JP2010017976A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マルチパス印刷において、画像形成中にパス数を変更した場合であっても、所望の画質が実現できるようにする。
【解決手段】 マルチパス印刷を行う画像形成装置であって、記録媒体に対する吐出ノズルの相対位置に基づいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送する際の搬送量を決定する印字パス数決定部310と、前記決定された搬送量に従って、搬送を制御する搬送制御部290と、前記記録媒体が搬送された場合の、記録媒体に対する吐出ノズルの相対位置に基づいて、パス数を決定する印字パス数決定部310と、前記記録媒体に対する吐出ノズルの相対位置に基づいて、分割係数を決定するパス分割係数決定部320と、決定された分割係数を用いて濃度分割された画像に基づいて、印字画像を生成する手段(330、350)とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 マルチパス印刷を行う画像形成装置であって、記録媒体に対する吐出ノズルの相対位置に基づいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送する際の搬送量を決定する印字パス数決定部310と、前記決定された搬送量に従って、搬送を制御する搬送制御部290と、前記記録媒体が搬送された場合の、記録媒体に対する吐出ノズルの相対位置に基づいて、パス数を決定する印字パス数決定部310と、前記記録媒体に対する吐出ノズルの相対位置に基づいて、分割係数を決定するパス分割係数決定部320と、決定された分割係数を用いて濃度分割された画像に基づいて、印字画像を生成する手段(330、350)とを備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、マルチパス印刷を行う画像形成装置における画像形成技術に関するものである。
複数の記録素子から構成される記録ヘッドを備える画像形成装置として、従来より、インクを吐出する複数の吐出ノズルを備えるインクジェット方式の画像形成装置が知られている。
このような画像形成装置では、各記録素子間のインク吐出量のばらつきやインク吐出方向のばらつき(ヨレ)などが原因で、記録媒体上に印刷(印字)されるドットの大きさや印字位置にばらつきが生じ、形成される画像に濃度ムラが発生することがある。
特に、記録ヘッドを記録素子の配列方向とは異なる方向、例えば、直交する方向(主走査方向)に走査させながら印字を行うシリアル型の画像形成装置では、上述したばらつきが原因で、横スジ状の濃度ムラ(スジムラ)が現れることもある。このような濃度ムラは、視覚上目立ち易く、形成される画像の品位の低下の一因となっている。
このような濃度ムラを補正するための手法として、従来より種々の提案がなされている。一例として、「マルチパス印刷」が挙げられる。マルチパス印刷とは、ハーフトーン処理(2値化処理など)を施した印刷画像(印字画像ともいう)であるドットパターンを用いて画像形成を行うにあたり、記録媒体上の同一領域を、複数の異なる記録素子群を使って印字を行う手法である。これは、記録ヘッドの長さ未満で記録媒体を搬送させ、複数の記録素子群に記録媒体上の同一領域を重複して走査(スキャンまたはパス)させることで実現されうる。
一般に、マルチパス印刷には、マスクパターンを使って各パスの印字画像(パス分割された印字画像)を生成する方法と、印字すべき多値の画像データを各パスに合わせて濃度分割し、該濃度分割した画像データから各パスの印字画像を生成する方法とがある。
このうち、マスクパターンを使う方法の場合、一旦生成した印字画像を各パスの印字画像に分割するためのマスクパターンを用意しておき、該マスクパターンと生成された印字画像との論理積をとることで各パスの印字画像を生成している。
このとき用いられるマスクパターンは、全てのパスが完了した時点で、パス分割された印字画像が全て出力されるように構成されている。つまり、マスクパターンを用いる場合、印字画像のドットを100%として、パス分割された印字画像のドットが決められることとなる。
このとき、各パス間ではドットは排他的となっている。また、パス分割された印字画像のドットの論理和をとると全パス分の印字画像のドットと等しくなる。このため、マスクパターン自体は上記ハーフトーン処理との干渉を避けるため極力ランダムになるように、設計されている。
一方、本願出願人は、印字すべき多値の画像データを各パスに合わせて濃度分割し、濃度分割した画像データから各パスの印字画像を生成する方法を提案している。かかる方法の場合、まず、各パスごとに濃度比率を決定し、決定された各パスごとの濃度比率に対応する分割係数により、多値の画像データを濃度分割する。そして、濃度分割された画像データを、各パスごとにハーフトーン処理することで、各パスの印字画像を生成している。
なお、マスクパターンを用いる方法も、濃度分割を用いる方法も、記録媒体上の同一領域が異なる記録素子群により重複して走査され、各記録素子群がそれぞれ印字を行うという点では一致している。そこで、以下に、マルチパス印刷のこのような特徴的な動作について詳細を説明する。
図16は、記録媒体上の同一領域を異なる記録素子群が重複して走査し、記録媒体上に画像を形成していくマルチパス印刷を説明するための図である。ここでは、一例として、2回の走査で画像を形成する2パス印字の動作について説明する。
2パス印字では、記録ヘッド1620を構成する複数の記録素子を、上半分(1/2記録素子群)と下半分(2/2記録素子群)の2つの記録素子群に分けて動作させる。記録ヘッド1620が記録媒体の搬送方向の位置1621にある状態では、2/2記録素子群と1/2記録素子群が、バンド領域(記録ヘッド1620の長さ分の走査領域)1610の下半分と、バンド領域1611の上半分とを同時に印字する。
この時、記録ヘッド1620の1/2記録素子群からは、2パス目の印字画像が出力され、2/2記録素子群からは、1パス目の印字画像が出力される。
そして1回の走査分の印字画像について印字が完了すると、記録媒体は1/2バンド領域分だけ搬送され、これにより、記録ヘッド1620が位置1622に移動する。搬送方向の位置1622ではバンド領域1611の上半分についての2パス目の印字画像とバンド領域1611の下半分についての1パス目の印字画像とが同時に印字される。以上をページが終了するまで繰り返すことで、画像が形成されることとなる。
続いて、4回の走査で画像を形成する4パス印字の動作について図17を用いて説明する。4パス印字の場合、記録ヘッド1620を構成する複数の記録素子を、4つの記録素子群に分けて動作させることとなる。
そして、バンド領域1700を印字するために、1回目の走査では、バンド領域1700の1/4バンド領域を4/4記録素子群を使用して印字する。また、2回目の走査では、1/4バンド領域と2/4バンド領域とをそれぞれ4/4記録素子群と3/4記録素子群とを使用して印字する。
また、3回目の走査では、1/4バンド領域と2/4バンド領域と3/4バンド領域とをそれぞれ4/4記録素子群と3/4記録素子群と2/4記録素子群とを使用して印字する。更に、4回目の走査で1/4バンド領域と2/4バンド領域と3/4バンド領域と4/4バンド領域とをそれぞれ4/4記録素子群と3/4記録素子群と2/4記録素子群と1/4記録素子群とを使用して印字する。このとき各回の走査に際して、記録媒体は1/4バンド領域ずつ搬送される。このように、各バンド領域を異なる記録素子群が4回走査することにより画像が形成される。
上述のようなマルチパス印刷方式においては、一般にパス数(走査回数)が多いほど、画質は向上する。これは、1バンド領域分の画像をパス数分の異なる記録素子群を用いて形成するため、吐出ノズルのインク吐出量のばらつきや吐出方向のばらつき(ヨレ)の影響が相対的に小さくなり、1つの記録素子の印字結果に対する影響が少なくなるからである。
また、パス数を増加させることは、記録媒体の搬送誤差に対しても有効である。通常、搬送誤差により搬送量が規定値よりも小さくなると、記録ヘッドの端部の印字画像が重なって印字されることとなり、印字画像が重なるラインにおいて濃い画像が形成されることとなる。反対に、搬送誤差により搬送量が規定値よりも大きくなると、記録ヘッドの端部の印字画像間に隙間ができてしまい(あるいは重なり量が少なくなってしまい)、この部分において薄い画像が形成されることとなる。
これに対して、パス数を増加させることで、このようにして生じるスジムラも平均化できるうえ、1回の搬送量が小さくなることで目立たなくさせることも可能となる。
一方で、パス数を増加させ、1回の走査ごとの搬送量を小さくすると、画像形成のスピードは遅くなる。つまり、マルチパス印刷方式の場合、パス数が多いほど高画質を実現できる一方で画像形成に時間がかかることとなり、パス数が少ないほど低画質となるが画像形成速度の向上を実現することができる。このように、マルチパス印刷方式では、画質と画像形成速度とはトレードオフの関係にある。
