JP2010024193A - 4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールの製造方法 - Google Patents

4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】腐食性物質や、有害な物質を用いることなく、比較的低温で工業的に有利に4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールを製造す方法を提供する。
【解決手段】レゾルシノールと、アルケニルハライドR−X[Rは、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルケニル基、Xはハロゲンを示す。]とを、塩基存在下で反応させて一般式(1)の4−アルケニルレゾルシノールを製造する。また、そのアルケニル基を還元して下記一般式(2)の4−アルキルレゾルシノールを製造する。
Figure 2010024193

[式中、Rは、前記定義と同じである。]
Figure 2010024193

[式中、Rは、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルキル基を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、4−アルキルレゾルシノール及び4−アルケニルレゾルシノールの製造方法、特に、レゾルシノールを出発原料とし、腐食性の高い物質や、有害または有毒な物質を用いることなく、比較的低温で、工業的に有利に4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールを製造可能な方法に関する。
4−アルキルレゾルシノールは医薬品や化粧品の成分あるいはその中間体として、また、樹脂の添加剤や原料として、工業的に用いられている。
例えば、4−アルキルレゾルシノールは、ニキビ原因菌に対する抗菌作用(特許文献1)、フケ原因菌に対する抗菌作用(特許文献2)、美白作用(特許文献3〜4)など、医薬品や化粧品において有用な効果を有することが知られており、4−n−ブチルレゾルシノールは美白剤として既に化粧品に実用化されている。また、4−n−へキシルレゾルシノールは回虫や十二指腸虫の駆虫剤として使用されている。また、4−アルケニルレゾルシノールも、美白作用を有することが知られている(特許文献5)。
4−アルキルレゾルシノールの製造方法としては、例えば特許文献4および特許文献6などに記載されている様に、飽和カルボン酸または飽和カルボン酸ハロゲン化物とレゾルシノールとを、塩化亜鉛または塩化アルミニウム等のルイス酸存在下でフリーデル・クラフツ反応させ、生成した4−アシルレゾルシノールを亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法が広く知られている。
しかしながら、この製造方法では、腐食性の高い塩化亜鉛または塩化アルミニウムをフリーデル・クラフツ反応剤として、また、有害なハロゲン化合物やニトロ化合物を反応溶媒として、さらには、有毒な水銀を還元反応の触媒として用いなければならないという問題がある。
特許文献7には、アルミナを触媒とし、レゾルシノールとn−へキサノールとを液相中、200〜400℃で反応させて4−n−へキシルレゾルシノールを直接的に製造する方法が記載されている。
しかし、この方法では、長時間の高温条件が必要であり、副生成物も多い。
特許文献8には、特定金属の酸化物および水酸化物から選ばれる一種以上を触媒として用い、アルコールを超臨界状態にしてレゾルシノールと反応させて4−アルキルレゾルシノールを製造する方法が記載されている。
しかし、この方法は超臨界状態とするために、高温・高圧条件(例えば350℃以上、5MPa以上)が必要であり、そのための装置が必要であるとともに危険を伴うという問題がある。
その他にも、4−アルキルレゾルシノールあるいは4−アルケニルレゾルシノールの製造方法が多く報告されているが、上記の様な問題があったり、副生成物が多く精製が困難であったり、著しく収率が低いなどの理由から、工業的な製造コストが非常に高くなるという問題がある(特許文献9〜11、非特許文献1〜6)。
特許第2875374号公報 特許第2801960号公報 特開平5−4905号公報 特公平6−51619号公報 特開2008−19208号公報 米国特許第2093778号明細書 英国特許第1581428号明細書 特開2002−167344号公報 米国特許第1858042号明細書 米国特許第4093667号明細書 米国特許第4108909号明細書
Recl. Trav. Chim Pays-Bas, 50巻, 1931年, 848ページ J. Am. Chem. Soc., 59巻, 1937年, 104ページ Phytochemistry, 21巻, 7号, 1982年, 1733ページ Tetrahedron Lett., 25巻, 48号, 1984年, 5581ページ Gazz. Chim. Ital., 105巻, 1975年, 1245ページ Tetrahedron, 25巻, 1969年, 1407ページ
本発明の目的は、腐食性の高い物質や、有害または有毒な物質を用いることなく、比較的低温で工業的に有利に4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールを製造することにある。
上記目的を達成するために本発明者らは鋭意研究を続け、その結果、レゾルシノールとアルケニルハライドとを塩基存在下で反応させて、4−アルケニルレゾルシノールを工業的に有利に製造できることを見出した。さらに、この4−アルケニルレゾルシノールを還元することにより、対応する4−アルキルレゾルシノールも工業的に有利に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、レゾルシノールと、アルケニルハライドR−X[Rは、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は複素環で置換されていてもよい炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルケニル基、Xはハロゲンを示す。]とを、塩基存在下で反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表される4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
Figure 2010024193
[式中、Rは、前記定義と同じである。]
また、本発明は、前記方法において、反応を水性溶媒中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法において、反応を水中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法において、塩基がアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法において、アルケニルハライドをレゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満の範囲で用いることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法により前記一般式(1)の4−アルケニルレゾルシノールを製造し、次いで該4−アルケニルレゾルシノールのアルケニル基を還元することを特徴とする下記一般式(2)で表される4−アルキルレゾルシノールの製造方法を提供する。
