以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、画像形成装置の概略構成図である。
画像形成装置1は、読み取り対象の画像を読み取る画像読取部4と画像を形成する画像形成部4を備える。また、画像形成装置1は、タッチパネル式の表示部6と各種の操作キー7とを有する操作パネル5を備える。
操作パネル5の操作キー7は、例えば、テンキー、リセットキー、ストップキー、スタートキー等を有する。また、表示部6では、例えば、用紙サイズやコピー枚数、印刷濃度設定、綴じ・折り等の各種指示が入力される。
画像読取部4は、原稿載置台8、キャリッジ9、露光ランプ10、反射ミラー11、結像レンズ12、CCD13(Charge Coupled Device)を備える。CCD13は、反射光を取り込んで電気信号へ換える光電変換素子である。また、原稿載置台8の上方には、読取位置へ原稿を搬送する自動原稿送り装置30がある。
画像形成部4は、転写体としての中間転写ベルト14と、中間転写ベルト14に沿って並んで配置されるイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー(記録材料)に対応する4つのプロセスユニット16Y、16M、16C、16Kを備える。
プロセスユニット16Kは像担持体としての感光体18K、感光体18K上に静電潜像を形成するレーザーユニット20K、感光体18Kの周囲に順次に配役された帯電装置22K、現像装置24K、中間転写ベルト14を挟んで感光体ドラム8Kと対向する一次転写装置26K、クリーナ27K、除電ランプ28Kを備える。プロセスユニット16Y、16M、16Cも上記プロセスユニット16Kと同様の構成である。以下、ブラック(K)のプロセスユニット16Kを参照に説明する。
まず、原稿が原稿載置台8の読取位置に載置される、もしくは自動原稿送り装置30が原稿を読取位置へ搬送する。続いて、キャリッジ9が支持する露光ランプ10が原稿載置台8の下方から原稿へ光を当てる。原稿からの反射光を反射ミラー11が結像レンズ12へ誘導する。結像レンズ12は、原稿からの反射光の像を収束し、CCD13へ投影する。CCD13は、反射光を取り込み、原稿の画像情報をアナログ信号で出力する。CCD13が送信した電気信号は、デジタル信号に変換される。レーザーユニット20Kが画像処理を施されたデジタル信号を受信する。
画像形成部4において画像形成が始まると、帯電装置22Kは回転する感光体18Kの外周面を帯電する。帯電装置22Kによって軸方向に均一の電位に帯電された感光体18Kの外周面に、静電潜像を形成するために、画像処理が施されたデジタル信号に従ってレーザーユニット20Kがレーザービームを照射する。現像装置24Kが感光体18Kの外周面にブラックの現像剤(例えばトナー)を供給し、静電潜像をトナー(K)像に現像する。一次転写装置26Kは、トナー(K)像を静電的に中間転写ベルト14へ転写する。
転写されずに感光体18K上に残ったトナーを、一次転写装置26Kよりも感光体18Kの回転方向の下流にあるクリーナ27Kが除去する。感光体18Kの外周面の残留電荷は、クリーナ27よりも感光体18Kの回転方向の下流で除電ランプ28Kが除去する。カラー画像形成では、以上の動作をプロセスユニット16Y、16M、16Cが同様に行なう。
中間転写ベルト14に転写されたトナー像は、搬送路34を通って給紙装置32より搬送される用紙へ、二次転写装置36が静電的に転写する。定着装置38は、トナー像を用紙に定着する。トナー画像が定着された用紙を、搬送ローラ40が分岐部材42へ搬送する。
分岐部材42は、用紙の処理に基づいて、用紙を反転ローラ44、あるいは搬送ローラ54へ案内する。分岐部材42が用紙を反転ローラ44へ案内すると、反転ローラ44、分岐部材46、搬送ローラ48が用紙を排紙ローラ50へ搬送し、排紙ローラ50が用紙を上段排紙トレイ52へ排出する。
両面印刷をする場合には、分岐部材42が用紙を反転ローラ44へ案内し、反転ローラ44が逆回転し、用紙を分岐部材54へ搬送する。分岐部材54は、用紙を搬送ローラ56へ案内し、搬送ローラ56が二次転写装置36へ用紙を搬送する。この結果、搬送された用紙の反対側の面に、二次転写装置36がトナー像を転写する。定着装置38がこのトナー像を用紙へ定着する。また、用紙のサイズが大きい場合(例えば、A3サイズ紙)、分岐部材46がA3サイズ紙を反転ペーパパスへ案内し、反転ローラ44が逆回転してA3サイズ紙を分岐部材54へ搬送する。
分岐部材42が用紙を搬送ローラ60へ案内すると、搬送ローラ60が用紙を搬出ローラ62へ搬送し、搬出ローラ62が用紙を用紙後処理装置100へ排出する。なお、ここでいう用紙とは、例えば、普通紙、厚紙、薄紙、光沢紙またはOHPシートなどをいう。
図2は、用紙後処理装置の概略図である。用紙後処理装置100は、入口ローラ102と、分岐部材104と、排紙ローラ106と、出口ローラ108と、待機トレイ(第1の支持部材)110と、待機ローラ(第1の排出部材)112と、処理トレイ(第2の支持部材)114と、整合部材116と、ステイプラ118と、用紙束排出部材(第2の排出部材)120と、固定トレイ107と、可動トレイ(積載部材)122と、を備える。
入口ローラ102は、画像形成装置1にて画像形成された用紙を受け取り、分岐部材104へ搬送する。分岐部材104は、用紙を排紙ローラ106、あるいは出口ローラ108へ案内する。
分岐部材104が用紙を排紙ローラ106へ案内すると、排紙ローラ106は用紙を固定トレイ307へ排出する。一方、分岐部材104が用紙を出口ローラ108へ案内すると、出口ローラ108は、用紙を待機トレイ110へ搬送する。
待機トレイ110は、搬送される用紙を一時的に複数枚保持するものである。また、待機トレイ110は、用紙を所定の枚数支持すると、支持する用紙を処理トレイ114へ落とす。
処理トレイ114は、待機トレイ110が落とす用紙を受け止める。処理トレイ114は、用紙が整合・ステイプル処理される間、積載される用紙を支持する。整合部材116は、処理トレイ114上の用紙束の搬送方向に交差する横方向を整合する。ステイプラ118は整合された用紙束の端部を綴じる。用紙束排出部材120は、綴じられた用紙束を可動トレイ122へ排出する。なお、ステイプラ118で用紙束を綴じずに、整合部材116が用紙束を整合した後で、紙束排出部材120が用紙束を可動トレイ122へ排出してもよい。
可動トレイ122は上下に移動する。検知部材124は、可動トレイ122の上面あるいは可動トレイ122上に積載された用紙の最上面を検知する。検知部材群125は可動トレイ122の位置を検出する。可動トレイ122は、待機トレイ110からの排紙、処理トレイ114からの排紙、用紙の積載量に応じて昇降する。また、可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面あるいは可動トレイ122上に積載された用紙の最上面を検知する位置で排出される用紙を受け止める。
