JP2010024052A - 選択的なブームアップロックアウトを備えた負荷測定及び制御システム - Google Patents

選択的なブームアップロックアウトを備えた負荷測定及び制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術のLMIシステムは、クレーンがある種類の最大負荷状況に近づくと、すべて統一的に反応する。これは望ましくないオペレーターのオーバーライド習慣に繋がりうる。
【解決手段】クレーンのベース部分についてブームの角度調節により上がったり下がったりされうるブームを含むクレーンを制御する方法が開示される。本方法は、クレーンのベースに関して少なくともブームの位置を監視することを含む、クレーンの操作を連続的に監視することにより望ましくない状態にあるクレーンの操作を防ぐものである。もし、クレーンがその操作範囲又は任意の操作パラメータの限界に近づけば、そのような操作を統一的に禁止するよりも、状態の原因に依存して、選択的にクレーンのブームを上げる操作を禁止又は許可することにより、その操作が制御される。
【選択図】図1

Description

クレーンの負荷を監視し、検出された状態に従って、クレーンを制御するシステム、並びにそのようなシステムの構成要素は、様々な条件により参照される。これらは負荷モーメントリミッター、定格許容インジケーター、負荷インジケーター、安全負荷インジケーター、負荷モーメントインジケータ等を含む。これらの各々は、クレーンを推奨又は所望のパラメータの範囲内のみにおいて操作するオペレーターを補助するために、クレーン上の負荷を監視するシステム、又はシステムの一部でありえる。簡潔性のため、そのような全てのシステムは、ここでは負荷モーメントインジケータ(LMI)システムとして示すこととする。
通常、LMIシステムは、ブーム長、ブーム角、アウトリガー又は他のクレーン用の支持台の構成及び寸法、釣り合いおもりの質量及び位置等のような要素を含むクレーンの構成を示すデータを受け取る。LMIはさらに、各瞬間のクレーン上の負荷を監視する。クレーンの各構成にとって、クレーンにより持ち上げること及び支持することが可能ないくつかの最大許容負荷、クレーンの動きが可能な範囲の変化する限界、並びに変化する大きさの負荷に対するその負荷を含む適切な許容限度がある。所定の構成のクレーンの操作に適合可能なパラメータ及び/又は限度の組は、通常、そのような構成のクレーンのための「許容チャート」として知られている。明らかに、最大許容負荷及び動作範囲は、クレーンの構成とともに代わりうるものであり、様々な対応の「許容チャート」を表わすデータが、クレーンのコントローラーに組み込まれて、クレーンが所望の限度又は範囲内で操作しているかどうかを、全ての時点において決定する際に、適切な参照を提供する。LMIシステムは、クレーンがその所望の操作範囲の限界に近づいている場合のような、望ましくない状態が感知された場合に、1以上の方法でクレーンの操作を抑制又は防ぐためにプログラムされている。
典型的な望ましくないクレーン操作は、オペレーターが重すぎる地上に置かれた負荷(地上又は他の支えに静止している負荷)を上げようと試みているような場合である。例えば、ブームの長さ及び位置、負荷がクレーンのベースから位置される距離、並びにクレーンのための支持ベースの構成及び寸法、の観点から、負荷の質量が大きすぎるため、負荷は「重過ぎる」場合がある。そのような状況では、オペレーターは、クレーンのブームを上げること(「ブームアップ」又は「デリックイン」としばしば識別される操作)により状況を改善しようと試みることを考え、負荷をクレーンのための支持するベースに近づけようとし、よって、クレーンを不安定化させうる力を減少させる。
多くのクレーンには、ブームアップ操作を防ぐLMIシステムが装備されていない。そのような状況においてブーム操作をロックアウトするLMIシステムを含むクレーンは、「重過ぎる」負荷を持ち上げようとするための試みがある全てのそのような状況において、従来は単純にブームアップをロックアウトする。
