JP2010020061A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定化制御において形成される検出用トナーパターンの数を低減でき、それによって、装置の小型化及び低コスト化を十分に図ることができる、画像形成装置を、提供すること。
【解決手段】2回目以降の安定化制御において作動して、付着量制御手段、レーザー光量制御手段、及び階調補正制御手段という、3つの制御手段の内から、実行する制御手段と、前回の安定化制御の結果をそのまま更新することによって実行を省略する制御手段と、を選定し、選定結果に基づいて3つの上記制御手段を制御する、選定制御手段を、画像安定化制御手段に、設けたことを特徴とする。
【選択図】図23

Description

本発明は、画像安定化制御手段を備えた画像形成装置に関するものである。
画像形成装置において、像担持体上に形成されるトナーパターンの、トナー付着量・ライン幅・階調特性は、同一の現像条件・露光条件の下であっても、環境・耐久等の外乱によって変化する。そのため、画像形成装置は、画像安定化制御手段を備えている。画像安定化制御手段は、例えば、電源投入時、スリープ復帰時、又は所定の印刷枚数に達した時に、作動する。更に、画像形成装置は、像担持体上に形成された検出用トナーパターンのトナー付着量を検出する、トナー付着量検出手段も、備えている。
画像安定化制御手段は、形成される画像の画質を安定化させるための安定化制御を行うように、構成されており、具体的には、付着量制御を行う付着量制御手段と、レーザー光量制御を行うレーザー光量制御手段と、階調補正制御を行う階調補正制御手段と、を備えている。
そして、付着量制御手段、レーザー光量制御手段、及び階調補正制御手段は、いずれも、像担持体上に検出用トナーパターンを形成し、そのパターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、所定の制御を行うようになっている。そして、検出用トナーパターンは、検出が終わると、廃トナーとして、廃トナーボックスに捨てられる。
ところで、近年、画像形成装置においては、ユーザーから、装置の小型化及び低コスト化が要求されている。装置の小型化の方策としては、廃トナーボックスの容量を小さくすることが提案されている。また、低コスト化の方策としては、トナー消費量を少なくすることが提案されている。
しかるに、従来の画像形成装置では、画像安定化制御手段が作動すると、3つの上記制御手段の全てが実行されていた。このため、検出用トナーパターンが、3つの上記制御手段の全てによって形成され、その後、廃トナーとして、廃トナーボックスに捨てられていた。
特開2006−163286号公報 特開2006−201613号公報 特開2004−69803号公報 特開平7−104535号公報
従来の画像形成装置では、3つの上記制御手段の全てによって、検出用トナーパターンが形成されるため、トナーはその分だけ確実に消費され、廃トナーもその分だけ確実に発生していた。したがって、従来の画像形成装置では、装置の小型化及び低コスト化を図るのに限界がある、という問題があった。
本発明の目的は、安定化制御において形成される検出用トナーパターンの数を低減でき、それによって、装置の小型化及び低コスト化を十分に図ることができる、画像形成装置を、提供することである。
本発明者は、安定化制御を行うたびに3つの上記制御手段の全てを実行することに、疑問を抱いた。
例えば、前回の安定化制御の時から現像特性が大きく変わっていない場合には、今回の安定化制御において付着量制御を行っても、前回の付着量制御による制御結果と変わらない現像条件が設定されることとなる。このような場合には、前回の付着量制御による制御結果をそのまま更新すればよく、今回の付着量制御を行うことは無意味となる。すなわち、このような場合に今回の付着量制御を行うと、無駄な検出用トナーパターンが形成され、トナー消費量が増大し、その結果、廃トナー量が増大する。また、今回の付着量制御に要する時間が、無駄となる。
レーザー光量制御に関しても、前回のレーザー光量制御による制御結果をそのまま更新してもよい場合があり、そのような場合には、今回のレーザー光量制御を行うことは無意味となる。また、階調補正制御に関しても、前回の階調補正制御による制御結果をそのまま更新してもよい場合があり、そのような場合には、今回の階調補正制御を行うことは無意味となる。
