JP2010021646A - 静電型スピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカにおいて、放電が発生しにくく、大きな音圧を得られるようにする。
【解決手段】導電部23の面積は振動体10の面積より狭く、Z方向から見ると導電部23の全面が振動体10の縁より内側にある。そして、振動体10の縁から導電部23までのギャップ長d1は、導電部23が絶縁部22の全面に設けられていた場合の振動体10の縁から導電部23までのギャップ長d2と比較して広くなっており、ギャップ長d1は放電が発生しないギャップ長になっている。このため、高い電圧を導電部23に印加して振動体10に作用する静電力を大きくし、これにより振動体10の変位量も大きくして大きな音圧を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電型スピーカに関する。
静電型スピーカは、間隔を開けて向かい合う2枚の平行平面電極と、この2枚の電極の間に挿入された導電性を有するシート状の振動体とから構成されており、振動体に所定のバイアス電圧を印加しておき、電極に印加する電圧を変化させると振動体に作用する静電力が変化し、これにより振動体が変位する。この印加電圧を入力される音響信号に応じて変化させれば、それに応じて振動体は変位を繰り返し(すなわち振動し)、音響信号に応じた音響波が振動体から発生する。そして、発生した音響波は平面電極に空けられた孔を通り抜けて外部へ放射される。
そして、静電型スピーカの中には非特許文献1に開示されているように振動体と電極との間にエステルウールを配置し、振動体に張力を掛けず振動体の縁部分を拘束しない構造の静電型スピーカも考案されている。この構成によれば、振動体に張力を掛けていた場合と比較して振動体に発生するモードが改善されており、また、振動体には張力が掛けられていないため振動体を大きく振動させて大きな音圧を得ることも可能となっている。
岡崎正倫、外4名、「全帯域でピストン振動する振動板を持つコンデンサスピーカとその応用」、日本音響学会2004年度秋季研究発表会講演論文集、日本音響学会、平成16年9月、p.563−564
ところで、静電型スピーカの振動体は、その厚さが数μmから数十μmの厚さとなっていて非常に薄く、導電性を有する金属の薄膜層が両面全体に形成されており、その縁部分は鋭くなっていて針電極と同様になっている。このような振動体を非特許文献1に記載されているように縁部分を拘束せず2枚の電極間に配置すると、縁部分では強い電場が発生し、電極の面同士が対向している部分と比較して放電が起こりやすくなる。
静電型スピーカにおいては、振動体を振動させるために電極に高い電圧をかける必要があるが、このように放電が起こりやすいと電極に高い電圧をかけることが難しくなる。そして、電極に高い電圧を掛けられないと、振動体に作用する静電力が弱くなるため、振動体の変位量も小さくなり大きな音圧を得られなくなる。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、放電が発生しにくく大きな音圧を得られる技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために本発明は、絶縁性を有する基材層と、前記基材層の上に設けられた導電性を有する導電層とを備えた第1電極と、絶縁性を有する基材層と、前記基材層の上に設けられた導電性を有する導電層とを備え、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、前記振動体と前記第1電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1弾性部材と、前記振動体と前記第2電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2弾性部材とを有し、前記第1電極の導電層と前記第2電極の導電層は対向し、前記振動体の縁は対向した前記第1電極の導電層と前記第2電極の導電層の間の空間外に位置することを特徴とする静電型スピーカを提供する。
本発明においては、前記各電極においては、前記振動体の縁と対向する領域に前記導電層が設けられていない構成としてもよい。
また、本発明は、第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより厚い凸部とを有する第1電極と、第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより厚い凸部とを有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、前記振動体と前記第1電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1弾性部材と、前記振動体と前記第2電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2弾性部材とを有し、前記第1電極の凸部と前記第2電極の凸部は対向し、前記振動体の縁は対向した前記第1電極の凸部と前記第2電極の凸部の間の空間外に位置することを特徴とする静電型スピーカを提供する。
