JP2010019214A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、部材の摩耗を抑制し、噴射性能の経時劣化を抑制する燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】圧力制御室81は、内部の燃料の圧力が高まるとニードル3を離座方向へ付勢する。加圧室82は、圧力制御室81に連通し、ピストン5によって内部の燃料が加圧される。ピエゾ駆動体6は、電圧を印加されて伸長することにより、加圧室82を昇圧する方向にピストン5を押圧する。ECU8は、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を変化させることにより、加圧室82および圧力制御室81の圧力を変化させる。また、ECU8は、ニードル3が離座位置から着座位置まで移動する途中、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を減少させる度合いを変化させてピエゾ駆動体6の単位時間あたりの収縮率を変化させることにより、ニードル3の着座方向への移動速度を低減する速度低減手段を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの気筒に燃料を噴射する燃料噴射装置に関し、特に、加圧した燃料によりニードルの離座および着座を制御する燃料噴射装置に関する。
従来、噴孔を開閉するニードルを、燃料の圧力を介して離座方向または着座方向へ移動させる燃料噴射装置が知られている。例えば特許文献1に開示された燃料噴射装置では、ピストンを押圧する駆動体を制御し、ピストンにより加圧される燃料の圧力を変化させることによってニードルを離座方向または着座方向へ移動させている。
また、特許文献1の燃料噴射装置では、ニードルは、円筒状のアウターニードルと、アウターニードルの内側に設けられるインナーニードルとから構成されている。これにより、それぞれのニードルが段階的に別々の噴孔を開閉することで、燃料の噴射量が少ないときでも微粒化した燃料噴霧をエンジンの気筒に噴射することを可能としている。
特許文献1の燃料噴射装置では、ニードルを離座位置から着座位置へ移動させるとき、ニードルが一定の速度で着座方向へ移動するように駆動体を制御している。なお、ここで、ニードルが弁座から離れた状態にあるニードルの位置を「離座位置」と表現し、ニードルが弁座に当接し噴孔を塞いで停止している状態にあるニードルの位置を「着座位置」と表現する。また、ニードルが離座位置から着座位置へ向かうときのニードルの移動方向を「着座方向」と表現し、ニードルが着座位置から離座位置へ向かうときのニードルの移動方向を「離座方向」と表現する。以下、同様の表現を用いる。上述のように駆動体を制御する場合、弁座に当接するときのニードルの速度が大きいため、当接時の衝撃が大きくなることがある。その結果、ニードルの破損やニードルおよび弁座の摩耗を招くおそれがある。ニードルおよび弁座が摩耗すると、開弁時期や開弁時間などが変化することにより燃料噴射装置の噴射性能が経時劣化するという問題が生じる。
特に、アウターニードルは、円筒状のため強度が低く、弁座に当接するときの衝撃が大きいと破損または摩耗しやすい。また、アウターニードルは、着座方向へ移動するとき、一部が弁座に当接した後、弁座に対して滑りながら自身が撓むことにより、2箇所あるいは複数の箇所で弁座に当接し噴孔を閉塞する。この時の滑りの速度が大きいと、アウターニードルおよび弁座の摩耗が促進されるおそれがある。
特開2007−138852号公報
本発明の目的は、部材の摩耗を抑制し、噴射性能の経時劣化を抑制する燃料噴射装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、ノズルボディは、噴孔、弁座、および噴孔に連絡する燃料通路を有している。ニードルは、ノズルボディの内部を軸方向に往復移動し、弁座に着座することにより燃料通路を遮断し、弁座から離座することにより燃料通路を開放する。ニードル付勢部材は、ニードルを着座方向へ付勢する。ピストンは、ノズルボディの内部を往復移動可能に設けられている。燃料圧力制御系統は、内部の燃料の圧力が高まるとニードルをニードル付勢部材の付勢力に抗して離座方向へ付勢する圧力制御室と、当該圧力制御室に連通しピストンによって内部の燃料が加圧される加圧室と、を有する。ピストン付勢部材は、加圧室の圧力が低下する方向にピストンを付勢する。駆動体は、電圧を印加されて伸長することにより、ピストン付勢部材の付勢力に抗して加圧室を昇圧する方向にピストンを押圧する。制御部は、駆動体に印加する電圧を変化させることにより、加圧室および圧力制御室の圧力を変化させる。また、制御部は、ニードルが離座位置から着座位置まで移動する途中、駆動体に印加する電圧を減少させる度合いを変化させて駆動体の単位時間あたりの収縮率を変化させることにより、ニードルの着座方向への移動速度を低減する速度低減手段を有している。速度低減手段により、ニードルが弁座に当接するときのニードルの速度、またはニードルが弁座に当接した後のニードルの滑りの速度を低減することができる。これにより、ニードルが弁座に当接するときの衝撃を緩和すること、またはニードルおよび弁座の摩耗を抑制することができる。その結果、ニードルおよび弁座が摩耗することによる燃料噴射装置の開弁時期や開弁時間などの経時的な変化を抑制できる。したがって、燃料噴射装置の噴射性能の経時劣化を抑制することができる。
請求項2記載の発明では、ノズルボディの噴孔は、第1噴孔群と、第1噴孔群より軸中心に近い第2噴孔群とからなる。また、ニードルは、第1噴孔群を開閉する円筒状のアウターニードルと、アウターニードルの内側に収容され第2噴孔群を開閉するインナーニードルとからなる。本発明では、請求項1記載の発明と同様、速度低減手段により、アウターニードルおよびインナーニードルが弁座に当接するときの各ニードルの速度、または各ニードルが弁座に当接した後の各ニードルの滑りの速度を低減することができる。これにより、各ニードルが弁座に着座するときの衝撃を緩和すること、または各ニードルおよび弁座の摩耗を抑制することができる。その結果、燃料噴射装置の開弁時期や開弁時間などの経時的な変化を抑制できる。したがって、燃料噴射装置の噴射性能の経時劣化を抑制することができる。
請求項3記載の発明では、制御部は、速度低減手段によるインナーニードルの着座方向への移動速度の低減の度合いよりもアウターニードルの着座方向への移動速度の低減の度合いのほうが大きくなるように、駆動体を制御する。これにより、アウターニードルへの弁座からの衝撃またはアウターニードルの摩耗を効果的に抑制することができる。特に、アウターニードルは、円筒状のためインナーニードルに比べて強度が低く、また、弁座に当接した後の滑りの量が多い。したがって、本発明では、アウターニードルの摩耗による開弁時期や開弁時間などの経時的な変化を効果的に抑制でき、燃料噴射装置の噴射性能の経時劣化を抑制することができる。
請求項4記載の発明では、制御部は、ニードルが離座位置から着座位置へ移動する途中、ニードルが弁座に当接する直前の時点で、駆動体に印加する電圧を上昇させて駆動体を伸長させることにより、ニードルの着座方向への移動速度を前記時点において変化させる。すなわち、前記時点後のニードルの移動速度は、前記時点までのニードルの移動速度に比べて小さくなる。これにより、ニードルが弁座に当接するときの衝撃を緩和することができる。したがって、ニードルの破損や摩耗を効果的に抑制することができる。