重すぎる負荷にも関わらず、オペレーターが、そのような状況においてでさえ、ブームをそれでも上げることが望ましいか、或いは必要である場合がある。オペレーターは、重い負荷であるにもかかわらず、通常ではない操作状態のため、緊急の状況等のため、ブームを上げることを選択することができる。従って、LMIシステムは、オペレーターが操作ロックアウトをオーバーライド又はバイパスすることを可能にするオーバーライド機能を含むのが最も一般的である。したがって、ブームアップ操作がロックアウトされたとしても、オペレーターはロックアウトをオーバーライドすること、ブームを上げることさえをも選択しうる。
この従来のアプローチ、すなわちクレーンは望ましくない構成に近づいている場合に望ましくない操作をロックアウトするが、オペレーターがオーバーライドすることを許可すること、は、ある判断基準においては満足のいくものである。しかしながら、オペレーターがごく普通に、しかもたびたびロックアウト機能をオーバーライドすることに慣れてしまうという欠点、すなわち、オーバーライドする習慣が形付けられることを促進する欠点を有する。その状況は、そのようにするのが望ましくないような場合において、オペレーターが十分な考慮なしに、直ぐに及び高い頻度でロックアウト機能をオーバーライドしたがるという危険を作り出している。従って、ブームオペレーターが極頻繁に又は不必要にロックアウト機能をオーバーライドすることを奨励する、又は必要とすることは望ましくない。
このように、典型的には、従来技術のLMIシステムは、クレーンがある種類の最大負荷状況に近づく場合があり、そのような状況が認識された場合にすべて同じように反応することを意味している。例えば、ヨーロッパで通常採用されているEN13000基準は、上記のような状況である場合、すなわち、クレーンにより支えられる負荷の重量は、所定のブーム長、ブーム位置、負荷位置及び寸法、並びにクレーンのための支持ベースの構成で、所望の操作範囲の外側にあるような場合にも、ブームアップ操作は禁止(ロックアウト)されていることを要求している。EN13000基準は、オペレーターが、そのような状況にも関わらず、ブームを上げることを意図している場合に、オペレーターがブームアップロックアウトをオーバーライドすることを要求している。そのような操作が認識された全ての瞬間に、オペレーターによるオーバーライドが要求され、このことは、上記のように望ましくないオーバーライド習慣に繋がりうる。
本願発明は、クレーンの操作において同一と感知された状態が異なる状況又は操作に起因して起き得るという事実の認識に起因している。本願発明は、特定の状態を感知した場合、クレーンの特定の操作を選択的に許可又は禁止することが望ましい場合があるという事実の理解にさらに基づいている。
本発明は、通常はLMIシステムを採用するクレーンを操作するための方法を提供し、この方法は、特定の状態が感知された場合にクレーンの操作を禁止するが、そのオペレーションが直ぐに状態を緩和するであろう場合に、オペレーターに、同じ状態において同じクレーン操作を実行することを選択的に許可する。さらに、本願発明の方法は、選択的にオペレーターが、オーバーライド又はバイパス操作を最初に実行することなくそのような操作を実行することを許可する。このように、本願発明の方法は、オペレーター側の望まれない「オーバーライド習慣」に寄与することはない。このように、クレーンの操作中に、そのクレーンがその意図される又は望まれる操作範囲の限界が近づいている特定の状態が感知された場合には、本願発明に従った方法及び本願発明に従ったLMIシステムは、機能の実行が、クレーンが再びその望まれる操作限界の十分に範囲内の構成に効率よく戻す機能を実行する場合に、選択的に、特定のクレーン機能を実行することを可能にしうるが、そのような操作がLMIシステムにより課せられた限界を避けようとする望ましくない試み以上に少なくなるような場合には、クレーンの同じ操作を禁止する。
本願発明は、以下の詳細な説明の特定の実施形態の発明を添付の図面とともに考慮すると最も良く理解できる。