また、本発明は、第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより薄い凹部とを有する第1電極と、第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより薄い凹部とを有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、前記振動体と前記第1電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1弾性部材と、前記振動体と前記第2電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2弾性部材とを有し、前記第1電極の凹部と前記第2電極の凹部は対向し、前記振動体の縁は対向した前記第1電極の凹部と前記第2電極の凹部の間の空間内に位置することを特徴とする静電型スピーカを提供する。
本発明によれば、放電が発生しにくく大きな音圧を得ることができる。
[第1実施形態]
図1は本発明の一実施形態に係る静電型スピーカ1の外観を模式的に示した図、図2は静電型スピーカ1の断面および電気的構成を模式的に示した図、図3は静電型スピーカ1の分解斜視図である。
図に示したように、この静電型スピーカ1は、振動体10、電極20U,20L、スペーサ30U,30L、およびクッション材40U,40Lを有している。なお、本実施形態においては、電極20U,20Lの構成は同じであり、スペーサ30U,30Lの構成は同じであるため、各部材において両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。また、クッション材40U,40Lについても両者の構成は同じであるため、両者を区別する必要が特に無い場合は「L」および「U」の記載を省略する。
また、図中の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かう矢印を意味するものとする。
(静電型スピーカ1の各部の構成)
まず、静電型スピーカ1を構成する各部について説明する。
振動体10は、例えば、PET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)またはPP(polypropylene、ポリプロピレン)などのフィルムの両面に、導電性を有する金属を蒸着あるいは導電性塗料を塗布したものであり、その厚さは数μm〜数十μm程度の厚さとなっている。なお、本実施形態においては、振動体10はフィルムの両面に導電性を有する金属を蒸着あるいは導電性塗料を塗布したものとなっているが、フィルムの片面にのみ導電性を有する金属を蒸着あるいは導電性塗料を塗布したものであってもよい。
スペーサ30は、絶縁体で形成されており、その形状は図3に示したように矩形の枠の形状となっている。
クッション材40は、綿に熱を加えて圧縮したものであって空気の通過が可能となっており、その形状は矩形となっている。クッション材40は、弾性を有しており、外部から力を加えられると変形し、外部から加えられた力が取り除かれると元の形状に戻る。
電極20は、絶縁性を有する材料(例えば、ベークライト、エポキシ樹脂などの電気を通さない材料)を矩形の板状に加工した絶縁部22と、導電性を有する金属で絶縁部22の一方の面に形成された矩形の導電部23とで構成されている。そして、本実施形態においては、絶縁部22の四辺のうちの一辺については縁部分まで導電部23が形成されているが、絶縁部22の残りの三辺については縁から一定の幅で導電部23が形成されてなく、導電部23の面積は絶縁部22の面積より小さく、且つ、振動体10の面積より小さくなっている。また、電極20においては、音響透過性を確保するために電極20の表面から裏面にかけて絶縁部22と導電部23を貫通する貫通孔21が所定間隔で複数設けられている。
なお、本発明においては、絶縁部22は絶縁体であれば紙にエポキシ樹脂を含浸させたものや、ガラス繊維を重ねてエポキシ樹脂を含浸させたものなどであってもよい。本実施形態に係る電極20は、絶縁性を有する材料の表面に導電性を有する金属の層を有する構成、即ち、一般的なプリント基板と同様の構成であるため、一般的なプリント基板を作るのと同様にエッチングなどの方法で容易に作ることができる。
(静電型スピーカ1の構造)
次に静電型スピーカ1の構造について説明する。
静電型スピーカ1においては、スペーサ30Uとスペーサ30Lは、スペーサ30Uの下面とスペーサ30Lの上面との間に振動体10の一辺を挟んで互いに固着されている。また、静電型スピーカ1においては、電極20Lはスペーサ30Lの下面に固着され、電極20Uはスペーサ30Uの上面に固着されている。なお、ここで電極20Lの導電部23と電極20Uの導電部23は振動体10の側に向けられている。
そして、静電型スピーカ1においては、枠形のスペーサ30Lの内側にクッション材40Lが配置されており、クッション材40Lが振動体10と電極20Lとに接触している。また、枠形のスペーサ30Uの内側にもクッション材40Uが配置されており、クッション材40Uが振動体10と電極20Uとに接触している。
本実施形態においては、振動体10は一辺のみがスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に挟まれ、残りの三辺はスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に挟まれていない状態、即ち、張力を掛けられていない状態で電極20Uと電極20Lの間に位置することになるが、クッション材40Uとクッション材40Lが振動体10を挟んで支持しているため、振動体10が駆動されない状態においては、振動体10は電極20Uと電極20Lとの間の中間の位置に位置する。
