JP2010023220A - トリガスイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック部材が破損しないトリガスイッチを提供する。
【解決手段】ハウジング2に前方に突出付勢して設けられたトリガ3と、トリガ3の側部からハウジング2に向かって突出し、且つ、ハウジング2から側方に突出するロックボタン7と係合してトリガ3を引き込んだ状態に固定可能なロック部材5とを有するトリガスイッチ1において、ロック部材5をトリガ3に揺動可能に取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明はトリガスイッチに関する。
電動工具に用いられるトリガスイッチにおいて、トリガを引いた状態、つまり、工具を動作状態に保持するロック機構を備えるものがある。そのようなロック機構は、特許文献1に記載されているように、一般に、トリガの側部からトリガスイッチのハウジングに向かってトリガの引き込み方向と平行に延伸するロック部材に、ハウジングに設けたロックボタンを係合させることによって、トリガの突出を係止するように構成されている。
このようなトリガスイッチにおいて、トリガに衝撃が加わると、ロック部材の付け根に応力が集中し、ロック部材が断裂してしまう場合がある。
特に、電動ドリルのように本体から下方にハンドルが突出する形状の電動工具では、落下時にハンドル下端を本体前方に向かって屈曲させるような応力が作用しやすい。このため、トリガスイッチには、トリガを下向きに押し下げるような力が作用し、ロック部材とトリガとの付け根の上部にクラックが生じる事例が多い。
特開2004−351546号公報
前記問題点に鑑みて、本発明は、ロック部材が破損しないトリガスイッチを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明によるトリガスイッチは、ハウジングに、前方に突出付勢して設けられたトリガと、前記トリガの側部から前記ハウジングに向かって突出し、且つ、前記ハウジングから側方に突出するロックボタンと係合して前記トリガを引き込んだ状態に固定可能なロック部材とを有し、前記ロック部材を前記トリガに揺動可能に取り付けたものとする。
この構成によれば、トリガに引き込み方向と異なる方向に外力が作用しても、ロック部材がトリガに対して揺動可能であるので、ロック部材に応力が集中せず、ロック部材が破損してトリガから脱落することがない。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記ロック部材が、前記トリガに多軸に揺動可能に支持されていてもよい。
この構成によれば、トリガの複数の方向の歪みに対して、ロック部材の特定の位置に応力が集中しないようにできる。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記ロック部材の揺動は、前記ロック部材と前記トリガとの接続の遊びによって可能としてもよい。
この構成によれば、構成が簡単でありながら十分な揺動範囲を確保でき、且つ、部品の加工精度も要求されない。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記ロック部材および前記トリガは、いずれか一方が互いに逆方向に突出する外向きの突起の対を、他方が前記外向きの突起の対に外側から係合するように互いに逆方向に突出する内向きの突起の対を有し、前記ロック部材および前記トリガは、いずれか一方が、自身が他方に対して側方へ移動することを規制する第1規制部を有し、且つ、いずれか一方が、自身が他方に対して前記第1規制部が規制する移動と相対的に逆方向へ移動することを規制する第2規制部を有してもよい。
この構成によれば、内向きの突起の対と外向きの突起の対とが相互に係合してロック部材のトリガトリガ引き込み方向および上下方向の脱離を防止し、第1規制部および第2規制部がロック部材の側方への脱離を防止する。これにより、ロック部材をトリガに脱落しないように取り付けることができる。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記ロック部材および前記トリガのいずれか一方が、前記第1規制部および前記第2規制部の両方を有してもよい。
