JP2010018159A - 燃料タンクの波消し構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料の波消し効果(揺動音低減効果)を大きくすることを可能にするとともに、燃料タンクに設置するときの汎用性に富むとともに、燃料タンクに容易に取付けることを可能にする。
【解決手段】燃料タンク11内に配置され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する燃料タンクの波消し構造体70において、この波消し構造体70は、略円筒状のガイド部材72と、このガイド部材72の内側に収納され、燃料が揺動した際に波消しをする波消し本体部71とから構成する。
【選択図】図3
【解決手段】燃料タンク11内に配置され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する燃料タンクの波消し構造体70において、この波消し構造体70は、略円筒状のガイド部材72と、このガイド部材72の内側に収納され、燃料が揺動した際に波消しをする波消し本体部71とから構成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する燃料タンクの波消し構造体に関するものである。
燃料タンクの波消し構造体として、燃料の揺動音を低減する波消し構造体(アブソーバ)を内蔵したものが知られている。
この種の燃料タンクの波消し構造体は、樹脂のブロー成形でタンクを成形する際に、タンクの壁面を張り出させ、燃料の揺動音を抑える波消し構造体(アブソーバ)を一体的に形成するもの、別体の波消し構造体をパリソン内に挿入し、ブロー成形時にタンク内面に固定するもの、若しくは別体の波消し構造体をブロー成形後にタンク内面に固定するものなどがある。
この種の燃料タンクの波消し構造体は、樹脂のブロー成形でタンクを成形する際に、タンクの壁面を張り出させ、燃料の揺動音を抑える波消し構造体(アブソーバ)を一体的に形成するもの、別体の波消し構造体をパリソン内に挿入し、ブロー成形時にタンク内面に固定するもの、若しくは別体の波消し構造体をブロー成形後にタンク内面に固定するものなどがある。
このような燃料タンクの波消し構造体として、枠体に繊維状の樹脂材料の波消し構造体を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−139169号公報
特許文献1の燃料タンクは、燃料タンクが半割りとされた上下のタンク本体と、これらのタンク本体に組立時に挟み込むようにした波消し構造体(アブソーバ)とからなり、波消し構造体は、上下のタンク本体に挟み込まれる枠体と、この枠体の開口部に取付けられ、繊維状の樹脂材料で構成された波消し本体部とから構成されたものである。
しかし、燃料タンクの波消し構造体では、枠体の開口部に繊維状の樹脂材料を絡ませただけなので、弾性(柔軟性)も乏しく、燃料の流動に対して繊維状の樹脂材料がなびく可能性もあり、燃料の流動に対する抗力が小さいと考えられ、燃料の揺動音低減効果が少ない。
また、燃料タンクの波消し構造体では、枠体の開口部に繊維状の樹脂材料を絡ませたものなので、燃料タンクに挿入する際に形状、大きさ、設置場所の制約が大きく、波消し構造体を製作するために、特別な製造方法も必要である。
さらに、枠体の開口部に繊維状の樹脂材料を絡ませたものなので、枠体に対する固定方法も簡単ではない。
また、燃料タンクの波消し構造体では、枠体の開口部に繊維状の樹脂材料を絡ませたものなので、燃料タンクに挿入する際に形状、大きさ、設置場所の制約が大きく、波消し構造体を製作するために、特別な製造方法も必要である。
さらに、枠体の開口部に繊維状の樹脂材料を絡ませたものなので、枠体に対する固定方法も簡単ではない。
本発明は、燃料の波消し効果(揺動音低減効果)が大きく、燃料タンクに設置するときの汎用性に富むとともに、燃料タンクに取付けやすい燃料タンクの波消し構造体を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、燃料タンク内に配置され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する燃料タンクの波消し構造体において、この波消し構造体は、略円筒状のガイド部材と、このガイド部材の内側に収納され、燃料が揺動した際に波消しをする波消し本体部とからなり、ガイド部材が、波消し本体部により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材の弾性力は、波消し本体部の弾性力と比べて低く設定されたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、波消し本体部が、略円筒状のガイド部材を軸方向に直交させて切断するときに、花びら状の断面を呈し、ガイド部材に膨出させる力を付与したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、波消し本体部が、略円筒状のガイド部材を軸方向に直交させて切断するときに、波形の断面を呈し、ガイド部材に膨出させる力を付与したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、波消し本体部が、略球形の状態でガイド部材に収納されたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、波消し構造体が、略円筒状のガイド部材と、このガイド部材の内側に収納され、燃料が揺動した際に波消しをする波消し本体部とから構成された。