JP2017050709A - 静電型スピーカ - Google Patents

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Mikio Kitano
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Abstract

【課題】孔が設けられた電極を備える静電型スピーカにおいて、放電が発生しにくく大きな音圧が得られるようにする。
【解決手段】静電型スピーカ1においては、振動体10の縁が、対向した電極20Uの導電層22Uと電極20Lの導電層22Lとの間の空間より外側に位置し、振動体10の縁から導電層までのギャップ長を長くでき、振動体10の縁部分と導電層との間の限界電圧が振動体10の平面部分と導電層の平面部分との間の限界電圧とを同じ程度にすることが可能となり、振動体10の縁部分と導電層との間の放電の発生を抑制する。併せて振動体10は、導電層11の両側に絶縁層12が設けられた構造になっているため、振動体の導電層と電極の導電層との間の放電の発生を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、静電型スピーカに関する。
静電型スピーカは、対向するように離間配置された2枚の電極と、この2枚の電極の間に挿入された導電性の振動体とを備えている。振動体に所定のバイアス電圧を印加した状態で電極に対する印加電圧を変化させると、振動体に作用する静電力が変化し、これにより振動体が変位する。この印加電圧を音響信号に応じて変化させると振動体が変位を繰り返し(すなわち振動し)、音響信号に応じた音響波が振動体から発生する。発生した音響波は電極に空けられた孔を通り抜けて外部へ放射される。
静電型スピーカの振動体は、その厚さが数μmから数十μmと非常に薄く、導電性を有する金属の薄膜層がその全面に形成されているため、その縁部分が鋭くなっていて針電極と同様になっている。このような振動体を2枚の電極間に配置すると、縁部分で強い電場が発生し、電極の面同士が対向している部分と比較して放電が起こりやすくなる。静電型スピーカにおいては、振動体を振動させるために電極に高電圧をかける必要があるが、このように放電が起こりやすい状態では、電極に高電圧をかけることが難しくなる。そして、電極に高電圧をかけられないと、振動体に作用する静電力が弱くなるため、振動体の変位量も小さくなり大きな音圧を得られなくなる。
そこで、特許文献1には、電極を振動体よりも小さくして上記のような放電の問題を解決するための仕組みが開示されている。
特開2010−16603号公報
ところで、前述したように電極には孔が開いているから、振動体の縁部分や振動体の導電層と電極との間で、この孔を経由した放電現象が起こる可能性がある。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、孔が設けられた電極を備える静電型スピーカにおいて、放電が発生しにくく大きな音圧が得られるようにすることを目的とする。
上述した課題を解決するために本発明は、 絶縁性の基材層と、当該基材層の一方の面に設けられた第1導電層と、当該基材層及び当該第1導電層を貫通する孔とを有する第1電極と、 絶縁性の基材層と、当該基材層の一方の面に設けられた第2導電層と、当該基材層及び当該第2導電層を貫通する孔とを有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれと離間配置された振動体であって、導電層と、当該導電層の両側に設けられた絶縁層とを有する振動体とを備え、前記振動体の縁は、対向する前記第1電極の第1導電層及び前記第2電極の第2導電層の間の空間外に位置することを特徴とする静電型スピーカを提供する。
前記振動体において、対向する前記第1電極の導電層及び前記第2電極の導電層の間の空間外に位置する領域には、前記絶縁層と前記導電層とが接着されていない部分が含まれていてもよい。
前記第1電極の第1導電層が、当該記第1電極の基材層よりも前記振動体に近い側に設けられており、
前記第2電極の第2導電層が、当該第2電極の基材層よりも前記振動体に近い側に設けられていてもよい。
前記第1電極の第1導電層が、当該記第1電極の基材層よりも前記振動体から遠い側に設けられており、前記第2電極の第2導電層が、当該第2電極の基材層よりも前記振動体から遠い側に設けられていてもよい。
前記第1電極又は前記第2電極のうち一方の電極が有する前記第1導電層又は前記第2導電層が、当該一方の電極が有する基材層よりも、前記振動体に近い側に設けられており、前記第1電極又は前記第2電極のうち他方の電極が有する前記第1導電層又は前記第2導電層が、当該他方の電極が有する基材層よりも、前記振動体に遠い側に設けられていてもよい。
本発明によれば、孔が設けられた電極を備える静電型スピーカにおいて、放電が発生しにくくなり、大きな音圧が得られる。