Figure 2010024193
[式中、Rは、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は複素環で置換されていてもよい炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルキル基を示す。]
また、本発明は、前記方法において、4−アルケニルレゾルシノールの還元を、Pd−C触媒下、接触還元により行うことを特徴とする4−アルキルレゾルシノールの製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、レゾルシノールから腐食性の高い物質や、有害または有毒な物質を用いることなく、比較的低温で工業的に有利に4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールを製造することができる。
4−アルケニルレゾルシノールの製造方法
本発明においては、出発原料であるレゾルシノールに、アルケニルハライドR−Xを塩基存在下に反応させて、前記一般式(1)の4−アルケニルレゾルシノールを得る。
本発明においてRで示される「アルケニル」とは、炭素数3〜12の少なくとも一つの二重結合を有する脂肪族炭化水素基を意味する。該アルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状の何れでもよい。また、アルケニル基は炭素数1〜3のアルコキシ基、ベンゼン環、又は複素環で置換されていてもよい。
アルケニルハライドとしては、アリル位がハロゲンで置換されたアルケニルハライドが挙げられ、例えば、3−クロロ−1−プロペン、3−ブロモ−1−プロペン、3−ヨード−1−プロペン、1−クロロ−2−ブテン、1−ブロモ−2−ブテン、1−ヨード−2−ブテン、1−クロロ−2−ペンテン、1−ブロモ−2−ペンテン、1−ヨード−2−ペンテン、1−クロロ−2−ヘキセン、1−ブロモ−2−ヘキセン、1−ヨード−2−ヘキセン、1−クロロ−2−ヘプテン、1−ブロモ−2−ヘプテン、1−ヨード−2−ヘプテン、1−クロロ−2−オクテン、1−ブロモ−2−オクテン、1−ヨード−2−オクテン、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン、3−ブロモ−2−メチル−1−プロペン、3−ヨード−2−メチル−1−プロペン、1−クロロ−3−メチル−2−ブテン、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン、1−ヨード−3−メチル−2−ブテン、3−クロロ−1−フェニル−1−プロペン、3−ブロモ−1−フェニル−1−プロペン、3−ヨード−1−フェニル−1−プロペン、3−クロロ−2−メトキシプロペン、3−ブロモ−2−メトキシプロペン、3−ヨード−2−メトキシプロペン、1−クロロ−5−メトキシ−2−ペンテン、1−ブロモ−5−メトキシ−2−ペンテン、1−ヨード−5−メトキシ−2−ペンテン、3−クロロ−1−ブテン、3−ブロモ−1−ブテン、3−ヨード−1−ブテン、4−クロロ−2−ペンテン、4−ブロモ−2−ペンテン、4−ヨード−2−ペンテン、3−クロロシクロヘキセン、3−ブロモシクロヘキセン、3−ヨードシクロヘキセン、3−クロロ−5−メトキシ−1−ペンテン、3−ブロモ−5−メトキシ−1−ペンテン、3−ヨード−5−メトキシ−1−ペンテン、3−クロロ−3−メチル−1−ブテン、3−ブロモ−3−メチル−1−ブテン、3−ヨード−3−メチル−1−ブテン、4−クロロ−2,4−ジメチル−2−ペンテン、4−ブロモ−2,4−ジメチル−2−ペンテン、4−ヨード−2,4−ジメチル−2−ペンテン、1−クロロ−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン、1−ブロモ−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン、1−ヨード−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン等が挙げられる。
このうち、好適なアルケニルハライドとして、R−CR=CR−CH−Xで示される基本構造を有するアリルハライド[R〜Rはそれぞれ所望のR−Xに対応して設定される基]が挙げられ、例えば、3−クロロ−1−プロペン、3−ブロモ−1−プロペン、1−クロロ−2−ブテン、1−ブロモ−2−ブテン、1−クロロ−2−ペンテン、1−ブロモ−2−ペンテン、1−クロロ−2−ヘキセン、1−ブロモ−2−ヘキセン、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン、3−ブロモ−2−メチル−1−プロペンが好ましい。
アルケニルハライドは、レゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満、さらには1〜1.5倍モル当量とすることが好ましい。アルケニルハライドが少なすぎると反応が不十分となり、多すぎると副生成物が著しく増大して精製が困難となる。
反応に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルメチルアンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンモニウム;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属;トリエチルエチルアミン、ジエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン等のアミン類等;及びこれらの混合物が挙げられる。
このうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物や、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物が好ましい。
塩基の量としては、例えば、レゾルシノールに対して0.1〜5倍モル当量とすることができるが、収率の点から、好ましくは0.5〜2倍モル当量、さらに好ましくは0.8〜1.2倍モル当量である。
本アルケニル化反応は、反応溶媒を用いて液相中で行うことが好ましい。反応溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;水;及びこれらの混合溶媒などが挙げられるが、好ましくは水、アルコール系溶媒であり、特に好ましくは水である。無溶媒で反応を行うことも可能であるが、副生成物が増大し、収率が低下することがある。
本アルケニル化反応は、水又は含水アルコールなどの水性溶媒中で好適に行うことができ、特に水中で効率的に進行する。近年の合成反応においては、環境適合性の点から水中での反応が強く望まれている。本発明の方法はこのような要請にも応えることができるものである。
