以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
<1.インクジェットプリンタの構成>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるインクジェットプリンタのブロック図である。
10はインクジェットプリンタ、20はパソコン、30はデジタルカメラである。100はインクジェットプリンタ10内のCPU、110はCPU100のプログラムやテーブルデータが格納されたROM、120は変数やデータを格納するRAMである。
130はパソコン20よりデータを受け取るためのUSBデバイスインターフェースであり、140はデジタルカメラ30等よりデータを受け取るためのUSBホストインターフェースである。
150はデジタルカメラ30等より入力された多値の画像データを色変換し、2値化処理等を行い、印字画像を生成する画像処理部である。160は画像処理部150において生成された印字画像を記録ヘッドに送り、マルチパス印字の制御を行う印字制御部である。170はマルチパス印字を行うための記録媒体の搬送機構やキャリッジの送り機構等のメカ機構を制御するためのメカ制御部である。180は印字を行うための記録ヘッドや、記録媒体上の印字状態を検出するセンサ、ならびに記録媒体の搬送機構やキャリッジの送り機構等のメカ機構を備えるプリンタエンジン部である。
図1を用いて、デジタルカメラ30による撮影により生成された画像データを直接インクジェットプリンタ10に送り、記録媒体上に画像を形成する場合の処理について説明する。
最初に、画像を形成する記録媒体の種類を検出する。プリンタエンジン部180にセットされた記録媒体(図示せず)の種類を検出するための記録媒体センサ(図示せず)により、記録媒体に関する情報が読み取られる。そして、CPU100が、読み取られた記録媒体に関する情報に基づいて記録媒体の種類を判別する。
記録媒体の種類を検出するためのセンサとしては、特定の波長の光を投射してその反射光を検出する方式など、いくつかの方式が考えられる。ただし、本発明は、記録媒体の種類を検出する方式によって影響を受けないため、ここでは詳細な説明は省略する。
デジタルカメラ30による撮影により生成された画像データは、JPEG画像データとしてデジタルカメラ30内のメモリ(図示せず)に格納される。
デジタルカメラ30は接続ケーブルを介してインクジェットプリンタ10のUSBホストインターフェース140に接続されている。そして、デジタルカメラ30のメモリに格納された画像データは、USBホストインターフェース140を介してインクジェットプリンタ10に送信され、インクジェットプリンタ10内のRAM120に格納される。
なお、デジタルカメラ30より送信された画像データは、JPEG画像(圧縮画像)データであるために、CPU100により解凍された後に、RAM120に格納されることとなる。
インクジェットプリンタ10の画像処理部150では、この画像データをもとに、記録ヘッドにより印字される印字画像を生成する。RAM120に格納された画像データは、画像処理部150により色変換された後にパス分割され、各パスごとに2値化処理等が行われた後に、印字するための印字画像(ドットデータ)に変換される。なお、画像処理部150における処理の詳細は後述する。
パス分割され、印字画像に変換された後は、印字制御部160に渡され、記録ヘッドの駆動順に合わせて、プリンタエンジン部180の記録ヘッドに送られる。そして、プリンタエンジン部180のメカ機構を制御するメカ制御部170とこれにより制御されるメカ機構とに同期して、印字制御部160において吐出パルスが生成される。記録ヘッドは、生成された吐出パルスに基づいてインク滴を吐出することで、記録媒体(図示せず)上に印字を行う。
なお、図1においては、画像処理部150において2値化処理を行うこととしたが、ここでいう2値化処理とは、画像データを印字するために低階調化するための処理を指し、必ずしも2値化に限定するのもではない。例えば、N値化処理(Nは2以上の整数)も含まれるものとする。
また、図1では、記録媒体をプリンタエンジン部180の中に配置されたセンサ(図示せず)が読み取って、CPU100によりインクジェットプリンタ10にセットされた記録媒体の種類を判別することとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、インクジェットプリンタ10本体、または、デジタルカメラ30上において、ユーザが選択した記録媒体の種類を判別するように構成しても良い。なお、本発明は、記録媒体の種類の判別方法により影響を受けないため、ここでは詳細な説明は省略する。
<2.記録ヘッドの概略構成>
図2は、記録ヘッド、センサ、および、記録媒体の関係を示した図である。図2(A)において、200は記録媒体、210は記録ヘッドおよびセンサを搭載したキャリッジである。
220_Cは記録素子として複数の吐出ノズルを有する記録ヘッドであり、シアン用の記録ヘッドである。220_Mは同じくマゼンタ用の記録ヘッド、220_Yはイエロー用の記録ヘッド、220_Bkはブラック用の記録ヘッドである。230は、印字された記録媒体の印字状態を検出するセンサである。
本実施形態では、印字状態を検出するためのセンサとして、RGBのカラーセンサを用いるものとする。ただし、印字状態を検出するためのセンサはRGBのカラーセンサに限定されるものではなく、CMYの補色センサやモノクロセンサ等であってもよい。
<2.1 センサが1つの場合の記録ヘッドの構成(1)>
図2(A−1)において、記録ヘッド220_C、220_M、220_Y、220_Bk、センサ230を搭載したキャリッジ210は、記録媒体200上を主走査方向(細い矢印左から右へ)に走査を行う。そして、この走査中に各記録ヘッド220_Xの吐出ノズル(記録素子)よりインク滴の吐出を行うことで、記録媒体200に印字を行う。
主走査方向への走査を終了し、一走査における印字が終了すると、記録媒体の搬送機構(図示せず)は記録媒体200を副走査方向に(太い矢印下から上へ)に搬送し、次の主走査位置に記録媒体200をセットする。
本実施形態では、同一の印字領域に対して複数回走査するマルチパス印字を行うため、記録媒体200の1回の搬送量は、記録ヘッド220_Xの長さより小さく設定されている。例えば、4パス印字を行う際には、キャリッジ210の一走査が完了するごとに、記録ヘッド220_Xの長さの1/4の長さだけ記録媒体を搬送させる。
ここで、図2(A−1)において、記録媒体の印字状態を検出するセンサ230は、主走査方向に対して記録ヘッド220_Xの上流側に配置されている。このように、センサ230を上流側に配置することにより、マルチパス印字を行っていく際に、以前のパス(走査)において印字された記録媒体の印字状態を検出することが可能となる。すなわち、記録ヘッドの吐出特性(インク吐出量のばらつきやインク吐出方向のばらつき)や、記録媒体の搬送機構による記録媒体200の搬送量のばらつき等に起因して発生する濃度ムラを検出することができる。