請求項5記載の発明では、駆動体は、ピエゾ素子を複数積層することにより構成されるピエゾ駆動体である。ピエゾ駆動体は、印加される電圧に応じて伸長し、印加される電圧に対する応答性が高いという特徴を有する。そのため、制御部は、駆動体の作動を高精度に制御することができる。これにより、制御部がニードルの着座方向への移動速度を低減させるとき、所定のタイミングで、かつ、高精度に移動速度を低減させることができる。したがって、ニードルが離座位置から着座位置まで移動するときのニードルの破損や摩耗を効果的に抑制することができる。
請求項6記載の発明では、アウターニードルは、弁座に当接可能な第1当接部と、弁座に当接可能で第1当接部とともに弁座に当接することにより第1噴孔群を閉塞可能な第2当接部とを有している。アウターニードルは、離座位置から着座位置まで移動する途中、第1当接部または第2当接部が弁座に当接した後、弁座に対して滑りながら自身が撓むことにより、第1当接部および第2当接部の2箇所で弁座に当接し第1噴孔群を閉塞する。制御部は、第1当接部または第2当接部の少なくとも一方が弁座に当接したときに、アウターニードルの着座方向への移動速度の低減を開始する。これにより、アウターニードルが弁座に対して滑るときの移動速度を低減することができる。したがって、滑りにより生じ得るアウターニードルおよび弁座の摩耗を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の複数の実施形態による燃料噴射装置を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を図1に示す。燃料噴射装置1は、例えばディーゼルエンジンの各気筒に取り付けられ、コモンレールに蓄圧状態で蓄えられた高圧の燃料を各気筒に噴射する。燃料噴射装置1は、ノズルボディ2、ニードル3、ピストン5、ピエゾ駆動体6および電子制御ユニット(以下、ECUという。)8などを備えている。ノズルボディ2の内部に、ニードル3、ピストン5およびピエゾ駆動体6などが設けられ、燃料通路70、燃料溜り室71、背圧室72、圧力制御室81、加圧室82などが形成されている。
ノズルボディ2は、略円筒状に形成された第1ボディ21、第2ボディ22、第3ボディ23、第4ボディ24および第5ボディ25が、この順で接続することにより構成されている。第1ボディ21の反第2ボディ22側の端部には、噴孔11および噴孔12がそれぞれ複数形成されている。噴孔11は第1ボディ21の周方向に所定の間隔で複数形成され、第1噴孔群を構成している。噴孔12も第1ボディ21の周方向に所定の間隔で複数形成され、第2噴孔群を構成している。第2噴孔群は、第1噴孔群よりも第1ボディ21の軸中心に近い位置に形成されている。噴孔11および噴孔12は、第1ボディ21の内壁と外壁とを連通している。第1ボディ21の噴孔11および噴孔12の入口側に、燃料溜り室71が形成されている。第1ボディ21の内壁には、噴孔11および噴孔12の入口近傍に、ニードル3が着座可能な弁座13が形成されている。
第1ボディ21、第2ボディ22、第3ボディ23、第4ボディ24および第5ボディ25の内部には、燃料通路70が形成されている。燃料通路70は、第5ボディ25に形成された流入口26を経由して図示しないコモンレールに連通している。そのため、燃料通路70には、コモンレールの内部と概ね同一の圧力の燃料が供給される。なお、燃料溜り室71は、燃料通路70の一部を構成している。
ニードル3は、ノズルボディ2の内部に往復移動可能に収容されている。ニードル3は、アウターニードル30とインナーニードル40とからなる。アウターニードル30は、略円筒状に形成され、内側にインナーニードル40を収容している。
本実施形態では、アウターニードル30は、3つの部材により構成されている。すなわち、アウターニードル30は第1アウターニードル31、第2アウターニードル32および第3アウターニードル33により構成され、各アウターニードルはこの順で当接している。第1アウターニードル31、第2アウターニードル32および第3アウターニードル33は、いずれも略円筒状に形成され、それぞれ第1ボディ21、第2ボディ22および第3ボディ23の内側に、軸方向へ往復移動可能に収容されている。
第1アウターニードル31の噴孔11側の端部には、弁座13に着座可能なシート部34が形成されている。シート部34が弁座13に着座すると、燃料通路70と噴孔11との間は遮断され、噴孔11を通じた燃料の噴射が停止する。一方、シート部34が弁座13から離座すると、燃料通路70と噴孔11とは連絡し、噴孔11を通じて燃料が噴射される。このように、アウターニードル30は、シート部34が弁座13に着座することにより第1噴孔群を閉塞し、シート部34が弁座13から離座することにより第1噴孔群を開放する。
第1アウターニードル31の軸方向の途中には、径外方向へ環状に突出する突出部35が形成されている。第1アウターニードル31の反噴孔11側端部の外周には、略円筒状のシリンダ15が設けられている。シリンダ15は、一方の端部が第2ボディ22に接しており、内壁が第1アウターニードル31の外壁と摺接することにより第1アウターニードル31の往復移動を案内する。突出部35とシリンダ15との間には、ニードル付勢部材としてのスプリング16が設けられている。スプリング16は、突出部35を押圧することにより第1アウターニードル31を弁座13側、すなわち着座方向へ付勢している。
第2アウターニードル32は、軸方向の途中から反第1アウターニードル31側端部にかけて外径および内径が大きくなるように形成されている。これにより、第2アウターニードル32には、外壁に略環状の段差面32aが形成され、内壁に略環状の段差面32bが形成されている。
インナーニードル40は第1インナーニードル41、第2インナーニードル42および第3インナーニードル43の3つの部材により構成され、各インナーニードルはこの順で当接している。第1インナーニードル41、第2インナーニードル42および第3インナーニードル43は、いずれも略円柱状に形成され、それぞれ第1アウターニードル31、第2アウターニードル32および第3アウターニードル33の内側に、軸方向へ往復移動可能に収容されている。
第1インナーニードル41の噴孔12側の端部には、弁座13に着座可能なシート部44が形成されている。シート部44が弁座13に着座すると、燃料通路70と噴孔12との間は遮断され、噴孔12を通じた燃料の噴射が停止する。一方、シート部44が弁座13から離座すると、燃料通路70と噴孔12とは連絡し、噴孔12を通じて燃料が噴射される。このように、インナーニードル40は、シート部44が弁座13に着座することにより第2噴孔群を閉塞し、シート部44が弁座13から離座することにより第2噴孔群を開放する。
第2インナーニードル42は、軸方向の途中から反第1インナーニードル41側端部にかけて外径が大きくなるように形成されている。これにより、第2インナーニードル42には、外壁に略環状の段差面42aが形成されている。第2アウターニードル32が離座方向へ移動するとき、段差面42aと段差面32bとは当接可能である。