このため、形成されるべき画像内の各印字領域に応じて、画像形成中に、パス数を任意に変更することができれば、最適な速度で高画質な印字結果を得ることが期待できる。下記特許文献1では、このようなニーズに応えるべく、画像形成中にパス数を変更するための、具体的な搬送制御方法が提案されている。
図15は、下記特許文献1において提案されている、2パス印字から4パス印字に変更する場合の搬送制御方法に基づいて記録媒体が搬送された場合の、記録ヘッドと記録媒体との関係を示す図である。1501から1508は記録ヘッドの1回の走査における搬送方向のそれぞれの位置とそのバンド領域とを表しており、バンド領域1510とバンド領域1520との境界で、2パス印字から4パス印字に切り替えられていることを示している。
記録ヘッドが位置1501にある状態では、1/2記録素子群が2/2バンド領域を印字し、2/2記録素子群は印字を行わない。位置1501における走査が完了すると、記録媒体は1/2バンド領域分搬送され、記録ヘッドは位置1502に移動する。
記録ヘッドが位置1502にある状態では、1/4記録素子群が1/4バンド領域に対して1パス目の印字画像を印字し、他の記録素子群は印字を行わない。また、位置1502における走査が完了した後は、記録媒体の搬送を行わない。
そして、記録ヘッドが位置1503にある状態では、1/4記録素子群が1/4バンド領域に対して2パス目の印字画像を印字し、2/4記録素子群が2/4バンド領域に対して1パス目の印字画像を印字し、他の記録素子群は印字を行わない。
同様に、位置1503における走査が完了した後は、記録媒体の搬送を行わない。そして、記録ヘッドが位置1504、1505にある状態において、それぞれ、1/4記録素子群〜3/4記録素子群、または1/4記録素子群〜4/4記録素子群が1/4〜3/4バンド領域または1/4〜4/4バンド領域に対して印字を行う。
位置1505における走査が完了すると、以降は、走査が完了するごとに記録媒体を1/4バンド領域分搬送する。そして、記録ヘッドが位置1506、1507、1508にある状態において記録ヘッドによる走査が行われることで、バンド領域1520に対する4パス印字が完了する。
特許第3376075号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、位置1502における走査から位置1505における走査の間は(つまり、2パス印字から4パス印字に切り替わる境界においては)、記録媒体の搬送が行われない。このため、バンド領域1520の1/4バンド領域は、同じ記録素子群(1/4記録素子群)を用いて画像が形成されることとなる。この結果、バンド領域1520の1/4バンド領域については、4パス印字を行う効果が得られない(1パス印字相当の画像になってしまう)。
同様にバンド領域1520の2/4バンド領域は、同じ記録素子群(2/4記録素子群)を用いて3パス分の画像を形成し、バンド領域1520の3/4バンド領域は、同じ記録素子群(3/4記録素子群)を用いて2パス分の画像を形成する。このため、通常の4パス印字よりは画質が劣化する。
このように、上記特許文献1の場合、パス数を変更した境界部分において所望のパス数のマルチパス印刷を実現することができず、画質の劣化が生じるという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、マルチパス印刷において、画像形成中にパス数を変更した場合であっても、所望の画質が実現できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る画像形成装置は以下のような構成を備える。即ち、
主走査方向に走査する記録ヘッドを構成する複数の記録素子群それぞれが、記録媒体上の各走査領域を重複して走査するように、該記録媒体が副走査方向に搬送されることで、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体上に画像を形成する際に前記記録素子群が走査する走査回数に応じて、前記画像を副走査方向に領域分類する分類手段と、
前記分類手段により領域分類された各分類領域に対する、前記記録ヘッドの相対位置に基づいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送する際の搬送量を決定する搬送量決定手段と、
前記搬送量決定手段により決定された搬送量に従って、前記記録媒体の副走査方向への搬送を制御する搬送制御手段と、
前記記録ヘッドが重複して走査することにより形成される画像を、該記録ヘッドを構成する各記録素子に対応する画像データごとに、該画像データが属する分類領域に応じて濃度分割するための、各分割係数を決定する分割係数決定手段と、
前記分割係数決定手段により決定された各分割係数を用いて、前記各画像データを濃度分割し、前記各記録素子が印刷する印刷画像を生成する生成手段とを備える。
主走査方向に走査する記録ヘッドを構成する複数の記録素子群それぞれが、記録媒体上の各走査領域を重複して走査するように、該記録媒体が副走査方向に搬送されることで、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体上に画像を形成する際に前記記録素子群が走査する走査回数に応じて、前記画像を副走査方向に領域分類する分類手段と、
前記分類手段により領域分類された各分類領域に対する、前記記録ヘッドの相対位置に基づいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送する際の搬送量を決定する搬送量決定手段と、
前記搬送量決定手段により決定された搬送量に従って、前記記録媒体の副走査方向への搬送を制御する搬送制御手段と、
前記記録ヘッドが重複して走査することにより形成される画像を、該記録ヘッドを構成する各記録素子に対応する画像データごとに、該画像データが属する分類領域に応じて濃度分割するための、各分割係数を決定する分割係数決定手段と、
前記分割係数決定手段により決定された各分割係数を用いて、前記各画像データを濃度分割し、前記各記録素子が印刷する印刷画像を生成する生成手段とを備える。
本発明によれば、マルチパス印刷において、画像形成中にパス数を変更した場合であっても、所望の画質が実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
<1.インクジェットプリンタの構成>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるインクジェットプリンタのブロック図である。
<1.インクジェットプリンタの構成>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるインクジェットプリンタのブロック図である。
10はインクジェットプリンタ、20はパソコン、30はデジタルカメラである。100はインクジェットプリンタ10内のCPU、110はCPU100のプログラム等が格納されたROM、120は変数やデータを格納するRAMである。
130はパソコン20よりデータを受け取るためのUSBデバイスインターフェースであり、140はデジタルカメラ30等よりデータを受け取るためのUSBホストインターフェースである。
150はデジタルカメラ30等より入力された多値の画像データを色変換し、2値化処理等を行い、印字画像を生成する画像処理部である。160は画像処理部150において生成された印字画像を記録ヘッドに送り、マルチパス印刷の制御を行う印字制御部である。170はマルチパス印刷を行うための記録媒体の搬送機構やキャリッジの送り機構等のメカ機構を制御するためのメカ制御部である。180は印字を行うための記録ヘッドや、記録媒体の搬送機構、キャリッジの送り機構等のメカ機構を備えるプリンタエンジン部である。
図1を用いて、デジタルカメラ30による撮影により生成された画像データを直接インクジェットプリンタ10に送り、記録媒体上に画像を形成する場合の処理について説明する。
最初に、画像を形成する記録媒体の種類を検出する。プリンタエンジン部180にセットされた記録媒体(図示せず)の種類を検出するための記録媒体センサ(図示せず)により、記録媒体に関する情報が読み取られる。そして、CPU100が、読み取られた記録媒体に関する情報に基づいて記録媒体の種類を判別する。
記録媒体の種類を検出するためのセンサとしては、特定の波長の光を投射してその反射光を検出する方式など、いくつかの方式が考えられる。ただし、本発明は、記録媒体の種類を検出する方式によって影響を受けないため、ここでは詳細な説明は省略する。
デジタルカメラ30による撮影により生成された画像データは、JPEG画像データとしてデジタルカメラ30内のメモリ(図示せず)に格納される。