本実施形態にかかるインクジェットプリンタ10では、このように上流側に配置したセンサ230により検出された印字状態に基づいて、記録ヘッド220_Xにより印字される印字画像の生成を制御する(詳細は後述する)。
<2.2 センサが1つの場合の記録ヘッドの構成(2)>
図2(A−2)は、キャリッジ210の主走査方向が矢印方向の場合の、センサの位置を示した図である。図2(A−2)に示すように、記録媒体の印字状態を検出するセンサ231は、主走査方向に対して、記録ヘッド220_Xの上流側に位置するように配置される。
このように、センサ231を上流側に配置することにより、マルチパス印字を行っていく際に、以前のパス(走査)において印字された記録媒体の印字状態を検出することが可能となる。すなわち、記録ヘッドの吐出特性(インク吐出量のばらつきやインク吐出方向のばらつき)や、記録媒体の搬送機構による記録媒体200の搬送量のばらつき等に起因して発生する濃度ムラを検出することができる。
本実施形態にかかるインクジェットプリンタ10では、主走査方向の向きに合わせて、センサが常に記録ヘッドの上流側になるように配置し、以前のパスにおいて印字された記録媒体の印字状態を検出する構成とする。記録ヘッド220_Xにより印字される印字画像の生成を制御する。
<2.3 センサが2つの場合の記録ヘッドの構成>
図2(B)は、双方向走査において記録ヘッドが印字を行う(2種類の主走査方向を有する)キャリッジにおけるセンサの配置を示した図である。232はキャリッジ250を右方向に走査した場合に記録ヘッド220_Xの上流側に位置するよう配置したセンサであり、233はキャリッジ250を左方向に走査した場合に記録ヘッド220_Xの上流側に位置するよう配置したセンサである。
このように、双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジの場合、記録ヘッドの両側に配置することで、記録ヘッド220に対して常にセンサ232またはセンサ233が上流側に位置していることとなる。この結果、いずれの方向においても同様に印字画像の生成を制御することが可能となる。
<3.センサが1つの場合の各部の詳細構成>
<3.1 画像処理部及び印字制御部の構成>
図3は、センサにより検出された印字状態に基づいて、印字画像の生成を制御する画像処理部150及び印字制御部160の構成を示す図である。
図3において、320は印字対象となる画像データ、330は画像データ320のRGB信号をCMY信号に変換する色変換部である。
335_Cは色変換されたシアンの画像信号、335_Mは色変換されたマゼンタの画像信号、335_Yは色変換されたイエローの画像信号である。
340は記録媒体の印字状態を検出するセンサであり、350はセンサ340により検出されたRGB信号をCMY信号に変換する色変換部である。
370_Cは、センサ340の検出信号を色変換することにより得られたシアンの検出信号355_Cと、画像データ320を色変換することにより得られたシアンの画像信号335_Cとに基づいて、シアンの印字画像を生成する印字データ生成部である。
370_Mはマゼンタ用の印字データ生成部である。印字データ生成部370_Mは、センサ340の検出信号を色変換することにより得られたマゼンタの検出信号355_Mと、画像データ320を色変換することにより得られたマゼンタの画像信号335_Mとに基づいて、マゼンタの印字画像を生成する。
370_Yはイエロー用の印字データ生成部である。印字データ生成部370_Yは、センサ340の検出信号を色変換することにより得られたイエローの検出信号355_Yと、画像データ320を色変換することにより得られたイエローの画像信号335_Yとに基づいて、イエローの印字画像を生成する。
380_Cは、生成されたシアンの印字画像に基づいて印字を行うために、シアン用の記録ヘッドを制御する印字制御部である。380_Mは、生成されたマゼンタの印字画像に基づいて印字を行うために、マゼンタ用の記録ヘッドを制御する印字制御部である。380_Yは、生成されたイエローの印字画像に基づいて印字を行うために、イエロー用の記録ヘッドを制御する印字制御部である。
かかる構成のもと、各色の印字画像を生成する処理の流れを説明する。図3において、印字対象となる画像データ320は、RGB信号であり、色変換部330によりインクジェットプリンタ10にてCMY信号に変換される。また、印字状態を検出するためのセンサ340より検出されたRGB信号も色変換部350によりCMYの検出信号に変換される。
色変換部350は、センサ340のRGBのカラーフィルタ特性、センサ340の検出領域に対して与える光源の特性、および、印字を行うインクの特性を加味してCMY信号への色変換を行う。
画像データ320を色変換することにより得られたシアンの画像信号335_Cは、センサ340の検出信号を色変換することにより得られたシアンの検出信号355_Cとともに、シアン用の印字データ生成部370_Cに入力される。同様に、マゼンタの画像信号335_Mは、マゼンタの検出信号355_Mとともに、マゼンタ用の印字データ生成部370_Mに入力される。また、イエローの画像信号335_Yは、イエローの検出信号355_Yとともに、イエロー用の印字データ生成部370_Yに入力される。
印字データ生成部370_Xでは、記録ヘッドを介して記録媒体に印字するために、2値化またはN値化(Nは2以上の整数)処理を行い、印字画像を生成する。この際に、センサ340より検出された印字状態についてのRGB信号を色変換部350がCMY信号に変換することにより得られた各色の検出信号を用いて制御する。
印字データ生成部370_Xにおいて印字画像が生成されると、各色の印字制御部380_C、380_M、380_Yは、記録ヘッドおよび記録媒体の搬送機構を制御しながら、該生成された印字画像に基づいて記録媒体上に印字を行っていく。
<3.2 記録ヘッドにおけるセンサ配置の詳細>
次に印字データ生成部370_Xの詳細について説明する前に、記録ヘッドにおけるセンサ配置について詳細に説明する。
(1)4パス印字の場合
図4は、図2に示した記録ヘッド及びセンサの配置を、センサの検出領域に関して、更に詳細に示した図である。
210は記録ヘッド及びセンサを搭載したキャリッジである。220_Cは複数の吐出ノズル(記録素子群)から構成される記録ヘッドであり、シアン用の記録ヘッドである。220_Mは同じくマゼンタ用の記録ヘッド、220_Yはイエロー用の記録ヘッド、220_Bkはブラック用の記録ヘッドである。
また、230は、印字された記録媒体の印字状態を検出するためのセンサである。
また、410〜440は、各インク色の記録ヘッドにおいて、各記録素子群が印字を担当する領域を示している。
図4において、上方向に示した太い矢印は、副走査方向(記録媒体の搬送方向)である。また、細い矢印は、主走査方向である。
