上記本発明の構成によると、プーリ内筒状空間をアキシャル方向後端側にてシールするプーリ後端側シール機構が、アキシャル方向後端に向けて延出して補機ハウジングの前端開口内にまで達する中間延出部を有した、アキシャル方向に長い筒形状として形成される。このプーリ後端側シール機構が配置されることにより、プーリ内筒状空間への異物(塵埃や水等)の侵入を防ぐことができる。さらに、これが配置されることにより、補機ハウジングの前端開口内に形成される空間(中間空間)のラジアル方向の幅が狭くなるので、補機内への異物(塵埃や水等)の侵入を抑制することも可能となる。また、本発明において、プーリ内筒状空間は、流動性潤滑剤を保持する流動性潤滑剤保持空間として機能することができる。上記のプーリ後端側シール機構が配置されると、これにより中間空間が空間的に分断され、一方の空間がプーリ内筒状空間と連通するので、流動性潤滑剤保持空間を拡大し、より多くの流動性潤滑剤を確保することも可能となる。また、このプーリ後端側シール機構は、従来の構成においても存在する構成部品であって、本発明ではその形状を上記のような従来とは異なる形状に変更したことを特徴としているのであり、別途部品追加を行ったわけではないので、大きなコスト増も生じないし、工数増もない。
本発明のプーリユニットに連結する補機において、補機ハウジングの前端開口内には、中間空間に対しアキシャル方向後方に隣接する形で補機前端側軸受用シール機構を設けることができる。この場合、プーリ後端側シール機構の中間延出部は、補機前端側軸受用シール機構に接近する形でアキシャル方向後方に延出して形成することができ、その延出した先の先端部(延出先端部)からラジアル方向内向きに折れ曲がる形で形成される内周側シール部が、補機前端側軸受用シール機構に対しアキシャル方向隙間を介して対向配置されるように構成することができる。この構成によると、プーリ後端側シール機構の中間延出部が、補機ハウジングの前端開口内において、開口位置から内部の補機前端側軸受用シール機構に達するまで延出して形成されるので、中間空間の一部を切り取る形で得られる空間を広く取ることができ、その切り取った空間を含めたプーリ内筒状空間内により多くの流動性潤滑剤を確保できる。
また、本発明のプーリユニットにおいて、軸体部のアキシャル方向後端部には、アキシャル方向における後端外周縁部分が切り欠かれた形状(当該形状の形成方法に限定はない)を有した段差部を形成することができ、内周側シール部は、切り欠かれた段差空間内に延出してアキシャル方向から当該段差部に接するものとできる。
ところで、本発明におけるプーリ後端側シール機構の外周側シール部は、中間延出部のアキシャル方向前端部からラジアル方向外向きに折れ曲がる形で延出形成することができる。この構成によると、プーリ後端側シール機構の中間延出部から外周側シール部につながる部分が折れ曲がっているだけのシンプルな形状を有しているので、例えば曲げ加工のようなシンプルな加工方法で形成することができる。
また、本発明におけるプーリ後端側シール機構の外周側シール部は、中間延出部のアキシャル方向前端部から、アキシャル方向前方に向かうにつれてラジアル方向外向きに拡径する傾斜延出部と、当該傾斜延出部の拡径延出した先の先端部(延出先端部)からアキシャル方向前方に延出することなくラジアル方向外向きにのみ延出するラジアル方向延出部と、を有して形成することができる。プーリ後端側シール機構の中間延出部から外周側シール部につながる部分が、アキシャル方向からラジアル方向に向けて垂直に折れ曲がる場合に比べると、上記の傾斜延出部を有した構成は、プーリ内筒状空間と連通する空間を広く確保することができるから、プーリ内筒状空間を含む流動性潤滑剤保持空間全体を、広く確保することができる。
プーリのアキシャル方向後端部には、アキシャル方向における後端内周縁部分が切り欠かれた形状(当該形状の形成方法に限定はない)を有した段差部が形成され、外周側シール部は、切り欠かれた段差空間内に延出して当該段差部にアキシャル方向から接するものとすることができる。
外周側シール部は、その先端部がアキシャル方向前方に延出するアキシャル延出部として形成されており、当該先端部(アキシャル延出部)をプーリの段差部内に向けてアキシャル方向に嵌合させる形で装着されるとともに、その装着状態において、段差部を形成するアキシャル方向後端面に対し外周側シール部の先端部をアキシャル方向に当接させることができる。この構成によると、プーリ後端側シール機構を嵌合により容易に装着させることができるとともに、外周側シール部の先端が段差部の端面に当接する形で装着されるので、これらがアキシャル方向における装着位置決め部として機能する。