この構成によれば、外向きの突起の対または内向きの突起の対を板状に形成できるので、トリガまたはロック部材を樹脂成型するための金型の製作が容易になる。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記第1規制部と前記第2規制部とは、前記ロック部材の延伸方向に位置がずらされていてもよい。
この構成によれば、外向きの突起および内向きの突起の側方の少なくとも片側が開放しているので、樹脂成型するための金型の製作が容易になる。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記突起の対は、上下方向に配設され、前記外向きの突起の対および前記内向きの突起の対の上側の突起が、下側の突起よりも長くてもよい。
この構成によれば、上側の外向きの突起と内向きの突起との係合長が長くなるので、トリガを下向きに押し下げる外力が作用したときに、ロック部材がトリガから脱落しにくくなる。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記外向きの突起の対および前記内向きの突起の対の少なくともいずれかの突起は、手前側に傾斜していてもよい。
この構成によれば、突起の傾斜により、ロック部材をトリガから引き抜くように外力が作用したとき、外向きの突起の対と内向きの突起の対とが互いに咬合する方向に変形するような応力を発生させる圧力角を形成し、ロック部材の脱落をより一層効果的に防止できる。
また、本発明によるトリガスイッチにおいて、前記ロック部材は、前記トリガ側が二股に分岐して形成され、前記分岐の2つの先端に、前記外向きの突起または前記内向きの突起が形成されていてもよい。
この構成によれば、ロック部材を二股に分岐したことで、先端に形成した突起の対の間隔を変えるように弾性変形させることが容易であり、組立が簡単である。
以上のように、本発明によれば、ロック部材がトリガに対して揺動可能であるので、トリガに外力が作用したとき、トリガの変位がロック部材に応力を集中させない。このため、電動工具の落下などによりトリガスイッチのロック部材が破損することがない。
これより、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の第1実施形態のトリガスイッチ1を示す、トリガスイッチ1は、接点機構(不図示)を収容した概略箱型のハウジング2と、ハウジング2の前方に突出付勢して設けられたトリガ3と、トリガ3の側部からトリガ3の突出方向と平行逆向きに延伸し、ハウジング2の側部に形成した案内溝4に受け入れられたロック部材5と、ハウジング3から側方に突出するように付勢して設けられ、ハウジング3に向かって押し込むことで、ロック部材5に形成したロック穴6に係合して、ロック部材5を介してトリガ3を引き込んだ状態に係止可能なロックボタン7とを有する。
図2に、トリガ3の形状を示す。トリガ3は、ハウジング2の内部に延伸し、ハウジング2内の接点機構を駆動する軸部8を有する。また、トリガ3は、その側部から、ハウジング側に突出し、先端が互いに対向するように内向きに突出した突起の対9a,9bを有する。
さらに、図3に、ロック部材5の形状を示す。ロック部材5は、トリガ3に係合する側にスリット10が形成され、先端が二股に分岐している。ロック部材5のトリガ3側の2つの先端部には、それぞれ、外側に突出する外向きの突起の対11a,11bが形成されている。さらに、ロック部材5は、2つの先端部に、それぞれ、外向きの突起11a,11bのハウジング2側(手前側)の外側(図では上方)を覆う第1規制部12a,12bと、外向きの突起11a,11bの内側(図では下方)からさらにトリガ3側(前側)に突出する第2規制部13a,13bとを有する。
図4に、トリガ3の内向きの突起の対9a,9bとロック部材5の外向きの突起の対11a,11bとの係合の様子を示す。ロック部材5は、2つの先端部を近づけるように弾性変形させることで、外向きの突起の対11a,11bがトリガ3の内向きの突起の対9a,9bの内側を通過し、図示するように、互いに係合して、トリガ3とロック部材5との上下方向および前後方向(トリガ3の引き込み方向)の脱離を防止する。
ここで、上側の突起9a,11aが、下側の突起9b,11bよりも長く形成されていること、並びに、トリガ3の突起9a,9bはトリガ3側、ロック部材5の突起11a,11bはロック部材5側に、それぞれ手前側に傾斜して形成されていることに留意されたい。