なお、図4は、4パス印字を前提として図示しているが、4パス印字以外のマルチパス印字に関しても、同様の考え方が適用できることは言うまでもない。
図4を使って、各記録素子群が、何番目のパスを印字する印字画像を担当するのかを説明する。なお、220_Bk、220_Y、220_M、220_Cそれぞれのインク色の記録ヘッドは同様の構成であるため、ここでは、そのうちの1の記録ヘッドについて説明する。
副走査方向(太い矢印で示す方向)に記録媒体が搬送される場合、記録ヘッド220_Xを構成する記録素子は、410〜440に示すようにパス数に合わせて4分割される。410に示す下1/4の記録素子群は第1パスの印字画像を印字する。420に示す中央部下側の記録素子群は第2パスの印字画像を印字する。430に示す中央部上側の記録素子群は第3パスの印字画像を印字する。440に示す上1/4の記録素子群は第4パスの印字画像を印字する。
本実施形態では、マルチパス印字用に分割された各パス(第2パス以降)の画像データを、目標出力濃度と、センサにより検出された印字状態(以前の走査において印字された記録媒体の印字状態)との差分値(すなわち濃度誤差)に基づいて補正する。
従って、第1パスの印字画像の生成に関しては、印字状態を検出する必要がなく、センサを配置する必要もない。このため、図4に示すように、キャリッジ210を主走査方向に走査させて印字を行う場合、センサは参照番号450に示すように配置される。つまり、印字を行う記録ヘッドに対してキャリッジ210の主走査方向上流側(主走査方向の印字に対して先行する側)に配置され、かつ第1パスの印字画像を印字する記録素子群が配置された領域以外の領域に配置される。
(2)3パス印字の場合
他の例として、3パス印字を行う場合のセンサの位置を図5を用いて説明する。図5において、550は、印字された記録媒体の印字状態を検出するためのセンサである。
図4との違いは、マルチパス印字のパス数が3であるために、各記録ヘッドを構成する記録素子が3分割されている点である。この場合、第1パスの印字画像を印字する記録素子の数が増加するため、4パス印字のために必要なセンサの検出領域が記録ヘッド長さの3/4であったのに対して、3パス印字の場合、必要なセンサの検出領域は、記録ヘッド長さの2/3となる。つまり、4パス印字の場合と比べて、センサの検出領域が短くなる。
<4.センサが2つの場合の各部の詳細構成>
<4.1 画像処理部及び印字制御部の概略構成>
図6は、検出された印字状態に基づいて、印字画像の生成を制御する画像処理部150及び印字制御部160の構成を示す図であって、双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジを備える場合の画像処理部及び印字制御部の構成を示す図である。
双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジの場合、複数のセンサが配置されるため、それぞれのセンサからの検出信号を切り換えて使用するための切り換え手段が必要となる。このため、図6に示す画像処理部には、第1のセンサ232及び第2のセンサ233の検出信号のいずれかを選択する選択回路600が配されている。
選択回路600は、キャリッジ250の走査方向が、紙面左側から右側であった場合は、センサ232を選択することにより、印字直前の印字状態を検出する。また、キャリッジ250の走査方向が、紙面右側から左側であった場合は、センサ233を選択することにより、印字直前の印字状態を検出する。
なお、ここでは、印字直前の印字状態を検出するように、選択回路600を動作させることとしたが、本発明はこれに限定されず、印字直後の印字状態を検出するように選択回路600を動作させてもよい。
この場合、記録ヘッドの特性(吐出量のばらつきや吐出方向のばらつき)のみを直接検出できるというメリットがある。
しかし、マルチパス印字では、搬送機構により記録媒体を搬送した後に次のパスの印字を行うため、印字直後の印字状態を検出するようにすると、記録媒体の搬送量のばらつきを検出することが出来なくなってしまう。このため、搬送誤差に起因する濃度誤差(濃度ムラ)を補正することが出来なくなるというデメリットがある。
また、検出された印字直後の印字状態を一時記憶するための記憶手段を配する必要が生じるため、コストアップにつながるというデメリットもある。
このため、選択回路600は、印字直前の印字状態を検出するように動作させることが望ましい。
<4.2 記録ヘッドにおけるセンサ配置の詳細>
(1)4パス印字の場合
図7は、双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジにおける、センサの具体的な配置を示した図である。
図7に示すように、双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジの場合、センサは記録ヘッドの両側に配置される(232、233参照)。これにより、紙面左側から右側への走査、及び、右側から左側への走査のいずれの方向の走査においても、記録ヘッドの上流側にて印字状態を検出することができる。
図7を使って、各記録素子群が、何番目のパスを印字する印字画像を担当するのかを説明する。なお、220_Bk、220_Y、220_M、220_Cそれぞれのインク色の記録ヘッドは同様の構成であるため、そのうちの1の記録ヘッドについて説明する。
副走査方向(太い矢印で示す方向)に記録媒体が搬送される場合、記録ヘッド220_Xを構成する記録素子は、710〜740に示すようにパス数に合わせて4分割される。710に示す下1/4の記録素子群は第1パスの印字画像を印字する。720に示す中央部下側の記録素子群は第2パスの印字画像を印字する。730に示す中央部上側の記録素子群は第3パスの印字画像を印字する。740に示す上1/4の記録素子群は第4パスの印字画像を印字する。
本実施形態では、マルチパス印字用に分割された各パス(第2パス以降)の画像データを、目標出力濃度と、センサにより検出された印字状態(以前の走査において印字された記録媒体の印字状態)との差分値(すなわち濃度誤差)に基づいて補正する。
従って、第1パスの印字画像の生成に関しては、印字状態を検出する必要がなく、センサを配置する必要がない。このため、図7に示すように、キャリッジ250を紙面左側から右側に走査させて印字を行う場合、センサは参照番号752に示すよう配置される。つまり、印字を行う記録ヘッドに対してキャリッジ250の主走査方向上流側に配置され、かつ第1パスの印字画像を印字する記録素子群が配置された領域以外の領域に配置される。
同様に、キャリッジ250を紙面右側から左側に走査させて印字を行う場合、センサは、参照番号753に示すように配置される。つまり、印字を行う記録ヘッドに対してキャリッジ250の主走査方向上流側に配置され、かつ第1パスの印字画像を印字する記録素子群が配置された領域以外の領域に配置される。
(2)3パス印字の場合