本発明の一実施形態に係る静電型スピーカの外観図である。 実施形態に係る静電型スピーカの分解斜視図である。 実施形態に係る静電型スピーカの断面と電気的構成の模式図である。 実施形態に係る静電型スピーカの平面図である。 比較例としての静電スピーカの断面図である。 実施形態及び変形例に係る静電スピーカの断面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る静電型スピーカ1の外観を模式的に示した図、図2は静電型スピーカ1の分解斜視図、図3は静電型スピーカ1の平面図、図4は静電型スピーカ1の断面及び電気的構成を模式的に示した図である。 静電型スピーカ1は、図1,2に示すように、振動体10、電極20U,20L及び弾性部材30U,30Lを有しており、これらがZ軸方向に積層された構造となっている。本実施形態においては、電極20U,20Lの構成は同じであり、また弾性部材30U,30Lの構成も同じであるため、各部材において両者を区別する必要が特に無い場合は「U」及び「L」の記載を省略する。また、電極20Uの構成要素の符号には「U」を付し、電極20Lの構成要素の符号には「L」を付す。また、図中の各構成要素の寸法は、構成要素の形状を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは図面の裏から表に向かう矢印を意味するものとする。
(静電型スピーカ1の各部の構成)
まず、静電型スピーカ1を構成する各部について説明する。図3に示すように、振動体10は、導電層11の両側に絶縁層12が設けられた平面状の部材であり、Z軸と平行な方向で見たときに矩形の形状となっている。導電層11は、例えば金属などの導電性を有する物質を含む層である。絶縁層12は、絶縁性を有する物質を含む層であり、例えばPET(polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)又はPP(polypropylene、ポリプロピレン)などの合成樹脂のフィルムである。
弾性部材30は、例えば不織布であって、電気を通さず空気及び音の通過が可能な平面状の部材であり、Z軸と平行な方向で見たときに矩形の形状となっている。弾性部材30は、さらに弾性を有しており、外部から力を加えられると変形し、外部から加えられた力が取り除かれると元の形状に戻る。つまり弾性部材30は、絶縁性があり、音が透過し、さらに弾性がある部材であればよく、例えば中綿に熱を加えて圧縮したもの、織られた布、絶縁性を有する合成樹脂を海綿状にしたものなどであってもよい。
電極20は、例えばPET又はPPなどの絶縁性を有する物質を含む材料を矩形の板状に加工した基材層21と、金属などの導電性を有する物質によって基材層21の一方の面に形成された矩形の導電層22とで構成されている。図3に示すように、電極20Uの導電層22Uは基材層21Uから見て弾性部材30の反対側にあり、電極20Lの導電層22Lは基材層21Lから見て弾性部材30の反対側にある。この電極20には、音響透過性を確保するために、電極20の表面から裏面にかけて基材層21及び導電層22を貫通する複数の貫通孔23が所定間隔でマトリクス状に設けられている(図1,2,4では貫通孔23の図示を省略)。なお、基材層21は絶縁性を有していればよく、例えば紙にエポキシ樹脂を含浸させたものや、ガラス繊維を重ねてエポキシ樹脂を含浸させたものなどであってもよい。
図1〜4に示すように、弾性部材30のX軸方向の長さは電極20U及び電極20LのX軸方向の長さとほぼ同じであるが、振動体10のX軸方向の長さよりも小さい。また、弾性部材30のY軸方向の長さは電極20U及び電極20LのY軸方向の長さとほぼ同じであるが、振動体10のY軸方向の長さよりも小さい。つまり、電極20Uと振動体10との間においても、電極20Uの導電層22Uの面積(XY平面に平行な領域の面積)は振動体10の面積(XY平面に平行な領域の面積)より狭く、Z軸と平行な方向で見ると電極20Uの導電層22Uの全面が振動体10の縁より内側にある。同様に、電極20Lと振動体10との間においては、電極20Lの導電層22Lの面積(XY平面に平行な領域の面積)は振動体10の面積(XY平面に平行な領域の面積)より狭く、Z軸と平行な方向で見ると導電層22Lの全面が振動体10の縁より内側にある。
(静電型スピーカ1の電気的構成)
次に、静電型スピーカ1の電気的構成について説明する。図3に示すように、静電型スピーカ1は、変圧器50と、外部から音響信号が入力される入力部60と、振動体10に対して直流バイアスを与えるバイアス電源70とを備えたプッシュプル型の静電型スピーカである。バイアス電源70は、振動体10と変圧器50の出力側の中点と接続されている。電極20Uは変圧器50の出力側の一端に接続され、電極20Lは変圧器50の出力側のもう一端に接続されている。変圧器50の入力側は入力部60に接続されている。入力部60に音響信号が入力されると入力された音響信号に応じた電圧が電極20に印加される。