デジタルカメラ30は接続ケーブルを介してインクジェットプリンタ10のUSBホストインターフェース140に接続されている。そして、デジタルカメラ30のメモリに格納された画像データは、USBホストインターフェース140を介してインクジェットプリンタ10に送信され、インクジェットプリンタ10内のRAM120に格納される。
なお、デジタルカメラ30より送信された画像データは、JPEG画像(圧縮画像)データであるために、CPU100により解凍された後に、RAM120に格納されることとなる。
インクジェットプリンタ10の画像処理部150では、この画像データをもとに、記録ヘッドにより印字される印字画像を生成する。RAM120に格納された画像データは、画像処理部150により色変換された後にパス数に応じて濃度分割され、各パスごとに2値化処理等が行われた後に、印字するための印字画像(ドットデータ)に変換される。なお、画像処理部150における処理の詳細は後述する。
パス数に応じて濃度分割され、印字画像に変換された後は、印字制御部160に渡され、記録ヘッドの駆動順に合わせて、プリンタエンジン部180の記録ヘッドに送られる。そして、プリンタエンジン部180のメカ機構を制御するメカ制御部170とこれにより制御されるメカ機構とに同期して、印字制御部160において吐出パルスが生成される。記録ヘッドでは、生成された吐出パルスに基づいてインク滴を吐出することで、記録媒体(図示せず)上に印字を行う。
なお、図1においては、画像処理部150において2値化処理を行うこととしたが、ここでいう2値化処理とは、画像データを印字するために低階調化するための処理を指し、必ずしも2値化に限定されるのものではない。例えば、N値化処理(Nは2以上の整数)であってもよい。
また、図1では、記録媒体をプリンタエンジン部180の中に配置されたセンサ(図示せず)が読み取って、CPU100によりインクジェットプリンタ10にセットされた記録媒体の種類を判別することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、インクジェットプリンタ10本体、または、デジタルカメラ30上において、ユーザが選択した記録媒体の種類を判別するように構成しても良い。なお、本発明は、記録媒体の種類の判別方法により影響を受けないため、ここでは詳細な説明は省略する。
<2.画像処理部および印字制御部の構成>
図2は、印字画像の生成を制御する画像処理部150及び印字制御部160、ならびにメカ制御部170の構成を示す図である。
図2は、印字画像の生成を制御する画像処理部150及び印字制御部160、ならびにメカ制御部170の構成を示す図である。
図2において、220は画像形成されるべき画像データ、230は画像データ220のRGBデータをCMYデータに変換する色変換部である。
235_Cは色変換されたシアンの画像データ、235_Mは色変換されたマゼンタの画像データ、235_Yは色変換されたイエローの画像データである。
270_Cは、画像データ220を色変換することにより得られたシアンの画像データ235_Cに基づいて、シアンの印字画像を生成するシアン用の印字データ生成部である。
270_Mはマゼンタ用の印字データ生成部である。印字データ生成部270_Mでは、画像データ220を色変換することにより得られたマゼンタの画像データ235_Mに基づいて、マゼンタの印字画像を生成する。
270_Yはイエロー用の印字データ生成部である。印字データ生成部270_Yでは、画像データ220を色変換することにより得られたイエローの画像データ235_Yに基づいて、イエローの印字画像を生成する。
280_Cは、生成されたシアンの印字画像に基づいて印字を行うために、シアン用の記録ヘッドを制御する印字制御部である。280_Mは、生成されたマゼンタの印字画像に基づいて印字を行うために、マゼンタ用の記録ヘッドを制御する印字制御部である。280_Yは、生成されたイエローの印字画像に基づいて印字を行うために、イエロー用の記録ヘッドを制御する印字制御部である。
290は、印字データ生成部270_Xにおいて算出されたパス数に応じて、1回の走査が完了した後の記録媒体の搬送量を決定し(搬送量決定手段)、決定した搬送量に基づいて搬送を制御する搬送制御部(搬送制御手段)である。
かかる構成のもとで、各色の印字画像が生成されるまでの処理の流れについて説明する。図2において、画像形成されるべき画像データ220は、RGBデータであり、色変換部230によりCMYデータに変換される。
画像データ220を色変換することにより得られたシアンの画像データ235_Cは、シアン用の印字データ生成部270_Cに入力される。同様に、マゼンタの画像データ235_Mは、マゼンタ用の印字データ生成部270_Mに入力される。また、イエローの画像データ235_Yは、イエロー用の印字データ生成部270_Yに入力される。
印字データ生成部270_Xでは、記録ヘッドを介して記録媒体に印字するために、パス数を決定し、該決定したパス数に応じて濃度分割した後に、2値化またはN値化(Nは2以上の整数)処理を行い、各色の印字画像を生成する。
印字データ生成部270_Xにおいて印字画像が生成されると、各色の印字制御部280_C、280_M、280_Yが、該生成された印字画像に基づいて記録ヘッドを制御し、記録媒体上に印字を行う。そして、1回の走査が完了すると、搬送制御部290が、決定されたパス数に対応する搬送量に基づいて搬送を制御しながら、記録媒体の搬送を行う。
<3.印字データ生成部の構成>
次に、印字データ生成部270_X(270_C、270_M、270_Yのいずれかの印字データ生成部であることを示す)の詳細構成について説明する。
次に、印字データ生成部270_X(270_C、270_M、270_Yのいずれかの印字データ生成部であることを示す)の詳細構成について説明する。
図3において、235_Xは、色変換部230において各インク色に変換された画像データである。310は画像形成中の画像データのパス数を決定する印字パス数決定部である。
320は画像データをパス数に応じて濃度分割する際の分割係数を決定するパス分割係数決定部である。315は、パス分割係数決定部320において決定された分割係数k(0<=k<=1)である。330は、画像データ235_Xに対して分割係数k(315)を乗算することで、画像データ235_Xを濃度分割し、各パスの濃度を算出する乗算器である。290は、印字パス数決定部310において決定されたパス数に応じて、1回の走査が完了した後の記録媒体の搬送量を制御する搬送制御部である。
370は処理対象の画像データ235_Xが記録ヘッドのどの位置(どの吐出ノズルで)で印字される画像データであるかを管理する吐出ノズル位置情報管理部である。350は、乗算器330より出力された各パスの濃度に基づいて印字画像を生成する低階調化部である。360は低階調化部350において生成された印字画像を、一旦記憶する印字画像記憶部である。
かかる構成のもとで、印字データ生成部270_X及び搬送制御部290は以下のような動作を行う。まず、各インク色に変換された画像データ235_X(吐出ノズルに対応する画像データ)は、各パスの濃度を計算する乗算器330及び吐出ノズル位置情報管理部370、及び印字パス数決定部310に入力される。
なお、画像形成されるべき画像データのうち、各印字領域が何パス印字を行うかは予め決められているものとする。印字パス数決定部310では、処理対象の画像データ235_Xがどの印字領域に属するかを判断することで、画像形成を行う場合のパス数を決定してパス分割係数決定部320に通知する。
吐出ノズル位置情報管理部370では、処理対象の画像データ235_Xが、どの位置の吐出ノズルで印字されるかを示す情報(吐出ノズル位置情報)を、パス分割係数決定部320に通知する。
パス分割係数決定部320では、印字パス数決定部310から通知されたパス数と吐出ノズル位置情報管理部370より通知された吐出ノズル位置情報とから、何パス印字を行うのか、あるいは今回はそのうちの何パス目かを判断し、分割係数315を決定する。
決定された分割係数315は、乗算器330において画像データ235_Xの乗算に用いられる。分割係数315と画像データ235_Xとの乗算の結果、乗算器330では、当該パスの画像の濃度を出力する。出力された濃度は低階調化部350にて低階調化されて印字画像が生成される。生成された印字画像は、印字画像記憶部360に記憶される。
このように、本実施形態では、吐出ノズル単位で印字画像を生成する。このため、同一領域を複数の吐出ノズルで印字する場合には、そのたびに、当該領域に形成されるべき画像データが吐出ノズル単位で入力され、今回の吐出ノズルで印字されるべき印字画像が生成されることとなる。
<4.印字データ生成部におけるパス数変更時の処理の概要>