第3インナーニードル43には、軸方向の途中、反第2インナーニードル42側に、径外方向へ環状に突出する突出部45が形成されている。突出部45は、第3ボディ23の内壁と第4ボディ24とに囲まれて形成される背圧室72内に位置している。背圧室72には、コモンレールから燃料通路70を経由して燃料が流入する。突出部45と第4ボディ24との間には、ニードル付勢部材としてのスプリング17が設けられている。スプリング17は、突出部45を押圧することにより、第3インナーニードル43を弁座13側へ付勢している。これにより、第2インナーニードル42および第1インナーニードル41も弁座13側へ付勢されている。すなわち、インナーニードル40は、スプリング17によって着座方向へ付勢されている。
図2(A)に示すように、第1アウターニードル31と第1インナーニードル41との間には、略円筒状の隙間が形成されている。シート部34は、壁面34aおよび壁面34bを有している。壁面34aおよび壁面34bは、ともにテーパ状に形成されている。壁面34bは、壁面34aに対して第1アウターニードル31の径外方向側に位置し、テーパ角度が壁面34aのテーパ角度とは異なるように形成されている。壁面34aと壁面34bとの間には、第1アウターニードル31の径内方向へ環状に窪む凹溝36が形成されている。ここで、壁面34aは特許請求の範囲における「第1当接部」を構成し、壁面34bは特許請求の範囲における「第2当接部」を構成している。
図1に示すように、第2ボディ22の内壁と第2アウターニードル32との間には、低圧室91が形成されている。低圧室91には、シリンダ15と第1アウターニードル31と第2ボディ22との間を通じて、第1ボディ21の燃料溜り室71からリークした燃料が流入する。そのため、低圧室91内の燃料圧力は、燃料溜り室71内の燃料圧力に比べて小さい。低圧室91に流入した燃料は、第2ボディ22、第3ボディ23および第4ボディ24の内部に形成された低圧燃料通路90を経由して燃料噴射装置1の外部へ排出される。低圧燃料通路90は、図示しない燃料タンクに連通している。これにより、燃料溜り室71からリークした燃料は、燃料タンクに排出される。
第3ボディ23の内壁と第3アウターニードル33および第2アウターニードル32と第2ボディ22との間には、低圧室92が形成されている。低圧室92には、第3アウターニードル33と第3ボディ23との間を通じて、背圧室72からリークした燃料が流入する。そのため、低圧室92内の燃料圧力は、背圧室72内の燃料圧力に比べて小さい。低圧室92に流入した燃料は、低圧燃料通路90を経由して燃料タンクに排出される。
第4ボディ24および第5ピストン25の内部には、ピストン5が往復移動可能に設けられている。ピストン5は、第1ピストン51と、第1ピストン51の反第3ボディ23側に設けられる第2ピストン52とからなる。第1ピストン51は、略円柱状に形成され、第2ピストン52とは反対側に、外径の大きな大径部53を有している。一方、第2ピストン52は、第1ピストン51とは反対側の端部から径外方向へ環状に突出する突出部54を有している。
大径部53は、第4ボディ24の内壁と第5ボディ25との間に形成される空間内に位置している。第1ピストン51の反大径部53側端部、および第2ピストン52は、第5ボディ25の内壁に囲まれて形成される空間内に位置している。
第2ボディ22の内壁と第2アウターニードル32の段差面32aとの間には、圧力制御室81が形成されている。第1ピストン51の大径部53と第4ボディ24の内壁との間には、加圧室82が形成されている。圧力制御室81と加圧室82とは、第2ボディ22、第3ボディ23および第4ボディ24の内部に形成された連通路80によって連通している。圧力制御室81と加圧室82とは、特許請求の範囲における「燃料圧力制御系統」を構成している。
加圧室82には、ピストン付勢部材としての皿ばね18が設けられている。皿ばね18は、第1ピストン51を第2ピストン52側、すなわち加圧室82の容積が増大する方向へ付勢している。皿ばね18の付勢力によって、第1ピストン51が加圧室82の容積が増大する方向へ移動すると、加圧室82の圧力は低下する。
第5ボディ25の内壁と第2ピストン52および第1ピストン51との間には、燃料室93が形成されている。燃料室93には、燃料溜り室71または背圧室72からリークした燃料が、低圧室91、低圧室92および低圧燃料通路90を経由して流入する。燃料室93には、ピストン付勢部材としてのスプリング19が設けられている。スプリング19は、第2ピストン52の突出部54を押圧することにより、第2ピストン52を反第1ピストン51側へ付勢している。
駆動体としてのピエゾ駆動体6は、第2ピストン52の反第1ピストン51側に設けられている。ピエゾ駆動体6は、略円柱状に形成され、一方の端部が第2ピストン52に接し、他方の端部が第5ボディ25の反弁座13側内壁に固定されている。ピエゾ駆動体6は、ピエゾスタック61を有している。ピエゾスタック61は、充電または放電されることにより伸縮する容量性のピエゾ素子が複数積層されることによって構成されている。ピエゾスタック61は、ECU8の指令によって電圧を印加されて電気的なエネルギーが充電されることにより軸方向に伸長する。一方、ピエゾスタック61に印加される電圧が減少して電気的なエネルギーが放電されると、ピエゾスタック61は軸方向に収縮する。ピエゾ駆動体6に印加される電圧とピエゾ駆動体6の伸長量とは、ほぼ比例している。また、ピエゾ駆動体6は、電圧を印加されてからの応答性に優れている。
ピエゾスタック61が伸長したとき、ピエゾ駆動体6は、皿ばね18およびスプリング19の付勢力に抗してピストン5を第3ボディ23側、すなわち加圧室82の容積が減少する方向へ押圧する。ピエゾ駆動体6の押圧により、ピストン5が加圧室82の容積が減少する方向へ移動すると、加圧室82の圧力は上昇する。
第1ピストン51の内部には、燃料室93と加圧室82とを連通する通路55が形成されている。通路55の途中には、逆止弁56が設けられている。逆止弁56は、通路55において燃料室93から加圧室82へ向かう燃料の流通を許容し、加圧室82から燃料室93へ向かう燃料の流通を規制する。皿ばね18およびスプリング19の付勢力によってピストン5が反第3ボディ23側へ移動するとき、燃料室93の圧力よりも加圧室82の圧力のほうが小さくなるため、燃料が燃料室93から通路55を経由して加圧室82へ流入する。一方、ピエゾ駆動体6の押圧によってピストン5が第3ボディ23側へ移動するとき、加圧室82から燃料室93への燃料の流出が規制され、加圧室82の圧力が上昇する。
上述のように、加圧室82と圧力制御室81とは、連通路80によって連通している。これにより、加圧室82内の燃料は圧力制御室81に流入し、圧力制御室81内の燃料圧力は加圧室82内の燃料圧力と概ね同一となる。そのため、加圧室82内の燃料が加圧されると、これにともなって圧力制御室81内の燃料圧力が上昇する。
制御部としてのECU8は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータによって構成されている。また、ECU8は、ROMに記録されているプログラムにしたがって燃料噴射装置1および燃料噴射装置1が搭載されている車両を統合して制御する。ECU8には、ピエゾ駆動体6が接続している。また、ECU8には、図示しないコモンレール圧センサ、アクセルセンサ、クランク角センサおよび水温センサなどが接続している。また、ECU8は、特許請求の範囲における「速度低減手段」として機能する。