静止(地面についた)位置から負荷を持ち上げるクレーンを示す概略図である。 懸架された位置にある負荷を支持するクレーンを示す概略図である。 本願発明に従ったクレーンを操作する方法を説明するフロー又はロジック図である。 本願発明に従ったクレーンを操作する方法を説明するより詳細なフロー又はロジック図である。 本願発明の別の側面を説明するフロー又はロジック図である。
図1はクレーン10を概略的に示す。クレーンは、典型的には、例えば、1対の車輪14に支持されるベース12を含む。様々なクレーンは、軌道による輸送手段上で支持されてもよい。持ち上げ操作の間、多くのクレーンは、例えば、クレーン向けにより広く且つより安定した支持ベースを提供するためのアウトリガー15、15’、(図示されていない)釣合い錘等を採用する。クレーンの他の構成が知られており、本発明は概略的に図示された例に限定されるものではない。
クレーンは典型的にはブーム16を含み、それはポイント17に近接したクレーンのベースに枢動可能に接続され、持ち上げシリンダー18により上げられ、下げられうる。シリンダー18は、周知の水力手段により操作される。ケーブル20は、図1でLとして表わされる負荷を持ち上げるために備えられている。(図示されていない)フックは、典型的には負荷を係合するために備えられ、よく知られた手段で、(図示されていない)動力付ウィンチを経由して、ケーブル20を巻いたり、繰り出したりすることにより、負荷が上げられたり、下げられたりする。
多くのクレーンは、クレーンの操作を制御するため並びに、特に、クレーンが、負荷及び特定のクレーンの構成のための他のパラメータの範囲内で操作されているかをいつも保証するための、負荷モーメントインジケータ(LMI)システムを含む。上述されているように、LMIシステムは典型的には、ブーム長、クレーンの支持ベースの構成、釣り合い錘の重量及び位置等のような要素を含む、クレーンの構成を表わすデータを受信する。適切な「許容チャート」は、LMIシステムの制御回路又はソフトウェアに組み込まれて、所望の操作パラメータをこのように確立する。LMIシステムは、さらに様々な種類のセンサーを含み、様々な点において、クレーンの動作を監視又はいつでも操作状態を決定することにより、ストレス及び負荷を決定する。センサーは、典型的にはブーム角センサー、ブーム長センサー、場合によってはリフトシリンダーに関連する圧力センサー又はブームチップシーブ(sheave)に関連する負荷ピンを含み、間接的にフック上の負荷を測定してもよく、又はフックと関連するロードセルを含み、間接的に負荷を測定してもよい。
クレーンの負荷が大きすぎるか、又は負荷の位置が、クレーンがコントローラーに関連して適用できるデータに基づくその操作パラメータ限界に近づいているような場合、LMIは、通常、クレーンがそのようなパラメータの外に置かれるような方法でさらに操作されることができないことを保証することによって、クレーンが操作されるような方法で限定を課すものである。その限界が近づいてきた場合、LMIシステムは、通常、クレーンがもっと操作限界の近くに到達することを引き起こすような方法でクレーンが操作されることを防ぐ(「ロックアウトする」)ことにより反応する。
図1は、地面22から負荷Lを持ち上げるためのような場合に、平衡を保たれているクレーンを示す。ケーブル20を巻き上げることによる、又は、リフトシリンダー18を経由するブーム16を持ち上げることによる、負荷を持ち上げようとする場合に、負荷Lの質量及び位置は、クレーンを不安定化し、おそらくクレーンを倒すのに十分となりうる。LMIシステムは、様々な方法でそのような状態に到達する場合を感知しようとすることができる。例えば、クレーンの軸24及び26に関連するセンサーは、軸26上に相対的に大きな負荷及び軸24上に相対的に小さな負荷があるかを測定し、もし増加すれば、クレーンが前に倒れる傾向があるかもしれない負荷が懸かっていることを示す。アウトリガー15、15’が採用されている場合には、センサーはアウトリガー15、15’上の相対的な負荷を測定して、同様な表示を提供する。シリンダー18に関連する圧力センサーは、ブーム上の下方圧力を測定することに使用され、コントローラーにより、所定のブームの長さ及びクレーンの支持ベースの現存構成で、圧力が過度であるかどうかの決定がなされうる。