可動トレイ122は、例えば、用紙が1枚あるいは複数枚排出されると、下方向へ移動する。検知部材124が可動トレイ122上に積載された用紙の最上面を検知しなくなると、可動トレイ122は、上方向へ移動する。可動トレイ122は、検知部材124が可動トレイ122上に積載された用紙の最上面を検知する位置まで移動し、排出される用紙を積載する。また、検知部材126は、搬送される用紙を検知する。
なお、待機トレイ110は、支持する用紙を処理トレイ114へ落とさず、直接可動トレイ122方向へ搬送し、排出することもできる。この場合、待機トレイ110および待機ローラ112は、用紙を待機トレイ110上に停止させずに、一枚ずつ可動トレイ122へ排出する。
図3は、待機トレイ周りの構成を示す概略斜視図である。図4は、待機トレイおよび待機ローラの駆動機構を説明する概略図である。
分岐部材104は用紙を出口ローラ108へ案内する。用紙は、分岐部材104から出口ローラ108へ搬送ガイド127に沿って搬送される。搬送ガイド127は搬送ガイド127aおよび127bを有する。用紙は、搬送ガイド127aおよび127bの間を、図の矢印Aに示すように移動する。出口ローラ108は、分岐部材104から搬送されてきた用紙を待機トレイ110へ搬送する。
待機トレイ110は一対の支持部材で構成され、水平面に対して用紙の搬送方向下流側が搬送方向上流側より高くなるよう傾斜して配置される。待機トレイ110は、用紙の搬送方向に交差する用紙幅方向(以下、用紙の幅方向)の両側から用紙の一部を支持する。待機トレイ110の下流側には待機ローラ112が設けられる。また、待機トレイ110の下側には処理トレイ114および整合部材116が配置される。
待機トレイ110は、駆動機構128によって図4の矢印C、あるいは矢印Dのように、用紙の幅方向にそれぞれ逆向きに移動する。駆動機構128は、モータM1と、プーリ130、132と、ベルト134とを有する。モータM1は、例えば、ステッピングモータでよい。プーリ130、132はベルト134を巻架する。待機トレイ110の一対の支持部材は、それぞれ取付部材136、138によってベルト134に取り付けられる。一対の支持部材の一方が、プーリ130、132を挟んで向かい合うベルト134の片側に取り付けられる場合には、一対の支持部材の他方は、プーリ130、132を挟んで反対側のベルト134に取り付けられる。モータM1はプーリ130を介してベルト134を回す。ベルト134は待機トレイ110を動かす。
待機ローラ112は、用紙の幅方向に伸びるシャフト140に取り付けられる。待機ローラ112は、図示しないリフト機構によってシャフト140を介して回転自在に支持される。また待機ローラ112は、不図示のリフト機構によって待機トレイ110から離間、あるいは、待機トレイ110へ接触する。待機ローラ112は、駆動機構142により回転する。駆動機構142は、モータM2と、ギア144、145、146、と、を有する。ギア146は、シャフト140の端部に取り付けられる。モータM2の動力がギア144、145、146を介して待機ローラ112のシャフト140に伝わると、待機ローラ112が回転する。
検知部材148は、待機トレイ110の用紙の幅方向の位置を検知する。検知部材148は、例えばマイクロセンサやマイクロアクチュエータ等でよい。本実施の形態では、検知部材148は、待機トレイ110が、用紙の幅方向に最大に開いた状態(ホームポジション、以下、HP)にあることを検知する。待機トレイ110の位置は、HPを基準に、モータM1に与えるパルス数によって制御される。待機トレイ110は、用紙の面と接触する部分の端縁間の距離が、用紙の幅より狭い第1の間隔を有する閉状態(第1の状態)、および第1の間隔よりも広い第2の間隔の開状態(第2の状態)を採る。待機トレイ110は、第1の間隔の閉状態において、用紙を支持あるいは案内する。待機トレイ110は、第2の間隔の開状態において、用紙を処理トレイ114へ落とす。第1の間隔、および第2の間隔は、用紙サイズによって定めてよい。
待機トレイ110は、上記のように用紙を処理トレイ114へ落下させることができる一方、図3の矢印Bに示すように、待機ローラ112によって処理トレイ114へ用紙を落下させずに可動トレイ122へ排出することができる。
次に、図5を用いて処理トレイ周りの構成を説明する。処理トレイ114は、待機トレイ110の下側に配置される。処理トレイ114は、用紙を支持する積載面を有する。また、処理トレイ114の近傍には整合部材116、ステイプラ118、用紙束排出部材120が配置される。
整合部材116は、処理トレイ114上の用紙束の搬送方向に交差する横方向を整合する。整合部材116は、一対の整合板150、160と、この整合板150、160それぞれに設けられる横架部材152、162と、整合板150、160を用紙の幅方向へ互いに逆向きにスライドさせるモータM3、M4とを有する。整合板150は、処理トレイ114上の用紙の幅方向の端部と当接する整合面を有する。整合板150の整合面は、処理トレイ114の積載面に対してほぼ垂直に配置される。横架部材152、162はギアと噛合するラックを有する。モータM3およびM4は、それぞれギア154、164を有する。ギア154および164はそれぞれ横架部材152および162のラックと噛合する。モータM3およびM4が駆動すると、整合板150、160が用紙の幅方向へ互いに逆向きにスライドする。モータM3およびM4は、例えばステッピングモータでよい。
整合部材116の整合板150、160の用紙の幅方向の位置は、検知部材156、166が検知する。検知部材156、166は、例えばマイクロセンサやマイクロアクチュエータ等でよい。本実施の形態では、検知部材156、166は、整合部材116が、用紙の幅方向に最大に開いた状態(ホームポジション、以下、HP)にあることを検知する。整合部材116の位置は、HPを基準に、モータM3、M4に与えるパルス数によって制御される。整合部材116は、整合板150、160の整合面の間の距離が、用紙の幅以上(第3の間隔)の隙間を有する開状態、および第3の間隔よりも狭い第4の間隔の閉状態を採る。整合部材116は、第4の間隔の閉状態において、用紙を整合する。第3の間隔、および第4の間隔は、用紙サイズによって定まる。
ステイプラ118は、整合部材116が整合した用紙束の端部を綴じる。ステイプラ118はシャフト168に沿って移動し、所定の綴じ位置で用紙束を綴じる。ステイプラ118による綴じ位置は、主制御部200の指示に基づき制御部210が制御する。ユーザーは、操作パネル5あるいはPC(Personal Computer)から綴じ位置を設定できる。
