JP2010024193A - 4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レゾルシノールと、アルケニルハライドR2−X[R2は、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルケニル基、Xはハロゲンを示す。]とを、塩基存在下で反応させて一般式(1)の4−アルケニルレゾルシノールを製造する。また、そのアルケニル基を還元して下記一般式(2)の4−アルキルレゾルシノールを製造する。
[式中、R2は、前記定義と同じである。]
[式中、R1は、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルキル基を示す。]
【選択図】なし
Description
例えば、4−アルキルレゾルシノールは、ニキビ原因菌に対する抗菌作用(特許文献1)、フケ原因菌に対する抗菌作用(特許文献2)、美白作用(特許文献3〜4)など、医薬品や化粧品において有用な効果を有することが知られており、4−n−ブチルレゾルシノールは美白剤として既に化粧品に実用化されている。また、4−n−へキシルレゾルシノールは回虫や十二指腸虫の駆虫剤として使用されている。また、4−アルケニルレゾルシノールも、美白作用を有することが知られている(特許文献5)。
しかしながら、この製造方法では、腐食性の高い塩化亜鉛または塩化アルミニウムをフリーデル・クラフツ反応剤として、また、有害なハロゲン化合物やニトロ化合物を反応溶媒として、さらには、有毒な水銀を還元反応の触媒として用いなければならないという問題がある。
しかし、この方法では、長時間の高温条件が必要であり、副生成物も多い。
しかし、この方法は超臨界状態とするために、高温・高圧条件(例えば350℃以上、5MPa以上)が必要であり、そのための装置が必要であるとともに危険を伴うという問題がある。
また、本発明は、前記方法において、反応を水中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法において、塩基がアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法において、アルケニルハライドをレゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満の範囲で用いることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法により前記一般式(1)の4−アルケニルレゾルシノールを製造し、次いで該4−アルケニルレゾルシノールのアルケニル基を還元することを特徴とする下記一般式(2)で表される4−アルキルレゾルシノールの製造方法を提供する。
本発明においては、出発原料であるレゾルシノールに、アルケニルハライドR2−Xを塩基存在下に反応させて、前記一般式(1)の4−アルケニルレゾルシノールを得る。
本発明においてR2で示される「アルケニル」とは、炭素数3〜12の少なくとも一つの二重結合を有する脂肪族炭化水素基を意味する。該アルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状の何れでもよい。また、アルケニル基は炭素数1〜3のアルコキシ基、ベンゼン環、又は複素環で置換されていてもよい。
このうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物や、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物が好ましい。
塩基の量としては、例えば、レゾルシノールに対して0.1〜5倍モル当量とすることができるが、収率の点から、好ましくは0.5〜2倍モル当量、さらに好ましくは0.8〜1.2倍モル当量である。
また、溶媒として水を用いれば、少量の溶媒でレゾルシノールや無機塩基を溶解状態で効率的に反応させることができ、反応設備も省スペース化できるという点でも工業的に非常に有利である。
さらに、本発明においては、このようにして得られた4−アルケニルレゾルシノールのアルケニル基を還元することにより、前記一般式(2)の4−アルキルレゾルシノールを得る。
還元反応としては、一般的な炭素−炭素二重結合の還元反応を用いることができる。このうち最も一般的なのは接触水素添加反応であり、触媒としては白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属触媒、ニッケル、銅−クロム系触媒等が挙げられる。具体的には、例えば、エタノール、酢酸エチル等の溶媒中、触媒としてパラジウム-炭素を用い、水素ガス雰囲気下、室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達する。この場合、アルケニルレゾルシノールからほぼ100%の収率で対応するアルキルレゾルシノールを得ることができる。
水酸化ナトリウム(和光純薬製、試薬特級) (4.64 g, 0.116 mol) を水 (25 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール(関東化学製、試薬特級) (12.77 g, 0.116 mol) を一括で加え、60℃で5分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン(東京化成製、純度95.0%以上) (11.29 ml, 0.116 mol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に1N水酸化ナトリウム (30 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作をさらに5回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜7番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(3番目〜7番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.86 g) を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 1.72 (3H, S), 3.29 (2H, s), 4.83 (1H, s), 4.89 (1H, s), 5.41 -5.68 (2H, m), 6.35 ? 6.39 (2H, m), 6.92 (1H, d, J=9.2 Hz).
実施例1の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.86 g) をエタノール (50 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品)(エヌ・イー ケムキャット製、BNA-Type) (951 mg) を加えて水素置換後、室温にて9時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (9.82 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 122 - 124℃)して淡黄色オイル (8.68 g) を得た。この淡黄色オイルをエタノール (7 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (140 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して白色ウェット晶 (8.27 g) を得た。この白色ウェット晶をn-ヘキサン (45 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (5.92 g) を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.91 (6H, d, J=6.8 Hz), 1.86 (1H, 9重線, J=6.8 Hz), 2.39 (2H,d, J=6.8 Hz), 4.74 (1H, s), 4.77 (1H, s), 6.32 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.35 (1H, dd, J=2.5, 8.2 Hz), 6.91 (1H, d, J=8.2 Hz).