他の例として、3パス印字を行う場合のセンサの位置を図8を用いて説明する。図8において、852、853は、印字された記録媒体の印字状態を検出するためのセンサである。
図7との違いは、マルチパス印字のパス数が3であるために、各記録ヘッドを構成する記録素子が3分割されている点である。この場合、第1パスの印字画像を印字する記録素子の数が増加するため、4パス印字のために必要なセンサの検出領域が記録ヘッド長さの3/4であったのに対して、3パス印字の場合、必要なセンサの検出領域は、記録ヘッド長さの2/3となる。つまり、4パス印字の場合と比べて、センサの検出領域が短くなる。
<5.印字データ生成部の構成>
<5.1 各部の構成>
図9を用いて、図3における印字データ生成部370_X(370_Xは、370_C、370_M、370_Yのいずれであってもよいことを示している)について、動作の詳細を説明する。なお、図9では、4パス印字を例として説明するが、4パス印字以外のマルチパス印字に関しても、同様に構成されうることはいうまでもない。
図9において、900はセンサより送信された検出信号984を濃度値(検出濃度)に変換するための濃度変換部である。
910は、画像データを各パスにあわせて濃度分割するための濃度比率(印字濃度比率)を格納したパス分割テーブルである。982_1は第1パスの印字濃度比率k1、982_2は第2パスの印字濃度比率k2、982_3は第3パスの印字濃度比率k3、982_4は第4パスの印字濃度比率k4である。
920_1は、各インク色に色変換された画像信号981に第1パスの印字濃度比率k1を乗算することで、第1パスの画像信号の画像濃度を計算する乗算器である。920_2は、各インク色に変換された画像信号981に第2パスの印字濃度比率k2を乗算することで、第2パスの画像信号の画像濃度を計算する乗算器である。920_3は、各インク色に変換された画像信号981に第3パスの印字濃度比率k3を乗算することで、第3パスの画像信号の画像濃度を計算する乗算器である。920_4は、各インク色に変換された画像信号981に第4パスの印字濃度比率k4を乗算することで、第4パスの画像信号の画像濃度を計算する乗算器である。
983_1は第1パスの印字濃度比率k1であり、983_2は第1パス、第2パスの合計の印字濃度比率k1+k2であり、983_3は第1パス、第2パス、第3パスの合計の印字濃度比率k1+k2+k3である。
930_1は第1パスによる目標出力濃度を計算する乗算器であり、930_2は第1パス、第2パスによる目標出力濃度を計算する乗算器であり、930_3は第1パス、第2パス、第3パスによる目標出力濃度を計算する乗算器である。
940_1は第1パスによる目標出力濃度と、濃度変換部900より出力された検出濃度との差分値を計算する加算器である。940_2は第1パス、第2パスによる目標出力濃度と濃度変換部900より出力された検出濃度との差分値を計算する加算器である。940_3は第1パス、第2パス、第3パスによる目標出力濃度と濃度変換部900より出力された検出濃度との差分値を計算する加算器である。
950_2は加算器940_1により計算された第1パスによる目標出力濃度と濃度変換部900より出力された検出濃度との差分値を、第2パスの画像信号の画像濃度に加算するための加算器である。
950_3は加算器940_2により計算された第1パス、第2パスによる目標出力濃度と濃度変換部900より出力された検出濃度との差分値を、第3パスの画像信号の画像濃度に加算するための加算器である。
950_4は加算器940_3により計算された第1パス、第2パス、第3パスによる目標出力濃度と濃度変換部900より出力された検出濃度との差分値を第4パスの画像信号の画像濃度に加算するための加算器である。
960_1は第1パスの画像信号の画像濃度を計算した乗算器920_1の出力から第1パスの印字画像を生成する低階調化部である。960_2は第2パスの画像信号の画像濃度を計算した加算器950_2の出力から第2パスの印字画像を生成する低階調化部である。960_3は第3パスの画像信号の画像濃度を計算した加算器950_3の出力から第3パスの印字画像を生成する低階調化部である。960_4は第4パスの画像信号の画像濃度を計算した加算器950_4の出力から第4パスの印字画像を生成する低階調化部である。
970_1は、低階調化部960_1において生成された第1パスの印字画像を記憶する第1パス印字画像記憶部である。970_2は、低階調化部960_2において生成された第2パスの印字画像を記憶する第2パス印字画像記憶部である。970_3は、低階調化部960_3において生成された第3パスの印字画像を記憶する第3パス印字画像記憶部である。970_4は、低階調化部960_4において生成された第4パスの印字画像を記憶する第4パス印字画像記憶部である。
<5.2 印字データ生成部における処理の流れ>
上記構成のもと、印字データ生成部370_Xでは、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態をセンサが検出することにより得られた検出濃度と、計算上の目標出力濃度との差分値(濃度誤差)に基づいて、次パスの印字画像を生成する。以下、印字データ生成部370_Xにおける処理の流れについて説明する。
まず、各インク色に変換された画像信号981は、各パス毎の画像信号の画像濃度を計算する乗算器920_Xに入力され、パス分割テーブル910より読み出された係数(k1、k2、k3、k4)によって乗算される。これにより、各パスごとの画像信号の画像濃度が計算される。
第1パスの印字画像に関しては、乗算器920_1により計算された第1パスの画像信号の画像濃度が、直接、低階調化部960_1に入力されることで生成され、第1パス印字画像記憶部970_1に記憶される。
一方、第2パス以降の印字画像に関しては、まず、乗算器920_Xにおいて各パスの画像信号の画像濃度が計算されるとともに、それ以前の走査による目標出力濃度が乗算器930_Xにおいて計算される。
例えば、第2パスの印字画像を生成する場合には、乗算器930_1において、各インク色に変換された画像信号981に第1パスの印字濃度比率k1を乗算することで、第1パスによる目標出力濃度が計算される。
続いて、センサより送信された印字状態を示す検出信号が、CMY信号に色変換された後に、濃度変換部900にて検出濃度に変換される。第1パスの検出濃度は、乗算器930_1で計算された目標出力濃度と比較し差分値を計算するために、加算器940_1に入力される。
加算器940_1により計算された第1パスの目標出力濃度と検出濃度との差分値は、加算器950_2により第2パスの画像信号の印字濃度に加算される。そして、第1パスによる目標出力濃度と検出濃度との差分値に基づいて補正された第2パスの画像信号の印字濃度に基づいて、低階調化部960_2では印字画像が生成される。生成された第2パスの印字画像は、第2パス印字画像記憶部970_2に記憶される。