ECU8は、アクセルセンサ、クランク角センサおよび水温センサ等からの検出信号に基づいてエンジンの負荷を予測する。そして、ECU8は、予測したエンジンの負荷に基づいて、エンジンへ供給すべき燃料量を算出する。ECU8は、コモンレール圧センサによって所定の周期でコモンレール圧を検出しつつ、算出した燃料量に基づいて、コモンレール圧が所定の圧力となるように、燃料タンクからコモンレールへ供給する燃料の流量を調整する。これとともに、ECU8は、燃料噴射装置1の開弁時間を調整して所定量の燃料をエンジンへ供給する。
燃料噴射装置1は、ECU8からの電気的な制御信号によってエンジンの各気筒へ燃料を噴射する。すなわち、燃料噴射装置1のピエゾ駆動体6は、ECU8によって制御信号に基づく電圧を印加されると伸長し、これによりピストン5で加圧室82および圧力制御室81を加圧してニードル3を離座方向へ移動させる。その結果、燃料噴射装置1の噴孔が開放され、噴孔から燃料が噴射される。
ECU8は、上述のように各センサからの検出信号によりエンジンの負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、最適な目標噴射量および目標噴射時期になるように制御信号としての噴射パルスを生成するパルス幅およびパルスの立ち上がり時期と運転状態との対応を、マップとしてRAMに記憶している。通常運転時、ECU8は、マップに基づいて燃料噴射装置1を制御し、エンジンの負荷に応じた量の燃料を燃料噴射装置1からエンジンの気筒に噴射する。
RAMには、ピエゾ駆動体6に印加される電圧とピエゾ駆動体6の伸長量との対応関係が特性データとして記憶されている。圧力制御室81内の燃料圧力はピエゾ駆動体6の伸長量とほぼ比例するため、ECU8は、ピエゾ駆動体6に印加する電圧値に基づいて、アウターニードル30およびインナーニードル40のリフト量を推定することができる。これにより、ECU8は、ピエゾ駆動体6に印加する電圧値に対応する、アウターニードル30およびインナーニードル40の弁座13からの距離等を推定することができる。
次に、燃料噴射装置1の作動について説明する。
図1に示すように、ピエゾスタック61が充電されていないとき、ピエゾスタック61は収縮している。このとき、第1アウターニードル31は、スプリング16の付勢力により弁座13に着座している。また、第1インナーニードル41は、スプリング17の付勢力により弁座13に着座している。そのため、燃料溜り室71と噴孔11との間、および燃料溜り室71と噴孔12との間は遮断されており、噴孔11および噴孔12からの燃料の噴射は停止されている。なお、このとき、第3アウターニードル33の端面33aには、背圧室72内の燃料圧力が作用している。これにより、第3アウターニードル33、第2アウターニードル32および第1アウターニードル31は、弁座13側へ付勢されている。
制御信号に基づく電圧がECU8によりピエゾ駆動体6に印加されてピエゾスタック61の充電が開始されると、ピエゾスタック61は軸方向に伸長する。これにより、ピエゾ駆動体6は、皿ばね18およびスプリング19の付勢力に抗してピストン5を第3ボディ23側、すなわち加圧室82の容積が減少する方向へ押圧する。その結果、加圧室82内の燃料が加圧される。加圧室82内の燃料が加圧されると、連通路80によって加圧室82に連通する圧力制御室81内の燃料圧力が上昇する。圧力制御室81内の燃料圧力は、第2アウターニードル32の段差面32aに作用する。段差面32aに作用する圧力が、第3アウターニードル33の端面33aに作用する圧力を上回ると、第2アウターニードル32および第3アウターニードル33は、反弁座13側へリフトする。このとき、第2アウターニードル32と第1アウターニードル31との間にリンキング力が生じることにより、第1アウターニードル31は、スプリング16の付勢力に抗して第2アウターニードル32とともに反弁座13側へリフトする。これにより、第1アウターニードル31は弁座13から離座し、燃料溜り室71と噴孔11とが連絡する。その結果、噴孔11から燃料が噴射される。
ピエゾ駆動体6に印加される電圧がさらに高まると、圧力制御室81内の燃料圧力が上昇することにより第2アウターニードル32が反弁座13側へさらに移動する。第2アウターニードル32が反弁座13側へ移動すると、第2アウターニードル32の段差面32bは、第2インナーニードル42の段差面42aに当接する。段差面32bが段差面42aに当接した状態で圧力制御室81内の燃料圧力がさらに上昇すると、第2アウターニードル32および第2インナーニードル42は、スプリング17の付勢力に抗して反弁座13側へリフトする。このとき、第2インナーニードル42と第1インナーニードル41との間にリンキング力が生じることにより、第1インナーニードル41は、第2インナーニードル42とともに反弁座13側へリフトする。これにより、第1インナーニードル41は弁座13から離座し、燃料溜り室71と噴孔12とが連絡する。その結果、噴孔12から燃料が噴射される。この状態では、噴孔11で構成される第1噴孔群、および噴孔12で構成される第2噴孔群から燃料が噴射されている。
その後、ピエゾ駆動体6に印加される電圧が減少することによってピエゾスタック61の放電が開始されると、ピエゾスタック61は軸方向に収縮する。これにより、ピエゾ駆動体6がピストン5を押圧する力が弱まる。そのため、ピストン5は、皿ばね18およびスプリング19の付勢力により反弁座13側へ移動する。このとき、第1ピストン51は、加圧室82の容積が増大する方向へ移動する。その結果、加圧室82内の燃料圧力が低下するとともに、連通路80を経由して燃料室93から加圧室82に燃料が流入する。加圧室82内の燃料圧力が低下すると、加圧室82に連通する圧力制御室81内の燃料圧力も低下する。圧力制御室81内の燃料圧力が低下することで、第2アウターニードル32の段差面32aに作用する力が、第3アウターニードル33の端面33aに作用する背圧室72の燃料圧力、スプリング17の付勢力およびスプリング16の付勢力の和よりも小さくなると、インナーニードル40はアウターニードル30とともに着座方向へ移動する。そして、第1インナーニードル41が弁座13に着座し、噴孔12からの燃料の噴射が停止する。なお、このとき弁座13と第1インナーニードル41のシート部44との間には、滑りが生じることがある。
第1インナーニードル41が弁座13に着座した状態で圧力制御室81内の燃料圧力がさらに低下すると、第2アウターニードル32の段差面32bが第2インナーニードル42の段差面42aから離れ、アウターニードル30は着座方向へさらに移動する。そして、第1アウターニードル31が弁座13に着座し、噴孔11からの燃料の噴射が停止する。
このように、本実施形態では、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を調節することによりアウターニードル30およびインナーニードル40を段階的にリフトさせて噴孔11および噴孔12を開閉する。これにより、燃料の噴射量が少ないときでも微粒化した燃料噴霧をエンジンの気筒に噴射することができる。
また、本実施形態では、第1アウターニードル31が離座位置から着座位置まで移動するとき、図2(A)に示すように先ず第1当接部としての壁面34aが弁座13に当接する。第1アウターニードル31がさらに着座方向へ移動すると、図2(B)に示すように第1アウターニードル31は、壁面34aが弁座13に接して滑りながら、壁面34a側端部が径内方向へ撓む。これにより、第2当接部としての壁面34bは、弁座13に当接し、壁面34aとともに噴孔11を閉塞する。図2(B)は、第1アウターニードル31のシート部34が噴孔11を閉塞し、第1アウターニードル31の着座方向への移動が停止している状態、すなわち第1アウターニードル31の着座状態を示している。なお、図2(B)中の波線は、図2(A)での第1アウターニードル31の位置を示している。