例えば、ガイド部材に弾性を有する素材を用いることで、波消し本体部の略円筒状のガイド部材を被せるだけで波消し本体部にガイド部材を支持することができる。この結果、ガイド部材の取付性の向上を図ることができる。
また、ガイド部材及び波消し本体部に弾性を有する素材を用いることで、波消し本体部を弾性変形させた状態で、ガイド部材に波消し本体部を収納することができる。この結果、燃料が流動したときの波消し本体部の抗力を増すことができ、燃料の流動で燃料表面近くに発生する波を打ち消す波消し効果(燃料の流動で発生する揺動音を低減する揺動音低減効果)の増大を図ることができる。
さらに、ガイド部材が、波消し本体部により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材の弾性力は、波消し本体部の弾性力と比べて低く設定されたので、波消し本体部に適度の弾性変形を加えて波消し本体部をガイド部材に収納することができる。この結果、燃料が流動したときの波消し本体部の抗力を増すことができ、燃料の流動で燃料表面近くに発生する波を打ち消す波消し効果、若しくは燃料の流動で発生する揺動音を低減する揺動音低減効果の増大を図ることができる。
また、ガイド部材及び波消し本体部に弾性を有する素材を用いることで、波消し本体部を弾性変形させた状態で、ガイド部材に波消し本体部を収納することができる。この結果、燃料が流動したときの波消し本体部の抗力を増すことができ、燃料の流動で燃料表面近くに発生する波を打ち消す波消し効果(燃料の流動で発生する揺動音を低減する揺動音低減効果)の増大を図ることができる。
さらに、ガイド部材が、波消し本体部により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材の弾性力は、波消し本体部の弾性力と比べて低く設定されたので、波消し本体部に適度の弾性変形を加えて波消し本体部をガイド部材に収納することができる。この結果、燃料が流動したときの波消し本体部の抗力を増すことができ、燃料の流動で燃料表面近くに発生する波を打ち消す波消し効果、若しくは燃料の流動で発生する揺動音を低減する揺動音低減効果の増大を図ることができる。
請求項2に係る発明では、波消し本体部が、略円筒状のガイド部材を軸方向に直交させて切断するときに、花びら状の断面を呈し、ガイド部材に膨出させる力を付与したので、ガイド部材を均等に膨出させることができる。
請求項3に係る発明では、波消し本体部が、略円筒状のガイド部材を軸方向に直交させて切断するときに、波形の断面を呈するようにしたので、ガイド部材を容易に形成することができる。
請求項4に係る発明では、波消し本体部が、略球形の状態でガイド部材に収納されたので、波消し本体部にどの方向から向かう燃料の流動に対しても、均等に揺動音低減効果を発揮させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1(a),(b)は本発明に係る燃料タンクの波消し構造体を採用した燃料タンクの平面図であり、(a)に燃料タンクの平面が示され、(b)に波消しユニットの平面が示される。図2は図1の2−2線断面図である。
図1(a),(b)は本発明に係る燃料タンクの波消し構造体を採用した燃料タンクの平面図であり、(a)に燃料タンクの平面が示され、(b)に波消しユニットの平面が示される。図2は図1の2−2線断面図である。
燃料タンク11は、樹脂で成形したタンク本体(樹脂タンク本体)12と、タンク本体12の天板部13に接続している燃料供給管14と、タンク本体12内に設けたタンク内機能部品15と、波消しユニット(緩衝部材)16とを備えている。
タンク本体12は、下方へ向け配置されている底板部21(図2参照)と、底板部21に連なっている側板部22と、側板部22に連なり底板部21に対向している天板部13とからなる。側板部22は、車両の前方へ向け配置されている前側部24、前側部24に連なる左側部25、右側部26、これらの左側部25及び右側部26に連なる後側部27とからなる。
タンク本体12は、例えば、プロペラシャフト31との干渉を避けるように、車両の幅方向(X軸方向)の中央にアーチ状の連絡流路部32を形成している鞍型構造で、左(一方)に配置した主室34と、右(他方)に配置した副室35とが形成されている。