同様に第3パスの印字画像に関しては、まず、乗算器920_3において、第3パスの画像信号の画像濃度が計算されるととともに、既に印字を行った第1パス、第2パスの合計の目標出力濃度が、乗算器930_2において計算される。
具体的には、乗算器930_2において、各インク色に変換された画像信号981に、第1パス、第2パスの印字濃度比率の合計k1+k2が乗算されることで、第1、第2パスによる目標出力濃度が計算される。
続いて、センサより送信された印字状態を示す検出信号が、CMY信号に色変換された後に、濃度変換部900にて検出濃度に変換される。第1、第2パスの検出濃度は、乗算器930_2で計算された目標出力濃度と比較し差分値を計算するために、加算器940_2に入力される。
加算器940_2により計算された第1、第2パスの目標出力濃度と検出濃度との差分値は、加算器950_3により第3パスの画像信号の印字濃度に加算される。第1、第2パスによる目標出力濃度と検出濃度との差分値に基づいて補正された第3パスの画像信号の印字濃度に基づいて、低階調化部960_3では印字画像が生成される。生成された第3パスの印字画像は、第3パス印字画像記憶部970_3に記憶される。
第4パスの印字画像に関しても、同様に、加算器940_3が、以前の走査による合計の目標出力濃度とセンサからの出力に基づいて算出された検出濃度との差分値を計算する。そして、計算された差分値に基づいて、加算器950_4が、第4パスの画像信号の画像濃度を補正する。更に、補正された第4パスの画像信号の画像濃度に基づいて、低階調化部960_4が印字画像を生成する。生成された印字画像は、第4パス印字画像記憶部970_4に記憶される。
このようにして各パスごとに記憶された印字画像は、印字制御部(図示せず)による制御のもとで記録媒体に印字される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、記録ヘッドに対して主走査方向の上流側にセンサを配置し、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態を検出する構成とした。
これにより、搬送機構による記録媒体の搬送誤差や、記録ヘッドのノズルのばらつき(吐出量の大小や吐出方向のばらつき等)によるスジムラなどの濃度ムラを、実際の印字を行う中で検出することが可能となった。
更に、本実施形態では、検出した印字状態に基づいて、次のパスにおいて印字する印字画像を生成する構成とした。この結果、濃度ムラを低減させることが可能となった。
このように、本実施形態では、走査の直前に検出された印字状態に基づいて印字画像を生成するため、生成された印字画像を、直接、記録ヘッドに転送することが可能となる。この結果、印字画像を記憶するための記憶手段の容量を小さくすることが可能である。
また、第1パスの印字直前の印字状態を検出する必要がないため、第1パスの印字直前の領域を検出するためのセンサを配置する必要がなくない。この結果、センサ回路の大きさを最小限にすることが可能となり、センサを配することに伴うコストアップを抑えることが可能となる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、記録ヘッドを構成する記録素子群のうち、第2パス〜第4パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にセンサを配置し、第2パス〜第4パスの印字画像を印字する直前の記録媒体の印字状態を検出する構成とした。
しかしながら、このような構成の場合、従来のように印字状態を検出するセンサを配置することなく印字画像を生成する方法と比べ、濃度ムラを低減できる一方で、コストアップを免れないという問題がある。
そこで、本実施形態では、コストアップを最小限に抑えるべく、最も濃度ムラ低減の効果の高いパスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にのみセンサを配置する構成とする。
一般に、4パス印字を行う場合、画像データにもよるが、第3パス、第4パスではドット密度が高くなってきて、濃度補正する場合の効果が少なくなる。これに対して第2パスでの濃度補正は、ドット密度がまだ低く、濃度ムラが目立ちやすいため、濃度補正の効果が高い。
このため、本実施形態では、記録ヘッドを構成する記録素子群のうち、第2パスを含む一部のパスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にのみセンサを配置し、該センサにおいて検出された印字状態に基づいて、印字画像を生成することとする。以下、本実施形態の詳細について説明する。
<1.4パス印字の場合(1パス分を検出)>
図10は、記録ヘッドを構成する記録素子群のうち、印字状態を検出するセンサを、第2パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にのみ配置したキャリッジを示す図である。
図10(A)は主走査方向が紙面左側から右側である場合のセンサの配置を示している。図10(A)において、210は、記録ヘッド及びセンサを搭載したキャリッジである。
220_Cは記録素子として複数の吐出ノズルを有する記録ヘッドであり、シアン用の記録ヘッドである。220_Mは同じくマゼンタ用の記録ヘッド、220_Yは同じくイエロー用の記録ヘッド、220_Bkはブラック用の記録ヘッドである。1050は、印字された記録媒体の印字状態を検出するためのセンサである。
また、410〜440は、上記第1の実施形態において図4を用いて説明したように、各インク色の記録ヘッドにおいて、各記録素子群が印字を担当する領域を示している。
図10(B)は、双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジにおける、センサ配置を示した図である。図10(B)において、250は、記録ヘッド及びセンサを搭載したキャリッジである。
1052はキャリッジ250が紙面左側より右側に走査した時に記録ヘッド220_Xの上流側において印字状態を検出するためのセンサである。1053はキャリッジ250が紙面右側より左側に走査した時に記録ヘッド220_Xの上流側において印字状態を検出するためのセンサである。
図4の場合と同様に、図10の説明は、4パス印字を前提として行う。ただし、4パス印字以外のマルチパス印字においても、同様の考え方が適用可能であることは言うまでもない。また、図10では、第2パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にセンサを配置することとするが、第2パス以外の他のパスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にセンサを配置してもよい。