このように、アウターニードル30およびインナーニードル40が弁座13に着座することによって、第1噴孔群および第2噴孔群に連絡する燃料通路70は遮断され、第1噴孔群および第2噴孔群からの燃料の噴射は終了する。
次に、ECU8によるニードル3の駆動制御処理について図3および図4を用いて説明する。
図3に示すニードル3の駆動制御処理のフローは、車両の運転開始時、すなわち例えば運転者が車両のイグニッションキーをオンしたときに開始される。また、ニードル3の駆動制御処理は、図3に示す一連の処理を実行することにより一旦終了するが、終了後、再び処理の先頭から開始される。
ニードル3の駆動制御処理が開始されると、ECU8は、先ずステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)を実行する。
S101では、ECU8は、ピエゾ駆動体6に印加される電圧(以下、ピエゾ駆動体6に印加される電圧を、単に「印加電圧」という。)が時間の経過にともなって減少しているかどうか、すなわち印加電圧の勾配が負であるかどうかを判断する。印加電圧の勾配が負であると判断した場合(S101:Y)、処理はS102へ移行する。一方、印加電圧の勾配は負ではないと判断した場合(S101:N)、処理はS101へ戻る。すなわち、印加電圧の勾配が0または正の場合、S101が繰り返し実行される。
このときの処理について、図4を用いて説明する。図4において、L1は、印加電圧の時間経過にともなう変化を示している。L2は、アウターニードル30のニードルリフト量、すなわちアウターニードル30の着座位置からの距離の時間経過にともなう変化を示している。L3は、インナーニードル40のニードルリフト量、すなわちインナーニードル40の着座位置からの距離の時間経過にともなう変化を示している。
時刻t1からt2にかけて印加電圧が増大すると、これにともなって圧力制御室81の燃料圧力が上昇し、アウターニードル30が離座方向へ移動する。これにより、第1噴孔群からの燃料の噴射が開始される。時刻t2からt3にかけては、印加電圧は一定であり、アウターニードル30の着座位置からの距離も一定である。このとき、第1噴孔群からの燃料の噴射は継続されている。時刻t3からt4にかけて、印加電圧が増大すると、インナーニードル40は、アウターニードル30とともに離座方向へ移動する。これにより、第2噴孔群からも燃料の噴射が開始される。時刻t4からt5にかけては、印加電圧は一定であり、アウターニードル30およびインナーニードル40の着座位置からの距離も一定である。このとき、第1噴孔群および第2噴孔群からの燃料の噴射が継続されている。時刻t5からt6にかけて印加電圧が減少すると、これにともなって圧力制御室81の燃料圧力が低下し、アウターニードル30およびインナーニードル40が着座方向へ移動する。
時刻t1からt5までは、印加電圧の勾配は正または0であるため、ECU8によりS101が繰り返し実行される。時刻t5以降では、印加電圧の勾配は負であるため、ECU8による処理はS102へ移行する。
S102では、ECU8は、印加電圧の値が閾値V1以下かどうかを判断する。印加電圧の値は閾値V1以下であると判断した場合(S102:Y)、処理はS103へ移行する。一方、印加電圧の値は閾値V1以下ではない、すなわちV1よりも大きいと判断した場合(S102:N)、処理はS102へ戻る。つまり、印加電圧の値が閾値V1よりも大きい間は、S102が繰り返し実行される。ここで、閾値V1とは、インナーニードル40が弁座13に当接する直前の時点における印加電圧の値である。閾値V1は、RAMに記憶された印加電圧とニードルリフト量との対応関係を示す特性データから推定される、印加電圧に対するインナーニードル40の着座位置からの距離に基づいて設定されている。
S103では、ECU8は、印加電圧を瞬間的に上昇させる。これにより、収縮途中であったピエゾ駆動体6は伸長動作に転じる。そのため、圧力が低下途中であった圧力制御室81の燃料圧力は上昇し、インナーニードル40はアウターニードル30とともに離座方向へ付勢される。その結果、インナーニードル40の着座方向への移動速度が変化する。
例えば図4のL1に示すように、時刻t6の時点(インナーニードル40が弁座13に当接する直前の時点)で印加電圧が閾値V1以下となったことが判断される(S102:Y)と、ECU8は印加電圧を上昇させる(S103)。これにより、L2およびL3からわかるように、アウターニードル30およびインナーニードル40の着座方向への移動速度が変化する。すなわち、時刻t6後のインナーニードル40の移動速度は、時刻t6までの移動速度に比べて小さくなる。これにより、インナーニードル40が弁座13に当接するときの衝撃を緩和することができる。
S103の後、処理はS104へ移行する。
S104では、ECU8は、印加電圧を所定の期間一定に保ち、その後、インナーニードル40が着座位置に位置する時点(時刻t9)まで印加電圧を徐々に減少させる。図4のL1に示すように、時刻t7からt8にかけて印加電圧は一定に保たれ、時刻t8からt9にかけて印加電圧は徐々に減少される。
上述のように、ECU8は、印加電圧を減少させる度合いを、時刻t5からt6までの期間と時刻t6からt9までの期間との間で変化させることによりピエゾ駆動体6の単位時間あたりの収縮率を変化させる。そのため、時刻t6からt9までの期間のインナーニードル40の着座方向への移動速度は、時刻t5からt6までの期間の移動速度に比べて小さくなる。すなわち、このとき、ECU40は、速度低減手段として機能する。これにより、インナーニードル40が弁座13に当接してから(時刻t6の直後)、インナーニードル40が着座位置に位置するまで(時刻t9)の期間のインナーニードル40の滑りの速度を低減することができる。
S104の後、処理はS105へ移行する。
S105では、ECU8は、印加電圧の値が閾値V2以下かどうかを判断する。印加電圧の値は閾値V2以下であると判断した場合(S105:Y)、処理はS106へ以降する。一方、印加電圧の値は閾値V2以下ではない、すなわちV2よりも大きいと判断した場合(S105:N)、処理はS105へ戻る。つまり、印加電圧の値が閾値V2よりも大きい間は、S105が繰り返し実行される。ここで、閾値V2とは、アウターニードル30が弁座13に当接する直前の時点における印加電圧の値である。閾値V2は、閾値V1と同様、RAMに記憶された印加電圧とニードルリフト量との対応関係を示す特性データから推定される、印加電圧に対するアウターニードル30の着座位置からの距離に基づいて設定されている。
S106では、ECU8は、S103での処理と同様、印加電圧を瞬間的に上昇させる。これにより、収縮途中であったピエゾ駆動体6は伸長動作に転じる。これにより、アウターニードル30の着座方向への移動速度が変化する。
図4のL1に示すように、時刻t9の時点でインナーニードル40は着座位置にあるため、第2噴孔群からの燃料の噴射は停止する。時刻t9以降は第1噴孔群のみから燃料が噴射される。時刻t10以降に印加電圧が減少され、時刻t11の時点(アウターニードル30が弁座13に当接する直前の時点)で印加電圧が閾値V2以下となったことが判断される(S105:Y)と、ECU8は印加電圧を上昇させる(S106)。これにより、L2およびL3からわかるように、アウターニードル30の着座方向への移動速度が変化する。すなわち、時刻t11後のアウターニードル30の移動速度は、時刻t11までの移動速度に比べて小さくなる。これにより、アウターニードル30が弁座13に当接するときの衝撃を緩和することができる。
