JP2010019397A - センサ付き転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサを装備して回転速度を検出する軸受装置において、軸受のサイズに影響を受けない構造を有し、異音も発生させないセンサ付き転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】軸2にリテーナリング10が外嵌され、さらに軸2の大径部2bと小径部2cとの境界の段差面2aにリテーナリング10の突き当て面10bを突き当てることによってリテーナリング10の位置決めがなされる。リテーナリング10は端面10dで内輪3と当接し、端面10dはショットブラストなどで表面改質されて、内輪3との間での異音の発生が抑制される。リテーナリング10に保持部材11が嵌合される。保持部材11はABSセンサ13や軸受内部を軸方向から覆う鍔部11cを有する。鍔部11cの軸受に対向する面にマグネットロータ12が周方向に渡って固定され、ナックル20にはセンサ13が固定されることにより、回転速度が検出される。
【選択図】図1
【解決手段】軸2にリテーナリング10が外嵌され、さらに軸2の大径部2bと小径部2cとの境界の段差面2aにリテーナリング10の突き当て面10bを突き当てることによってリテーナリング10の位置決めがなされる。リテーナリング10は端面10dで内輪3と当接し、端面10dはショットブラストなどで表面改質されて、内輪3との間での異音の発生が抑制される。リテーナリング10に保持部材11が嵌合される。保持部材11はABSセンサ13や軸受内部を軸方向から覆う鍔部11cを有する。鍔部11cの軸受に対向する面にマグネットロータ12が周方向に渡って固定され、ナックル20にはセンサ13が固定されることにより、回転速度が検出される。
【選択図】図1
Description
本発明はセンサ付き転がり軸受装置に関する。
各種装置における回転運動の計測において、軸受装置に計測機構を装備する場合がある。例えば、自動車の車両アクスル駆動輪に対してABS機構を構成するときに、回転速度を検出するABSセンサは軸受装置に固定する場合が多い。その場合、通常軸受非回転輪外径に嵌合したカバー部材にABSセンサを固定し、回転輪に嵌合したマグネットロータの回転による磁束密度の変化により、ABSセンサが回転速度を検出する。
ABSセンサの取り付け方法に関しては、各種提案がなされてきている。例えば下記特許文献1には、ABSセンサの着脱を容易にするとの観点からの取り付け方法が開示されている。特許文献1の取り付け方法では、センサを保持ケース内に保持して、その保持ケースを弾性を利用した抑え部材によって軸受固定輪に嵌合されるカバーに装着している。
ABSセンサを軸受装置に取り付ける際に、従来技術では、環状の部材を内輪に外嵌して、その環状の部材にマグネットロータを取り付ける場合が多い。しかしこうしたマグネットロータの固定方法を用いると、軸受のサイズが異なると環状の部材のサイズも変更しなければならない。したがって同一の回転軸(例えばドライブシャフト)に対してABSセンサを固定する場合にも、軸受を変更すると、それに伴ないマグネットロータを固定するための部材も変更しなければならないとの不具合がある。以上のような不具合は従来文献においては課題として認識されていない。
また例えば車両のドライブシャフトへの軸受装置などにおいては、ドライブシャフトにハブシャフトを外嵌し、さらにハブシャフトに軸受の内輪(回転輪)を外嵌する場合がある。その際にドライブシャフトと内輪とが、ある部位で直接接する場合がある。こうした構造においては、ドライブシャフトと内輪との間で回転にずれが生じ、ドライブシャフトと内輪とが接する部位で異音が発生する場合がある。この問題に対する解決方法も従来技術では提案されていない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、センサを装備して回転速度を検出する軸受装置において、軸受のサイズに影響を受けない構造を有し、異音も発生させないセンサ付き転がり軸受装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明のセンサ付き転がり軸受装置は、軸の周方向に沿って磁界が交互に変化するように取り付けられた磁性体と、その磁性体の回転速度を計測するセンサとを備えたセンサ付き転がり軸受装置であって、前記軸に外嵌した第1環状部材と、その第1環状部材に外嵌した第2環状部材と、を備え、その第2環状部材は、軸受の回転輪と非回転輪との間の空間及び前記センサを軸方向から覆う鍔部を有し、前記磁性体は前記第2環状部材の前記鍔部において軸受に対向する面に固定されたことを特徴とする。