図10(A)を使って、各記録素子群が、何番目のパスを印字する印字画像を担当するのかを説明する。副走査方向(太い矢印で示す方向)に記録媒体が搬送される場合、記録ヘッド220_Xを構成する記録素子は、410〜440に示すようにパス数に合わせて4分割される。
410に示す下1/4の記録素子群は第1パスの印字画像を印字し、420に示す中央部下側の記録素子群は第2パスの印字画像を印字する。また、430に示す中央部上側の記録素子群は第3パスの印字画像を印字し、440に示す上1/4の記録素子群は第4パスの印字画像を印字する。
本実施形態では、マルチパス印字用に分割された第2パスの印字画像を生成する際に、センサより検出された、以前の走査で印字した記録媒体の印字状態と、目標出力濃度との濃度誤差を計算し、計算された濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。
一方、第1パスの印字画像の生成に際しては、印字状態の検出を行わない。同様に、第3パス、第4パスの印字画像の生成に際しても、印字状態の検出を行わない。
同様に、図10(B)を使って、各記録素子群が、何番目のパスを印字する印字画像を担当するのかを説明する。副走査方向(太い矢印で示す方向)に記録媒体が搬送される場合、各記録素子群は、710〜740に示すようにパス数に合わせて4分割される。
710に示す下1/4の記録素子群は第1パスの印字画像を印字し、720に示す中央部下側の記録素子群は第2パスの印字画像を印字する。730に示す中央部上側の記録素子群は第3パスの印字画像を印字し、740に示す上1/4の記録素子群は第4パスの印字画像を印字する。
本実施形態では、マルチパス印字用に分割された第2パスの印字画像を生成する際に、センサより検出された、以前の走査で印字した記録媒体の印字状態と、目標出力濃度との濃度誤差を計算し、計算された濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。このとき、紙面左側から右側に走査する際には、センサ1053により検出された印字状態に基づいて、第2パスの印字画像を生成する。また、紙面右側から左側に走査する際には、センサ1052により検出された印字状態に基づいて、第2パスの印字画像を生成する。
<2.4パス印字の場合(2パス分を検出)>
図11は、記録ヘッドを構成する記録素子群のうち、印字状態を検出するセンサを、第2パス及び第3パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置に配置したキャリッジを示す図である。
図11(A)は主走査方向が紙面左側から右側である場合のセンサの配置を示した図である。図11(A)において、210は、記録ヘッド及びセンサを搭載したキャリッジである。
220_Cは複数の記録素子群から構成される記録ヘッドであり、シアン用の記録ヘッドである。220_Mは同じくマゼンタ用の記録ヘッド、220_Yはイエロー用の記録ヘッド、220_Bkはブラック用の記録ヘッドである。1150は、印字された記録媒体の印字状態を検出するためのセンサである。
図11(A)に示す構成の場合、マルチパス印字用に分割された第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサより検出された、以前の走査で印字した記録媒体の印字状態と目標出力濃度との濃度誤差を計算し、該濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。
一方、第1パスの印字画像の生成に際しては、印字状態の検出を行わない。同様に、第4パスの印字画像の生成に際しても、印字状態の検出を行わない。
図11(B)は、双方向走査において記録ヘッドが印字を行うキャリッジにおけるセンサ配置を示した図である。図11(B)において、250は、記録ヘッド及びセンサを搭載したキャリッジである。
1152はキャリッジ250が紙面左側より右側に走査した時に記録ヘッド220_Xの上流側において印字状態を検出するためのセンサである。1153は、キャリッジ250が紙面右側より左側に走査した時に記録ヘッド220_Xの上流側において印字状態を検出するためのセンサである。
図11(B)に示す構成の場合、紙面左側から右側に走査する場合にあっては、マルチパス印字用に分割された第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサ1152により検出された印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。
また、紙面右側から左側に走査する場合にあっては、マルチパス印字用に分割された第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサ1153により検出された印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。
<3.6パス印字の場合(2パス分を検出)>
図12は、記録ヘッドを構成する記録素子群を、6パス印字用に6分割した場合において、第2パス及び第3パスの印字画像を印字する記録素子群に対応する位置に、印字状態を検出するセンサを配置したキャリッジの構成を示す図である。
図12(A)に示す構成の場合、マルチパス印字用に分割された第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサ1250より検出された、以前の走査で印字した記録媒体の印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて、濃度補正を行う。
一方、第1パスの印字画像の生成に際しては、印字状態の検出は行わない。同様に、第4パス〜第6パスの印字画像の生成に際しても、印字状態の検出は行わない。
図12(B)は、双方向走査において印字を行うキャリッジのセンサ配置を示した図である。図12(B)において、250は、記録ヘッド及びセンサを搭載したキャリッジである。
1252はキャリッジ250が紙面左側より右側に走査した時に記録ヘッド220_Xの上流側において印字状態を検出するためのセンサである。1253は、キャリッジ250が紙面右側より左側に走査した時に記録ヘッド220_Xの上流側において印字状態を検出するためのセンサである。
図11(B)に示す構成の場合、紙面左側から右側に走査する場合にあっては、マルチパス印字用に分割された第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサ1252により検出された印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。
また、紙面右側から左側に走査する場合にあっては、マルチパス印字用に分割された第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサ1253により検出された印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて濃度補正を行う。