天板部13には、燃料供給管14を接続している供給管接続部36やタンク外配置部品(図に示していない)やタンク内機能部品15を取付けるための第1開口部37、第2開口部38、その他の開口部39が複数形成されている。
天板部13には、燃料供給管14を接続している供給管接続部36やタンク外配置部品(図に示していない)やタンク内機能部品15を取付けるための第1開口部37、第2開口部38、その他の開口部39が複数形成されている。
タンク内機能部品15は、副室35から主室34に燃料を汲上げる汲上げポンプ41と、主室34からエンジン(不図示)に燃料を供給する燃料供給ポンプ42と、汲上げポンプ41と燃料供給ポンプ42との間に設ける支持部材(トランスファーチューブ)44とを備える。
支持部材44は、変形自在な樹脂製のチューブであり、第1開口部37又は第2開口部38からタンク本体12内に配置されているとともに、一端45が燃料供給ポンプ42に接続され、他端46が汲上げポンプ41に接続されている。
波消しユニット(緩衝部材)16は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する複数の波消し構造体(波消し部材)70を、支持部材44で繋げて配置したもので、底板部21並びに天板部13にも略沿って配置されている。例えば、波消しユニット16では、支持部材44に複数個の波消し構造体70を通し、一端45の第1抜け止め部材51と、他端46の第2抜け止め部材52で止めている。
波消し構造体70は、略筒状(略円柱状)の部材であって、ネット(網)を折り畳んで形成され、支持部材44を通すための挿通部73(図3参照)を開けている。以下、波消し構造体70を詳細に説明する。
図3は本発明に係る燃料タンクの波消し構造体の斜視図であり、図4は図3に示された燃料タンクの波消し構造体の分解斜視図であり、図5は図3の5−5線断面図であり、図3の6−6線断面図である。
図3〜図6に示されるように、波消し構造体70は、略筒状を呈し、ネット(網)95(図7(a)参照)を折り畳んで形成される波消し本体部71と、ネット(網)で形成され、波消し本体部71を覆うガイド部(保持部材)72とからなる。
すなわち、波消し本体部71及びガイド部材72は、弾性を有した樹脂素材で形成されたネット(網)が用いられる。
すなわち、波消し本体部71及びガイド部材72は、弾性を有した樹脂素材で形成されたネット(網)が用いられる。
ガイド部材72は、後述するように、波消し本体部71により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材72の弾性力は、波消し本体部71の弾性力と比べて低く設定されている。従って、図3に示されるように、波消し本体部71の外形に比べて、ガイド部材72の内径の方が小さく設定される。
波消し本体部71が、支持部材44が挿通される挿通部73と、この挿通部73から連続的に折り畳まれ、燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部74とが形成され、図5に示されるように、折り畳み部74は、複数の折り畳み片76a〜76hの集合であり、波消し構造体70を軸方向に直交して切断したときに、花びら状の断面を呈するように折り畳まれる。
図6に示されるように、挿通部73は、両端部78,78が、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成され、両端部78,78を除く中間部79は、支持部材44の断面積よりも大きく形成される。
すなわち、挿通部73の両端部78,78における折り畳方向X(図7参照(a))の貼り合わせ代93,93は、中間部79における折り畳方向Xの貼り合わせ代94よりも長く設定される。
すなわち、挿通部73の両端部78,78における折り畳方向X(図7参照(a))の貼り合わせ代93,93は、中間部79における折り畳方向Xの貼り合わせ代94よりも長く設定される。
図7(a)〜(c)は図3に示された波消し構造体の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(前半)である。
(a)において、所定幅D1及び所定長さL1のネット95を用意する。所定幅D1は支持部材44の貫通方向Yに設定され、所定長さL1は波消し本体部71の折り畳み方向Xに設定される。
(a)において、所定幅D1及び所定長さL1のネット95を用意する。所定幅D1は支持部材44の貫通方向Yに設定され、所定長さL1は波消し本体部71の折り畳み方向Xに設定される。
(b)において、ネット95の一端96を、矢印a1の如く山折りするように巻き込み、ネット95の中間に接着若しくは溶着して挿通部73を形成する。
このときに、挿通部73は、両端部78,78における折り畳方向Xの貼り合わせ代93,93を、中間部79における折り畳方向Yの貼り合わせ代94よりも長くして、挿通部73の両端部78,78を、図9に示されるように、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成し、両端部78,78を除く中間部79を、支持部材44の断面積よりも大きく形成する。