クレーンが操作上の限界に近づいていると決定された場合には、LMIは通常クレーンをその限界により近づけことを可能にする効果を有する全ての機能をロックアウトする。記された状況において、LMIシステムは、ケーブル20を巻き上げるため、又はブーム16を上げるためのさらなる操作のいずれもロックアウトするかもしれない。ケーブル20の巻上げを禁止することで、オペレーターが、ケーブル20を巻き上げることにより負荷を持ち上げるさらなる試みを進めることを防止する。オペレーターは、ブーム16を上げることによりクレーン上のモーメントを減少させるように試みるかもしれない。ブーム16を上げることは、負荷Lをクレーンのベースに近づける傾向をもたらしうる。それは、クレーンを不安定化させる又は傾ける傾向のある力及びモーメントを減少させうる。
しかしながら、記された状況では、地面についた負荷を持ち上げる試み、この方法でブームを上げることは、通常は悪いとされ、平常は禁止されるべきである。オーバーライド機能は、上述されたように、緊急時又は他の通常ではない操作状態の場合に、オペレーターがブームアップ操作を実行することを可能にするために提供されている。しかしながら、これらの状況でブームアップ操作を禁止することは、通常望ましい。
図2は、本質的に図1のクレーンと類似するクレーンを概略的に示しており、負荷Lはクレーンの支持ベースから横に一定の距離を開けて、ケーブル20により吊り下げられている。もし、負荷のLの質量及び位置がクレーンの通常の操作パラメータの範囲内であるなら、操作は普通に進行し、全てのクレーン機能は許可される。
しかしながら、もし負荷Lが大きすぎるか、又はクレーンの支持ベースから横に、クレーンが操作限界に近づくほど離れすぎている場合には、LMIシステムは、通常、同じ方法で、クレーンをそのような限界に近づけるような傾向のある機能をロックアウトする反応をする。このように、負荷Lを持ち上げるためにケーブル20を巻き上げ、ブーム16を上げる機能は、LMIによりロックアウトされうる。これはその状況で何をなすべきかを正確に示しているかもしれないが示していないかもしれない。
例えば、おそらく負荷Lを上げる工程において、負荷は静止した物体上で引っかけられる。負荷が引っかけられた場合、どのようなブームの持ち上げ、又はケーブル20の巻上げも、増大する抵抗に遭遇し、クレーンが操作限界に近づく結果となる。その状況において、ブームの持ち上げ又はケーブルの巻上げによるいずれの、いかなるさらなる負荷の持ち上げをロックアウトすることは適切で望ましい。
しかしながら、負荷Lを支えるブーム16が最初に図2の破線の16’で示される位置にあったとする。続いて、おそらく、ブームは図2の実線で示される位置にまで下げられるであろう。結果として、負荷Lは、クレーンの支持ベースから横にさらに離れる位置に動かされる。結果として、もし負荷Lの質量が十分に大きければ、より延長された位置での負荷により課せられる力は、クレーンがそのような負荷を支持するためにその許容限界に近づくという状況をもたらしうる。違う言い方をすると、クレーンは、そのモーメントでフック上の負荷の大きさを支持しうるクレーンのベースからの距離の限界に近づく。この状況でLMIにより感知された状態は、図1に関して記載された状況においてLMIにより感知されたのと同じ状態であり、上記の静止対象物上の負荷の引っかかりで感知される状態と同じである。従来のLMIシステムにおいて、結果は同じであり、ブームアップ機能及びケーブルのさらなる巻き取り機能はロックアウトされうる。
しかしながら、この状況において、図2に関して記載された、ブーム16を下げることは、クレーンをその所望の操作の範囲の限界に近づけることを引き起こし、それは感知可能であり、さらに望ましくは、オペレーターが単に操作を逆にすること、ブームを上げることを許可して、そして状態を軽減することである。本願発明に従えば、以下に詳細に記されるように、図2に関して記載された状況において、オペレーターは、その操作を逆にすること、すなわちブーム16を上げること(クレーンがその操作パラメータの範囲内に良好に入っているもっと前の位置に、負荷Lを戻すことによる効果を有する)が許可されるべきであり、このようにして状態を取り除ける。