以下、図4〜図7を用いて、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ10の印字データ生成部270_Xにおける、パス数変更時の処理の概要について説明する。
以下、図4〜図7を用いて、本実施形態にかかるインクジェットプリンタ10の印字データ生成部270_Xにおける、パス数変更時の処理の概要について説明する。
<4.1 境界部分における記録媒体の搬送量について>
図4は、4パス印字領域と3パス印字領域の境界部分における記録媒体の搬送量を示す図である。図4において、aからfは、記録ヘッド400と記録媒体との相対位置の変化の様子を表している。記録ヘッド400は、まず、副走査方向の位置aにおいて、主走査方向(図中左から右方向、もしくは図中右から左方向)に走査されることで印字を行う。
図4は、4パス印字領域と3パス印字領域の境界部分における記録媒体の搬送量を示す図である。図4において、aからfは、記録ヘッド400と記録媒体との相対位置の変化の様子を表している。記録ヘッド400は、まず、副走査方向の位置aにおいて、主走査方向(図中左から右方向、もしくは図中右から左方向)に走査されることで印字を行う。
1回の走査が完了すると、記録媒体は、記録ヘッドの長さ(副走査方向の長さ)の1/4の長さ分、図中の下から上方向に搬送される。これは、記録媒体を基準にして考えると、記録ヘッド400が図中の上から下方向に移動しているのと等価になる。このため、図4においては、副走査方向を図中の上から下方向としている。
搬送された後の記録ヘッドの副走査方向の位置をbに示す。副走査方向の位置bにおいて、記録ヘッド400を主走査方向に走査することにより印字が完了すると、記録媒体は、再び記録ヘッドの長さの1/4分、副走査方向に搬送される。
記録媒体が搬送された後の記録ヘッドの副走査方向の位置をcに示す。以下、主走査方向の走査による印字と記録媒体の搬送とを繰り返すことで、記録ヘッドは、記録媒体に対して、副走査方向の位置fまで進む。
このように、4パス印字領域と3パス印字領域との境界部分では、次に、記録ヘッドの長さの1/3分だけ記録媒体を搬送したとしても、記録ヘッド400の一部が4パス印字領域に残るまでは、そのままの搬送量(記録ヘッドの長さの1/4分)が維持される。
反対に、記録ヘッドの長さの1/3分、記録媒体を搬送した場合に、記録ヘッド400が完全に3パス印字領域内に含まれることとなる場合には、次の搬送量は記録ヘッドの長さの1/3分に変更される。
図4の例では、副走査方向の位置fにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させることにより印字が完了すると、次に、記録媒体は、記録ヘッドの長さの1/3分、副走査方向に搬送されることとなる(つまり、このときはじめて搬送量が切り替わる)。
<4.2 境界部分における分割係数の変更について>
次に、境界部分における分割係数の変更について説明する。一般にマルチパス印刷では、各パスの印字画像の生成は、主走査方向の1回の走査につき、1回行われる。図4を用いて説明すると、以下のような流れとなる。
・記録ヘッドが副走査方向の位置aにある場合に、各バンド領域411〜414に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置aにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置bにある場合に、各バンド領域412〜415に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置bにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置cにある場合に、各バンド領域413〜416に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置cにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置dにある場合に、各バンド領域414〜417に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置dにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置eにある場合に、各バンド領域415〜418に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置eにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置fにある場合に、各バンド領域416〜419に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置fにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
ここで、記録ヘッドが副走査方向の位置dになると、記録ヘッドの一部が、3パス印字領域上に存在することとなる。このため、位置dでは、バンド領域414〜416に対しては、4パス印字用の印字画像を生成し、バンド領域417に対しては、3パス印字用の印字画像を生成する(つまり、4パス印字と3パス印字とが混在することとなる)。
次に、境界部分における分割係数の変更について説明する。一般にマルチパス印刷では、各パスの印字画像の生成は、主走査方向の1回の走査につき、1回行われる。図4を用いて説明すると、以下のような流れとなる。
・記録ヘッドが副走査方向の位置aにある場合に、各バンド領域411〜414に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置aにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置bにある場合に、各バンド領域412〜415に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置bにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置cにある場合に、各バンド領域413〜416に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置cにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置dにある場合に、各バンド領域414〜417に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置dにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置eにある場合に、各バンド領域415〜418に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置eにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
・記録ヘッドが副走査方向の位置fにある場合に、各バンド領域416〜419に印字されるべき印字画像を生成→副走査方向の位置fにおいて記録ヘッドを主走査方向に走査させ、印字を実行→記録媒体を搬送
ここで、記録ヘッドが副走査方向の位置dになると、記録ヘッドの一部が、3パス印字領域上に存在することとなる。このため、位置dでは、バンド領域414〜416に対しては、4パス印字用の印字画像を生成し、バンド領域417に対しては、3パス印字用の印字画像を生成する(つまり、4パス印字と3パス印字とが混在することとなる)。
図5は、副走査方向の位置dにおける分割係数決定手順を説明するための図である。図5を用いて、位置dにおける分割係数の設定手順について説明する。
図5の斜線部分(300_1、300_2)は、画像データのうち記録ヘッド400の長さ分の画像データを表しており、記録ヘッド400が主走査方向に走査されることによって印字される画像データである。
記録ヘッド400は、記録素子として300個の吐出ノズルから構成されており、それぞれの吐出ノズルには0から299までの吐出ノズル番号が付されているものとする。なお、この吐出ノズル番号は吐出ノズル位置情報管理部370により管理されているものとする。
このうち、画像データ300_1は4パス印字で印字され、画像データ300_2は3パス印字で印字される。
このため、分割係数を決定するにあたっては、まず、画像データ300_1のうち、吐出ノズル番号0により印字される画像データが、吐出ノズル位置情報管理部370と印字パス数決定部310に入力される。
吐出ノズル位置情報管理部370は、処理対象の画像データが、吐出ノズル番号0であることをパス分割係数決定部320に通知する。
一方、印字パス数決定部310では、処理対象の画像データを4パス印字で印字することを決定し、パス分割係数決定部320に通知する。