ところで、本発明におけるプーリ後端側シール機構は、金属製の芯金と、該芯金の表面に一体化される弾性部材とにより形成することができる。その際、少なくとも、外周側シール部におけるプーリのアキシャル方向後端部との接触部を、弾性部材をなす外周側弾性部材として形成し、内周側シール部における軸体部のアキシャル方向後端部との接触部を、弾性部材をなす内周側弾性部材として形成することができる。この構成によると、金属製の芯金により全体強度を増してその形状を維持することができる一方で、シール接触部分は弾性部材として、弾性圧縮による高いシール性を実現することができる。
なお、上記の芯金は、外周側シール部に設けられる外周側芯部と、中間延出部に設けられる中間芯部と、内周側シール部に設けられる内周側芯部とを有し、それら外周側芯部、中間芯部、及び内周側芯部とが一体をなした金属板材として形成することができる。これにより、外周側シール部、中間延出部、内周側シール部の全てに芯金が存在する形状となるので、全体強度が増す。また、本発明におけるプーリ後端側シール機構は、既に述べたとおりアキシャル方向に延びる特異な形状を有するが、全体として分岐の無い端から端まで一続きの形状を有するので、これに設けられる芯金も、金属板材の曲げ加工により容易に必要な形状を形成できる。
外周側シール部に上述したアキシャル延出部が形成される場合に、当該アキシャル延出部は、外周側芯部をなすアキシャル延出芯部を有して形成することができる。そして、少なくとも当該アキシャル延出芯部の外周面には、プーリのアキシャル方向後端部との接触部をなす外周側弾性部材を一体化しておくことができる。これにより、嵌合に利用されるアキシャル延出部の強度が増し、外周面に弾性部材が設けられることで、より確実なシール及び嵌合固定を実現できる。
また、このアキシャル延出芯部の先端面(アキシャル方向前端面)は、装着状態において、段差部を形成するアキシャル方向後端面に対しアキシャル方向に当接するように形成できる。これにより、プーリ後端側シール機構の嵌合位置決めを、金属製の芯金の先端面に当て止めする形で確実に行うことができる。
また、プーリのアキシャル方向後端部には、内周面に凹部を形成しておくことができる。この場合、プーリ後端側シール機構は、外周側シール部のアキシャル延出部をプーリのアキシャル方向後端部内に嵌合する形で装着され、当該装着に伴い外周側弾性部材の少なくとも一部が、凹部に入り込んで当該凹部のアキシャル方向後方側の面に係合させることができる。これにより、当該凹部を、アキシャル方向後方への抜け防止部として機能させることができる。
本発明において、プーリ後端側シール機構の内周側シール部は、内周側芯部がラジアル方向内向きに延出形成されるとともに、当該内周側芯部の先端部(中間芯部とは逆側の自由端側先端部)においてアキシャル方向後方側の主表面からアキシャル方向前方側の主表面に回り込み、それら前後両主表面において内周側弾性部材が一体化されている。この構成によると、内周側芯部の表裏両面にて弾性部材が一体化されているので、両者の間で高い接着強度が得られる。
また、内周側弾性部材には、軸体部のアキシャル方向後端部に対しそれぞれ異なる位置にて接する複数の突出弾性部を形成することができる。これにより、より高いシール性を実現することができる。なお、外周側弾性部材も同様に複数形成されていても良い。
また、中間延出部には、中間芯部と、該中間芯部の少なくとも一方の主表面に一体化された弾性部材をなす中間弾性部材を設けることができる。そして、当該中間弾性部材を介して外周側弾性部材と内周側弾性部材とが一体となった構成とすることができる。これにより、芯金に対する弾性部材の成形が容易となるし、弾性部材全体の接着強度も増す。
また、中間延出部は、補機ハウジングの前端開口の内周面に対しラジアル方向に接近し、ラビリンス状の隙間を介して対向する対向領域を有して形成することができる。これにより、補機内への異物(塵埃や水等)の侵入をより一層抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る一方向クラッチ4を備えるプーリユニット100を示す正面断面図である。図2は、図1のプーリユニット100のA−A断面図である。なお、補機(本実施形態においてはオルタネータ)200の回転入力軸10の突出方向側(図1における左側)をアキシャル方向前方と定め、その逆側(図1における右側)をアキシャル方向後方と定めている。
プーリユニット100は、オルタネータ200の回転入力軸10に同心をなし一体回転可能に嵌め合わされた中空軸(軸体部)2と、これと同心に配置されたプーリ1との間の筒状空隙(以下、プーリ内筒状空間という)91に、回転変動吸収機構として一方向クラッチ4が設けられて構成されている。一方向クラッチ4は、くさび部材として係合ころ4aを用いる、いわゆるローラタイプのものである。一方向クラッチ4の両側には、玉軸受3およびころ軸受5がサポート軸受として配設されている。そして、プーリ1と一方向クラッチ4の外輪と玉軸受3およびころ軸受5の外輪とが一体化されているとともに、中空軸2と一方向クラッチ4の内輪と玉軸受3およびころ軸受5の内輪とが一体化されている。