従来から知られているLMIシステムに従えば、オペレーターは、ブームアップ機能のロックアウトを最初にオーバーライド又はバイパスすることによりこれを達成しうる。それは少なくとも2つの理由から望ましくない。第1に、オペレーターが、ブームをその前の位置に上げることにより、効果的に感知された状態を軽減しうる時間が遅くなる。第2に、最初にオーバーライド機能を実行した後に、オペレーターが望ましい操作を実装することを許可することは、上述したような望ましくないオーライド習慣に繋がる。オペレーターがシステム制御をオーバーライドすることなしに、望ましい機能を実行することを許可するが、クレーンがコントローラーにおいてデータにより規定される限界の操作の外側にある状況をおそらく作り出しうる機能又は工程を実行するためにオペレーターがいかなる決定を意識的に認識すべき他の状況ではオペレーターがオーバーライド又はバイパス機能を実行することを要求することがより適しており、望ましい。
クレーンの操作又は制御の知られた方法は、上述した状況、明らかに異なる一連の手段を要求する同一の感知状況を区別しない。本願は、クレーンは状態の実際の原因に依存する望ましい操作範囲の指定の限界に近づいている状態において、選択的に特定の操作を許可又は禁止してクレーンを操作及び制御する方法を提供する。
図3はクレーンを操作するための本願発明による方法を大まかに記述するロジックフロー図である。操作の間、工程30で示されるように、クレーンに関するLMIシステムは、クレーンが指定した操作パラメータの限界に近づく構成に近づいているかどうかを測定するために連続的にクレーンの操作を監視する。これはフロー図において、クレーンが「過負荷に近づいている」かどうかを測定することとして、略記で認識される。図1〜2で概略的に示されるクレーンの実施形態において、モニターは点24及び26で(存在する場合には、又は支持アウトリガー15、15’又は支持又は安定化の他の点で)それぞれ支持負荷を測定するために備えられていてもよい。モニターは通常はクレーンの構成、釣り合い錘の質量及び位置、ブーム16の長さ及び角度、ケーブル20上の負荷、及びクレーンが通常のパラメータの範囲内で操作されているか、代わりに、それらのパラメータの限界に近づいているかを示すことができる他の要素を決定するために備えられる。もしセンサーが、クレーンが通常の操作範囲内にあることを示せば、(すなわち、「過負荷」でない)ブーム16の持ち上げ(ブームアップ機能)が工程32で示されるように許可される。
もし、一方、クレーンがその操作範囲の限界に近づいていれば、LMIコントローラーの通常の反応は、ブームアップのような機能をロックアウトすることになる。本願発明に従うと、しかしながら、状態が工程34で示されるように、地面についた負荷を上げる試みの結果であるかが最初に測定される。オーバーライド又はバイパス機能を実行する操作がなされてないと仮定して、状態を引き起こす操作が、地面についた負荷を持ち上げる試みである場合には、LMIシステムは、図3の工程38に示されるような、ブームアップ操作をロックアウトする。工程36で示されるように、バイパス又はオーバーライド機能が使われているかどうかについて決定がなされる。もしバイパス機能がオペレーターにより使われていなければ、工程38に示されるように、ブームアップ機能はロックアウトされる。感知された状態にもかかわらず、もしオペレーターがブームアップ機能が望ましいと決定した場合には、工程32で示されるように、バイパス機能を使用でき、ブームアップ機能が許可される。
本願発明に従ったクレーンの操作の方法は、機能がコントローラーにより通常禁止されることになる感知された状態にある場合に、選択的にブームアップ操作を許可又は禁止するという結果になる。これは、クレーンオペレーターの一部にオーバーライド習慣を助長し又は育てることなしに、クレーンの効率的な操作を促進する。
図4は、本願発明によるクレーンの操作の方法を非常に詳細に示す。上述したように、工程30では、クレーンが所望の操作の範囲の限界に近づいている状態であるかにつき、クレーンの操作が連続的に監視される。そのような状態にないことが検出されれば、工程32で示されるように、ブームアップ操作は許可される。