これにより、回転輪を介さず軸に固定された2つの環状部材に磁性体が固定された構造なので、例えばよく用いられる回転輪に嵌合された部材に磁性体が固定された構造と異なり、軸受のサイズに影響を受けることのない構成となる。したがって例えば軸受が変更された場合にも回転速度検出に関する機構を変更しなくともよいセンサ付き軸受装置が実現できる。さらに第2環状部材は、鍔部の軸受に対向する面に磁性体を固定するとともに、鍔部によって外部から軸受内部やセンサに異物や泥水が侵入したり付着したりすることを抑制できる。つまり磁性体の固定と異物侵入抑制とを同時に実現できる。さらに、ドライブシャフトとナックル間の空間かつ車両側(軸受装置よりも車両側)の空間に第2環状部材を嵌合させたため、元々存在する上記空間(隙間)を利用したことになり、軸受装置を構成する部材と第2環状部材を一体化した構造と比較して軸方向に小型化できる。
また前記軸は、径が大きい大径部と、径の小さい小径部と、前記大径部と前記小径部との間に形成された段差面と、を有し、前記第1環状部材は、軸に外嵌する円筒部と、その円筒部の軸受に近い端部から径方向内方に延設されて、前記軸における前記段差面に突き当てられた突き当て面と、その突き当て面の裏面であり、表面改質が施されて前記回転輪に当接された端面と、を備えたとしてもよい。
これにより回転輪と接する第1環状部材の端面は表面改質されているので、回転輪と軸とが接する部位で回転のずれから異音を発生させる不具合を回避することができる。また第1環状部材は、軸の段差面に突き当てられて位置決めをする突き当て面と、その裏面として回転輪に当接する表面改質された端面とを有するので、簡素な形状によって磁性体の位置決めと異音の抑制とが同時に達成できる。
また前記センサが固定された固定部材を備え、前記第2環状部材は、前記鍔部の径方向外方の端部から前記固定部材に沿って形成された延設部を備えたとしてもよい。
これにより固定部材に沿って形成された延設部が、固定部材との間でラビリンスを形成するので、外部から泥水や異物が浸入して軸受内部やセンサを汚損することがさらに抑制できる。
本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施例1に係るセンサ付き転がり軸受装置1(軸受装置)の軸中心線を含む断面図である。
軸受装置1は、自動車車両のドライブシャフト2(軸)を回動可能に支持し、回転輪である内輪3と、非回転輪である外輪4と、内輪3に形成された軌道面と外輪4に形成された軌道面間に挟持された転動体5(玉)とを備える。内輪3は、ハブシャフト7に嵌合し、ハブシャフト7は軸2に固定されて軸2と一体に回転する。ハブシャフト7の内周面7aは軸2の外周面に嵌合(歯車嵌合、スプライン嵌合)されているとすればよい。
外輪4はナックル20に固定され、ナックル20は車両ボディに固定されているとする。図1の図示左方が車両内側、図示右方が車両外側とすればよい。また図1における上方、下方がそれぞれ軸受装置1が自動車に装備された状態での鉛直方向上方、下方に対応するとすればよい。なお軸方向外方とは軸方向でかつ玉5から遠ざかる方向とする。軸方向内方とは軸方向でかつ玉5に近づく方向とする。
内輪3と外輪4の間の空間の図示左側の部分にはシール6が配置されている。これにより軸受装置1の図示左側から軸受装置1内部への異物や泥水の混入が抑制される。ナックル20は内周側の鉛直方向上部の一部が図1のとおりくり貫かれており、このくり貫かれた部分にABSセンサ13(センサ)がナット14によって締結されることによって、センサ13がナックル20に固定されている。
軸2にはリテーナリング10(第1環状部材)が固定されている。リテーナリング10は円筒部10aを備え、円筒部10aが軸2に外嵌されている。リテーナリング10は、円筒部10aの軸方向内方端部から径方向内方に延設されて突き当て面10bが形成されている。軸2には、径(直径)の大きい大径部2bと、径(直径)の小さい小径部2cとがある。大径部2bと小径部2cとの間には段差があり、段差面2aが形成されている。図1のとおり、突き当て面10bが軸2の段差面2aに突き当てられることによって、リテーナリング10の軸方向の位置決めが行える。
リテーナリング10にはマグネットロータ12を保持するための保持部材11(第2環状部材)が保持されている。保持部材11は円筒部11aを有し、この円筒部11aがリテーナリング10に外嵌される。保持部材11は円筒部11aの軸方向外方の端部から径方向内方に延設されて突き当て面11bが形成されている。突き当て面11bが、リテーナリング10の軸方向外方の端面10cに突き当てられることで、保持部材11の軸方向の位置決めが行える。
保持部材11は、円筒部11aの軸方向内方の端部から径方向外方に延設されて鍔部11cが形成されている。鍔部11cの軸方向内方の面にはマグネットロータ12が周方向に渡って取り付けられている。マグネットロータ12のうち鉛直方向上部の部分はセンサ13と対向する。センサ13のうちマグネットロータ12と対向する面13aが磁界の変化を検出するセンシング面であるとする。
軸2の回転にともなって、ハブシャフト7、内輪3、さらにはリテーナリング10、保持部材11が回転することにより、マグネットロータ12が回転する。このマグネットロータ12の回転による磁界の変化をセンサ13がセンシング面13aで検出することにより回転速度を検出する。