また、溶媒として水を用いれば、少量の溶媒でレゾルシノールや無機塩基を溶解状態で効率的に反応させることができ、反応設備も省スペース化できるという点でも工業的に非常に有利である。
反応温度は、0〜200℃の範囲で行うことができるが、好ましくは室温(20℃)から100℃の範囲である。また、反応は加圧下で行うこともできるが、通常は大気圧下で行えばよい。
4−アルキルレゾルシノールの製造
さらに、本発明においては、このようにして得られた4−アルケニルレゾルシノールのアルケニル基を還元することにより、前記一般式(2)の4−アルキルレゾルシノールを得る。
還元反応としては、一般的な炭素−炭素二重結合の還元反応を用いることができる。このうち最も一般的なのは接触水素添加反応であり、触媒としては白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の貴金属触媒、ニッケル、銅−クロム系触媒等が挙げられる。具体的には、例えば、エタノール、酢酸エチル等の溶媒中、触媒としてパラジウム-炭素を用い、水素ガス雰囲気下、室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことにより目的を達する。この場合、アルケニルレゾルシノールからほぼ100%の収率で対応するアルキルレゾルシノールを得ることができる。
本発明の製造方法において反応終了後の反応混合物には、4−アルケニルレゾルシノール又は4−アルキルレゾルシノールのほかに、未反応の原料、副反応による生成物が含まれることもある。各種の用途に必要な純度まで、4−アルケニルレゾルシノール又は4−アルキルレゾルシノールを精製することができる。精製の方法は、特に限定されず、蒸留、抽出、晶析等の通常工業的に使用できる方法が適用できる。
以下、具体例を挙げてさらに本発明を説明するが、これらに限定されるものではない。
実施例1 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(1)
水酸化ナトリウム(和光純薬製、試薬特級) (4.64 g, 0.116 mol) を水 (25 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール(関東化学製、試薬特級) (12.77 g, 0.116 mol) を一括で加え、60℃で5分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン(東京化成製、純度95.0%以上) (11.29 ml, 0.116 mol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に1N水酸化ナトリウム (30 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作をさらに5回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜7番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(3番目〜7番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.86 g) を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 1.72 (3H, S), 3.29 (2H, s), 4.83 (1H, s), 4.89 (1H, s), 5.41 -5.68 (2H, m), 6.35 ? 6.39 (2H, m), 6.92 (1H, d, J=9.2 Hz).
実施例2 4-イソブチルレゾルシノールの製造(1)
実施例1の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.86 g) をエタノール (50 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品)(エヌ・イー ケムキャット製、BNA-Type) (951 mg) を加えて水素置換後、室温にて9時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (9.82 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 122 - 124℃)して淡黄色オイル (8.68 g) を得た。この淡黄色オイルをエタノール (7 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (140 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して白色ウェット晶 (8.27 g) を得た。この白色ウェット晶をn-ヘキサン (45 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (5.92 g) を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.91 (6H, d, J=6.8 Hz), 1.86 (1H, 9重線, J=6.8 Hz), 2.39 (2H,d, J=6.8 Hz), 4.74 (1H, s), 4.77 (1H, s), 6.32 (1H, d, J=2.5 Hz), 6.35 (1H, dd, J=2.5, 8.2 Hz), 6.91 (1H, d, J=8.2 Hz).
実施例3 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(2)
水酸化カリウム(和光純薬製、試薬特級) (5.09 g, 純度85%で換算した場合 77.2 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、室温で17時間撹拌した。反応液に酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.73 g) を得た。
実施例4 4-イソブチルレゾルシノールの製造(2)
実施例3の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.73 g) をエタノール (20 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (813 mg) を加えて水素置換後、室温にて3時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (8.87 g) を得た。この褐色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下30分間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄土色ウェット晶 (9.71 g) を得た。この黄土色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して淡黄色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (6.37 g) を得た。