用紙束排出部材120は、処理トレイ114上の用紙束を可動トレイ122へ排出する。用紙束排出部材120は、ローラ170、172と、ベルト174と、ガイド176を有する。ローラ170、172は、ベルト174を巻架する。ガイド176はベルト174に取り付けられる。ローラ170は、シャフト180を介して回転する。ローラ172は、シャフト182を介して回転する。シャフト180および182の端部にはプーリ184が取り付けられる。プーリ184およびモータM5はベルト186を介して接続される。ガイド176は、可動トレイ122へ向かって移動し、処理トレイ114上の用紙束を可動トレイ122へ押し出す。ガイド176の位置は、検知部材188が検知する。検知部材188は、例えばマイクロセンサやマイクロアクチュエータ等でよい。また、搬送ローラ190は、シャフト180に取り付けられる。搬送ローラ190は、用紙束の移動を補助する。なお、搬送ローラ186がシャフト180に取り付けられ、ローラ170と連動して回転するとしてもよい。
待機トレイ110は、例えば、図20に示すような形態であってもよい。図20(a)に示すように、待機トレイ110は、用紙を支持する部分の端縁間の距離が用紙の幅より狭い第1の状態で用紙を支持する。ついで、図20(b)に示すように、待機トレイ110は、用紙を支持する部分が留め部材300を支点に回動して用紙を支持する部材の端縁間の距離が第1の間隔よりも広い第2の間隔の第2の状態で用紙を落とす。
図6は画像形成装置および用紙後処理装置の制御系の概略ブロック図である。画像形成装置1は、主制御部200を有する。主制御部200は、画像読取部4、画像形成部4、操作パネル5、および用紙後処理装置100の制御部210を制御する。主制御部200はさらに、画像データを補正したり圧縮したり伸張する。主制御部200はさらに、圧縮された画像データや印刷データ等を記憶する。主制御部200はさらに、画像形成装置1の外部にあるPC220と通信する。
用紙後処理装置100の制御部210は、記憶部212を有する。記憶部212は、制御プログラム等を格納するROM(Read Only Memory)や制御に伴う演算の作業領域のRAM(Random Access Memory)である。制御部210は、主制御部200からの指示に基づき、入口ローラ102、分岐部材104、排紙ローラ106、出口ローラ108、といった搬送部材や、待機トレイ110、待機ローラ112、整合部材116、ステイプラ118、用紙束排出部材120、可動トレイ122、モータM1乃至M5を制御する。また、制御部210は各検知部材を制御する。
(用紙の排紙先について)
用紙の排紙先、すなわち、上段排紙トレイ52、固定トレイ107、可動トレイ122のどこへ用紙を排紙するかは、用紙の部数、コピー/プリンタ機能、ソート、綴じといった処理条件に基づいて主制御部200および制御部210が判断するように設定しても良い。
図7は、主制御部200が行う排紙先判断の一例を説明するフローチャートである。図8は、制御部210が行う排紙先判断の一例を説明するフローチャートである。
主制御部200は、操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成のジョブを受け取ると、701においてジョブがコピーであるかプリンタであるかを判断する。コピージョブである場合には(701のYes)、702において画像形成の部数が1部であるかを判断する。部数が1部である場合には(702のYes)、703においてステイプル118によって綴じるステイプルソートの設定か否かを判断する。ステイプルソートの設定である場合には(703のYes)、主制御部200は、704において用紙を用紙後処理装置100へ搬送する(以下、処理A)。
ジョブがコピージョブ、且つ1部ではあるがステイプルソートが設定されていない場合には(703のNo)、主制御部は、705において用紙の排紙先を画像形成装置1の上段排紙トレイ52とする。
ジョブがコピージョブであり、部数が複数部である場合(702のNo)、主制御部200は、706において用紙を用紙後処理装置100へ搬送する(以下、処理B)。また、ジョブがコピージョブでない場合(701のNo)、主制御部200は、707において用紙を用紙後処理装置100へ搬送する(以下、処理C)。
用紙が用紙後処理装置100へ搬送されると、制御部210が用紙を固定トレイ107、可動トレイ122のいずれへ排紙するかを判断する。704あるいは、707の判断に基いて用紙が用紙後処理装置100へ搬送された場合、制御部210は用紙の排紙先を可動トレイ122とする(801)。一方、706の判断に基いて用紙が用紙後処理装置100へ搬送された場合には、制御部200は、802においてジョブがノンソートであるか否かを判断する。ジョブがノンソートである場合(802のYes)、制御部200は、803において用紙の排紙先を固定トレイ107とする。一方、ノンソートで無い場合(802のNo)、制御部210は用紙の排紙先を可動トレイ122とする。
上記の説明では、用紙の部数、コピー/プリンタ機能、ソート、綴じといった処理条件に基づいて、主制御部200および制御部210が判断するとして説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、さらに片面印刷/両面印刷、頁数といった条件を付加してもよい。また、上記条件の組合せに基いて決定される用紙の排紙先は一例であり、メーカーが設定してもユーザーが変更してもよい。
また、上記の説明では、まず主制御部200が用紙の搬送先を判断し、用紙が用紙後処理装置100へ搬送される場合には、用紙の搬送先の判断を制御部200が引き継ぐとして説明しが、例えば、主制御部200が用紙後処理装置100上の排紙先を含む用紙の排紙先を判断するとしても良い。あるいは、ユーザーが操作パネル5から直接排紙先を選択しても良い。
(可動トレイへの排紙:待機トレイのバッファ制御)
続いて用紙後処理装置100の可動トレイ122へ用紙を排紙する処理について説明する。用紙を可動トレイ122へ排紙する際の処理としては、例えば、用紙束をステイプラ118で綴じるステイプル処理、用紙を揃えるソート処理がある。処理トレイ114上で用紙が整合、綴じ、あるいは、排出される間、画像形成装置1から次々搬送される用紙を待機トレイ110が複数枚、待機(buffer)させることで、用紙処理時間を確保し、画像形成及び用紙の後処理の一連のパフォーマンスを向上させることができる。図9は待機トレイのバッファ制御を説明するためのフローチャートである。以下、一例として、ステイプル処理が指示された場合を説明する。また、フローチャートでは、用紙束の総枚数をK、待機トレイ110上へ待機させる用紙の枚数をL(K>L)、用紙束の総枚数Kの内、待機トレイ110へ搬送した用紙の枚数をkとする。Lあるいはkの枚数は、例えば、制御部210が検知部材126が検知する用紙をカウントすればよい。
制御部210は、ステイプル処理が指示された用紙の排紙先を可動トレイ122と判断する(901)。入口ローラ102が画像形成装置1から1枚目の用紙を用紙後処理装置100内へ搬送すると、分岐部材104および出口ローラ108が用紙を待機トレイ110へ搬送する(902)。