S106の後、処理はS107へ移行する。
S107では、ECU8は、印加電圧を所定の期間一定に保ち、その後、アウターニードル30が着座位置に位置する時点(時刻t14)まで印加電圧を徐々に減少させる。図4のL1に示すように、時刻t12からt13にかけて印加電圧は一定に保たれ、時刻t13からt14にかけて印加電圧は徐々に減少される。
上述のように、ECU8は、印加電圧を減少させる度合いを、時刻t10からt11までの期間と時刻t11からt14までの期間との間で変化させることによりピエゾ駆動体6の単位時間あたりの収縮率を変化させる。そのため、時刻t11からt14までの期間のアウターニードル30の着座方向への移動速度は、時刻t10からt11までの期間の移動速度に比べて小さくなる。すなわち、このとき、ECU40は、速度低減手段として機能する。これにより、アウターニードル30が弁座13に当接してから(時刻t11の直後)、アウターニードル30が着座位置に位置するまで(時刻t14)の期間のアウターニードル30の滑りの速度を低減することができる。つまり、第1アウターニードル31の、第1当接部としての壁面34aが弁座13に当接した位置(図2(A)参照)から第2当接部としての壁面34bが弁座13に当接して着座位置に位置する(図2(B)参照)までの期間のシート部34の滑りの速度を低減することができる。
なお、S106およびS107において印加電圧を瞬間的に上昇させ、その後印加電圧を一定に保ち、さらにアウターニードル30が着座位置に位置する時点まで印加電圧を徐々に減少させる期間(時刻t11からt14までの期間)は、S103およびS104において印加電圧を瞬間的に上昇させ、その後印加電圧を一定に保ち、さらにインナーニードル40が着座位置に位置する時点まで印加電圧を徐々に減少させる期間(時刻t6からt9までの期間)よりも長くなるように設定されている。すなわち、ECU8は、インナーニードル40の着座方向への移動速度の低減の度合いよりもアウターニードル30の着座方向への移動速度の低減の度合いのほうが大きくなるように、ピエゾ駆動体6を制御する。
時刻t14の時点でアウターニードル30が弁座13に着座すると、第1噴孔群からの燃料噴射が停止する。これにより、燃料噴射装置1からの燃料の噴射が終了する。
S107の処理が完了すると、ニードル3の駆動制御処理が終了する。その後、引き続きニードル3の駆動制御を行うために、再び図3に示すニードル3の駆動制御処理が開始され、S101の処理が実行される。
上述のように、第1実施形態では、アウターニードル30およびインナーニードル40のそれぞれについて、離座位置から着座位置へ移動するとき、弁座13との衝撃を緩和する制御を行うとともに、弁座13に当接してから着座位置まで滑るときの移動速度を低減する制御を行う。
以上説明したように、第1実施形態では、ECU8は、ニードル3が離座位置から着座位置まで移動する途中、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を減少させる度合いを変化させてピエゾ駆動体6の単位時間あたりの収縮率を変化させることにより、ニードル3の着座方向への移動速度を低減する速度低減手段として機能する。これにより、ニードル3が弁座13に当接するときのニードル3の速度、またはニードル3が弁座13に当接した後のニードル3の滑りの速度を低減することができる。そのため、ニードル3が弁座13に当接するときの衝撃を緩和すること、またはニードル3および弁座13の摩耗を抑制することができる。その結果、ニードル3を構成するアウターニードル30およびインナーニードル40と弁座13とが摩耗することによる、燃料噴射装置1の開弁時期や開弁時間などの経時的な変化を抑制できる。したがって、燃料噴射装置1の噴射性能の経時劣化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、ECU8は、インナーニードル40の着座方向への移動速度の低減の度合いよりもアウターニードル30の着座方向への移動速度の低減の度合いのほうが大きくなるように、ピエゾ駆動体6を制御する。これにより、アウターニードル30への弁座13からの衝撃またはアウターニードル30の摩耗を効果的に抑制することができる。特に、アウターニードル30は、円筒状のためインナーニードル40に比べて強度が低く、また、弁座13に当接した後の滑りの量が多い。したがって、本実施形態では、アウターニードル30の摩耗による開弁時期や開弁時間などの経時的な変化を効果的に抑制でき、燃料噴射装置1の噴射性能の経時劣化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、ECU8は、ニードル3が離座位置から着座位置へ移動する途中、ニードル3が弁座13に当接する直前の時点で、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を上昇させてピエゾ駆動体6を伸長させることにより、ニードル3の着座方向への移動速度を前記時点において変化させる。すなわち、前記時点後のニードル3の移動速度は、前記時点までのニードル3の移動速度に比べて小さくなる。これにより、ニードル3が弁座13に当接するときの衝撃を緩和することができる。したがって、ニードル3の破損や摩耗を効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態による燃料噴射装置の駆動体は、ピエゾ素子を複数積層することにより構成されるピエゾ駆動体6である。ピエゾ駆動体6は、印加される電圧に比例して伸長し、印加される電圧に対する応答性が高いという特徴を有する。そのため、ECU8は、ピエゾ駆動体6の作動を高精度に制御することができる。これにより、ECU8がニードル3の着座方向への移動速度を低減させるとき、所定のタイミングで、かつ、高精度に移動速度を低減させることができる。したがって、ニードル3が離座位置から着座位置まで移動するときのニードル3の破損や摩耗を効果的に抑制することができる。
さらに、第1実施形態では、ECU8は、第1当接部としての端面34aまたは第2当接部としての端面34bの少なくとも一方が弁座13に当接したときに、アウターニードル30の着座方向への移動速度の低減を開始する。これにより、アウターニードル30が弁座13に対して滑るときの移動速度を低減することができる。したがって、滑りにより生じ得るアウターニードル30および弁座13の摩耗を効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料噴射装置を図に基づいて説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図5に第2実施形態による燃料噴射装置の一部を示す。第2実施形態では、ニードル47は、第1実施形態のインナーニードルに相当する。すなわち、第2実施形態では、ニードル47は、第1実施形態のようにアウターニードルとインナーニードルとからなる構成ではなく、インナーニードルに相当する部材のみからなる。