また、第1規制部12a,12bは、二点鎖線で示すように、トリガ3の内向きの突起9a,9bの先端部の外側(図では紙面手前側)を覆い、第2規制部13a,13bは、トリガ3の内向きの突起9a,9bの付け根部分の内側((図では紙面奥行き側)を少なくとも部分的に覆っている。
図5に示すように、ロック部材5の第1規制部12a,12bは、トリガ3の外側(図では左側)への移動(相対的に、ロック部材5自身のトリガ3に対する内側への移動)を規制する。また、ロック部材5の第2規制部13a,13bは、トリガ3の内側(図では右側)への移動(相対的に、ロック部材5自身のトリガ3に対する外側への移動)を規制する。つまり、第1規制部12a,12bおよび第2規制部13a,13bによって、トリガ3とロック部材5とのトリガスイッチ1の側方への互いの脱離を防止している。
以上のようなトリガ3とロック部材5との係合は、それぞれ、僅かに遊びを有しているため、図6および図7に示すように、ロック部材5のトリガ3に対する上下方向および側方への多軸の揺動を可能にする。ロック部材5の揺動可能性は、トリガ3がハウジング2に対して上下方向および左右方向に、取り付けの遊びおよび自身の弾性の範囲内で変位させられたとき、ハウジング2の案内溝4に保持されたロック部材5との相対的な姿勢変化を可能にし、トリガ3とロック部材5との間に変形応力を作用させない。
これにより、トリガスイッチ1を組み込んだ電動工具を落下したときなど、トリガ3をハウジング2に対して無理に変位させる外力が作用しても、ロック部材5が破断して、トリガ3のロックボタン7による固定が不能になることがない。
また、トリガスイッチ1を電動工具に組み込むと、トリガ3が下方に押し下げられるような外力が加わり易い。本実施形態では、トリガ3が下方に押し下げられた際の、ロック部材5のトリガ3からの脱離防止の安全率をより高くするために、上側の突起9a,11bを、下側の突起9b,11bよりも互いの係合長が長くなるように形成している。つまり、トリガ3が下方に押し下げられた際、トリガ3およびロック部材5の寸法誤差や、ロック部材5の変形などがあっても、外向きの突起の対9a,9bと内向きの突起の対11a,11bとの間の十分な係合を確保して、ロック部材5のトリガ3からの脱離を防止できる。
また、本実施形態では、トリガ3の突起9a,9bをトリガ3側に、ロック部材5の突起11a,11bをロック部材5側に、それぞれ、手前側に傾斜して形成している。このため、トリガ3とロック部材5とを離間させる方向に外力を加えたとき、突起9a,9bおよび11a,11bの傾斜が圧力角となり、突起9a,9bと突起11a,11bとが、互いにより深く咬合するように、特にロック部材5を弾性変形させる方向に分力を生じさせる。これによって、ロック部材5のトリガ3からの脱離を防止できる。
図8に、本発明の第2実施形態のトリガスイッチにかかるトリガ3とロック部材5とを示す。尚、これ以降の説明において、先に説明した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、トリガ3に、ロック部材5の外向きの突起11a,11bの少なくとも一部分の外側を覆う第2規制部14が形成されている。第2規制部14は、ロック部材5のトリガ3に対する外側(紙面手前側)への移動(相対的に、トリガ3自身の内側への移動)を規制する。
図9に、本発明の第3実施形態のトリガスイッチにかかるトリガ3とロック部材5とを示す。本実施形態では、トリガ3に外向きの突起の対15a,15bが形成され、ロック部材5に外向きの突起の対15a,15bとそれぞれ係合する内向きの突起の対16a,16bが形成されている。また、本実施形態では、トリガ3に、ロック部材5のトリガ3に対する内側(紙面奥側)への移動(相対的に、トリガ3自身の外側への移動)を規制する第1規制部17と、ロック部材5のトリガ3に対する外側(紙面手前側)への移動(相対的に、トリガ3自身の内側への移動)を規制する第2規制部18a,18bとが形成されている。
本実施形態では、ロック部材5の二股の先端部の間隔を拡げるように弾性変形させることで、ロック部材5をトリガ3に揺動可能に取り付けることができる。
図10に、本発明の第4実施形態のトリガスイッチにかかるトリガ3とロック部材5とを示す。本実施形態では、トリガ3に円形の係合穴19が設けられ、ロック部材5に、係合穴19に遊びを持って嵌合する係合突起20が設けられている。