用紙の先端が待機ローラ112近くまで搬送されると、待機ローラ112は待機トレイ110から離間する(903)。1枚目の用紙が出口ローラ108によりさらに搬送されると、待機ローラ112は待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙へ当接し、用紙を待機トレイ110へ押さえ付ける(904)。これにより、1枚目の用紙を待機トレイ110上で安定して保持させる。制御部210は、待機トレイ110上に用紙がL枚保持されるまで902乃至904を繰り返す(905)。
905において、待機トレイ110上に用紙がL枚保持されると、制御部210は、待機トレイ110が保持するL枚の用紙を処理トレイ114上に落下させる(906)。L枚の用紙を処理トレイ114へ落下させると、制御部210は、後続の用紙を待機トレイ110に一時的に排出・積載させて一枚毎に処理トレイ114上に落下させる(907)。なお、待機トレイ110は、水平面に対して用紙の搬送方向下流側が搬送方向上流側より高くなるよう傾斜して配置される。従って、用紙は、用紙の後端側から処理トレイ114へ落下することになるので、用紙の処理トレイ114上での用紙搬送方向の整合(縦整合)が良好なものとなる。また、908において、整合部材116が用紙束の横方向の整合を行う。
制御部210は、1つの用紙束の総枚数Kの内、待機トレイ110へ搬送した用紙の枚数kをカウントする。909において、制御部210は、値kが値Kと等しいか、すなわち、待機トレイ110へ搬送した用紙が最終頁か否かを判断する。k=Kで無い場合には、制御部110は、907へ戻り、後続の用紙を一時的に排出・積載させて一枚毎に処理トレイ114上に落下させる。k=Kである場合には、ステイプラ118が用紙束の端部を綴じる(910)。用紙束が綴じられると、用紙束排出部材120が綴じられた用紙束を可動トレイ122へ排出する(911)。
なお、907において一枚毎に処理トレイ114上に用紙を落下させるとしたが、905と同様に、待機トレイ110上に用紙をN枚保持してから処理トレイ114上へ落下させるとしてもよい。
図10(A)乃至10(L)を用いて、待機トレイ110へ用紙をN枚待機させる処理を詳述する。図10(A)乃至17(L)は、一例として、待機トレイ110へ3枚の用紙が積載されるまでの様子を模式的に示す図である。なお、図10(B)乃至10(L)では、部材の記号を省略する。
出口ローラ108から排出される1枚目の用紙P1の先端が待機ローラ112近傍に搬送されると、待機ローラ112が上昇して待機トレイ110から離間する(図10(A)参照)。これにより、搬送されてきた1枚目の用紙の先端が、待機ローラ112へぶつかるのを防ぐ。また、待機ローラ112は、待機トレイから離間した状態で搬送方向に回転している。
用紙P1が出口ローラ108によりさらに搬送されると、待機ローラ112は、待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙P1の先端部へ当接する(図10(B)参照)。
待機ローラ112は、待機トレイ110上の用紙P1をさらに搬送する。用紙P1は出口ローラ108から排出されて待機トレイ110上に積載される。用紙P1が待機トレイ110へ積載されると、制御部210は待機ローラ112の回転を停止する(図10(C)参照)。
用紙P1が待機トレイ110へ積載された後、制御部210は、待機ローラ112を数パルス(例えば、1〜5パルス)程度、逆回転させる。用紙P1は、待機ローラ112により、傾斜して配置される待機トレイ110の低くなっている方向(搬送方向上流側)へ移動する。制御部210は、用紙の後端を保持する部材であるチャック192を回動させる。チャック192は、用紙P1の後端を保持する(図10(D)参照)。なお、チャック192は、用紙の後端を掴む構成であっても、用紙を待機トレイ110へ留める構成であっても良い。用紙P1は、待機ローラ112およびチャック192により、安定して待機トレイ110上に保持される。
出口ローラ108から排出される2枚目の用紙P2の先端が待機ローラ112近傍に搬送されると、待機ローラ112は、排出される用紙P2の先端がローラへ当たらないように用紙P1から離間する(図10(E)参照)。また、待機ローラ112は、待機トレイ110から離間した状態で搬送方向に回転している。これにより、仮に排出された用紙P2の先端が待機ローラ112へ衝突したとしても、紙ジャムの発生を防ぐことができる。
用紙P2が出口ローラ108によりさらに搬送されると、制御部210はチャック192を回動させ、用紙P1の後端の保持を解除させる。2枚目の用紙P2の先端と3枚目の用紙P3の先端がほぼ重なった時点で用紙P2が出口ローラ108によりさらに搬送されると、待機ローラ112は、待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙P2の先端部へ当接する(図10(F)参照)。
待機ローラ112が用紙P2に当接するタイミングとしては、用紙P2の先端が用紙P1の先端から搬送方向上流側に所定の位置、例えば10mmずれた位置としてよい。用紙P1の先端が用紙P2の先端より搬送方向下流側にくる状態で待機ローラ112が用紙P2に当接することで、用紙P1および用紙P2は、この用紙の先端がずれた状態を保ちながら搬送方向下流側へ移動する。用紙P2の後端が出口ローラ108から排出されると、用紙P2が待機トレイ110上に積載される(図10(G)参照)。
制御部210は、例えば、検知部材126が用紙の先端あるいは後端を検知してから所定時間経過した後、チャック192を回動あるいは、待機ローラ112を移動させる。あるいは、制御部210は、検知部材126が用紙の先端あるいは後端を検知してから、出口ローラ108を駆動するモータを所定のパルス数駆動した後で、チャック192を回動、あるいは待機ローラ112を移動させてもよい。
用紙P2が待機トレイ110へ積載された後、制御部210は、待機ローラ112を数パルス逆回転させる。用紙P1およびP2は、待機ローラ112により、傾斜して配置される待機トレイ110の低くなっている方向へ移動する(図10(H)参照)。
制御部210は、用紙の後端を保持する部材であるチャック192を回動させる。チャック192は、用紙P1の時と同様に用紙P2の後端を保持する。用紙P1および用紙P2は、待機ローラ112およびチャック192により、安定して待機トレイ110上に保持される。また、出口ローラ108から排出される3枚目の用紙P3の先端が待機ローラ112近傍に搬送されると、待機ローラ112は、排出される用紙P2の先端がローラへ当たらないように用紙P2から離間する。また、待機ローラ112は、待機トレイ110から離間した状態で搬送方向に回転している(図10(I)参照)。
用紙P3が出口ローラ108によりさらに搬送されると、制御部210はチャック192を回動させ、用紙P2の後端の保持を解除させる。用紙P3が出口ローラ108によりさらに搬送されると、待機ローラ112は、待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙P3の先端部へ当接する(図10(J)参照)。待機ローラ112が用紙P3に当接するタイミングとしては、用紙P3の先端が用紙P2の先端とほぼ重なる位置としてよい。制御部210は、例えば、検知部材126が用紙の先端あるいは後端を検知してからの時間あるいは、モータを駆動するパルス数に基いてチャック192を回動、あるいは待機ローラ112を移動させる。
