜3倍重量である。
本発明では、まず、酸性条件下にて反応させることが、必須条件であるが、これは、化合物(1)と尿素との反応中間体(明確な構造は未定)が容易に合成されるためと考えられる。
化合物(1)と尿素の使用割合は反応式からでは1:1モルであるが、尿素の安定性および反応性を考慮して化合物(1)1モルに対して2〜10倍モル、好ましくは、2.5〜6倍モルである。
化合物(1)と尿素の使用割合は反応式からでは1:1モルであるが、尿素の安定性および反応性を考慮して化合物(1)1モルに対して2〜10倍モル、好ましくは、2.5〜6倍モルである。
酸性条件下とするには、通常の無機酸および有機酸が挙げられる。
具体的な無機酸としては、ハロゲン化水素、硫酸、燐酸、硼酸および硝酸が挙げられるが、ハロゲン化水素が好ましい。ハロゲン化水素としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素が挙げられるが、取り扱いの容易さから塩化水素が好ましい。有機酸としては、有機カルボン酸および有機スルホン酸、有機燐酸が挙げられるが、有機スルホン酸が好ましい。具体的な有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。
これら酸性化合物を添加して酸性条件下にて反応をさせるが、pHとしては6以下が好ましい。さらに好ましくはpHが1〜5未満である。より好ましくはpHが1〜4である。
反応の終点は、通常、液体クロマトグラフィーを用いて、原料化合物(1)が95モル%以上消費された時点で判断し、酸性条件下から塩基性条件化に移行する。
具体的な無機酸としては、ハロゲン化水素、硫酸、燐酸、硼酸および硝酸が挙げられるが、ハロゲン化水素が好ましい。ハロゲン化水素としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素が挙げられるが、取り扱いの容易さから塩化水素が好ましい。有機酸としては、有機カルボン酸および有機スルホン酸、有機燐酸が挙げられるが、有機スルホン酸が好ましい。具体的な有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。
これら酸性化合物を添加して酸性条件下にて反応をさせるが、pHとしては6以下が好ましい。さらに好ましくはpHが1〜5未満である。より好ましくはpHが1〜4である。
反応の終点は、通常、液体クロマトグラフィーを用いて、原料化合物(1)が95モル%以上消費された時点で判断し、酸性条件下から塩基性条件化に移行する。
塩基性条件下にするには、塩基性化合物を反応系に添加して調整する。
塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属のアルコキシドが挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物およびアルカリ金属のアルコキシドが好ましい。
具体的な化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等の炭素原子数1〜5の脂肪族アルコールのアルカリ金属塩が挙げられる。
pHは、アルカリ性であれば特に支障はないが、反応性を考慮すれば9以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは、11以上である。
塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属のアルコキシドが挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物およびアルカリ金属のアルコキシドが好ましい。
具体的な化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等の炭素原子数1〜5の脂肪族アルコールのアルカリ金属塩が挙げられる。
pHは、アルカリ性であれば特に支障はないが、反応性を考慮すれば9以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは、11以上である。
反応温度は、用いる含水溶媒の沸点にも依存するが、50〜200℃、好ましくは60〜180℃、さらに好ましくは70〜150℃である。反応温度が低ければ、反応はほとんど進行しない。反応温度が高ければ、原料化合物の分解や、副反応が起こり、目的物5−メチルシトシンの収率が下がるので好ましくない。
反応圧力は特に限定はされないが、常圧もしくは若干の加圧下で実施するのが好ましい。反応時間は、反応温度に影響されるが、通常1〜24時間である。
反応圧力は特に限定はされないが、常圧もしくは若干の加圧下で実施するのが好ましい。反応時間は、反応温度に影響されるが、通常1〜24時間である。
本発明で得られた5−メチルシトシンは、例えば含水溶媒にて再結晶をすることにより容易に高純度の5−メチルシトシンとして得ることができる。
以下に実施例により、本発明を更に詳細に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1](2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計、圧力ゲージを備えた内容量2Lのオートクレーブにプロピオニトリル137.7g(2.50mol)、ギ酸エチル80.2g(1.08mol)、ナトリウムメトキシド45.0g(0.833mol)、およびトルエン288.0gを加え、窒素雰囲気下、170℃にて自己圧力下(1.4Mpa/ゲージ圧)で3時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、析出物を濾過して乾燥させ、白色粉末として2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩66.1gを得た(単離収率75.5%)。2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩の物性値は以下のとおりであった。
攪拌装置、温度計、圧力ゲージを備えた内容量2Lのオートクレーブにプロピオニトリル137.7g(2.50mol)、ギ酸エチル80.2g(1.08mol)、ナトリウムメトキシド45.0g(0.833mol)、およびトルエン288.0gを加え、窒素雰囲気下、170℃にて自己圧力下(1.4Mpa/ゲージ圧)で3時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、析出物を濾過して乾燥させ、白色粉末として2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩66.1gを得た(単離収率75.5%)。2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩の物性値は以下のとおりであった。
1H−NMR(DMSO−d6、δ(ppm));1.41(3H,s)、8.12(1H,s)
[実施例2](5−メチルシトシンの合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えたガラス製反応器に2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩15.2g(0.144mol)、尿素37.8g(0.629mol)、水100.0gを加え、35%−塩酸にてpHを3.0に調整させた。pH調整後、還流温度にて3時間反応させた。50℃に一旦冷却後、再度35%−塩酸にてpHを3.0に調整させ、再度還流温度にて3時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、48%−水酸化ナトリウム水溶液でpHを13.0に調整した。続いて60℃に加熱し、同温度にて11時間反応させた(反応収率82.4%)。50℃に冷却後、酢酸にてpHを5.0に調整し、結晶を析出させた。続いて、アセトン20.0gを添加し、10℃に冷却、同温度で30分攪拌させ、濾過させた。得られた白色結晶10.4g(単離収率66.2%)に、水60.0g、メタノール5.0gを加え、70℃にて30分攪拌させた。その後10℃に冷却後30分攪拌し、結晶を濾過、乾燥させて、白色結晶として5−メチルシトシン9.3gを得た(単離収率59.0%)。5−メチルシトシンの物性値は以下のとおりであった。