そこで、本発明者は、前回の安定化制御による制御結果を利用することによって、今回の安定化制御においては最低限必要な制御のみを行うことを、考えついた。
すなわち、本発明は、
形成される画像の画質を安定化させるための安定化制御を行う、画像安定化制御手段と、
像担持体上に形成された検出用トナーパターンのトナー付着量を検出する、トナー付着量検出手段と、
を備えた、画像形成装置において、
画像安定化制御手段は、付着量制御手段と、レーザー光量制御手段と、階調補正制御手段と、を備えており、
付着量制御手段は、像担持体上に付着量制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、目標付着量を示す第1目標検出値を実現するための現像バイアスを決定するように、構成されており、
レーザー光量制御手段は、像担持体上にレーザー光量制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、目標ライン幅を示す第2目標検出値を実現するためのレーザー光量を決定するように、構成されており、
階調補正制御手段は、像担持体上に階調補正制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、階調特性を線形とするために画像データの入力階調を補正するように、構成されており、
更に、画像安定化制御手段は、2回目以降の安定化制御において作動して、3つの上記制御手段の内から、実行する制御手段と、前回の安定化制御の結果をそのまま更新することによって実行を省略する制御手段と、を選定し、選定結果に基づいて3つの上記制御手段を制御する、選定制御手段を、備えている、
ことを特徴としている。
そして、上記選定制御手段は、
前回の安定化制御によって決定された、現像バイアス及びレーザー光量によって、像担持体上に、付着量制御用の1個の検出用トナーパターン、及び、レーザー光量制御用の1個の検出用トナーパターンを、それぞれ形成し、
付着量制御用の1個の上記パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値を、第1目標検出値と比較して、その差が許容範囲内か否かを求めるとともに、レーザー光量制御用の1個の上記パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値を、第2目標検出値と比較して、その差が許容範囲内か否かを求め、
前者の差が許容範囲内であり且つ後者の差が許容範囲内である場合には、3つの上記制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、
前者の差が許容範囲内であり且つ後者の差が許容範囲外である場合には、レーザー光量制御手段を、実行する制御手段として選定するとともに、他の2つの上記制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、
前者の差が許容範囲外であり且つ後者の差が許容範囲内である場合には、付着量制御手段及びレーザー光量制御手段を、実行する制御手段として選定するとともに、階調補正制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、
前者の差が許容範囲外であり且つ後者の差が許容範囲外である場合には、3つの上記制御手段を、実行する制御手段として選定する、
ように構成されている。
本発明によれば、付着量制御手段、レーザー光量制御手段、及び階調補正制御手段、という3つの制御手段の内の、1つ又は2つ又は全ての実行を、2回目以降の安定化制御の際に、安定化制御の精度を害することなく、省略することが可能である。したがって、次の効果を発揮できる。
(1)形成すべき検出用トナーパターンの数を低減できる。それ故、トナー消費量、ひいては廃トナー量を低減できる。したがって、十分な低コスト化を実現できる。
(2)2回目以降の安定化制御に要する時間を、短縮できる。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面模式図である。この画像形成装置100は、電子写真式装置であり、具体的には、タンデム式のカラーレーザープリンタである。この装置100は、4個の画像形成部1〜4、中間転写ベルト5、及び定着装置6を、備えている。