一方向クラッチ4は、図2に示すように、外輪としてのプーリ1の内周係合面1aと、内輪としての中空軸2のカム面2aと、くさび部材としての係合ころ4aと、係合ころ4aをプーリ1と中空軸2との間に保持する保持器4bと、係合ころ4aを噛み込み方向(くさび状空間の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルバネ4cとから構成されている。一方向クラッチ4は、プーリ1と中空軸2との回転差に応じて、ロック状態とフリー状態とに切り替わり、プーリ1から中空軸2へ回転動力を伝達したり遮断したりする。
保持器4bは、合成樹脂製の環状体で形成され、プーリ1の内周係合面1aにほぼ沿った外周形状と、中空軸2のカム面2aに沿った内周形状とを有しており、プーリ1内に圧入されている。保持器4bとプーリ1の内周係合面1aとの間には若干の間隙が設けられている。保持器4bには、バネ鋼線材からなるコイルバネ4cが設けられている。このコイルバネ4cは、くさび状空間内に収められる。これによって、そのラジアル方向内方への移動に対する位置決めがなされている。係合ころ4aは、鋼製の円柱体でなり、保持器4bに穿設された空所であるポケット4pに、コイルバネ4cによって円周方向に付勢される形で回動自在に配置されている。換言すれば、係合ころ4aは、中空軸2の外周面に設けられたカム面2aと、カム面2aとプーリ1の内周係合面1aとによって形成されたくさび状空間内に回動自在に配置されている。
玉軸受3およびころ軸受5のさらにアキシャル方向外側には、シール機構6,7がそれぞれ配置されている。また、プーリユニット100の自由端側(図1で見て左側:補機200とは逆側)には、プーリユニット100内部に泥水等の侵入を防止するために、さらに別のシール機構8が配置されており、二重の防水構造が形成されている。この他にも、プーリ1のアキシャル方向前端開口にキャップ等を設けることで、防水性を増すこともできる。シール機構6,7,8で密閉されたプーリ内筒状空間91内には、流動性潤滑剤(グリース等)が封入されている。つまり、プーリ内筒状空間91は密閉空間であり、回転変動吸収機構4やサポート軸受3,5に供給される流動性潤滑剤を保持する流動性潤滑剤保持空間としての役割を果たしている。
プーリ1は、浸炭処理、浸炭窒化処理若しくは高周波焼入れにより硬化処理を行った内周面である内周係合面1aを有する鋼製の円筒体でなる。プーリ1の外周には、例えばエンジンのエンジンプーリ(図示せず)に一端が掛け渡されるベルトの他端が架け渡されるベルト掛け渡し部が設けられている。
中空軸2は、S45C若しくはS55C等の炭素鋼、または、SCR、SCM若しくはSNCM等のはだ焼鋼で円筒体状に製作され、そのアキシャル方向の中程の外周面には、断面正八角形の筒体の外周面でなるカム面2aに形成されている。即ち、中空軸2の外周面中程には、回転中心軸線Oを挟んで対向する一対のカム面2a,2aが円周方向に4組設けられている。なお、カム面2aは、平坦面であっても、偏心アールカム面であってもよい。中空軸2の外周面にカム面2aが設けられることにより、中空軸2には、一方向クラッチ4の内輪としての機能が付与され、中空軸2と一方向クラッチ4の内輪との一体化が果たされている。中空軸2は、削り出しでなく、冷間鍛造によって加工することが可能であり、これにより、一方向クラッチ4を備えるプーリユニット100の加工コストを低減することができる。
プーリユニット100を組み立てる際には、玉軸受3の玉および保持器、一方向クラッチ4の保持器4b,コイルバネ4cおよび係合ころ4a、ころ軸受5のころおよび保持器の順に、プーリ1と中空軸2との間に挿入すればよい。
他方、補機200は、上記プーリユニット100に対し近接対向状態にて配置される。具体的にいえば、プーリ1のアキシャル方向後端面(以下、プーリ後端面という)1aが、補機ハウジング201の前端開口201hの周縁面をなすアキシャル方向前端面(以下、補機ハウジング前端面という)201aに対しアキシャル方向に対向する形で配置されており、それらプーリ後端面1aと補機ハウジング前端面201aとの間には、外部空間と連通する外部連通隙間90が形成されている。
補機200は、補機ハウジング201と、該補機ハウジング201の前端開口201h内から突出する補機200の回転入力軸10と、補機ハウジング201の前端開口201h内にて回転入力軸10を回転可能に支持する補機前端側軸受(フロント軸受)220とを備えて構成されている。補機前端側軸受220は、外輪221及び内輪222を備え、それらの間の空間(転動体配置空間)229には、保持器223と、該保持器223により転動可能に保持される転動体225が配置されている。内輪222のアキシャル方向前端面222aは、プーリユニット100の中空軸2のアキシャル方向後端面21aに対し接触しており、これら内輪222と中空軸2は回転入力軸10とともに一体に回転する。