また、図4は電極20Lと振動体10のみを図示し、静電型スピーカ1を組み上げた時の導電部23と振動体10の位置及び大きさの関係を示した図であるが、図に示したように導電部23の面積は振動体10の面積より狭く、Z方向から見ると導電部23の全面が振動体10の縁より内側にある。なお、図4においては、電極20Lの導電部23と振動体10と位置と大きさの関係を示しているが、電極20Uと振動体10との間においても電極20Uの導電部23の面積は振動体10の面積より狭く、Z方向から見ると電極20Uの導電部23は全面が振動体10の縁より内側にある。
(静電型スピーカ1の電気的構成)
次に、静電型スピーカ1の電気的構成について説明する。図2に示したように、静電型スピーカ1は変圧器50、外部から音響信号が入力される入力部60、振動体10に対して直流バイアスを与えるバイアス電源70を備えたプッシュプル型の静電型スピーカである。バイアス電源70は、振動体10と変圧器50の出力側の中点と接続されており、電極20Uは変圧器50の出力側の一端に接続され変圧器50の出力側のもう一端には電極20Lが接続されている。また、変圧器50の入力側は入力部60に接続されている。この構成においては、入力部60に音響信号が入力されると入力された音響信号に応じた電圧が電極20に印加される。
(静電型スピーカ1の動作)
次に、静電型スピーカ1の動作について説明する。
入力部60に音響信号が入力されると、入力された音響信号に応じた電圧が変圧器50から電極20Uの導電部23と電極20Lの導電部23に印加される。そして、印加された電圧によって電極20Uの導電部23と電極20Lの導電部23との間に電位差が生じると、電極20Uと電極20Lとの間にある振動体10には、電極20Uと電極20Lのいずれかの側へ引き寄せられるような静電力が働く。
例えば、入力部60に音響信号が入力され、この音響信号が変圧器50に供給されて電極20Uの導電部23にプラスの電圧が印加され、電極20Lの導電部23にマイナスの電圧が印加されると、振動体10にはバイアス電源70によりプラスの電圧が印加されているため、振動体10は、プラスの電圧が印加されている電極20Uの導電部23と反発する一方、マイナスの電圧が印加されている電極20Lの導電部23に吸引され、電極20L側(Z方向と反対方向)へ変位する。
また、入力部60に音響信号が入力され、この音響信号が変圧器50に供給されて電極20Uの導電部23にマイナスの電圧が印加され、電極20Lの導電部23にプラスの電圧が印加されると、振動体10はプラスの電圧が印加されている電極20Lの導電部23と反発する一方、マイナスの電圧が印加されている電極20Uの導電部23に吸引され、電極20U側(Z方向)へ変位する。
このように、振動体10が音響信号に応じて図のZ方向とZ方向の逆方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。発生した音は、少なくとも電極20Uまたは電極20Lの一方を通り抜けて静電型スピーカ1の外部に放射される。
なお、本実施形態においては、図2に示したように、振動体10の縁は、対向した電極20Uの導電部23と電極20Lの導電部23との間の空間より外側に位置し、振動体10の縁から導電部23までのギャップ長d1は、導電部23が絶縁部22の全面に設けられていた場合の振動体10の縁から導電部23までのギャップ長d2と比較して広くなっている。
振動体10の縁部分は針電極と同様であり、縁部分と導電部23との間の関係は針電極−平板の関係となるため、電圧を印加したときに縁部分と導電部23との間において放電が発生するときの電圧(以下、限界電圧という)は、縁部分と導電部23の平面部分とのギャップ長がd2だと、振動体10の平面部分と導電部23の平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなる。
しかしながら、本実施形態においては、振動体10の縁部分と導電部23との間の限界電圧が振動体10の平面部分と導電部23の平面部分との間の限界電圧と同じになるように、振動体10の縁部分から導電部23までのギャップ長d1が設定されており、振動体10の縁部分と導電部23との間で放電が発生しないようになっている。
このため、本実施形態においては高い電圧を導電部23に印加して振動体10に作用する静電力を大きくし、これにより振動体10の変位量も大きくして大きな音圧を得ることができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図5は本実施形態に係る静電型スピーカ1Aの分解斜視図、図6は静電型スピーカ1Aの断面と電気的構成を模式的に示した図である。本実施形態に係る静電型スピーカ1Aは、振動体10、電極20UA,20LA、スペーサ30U,30L、およびクッション材40U,40Lを有している。静電型スピーカ1Aは、外観は第1実施形態の静電型スピーカ1と同じであり、各部材についても振動体10、スペーサ30U,30Lおよびクッション材40U,40Lは第1実施形態と同じ構成となっているが、振動体10を振動させるための電極の構成が第1実施形態と異なっている。
電極20UA,20LAは、側面(X方向、Y方向)から見たときに凸形状となるように導電性を有する板状の金属を加工したものであり、図5に示したように矩形で板状の基部24と、Z方向から見て矩形であってX方向(Y方向)から見て凸形の凸部25を有する。また、電極20UA,20LAには、音響透過性を確保するために表面から裏面にかけて基部24と凸部25を貫通する貫通孔21が所定間隔で複数設けられている。