もしそのような状態が検出されれば、本願発明に従って、状態の原因について測定がなされる。工程40で、検出した状態の直前に実行されたクレーンの最後の機能が、ブームダウン操作(ブームを下げること)であるかどうかの測定がなされる。これは、例えば、クレーンに関連するブーム角センサーの連続的な読み込みにより、ブームアップ及びブームダウン操作のためのコントローラーに関するセンサー、又は実際のブーム位置又はブーム位置の変化を認識又は示すための任意の他のセンサー又はセンサーの組み合わせにより、測定しうる。
もし、工程40で最後の機能がブームダウンであるという測定がなされれば、次に工程42で示されるように、負荷が振動しているかどうかについてさらなる測定がなされる。これは、例えば、負荷、負荷フック、ケーブル20に関連する動きセンサーによって、又は負荷の動きがあるかどうかを示す任意の他の好適な手段によって達成されうる。もし負荷が振動しているか、動いているとすると、それは地上又は他の面に静止していない。
負荷が振動しているという測定がなされれば、次に工程44でクレーン上の負荷が増大しているかどうかについてさらなる測定がなされる。これは、例えば、歪ゲージ又はケーブル20に関連づけられた、負荷を支持するフックに関連づけられた、他のセンサー、ケーブル20を巻き上げるためのリール又はドラム(示されていない)に関連する力又は出力センサーにより、ブーム構造又は任意の他の好適な手段に関連付けられたゲージにより、測定することができる。もし負荷が増大していれば、それは、地面についた負荷を上げるための試みが進行しているということを示す役割をする。負荷における本質的な変化の欠乏は、負荷が既にクレーンにより吊り下げられていることを示している。
最後の機能がブームダウンであり、負荷が振動又は動いており、負荷が増大していない、これらの状況においては、感知された状態はブームダウン機能の結果であることを安心して推定できる。その場合、このようにクレーンが所望の操作限界の範囲内に止まっていることを保証して、経過を逆にして、状態を緩和するために、オペレーターがブームアップ機能を実行することを許可することが望ましい。オペレーターが、このようなおそらくその望ましい結果を達成しうる操作を遅延させる、オーバーライド機能を実行する必要なしにそうすることが望ましい。このように、本願発明によれば、ブームアップ操作が、図4の工程32で示されるように、許可される。
もし上述した状態が満たされず、クレーンが操作限界に近づいていることが検出された場合、操作の通常の経過は、工程32で示されるように、ブームアップ操作をロックアウトすることになる。工程40で、もし最後の機能がブームダウン操作でないか、又は工程42で測定されたように負荷が振動していないか、又は工程44で測定されたように負荷が増大している場合、次にブームアップ操作は、工程38で示されるように、オペレーターがそれらの状況においては通常悪いとされるような操作を実行することを防ぐために、ロックアウトされる。各々の場合において、工程46、48及び50にそれぞれ示されるように、測定は最初にオペレーターが意識的に及び故意にバイパス又はオーバーライド操作を行ったかどうかについてなされる。もし、オーバーライドがなされていないならば、ブームアップはロックアウトされたままになる。もし、感知された状態にもかかわらずオペレーターが意識的にブームを上げることを決定すれば、並びにバイパス機能を繋げれば、工程32で示されるようにブームアップ機能が許可される。
上の議論は、フック上の負荷のためにクレーンが操作限界に近づく状況に向けたものである。しかしながら、この種類の状況は、フック上の負荷なしに発生しうることを理解することができる。多くのクレーンの構成において、低いブーム角で許容される負荷許容量は非常に小さい。実際は、いくつかのクレーンで及び一定のクレーン構成で、ある最小ブーム角以下では、許可される負荷許容量が0であることが起こり、それはブームの質量それ自体でクレーンがそれの操作範囲の限界に近づくことを引き起こすのに十分であるからである。オペレーターが許されない程の低ブーム角にブームダウンすれば、フック上に負荷がない場合でも、LMIシステムコントローラーはブーム機能をロックアウトする。本発明はこの状況を熟考し、焦点をあてている。図5は、この最後に記述した状況を含む本願発明の操作を説明する追加的なフローロジック図である。