ニードル47は、ノズルボディ2の内部を軸方向に往復移動可能に設けられている。ニードル47は、圧力制御室81の燃料圧力が上昇すると離座方向へリフトする。ニードル47の噴孔12側端部には、シート部48が形成されている。ニードル47は、シート部48がノズルボディ2の弁座13に着座することにより、噴孔12に連絡する燃料溜り室71を遮断する。これにより、噴孔12からの燃料の噴射が停止される。また、ニードル47は、シート部48が弁座13から離座することにより、燃料溜り室71を開放する。これにより、噴孔12から燃料が噴射される。
次に、ECU8によるニードル47の駆動制御処理について図6および図7を用いて説明する。
図6に示すニードル47の駆動制御処理のフローは、第1実施形態のニードルの駆動制御処理と同様、車両の運転を開始したときに開始される。また、ニードル47の駆動制御処理は、図6に示す一連の処理を実行することにより一旦終了するが、終了後、再び処理の先頭から開始される。
ニードル47の駆動制御処理が開始されると、ECU8は、先ずS201を実行する。
S201では、ECU8は、印加電圧が時間の経過にともなって減少しているかどうか、すなわち印加電圧の勾配が負であるかどうかを判断する。印加電圧の勾配が負であると判断した場合(S201:Y)、処理はS202へ移行する。一方、印加電圧の勾配は負ではないと判断した場合(S201:N)、処理はS201へ戻る。すなわち、印加電圧の勾配が0または正の場合、S201が繰り返し実行される。
このときの処理について、図7を用いて説明する。図7において、L4は、印加電圧の時間経過にともなう変化を示している。L5は、ニードル47のニードルリフト量、すなわちニードル47の着座位置からの距離の時間経過にともなう変化を示している。
時刻t21からt22にかけて印加電圧が増大すると、これにともなって圧力制御室81の燃料圧力が上昇し、ニードル47が離座方向へ移動する。これにより、噴孔12からの燃料の噴射が開始される。時刻t22からt23にかけては、印加電圧は一定であり、ニードル47の着座位置からの距離も一定である。時刻t23からt24にかけて印加電圧が減少すると、これにともなって圧力制御室81の燃料圧力が低下し、ニードル47が着座方向へ移動する。
時刻t21からt23までは、印加電圧の勾配は正または0であるため、ECU8によりS201が繰り返し実行される。時刻t23以降では、印加電圧の勾配は負であるため、ECU8による処理はS202へ移行する。
S202では、ECU8は、印加電圧の値が閾値V3以下かどうかを判断する。印加電圧の値は閾値V3以下であると判断した場合(S202:Y)、処理はS203へ移行する。一方、印加電圧の値は閾値V3以下ではない、すなわちV3よりも大きいと判断した場合(S202:N)、処理はS202へ戻る。つまり、印加電圧の値が閾値V3よりも大きい間は、S202が繰り返し実行される。ここで、閾値V3とは、ニードル47が弁座13に当接する直前の時点における印加電圧の値である。閾値V3は、RAMに記憶された印加電圧とニードルリフト量との対応関係を示す特性データから推定される、印加電圧に対するニードル47の着座位置からの距離に基づいて設定されている。
S203では、ECU8は、印加電圧を瞬間的に上昇させる。これにより、収縮途中であったピエゾ駆動体6は伸長動作に転じる。そのため、圧力が低下途中であった圧力制御室81の燃料圧力は上昇し、ニードル47は離座方向へ付勢される。その結果、ニードル47の着座方向への移動速度が変化する。
例えば図7のL4に示すように、時刻t24の時点(ニードル47が弁座13に当接する直前の時点)で印加電圧が閾値V3以下となったことが判断される(S202:Y)と、ECU8は印加電圧を上昇させる(S203)。これにより、L5からわかるように、ニードル47の着座方向への移動速度が変化する。すなわち、時刻t24後のニードル47の移動速度は、時刻t24までの移動速度に比べて小さくなる。これにより、ニードル47が弁座13に当接するときの衝撃を緩和することができる。
S203の後、処理はS204へ移行する。
S204では、ECU8は、印加電圧を所定の期間一定に保ち、その後、ニードル47が着座位置に位置する時点(時刻t27)まで印加電圧を徐々に減少させる。図7のL4に示すように、時刻t25からt26にかけて印加電圧は一定に保たれ、時刻t26からt27にかけて印加電圧は徐々に減少される。
上述のように、ECU8は、印加電圧を減少させる度合いを、時刻t23からt24までの期間と時刻t24からt27までの期間との間で変化させることによりピエゾ駆動体6の単位時間あたりの収縮率を変化させる。そのため、時刻t24からt27までの期間のニードル47の着座方向への移動速度は、時刻t23からt24までの期間の移動速度に比べて小さくなる。すなわち、このとき、ECU40は、速度低減手段として機能する。これにより、ニードル47が弁座13に当接してから(時刻t24の直後)、ニードル47が着座位置に位置するまで(時刻t27)の期間のニードル47の滑りの速度を低減することができる。
時刻t27の時点でニードル47が弁座13に着座すると、噴孔12からの燃料噴射が停止する。これにより、燃料噴射装置からの燃料の噴射が終了する。
S204の処理が完了すると、ニードル47の駆動制御処理が終了する。その後、引き続きニードル47の駆動制御を行うために、再び図6に示すニードル47の駆動制御処理が開始され、S201の処理が実行される。
上述のように、第2実施形態では、ニードル47が離座位置から着座位置へ移動するとき、ニードル47と弁座13との衝撃を緩和する制御を行うとともに、ニードル47が弁座13に当接してから着座位置まで滑るときの移動速度を低減する制御を行う。
以上説明したように、第2実施形態では、ECU8は、ニードル47が離座位置から着座位置まで移動する途中、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を減少させる度合いを変化させてピエゾ駆動体6の単位時間あたりの収縮率を変化させることにより、ニードル47の着座方向への移動速度を低減する速度低減手段として機能する。これにより、ニードル47が弁座13に当接するときのニードル47の速度、またはニードル47が弁座13に当接した後のニードル47の滑りの速度を低減することができる。そのため、ニードル47が弁座13に当接するときの衝撃を緩和すること、またはニードル47および弁座13の摩耗を抑制することができる。その結果、ニードル47と弁座13とが摩耗することによる、燃料噴射装置の開弁時期や開弁時間などの経時的な変化を抑制できる。したがって、第1実施形態と同様、燃料噴射装置の噴射性能の経時劣化を抑制することができる。
また、第2実施形態では、ECU8は、ニードル47が離座位置から着座位置へ移動する途中、ニードル47が弁座13に当接する直前の時点で、ピエゾ駆動体6に印加する電圧を上昇させてピエゾ駆動体6を伸長させることにより、ニードル47の着座方向への移動速度を前記時点において変化させる。すなわち、前記時点後のニードル47の移動速度は、前記時点までのニードル47の移動速度に比べて小さくなる。これにより、ニードル47が弁座13に当接するときの衝撃を緩和することができる。したがって、ニードル47の破損や摩耗を効果的に抑制することができる。
(その他の実施形態)