実施例5 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(3)
水酸化ナトリウム (7.26 g, 0.182 mol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を1回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜3番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(1番目〜3番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (6.7 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.31 g) を得た。
実施例6 4-イソブチルレゾルシノールの製造(3)
実施例5の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.31 g) をエタノール (13 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (599 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (6.45 g) を得た。この褐色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (80 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄土色ウェット晶 (5.56 g) を得た。この黄土色ウェット晶をn-ヘキサン (50 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して黄色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (2.16 g) を得た。
実施例7 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(4)
水酸化ナトリウム (1.82 g, 45.4 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、室温で18時間撹拌した。反応液に酢酸エチル (30 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に5N水酸化ナトリウム (10 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (12.5 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.01 g) を得た。
実施例8 4-イソブチルレゾルシノールの製造(4)
実施例7の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (8.01 g) をエタノール (16 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (403 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (7.53 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 129℃)して薄茶色オイル (6.48 g) を得た。この薄茶色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄色ウェット晶 (4.27 g) を得た。この黄色ウェット晶をn-ヘキサン (50 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して淡黄色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (2.92 g) を得た。
実施例9 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(5)
水酸化カリウム (5.99 g, 純度85%で換算した場合 90.8 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.09 g) を得た。
実施例10 4-イソブチルレゾルシノールの製造(5)
実施例9の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.09 g) をエタノール (18 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (444 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (8.51 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 124℃)してオレンジ色オイル (7.41 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して黄色ウェット晶 (7.26 g) を得た。この黄色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (3.94 g) を得た。
実施例11 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(6)
水酸化カリウム (4.80 g, 純度85%で換算した場合 72.7 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.37 g) を得た。
実施例12 4-イソブチルレゾルシノールの製造(6)
実施例11の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (9.37 g) をエタノール (18 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (481 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (8.67 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 124℃)して黄色オイル (7.51 g) を得た。この黄色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して白色ウェット晶 (7.15 g) を得た。この白色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (4.10 g) を得た。
実施例13 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(7)