また、転動体配置空間229のアキシャル方向外側には、当該空間229をシールするためのシール機構(補機前端側軸受用シール機構)226,227が設けられている。
補機ハウジング201の前端開口201hには、図3に示すように、そのラジアル方向内向きに突出する環状突出部202が設けられ、そのアキシャル方向後方に続く基部203には、補機前端側軸受220が固定されており、環状突出部202のアキシャル方向後端面202aと補機前端側軸受220との間には、アキシャル方向に隙間94が形成されている。この隙間94は、補機ハウジング201の前端開口201hに連通している。
また、図4に示すように、環状突出部202のアキシャル方向前端面202c、即ち、補機ハウジング201の前端開口201hの内周面202b、202cのうちアキシャル方向前端側の面202cが、アキシャル方向前方に向けて拡径するテーパー面として形成されている。他方、補機ハウジング201の前端開口201hの内周面202bは、ラジアル方向において、本発明のプーリ後端側のシール機構6に対し互いが平行をなして対向している。
回転入力軸10の突出先端部10aには、プーリユニット100の中空軸2が該回転入力軸10と同心をなす形で一体回転可能に取り付けられている。中空軸2のアキシャル方向後端部21は、プーリ後端面11aよりもアキシャル方向後方側に延出して、補機ハウジング201の前端開口201h内にまで達する形で設けられており、ラジアル方向に対向する該中空軸後端部21と補機ハウジング201の前端開口内周面202b、202cとの間には、プーリ内筒状空間91と外部連通隙間90との双方に連通する中間空間92が形成されている。この中間空間92は、アキシャル方向前方にてプーリ1の後端開口(即ち、プーリ内筒状空間91)11hと連通し、ラジアル方向外側にて外部連通隙間90と連通する空間であり、本発明におけるプーリ後端側のシール機構6により空間的に分断される。
本発明におけるプーリ後端側シール機構6は、外部連通隙間90と非連通となるようプーリ内筒状空間91をアキシャル方向後端側でシールするために、プーリ1のアキシャル方向後端部11の内周面11bに接する環状の外周側シール部6Aと、アキシャル方向後方に延出した中空軸2のアキシャル方向後端部21に接する環状の内周側シール部6Cと、外周側シール部6Aから内周側シール部6Cにかけて中間空間92内をアキシャル方向後方に向けて延出形成された環状の中間延出部6Bと、を有して形成されている。そして、このプーリ後端側シール機構6により空間的に分離された中間空間92のプーリ内筒状空間側の空間92aが当該プーリ内筒状空間91に連通しており、これにより、プーリユニット100の流動性潤滑剤保持空間が補機200側に拡大されている。つまり、従来の流動性潤滑剤保持空間は、プーリ1と中空軸2とに挟まれたプーリ内筒状空間91のみであったが、プーリ後端側のシール機構6が上記本発明の形状をとることにより、当該シール機構6が切り取る中間空間92の一部(プーリ内筒状空間91側の空間)92aも、流動性潤滑剤保持空間の一部に加えられ、流動性潤滑剤の保持量を増ずることが可能となっている。
さらに、シール機構6により分断される中間空間92のうち、もう一方の空間92bは外部連通隙間90と連通する。ただし、その空間92bは、補機ハウジング201の前端開口内周面202b、202cと、シール機構6とに挟まれた空間であり、特に前端開口内周面202bとシール機構6との対向間隔(ラジアル方向幅)が狭くなっており、異物(例えば塵埃や水等)が当該空間92bを介して侵入し難い構造をなしている。本実施形態においては、この空間92bはラビリンス状の隙間として形成され、シール機構6の中間延出部6Bは、補機ハウジング201の前端開口201hの内周面に対しラジアル方向に接近し、そのラビリンス状の隙間92bを介して対向する対向領域を有して形成されている。なお、本発明において、中間空間92の外部連通隙間90と連通する側に隙間92bが形成されていればよく、必ずしもそれがラビリンス状である必要はない。ただし、本実施形態のように、隙間92bがラビリンス状とされることで、より高いシール性能を得ることができる。
本実施形態のプーリ後端側シール機構6において、外周側シール部6Aは、中間延出部6Bのアキシャル方向前端部からラジアル方向外向きに折れ曲がる形で延出形成されている。具体的にいえば、外周側シール部6Aは、中間延出部6Bのアキシャル方向前端部から、アキシャル方向前方に向かうに従いラジアル方向外向きに拡径する傾斜延出部6Acと、当該傾斜延出部6Acの延出先端部からアキシャル方向前方に延出することなくラジアル方向外向きにのみ延出するラジアル方向延出部6Abと、を有して形成されている。
また、外周側シール部6Aは、そのアキシャル方向先端部6Aaがアキシャル方向前方に延出するアキシャル延出部として形成されており、シール機構6は、該アキシャル方向先端部6Aaをプーリ1のアキシャル方向後端開口11h内に向けてアキシャル方向に嵌合させる形で装着される。本実施形態のアキシャル延出部6Aaは、ラジアル方向延出部6Abのラジアル方向外側先端部からアキシャル方向前方に折れ曲がる形で形成されている。