上述の第1実施形態では、インナーニードルおよびアウターニードルに対して、弁座との衝撃を緩和する制御、および弁座に当接してから着座位置まで滑るときの移動速度を低減する制御を行う例を示した。本発明のその他の実施形態では、インナーニードルに対しては上記制御を行わず、アウターニードルに対してのみ上記制御を行うこととしてもよい。アウターニードルは、その形状により、インナーニードルに比べて摩耗しやすい。そのため、アウターニードルに対してのみ上記制御を行うこととしても、ニードルの摩耗を抑制する効果は十分に発揮することができる。
上述の複数の実施形態では、ニードルに対して、弁座との衝撃を緩和する制御、および弁座に当接してから着座位置まで滑るときの移動速度を低減する制御の二つの制御を行う例を示した。本発明のその他の実施形態では、ニードルと弁座との衝撃を緩和する制御、すなわちニードルが弁座に当接する直前に印加電圧を瞬間的に上昇させる処理を行わず、ニードルが弁座に当接してから着座位置まで滑るときの移動速度を低減する制御、すなわち印加電圧を減少させる度合いを変化させて駆動体の単位時間あたりの収縮率を変化させる制御のみを行うこととしてもよい。この制御のみ行うこととしても、ニードルと弁座との摩耗を抑制することができる。
また、上述の複数の実施形態では、駆動体としてピエゾスタックを用いた例について説明した。本発明のその他の実施形態では、印加される電圧に応じて変位量が変化するその他の電歪素子、磁歪素子あるいはリニアソレノイドなどを適用してもよい。
さらに、上述の複数の実施形態では、燃料噴射装置をコモンレール式のディーゼルエンジンに適用した例について説明した。本発明のその他の実施形態では、他の形式のディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンに適用してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を示す断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の噴孔の近傍を示す部分断面図。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置のニードルの駆動制御処理を示すフローチャート。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の駆動体に印加する電圧の時間経過にともなう変化、およびニードルのリフト量の時間経過にともなう変化を示すタイミングチャート。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の噴孔の近傍を示す部分断面図。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置のニードルの駆動制御処理を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の駆動体に印加する電圧の時間経過にともなう変化、およびニードルのリフト量の時間経過にともなう変化を示すタイミングチャート。
符号の説明
1:燃料噴射装置、2:ノズルボディ、3:ニードル、5:ピストン、6:ピエゾ駆動体(駆動体)、8:ECU(制御部、速度低減手段)、11、12:噴孔、13:弁座、16、17:スプリング(ニードル付勢部材)、18:皿ばね(ピストン付勢部材)、19:スプリング(ピストン付勢部材)、21:第1ボディ(ノズルボディ)、22:第2ボディ(ノズルボディ)、23:第3ボディ(ノズルボディ)、24:第4ボディ(ノズルボディ)、25:第5ボディ(ノズルボディ)、30:アウターニードル(ニードル)、31:第1アウターニードル(ニードル)、32:第2アウターニードル(ニードル)、33:第3アウターニードル(ニードル)、40:インナーニードル(ニードル)、41:第1インナーニードル(ニードル)、42:第2インナーニードル(ニードル)、43:第3インナーニードル(ニードル)、51:第1ピストン(ピストン)、52:第2ピストン(ピストン)、70:燃料通路、81:圧力制御室(燃料圧力制御系統)、82:加圧室(燃料圧力制御系統)

Claims (6)

  1. 噴孔、弁座、および前記噴孔に連絡する燃料通路を有するノズルボディと、
    前記ノズルボディの内部を軸方向に往復移動し、前記弁座に着座することにより前記燃料通路を遮断し、前記弁座から離座することにより前記燃料通路を開放するニードルと、
    前記ニードルを着座方向へ付勢するニードル付勢部材と、
    前記ノズルボディの内部を往復移動するピストンと、
    内部の燃料の圧力が高まると前記ニードルを前記ニードル付勢部材の付勢力に抗して離座方向へ付勢する圧力制御室と、当該圧力制御室に連通し前記ピストンによって内部の燃料が加圧される加圧室と、を有する燃料圧力制御系統と、
    前記加圧室の圧力が低下する方向に前記ピストンを付勢するピストン付勢部材と、
    電圧を印加されて伸長することにより、前記ピストン付勢部材の付勢力に抗して前記加圧室を昇圧する方向に前記ピストンを押圧する駆動体と、
    前記駆動体に印加する電圧を変化させることにより、前記加圧室および前記圧力制御室の圧力を変化させる制御部とを備え、
    前記制御部は、前記ニードルが離座位置から着座位置まで移動する途中、前記駆動体に印加する電圧を減少させる度合いを変化させて前記駆動体の単位時間あたりの収縮率を変化させることにより、前記ニードルの着座方向への移動速度を低減する速度低減手段を有することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記ノズルボディの噴孔は、第1噴孔群と、前記第1噴孔群より軸中心に近い第2噴孔群とからなり、
    前記ニードルは、前記第1噴孔群を開閉する円筒状のアウターニードルと、前記アウターニードルの内側に収容され前記第2噴孔群を開閉するインナーニードルとからなることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 前記制御部は、前記速度低減手段による前記インナーニードルの着座方向への移動速度の低減の度合いよりも前記アウターニードルの着座方向への移動速度の低減の度合いのほうが大きくなるように、前記駆動体を制御することを特徴とする請求項2記載の燃料噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記ニードルが離座位置から着座位置へ移動する途中、前記ニードルが前記弁座に当接する直前の時点で、前記駆動体に印加する電圧を上昇させて前記駆動体を伸長させることにより、前記ニードルの着座方向への移動速度を前記時点において変化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射装置。
  5. 前記駆動体は、ピエゾ素子を複数積層することにより構成されるピエゾ駆動体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の燃料噴射装置。
  6. 前記アウターニードルは、前記弁座に当接可能な第1当接部と、前記弁座に当接可能で前記第1当接部とともに前記弁座に当接することにより前記第1噴孔群を閉塞可能な第2当接部とを有し、
    前記制御部は、前記アウターニードルが離座位置から着座位置へ移動する途中、前記第1当接部または前記第2当接部の少なくとも一方が前記弁座に当接したときに、前記アウターニードルの着座方向への移動速度の低減を開始することを特徴とする請求項2から5のいずれか一項記載の燃料噴射装置。
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