一方、第1パスの印字画像の生成に際しては、印字状態の検出は行わない。同様に、第4パス〜第6パスの印字画像の生成に際しても、印字状態の検出は行わない。
<4.4パス印字と6パス印字の関係>
次に、パス分割とセンサ配置との関係について説明する。図13は、記録ヘッドとセンサ配置との関係を示す図である。図13において、1301は、記録ヘッドを構成する複数の記録素子を、4パス印字用に4分割した様子を示している。1302は、記録ヘッドを構成する複数の記録素子を、6パス印字用に6分割した様子を示している。
記録ヘッド1301の場合、第2パス及び第3パスの印字画像を生成する際に、センサ1303により検出された印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて濃度補正が行われることとなる。
一方、記録ヘッド1302の場合、第3パス及び第4パスの印字画像を生成する際に、センサ1303により検出された印字状態と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて濃度補正が行われることとなる。
このように、センサ配置が同じであっても、パス分割の数によって、濃度補正の対象となる印字画像が異なってくる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、印字状態を検出するセンサを、濃度ムラの低減効果が最も大きい位置にのみ配置する構成とした。この結果、低コストで濃度ムラを低減することが可能となった。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、センサにおいて検出された印字状態に基づいて、第2パス以降の各パスの印字画像の生成に際して濃度補正を行う構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2パス以降の各パスのうち、所定のパスのみを選択的に濃度補正するように構成してもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
<1.印字データ生成部の詳細構成(1)>
図14は、本実施形態にかかるインクジェットプリンタの印字データ生成部370_Xの構成を示す図である。
上記第1の実施形態の印字データ生成部370_X(図9)との違いは、濃度補正選択部1410が追加されている点と、選択回路(sel)1400_2〜1400_4が追加されている点である。
濃度補正選択部1410は、第2パス以降の印字画像の生成に際して、センサにより検出された印字状態に基づいて濃度補正を行うか、センサにより検出された印字状態に基づく濃度補正を行わないかを選択するための信号sel2〜sel4を出力する。
選択回路1400_2は、濃度補正選択部1410から出力された信号sel2に基づいて、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択する。具体的には、低階調化部960_2において印字画像を生成するにあたり、加算器950_2の出力を用いるか、乗算器920_2の出力を用いるかを選択する。
同様に、選択回路1400_3は、濃度補正選択部1410から出力された信号sel3に基づいて、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択する。具体的には、低階調化部960_3において印字画像を生成するにあたり、加算器950_3の出力を用いるか、乗算器920_3の出力を用いるかを選択する。
同様に、選択回路1400_4は、濃度補正選択部1410から出力された信号sel4に基づいて、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択する。具体的には、加算器950_4の出力を用いるか、乗算器920_4の出力を用いるかを選択する。
<2.印字データ生成部(図14)の動作例>
図14に示す印字データ生成部の動作例として、図10(A)または図10(B)に示す構成を備えるキャリッジを用いる場合について説明する。
この場合、第2パスの印字画像を生成するために、図14に示す印字データ生成部では、信号sel2に基づいて、選択回路1400_2が加算器950_2の出力を選択する。
一方、第3パス、第4パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置には、センサが配置されていないため、第3パス、第4パスの印字画像を生成するにあたり、濃度補正は行うことはできない。
このため、図14に示す印字データ生成部では、信号sel3、4に基づいて、選択回路1400_3、1400_4が、乗算器920_3、920_4の出力を選択する。
このように、本実施形態にかかるインクジェットプリンタによれば、例えば、キャリッジに搭載されたセンサの配置に対応して、印字画像の生成方法を切り換えることが可能となる。
なお、インクジェットプリンタでは、様々な印字条件をサポートすることが一般的であり、印字条件によりパス数や濃度補正を行う対象となるパスが変わっていくる。このように様々な印字条件をサポートするうえで、選択回路による切り換え機能を有効である。
ただし、印字条件を特定し、特定のパスの画像信号に対してのみ濃度補正を行うのであれば、このような選択回路を用いる必要はない。例えば、濃度補正を行う系と濃度補正を行わない系とをシステム的に分けるように構成してもよい。
この場合、印字条件に基づいて、濃度補正を行う系と行わない系とを切り換えるための選択回路を設けるように構成してもよい。
<3.印字データ生成部の詳細構成(2)>
図14では、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を行うか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを各パスごとに選択的に切り換える構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像信号を濃度補正するか否かを各パスごとに選択的に切り換えるように構成してもよい。
図15は、本実施形態にかかるインクジェットプリンタの印字データ生成部370_Xの他の構成を示す図である。
図15の濃度補正選択部1410における動作は、図14の濃度補正選択部1410における動作と同様である。
図15の濃度補正選択部1410では、第2パス以降の印字画像の生成に際して、濃度補正を行うか否かを選択する信号sel2〜sel4を出力する。
選択回路1500_2は、濃度補正選択部1410から出力された信号sel2に基づいて、濃度誤差を計算した加算器940_1の出力である濃度誤差信号、または濃度誤差がないことを表わす補正値“0”(ゼロ)の2つの信号のいずれかを選択する。
すなわち、選択回路1500_2では、信号sel2に基づいて濃度補正を行う場合は、濃度誤差信号(加算器940_1の出力)を出力し、濃度補正を行わない場合は、補正値‘0’を出力する。