パス分割係数決定部320では、処理対象の画像データが4パス印字で印字されると判定し、分割係数を25%に決定する。
なお、本実施形態では説明の簡略化のために、4パス印字の場合は、各パスの分割係数を25%に、3パス印字の場合は、各パスの分割係数を33%に、2パス印字の場合は、各パスの分割係数を50%にそれぞれ決定するものとする。
吐出ノズル番号1から吐出ノズル番号74までの各吐出ノズルにより印字される画像データは、吐出ノズル番号0により印字される画像データの場合と同じ処理を行う。
吐出ノズル番号75により印字される画像データについては、パス分割係数決定部320における処理以外は、吐出ノズル番号0から吐出ノズル番号74により印字される画像データと同様の処理を行う。なお、パス分割係数決定部320では、処理中の画像データが4パス印字であると判定し、分割係数を25%に決定する。
吐出ノズル番号76から吐出ノズル番号149により印字される画像データについては、吐出ノズル番号75により印字される画像データの場合と同じ処理を行う。
同様に吐出ノズル番号150から吐出ノズル番号224により印字される画像データについては、パス分割係数決定部320が、処理中の画像データが4パス印字であると判定し、分割係数を25%に決定する。
吐出ノズル番号225により印字される画像データについて、印字パス数決定部310は、3パス印字で印字することを決定し、パス分割係数決定部320に通知する。パス分割係数決定部320では、画像データが3パス印字であると判定し、分割係数を33%に決定する。吐出ノズル番号226から吐出ノズル番号299までの各吐出ノズルにより印字される画像データは、吐出ノズル番号225により印字される画像データと同じ処理を行う。
その結果、副走査方向の位置dにおいては分割係数は、吐出ノズル番号0から吐出ノズル番号224までの記録素子群について25%、吐出ノズル番号225から吐出ノズル番号299までの記録素子群については33%となる。
分割係数25%(0.25)は、画像データ235_Xとともに乗算器330に入力され、乗算器330においてこれらが乗算される。乗算器330において乗算されることにより得られた画像の濃度は、低階調化部350において低階調化され、印字画像として印字画像記憶部360に記憶される。
同様に、分割係数33%(0.33)は画像データ235_Xとともに乗算器330に入力され、乗算器330においてこれらが乗算される。乗算器330において乗算されることにより得られた画像の濃度は、低階調化部350において低階調化され、印字画像として印字画像記憶部360に記憶される。
なお、本実施形態では、主走査方向の1回の走査が完了するごとに、1回の走査分の印字画像を生成する場合の手順について説明したが、必ずしも主走査方向の1回の走査分の全ての印字画像が生成される必要はない。例えば、主走査方向の走査を行いながら(つまり印字を行いながら)、印字に間に合うように印字画像を生成するように構成してもよい。
<4.3 パス数変更の変更と印字結果との関係>
図6(a)、(b)は、画像形成中にパス数が変更される画像データを示す図であり、パス数が変更される箇所を具体的に明示した図である。図6(a)は、デジタルカメラで撮影された画像データAを示しており、入力された画像データAは印字パス数決定部310により、記録素子群単位でパス数が決定される。
図6(a)、(b)は、画像形成中にパス数が変更される画像データを示す図であり、パス数が変更される箇所を具体的に明示した図である。図6(a)は、デジタルカメラで撮影された画像データAを示しており、入力された画像データAは印字パス数決定部310により、記録素子群単位でパス数が決定される。
本実施形態では画像データAの全てが印字前に一旦入力され、画像データ全体のパス数があらかじめ決定されている場合の手順について説明する。ただし、インクジェットプリンタ10内のメモリに制限がある場合には、印字しながら、限定されたバンド領域の画像データに対してパス数を順に決定するようにしてもよい。
図6(b)は画像データAに対して決定されたパス数により、印字領域を領域分類した各分類領域の一例を示す図である。印字パス数決定部310は、画像データAについて、印字領域A−1については4パス印字を、印字領域A−2については3パス印字を、印字領域A−3については4パス印字を、印字領域A−2については2パス印字を行うことを決定する。
濃度ムラが目立つ印字領域A−1及び印字領域A−3は、4パス印字を行う。一方、印字領域A−2は濃度が非常に薄く、印字するドットが重ならない程度の濃度であるために、パス数を削減し、3パスで印字する。
また、印字領域A−4は、濃度が非常に濃く、隣接する印字するドットのそれぞれが重なり合う濃度であることから、パス数を削減できるため、2パスで印字する。
印字領域A−2、A−4のような条件の濃度の場合、画像を形成してもムラは目立たない。このため、パス数を減らしても、画質を劣化させることはない。
印字パス数決定部310による、パス数の決定方法については、画像データの特性や記録媒体などの画像形成条件に依存して変化する。これらのパス数の決定方法としては、例えば、画像部分と文字部分とを検出してパス数を変更するといったように、いくつかの決定方法が既に提案がされている。本発明は、入力された画像データに応じてどのようなパス数を決定するかを提案するものではないため、ここでは詳細な説明は省略する。
<4.4 パス数の変更に伴う記録媒体の搬送量の変更と分割係数の変更との関係>
図7は、パス数を画像形成途中に変更する場合の記録媒体の搬送量の変更と分割係数の変更との関係の具体的な例を説明する図である。図7で示す印字領域A−1、A−2及びA−3はそれぞれ図6の印字領域A−1(4パス印字領域)、A−2(3パス印字領域)及びA−3(4パス印字領域)に対応している。
図7は、パス数を画像形成途中に変更する場合の記録媒体の搬送量の変更と分割係数の変更との関係の具体的な例を説明する図である。図7で示す印字領域A−1、A−2及びA−3はそれぞれ図6の印字領域A−1(4パス印字領域)、A−2(3パス印字領域)及びA−3(4パス印字領域)に対応している。
つまり、印字パス数決定部310では、はじめにパス数を4パスに決定した後に、3パスへ切り替え、更に3パスから4パスへ再びパス数を切り替えることとなる。
図7において、aからmは、記録ヘッドと記録媒体との相対位置を表している。記録ヘッドは、まず、副走査方向の位置aにおいて主走査方向(図中左から右方向、もしくは図中右から左方向)に走査することにより、印字を行う。なお、副走査方向の位置aでは、記録ヘッド全体が印字領域A−1(4パス印字領域)に含まれるため、各記録素子群の分割係数は25%に決定され、搬送量も記録ヘッドの長さの1/4分と判断される。
1回の走査分の印字が完了すると、記録ヘッドの長さの1/4の長さ分だけ、記録媒体が図中の下から上方向に搬送される。搬送された後の副走査方向の位置をbに示す。
副走査方向の位置bでは、記録ヘッドを構成する記録素子群のうち、4/4記録素子群は、印字領域A−2(3パス印字領域)に含まれるため、4/4記録素子群の分割係数は33%に決定される。なお、記録ヘッドの一部は印字領域A−1(4パス印字領域)に含まれるため、搬送量は記録ヘッドの長さの1/4と判断される。このため、記録ヘッド400が主走査方向に走査されて印字が行われると、記録ヘッドの長さの1/4だけ、記録媒体が副走査方向に搬送される。搬送された後の副走査方向の位置をcに示す。以下、印字と記録媒体の搬送とを繰り返すことで、記録媒体に対する記録ヘッドの位置は、副走査方向の位置mになる。
このうち、副走査方向の位置b、c、d、eは、パス数が4パスから3パスへと切り替わる移行期間における記録ヘッドの位置を示している。図中で斜線を施した部分は、パス数の移行過程において、一時的に印字に使用されない記録素子群を示している。以下、このような記録媒体群を「未使用記録素子群」と称す。
この未使用記録素子群に対する印字画像を生成する際に用いられる分割係数は0になる。なお、副走査方向の位置j、kの、3パスから4パスへ切り替わる移行期間においても、斜線を施した吐出ノズルが未使用記録素子群となる。
一方、記録媒体の搬送量はパス数に依存し、副走査方向の位置aからdにおいて印字が完了した後は、記録ヘッドの長さの1/4となる。また、副走査方向の位置eからgにおいて印字が完了した後は、記録ヘッドの長さの1/3となる。更に、副走査方向の位置hからlにおいて印字が完了した後は、再び記録ヘッドの長さの1/4となる。
つまり、印字領域A−1を位置dにおいて4パスで印字した後に、初めて記録媒体の搬送量を記録ヘッドの長さの1/3にする(位置e)。また、印字領域A−3の印字が開始された走査(位置h)の次の走査(位置i)で、記録素子群の長さを、記録ヘッドの長さの1/3から1/4にする。