なお、本発明における外周側シール部6Aは、少なくともプーリ1のアキシャル方向後端部11の内周面11bに接するものであれば良く、上記した傾斜延出部6Ac及びラジアル方向延出部6Abの双方を有した形態や、アキシャル延出部6Aaを有した形態に必ずしも限定されるものではない。
一方、プーリ1のアキシャル方向後端部11には、アキシャル方向における後端内周縁部分が切り欠かれた形状を有した段差部12が形成されている。外周側シール部6Aは、当該段差空間(段差形状において切り欠かれて見える空間)内まで延出して、当該段差部12に接している。具体的にいえば、シール機構6の装着状態において、段差部12を形成するアキシャル方向後端面11aに対し外周側シール部6Aの先端部6Aaをアキシャル方向に当接させている。なお、切り欠かれた形状を有した段差部とは、あくまで切り欠かれたかに見える形状を有した段差部なのであって、段差部を形成する方法について限定するものではない。
本実施形態のプーリ後端側のシール機構6において、中間延出部6Bは、補機前端側軸受用シール機構220に接近する形でアキシャル方向後方に延出して形成されている。一方、内周側シール部6Cは、中間延出部6Bの延出先端部(アキシャル方向後端部)からラジアル方向内向きに折れ曲がる形で形成されている。そして、内周側シール部6Cは、図3に示すように、その補機前端側軸受220のアキシャル方向前端側のシール機構226に対し隙間95を介してアキシャル方向に対向配置されている。この隙間95は、上述した中間空間92における外部連通隙間90と連通する側の空間92bに連通している。
一方、中空軸2のアキシャル方向後端部21には、アキシャル方向における後端外周縁部分が切り欠かれた形状を有した段差部22が形成され、内周側シール部2bは、当該段差空間(段差形状において切り欠かれて見える空間)内に延出して、当該段差部22に接している。
以下、図4を用いて、さらに詳細に本実施形態におけるプーリ後端側のシール機構6の構造を説明する。
シール機構6は、図4に示すように、金属製の芯金(SPCC等の鋼板等の材料からなる)61と、該芯金61の表面に一体化される弾性部材(ゴム(NBRやCR等)等の材料からなる)62とにより形成されており、少なくとも、外周側シール部6Aにおけるプーリ1のアキシャル方向後端部11との接触部が、弾性部材62をなす外周側弾性部材62Aとして形成され、内周側シール部6Cにおける中空軸2のアキシャル方向後端部21との接触部が、弾性部材62をなす内周側弾性部材62Cとして形成される。
本実施形態の芯金61は、外周側シール部6Aに設けられる外周側芯部61Aと、中間延出部6Bに設けられる中間芯部61Bと、内周側シール部6Cに設けられる内周側芯部とを有し、それら外周側芯部61A、中間芯部61B、及び内周側芯部61Cとが一体をなした金属板材とされている。
外周側シール部6Aのアキシャル延出部6Aaは、外周側芯部61Aをなすアキシャル延出芯部61Aaを有して形成されている。アキシャル延出芯部61Aaの外周面61a1には、外周側弾性部材62Aaが一体化されている。本実施形態においては、プーリ後端部11の内周面11bに凹部11c(ここでは環状溝部)が形成されており、シール機構6のプーリユニット100への装着に伴い外周側弾性部材62Aaの少なくとも一部が、凹部11cに入り込んで当該凹部11cのアキシャル方向後方側の面11c1に係合し、シール機構6のアキシャル方向後方への抜け防止部として機能している。本実施形態におけるシール機構6のプーリユニット100への装着は、外周側シール部6Aのアキシャル延出部6Aaをプーリ1のアキシャル方向後端開口11h内に嵌合する形でなされる。アキシャル延出部6Aaのアキシャル方向前端面6Aa1は、その装着状態において、段差部12を形成するアキシャル方向後端面11aに対しアキシャル方向に当接しており、当該後端面11aとともにシール機構6の嵌合位置決め部としても機能している。
本実施形態の外周側弾性部材62Aaは、アキシャル延出芯部61Aaのアキシャル方向後端部からラジアル方向に延出する形で外周側突出弾性部(外周側シールリップ)62a1が形成され、当該外周側突出弾性部62a2が上記凹部11cに入り込む。また、本実施形態におけるアキシャル延出部6Aaのアキシャル方向前端面6Aa1には、アキシャル延出芯部61Aaの先端面(アキシャル方向前端面)61a2が含まれており、この金属面61a2も段差部12を形成するアキシャル方向後端面11aに対しアキシャル方向に当接しているので、その嵌合位置決め精度をより高めている。