(静電型スピーカ1の動作)
次に、静電型スピーカ1の動作について説明する。
入力部60に音響信号が入力されると、入力された音響信号に応じた電圧が変圧器50から電極20Uの導電層22Uと電極20Lの導電層22Lとに印加される。電極20Uの導電層22Uと電極20Lの導電層22Lとの間に電位差が生じると、電極20Uと電極20Lとの間にある振動体10に対して、電極20Uと電極20Lのいずれかの側へ引き寄せられるような静電力が働く。
例えば、入力部60に音響信号が入力されてこの音響信号が変圧器50に供給され、電極20Uの導電層22Uにプラスの電圧が印加され、電極20Lの導電層22Lにマイナスの電圧が印加された場合、振動体10にはバイアス電源70によりプラスの電圧が印加されているため、振動体10は、プラスの電圧が印加されている電極20Uの導電層22Uと反発する一方、マイナスの電圧が印加されている電極20Lの導電層22Lに引き寄せられ、電極20L側(Z軸負方向)へ変位する。
また、入力部60に音響信号が入力されてこの音響信号が変圧器50に供給され、電極20Uの導電層22Uにマイナスの電圧が印加され、電極20Lの導電層22Lにプラスの電圧が印加された場合、振動体10はプラスの電圧が印加されている電極20Lの導電層22Lと反発する一方、マイナスの電圧が印加されている電極20Uの導電層22Uに引き寄せられ、電極20U側(Z軸正方向)へ変位する。
このように、振動体10が音響信号に応じてZ軸正方向又は負方向に変位し(撓み)、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音が振動体10から発生する。発生した音は、電極20Uの貫通孔23Uを通り抜けて静電型スピーカ1の外部に放射されるとともに、電極20Lの貫通孔23Lを通り抜けて静電型スピーカ1の外部に放射される。
(静電型スピーカ1の製造方法)
振動体10を製造する際には、まず、絶縁性及び柔軟性を有するPET又はPPなどの合成樹脂のフィルム(絶縁層12)を基材とし、そのフィルムの一方の面に、導電性のある金属を蒸着或いは導電性塗料を塗布して導電層11を形成する。そして、そのフィルムの他方の面に、絶縁性及び柔軟性を有するPET又はPPなどの合成樹脂のフィルムを接着剤で接着し、これを絶縁層12とする。また、例えば絶縁性及び柔軟性を有する合成樹脂のフィルム(絶縁層12)を基材とし、フィルムの一方の面に導電性のある金属を蒸着或いは導電性塗料を塗布して導電層11を形成したシートにおいて、導電層11に接着剤を塗布し、導電層11が内側になるように二つ折りして、対向する導電層11同士を互いに接着する。これによっても、導電層11の両側に絶縁層12が設けられた振動体10が製造可能である。
ただし、振動体10において、対向する電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lの間の空間外に位置する領域には、導電層11と、2つの絶縁層12のうち少なくとも一方の絶縁層12とが接着されていない部分が含まれる。例えば図4において、電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lの間の空間外に位置する、振動体10の領域のうちの部分A1(図の斜線部分、つまりZ軸と平行な方向から見て振動体10が電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lと重ならない領域のうちの一部)においては、接着剤が塗布されておらず、導電層11と少なくとも一方の絶縁層12とが接着されていない。この部分A1は、後述するように導線を振動体10に接続しやすくするために非接着状態とされている。なお、振動体10において、電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lの間の空間外に位置する領域のうち、どの部分を非接着とするかは任意である。例えば図4では、矩形である振動体10の一辺に相当する部分を非接着部分としていたが、二辺以上に相当する部分を非接着部分としてもよいし、一辺に相当する部分のうち、さらにその一部分のみを非接着部分としてもよい。
電極20を製造する際には、PET又はPPなどの絶縁性を有する材料を矩形の板状に加工した基材層21に対し、エッチングなどの方法で、基材層21の一方の表面に金属などの導電性を有する物質で導電層22を形成する。そして、これら基材層21及び導電層22を貫通する孔23を設ける。そして、電極20Lの導電層22Lに対して例えば両面テープなどの接着手段により弾性部材30Lを接着する。同様に、電極20Uの導電層22Uに対して例えば両面テープなどの接着手段により弾性部材30Uを接着する。このとき、電極20Lの導電層22L及び電極20Uの導電層22Uのそれぞれの全面に対して弾性部材30L,30Uが接着されていることが望ましい。このように電極20及び弾性部材30の接着面をできる限り広くして、両者が一体となったときの剛性を高くすることで、振動体10がより自由に振動しやすくなる。