中間転写ベルト5は、4個のローラ71、72、73、74に掛け渡されており、図において反時計方向(矢印X方向)に回転駆動されるように、設けられており、像担持体として機能する。ローラ71には、2次転写ローラ81が対向して配置されている。ローラ73には、中間転写ベルト5上の残留トナー等を除去するためのクリーナ82が、対向して配置されている。定着装置6は、2次転写ローラ81の上方に配置されている。
ローラ73とローラ71との間には、中間転写ベルト5に沿って且つ矢印X方向に向けて、イエロー画像形成部1、マゼンタ画像形成部2、シアン画像形成部3、及びブラック画像形成部4が、この順に配置されている。
画像形成部1〜4の各々は、ドラム型の感光体11を備えている。感光体11の周囲には、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、1次転写ローラ15、及びクリーナ16が、この順で配置されている。クリーナ16は、感光体11上の残留トナー等を除去する。中間転写ベルト5は、1次転写ローラ15と感光体11との間を通っている。
画像形成部1〜4の各々においては、帯電装置12によって、感光体11の表面が帯電され、露光装置13によって、画像データに基づいた潜像が感光体11の表面に形成され、現像装置14によって、現像バイアスが現像ローラ141に印加されて、感光体11の表面の潜像がトナーによって現像される。
そして、画像形成装置100は、トナー付着量検出手段として機能する光学式トナーセンサ9と、形成される画像の画質を安定化させるための安定化制御を行う、画像安定化制御手段と、を備えている。
光学式トナーセンサ9は、中間転写ベルト5に対向して配置されており、安定化制御時に、中間転写ベルト5上に形成された検出用トナーパターンのトナー付着量を検出する。図2は、光学式トナーセンサ9の出力特性を示しており、(A)はトナー付着量と出力値との関係を示し、(B)は検出用トナーパターンの隠蔽率と出力値との関係を示している。図2からわかるように、光学式トナーセンサ9は、中間転写ベルト5がトナーによって隠蔽されていく状態を検出する。
検出用トナーパターンは、安定化制御が終わると、廃トナーとして、廃トナーボックス83に捨てられる。
なお、本発明の画像形成装置の構成は、本実施形態の上記構成に限定されない。
[画像安定化制御手段]
画像安定化制御手段は、付着量制御を行う付着量制御手段と、レーザー光量制御を行うレーザー光量制御手段と、階調補正制御を行う階調補正制御手段と、を備えている。
更に、本発明では、画像安定化制御手段は、選定制御手段を備えている。
次に、各制御手段について説明する。
(付着量制御手段)
付着量制御手段は、中間転写ベルト5上に付着量制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての光学式トナーセンサ9による検出値に基づいて、目標付着量を示す第1目標検出値を実現するための現像バイアスを決定するように、構成されている。
詳しく説明すると、次のとおりである。
図3において、横軸は、現像ローラ141に印加される現像バイアスを示し、縦軸は、中間転写ベルト5上のトナー付着量を示している。図3における線A1は、現像バイアスとトナー付着量との関係、すなわち現像特性を、示している。
ところで、現像特性は、同一の現像バイアスの下においても、環境・耐久等の外乱によって変化する。図4に示されるように、現像特性A1が現像特性A2のように変化すると、現像バイアスの決定値においては、トナー付着量が多くなり、その結果、出力される画像濃度が高くなる。図5に示されるように、現像特性A1が現像特性A3のように変化すると、現像バイアスの決定値においては、トナー付着量が少なくなり、その結果、出力される画像濃度が低くなる。
出力される画像濃度を安定させるためには、適正なタイミングで付着量制御を行い、それによって、中間転写ベルト5上に常に所定のトナー付着量が存在するように、現像バイアスを決定する必要がある。そのために、付着量制御手段が実行される。
付着量制御手段が実行されると、次のような制御が行われる。
(1)まず、図6に示されるように、例えば4個の検出用トナーパターン9A、9B、9C、9Dが中間転写ベルト5上に形成される。これらの検出用トナーパターン9A、9B、9C、9Dは、各々異なる現像バイアスで形成されたベタパターンである。
(2)次に、図7に示されるように、検出用トナーパターン9A、9B、9C、9Dの各々のトナー付着量が、光学式トナーセンサ9による検出値から求められる。図7において、横軸は現像バイアスを示し、縦軸はトナー付着量を示している。