このように、画像形成中に印字パス数を変更するにあたり、記録ヘッドが2種類以上の印字領域にまたがって位置していた場合は、印字パス数が多い印字領域を優先して搬送量を決定する。印字パス数を途中で減らす場合には、現行のパス数での印字領域(例:印字領域A−1)の印字終了後に、記録媒体の搬送量を大きくする。また、印字パス数を途中で増やす場合には、増やすパス数で印字したい所望の印字領域(例:印字領域A−3)が、印字可能になる最初の記録媒体の搬送において搬送量を小さくする。
<5.印字データ生成部における各部の処理の詳細>
<5.1 パス分割係数決定部における分割係数の決定処理の流れ>
図8は、上記具体例を用いて説明したパス分割係数決定部320における分割係数の決定処理の流れをまとめたフローチャートである。
<5.1 パス分割係数決定部における分割係数の決定処理の流れ>
図8は、上記具体例を用いて説明したパス分割係数決定部320における分割係数の決定処理の流れをまとめたフローチャートである。
ステップS801では、処理対象の画像データについての吐出ノズル位置を、吐出ノズル位置情報管理部370より受け取る。また、パス数を印字パス数決定部310より受け取る。
ステップS802では、処理対象の画像データの印字が既に終了しているか否かを判定する。終了していると判定された場合には、ステップS804に進み、分割係数を0に決定する。
一方、終了していないと判定された場合には、ステップS803に進み、パス数に応じて分割係数を決定する。その後、ステップS805では最後の吐出ノズル番号であるか否かを判定し、最後の吐出ノズル番号でないと判定された場合には、ステップS801に戻り、次の吐出ノズル番号の処理を行う。一方、最後の吐出ノズル番号であると判定された場合には、処理を終了する。
<5.2 分割係数の決定処理の動作例>
次に、図8のフローチャートに沿って、図7の位置eにおける分割係数の決定処理の具体例について説明する。
次に、図8のフローチャートに沿って、図7の位置eにおける分割係数の決定処理の具体例について説明する。
まず、吐出ノズル番号0の画像データが入力され、印字パス数決定部310より3パス印字で印字されることが通知される(ステップS801)。パス分割係数決定部320では通知を受けると、その画像データの印字が既に終了しているか否かを判定する(ステップS802)。
吐出ノズル番号0の画像データは、すでに3パス目(位置dにおける走査)による印字により印字が完了しているため、吐出ノズル番号0の分割係数は0に決定する(ステップS804)。また、吐出ノズル番号1から吐出ノズル番号49までは吐出ノズル番号0の制御と同じになる。
吐出ノズル番号50の画像データが入力されると、印字パス数決定部310より3パス印字で印字されることが通知される(ステップS801)。パス分割係数決定部320では通知を受けると、当該画像データの印字が既に終了しているか否かを判定する(ステップS802)。吐出ノズル番号50の画像データは、まだ印字が完了していないため、吐出ノズル番号50の分割係数は33%(0.33)に決定される。
上述したように本実施形態では3パス印字の場合は、分割係数を33%(0.33)とするため、吐出ノズル番号51から吐出ノズル番号299までは、吐出ノズル番号50と同じになる。
その結果、吐出ノズル番号0から49までは分割係数が0(ゼロ、即ち未使用記録素子群となり、吐出ノズル番号50から299までは分割係数は33%(0.33)となる。
なお、他の位置でも図8のフローチャートを適用することで、それぞれの位置の分割係数を決定する。
<5.3 搬送制御部における搬送制御処理の流れ>
図9は、上記具体例を用いて説明した搬送制御部290における搬送制御処理の流れをまとめたフローチャートである。搬送制御部290は、まず初めに印字開始時のパス数を決定し、走査されるのを待つ。次にステップS901では、直前のバンド領域内にパス数を切り替える箇所があるかを判定し、切り替え箇所がないと判定された場合には、ステップS906に進み、搬送量を維持する。
図9は、上記具体例を用いて説明した搬送制御部290における搬送制御処理の流れをまとめたフローチャートである。搬送制御部290は、まず初めに印字開始時のパス数を決定し、走査されるのを待つ。次にステップS901では、直前のバンド領域内にパス数を切り替える箇所があるかを判定し、切り替え箇所がないと判定された場合には、ステップS906に進み、搬送量を維持する。
一方、ステップS901において、直前のバンド領域内にパス数を切り替える箇所があると判定された場合には、ステップS902においてパス数が減るか増えるかを判定する。パス数が減ると判定された場合には、ステップS903に進み、直前の走査がパス数切り替え前の印字を完了したか否かを判定する。
ステップS903において、印字を完了したと判定した場合には、ステップS905に進み、搬送量を適切に増加させる(2パス印字の場合は記録ヘッドの長さの1/2分、3パス印字の場合は、記録ヘッドの長さの1/3分など)。
一方、ステップS903において、印字を完了したことを検知しなかった場合には、ステップS906に進み、搬送量を維持する。
一方、ステップS902において、パス数が増えると判定された場合には、ステップS904に進み、直前の走査がパス数切り替え後の印字を開始したか否かを判定する。
ステップS904において印字を開始したことを検知した場合には、ステップS907に進み、搬送量を適切に減少させる。一方、ステップS904において、印字開始が既に検知されている場合には、ステップS906に進み、搬送量を維持する。次の走査前の搬送量が決定すると、ステップS908において記録媒体の搬送を行い、走査が完了するのを待つ。
全ての印字が完了するまでステップS901からのフローチャートを繰り返すことで、パス数を任意の箇所で切り替える。
<5.4 搬送制御処理の動作例>
続いて、図9のフローチャートに沿って、図7のパス数変更時の搬送制御処理の具体的な動作例を説明する。
続いて、図9のフローチャートに沿って、図7のパス数変更時の搬送制御処理の具体的な動作例を説明する。
まず、印字開始時のパス数を4に決定し、位置aにおける走査完了を待つ。位置aのバンド領域内にはパス数を切り替える箇所がないため(ステップS901)、現在の搬送量(記録ヘッドの長さの1/4)を維持して(ステップS906)、搬送を行う(ステップS908)。
位置bのバンド領域内には、印字領域A−1(4パス印字領域)と印字領域A−2(3パス印字領域)とが存在する(ステップS901)。切り替えるパス数は4から3で減少するが(ステップS902)、印字領域A−1の4パス印字は完了していないため(ステップS903)、現在の搬送量を維持して(ステップS906)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。
位置cにおける走査完了後も搬送量は維持される。一方、位置dにおける走査により、印字領域A−1の4パス印字が完了するため、搬送量を3パス印字の搬送量(記録ヘッドの長さの1/3分)に増加させ(ステップS905)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。
位置e、f、gのバンド領域内にはパス数を切り替える箇所がないため(ステップS901)、現在の搬送量(記録ヘッドの長さの1/3分)を維持して(ステップS906)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。位置hのバンド領域内には、印字領域A−2(3パス印字領域)と印字領域A−3(4パス印字領域)とが存在し(ステップS901)、切り替えるパス数は3から4に増加する(ステップS902)。
さらに印字領域A−3の4パス印字が開始される走査であるため(ステップS904)、搬送量を4パス印字の搬送量(記録ヘッドの長さの1/4分)に減少させ(ステップS907)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。
位置i、jにおける走査完了後も搬送量は維持される。ただし位置i、jの走査では印字領域A−3の印字はすでに開始された後のため、搬送量を維持して(ステップS906)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。同様に、位置k、lにおける走査完了後も、現在の搬送量(記録ヘッドの長さの1/4分)を維持して(ステップS906)記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、マルチパス印刷において画像形成中にパス数を変更するにあたり、パス数の異なる印字領域の境界において、パス数が多い方の印字領域での搬送量に基づいて搬送する構成とした。
また、このとき、パス数の少ない方の印字領域において、当該パス数以上の余分な走査を行う記録素子が存在することとなるが、これに対しては、当該記録素子の分割係数を0に設定することで、所望のパス数を実現する構成とした。