このときに、挿通部73は、両端部78,78における折り畳方向Xの貼り合わせ代93,93を、中間部79における折り畳方向Yの貼り合わせ代94よりも長くして、挿通部73の両端部78,78を、図9に示されるように、支持部材44の軸心に直交させて支持部材44を切断したときの断面積と略同等に形成し、両端部78,78を除く中間部79を、支持部材44の断面積よりも大きく形成する。
(c)において、ネット95を、矢印a2の如く谷折りするように巻き込み、挿通部73が矢印a3の如く谷折りするように巻き込み、第1番目の折り畳み片76aを形成し、挿通部73の外周に位置する挿通部側曲げ部77aを挿通部73に接着若しくは溶着する。
図8(a)〜(c)は図3に示された波消し構造体の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(中間)である。
(a)において、ネット95を、矢印a4の如く谷折りするように巻き込み、挿通部73で矢印a5の如く谷折りするように巻き込み、第2番目の折り畳み片76bを形成し、挿通部73の外周に位置する挿通部側曲げ部77bを挿通部73に接着若しくは溶着する。
(a)において、ネット95を、矢印a4の如く谷折りするように巻き込み、挿通部73で矢印a5の如く谷折りするように巻き込み、第2番目の折り畳み片76bを形成し、挿通部73の外周に位置する挿通部側曲げ部77bを挿通部73に接着若しくは溶着する。
(b)において、ネット95を、図8(a)に示した手順を繰り返し、第3・第4番目の折り畳み片76c,76dを形成する。
(c)において、ネット95を、図8(a)に示した手順を繰り返し、第5〜第8番目の折り畳み片76e〜76hを形成し、ネット95の他端97をネット95の一端96に接着若しくは溶着する。この状態で、図3に示されたように、波消し本体部71をガイド部材72で保持する。
(c)において、ネット95を、図8(a)に示した手順を繰り返し、第5〜第8番目の折り畳み片76e〜76hを形成し、ネット95の他端97をネット95の一端96に接着若しくは溶着する。この状態で、図3に示されたように、波消し本体部71をガイド部材72で保持する。
図9は(a)〜(c)は図3に示された波消し構造体の折り畳み手順の一例を示す作用説明図(後半)である。
(a)において、波消し本体部71の弾性力と比べて弾性力が低い素材で形成されたガイド部材72を用意する。ガイド部材72は、波消し本体部71の外形に比べて、ガイド部材72の内径の方が小さく設定される。
(a)において、波消し本体部71の弾性力と比べて弾性力が低い素材で形成されたガイド部材72を用意する。ガイド部材72は、波消し本体部71の外形に比べて、ガイド部材72の内径の方が小さく設定される。
(b)において、波消し本体部71にガイド部材72を、矢印a6の如く装着する。ガイド部材72は、波消し本体部71の弾性力と比べて弾性力が低いので、複数の矢印a7の如く膨出され、波消し本体部71に適度な圧着力(保持力)を付与することができる。
(c)において、波消し本体部71にガイド部材72を、矢印a8の如く、さらに装着して波消し本体部71及びガイド部材72からなる波消し構造体70を完成する。
図1〜図3に示されたように、波消し構造体70が、略円筒状のガイド部材72と、このガイド部材72の内側に収納され、燃料が揺動した際に波消しをする波消し本体部71とから構成された。例えば、ガイド部材72に弾性を有する素材を用いることで、波消し本体部71の略円筒状のガイド部材72を被せるだけで波消し本体部71にガイド部材72を支持することができる。この結果、ガイド部材72の取付性の向上を図ることができる。
また、ガイド部材72及び波消し本体部71に弾性を有する素材(ネット)を用いることで、波消し本体部71を弾性変形させた状態(応力を加えた状態)で、ガイド部材72に波消し本体部71を収納することができる。この結果、燃料が流動したときの波消し本体部71の抗力を増すことができ、燃料の流動で燃料表面近くに発生する波を打ち消す波消し効果(燃料の流動で発生する揺動音を低減する揺動音低減効果)の増大を図ることができる。
ガイド部材72が、弾性を有した樹脂素材のネット(網)で形成されたので、燃料を波消し本体部71まで通過させることを許容できるとともに、ガイド部材72の弾性で波消し本体部71を保持することができる。この結果、波消し本体部71の取付性の向上を図ることができる。
さらに、波消し本体部71が、弾性を有した樹脂素材のネット(網)が用いられたので、例えば、波消し本体部71の応力を加えて弾性変形させた状態でガイド部材72に波消し本体部71を収納することができる。
ガイド部材72は、波消し本体部71により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材72の弾性力は、波消し本体部71の弾性力と比べて低く設定されたので、波消し本体部71に適度の弾性変形を加えて波消し本体部71をガイド部材72に収納することができる。この結果、燃料が流動したときの波消し本体部71の抗力を増すことができ、燃料の流動で燃料表面近くに発生する波を打ち消す波消し効果、若しくは燃料の流動で発生する揺動音を低減する揺動音低減効果の増大を図ることができる。