そして、Z軸に平行な方向で見たとき図4に示すような位置関係になるようにして、弾性部材30Uと振動体10とが配置される。振動体10の各絶縁層12においては、X軸の正負方向の各縁とY軸の正負方向の各縁から内側へ所定距離離れた数ミリ幅の領域に接着剤が塗布されており、弾性部材30Uと弾性部材30Lとに接着されている。振動体10の各絶縁層12において、接着剤が塗布された部分より内側は、弾性部材30Uと弾性部材30Lに固着されていない状態となっている。
これにより、図1〜3に示したように、静電型スピーカ1の各部材が積層され、弾性部材30Uが振動体10と電極20Uとにそれぞれ接触し、弾性部材30Lが振動体10と電極20Lとにそれぞれ接触した状態となる。弾性部材30Uと弾性部材30Lとが振動体10を挟んで支持しているため、振動体10が駆動されない状態においては、振動体10は電極20Uと電極20Lとの間の中間の位置に配置される。
次に、配線を行う。振動体10の導電層11のうち、前述したように絶縁層12に接着されていない部分に導線を電気的に接続する。このとき仮に、導電層11の全面と絶縁層12の全面とが接着されているとすると、その接着状態を一部解く必要があるため、手間がかかる。また、導電層11と絶縁層12との非接着部分が、振動体10において電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lの間の空間内に位置する領域に含まれる場合には、一定の固さを有する電極20U及び電極20Lを互いに離れるようにそれぞれ反らした状態にして導電層11を露出させるなどの作業が必要となり、これも手間がかかってしまう。これに対して、本実施形態では、電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lの間の空間外において、非接着部分の絶縁層12をめくるだけで導電層11が露出するので、導線の接続が容易である。
さらに、電極20Uの導電層22U及び電極20Lの導電層22Lに対しても、それぞれ導線を電気的に接続する。そして、振動体10の導電層11に接続された導線を、変圧器50の中点に連結されたバイアス電源70のバイアス出力端子に接続し、電極20Uの導電層22Uに接続された導線を変圧器50の出力側の一方の端子に接続し、さらに、電極20Lの導電層22Lに接続された導線を変圧器50の出力側のもう一方の端子に接続する。これにより、音響信号に対応した信号を電極20Uの導電層22Uと電極20Lの導電層22Lに印加して振動体10を振動させることができる。
(静電型スピーカ1による効果)
本実施形態に係る静電型スピーカ1の効果について、比較例を用いて説明する。図5(a)に示す比較例としての静電型スピーカにおいては、振動体100の導電層110の一方の面にのみ絶縁層120が設けられている。また、振動体100のX軸方向の長さと電極200U及び電極200LのX軸方向の長さとがほぼ同じであり、振動体100のY軸方向の長さと電極200U及び電極200LのY軸方向の長さとがほぼ同じである。振動体100の縁部分は針電極と同様であり、その縁部分と電極200の導電層202との間の関係は針電極−平板の関係となるため、縁部分と導電層202の平面部分とのギャップ長(図中矢印)が短い場合には、電圧を印加したときに縁部分と導電層202との間において放電が発生するときの電圧(以下、限界電圧という)が、振動体100の平面部分と導電層202の平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなることがある。また、前述したように振動体100の導電層110の一方の面にしか絶縁層120が設けられていないことに加え、電極200U,200Lには複数の貫通孔が設けられている。従って、振動体100の導電層110と電極200Lの導電層202Lとのギャップ長(図中矢印)が短い場合には、電圧を印加したときに振動体100の導電層110と、導電層110に近いほうの電極200Lの導電層202Lとの間において放電が発生するときの限界電圧は、振動体100の平面部分と導電層202の平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなることがある。従って、この構造では、予期せぬ放電の可能性がある。