攪拌装置、温度計、還流管を備えたガラス製反応器に2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩15.2g(0.144mol)、尿素37.8g(0.629mol)、水100.0gを加え、35%−塩酸にてpHを3.0に調整させた。pH調整後、還流温度にて3時間反応させた。50℃に一旦冷却後、再度35%−塩酸にてpHを3.0に調整させ、再度還流温度にて3時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、48%−水酸化ナトリウム水溶液でpHを13.0に調整した。続いて60℃に加熱し、同温度にて11時間反応させた(反応収率82.4%)。50℃に冷却後、酢酸にてpHを5.0に調整し、結晶を析出させた。続いて、アセトン20.0gを添加し、10℃に冷却、同温度で30分攪拌させ、濾過させた。得られた白色結晶10.4g(単離収率66.2%)に、水60.0g、メタノール5.0gを加え、70℃にて30分攪拌させた。その後10℃に冷却後30分攪拌し、結晶を濾過、乾燥させて、白色結晶として5−メチルシトシン9.3gを得た(単離収率59.0%)。5−メチルシトシンの物性値は以下のとおりであった。
1H−NMR(DMSO−d6、δ(ppm));1.79(3H,s)、7.18(1H,s)
[実施例3](5−メチルシトシンの合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えたガラス製反応器に2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩14.7g(0.140mol)、尿素35.7g(0.594mol)、水100.0gを加え、35%−塩酸にてpHを5.0に調整させた。pH調整後、還流温度にて8時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、48%−水酸化ナトリウム水溶液でpHを13.0に調整した。続いて90℃に加熱し、同温度にて7時間反応させ、5−メチルシトシン反応液を得た。(反応収率46.9%)
攪拌装置、温度計、還流管を備えたガラス製反応器に2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩14.7g(0.140mol)、尿素35.7g(0.594mol)、水100.0gを加え、35%−塩酸にてpHを5.0に調整させた。pH調整後、還流温度にて8時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、48%−水酸化ナトリウム水溶液でpHを13.0に調整した。続いて90℃に加熱し、同温度にて7時間反応させ、5−メチルシトシン反応液を得た。(反応収率46.9%)
[比較例1](5−メチルシトシンの合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えたガラス製反応器に2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩7.8g(0.074mol)、尿素39.3g(0.654mol)、水50.0gを加え、pH調整を行わずに(この状態でのpHはおよそ10である。)、還流温度にて23時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、5−メチルシトシン反応液を得た(反応収率60.9%)。この際、還流管に大量の炭酸水素アンモニウムが析出した。50℃に冷却後、水25.0g、アセトン10.0gを加え、塩酸にてpHを5.0に調整し、析出物を濾過、乾燥させて、白色結晶として5−メチルシトシン5.2gを得た(単離収率54.2%)。
このように、pH調整を行わなければ、尿素から誘導される大量の炭酸水素アンモニウムが還流管に付着し、管を閉塞させる等の安全性に対する問題が発生する。
[比較例2](5−メチルシトシンの合成)
実施例1の水の変わりに、イソプロパノールを使用し、85℃にて同様の反応を行ったが、反応はおこらなかった。
[比較例3](5−メチルシトシンの合成)
実施例1の水の変わりに、エチレングリコールを使用し、120℃にて4時間同様の反応を行ったが、反応収率は11.7%であった。
攪拌装置、温度計、還流管を備えたガラス製反応器に2−ホルミルプロピオニトリルナトリウム塩7.8g(0.074mol)、尿素39.3g(0.654mol)、水50.0gを加え、pH調整を行わずに(この状態でのpHはおよそ10である。)、還流温度にて23時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、5−メチルシトシン反応液を得た(反応収率60.9%)。この際、還流管に大量の炭酸水素アンモニウムが析出した。50℃に冷却後、水25.0g、アセトン10.0gを加え、塩酸にてpHを5.0に調整し、析出物を濾過、乾燥させて、白色結晶として5−メチルシトシン5.2gを得た(単離収率54.2%)。
このように、pH調整を行わなければ、尿素から誘導される大量の炭酸水素アンモニウムが還流管に付着し、管を閉塞させる等の安全性に対する問題が発生する。
[比較例2](5−メチルシトシンの合成)
実施例1の水の変わりに、イソプロパノールを使用し、85℃にて同様の反応を行ったが、反応はおこらなかった。
[比較例3](5−メチルシトシンの合成)
実施例1の水の変わりに、エチレングリコールを使用し、120℃にて4時間同様の反応を行ったが、反応収率は11.7%であった。
Claims (4)
- 工程(I)のギ酸エステルがギ酸エチルであり、塩基がナトリウムメトキシドであることを特徴とする請求項2に記載の5−メチルシトシンの製造方法。
- 酸性条件下をpH6以下の範囲にて反応させること、ならびに、塩基性条件下をpH10以上の範囲にて反応させることを特徴とする請求項1または2に記載の5−メチルシトシンの製造方法。
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JP (1) | JP2010024205A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103880758A (zh) * | 2014-03-24 | 2014-06-25 | 浙江先锋科技有限公司 | 胞嘧啶的合成方法 |
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2008
- 2008-07-23 JP JP2008190056A patent/JP2010024205A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103880758A (zh) * | 2014-03-24 | 2014-06-25 | 浙江先锋科技有限公司 | 胞嘧啶的合成方法 |
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