すなわち、波消し構造体70は、弾性力の異なる(硬さの異なる)ネットを併用して、弾性力の低い方を形を整えるガイド(ガイド部材72)として利用し、弾性力の高い方で大きな波消し効果を得るようにしたものと言える。この結果、揺動音低減効果の大きな波消し構造体(アブソバ)70を実現することができる。
また、弾性の異なるネット併用することで、形状の定まりにくい2つの部材(波消し本体71及びガイド部材72)を一つの構造体に組立てることができる。
波消し構造体70では、波消し本体部71が、略円筒状のガイド部材72を軸方向に直交させて切断するときに、花びら状の断面を呈し、ガイド部材72に膨出させる力を付与したので、ガイド部材72を均等に膨出させることができる。
波消し本体部71を、断面視花びら状に形成し、且つガイド部材72で覆うことで、組立状態で波消し本体部71に内部応力を付加することができ、波消し本体部71の弾性を最大限に生かし、燃料に発生する波の揺動を効率的に吸収することができる。
また、断面視花びら状に形成し、且つガイド部材72で覆うことで、断面視花びら状の先端に内部応力が蓄えられ、略筒状の波消し構造体70の法線方向に弾力を発揮できる構造とすることができる。従って、燃料の波のエネルギーを効率的に吸収できると考えられ、揺動音低減効果の増大を図ることができる。
なお、法線とは、曲線上の一点において、この点における曲線の接線または接する面に直交する線をいう。
なお、法線とは、曲線上の一点において、この点における曲線の接線または接する面に直交する線をいう。
さらに、波消し本体部71を、断面視花びら状に形成することで、波消し本体部71の表面積を増加させることができ、揺動音低減効果の増大を図ることができる。
図10は本発明に係る第2実施例の燃料タンクの波消し構造体の断面図である。
波消し構造体110は、略筒状を呈し、ネット(網)を折り畳んで形成される波消し本体部111と、ネット(網)で形成され、波消し本体部111を覆うガイド部材(保持部材)112とからなる。
波消し構造体110は、略筒状を呈し、ネット(網)を折り畳んで形成される波消し本体部111と、ネット(網)で形成され、波消し本体部111を覆うガイド部材(保持部材)112とからなる。
ガイド部材112は、波消し本体部111により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材112の弾性力は、波消し本体部111の弾性力と比べて低く設定されている。従って、図9に示されるように、波消し本体部111の外形に比べて、ガイド部材112の内径の方が小さく設定されている。
波消し本体部111は、支持部材(不図示)が挿通される挿通部113と、この挿通部113から連続的に折り畳まれ、燃料の騒音や衝撃を抑制する折り畳み部114とが形成され、折り畳み部114は、複数の折り畳み片116a〜116hの集合であり、波消し構造体110を軸方向に直交して切断したときに、波状の断面を呈するように折り畳まれる。さらに、ガイド部材112を被せるときに、ガイド部材112に膨出させる力を付与する。
すなわち、波消し本体部111は、略円筒状のガイド部材112を軸方向に直交させて切断するときに、波形の断面を呈するようにしたので、ガイド部材112を容易に形成することができる。
図11は本発明に係る第3実施例の燃料タンクの波消し構造体の分解斜視図であり、図12は図11に示された燃料タンクの波消し構造体の斜視図である。
図11〜図12に示されるように、波消し構造体130は、略球状を呈し、弾性を有する樹脂素材のネット(網)を丸めて形成される波消し本体部131と、弾性を有する樹脂素材のネット(網)で形成され、波消し本体部131を覆うガイド部材132とからなる。
図11〜図12に示されるように、波消し構造体130は、略球状を呈し、弾性を有する樹脂素材のネット(網)を丸めて形成される波消し本体部131と、弾性を有する樹脂素材のネット(網)で形成され、波消し本体部131を覆うガイド部材132とからなる。
ガイド部材132は、波消し本体部131により外方へと膨出力を与えられるものであり、ガイド部材132の弾性力は、波消し本体部131の弾性力と比べて低く設定されている。
波消し構造体130では、波消し本体部131が、略球形の状態でガイド部材132に収納されたので、波消し本体部131にどの方向から向かう燃料の流動に対しても、均等に波消し効果(揺動音低減効果)を発揮させることができる。
図13は本発明に係る燃料タンクの波消し構造体を採用した別実施例の燃料タンクの断面図である。