水酸化カリウム (7.19 g, 純度85%で換算した場合 0.109 mol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を2回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜4番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜4番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (6.7 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (7.51 g) を得た。
実施例14 4-イソブチルレゾルシノールの製造(7)
実施例13の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (7.51 g) をエタノール (15 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (360 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (6.37 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 120 - 124℃)してオレンジ色オイル (5.68 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して淡黄色ウェット晶 (6.22 g) を得た。この淡黄色ウェット晶をn-ヘキサン (60 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (3.91 g) を得た。
実施例15 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(8)
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) およびレゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) をメタノール (20 ml) に60℃にて溶解させ、3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチル (50 ml) と水 (30 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を3回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜5番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜5番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (10 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.24 g) を得た。
実施例16 4-イソブチルレゾルシノールの製造(8)
実施例15の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.24 g) をエタノール (6 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (317 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (5.87 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 115 - 124℃)してオレンジ色オイル (4.01 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (4 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して淡黄色ウェット晶 (2.89 g) を得た。この淡黄色ウェット晶をn-ヘキサン (30 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (1.99 g) を得た。
実施例17 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(9)
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) およびレゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) をエタノール (20 ml) に60℃にて懸濁させ、3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (8.84 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチル (50 ml) と水 (30 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を2回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜4番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析して、目的物が含まれることが確認された水層(2番目〜4番目)に酢酸エチル (30 ml) および12N 塩酸 (6.7 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して黒褐色オイル状の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (6.16 g) を得た。
実施例18 4-イソブチルレゾルシノールの製造(9)
実施例17の4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの粗生成物 (5.16 g) をエタノール (6.5 ml) に溶解させ、5%Pd-C(50%含水品) (327 mg) を加えて水素置換後、室温にて4時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濃縮して褐色オイル (5.57 g) を得た。この褐色オイルを減圧蒸留(0.2 kPa, 118 - 126℃)してオレンジ色オイル (5.38 g) を得た。このオレンジ色オイルをエタノール (6 ml) に溶解させ、撹拌下の水 (100 ml) に滴下し、4-イソブチルレゾルシノールの種晶を接種後、氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を濾取、洗浄して淡黄色ウェット晶 (3.76 g) を得た。この淡黄色ウェット晶をn-ヘキサン (50 ml) に懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。結晶を濾取、洗浄、減圧乾燥して白色粉末状の4-イソブチルレゾルシノール (2.86 g) を得た。
実施例19 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(10)