(静電型スピーカ1Aの構造)
次に静電型スピーカ1Aの構造について説明する。
静電型スピーカ1Aにおいては、スペーサ30Uとスペーサ30Lは、スペーサ30Uの下面とスペーサ30Lの上面との間に振動体10の一辺を挟んで互いに固着されている。また、静電型スピーカ1Aにおいては、電極20LAはスペーサ30Lの下面に固着され、電極20UAはスペーサ30Uの上面に固着されている。ここで、電極20LAの凸部25と電極20UAの凸部25は、振動体10の側に向けられている。
そして、静電型スピーカ1Aにおいては、枠形のスペーサ30Lの内側にクッション材40Lが配置されており、クッション材40Lが振動体10と電極20LAの基部24及び凸部25とに接触している。また、枠形のスペーサ30Uの内側にクッション材40Uが配置されており、クッション材40Uが振動体10と電極20UAの基部24及び凸部25とに接触している。
本実施形態においては、振動体10は一辺のみがスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に挟まれ、残りの三辺はスペーサ30Uとスペーサ30Lとの間に挟まれていない状態、即ち、張力を掛けられていない状態で電極20UAと電極20LAの間に位置するが、クッション材40Uとクッション材40Lが振動体10を挟んで支持しているため、振動体10が駆動されない状態においては、振動体10は電極20UAと電極20LAとの間の中間の位置に位置する。
また、図7は電極20LAと振動体10のみを図示し、静電型スピーカ1Aを組み上げた時の電極20LAと振動体10の位置及び大きさの関係を示した図であるが、図に示したように凸部25の面積は振動体10の面積より狭く、Z方向から見ると凸部25の全面が振動体10の縁より内側にある。なお、図7においては、電極20LAの凸部25と振動体10と位置と大きさの関係を示しているが、電極20UAと振動体10との間においても電極20UAの凸部25の面積は振動体10の面積より狭く、Z方向から見ると電極20UAの凸部25は全面が振動体10の縁より内側にある。
(静電型スピーカ1Aの電気的構成)
次に、静電型スピーカ1の電気的構成について説明する。図6に示したように、静電型スピーカ1Aも変圧器50、入力部60、バイアス電源70を備えたプッシュプル型の静電型スピーカである。静電型スピーカ1Aにおいては、電極20UAが変圧器50の出力側の一端に接続されており、電極20LAが変圧器50の出力側のもう一端に接続されている。
(静電型スピーカ1Aの動作)
次に、静電型スピーカ1Aの動作について説明する。
入力部60に音響信号が入力されると、入力された音響信号に応じた電圧が電極20UA,20LAに印加される。そして、印加された電圧によって電極20UAと電極20LAとの間に電位差が生じると、電極20UAと電極20LAとの間にある振動体10には、電極20UAと電極20LAのいずれかの側へ引き寄せられるような静電力が働く。
そして、振動体10が音響信号に応じて図のZ方向とZ方向の逆方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。発生した音は、少なくとも電極20UAまたは電極20LAの一方を通り抜けて静電型スピーカ1の外部に放射される。
なお、本実施形態においては、電極20UAの凸部25と電極20LAの凸部25が対向している部分では、振動体10から電極までのギャップが狭くなっているため、振動体10が静電力に応じて感度よく変位する。
また、本実施形態においては、振動体10の縁部分と凸部25との間の限界電圧が振動体10の平面部分と凸部25の平面部分との間の限界電圧と同じになるように、振動体10の縁部分から凸部25までのギャップ長が設定されており、振動体10の縁部分と凸部25との間で放電が発生しないようになっている。このため、本実施形態においては高い電圧を導電部23に印加して振動体10に作用する静電力を大きくし、これにより振動体10の変位量も大きくして大きな音圧を得ることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
本発明に係る静電型スピーカにおいては、クッション材40は綿に限定されるものではない。力を加えられると変形し、加えられた力が取り除かれると元の形状に戻り、且つ、絶縁性と音響透過性を有しているのであれば他の部材(エステルウールなど)であってもよい。
また、本発明においては、電極20U,20L、電極20UA,20LA、スペーサ30、クッション材40、および振動体10の形状は矩形に限定されるものではなく、多角形、円形、楕円形など、他の形状であってもよい。
上述した第2実施形態においては、凸部25の角部分に丸みを付けるようにしてもよい。
第1実施形態のように絶縁部22の上に導電部23を設ける場合、図8に示した電極20Aのように、帯状に絶縁部22が露出した領域Aを設け、電極20Aをスペーサ30に固着した時に、この領域Aと振動体10の縁とが対向するようにしてもよい。なお、この電極20Aを電極20U,20Lとして使用する場合、対向した電極20U側の領域Aと電極20L側の領域Aとの間の空間内に振動体10の縁が位置するように振動体10を配置する。この構成においても、振動体10の縁から導電部23までのギャップ長は、振動体10の縁が導電部23に対向する場合より広くなるため、振動体10の縁部分で放電が発生しにくくなる。