図3及び4に対応する図5の一部は同様に番号がつけられており同一であると認識される。本発明のこれらの特徴は、図4及び図3に関して上述されたのと同様に機能するので、再度記述することはしない。
上述したように、工程30で、操作中のクレーンがその望ましい操作範囲の限界に近づいているかどうかの測定がなされる。もしそうであるなら、工程52で、クレーンのブームがその望ましい操作範囲の外側にあるのかどうか、すなわち、そのクレーン構成の最小ブーム角よりも下にあるかどうかについての別の測定がなされる。もし望ましい範囲の外側であれば、次の工程は通常はブーム機能をロックアウトすることとなるであろう。しかしながら、工程54で、最初に、最後の操作がブームダウンであるかどうかについて測定がなされる。もし最後の操作がブームダウンであれば、本発明によるLMIシステムのコントローラーは、ブームアップ操作を許可するが、なぜなら、そうすることでオペレーターが迅速に経過を逆にすることができ、クレーンをその操作限界にさらに近づけることのない構成に戻すことができるからである。オペレーターはオーバーライド機能を繋げることに関連したどんな遅延もなく、上述したような望ましくないオーバーライド習慣を育成することなく、これを達成することができる。
一方、もし最後の機能がブームダウン操作でなければ、工程38で示したようにブームアップ機能は通常はロックアウトされるであろう。しかしながら、工程56でオペレーターがバイパス機能を繋げたかどうかについて測定が最初に行われる。もし違えば、ブームアップはロックアウトされたままになる。
このように、本願発明によれば、クレーンを操作するため及びクレーンを制御するための方法は、クレーンがその望ましい操作範囲の限界に近づく場合のような、望ましくない状態を検知するだけを含むのではない。本願発明の方法は、さらに状態の原因を測定する工程を含む。クレーンの識別された状態及びその原因に依存して、クレーンの操作が、一方では、そのような操作が望ましくない状態を素早く除去することになるか、又は、他方では、クレーンをよりその操作の望ましい限界に近づけるか又は超えることを引き起こすことになるかに応じて、さらなるクレーンの操作を選択的に許可又は禁止するために、制御される。
本願発明は、特定の実施形態及び示され記載された方法に限られず、以下の請求項の範囲のみによって限定される。
10 クレーン
12 ベース
14 車輪
15、15’ アウトリガー
16 ブーム
17 ポイント
18 シリンダー
20 ケーブル
22 地面
24、26 軸
30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52 工程

Claims (17)

  1. 望ましくない状態にあるクレーンの操作を防止するためのクレーンの制御方法であって、
    前記クレーンは、前記クレーンのベース部分の周りのブームの角度調節により上がるか又は下がりうる前記ブームを備え、
    前記方法は、
    少なくとも前記クレーンのベース部分に関するブームの位置を監視することを含む前記クレーンの操作を監視するステップと、
    前記クレーンが望ましくない状態にある場合に、前記状態の原因に応じて前記クレーンの前記ブーム持ち上げ操作を選択的に禁止又は許可するステップと、
    を備えるクレーンの制御方法。
  2. 前記ブームが、前記ブーム上の前記負荷が、前記クレーンの前記ベースからの半径に対して非常に大きすぎるような位置にある結果として、前記クレーンが望ましくない状態にあることを特徴とする請求項1に記載のクレーンを制御する方法。
  3. 前記望ましくない状態が前記状態の直前にブームを下がった状態にすることにより引き起こされ、よって前記状態が生じた場合に、ブームを上げる操作を許可するステップを備えることを特徴とする請求項2に記載のクレーンを制御する方法。