また、本実施形態の外周側シール部6Aは、アキシャル延出部6Aaの他にも、中間延出部6Bにつながる部分を有しており、この部分にも、アキシャル延出芯部61Aaから続く芯部が形成されている。具体的にいえば、ここでの外周側シール部6Aは、ラジアル方向延出部6Abと傾斜延出部6Acとを有しており、これらの部分にもラジアル方向延出芯部61Abと傾斜芯部61Acとが設けられている。
内周側シール部6Cは、内周側芯部61Cがラジアル方向内向きに延出形成されるとともに、当該内周側芯部61Cのラジアル方向内側の先端部において、内周側弾性部材62Cがアキシャル方向後方側の主表面61c1からアキシャル方向前方側の主表面61c3に回り込み、それら前後両主表面61c1、61c3において一体化されており、双方の密着固定が強化されている。なお、内周側弾性部材62Cは、内周側芯部61Cのアキシャル方向後方側の主表面61c1に密着固定される内周側芯部後面密着部62c2と、内周側芯部61Cのアキシャル方向前方側の主表面61c3に密着固定される内周側芯部後面密着部62c4とを有するとともに、内周側芯部61Cの先端面61c2においても密着固定されている。
本実施形態の内周側弾性部材62Cには、中空軸2のアキシャル方向後端部21に対し接するシール部(突出弾性部:シールリップ)が形成されている。具体的にいえば、当該シール部は、中空軸後端部21に形成された段差部22に接する(摺接する)ようになっている。本実施形態の段差部22は、アキシャル方向後端縁側から順に、アキシャル方向前方に向けて中空軸後端部21を順次拡径する第一の段差部23と第二の段差部24とが、アキシャル方向に隣接して形成されている。
本実施形態においては、上記第一の段差部23のアキシャル方向後端面23aに対しアキシャル方向に摺接する主シール部(突出弾性部:シールリップ)62c2が設けられている。一方で、上記第二の段差部24には、当該段差部24を形成する面24a,24bに対し非接触の形で対向する補助シール部(突出弾性部:シールリップ)62c3が設けられている。このため、このように非接触なシール部を設けることで、第二の段差部24の段差空間(段差形状において切り欠かれて見える空間)は、上記の流動性潤滑剤保持空間の一部となり、従来よりも流動性潤滑剤の保持量を増ずることが可能となっている。
また、主シール部62c2は、内周側弾性部材62Cの接着部をなす密着部62c2、62c4からラジアル方向内向きに延出する連結部62c2aと、連結部62c2aの先端にてアキシャル方向後端面23aに対しアキシャル方向から摺接するようアキシャル方向前方に向けて突出する前方突出部(リップ部)62c2bと、同じく連結部62c2aの先端にて前方突出部62c2bとは逆に、アキシャル方向後方に突出する後方突出部62c2aとを有して形成されている。なお、本実施形態の内周側芯部61Cは、ラジアル方向内向きに延出し、その延出先端部がラジアル方向内側ほどアキシャル方向前方側に位置するように傾斜した傾斜片となっている。
さらに、中間延出部6Bは、中間芯部61Bと、該中間芯部61Bの少なくとも一方の主表面に一体化された弾性部材をなす中間弾性部材62Bが設けられている。本実施形態においては、中間芯部61Bの補機ハウジング201の前端開口内周面202b側の主表面面に一体化されている。そして、当該中間弾性部材62Bを介して外周側弾性部材62Aと内周側弾性部材62Cとが一体とされている。即ち、全ての弾性部材が一体に形成され、主として芯金61のプーリ内筒状空間91とは逆側の面を被う形で形成されている。なお、弾性部材62は、本実施形態のように外周側と内周側とがいい退化している必要はなく、少なくとも内外周側の双方で、プーリ後端部11と中空軸後端部21とに接する構成であればよい。また、弾性部材62は、芯金61のプーリ内筒状空間91側の面も被って形成されてもよい。
次に、本実施形態における補機前端側軸受220のアキシャル方向前後端側のシール機構226,227について説明する。
シール機構226,227は、金属製の芯金(SPCC等の鋼板等の材料からなる)261,271と、該芯金261,271の表面に一体化される弾性部材(ゴム(NBRやCR等)等の材料からなる)262,272とにより形成されており、少なくとも、外周側の弾性部材262,272において外輪221に接し、内周側の弾性部材262,272において内輪222に接している。
芯金261,271には、ラジアル方向外側にてアキシャル方向内方(芯金261においてはアキシャル方向後方、芯金271においてはアキシャル方向前方)に延出するアキシャル方向延出芯部261A,271Aが形成されており、そのラジアル方向外側には弾性部材262,272をなす外周側弾性部262A,272Aが一体化されている。