(3)次に、図8に示されるように、検出用トナーパターン9A、9B、9C、9Dの各々の検出値すなわちトナー付着量に基づいて、直線を引くことによって、現像特性A4が求められる。
(4)そして、目標とする検出値(第1目標検出値)すなわち目標とする所定のトナー付着量(目標付着量)を得るための現像バイアスが、現像特性A4に基づいて決定される。
したがって、図9に示されるように、現像特性A1が現像特性A2のように変化すると、付着量制御によって、現像特性A1の場合よりも低い値の現像バイアスが決定され、また、図10に示されるように、現像特性A1が現像特性A3のように変化すると、付着量制御によって、現像特性A1の場合よりも高い値の現像バイアスが決定される。
以上のように、付着量制御手段が実行されると、中間転写ベルト5上に常に所定のトナー付着量(目標付着量)が存在することとなるので、出力される画像濃度が安定する。
(レーザー光量制御手段)
レーザー光量制御手段は、中間転写ベルト5上にレーザー光量制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての光学式トナーセンサ9による検出値に基づいて、目標ライン幅を示す第2目標検出値を実現するためのレーザー光量を決定するように、構成されている。
詳しく説明すると、次のとおりである。
図11において、横軸は、露光装置13が発光するレーザー光量を示し、縦軸は、ライン幅を示す。図11における線B1は、レーザー光量とライン幅との関係、すなわち光量特性を、示している。
ところで、光量特性は、同一のレーザー光量の下においても、環境・耐久等の外乱によって変化する。図12に示されるように、光量特性B1が光量特性B2のように変化すると、レーザー光量の決定値においては、ライン幅が太くなり、図13に示されるように、光量特性B1が光量特性B3のように変化すると、レーザー光量の決定値においては、ライン幅が細くなる。
出力されるライン幅を安定させるためには、適正なタイミングでレーザー光量制御を行い、それによって、中間転写ベルト5上に常に所定のライン幅が形成されるように、レーザー光量を決定する必要がある。そのために、レーザー光量制御手段が実行される。
レーザー光量制御手段が実行されると、次のような制御が行われる。
(1)まず、図14に示されるように、例えば4個の検出用トナーパターン9E、9F、9G、9Hが中間転写ベルト5上に形成される。これらの検出用トナーパターン9E、9F、9G、9Hは、各々異なるレーザー光量で形成されたラインパターンである。ラインパターンとしては、例えば、図15に示されるような、1オン3オフ等のドットパターンを使用できる。
(2)次に、図16に示されるように、検出用トナーパターン9E、9F、9G、9Hの各々のトナー付着量が、光学式トナーセンサ9によって検出される。図15において、横軸はレーザー光量を示し、縦軸は光学式トナーセンサ9による検出値を示している。
(3)次に、図17に示されるように、検出用トナーパターン9E、9F、9G、9Hの各々の検出値に基づいて、直線を引くことによって、光量特性B4が求められる。
(4)そして、目標とする検出値(第2目標検出値)すなわち目標とする所定のライン幅(目標ライン幅)を得るためのレーザー光量が、光量特性B4に基づいて決定される。
以上のように、レーザー光量制御手段が実行されると、中間転写ベルト5上に出力されるライン幅が、目標ライン幅となり、安定する。
(階調補正制御手段)
階調補正制御手段は、中間転写ベルト5上に階調補正制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての光学式トナーセンサ9による検出値に基づいて、階調特性を線形とするために画像データの入力階調を補正するように、構成されている。
出力される階調特性、すなわち画像データの入力階調と反射濃度との関係、を安定させるためには、適正なタイミングで階調補正制御を行い、それによって、中間転写ベルト5上に全階調において常に所定の反射濃度が得られるように、画像データの入力階調を補正する必要がある。そのために、階調補正制御手段が実行される。
詳しく説明すると、次のとおりである。
階調補正制御手段が実行されると、次のような制御が行われる。
(1)まず、図18に示されるように、例えば7個の検出用トナーパターン9J、9K、9L、9M、9N、9P、9Qが中間転写ベルト5上に形成される。これらの検出用トナーパターン9J、9K、9L、9M、9N、9P、9Qは、各々異なる階調で形成されたディザパターンである。