待機ローラ112は、用紙P1の先端の位置が用紙P1上へ積載される用紙P2およびP3の先端の位置より搬送方向下流側にくる状態を保ちながら、用紙P1、P2およびP3を搬送方向下流側へ動かす(図10(K)参照)。制御部210は、例えば、待機ローラ112が用紙を待機トレイ側へ下降させてから、モータM2を所定のパルス数駆動して、用紙P1、P2、P3を搬送方向下流へ所定の距離動かす。
用紙P1、P2、P3が搬送方向下流へ移動した後、制御部210は、モータM2を所定のパルス数駆動して待機ローラ112を逆回転させる。用紙P1およびP2は、待機ローラ112により、傾斜して配置される待機トレイ110の低くなっている方向へ移動する(図10(L)参照)。
(可動トレイへの排紙:排紙制御)
用紙を可動トレイ122へ排紙する際の処理には、上記処理のほか、処理トレイ114を介さず用紙を直接可動トレイ122へ排出する処理がある。ステイプルやソートをしないジョブ、例えば、画像形成装置1において、1頁のみの原稿を複数部数印刷するジョブが行なわれると、用紙後処理装置100では、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110で停止・落下することなく、一枚ずつ可動トレイ122へ排出する。本願の実施の形態では、ステイプルやソートといった処理をしない場合において、所定の閾値あるいは設定値に基き、用紙を1枚ずつ待機トレイ110から可動トレイ122へ排出する処理と待機トレイ110が用紙を処理トレイ114へ落としてから用紙を可動トレイ122へ排出する処理とを切り替える。以下、用紙を可動トレイ122へ排紙する制御において、トナー像の張り付きを抑える排紙制御について説明する。
(排紙制御の第1の実施の形態)
図11は、排紙制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。1110において操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。また、画像形成装置1は用紙へ画像を形成する。入口ローラ102は、画像形成された用紙を画像形成装置1から用紙後処理装置100内へ搬送する。入口ローラ102は、用紙を分岐部材104へ搬送する。分岐部材104は、用紙を出口ローラ108へ案内する。出口ローラ108は、用紙を第1の間隔の閉状態で待機する待機トレイ110へ搬出する。
1120において、制御部210は、値Mが値Nより大きいか否かを判断する。値Mは可動トレイ122へ出力されることになる用紙の枚数である。用紙の出力枚数Mは、操作部パネル5あるいはPC220を介してユーザーが設定する。例えば、1頁のみの原稿である場合には、値Mは印刷部数として設定されるとしてよい。値Nは、所定の出力枚数として設定される基準値(閾値)であり、初期設定値としてメーカーが定めればよい。初期設定値は、理論式あるいは実験結果からもとめればよい。または、ユーザーあるいは特定の管理者が操作部パネル5あるいはPC220を介して設定できるとしてもよい。値Nは、例えば、500、1000、・・・3000といった比較的大きい値でよい。ここで、値Nより小さい値を第1の値、値Nより大きい値を第2の値とする。
出力枚数Mが値Nより小さい第1の値であれば(1120のNo)、1130において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。すなわち、出口ローラ108から排出され待機トレイ110上を搬送される用紙の先端が待機ローラ112近傍に来ると、待機ローラ112が上昇して待機トレイ110から離間する。続いて、出口ローラ108が用紙をさらに搬送すると、待機ローラ112は、待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙P1の先端部へ当接する。待機ローラ112は、用紙を搬送して閉状態の待機トレイ110から可動トレイ122へ排出する。
一方、出力枚数Mが値Nあるいは値Nより大きい第2の値であれば(1120のYes)、1140において待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。すなわち、出口ローラ108から排出され待機トレイ110上を搬送される用紙の先端が待機ローラ112近傍に来ると、待機ローラ112が上昇して待機トレイ110から離間する。続いて、出口ローラ108が用紙をさらに搬送すると、待機ローラ112は、待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙P1の先端部へ当接する。用紙が待機トレイ110上へ完全に搬送されると、待機ローラ112は逆回転して、傾斜して配置される待機トレイ110の低くなっている方向へ用紙を搬送する。待機トレイ110は、用紙の幅方向移動して第2の間隔の開状態を取り、用紙を処理トレイ114へ落とす。
処理トレイ114が用紙を受け止めると、1150において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。
本実施の形態では、用紙を1枚ずつ可動トレイ122へ排出する処理において、待機トレイ110が用紙を処理トレイ114へ落としてから用紙を可動トレイ122へ排出する。したがって、用紙は空中を落下することにより十分に冷やされるので、用紙が可動トレイ122へ大量に積載されても用紙間のトナー像が貼り付くことがない。なお、値Mは、原稿が複数頁あれば、設定された出力部数と原稿頁数から決定されるとしても良い。
(排紙制御の第2の実施の形態)
両面印刷あるいはカラー印刷で定着され、可動トレイ122上に排出された用紙は、用紙間のトナー像が貼り付きやすい。そこで、可動トレイ122への用紙の排紙制御の別の実施の形態を説明する。図12は、排紙制御の別の実施の形態を説明するためのフローチャートである。なお、本実施の形態においても、用紙は1枚ずつ可動トレイ122へ排出される。
1210において、操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。1220において、制御部210は、印刷方式が両面印刷か否かを判断する。
片面印刷であるならば、(1220のNo)、1230において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。一方、両面印刷であるならば(1220のYes)、1240において制御部210は印刷方式がカラー印刷か否かを判断する。
モノクロ(あるいはモノカラー)印刷であるならば、(1240のNo)、1230において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。カラー印刷であるならば(1240のYes)、1250において、待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。