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。60℃にて3-クロロ-2-メチル-1-プロペン (17.7 ml, 0.182 mol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析した結果、多様な副生成物が大量に生成して目的物の生成が僅かであったため、反応処理を中止した。
このように、過剰なアルケニルハライドは収率を著しく低下させる。また、アルケニルハライドが少なすぎると収率が低下する。本発明者らの検討によれば、アルケニルハライドはレゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満、さらには1〜1.5倍モル当量とすることが好適である。
比較例1 直接的アルキル化(1)
水酸化ナトリウム (726 mg, 18.2 mmol) を水 (4 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (2.00 g, 18.2 mmol) を一括で加え、60℃で2分間撹拌して溶解させた。60℃にて1-クロロ-2-メチルプロパン(東京化成製、純度98.0%以上) (1.91 ml, 18.2 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (10 ml) および12N 塩酸 (2 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して茶色固体 (2.12 g) を得た。この茶色固体をシリカゲルカラムクマトグラフィー (シリカゲル 30 g, n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1) にて精製を行い、黄土色固体のレゾルシノール (1.95 g) を得た。
比較例2 直接的アルキル化(2)
水酸化ナトリウム (726 mg, 18.2 mmol) を水 (4 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (2.00 g, 18.2 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にて1-クロロ-2-メチルプロパン (1.91 ml, 18.2 mmol) を素早く滴下後、室温で15時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (10 ml) および12N 塩酸 (2 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して茶色固体 (2.500 g) を得た。この茶色固体をシリカゲルカラムクマトグラフィー (シリカゲル 30 g, n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1) にて精製を行い、黄土色固体のレゾルシノール (1.93 g) を得た。
比較例1〜2のように、レゾルシノールにアルキルハライドを反応させて直接的に4−アルキルレゾルシノールを得ようと試みたが、反応は進行せず、原料であるレゾルシノールが回収されたに過ぎなかった。
比較例3 4-(2-メチルアリル)レゾルシノールの製造(11)
水酸化ナトリウム (3.63 g, 90.8 mmol) を水 (20 ml) に室温にて溶解後、レゾルシノール (10.00 g, 90.8 mmol) を一括で加え、室温で10分間撹拌して溶解させた。室温にてβ-メタリルアルコール(東京化成製、純度98.0%以上) (7.70 ml, 90.8 mmol) を素早く滴下後、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、酢酸エチル (50 ml) を加えて有機層と水層(1番目)に分配した。この有機層に2N水酸化ナトリウム (20 ml) を加えて有機層と水層(2番目)に分配した。この操作を1回繰り返した。得られた有機層および水層(1番目〜3番目)を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分析したところ、目的物は確認されず原料であるレゾルシノールのみが確認された。水層(1番目〜3番目)に酢酸エチル (50 ml) および12N 塩酸 (15 ml) を加えて有機層と水層に分配した。この有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して褐色固体のレゾルシノール (9.87 g) を回収した。
このように、アルケニルハライドの代わりにアルケニルアルコールを用いた場合には、アルケニル化反応は全く進行せず、原料であるレゾルシノールが回収されたに過ぎなかった。

Claims (7)

  1. レゾルシノールと、アルケニルハライドR−X[Rは、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は複素環で置換されていてもよい炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルケニル基、Xはハロゲンを示す。]とを、塩基存在下で反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表される4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
    Figure 2010024193
    [式中、Rは、前記定義と同じである。]
  2. 請求項1記載の方法において、反応を水性溶媒中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
  3. 請求項1記載の方法において、反応を水中で行うことを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法において、塩基がアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物であることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の方法において、アルケニルハライドをレゾルシノールに対して0.5倍モル当量以上2倍モル当量未満の範囲で用いることを特徴とする4−アルケニルレゾルシノールの製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の方法により4−アルケニルレゾルシノールを製造し、次いで該4−アルケニルレゾルシノールのアルケニル基を還元することを特徴とする下記一般式(2)で表される4−アルキルレゾルシノールの製造方法。
    Figure 2010024193
    [式中、Rは、炭素数1〜12のアルコキシル基、フェニル基、又は複素環で置換されていてもよい炭素数3〜12の鎖状、分岐又は環状アルキル基を示す。]
  7. 請求項6記載の方法において、4−アルケニルレゾルシノールの還元を、パラジウム触媒下、接触還元により行うことを特徴とする4−アルキルレゾルシノールの製造方法。
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