また、弾性部262A,272Aには、アキシャル方向延出芯部261A,271Aの外周側にラジアル方向外向きに突出する弾性突出部262A1,272A1が形成されており、外輪221のアキシャル方向外端部に形成された段差部の段差空間(段差形状において切り欠かれて見える空間)内に延出している。弾性突出部261A1,271は、外輪221のアキシャル方向外端縁部に形成されたつば部2216,2217のアキシャル方向内方側に入り込み、当該つば部2216,2217のアキシャル方向内方側に形成された溝部2214,2215のアキシャル方向外方側の溝内壁面と係合する。この係合状態を形成することにより、シール機構226のアキシャル方向外方への抜けが防止され、補機前端側軸受220におけるアキシャル方向前後双方の端部開口内にシール機構226,227が嵌合固定されている。一方で、これらの弾性部262A,272A及び芯金261,271からなるシール外周部は、そのアキシャル方向内方側の先端面が、当該段差部のアキシャル方向外方に臨む段差立面に対し当接する形で、アキシャル方向における位置決めがなされる。
また、アキシャル方向延出芯部261A,271Aのアキシャル方向内側端部では、弾性部262A,272Aが、弾性突出部262A1,272A1の基端部から続く形でラジアル方向外周面261Aa,271Aa側から内周面261Bb,271Ab側に回り込み(密着部262A2,272A2)、それら外周面261Aa,271Aa及び内周面261Bb,271Abの双方にて一体化されている。
他方、アキシャル方向延出芯部261A,271Aのアキシャル方向外方側の先端部からは、ラジアル方向に内向きに延出するラジアル方向延出芯部261B,271Bが形成されており、そのラジアル方向延出芯部261B,271Bの先端部は、アキシャル方向内方側に曲げられた傾斜形状を有している。そして、弾性部材262,272をなす弾性部262B,272Bは、アキシャル方向延出芯部261A,271Aの外周面261Aa,271Aaに一体化された弾性部262A,272Aから連続する形で延出し、ラジアル方向延出芯部261B,271Bのアキシャル方向外方側端面261Ba,271Baにも一体化されている。
また、弾性部262B,272Bから続く形でラジアル方向延出芯部261B,271Bのラジアル方向内側先端部に一体化された弾性部262C,272Cは、ラジアル方向内向きに突出する弾性突出部を形成しており、内輪222に接している。本実施形態における弾性部262C,272Cは、傾斜形状を有するラジアル方向延出芯部261B,271Bのラジアル方向内側先端部にてアキシャル方向外方側の端面261Ba,271Baに密着した密着部262C7,272C7と、そこからアキシャル方向内方側の端面261Bb,271Bbに回り込んで密着した密着部262C6,272C6とを有しており、それらラジアル方向延出芯部261B,271Bの内周面及び外周面の双方にて弾性部262C,272Cが一体化されている。
また、これら密着部262C7,262C6,272C7,272C6から、ラジアル方向延出芯部261B,271Bのラジアル方向内側先端の傾斜方向に向かって突出する弾性突出部262C1,272C1(補助シール部)が形成されており、その先端が内輪221に対し非接触対向している。
さらに、これら密着部262C7,262C6,272C7,272C6からラジアル方向内向きに延出する第一連結部262C8,272C8と、その先端部にてアキシャル方向内向きに突出し、内輪221に非接触対向する弾性突出部(補助シール部)262C2,272C2と、同じくその先端部にて弾性突出部262C2,272C2とは逆に、アキシャル方向外方に突出する弾性突出部262C4,272C4とを有する。さらに、これらアキシャル方向に突出する弾性突出部262C2,262C4,272C2,272C4の基部からラジアル方向内向きに延出する第二連結部262C9,272C9と、その先端部を基部としてアキシャル方向内向きに突出し、内輪221に対しアキシャル方向外方側から接触する弾性突出部(主シール部)262C3,272C3と、同じくその先端部を基部として弾性突出部262C3,272C3とは逆に、アキシャル方向外方に突出し、内輪221に非接触対向する弾性突出部(補助シール部)262C4,272C4とを有する。
なお、弾性部262C,272Cは、内輪222のアキシャル方向外端部に形成された段差部の段差空間(段差形状において切り欠かれて見える空間)内に延出している。弾性突出部262C3,272C3は、内輪221のアキシャル方向外端部に形成されたつば部2226,2227によりアキシャル方向内方側への一定以上の弾性変形が規制される一方で、つば部2226,2227のアキシャル方向内側に形成された溝部2224,2225のアキシャル方向内方側の溝内周壁面に対しアキシャル方向から摺接している。
次に、本実施形態におけるプーリ1のシール機構7,8について説明する。
図6に示すように、シール機構7は、プーリ1のアキシャル方向前端開口1h内に嵌合固定され、他方、シール機構8は、中空軸2の前端部の外周に嵌合固定されている。