  4. 前記望ましくない状態が、地上についた負荷を持ち上げる試みからの結果である場合に、ブームを上げる操作を禁止するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のクレーンを制御する方法。
  5. 前記望ましくない状態が、前記状態の直前の任意の他の操作の実行により起こった場合に、ブームを上げる操作を禁止するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のクレーンを制御する方法。
  6. 前記望ましくない状態が前記状態の直前にブームを下がった状態にすることにより引き起こされ、それにより前記状態を引き起こした場合にのみ、ブームを上げる操作を許可するステップを備えることを特徴とする請求項2に記載のクレーンを制御する方法。
  7. 前記望ましくない状態が、クレーンにより以前に支持されていなかった負荷を持ち上げようとする試みにより引き起こされたかどうかを決定するステップを備えることを特徴とする請求項4に記載のクレーンを制御する方法。
  8. 前記決定する工程が、前記望ましくない状態が起こる場合に、前記負荷が振動しているかどうかを決定するステップを備えることを特徴とする請求項7に記載のクレーンを制御する方法。
  9. 前記決定するステップが、前記望ましくない状態が起こるときに、前記クレーン上の前記負荷が増大しているかどうかを決定するステップを備えることを特徴とする請求項7に記載のクレーンを制御する方法。
  10. 前記望ましくない状態が起こるときに前記負荷が振動しているという決定がされた場合に、ブームをあげる操作を禁止するステップをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のクレーンを制御する方法。
  11. 前記望ましくない状態が起こるときに前記負荷が増大しているという決定がされた場合に、ブームをあげる操作を禁止するステップをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のクレーンを制御する方法。
  12. 前記望ましくない状態が、前記ブームが前記クレーンの前記構成にとって許可可能なブーム位置の範囲の外側の位置にまで下げられた結果である場合に、前記ブームを上げる操作を許可するステップを含む備えることを特徴とする請求項1に記載のクレーンを制御する方法。
  13. 前記望ましくない状態が、前記ブームが前記クレーンの前記構成にとって許可可能なブーム位置の範囲の外側の位置にまで下げられた結果でない場合に、前記ブームを上げる操作を禁止するステップを備えることを特徴とする請求項12に記載のクレーンを制御する方法。
  14. 前記望ましくない状態が、前記状態の直前の予め定められた前記クレーンの操作により引き起こされ、それによって前記状態を引き起こす場合に、ブームを上げる操作を許可するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載のクレーンを制御する方法。
  15. 前記望ましくない状態が、前記状態の直前に予め定められた前記クレーンの操作及び前記クレーンの別の操作を同時に実行することにより引き起こされ、それにより前記状態を引き起こす場合に、ブームを上げる操作を許可するステップを備えることを特徴とする請求項14に記載のクレーンを制御する方法。
  16. 前記望ましくない状態が、前記状態の直前に前記ブームを下げたことにより引き起こされ、それにより前記状態を引き起こす場合に、ブームを上げる操作を許可するステップを備えることを特徴とする請求項14に記載のクレーンを制御する方法。
  17. 前記望ましくない状態が、前記状態の直前に前記ブームを下げたこと及び前記クレーンの別の操作を同時に行うことにより引き起こされ、それにより前記状態を引き起こす場合にブームを上げる操作を許可するステップを備えることを特徴とする請求項16に記載のクレーンを制御する方法。
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