水酸化カリウム(和光純薬製、試薬特級) (5.09 g, 純度85%で換算した場合 77.2 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、室温で17時間撹拌した。反応液に酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.73 g) を得た。
実施例3の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.73 g) をエタノール (20 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (813 mg) を加えて水素置換後、室温にて3時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (8.87 g) を得た。この褐色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下30分間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄土色ウェット晶 (9.71 g) を得た。この黄土色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して淡黄色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (6.37 g) を得た。
水酸化ナトリウム (7.26 g, 0.182 mol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を1回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜3番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(1番目〜3番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (6.7 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.31 g) を得た。
実施例5の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.31 g) をエタノール (13 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (599 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (6.45 g) を得た。この褐色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (80 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄土色ウェット晶 (5.56 g) を得た。この黄土色ウェット晶をn-ヘキサン (50 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して黄色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (2.16 g) を得た。
水酸化ナトリウム (1.82 g, 45.4 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、室温で18時間撹拌した。反応液に酢酸エチル (30 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に5N水酸化ナトリウム (10 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (12.5 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.01 g) を得た。
実施例7の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.01 g) をエタノール (16 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (403 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (7.53 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 129℃)して薄茶色オイル (6.48 g) を得た。この薄茶色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄色ウェット晶 (4.27 g) を得た。この黄色ウェット晶をn-ヘキサン (50 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して淡黄色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (2.92 g) を得た。
水酸化カリウム (5.99 g, 純度85%で換算した場合 90.8 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.09 g) を得た。
実施例9の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.09 g) をエタノール (18 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (444 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (8.51 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 124℃)してオレンジ色オイル (7.41 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄色ウェット晶 (7.26 g) を得た。この黄色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (3.94 g) を得た。
水酸化カリウム (4.80 g, 純度85%で換算した場合 72.7 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.37 g) を得た。
実施例11の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.37 g) をエタノール (18 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (481 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (8.67 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 124℃)して黄色オイル (7.51 g) を得た。この黄色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して白色ウェット晶 (7.15 g) を得た。この白色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (4.10 g) を得た。
水酸化カリウム (7.19 g, 純度85%で換算した場合 0.109 mol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を2回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜4番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜4番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (6.7 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (7.51 g) を得た。
実施例13の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (7.51 g) をエタノール (15 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (360 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (6.37 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 124℃)してオレンジ色オイル (5.68 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して淡黄色ウェット晶 (6.22 g) を得た。この淡黄色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (3.91 g) を得た。
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) およびレゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) をメタノール (20 ml) に60℃にて溶解させ、3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチル (50 ml) と水 (30 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.24 g) を得た。
実施例15の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.24 g) をエタノール (6 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (317 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (5.87 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 115 - 124℃)してオレンジ色オイル (4.01 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (4 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して淡黄色ウェット晶 (2.89 g) を得た。この淡黄色ウェット晶をn-ヘキサン (30 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (1.99 g) を得た。
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) およびレゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) をエタノール (20 ml) に60℃にて懸濁させ、3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチル (50 ml) と水 (30 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を2回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜4番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜4番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (6.7 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.16 g) を得た。
実施例17の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (5.16 g) をエタノール (6.5 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (327 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (5.57 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 118 - 126℃)してオレンジ色オイル (5.38 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して淡黄色ウェット晶 (3.76 g) を得た。この淡黄色ウェット晶をn-ヘキサン (50 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (2.86 g) を得た。
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (17.7 ml, 0.182 mol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析した結果、多様な副生成物が大量に生成して目的物の生成が僅かであったため、反応処理を中止した。
このように、過剰なアルケニルハライドは収率を著しく低下させる。また、アルケニルハライドが少なすぎると収率が低下する。本発明者らの検討によれば、アルケニルハライドはレゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満、さらには1〜1.5倍モル当量とすることが好適である。
水酸化ナトリウム (726 mg, 18.2 mmol) を水 (4 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (2.00 g, 18.2 mmol) を一括で加え、60℃で2分間撹拌して溶解させた。60℃にて1-クロロ-2-メチルプロパン(東京化成製、純度98.0%以上) (1.91 ml, 18.2 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (10 ml) および12N 塩酸 (2 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して茶色固体 (2.12 g) を得た。この茶色固体をシリカゲルカラムクマトグラフィー (シリカゲル 30 g, n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1) にて精製を行い、黄土色固体のレゾルシノール (1.95 g) を得た。
水酸化ナトリウム (726 mg, 18.2 mmol) を水 (4 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (2.00 g, 18.2 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にて1-クロロ-2-メチルプロパン (1.91 ml, 18.2 mmol) を素早く滴下後、室温で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (10 ml) および12N 塩酸 (2 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して茶色固体 (2.500 g) を得た。この茶色固体をシリカゲルカラムクマトグラフィー (シリカゲル 30 g, n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1) にて精製を行い、黄土色固体のレゾルシノール (1.93 g) を得た。
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にてβ-メタリルアルコール(東京化成製、純度98.0%以上) (7.70 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を1回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜3番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析したところ、目的物は確認されず原料であるレゾルシノールのみが確認された。水層(1番目〜3番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (15 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して褐色固体のレゾルシノール (9.87 g) を回収した。
Claims (7)
- 請求項1記載の方法において、反応を水性溶媒中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
- 請求項1記載の方法において、反応を水中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
- 請求項1〜3の何れかに記載の方法において、塩基がアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
- 請求項1〜4の何れかに記載の方法において、アルケニルハライドをレゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満の範囲で用いることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
- 請求項6記載の方法において、4−アルケニルレゾルシノールの還元を、パラジウム触媒下、接触還元により行うことを特徴とする4−アルキルレゾルシノールの製造方法。
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