処理トレイ114が用紙を受け止めると、1260において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。なお、印刷方式は、操作部パネル5あるいはPC220を介してユーザーが設定する。
本実施の形態では、前述の実施の形態と同様に、用紙は待機トレイ110から処理トレイ114へ落下することにより十分に冷やされるので、可動トレイ122上において用紙間のトナー像が貼り付くことがない。なお、1220、1240の順序は逆であっても良い。また、制御部210は、1220あるいは1240の少なくとも一方を判断するとしても良い。また、1220あるいは1240の前後のいずれかにおいて、図11の1120のように、制御部210が用紙の出力枚数Mが値Nより大きいか否かを判断してもよい。
(排紙制御の第3の実施の形態)
さらに、可動トレイ122への排紙制御の別の実施の形態を説明する。図13は、排紙制御の別の実施の形態を説明するためのフローチャートである。なお、本実施の形態においても、用紙は1枚ずつ可動トレイ122へ排出される。
操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、1310において可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。1320において、制御部210は、主制御部200から印刷方式を取得する。印刷方式は、例えば、両面印刷、モノクロ/カラー等である。1330において、制御部210は、主制御部200が取得する原稿画像の印字率mを主制御部200から取得する。1340において、制御部210は、印字率mが値nより大きいか否かを判断する。値nは、所定の印字率として設定される基準値(閾値)であり、例えば、両面印刷、モノクロ/カラー等の印刷方式に基づいてルックアップテーブル(Lookup table)形式で定めればよい。値nは、片面印刷よりも両面印刷のほうが小さく、また、モノクロ(モノカラー)印刷よりもカラー印刷の方が小さい値をとる。印刷方式と値nの対応関係が記述されるルックアップテーブルは、主制御部200あるいは制御部210が有するROM(Read Only Memory)や、HDD(Hard disk drive)等の記憶装置に格納すればよい。ルックアップテーブルの値nは、ユーザーあるいは特定の管理者が操作部パネル5あるいはPC220を介して設定できる。あるいは、出荷時から固定値であっても良い。ここで、値nより小さい値を第3の値、第3の値より大きい値を第4の値とする。
印字率mが値nより小さい第3の値であれば(1340のNo)、1350において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。印字率mが値nあるいは値nより大きい第4の値であれば(1340のYes)、1360において、制御部210は、用紙の出力枚数Mが値Nより大きいか否かを判断する。
出力枚数Mが値Nより小さければ(1360のNo)、1350において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。出力枚数Mが値Nあるいは値Nより大きければ(1360のYes)、1370において、待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。
処理トレイ114が用紙を受け止めると、1380において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。
本実施の形態では、前述の実施の形態と同様に、用紙は空中を落下することにより十分に冷やされるので、可動トレイ122上において用紙間のトナー像が貼り付くことがない。また、単純に用紙の部数ではなく、印字率を用いて処理トレイ114経由の搬送に切り替えることにより、適切にスループットの低下を抑えることができる。なお、1340、1360の順序は逆であっても良い。あるいは、1360における制御部210の判断を行なわなくともよい。
(排紙制御の第4の実施の形態)
さらに、可動トレイ122への排紙制御の別の実施の形態を説明する。図14は、用紙の排出動作を説明するためのフローチャートである。本実施の形態では、ジョブの途中で排紙方法が待機トレイ110からの直接排紙から、処理トレイ114経由の排紙へ切り替わる。なお、本実施の形態においても、用紙は1枚ずつ可動トレイ122へ排出される。
操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、1410において、
可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。1420において、出口ローラ108が用紙を待機トレイ110へ搬送すると、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。1430において、制御部210は可動トレイ122に積載される用紙の高さHを取得する。本実施の形態では、可動トレイ122は、検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置で用紙を受け止める。したがって、制御部210は検知部材群125が検出する可動トレイ122の位置に基づいて用紙の高さHを取得する。なお、用紙の高さを検出するセンサを別途も受けても良い。あるいは、用紙の高さHは、出力枚数から計算されるとしてもよい。
1440において、制御部210は、高さHが値Iより大きいか否かを判断する。値Iは、所定の高さとして設定される基準値(閾値)であり、初期設定値としてメーカーが定めればよい。初期設定値は、理論式あるいは実験結果からもとめればよい。または、ユーザーあるいは特定の管理者が操作部パネル5あるいはPC220を介して設定できるとしてもよい。ここで、前述の値Nと同様に、値Iより小さい値を第1の値、第1の値より大きい値を第2の値とする。
高さHが値Iより小さい第1の値であれば(1440のNo)、1420において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。高さHが値Iあるいは値Iより大きい第2の値であれば(1440のYes)、1450において、待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。処理トレイ114が用紙を受け止めると、1460において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。
本実施の形態では、前述の実施の形態と同様に、可動トレイ122上における用紙間のトナー像の張り付きを防止することができる。また、用紙の積載高さHおよび値Iに基づいて、ジョブの途中で処理トレイ114を経由する搬送に切り替えることにより、極端なスループットの低下を抑えることができる。また、1430および1440は、ジョブ毎に行なわれるとしても良い。