(2)次に、図19に示されるように、検出用トナーパターン9J、9K、9L、9M、9N、9P、9Qの各々のトナー付着量が、光学式トナーセンサ9によって検出される。図19において、横軸は画像データの入力階調を示し、縦軸は光学式トナーセンサ9による検出値を示している。
(3)次に、図20に示されるように、光学式トナーセンサ9による検出値、すなわち光学式トナーセンサ9の実際の出力値が、光学式トナーセンサ9のトナー付着量検出特性と反射濃度との関係に基づいて、反射濃度に換算される。図20において、横軸は画像データの入力階調を示し、縦軸は反射濃度を示している。そして、目標とする線形の階調特性Cが求められる。
(4)そして、図21に示されるように、階調特性Cを階調補正テーブルとして使用して、画像データの入力階調C1が階調C2へ補正される。
以上のように、階調補正制御手段が実行されると、中間転写ベルト5上において、全ての階調において常に所定の反射濃度が得られる。
(選定制御手段)
選定制御手段は、2回目以降の安定化制御において作動して、3つの上記制御手段の内から、実行する制御手段と、前回の安定化制御の結果をそのまま更新することによって実行を省略する制御手段と、を選定し、選定結果に基づいて3つの上記制御手段を制御するよう、構成されている。その詳細は、後述する。
[画像形成装置の作動]
本実施形態の画像形成装置の作動について説明する。図22は、作動のフローチャートを示している。なお、既に1回以上の安定化制御が行われているものとする。
まず、安定化制御を行うタイミングか否かが判断される(ステップ(以下、「S」と記載する)1)。そして、行うタイミングであると判断された場合には、既に1回以上の安定化制御が行われているので、選定制御手段が実行され、以下に示される制御が行われる(S2〜S9)。
(1)まず、前回の安定化制御によって決定された、現像バイアス及びレーザー光量によって、図23に示されるように、中間転写ベルト5上に、付着量制御用の1個の検出用トナーパターン9X、及び、レーザー光量制御用の1個の検出用トナーパターン9Yが、それぞれ形成される(S2)。
(2)次に、上記パターン9X、9Yのトナー付着量が光学式トナーセンサ9により検出される(S3)。
(3)次に、上記パターン9Xについての光学式トナーセンサ9による検出値m0が、第1目標検出値mtと比較されて、差Δmが求められ(S4)、また、上記パターン9Yについての光学式トナーセンサ9による検出値s0が、第2目標検出値stと比較されて、差Δsが求められる(S5)。
(4)次に、Δmが許容範囲(−d〜+d)内か否かが判断される(S6)。そして、Δmが上記許容範囲内であるときは、S7に進み、Δmが上記許容範囲外であるときは、S8へ進む。
(5-1)S7においては、Δsが許容範囲(−e〜+e)内か否かが判断される。Δsが上記許容範囲内であるときは、以下に示す場合[1]の制御となる。一方、Δsが上記許容範囲外であるときは、以下に示す場合[2]の制御となる。
(5-2)S8においては、Δsが許容範囲(−e〜+e)内か否かが判断される。Δsが上記許容範囲内であるときは、以下に示す場合[3]の制御となる。一方、Δsが上記許容範囲外であるときは、以下に示す場合[4]の制御となる。
上記S6〜S8は、表1のように示される。
Figure 2010020061
次に、表1に示される場合[1]〜[4]の各々における制御について、説明する。なお、表1において、「○」は実行することを意味し、「−」は前回の制御結果をそのまま更新して実行を省略することを意味する。
(場合[1])
この場合では、Δmが上記許容範囲内であり且つΔsが上記許容範囲内である。
この場合においては、付着量制御手段、レーザー光量制御手段、及び階調補正制御手段を実行しても、前回の付着量制御及びレーザー光量制御による制御結果に近い決定値が算出されるとともに、前回の階調補正制御による制御結果に近い階調補正が行われるだけである。それ故、これら3つの制御手段を今回実行することは、検出用トナーパターンを無駄にすることとなる。したがって、これら3つの制御手段は今回実行せず、前回のこれら3つの制御手段による制御結果をそのまま更新するのが、好ましい。
すなわち、この場合では、3つの上記制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、3つの上記制御手段による制御に関しては、前回の制御結果をそのまま更新する。
(場合[2])
この場合では、Δmが上記許容範囲内であり且つΔsが上記許容範囲外である。