このような問題に対し、図5(b),(c)に示すように、振動体100のX軸方向の長さと電極200U及び電極200LのX軸方向の長さとを異ならせるとともに、振動体100のY軸方向の長さと電極200U及び電極200LのY軸方向の長さとを異ならせるという対策が考えられる。図5(b)の場合、振動体100のX軸方向の長さが電極200U及び電極200LのX軸方向の長さよりも短く、振動体100のY軸方向の長さが電極200U及び電極200LのY軸方向の長さよりも短い。しかし、このような構造であっても、縁部分と導電層202とのギャップ長が短い場合には、電圧を印加したときに振動体100の縁部分と導電層202との間において放電が発生するときの限界電圧は、振動体100の平面部分と導電層202U,202Lの平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなることがある。また、前述したように振動体100において導電層110の一方の面にしか絶縁層120が設けられていないことに加え、電極200U,200Lには複数の貫通孔が設けられているため、振動体100の導電層110と電極200Lの導電層202Lとのギャップ長(図中矢印)が短い場合には、電圧を印加したときに振動体100の導電層110と、導電層110に近いほうの電極200Lの導電層202Lとの間において放電が発生するときの限界電圧が、振動体100の平面部分と導電層202の平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなることがある。従って、この構造であっても予期せぬ放電の可能性がある。
また、図5(c)の場合、振動体100のX軸方向の長さが電極200U及び電極200LのX軸方向の長さよりも長く、振動体100のY軸方向の長さが電極200U及び電極200LのY軸方向の長さよりも長い。しかし、このような構造であっても、前述したように振動体100の導電層110の一方の面にしか絶縁層120が設けられていないことに加え、電極200U,200Lには複数の貫通孔が設けられているため、振動体100の導電層110と電極200Lの導電層202Lとのギャップ長(図中矢印)が短い場合には、電圧を印加したときに振動体100の導電層110と、導電層110に近いほうの電極200Lの導電層202Lとの間において放電が発生するときの限界電圧が、振動体100の平面部分と導電層202の平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなることがある。従って、予期せぬ放電の可能性がある。
また、図5(a)の問題に対処するための別の方法として、図5(d)に示すように、振動体100を、導電層110の両側に絶縁層120が設けられた構造にすることが考えられる。しかしこの構造であっても、既述のように、縁部分と導電層202とのギャップ長が短い場合には、電圧を印加したときに振動体100の縁部分と導電層202との間において放電が発生するときの限界電圧が、振動体100の平面部分と導電層202U,202Lの平面部分との間(平板−平板の関係)で放電が発生するときの限界電圧より低くなることがある。従って、この構造であっても予期せぬ放電の可能性がある。
これに対し、本実施形態に係る静電型スピーカ1においては、振動体10の縁が、対向した電極20Uの導電層22と電極20Lの導電層22との間の空間より外側に位置し、振動体10の縁から導電層22までのギャップ長を図5(a),(d)に比して長くすることができる。このため、振動体10の縁部分と導電層22との間の限界電圧が振動体10の平面部分と導電層22の平面部分との間の限界電圧と同じ程度にすることが可能となり、これにより、振動体10の縁部分と導電層22との間の放電の発生を抑制することができる。併せて、本実施形態に係る静電型スピーカ1においては、振動体10は、導電層11の両側に絶縁層12が設けられた構造になっているため、図5(a),(b),(c)で説明したような振動体の導電層と電極の導電層との間の放電の発生を抑制することができる。 これにより、高い電圧を導電層22に印加して振動体10に作用する静電力を大きくし、振動体10の変位量を大きくして、より大きな音圧を得ることが可能となる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態においては、電極20U及び電極20Lは、絶縁性を有する基材層21を導電層22よりも振動体10に近い側に配置した構造であったが、電極20U及び電極20Lのうち少なくともいずれか一方の電極については、導電層22を基材層21よりも振動体10に近い側に配置した構造であってもよい。これにより、以下に述べるように、低域の拡大や音圧の増加などの音響調整が可能となる。
まず、図6(a)は、図3と同じ構成を示したものである。図において、絶縁層12の弾性部材30U側の表面と、電極20Uの基材層21Uの弾性部材30U側の表面との間の距離を、GAP(SWING)とする。GAP(SWING)は、振動体10の振幅の物理的な限界を定める値である。また、導電層11の弾性部材30U側の表面と、電極20Uの導電層22Uの弾性部材30U側の表面との間の距離を、GAP(E)とする。GAP(E)は、導電層11と導電層22Uとの電気的なギャップを意味する。