この結果、画像形成中にパス数を変更した場合であっても、パス数の異なる印字領域の境界において、所望の画質を実現することが可能となった。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、分割係数の決定処理の動作例及び搬送制御処理の動作例として、変更前後のパス数の差が1パスの場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、2パス以上変更する場合においても、同様に処理することが可能である。以下、画像形成中にパス数を2パス以上変更する場合の分割係数の決定処理の動作例及び搬送制御処理の動作例について説明する。
上記第1の実施形態では、分割係数の決定処理の動作例及び搬送制御処理の動作例として、変更前後のパス数の差が1パスの場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、2パス以上変更する場合においても、同様に処理することが可能である。以下、画像形成中にパス数を2パス以上変更する場合の分割係数の決定処理の動作例及び搬送制御処理の動作例について説明する。
<1.分割係数の決定処理の動作例>
図10はパス数を4から2に変更する場合の具体的な動作例を説明する図である。図8のフローチャートに沿って、図10の位置dにおける分割係数の決定処理の動作例について説明する。
図10はパス数を4から2に変更する場合の具体的な動作例を説明する図である。図8のフローチャートに沿って、図10の位置dにおける分割係数の決定処理の動作例について説明する。
まず、吐出ノズル番号0の画像データが入力され、印字パス数決定部310より4パス印字で印字されることが通知される(ステップS801)。パス分割係数決定部320は通知を受けると、その画像データの印字が既に終了しているか判定する(ステップS802)が、まだ印字が完了していないため、吐出ノズル番号0の分割係数を25%(0.25)に決定する。吐出ノズル番号1から吐出ノズル番号74までは吐出ノズル番号0の制御と同じになる。
続いて吐出ノズル番号75の画像データが入力されると、印字パス数決定部310より2パス印字で印字されることが通知される(ステップS801)。パス分割係数決定部320は通知を受けると、その画像データの印字が既に完了しているか否かを判定する(ステップS802)。ここでは、すでに2パス目(位置cにおける走査)による印字により画像データの印字が完了しているため、吐出ノズル番号75の分割係数は0に決定される(ステップS804)。なお、吐出ノズル番号76から吐出ノズル番号149までは、吐出ノズル番号0の制御と同じになる。
吐出ノズル番号150の画像データが入力されると、印字パス数決定部310より2パス印字で印字されることが通知される(ステップS801)。パス分割係数決定部320は通知を受けると、その画像データの印字が既に完了しているか否かを判定する(ステップS802)。ここでは、まだ印字が完了していないため、吐出ノズル番号150の分割係数は50%(0.5)に決定される。なお、吐出ノズル番号151から吐出ノズル番号299までは、吐出ノズル番号150と同じ制御になる。
その結果、吐出ノズル番号0から74までは分割係数が25%(0.25)となり、吐出ノズル番号75から149までは分割係数が0、即ち未使用記録素子群となり、吐出ノズル番号150から299までは分割係数は50%(0.5)となる。
なお、上記と同様に、他の副走査位置でも図8のフローチャートを適用することで、それぞれの位置の分割係数を決定することができる。
<2. 搬送制御処理の動作例>
次に、図9のフローチャートに沿って、図10のパス数変更時の搬送制御処理の具体的な動作例について説明する。
次に、図9のフローチャートに沿って、図10のパス数変更時の搬送制御処理の具体的な動作例について説明する。
位置aの走査完了後のステップS901から説明する。位置aのバンド領域内にパス数を切り替える箇所がないため、現在の搬送量(記録ヘッドの長さの1/4分)を維持して(ステップS906)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。
位置bのバンド領域内には、印字領域A−3の4パス印字と印字領域A−4の2パス印字とが存在する(ステップS901)。
切り替えるパス数は4から2で減少する(ステップS902)が、4パスで印字する印字領域A−3の印字は完了していないため(ステップS903)、現在の搬送量を維持して(ステップS906)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。位置cの走査後の制御も位置bの走査後の制御と同一の制御を行う。位置dのバンド領域内にもパス数切り替え箇所が存在するため、ステップS903までは位置b、cと同様である。
位置dの走査では、印字領域A−3の印字が完了しているため、搬送量を(2パス印字時の搬送量である)記録ヘッドの長さの1/2分に増加させ(ステップS905)、搬送を行う(ステップS908)。
位置e、f、gのバンド領域内にはパス数を切り替える箇所がないため(ステップS901)、現在の搬送量(記録ヘッドの長さの1/2分)を維持して(ステップS906)、記録媒体の搬送を行う(ステップS908)。
以上の説明から明らかなように、変更前後のパス数の差が2パスの場合においても、上記第1の実施形態と同様に処理することが可能となる。この結果、画像形成中に2パス以上パス数を変更した場合であっても、所望の画質を実現することができる。
[第3の実施形態]
上記第1、第2の実施形態では、最後発の走査において未使用記録素子群を定義することとしたが、本発明はこれに限定されない。上述したように、インクジェットプリンタ10によれば、印字画像は吐出ノズル単位で生成可能であるため、任意の位置において任意のパス数により未使用記録素子群を定義することができる。このため、図7や図10で説明したように、未使用記録素子群は、必ずしも最後発の走査において定義する必要はなく、途中の走査において未使用記録素子群を定義するようにしてもよい。以下、図11〜図13を用いて本実施形態について説明する。
上記第1、第2の実施形態では、最後発の走査において未使用記録素子群を定義することとしたが、本発明はこれに限定されない。上述したように、インクジェットプリンタ10によれば、印字画像は吐出ノズル単位で生成可能であるため、任意の位置において任意のパス数により未使用記録素子群を定義することができる。このため、図7や図10で説明したように、未使用記録素子群は、必ずしも最後発の走査において定義する必要はなく、途中の走査において未使用記録素子群を定義するようにしてもよい。以下、図11〜図13を用いて本実施形態について説明する。
<1.印字データ生成部の構成>
図11は本実施形態にかかるインクジェットプリンタ10における印字データ生成部270_Xの構成を示す図である。上記第1、第2の実施形態にかかるインクジェットプリンタ10における印字データ生成部270との相違は、搬送制御部290からパス分割係数決定部320に対して、処理対象の画像データの主走査数情報1100が通知される点である。
図11は本実施形態にかかるインクジェットプリンタ10における印字データ生成部270_Xの構成を示す図である。上記第1、第2の実施形態にかかるインクジェットプリンタ10における印字データ生成部270との相違は、搬送制御部290からパス分割係数決定部320に対して、処理対象の画像データの主走査数情報1100が通知される点である。
つまり、図11のパス分割係数決定部320には、パス数とノズル位置情報の他に処理対象の画像データの主走査数情報1100が入力される。
搬送制御部290は、搬送量を決定するために必要なパス数の切り替え箇所に関する情報を印字パス数決定部310より受信する。このパス数の切り替え箇所に関する情報が通知されると、当該情報に基づいて搬送量を決定することができる。このため、搬送制御部290では、パス数が切り替わる位置を検知した時点で、処理対象の画像データの主走査数を通知することが可能となる。
パス分割係数決定部320では、入力された主走査数情報1100とパス数とを比較し、主走査数の方が大きいと判断した場合には、余分な走査において分割係数を0にする。なお、この余分な走査として第何番目の走査を選択するかは予め決めておいてもよいし、ランダムに選択されるようにしてもよい。
<2.パス数の変更に伴う記録媒体の搬送量の変更と分割係数の変更との関係>
図12の(a)は、画像形成中にパス数を変更した場合の搬送量の変更と分割係数の変更との関係を示した図であり、未使用記録素子群を、先行する走査において定義した場合を示している。
図12の(a)は、画像形成中にパス数を変更した場合の搬送量の変更と分割係数の変更との関係を示した図であり、未使用記録素子群を、先行する走査において定義した場合を示している。