この場合においては、パターン9Xの検出値が上記許容範囲内であるので、前回の付着量制御で決定された現像バイアスをそのまま更新しても所定のトナー付着量を得ることができる。それ故、今回の付着量制御手段の実行を省略できる。また、前回の付着量制御以降における現像特性には変化がないので、今回のレーザー光量制御を行えば、ライン幅を所定の値に調整できるとともに、ドット再現の変動も概ね抑制でき、それ故、今回の階調補正制御手段の実行も省略できる。
すなわち、この場合では、レーザー光量制御手段を、実行する制御手段として選定するとともに、他の2つの上記制御手段を、実行を省略する制御手段として選定する。
(場合[3])
この場合では、Δmが上記許容範囲外であり且つΔsが上記許容範囲内である。
この場合においては、パターン9Xの検出値が上記許容範囲外であるので、前回の付着量制御以降における現像特性に変化があり、それ故、現像バイアスを設定し直して所定のトナー付着量を得るようにする必要がある。したがって、今回の付着量制御手段を実行する必要がある。また、パターン9Yの検出値に変化はないが、付着量制御を行ったことによってライン幅が変化する可能性があるので、レーザー光量制御を行って所定のライン幅を得るようにする必要がある。したがって、今回のレーザー光量制御手段を実行する必要がある。しかるに、レーザー光量制御を行えば、ドット再現の変動を概ね抑制できるので、今回の階調補正制御手段の実行を省略できる。
すなわち、この場合では、付着量制御手段及びレーザー光量制御手段を、実行する制御手段として選定するとともに、階調補正制御手段を、実行を省略する制御手段として選定する。
(場合[4])
この場合では、Δmが上記許容範囲外であり且つΔsが上記許容範囲外である。
この場合においては、トナー付着量及びライン幅が前回の安定化制御以降において変化しているので、現像特性及び光量特性が変化しており、それ故、ドット再現も変化していると考えられる。したがって、付着量制御手段、レーザー光量制御手段、及び階調補正制御手段の、全てを実行する必要がある。
すなわち、この場合では、3つの上記制御手段を、実行する制御手段として選定する。
[変形構造]
(1)本発明の画像形成装置は、フルカラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ機、又はこれら複合機等に、適用できる。
(2)上記実施形態では、像担持体として中間転写ベルトを用いているが、像担持体としては、感光体ベルト、感光体ドラム、又は中間転写ドラムを、用いてもよい。
本発明の画像形成装置は、安定化制御において形成される検出用トナーパターンの数を低減でき、それによって、装置の小型化及び低コスト化を十分に図ることができるので、産業上の利用価値が大である。
本実施形態の画像形成装置の概略構成を示す断面模式図である。 光学式トナーセンサの出力特性を示す図である。 現像バイアスとトナー付着量との関係(現像特性)を示す図である。 トナー付着量が多くなるよう現像特性が変化する場合を示す図である。 トナー付着量が少なくなるよう現像特性が変化する場合を示す図である。 付着量制御において形成された検出用トナーパターンを示す図である。 付着量制御における現像バイアスとトナー付着量との関係を示す図である。 付着量制御で求められた現像特性を示す図である。 低い値の現像バイアスが決定される場合の、現像特性の変化を示す図である。 高い値の現像バイアスが決定される場合の、現像特性の変化を示す図である。 レーザー光量とライン幅との関係(光量特性)を示す図である。 ライン幅が太くなるよう光量特性が変化する場合を示す図である。 ライン幅が細くなるよう光量特性が変化する場合を示す図である。 レーザー光量制御において形成された検出用トナーパターンを示す図である。 レーザー光量制御において形成されるラインパターンの一例を示す図である。 レーザー光量制御におけるレーザー光量と光学式トナーセンサによる検出値との関係を示す図である。 レーザー光量制御で求められた光量特性を示す図である。 階調補正制御において形成された検出用トナーパターンを示す図である。 階調補正制御における画像データの入力階調と光学式トナーセンサによる検出値との関係を示す図である。 階調補正制御における画像データの入力階調と反射濃度との関係を示す図である。 階調補正制御において階調補正テーブルを使用した補正を示す図である。 本実施形態の画像形成装置の作動を示すフローチャートである。 選定制御手段の実行において形成された検出用トナーパターンを示す図である。