また、第2実施形態のように導電性を有する金属を加工して電極とする場合、図9に示した電極20Bのように凹部26を設け、電極20Bをスペーサ30に固着した時に、この凹部26と振動体10の縁とが対向するようにしてもよい。なお、この電極20Bを電極20U,20Lとして使用する場合、各電極の凹部26が対向するようにし、対向した電極20U側の凹部26と電極20L側の凹部との間の空間内に振動体10の縁が位置するように振動体10を配置する。この構成においても振動体10の縁から電極までのギャップ長は、振動体10の縁部分が凹部26ではないところに対向する場合より広くなるため、振動体10の縁部分で放電が発生しにくくなる。
なお、本発明に係る電極は、図5に示した凸部25と、図9に示した凹部26の両方を有し、振動体10の縁が凹部26と対向する構成であってもよい。
本発明の一実施形態に係る静電型スピーカ1の外観図である。 静電型スピーカ1の断面と電気的構成の模式図である。 静電型スピーカ1の分解斜視図である。 導電部23と振動体10との位置と大きさの関係を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る静電型スピーカ1Aの分解斜視図である。 静電型スピーカ1Aの断面と電気的構成の模式図である。 電極20LAと振動体10との位置と大きさの関係を示した図である。 本発明の変形例に係る電極20Aの外観図である。 本発明の変形例に係る電極20Bの外観図である。
符号の説明
1,1A・・・静電型スピーカ、10・・・振動体、20A,20B,20U,20L,20UA,20LA・・・電極、21・・・孔、22・・・絶縁部、23・・・導電部、24・・・基部、25・・・凸部、26・・・凹部、30U,30L・・・スペーサ、40U,40L・・・クッション材、50・・・変圧器、60・・・入力部、70・・・バイアス電源

Claims (4)

  1. 絶縁性を有する基材層と、前記基材層の上に設けられた導電性を有する導電層とを備えた第1電極と、
    絶縁性を有する基材層と、前記基材層の上に設けられた導電性を有する導電層とを備え、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、
    導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、
    前記振動体と前記第1電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1弾性部材と、
    前記振動体と前記第2電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2弾性部材と
    を有し、
    前記第1電極の導電層と前記第2電極の導電層は対向し、
    前記振動体の縁は対向した前記第1電極の導電層と前記第2電極の導電層の間の空間外に位置すること
    を特徴とする静電型スピーカ。
  2. 前記各電極においては、前記振動体の縁と対向する領域に前記導電層が設けられていないことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
  3. 第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより厚い凸部とを有する第1電極と、
    第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより厚い凸部とを有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、
    導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、
    前記振動体と前記第1電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1弾性部材と、
    前記振動体と前記第2電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2弾性部材と
    を有し、
    前記第1電極の凸部と前記第2電極の凸部は対向し、
    前記振動体の縁は対向した前記第1電極の凸部と前記第2電極の凸部の間の空間外に位置すること
    を特徴とする静電型スピーカ。
  4. 第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより薄い凹部とを有する第1電極と、
    第1の厚さの基部と、前記第1の厚さより薄い凹部とを有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、
    導電性を有し、前記第1電極と前記第2電極との間において前記第1電極および前記第2電極と離間して配置された振動体と、
    前記振動体と前記第1電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第1弾性部材と、
    前記振動体と前記第2電極との間に位置し、絶縁性、弾性および音響透過性を有する第2弾性部材と
    を有し、
    前記第1電極の凹部と前記第2電極の凹部は対向し、
    前記振動体の縁は対向した前記第1電極の凹部と前記第2電極の凹部の間の空間内に位置すること
    を特徴とする静電型スピーカ。
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