図12(a)の場合、印字領域A−2−1、A−2−2、A−2−3及びA−2−4での1パス目の印字画像の生成に際して使用される分割係数を0としている。
また、図12(b)は、パス数を画像形成中に変更した場合の搬送量の変更と分割係数の変更との関係を示した図であり、図12(a)とは異なる走査において、未使用記録素子群を定義した場合を示している。
図12(b)の場合、印字領域A−2−1では、1パス目が未使用記録素子群として選択され、印字領域A−2−2では2パスめが未使用記録素子群として選択されている。また、印字領域A−2−3では3パス目が未使用記録素子群として選択され、印字領域A−2−4では4パス目が未使用記録素子群として選択されている。
同様に図13(a)の場合、未使用記録素子群は常に先行する走査が選択されている。図13(a)の印字領域A−4−1及びA−4−2での1パス目の印字画像の生成の際に使用される分割係数は0である。
また、図13(b)の場合、印字領域A−4−1では3パス目が未使用記録素子群として選択され、印字領域A−4−2では2パス目が未使用記録素子群として選択される。
以上のように、本実施形態では、パス数を変更し搬送量を変更する箇所で余分な走査が発生する場合、予め定められたパス数において未使用記録素子群を定義する構成とした。
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、パス分割係数決定部において、入力された主走査数情報とパス数とを比較し、余分な走査については分割係数を0にし、未使用記録素子群として定義することとした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、余分な走査が発生した場合であっても、未使用記録素子群を定義せずに、すべての記録素子群を使用するように構成してもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
上記第3の実施形態では、パス分割係数決定部において、入力された主走査数情報とパス数とを比較し、余分な走査については分割係数を0にし、未使用記録素子群として定義することとした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、余分な走査が発生した場合であっても、未使用記録素子群を定義せずに、すべての記録素子群を使用するように構成してもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
<1.印字データ生成部の構成>
本実施形態のインクジェットプリンタ10における印字データ生成部の構成は、図12と同様であるため、ここでは省略する。
本実施形態のインクジェットプリンタ10における印字データ生成部の構成は、図12と同様であるため、ここでは省略する。
なお、本実施形態の場合、パス分割係数決定部320では、印字パス数決定部310より与えられるパス数よりも、搬送制御部290より与えられた主走査数を優先して、分割係数を決定する。
例えば、印字領域A−2−1ではパス数=3、主走査数=4となるが、主走査数=4で印字するものとして、分割係数を決定する。このため、当該印字領域の分割係数は全て25%(0.25)となる。
<2.パス数の変更に伴う記録媒体の搬送量の変更と分割係数の変更との関係>
次に、パス分割係数決定部の処理の詳細について具体例を挙げて説明する。
次に、パス分割係数決定部の処理の詳細について具体例を挙げて説明する。
図14(a)は、パス数を画像形成中に変更した場合の搬送量の変更と分割係数の変更との関係を示した図である。図14(a)に示すように、本実施形態では、3パス印字することが要求される印字領域A−2−1、A−2−2、A−2−3及びA−2−4において、余分な走査であっても印字を行い、4パス印字を行う。
同様に、図14(b)に示すように、2パス印字が要求される印字領域A−4−1及びA−4−2において、余分な走査であっても印字を行い、3パス印字を行う。
このように、本実施形態では、常にパス数の多い箇所を優先して記録媒体の搬送を行うため、どの箇所においても、要求されたパス数より走査が少なくなることはない。また、パス数が多くなる場合、通常は少ない場合に比べて高画質になる。
そのため、余分な走査で印字しても、上記第1乃至第3の実施形態と同等の画像形成速度を維持しながら、より高画質な印字を実現することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。
Claims (7)
- 主走査方向に走査する記録ヘッドを構成する複数の記録素子群それぞれが、記録媒体上の各走査領域を重複して走査するように、該記録媒体が副走査方向に搬送されることで、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体上に画像を形成する際に前記記録素子群が走査する走査回数に応じて、前記画像を副走査方向に領域分類する分類手段と、
前記分類手段により領域分類された各分類領域に対する、前記記録ヘッドの相対位置に基づいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送する際の搬送量を決定する搬送量決定手段と、
前記搬送量決定手段により決定された搬送量に従って、前記記録媒体の副走査方向への搬送を制御する搬送制御手段と、
前記記録ヘッドが重複して走査することにより形成される画像を、該記録ヘッドを構成する各記録素子に対応する画像データごとに、該画像データが属する分類領域に応じて濃度分割するための、各分割係数を決定する分割係数決定手段と、
前記分割係数決定手段により決定された各分割係数を用いて、前記各画像データを濃度分割し、前記各記録素子が印刷する印刷画像を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記搬送量決定手段は、
前記記録ヘッドが位置している分類領域に対応する走査回数に従って、前記搬送量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記搬送量決定手段は、
前記記録ヘッドが2種類の分類領域に位置している場合、各分類領域に対応する走査回数を比較し、多い方の走査回数に従って、前記搬送量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記分割係数決定手段は、
前記分割係数を決定するにあたり、前記各記録素子が印刷画像を印刷する領域において、既に画像が形成されている場合には、該領域に印刷される印刷画像を生成する際の前記分割係数をゼロに決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記分割係数決定手段は、
前記分割係数を決定するにあたり、前記画像データが属する分類領域に対応する走査回数に対して、該画像データを形成するために記録素子により走査される走査回数の方が多い場合には、該走査される記録素子のうち、いずれかの記録素子により印刷される印刷画像を生成する際の分割係数をゼロに決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 主走査方向に走査する記録ヘッドを構成する複数の記録素子群それぞれが、記録媒体上の各走査領域を重複して走査するように、該記録媒体が副走査方向に搬送されることで、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置における画像形成方法であって、
前記記録媒体上に画像を形成する際に前記記録素子群が走査する走査回数に応じて、前記画像を副走査方向に領域分類する分類工程と、
前記分類工程において領域分類された各分類領域に対する、前記記録ヘッドの相対位置に基づいて、前記記録媒体を副走査方向に搬送する際の搬送量を決定する搬送量決定工程と、
前記搬送量決定工程において決定された搬送量に従って、前記記録媒体の副走査方向への搬送を制御する搬送制御工程と、
前記記録ヘッドが重複して走査することにより形成される画像を、該記録ヘッドを構成する各記録素子に対応する画像データごとに、該画像データが属する分類領域に応じて濃度分割するための、各分割係数を決定する分割係数決定工程と、
前記分割係数決定工程において決定された各分割係数を用いて、前記各画像データを濃度分割し、前記各記録素子が印刷する印刷画像を生成する生成工程と
を備えることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項6に記載の画像形成方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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2008
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