符号の説明
9 光学式トナーセンサ 9A、9B、9C、9D、9X (付着量制御用の)検出用トナーパターン 9E、9F、9G、9H、9Y (レーザー光量制御用の)検出用トナーパターン 9J、9K、9L、9M、9N、9P、9Q (階調補正制御用の)検出用トナーパターン 100 画像形成装置

Claims (5)

  1. 形成される画像の画質を安定化させるための安定化制御を行う、画像安定化制御手段と、
    像担持体上に形成された検出用トナーパターンのトナー付着量を検出する、トナー付着量検出手段と、
    を備えた、画像形成装置において、
    画像安定化制御手段は、付着量制御手段と、レーザー光量制御手段と、階調補正制御手段と、を備えており、
    付着量制御手段は、像担持体上に付着量制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、目標付着量を示す第1目標検出値を実現するための現像バイアスを決定するように、構成されており、
    レーザー光量制御手段は、像担持体上にレーザー光量制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、目標ライン幅を示す第2目標検出値を実現するためのレーザー光量を決定するように、構成されており、
    階調補正制御手段は、像担持体上に階調補正制御用の検出用トナーパターンを形成し、該パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値に基づいて、階調特性を線形とするために画像データの入力階調を補正するように、構成されており、
    更に、画像安定化制御手段は、2回目以降の安定化制御において作動して、3つの上記制御手段の内から、実行する制御手段と、前回の安定化制御の結果をそのまま更新することによって実行を省略する制御手段と、を選定し、選定結果に基づいて3つの上記制御手段を制御する、選定制御手段を、備えている、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 選定制御手段は、
    前回の安定化制御によって決定された、現像バイアス及びレーザー光量によって、像担持体上に、付着量制御用の1個の検出用トナーパターン、及び、レーザー光量制御用の1個の検出用トナーパターンを、それぞれ形成し、
    付着量制御用の1個の上記パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値を、第1目標検出値と比較して、その差が許容範囲内か否かを求めるとともに、レーザー光量制御用の1個の上記パターンについての上記トナー付着量検出手段による検出値を、第2目標検出値と比較して、その差が許容範囲内か否かを求め、
    前者の差が許容範囲内であり且つ後者の差が許容範囲内である場合には、3つの上記制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、
    前者の差が許容範囲内であり且つ後者の差が許容範囲外である場合には、レーザー光量制御手段を、実行する制御手段として選定するとともに、他の2つの上記制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、
    前者の差が許容範囲外であり且つ後者の差が許容範囲内である場合には、付着量制御手段及びレーザー光量制御手段を、実行する制御手段として選定するとともに、階調補正制御手段を、実行を省略する制御手段として選定し、
    前者の差が許容範囲外であり且つ後者の差が許容範囲外である場合には、3つの上記制御手段を、実行する制御手段として選定する、
    ように構成されている、請求項1記載の画像形成装置。
  3. 付着量制御用の検出用トナーパターンが、ベタパターンである、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. レーザー光量制御用の検出用トナーパターンが、ラインパターンである、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 階調補正制御用の検出用トナーパターンが、ディザパターンである、請求項1記載の画像形成装置。
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