図11に示すように、係合突起20は、先端に係合穴19からの抜けを防止する係止部21を有し、係止部21を縮径して係合穴19を通過可能に変形できるよう4つに分割されている。
さらに、図12に、本発明の第5実施形態のトリガスイッチにかかるトリガ3とロック部材5とを示す。本実施形態では、第4実施形態とは反対に、トリガ3に係合突起20が設けられ、ロック部材5に係合穴19が設けられている。
本発明の第1実施形態のトリガスイッチの側面図。 図1のトリガスイッチのトリガの斜視図。 図1のトリガスイッチのロック部材の斜視図。 図1のトリガスイッチの断面部分側面図。 図1のトリガスイッチの断面部分背面図。 図1のトリガスイッチのトリガとロック部材との可動範囲を示す底面図。 図1のトリガスイッチのトリガとロック部材との可動範囲を示す側面図。 本発明の第2実施形態のトリガスイッチの部分側面図。 本発明の第3実施形態のトリガスイッチの部分側面図。 本発明の第4実施形態のトリガスイッチの部分側面図。 図10のトリガスイッチのロック部材の平面図。 本発明の第5実施形態のトリガスイッチの部分側面図。
符号の説明
1…トリガスイッチ
2…ハウジング
3…トリガ
4…案内溝
5…ロック部材
7…ロックボタン
9a,9b…内向きの突起
10…スリット
11a,11b…外向きの突起
12a,12b…第1規制部
13a,13b…第2規制部
14…第2規制部
15a,15b…外向きの突起
16a,16b…内向きの突起
17…第1規制部
18a,18b…第2規制部
19…係合穴
20…係止突起

Claims (9)

  1. ハウジングに、前方に突出付勢して設けられたトリガと、
    前記トリガの側部から前記ハウジングに向かって突出し、且つ、前記ハウジングから側方に突出するロックボタンと係合して前記トリガを引き込んだ状態に固定可能なロック部材とを有し、
    前記ロック部材を前記トリガに揺動可能に取り付けたことを特徴とするトリガスイッチ。
  2. 前記ロック部材が、前記トリガに多軸に揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のトリガスイッチ。
  3. 前記ロック部材の揺動は、前記ロック部材と前記トリガとの接続の遊びによって可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のトリガスイッチ。
  4. 前記ロック部材および前記トリガは、いずれか一方が互いに相反する方向に突出する外向きの突起の対を、他方が前記外向きの突起の対に外側から係合するように互いに向かって突出する内向きの突起の対を有し、
    前記ロック部材および前記トリガは、いずれか一方が、自身が他方に対して側方へ移動することを規制する第1規制部を有し、且つ、いずれか一方が、自身が他方に対して前記第1規制部が規制する移動と相対的に逆方向へ移動することを規制する第2規制部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトリガスイッチ。
  5. 前記ロック部材および前記トリガのいずれか一方が、前記第1規制部および前記第2規制部の両方を有することを特徴とする請求項4に記載のトリガスイッチ。
  6. 前記第1規制部と前記第2規制部とは、前記ロック部材の延伸方向に位置がずらされていることを特徴とする請求項5に記載のトリガスイッチ。
  7. 前記突起の対は、上下方向に配設され、前記外向きの突起の対または前記内向きの突起の対の少なくともいずれかの上側の突起が、下側の突起よりも長いことを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のトリガスイッチ。
  8. 前記外向きの突起の対および前記内向きの突起の対の少なくともいずれかの突起は、手前側に傾斜していることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のトリガスイッチ。
  9. 前記ロック部材は、前記トリガ側が二股に分岐して形成され、前記分岐の2つの先端に、前記外向きの突起または前記内向きの突起が形成されていることを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載のトリガスイッチ。
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