また、用紙の積載高さHおよび値Iの変わりに、用紙の出力枚数M’および値Nを用いても良い。例えば、1430において、搬送される用紙を検知部材126が検知し、制御部210が出力枚数の値M’をカウントする。1440において、制御部210は値M’が値Nより大きいか否かを判断する。
(排紙制御の第5の実施の形態)
さらに、可動トレイ122への排紙制御の別の実施の形態を説明する。図15は、排紙制御の別の実施の形態を説明するためのフローチャートである。なお、本実施の形態においても、用紙は1枚ずつ可動トレイ122へ排出される。
操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、1510において、
可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。1520において、制御部210は、主制御部200から印刷方式を取得する。印刷方式は、例えば、両面印刷、モノクロ/カラー等である。1530において、制御部210は、主制御部200から原稿画像の印字率mを取得する。1540において、制御部210は値Jを取得する。値Jは、所定の高さとして設定される基準値(閾値)であり、例えば、片面/両面印刷、モノクロ/カラー等の印刷方式、および印字率mに基づいて決定される。
値Jの取得方法の一例を示す。kは印字率係数である。
値Lは、例えば、片面/両面印刷、モノクロ/カラー等の印刷方式に基づいて表1から決定される。値Lは、初期設定値としてメーカーが定めればよい。または、ユーザーあるいは特定の管理者が操作部パネル5あるいはPC220を介して設定できるとしてもよい。
1550において、出口ローラ108が用紙を待機トレイ110へ搬送すると、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。1560において、制御部210は可動トレイ122に積載される用紙の高さHを取得する。1570において、制御部210は、高さHが値Jより大きいか否かを判断する。ここで、前述の値N、値Iと同様に、値Jより小さい値を第1の値、第1の値より大きい値を第2の値とする。
高さHが値Jより小さい第1の値であれば(1570のNo)、1550へ戻り、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。高さHが値J、あるいは値Jより大きい第2の値であれば(1570のYes)、1580において、待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。処理トレイ114が用紙を受け止めると、1590において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。
本実施の形態では、前述の実施の形態と同様の効果を奏する。また、印刷方式および印字率mに基づいて、より適切に所定の高さJを求めることができる。したがって、用紙の積載高さHおよび値Jに基づいて、ジョブの途中で処理トレイ114経由の搬送に切り替えることにより、より適切にスループットの低下を抑えることができる。
なお、値Jは、印字率m、印字係数を用いず、片面/両面印刷、モノクロ/カラー等の印刷方式に基づく値Lと等しいとしても良い。
また、用紙の積載高さHおよび値Jの変わりに、前述のように用紙の出力枚数M’および値Nを用いても良い。例えば、値Nは、両面印刷、モノクロ/カラー等の印刷方式あるいは印字率mに基づいてルックアップテーブル形式で定まるとしてよい。
(排紙制御の第6の実施の形態)
さらに、可動トレイ122へ排紙制御の別の実施の形態を説明する。図16は、用紙の処理トレイ114経由の排紙動作を説明するためのフローチャートである。なお、本実施の形態においても、用紙は1枚ずつ可動トレイ122へ排出される。
操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、1610において、
可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。制御部210は、図11乃至図15に示す排紙制御の第1乃至第5の実施の形態に示すように、所定の閾値に基づいて処理トレイ114へ用紙を落とすか否かを決定する(例えば、図11の1120や図12の1220、1240等)。1620において、待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。処理トレイ114が用紙を受け止めると、1630において、整合部材116が処理トレイ114上の用紙1枚の搬送方向に交差する幅方向を整合する。1640において、用紙束排出部材120が整合された用紙を可動トレイ122へ排出する。
本実施の形態では、前述の実施の形態と同様の効果を奏する。加えて、処理トレイ114を経由する場合、用紙の横方向を整合するのでスキュー(用紙搬送方向に直交する用紙の幅方向からの傾き)が発生することがない。すなわち、用紙の横方向を整合してから可動トレイ122へ排出することにより用紙積載の整合性が向上し、可動トレイ122に大量に積載された用紙が崩れ落ちるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態の制御は、トナー像の張り付きの問題が小さい、あるいは全く無い装置に対しても有効である。
例えば、図17に示すように、操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、1710において、可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。1720において、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。1730において、制御部210は可動トレイ122に積載される用紙の高さHを取得する。1740において、制御部210は、高さHが値Iより大きいか否かを判断する。高さHが値Iより小さければ(1740のNo)、1720に戻り、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。高さHが値Iあるいは値Iより大きければ(1740のYes)、1750において、待機トレイ110は用紙を処理トレイ114へ落とす。処理トレイ114が用紙を受け止めると、1760において、整合部材116が処理トレイ114上の用紙1枚の搬送方向に交差する横方向を整合する。1770において、用紙束排出部材120が整合された用紙を可動トレイ122へ排出する。
すなわち、用紙の横方向を整合してから可動トレイ122へ排出することにより、可動トレイ122に大量に積載された用紙が崩れ落ちるのを防ぐことができる。
(排紙制御の第7の実施の形態)
さらに、可動トレイ122へ排紙制御の別の実施の形態を説明する。上記第1乃至第6の実施の形態では用紙を1枚ずつ可動トレイ122へ排出する制御を説明したが、本実施の形態では用紙は複数枚ずつ可動トレイ122へ排出される制御を説明する。図18は、用紙の処理トレイ114経由の排紙動作を説明するためのフローチャートである。