ここで、図6(b)に示すように、図6(a)とGAP(E)を同じにしたまま、各電極20において導電層22を基材層21よりも振動体10に近い側に配置する。これにより、振動体10の振幅の物理的な限界を定める値でGAP(SWING)_WIDEはGAP(SWING)よりも大きくなる。この場合、GAP(E)が変わらないので、図5(a)における振動体10を振動させるための駆動強度が変わらないまま、振動体10の振幅大きくすることができるので、全音域中の或る閾値以下の低域が拡大する。
また、図6(c)に示すように、図6(a)とGAP(SWING)を同じにしたまま、各電極20において導電層22を基材層21よりも振動体10に近い側に配置する。この場合、GAP(E)_NARROWは、GAP(E)よりも小さくなるから、導電層11及び導電層22U間の静電容量が大きくなる。これにより、振動体10による放音音圧が増加する。
なお、図6(b),(c)の例示に限らず、第1電極又は第2電極のうち一方の電極が有する第1導電層又は第2導電層が、当該一方の電極が有する基材層よりも、振動体に近い側に設けられており、第1電極又は第2電極のうち他方の電極が有する第1導電層又は第2導電層が、当該他方の電極が有する基材層よりも、振動体に遠い側に設けられていてもよい。
(変形例2)
弾性部材30のX軸方向の長さは電極20のX軸方向の長さと異なっていてもよいし、弾性部材30のY軸方向の長さは電極20のY軸方向の長さと異なっていてもよい。例えば弾性部材30のX軸方向の長さが振動体10のX軸方向の長さと同じであってもよいし、弾性部材30のY軸方向の長さが振動体10のY軸方向の長さと同じであってもよい。
振動体10、電極20及び弾性部材3の形状はそれぞれ矩形に限定されるものではなく、例えば多角形、円形、楕円形など、他の形状であってもよい。
静電型スピーカ1において、接着手段は、接着剤や両面テープに限らない。また、静電型スピーカ1において、積層構造における隣合う部材同士を接着しない構成であってもよい。
1・・・静電型スピーカ1・・・振動体、20U,20L・・・電極、21・・・基材層、22・・・導電層、23・・・貫通孔、30U,30L・・・弾性部材、50・・・変圧器、60・・・入力部、70・・・バイアス電源。

Claims (5)

  1. 絶縁性の基材層と、当該基材層の一方の面に設けられた第1導電層と、当該基材層及び当該第1導電層を貫通する孔とを有する第1電極と、
    絶縁性の基材層と、当該基材層の一方の面に設けられた第2導電層と、当該基材層及び当該第2導電層を貫通する孔とを有し、前記第1電極に対向して離間配置された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間において、前記第1電極及び前記第2電極のそれぞれと離間配置された振動体であって、導電層と、当該導電層の両側に設けられた絶縁層とを有する振動体と
    を備え、
    前記振動体の縁は、対向する前記第1電極の第1導電層及び前記第2電極の第2導電層の間の空間外に位置すること
    を特徴とする静電型スピーカ。
  2. 前記振動体において、対向する前記第1電極の導電層及び前記第2電極の導電層の間の空間外に位置する領域には、前記絶縁層と前記導電層とが接着されていない部分が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
  3. 前記第1電極の第1導電層が、当該記第1電極の基材層よりも前記振動体に近い側に設けられており、
    前記第2電極の第2導電層が、当該第2電極の基材層よりも前記振動体に近い側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
  4. 前記第1電極の第1導電層が、当該記第1電極の基材層よりも前記振動体から遠い側に設けられており、
    前記第2電極の第2導電層が、当該第2電極の基材層よりも前記振動体から遠い側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
  5. 前記第1電極又は前記第2電極のうち一方の電極が有する前記第1導電層又は前記第2導電層が、当該一方の電極が有する基材層よりも、前記振動体に近い側に設けられており、
    前記第1電極又は前記第2電極のうち他方の電極が有する前記第1導電層又は前記第2導電層が、当該他方の電極が有する基材層よりも、前記振動体に遠い側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電型スピーカ。
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