リテーナリング10は、突き当て面10bの裏側の面として端面10dを備える。そして内輪3は軸方向外方に端面3bを有する。図1のとおり、リテーナリング10の端面10dと内輪3の端面3bとが接する。端面10dに対して、ショットブラストなどの手法で表面改質を行うとすればよい。ショットブラストとは多数の微小な球を撃ちつけて表面を改質することであり、表面硬化や摩擦係数低減の効果を得る。
上述のとおりハブシャフト7の内周面7aと軸2との間は嵌合(歯車嵌合、スプライン嵌合)されているが、その図示左方の部位では嵌合されておらず、そのため軸2と内輪3との間で回転にずれが生じる場合がある。回転にずれが生じると、それにより、リテーナリング10の端面10dと内輪3の端面3bとの間で異音が生じる可能性がある。上記のような端面10dの表面改質はこうした異音を抑制する効果を有する。なお表面改質でなく、端面10dにグリースや防錆油を塗布しても異音を抑制できる。また端面10dの表面にカチオン塗装を施しても、異音抑制の効果が得られる。
次に実施例2を説明する。実施例2の軸受装置は図2に示されている。実施例1と異なる部分のみを説明する。実施例2での保持部材11は、取り付け部11cの径方向外方の端部から軸方向外方へ延設された筒状の延設部11dを備える。延設部11dはナックル20の内周面との間でラビリンスを形成する。これにより外部から異物や泥水が混入してセンサ13やマグネットロータ12が汚損することが抑制される。また延設部11dによるラビリンスとシール6の存在とが相まって、外部から軸受装置1内部へ異物や泥水が混入することがさらに抑制される。
1 センサ付き転がり軸受装置(軸受装置)
2 軸(ドライブシャフト)
3 内輪
4 外輪
5 転動体(玉)
10 リテーナリング(第1環状部材)
11 保持部材(第2環状部材)
12 マグネットロータ(磁性体)
13 ABSセンサ(センサ)
20 ナックル
2 軸(ドライブシャフト)
3 内輪
4 外輪
5 転動体(玉)
10 リテーナリング(第1環状部材)
11 保持部材(第2環状部材)
12 マグネットロータ(磁性体)
13 ABSセンサ(センサ)
20 ナックル
Claims (3)
- 軸の周方向に沿って磁界が交互に変化するように配置された磁性体と、その磁性体の回転速度を計測するセンサとを備えたセンサ付き転がり軸受装置であって、
前記軸に外嵌した第1環状部材と、
その第1環状部材に外嵌した第2環状部材と、を備え、
その第2環状部材は、軸受の回転輪と非回転輪との間の空間及び前記センサを軸方向から覆う鍔部を有し、
前記磁性体は前記第2環状部材の前記鍔部において軸受に対向する面に固定されたことを特徴とするセンサ付き転がり軸受装置。 - 前記軸は、径が大きい大径部と、径の小さい小径部と、前記大径部と前記小径部との間に形成された段差面と、を有し、
前記第1環状部材は、
軸に外嵌する円筒部と、
その円筒部の軸受に近い端部から径方向内方に延設されて、前記軸における前記段差面に突き当てられた突き当て面と、
その突き当て面の裏面であり、表面改質が施されて前記回転輪に当接された端面と、
を備えた請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受装置。 - 前記センサを固定する固定部材を備え、
前記第2環状部材は、前記鍔部の径方向外方の端部から前記固定部材に沿って形成された延設部を備えた請求項1又は2に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182704A JP2010019397A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | センサ付き転がり軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008182704A JP2010019397A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | センサ付き転がり軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010019397A true JP2010019397A (ja) | 2010-01-28 |
Family
ID=41704504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008182704A Pending JP2010019397A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | センサ付き転がり軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010019397A (ja) |
-
2008
- 2008-07-14 JP JP2008182704A patent/JP2010019397A/ja active Pending
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