図18は、排紙制御動作の一例を説明するためのフローチャートである。1810において操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。また、画像形成装置1は用紙へ画像を形成する。入口ローラ102は、画像形成された用紙を画像形成装置1から用紙後処理装置100内へ搬送する。入口ローラ102は、用紙を分岐部材104へ搬送する。分岐部材104は、用紙を出口ローラ108へ案内する。出口ローラ108は、用紙を第1の間隔の閉状態で待機する待機トレイ110へ搬出する。
1820において、制御部210は、値Mが値Nより大きいか否かを判断する。値Mは可動トレイ122へ出力されることになる用紙の枚数である。用紙の出力枚数Mは、操作部パネル5あるいはPC220を介してユーザーが設定する。例えば、1頁のみの原稿である場合には、値Mは印刷部数として設定されるとしてよい。値Nは、所定の出力枚数として設定される基準値(閾値)であり、初期設定値としてメーカーが定めればよい。初期設定値は、理論式あるいは実験結果からもとめればよい。または、ユーザーあるいは特定の管理者が操作部パネル5あるいはPC220を介して設定できるとしてもよい。値Nは、例えば、500、1000、・・・3000といった比較的大きい値でよい。ここで、値Nより小さい値を第1の値、値Nより大きい値を第2の値とする。
出力枚数Mが値Nより小さい第1の値であれば(1820のNo)、1830において待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。すなわち、出口ローラ108から排出され待機トレイ110上を搬送される用紙の先端が待機ローラ112近傍に来ると、待機ローラ112が上昇して待機トレイ110から離間する。続いて、出口ローラ108が用紙をさらに搬送すると、待機ローラ112は、待機トレイ110へ近づいて待機トレイ110上の用紙P1の先端部へ当接する。待機ローラ112は、用紙を搬送して閉状態の待機トレイ110から可動トレイ122へ排出する。
一方、出力枚数Mが値Nあるいは値Nより大きい第2の値であれば(1820のYes)、1840において待機トレイ110は用紙をL枚保持する。1840において用紙をL枚保持すると、待機トレイ110は、保持するL枚の用紙を処理トレイ114へ落とす(1850)。待機トレイ110は、後続の用紙についてもL枚保持する毎に、処理トレイ114へ落とす。
処理トレイ114が用紙を受け止めると、1850において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。なお、用紙束排出部材120は、処理トレイ114へ用紙がL枚ずつ積載されるたびに可動トレイ122へ排出しても、ジョブ中の用紙が全て処理トレイ114へ積載された後でまとめて可動トレイ122へ排出してもよい。
本実施の形態では、通常、用紙を1枚ずつ可動トレイ122へ排出する処理を、閾値に基いて処理トレイ114へ落下させる場合には、複数枚ずつ落下させて排出する処理とする。これにより、
前述の実施の形態と同様の効果を奏する。
(排紙制御の第8の実施の形態)
さらに、可動トレイ122への排紙制御の別の実施の形態を説明する。図19は、用紙の排出動作を説明するためのフローチャートである。本実施の形態では、ジョブの途中で排紙方法が待機トレイ110からの直接排紙から、処理トレイ114経由の排紙へ切り替わる。
操作部パネル5あるいはPC220からの指示により画像形成が開始すると、1910において、
可動トレイ122は検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置まで移動する。1920において、出口ローラ108が用紙を待機トレイ110へ搬送すると、待機ローラ112が用紙を待機トレイ110から可動トレイ122へ一枚ずつ直接排出する。1930において、制御部210は可動トレイ122に積載される用紙の高さHを取得する。本実施の形態では、可動トレイ122は、検知部材124が可動トレイ122の上面を検知する位置で用紙を受け止める。したがって、制御部210は検知部材群125が検出する可動トレイ122の位置に基づいて用紙の高さHを取得する。なお、用紙の高さを検出するセンサを別途も受けても良い。あるいは、用紙の高さHは、出力枚数から計算されるとしてもよい。
1940において、制御部210は、高さHが値Iより大きいか否かを判断する。値Iは、所定の高さとして設定される基準値(閾値)であり、初期設定値としてメーカーが定めればよい。初期設定値は、理論式あるいは実験結果からもとめればよい。または、ユーザーあるいは特定の管理者が操作部パネル5あるいはPC220を介して設定できるとしてもよい。ここで、前述の値Nと同様に、値Iより小さい値を第1の値、第1の値より大きい値を第2の値とする。
高さHが値Iより小さい第1の値であれば(1940のNo)、1920において待機ローラ112が用紙を1枚ずつ待機トレイ110から可動トレイ122へ直接排出する。高さHが値Iあるいは値Iより大きい第2の値であれば(1940のYes)、1950において待機トレイ110は用紙をL枚保持する。1950において用紙をL枚保持すると、待機トレイ110は、保持するL枚の用紙を処理トレイ114へ落とす(1960)。待機トレイ110は、後続の用紙についてもL枚保持する毎に、処理トレイ114へ落とす。
処理トレイ114が用紙を受け止めると、1970において、用紙束排出部材120が用紙を可動トレイ122へ排出する。なお、用紙束排出部材120は、処理トレイ114へ用紙がL枚ずつ積載されるたびに可動トレイ122へ排出しても、ジョブ中の用紙が全て処理トレイ114へ積載された後でまとめて可動トレイ122へ排出してもよい。
複数枚ずつ可動トレイ122へ排出する制御は上記第7、第8の実施の形態に限定されるものではなく、上記第1乃至第6の実施の形態のいずれへも適用してよい。
以上、上記実施の形態の用紙後処理装置100が接続される電子写真方式の画像形成装置1は定着装置38を有する。しかしながら、画像形成装置1は、必ずしも定着装置38を備えなくて良い。例えば、画像形成装置1は、画像形成部2にインクジェット方式を用いても良い。用紙上のインクが十分に乾く前にトレイに積載されると、用紙間のインク像が貼り付いてしまう虞がある。また、用紙がトレイへ大量に積載されると、用紙の自重によって押しつぶされインク像の張り付きの問題は大きくなる。特に、画像形成装置や用紙後処理装置の処理速度(PPM)が速くなるとインク像の張り付きの虞は大きくなる。しがしながら、上記実施の形態の排紙制御によれば、用紙は空中を落下することにより十分に乾かされる。したがって、可動トレイ122上において用紙間のインク像の貼り付きを抑えることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々、組合せ、変形して実施することが可能である。