燃料タンク141は、上側ピース142と下側ピース143とに2分割構成されたタンクであり、上側ピース142は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する第1・第2の上部突起144,145を備え、下側ピース143は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する第1・第2の下部突起146,147を備える。
燃料タンク141は、上側ピース142と下側ピース143とに2分割構成されたタンクであり、上側ピース142は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する第1・第2の上部突起144,145を備え、下側ピース143は、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する第1・第2の下部突起146,147を備える。
上側ピース142に下側ピース143が合わされるときに、第1の上部突起144及び第1の下部突起146同士の先端が合わされ、第1の上部突起144及び第1の下部突起146で波消し構造体70が保持されるとともに、第2の上部突起145及び第2の下部突起147同士の先端が合わされ、第2の上部突起145及び第2の下部突起147で波消し構造体70が保持される。
尚、本発明に係る燃料タンクの波消し構造体は、図2に示すように、トランスファーチューブ44で支持され、また、図13に示すように、第1・第1の上・下部突出部144,146及び第2・第2の上・下部突出部145,147で支持されたが、これに限るものではなく、燃料タンクの機能部品に直接支持させるものであってもよい。
本発明に係る燃料タンクの波消し構造は、図3及び図10に示されたように、ガイド部材72,112に、弾性を有した樹脂素材のネット(網)で形成されたが、これに限るものではなく、樹脂素材で形成された多孔質のシートを用いたものでもよい。
本発明に係る燃料タンクの波消し構造体は、図12に示されたように、波消し本体部131は、弾性を有するネット(網)を丸めて形成されたが、これに限るものではなく、弾性を有する繊維状の素材を用いたものであってもよい。
図13において、燃料タンク141は、第1の上部突起144及び第1の下部突起146で波消し構造体70(図3参照)を保持し、第2の上部突起145及び第2の下部突起147で波消し構造体70が保持したが、燃料タンク141は、第1の上部突起144及び第1の下部突起146で波消し構造体110(図12参照)を保持し、第2の上部突起145及び第2の下部突起147で波消し構造体110を保持するものでもよい。
本発明に係る燃料タンクの波消し構造体は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
11…燃料タンク、70,110,130…波消し構造体、71,111,131…波消し本体部、72,112,113…ガイド部材。
Claims (4)
- 燃料タンク内に配置され、燃料が揺動した際に発生する騒音や衝撃を抑制する燃料タンクの波消し構造体において、
この波消し構造体は、略円筒状のガイド部材と、このガイド部材の内側に収納され、燃料が揺動した際に波消しをする波消し本体部とからなり、
前記ガイド部材は、前記波消し本体部により外方へと膨出力を与えられるものであり、前記ガイド部材の弾性力は、前記波消し本体部の弾性力と比べて低く設定されたことを特徴とする燃料タンクの波消し構造体。 - 前記波消し本体部は、略円筒状の前記ガイド部材を軸方向に直交させて切断するときに、花びら状の断面を呈し、前記ガイド部材に膨出させる力を付与したことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクの波消し構造体。
- 前記波消し本体部は、略円筒状の前記ガイド部材を軸方向に直交させて切断するときに、波形の断面を呈し、前記ガイド部材に膨出させる力を付与したことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクの波消し構造体。
- 前記波消し本体部は、略球形の状態で前記ガイド部材に収納されたことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクの波消し構造体。
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Cited By (2)
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KR101512933B1 (ko) * | 2014-02-25 | 2015-04-16 | 주식회사 동희산업 | 연료탱크용 배플 |
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-
2008
- 2008-07-10 JP JP2008180507A patent/JP2010018159A/ja active Pending
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