シール機構7は、金属製の芯金(SPCC等の鋼板等の材料からなる)71と、該芯金71の表面に一体化される弾性部材(ゴム(NBRやCR等)等の材料からなる)72とにより形成されており、少なくとも、外周側の弾性部材72がプーリ1に接し、内周側の弾性部材72が中空軸2に接している。芯金71には、ラジアル方向外側にてアキシャル方向後方に延出するアキシャル方向延出芯部71Aが形成されており、そのラジアル方向前方側には弾性部材72をなす外周側弾性部72Aが一体化されている。
また、この弾性部72Aには、アキシャル方向延出芯部71Aの外周面71Aa側においてラジアル方向外向きに突出する弾性突出部72A1が形成されており、プーリ1のアキシャル方向外端部に形成された溝部171の溝内空間を充填する形で嵌合配置されており、当該溝部171のアキシャル方向前端側と後端側との双方の溝内壁面に挟まれる形で位置決めされている。なお、弾性部72Aは、アキシャル方向延出芯部71Aの内周面71Ab側にも回り込んでおり、内外双方から挟み込まれる形で一体化されている。
アキシャル方向延出芯部71Aのアキシャル方向前方側の先端部からは、ラジアル方向に内向きに延出するラジアル方向延出芯部71Bが形成されている。そして、弾性部材72をなす弾性部72Bは、アキシャル方向延出芯部71Aの外周面に一体化された弾性部72Aから連続する形で延出し、ラジアル方向延出芯部71Bのアキシャル方向前端面71Baにも一体化されている。
また、弾性部72Bから続く形でラジアル方向延出芯部71Bのラジアル方向内側先端部に一体化された弾性部72Cは、ラジアル方向内向きに突出する弾性突出部を形成しており、中空軸2の外周面に接している。本実施形態の弾性部72Cは、ラジアル方向延出芯部71Bのラジアル方向内側先端部にてアキシャル方向前方側の端面71Baに密着するとともに、そこからアキシャル方向後方側の端面71Bbに回り込んで密着した密着部72C1を有している。さらに、密着部72C1からラジアル方向内向きに延出する形で弾性突出部72C2が形成されている。弾性突出部72C2は、シール機構7をプーリ1内にアキシャル方向前方から後方に向けて嵌合するに際してその先端が中空軸2との接触により弾性的に折り曲げられ、当該中空軸2の外周面に摺接する形で配置されている。
シール機構8は、金属製の芯金(SPCC等の鋼板等の材料からなる)81と、該芯金81の表面に一体化される弾性部材(ゴム(NBRやCR等)等の材料からなる)82とにより形成されており、少なくとも、外周側の弾性部材82がプーリ1に接し、内周側の弾性部材82が中空軸2に接している。芯金81には、ラジアル方向内端側にてアキシャル方向後方に延出するアキシャル方向延出芯部81Aが形成されており、そのラジアル方向内側には弾性部材82をなす外周側弾性部82Aが一体化されている。
また、弾性部82Aには、アキシャル方向延出芯部81Aの内周面81Aa側にラジアル方向内向きに突出する弾性突出部82A1が形成されており、中空軸2のアキシャル方向外端部に形成された溝部281の溝内空間を充填する形で嵌合配置されており、当該溝部281のアキシャル方向前端側と後端側との双方の溝内壁面に挟まれる形で位置決めされている。なお、弾性部82Aは、アキシャル方向延出芯部81Aの外周面81Ab側にも回り込んでおり、内外双方から挟み込まれる形で一体化されている。
アキシャル方向延出芯部81Aのアキシャル方向前方側の先端部からは、ラジアル方向に外向きに延出するラジアル方向延出芯部81Bが形成されている。そして、弾性部材82をなす弾性部82Bは、アキシャル方向延出芯部81Aの内周面に一体化された弾性部82Aから連続する形で延出し、ラジアル方向延出芯部81Bのアキシャル方向前端面81Baにも一体化されている。
また、弾性部82Bから続く形でラジアル方向延出芯部81Bの先端部に一体化された弾性部82Cは、ラジアル方向外向きに突出する弾性突出部を形成しており、プーリ1に接している。本実施形態の弾性部82Cは、ラジアル方向延出芯部81Bの先端部にてアキシャル方向前方側の端面81Baに密着するとともに、そこからアキシャル方向後方側の端面81Bbに回り込んで密着した密着部82C1を有している。さらに、密着部82C1からラジアル方向外向きに延出し、かつラジアル方向外側ほどアキシャル方向後方に位置するよう傾斜して、プーリ1に対し非接触対向する弾性突出部(補助シール部)82C2と、同じく密着部82C1からラジアル方向外向きに延出する形で連結部82C3とが形成されている。さらに、連結部82C3のラジアル方向外側の先端には、該先端を基部としてラジアル方向外側ほどアキシャル方向後方に位置するよう傾斜した形で突出し、プーリ1の内周面に形成された溝181のアキシャル方向後方側の溝内壁面に接触(摺接)する弾性突出部(主シール部)82C4と、同じく該先端を基部として、該弾性突出部82C4とは逆に、アキシャル方向前方に突出する弾性突出部82C5とを有する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。