同様に、選択回路1500_3は、濃度補正選択部1410から出力された信号sel3に基づいて、濃度誤差を計算した加算器940_2の出力である濃度誤差信号、または濃度誤差がないことを表わす補正値“0”の2つの入力信号のいずれかを選択する。
すなわち、選択回路1500_3では、信号sel3に基づいて濃度補正を行う場合は、濃度誤差信号(加算器940_2の出力)を出力し、濃度補正を行わない場合は、補正値‘0’を出力する。
同様に、選択回路1500_4は、濃度補正選択部1410から出力された信号sel4に基づいて、濃度誤差を計算した加算器940_3の出力である濃度誤差信号、または濃度誤差がないことを表わす補正値“0”の2つの入力信号のいずれかを選択する。
すなわち、選択回路1500_4では、信号sel4に基づいて濃度補正を行う場合は、濃度誤差信号(加算器940_3の出力)を出力し、濃度補正を行わない場合は、補正値‘0’を出力する。
<4.印字データ生成部(図15)の動作例>
図15に示す印字データ生成部の動作例として、図10(A)に示す構成を備えるキャリッジを用い場合について説明する。
この場合、第2パスの印字画像を生成するために、図15に示す印字データ生成部では、信号sel2に基づいて、選択回路1500_2が加算器940_2の出力を選択する。
一方、第3パス、第4パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置には、センサが配置されていないため、第3パス、第4パスの印字画像を生成するにあたり、濃度補正は行わない。
このため、図15に示す印字データ生成部では、信号sel3、4に基づいて、選択回路1500_3、1500_4が、補正値“0”を出力するよう選択する。
このように、本実施形態にかかるインクジェットプリンタによれば、例えば、キャリッジに搭載されたセンサの配置に応じて、印字画像の生成方法を切り換えることが可能となる。
<5.印字データ生成部の詳細構成(3)>
図14では、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を行うか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを各パスごとに選択的に切り換える構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像と、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像とを各パスごとに選択的に切り換えるように構成してもよい。
図16は、本実施形態にかかるインクジェットプリンタの印字データ生成部370_Xの他の構成を示す図である。
図16の濃度補正選択部1410における動作は、図14の濃度補正選択部1410における動作と同様である。図16の濃度補正選択部1410では、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像と、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像のいずれを用いるかを選択する信号sel2〜sel4を出力する。
また、図16の低階調化部1650_Xは、パス分割を行う乗算器920_Xの出力を直接入力し、低階調化を行う。
選択回路1600_2は、信号sel2に基づいて、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像と、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像のいずれかを選択する。
すなわち、選択回路1600_2では、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像を選択する場合には、低階調化部960_2の出力を選択して出力する。一方、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像を選択する場合には、低階調化部1650_2の出力を選択して出力する。
選択回路1600_3は、信号sel3に基づいて、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像と、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像のいずれかを選択する。
すなわち、選択回路1600_3では、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像を選択する場合には、低階調化部960_3の出力を選択して出力する。一方、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像を選択する場合には、低階調化部1650_3の出力を選択して出力する。
選択回路1600_4は、信号sel4に基づいて、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像と、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像のいずれかを選択する。
すなわち、選択回路1600_4では、濃度補正された画像信号を低階調化することで生成された印字画像を選択する場合には、低階調化部960_4の出力を選択して出力する。また、濃度補正されていない画像信号を低階調化することで生成された印字画像を選択する場合には、低階調化部1650_4の出力を選択して出力する。
<6.印字データ生成部(図16)の動作例>
図16に示す印字データ生成部の動作例として、図10(A)に示す構成を備えるキャリッジを用いる場合について説明する。
この場合、第2パスの印字画像を生成するために、図16に示す印字データ生成部では、信号sel2に基づいて、選択回路1600_2が低階調化部960_2の出力を選択する。
一方、第3パス、第4パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置には、センサが配置されていないため、第3パス、第4パスの印字画像を生成するにあたり、濃度補正を行うことができない。
このため、図16に示す印字データ生成部では、信号sel3、4に基づいて、選択回路1600_3、1600_4が、低階調化部1650_3、1650_4の出力を選択して出力する。
このように、本実施形態にかかるインクジェットプリンタによれば、キャリッジに搭載されたセンサの配置に応じて、印字画像の生成方法を切り換えることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のよれば、印字画像の生成に際して、センサにより検出され印字状態を用いて濃度補正を行うか否かをパスごとに選択することが可能となる。
[第4の実施形態]
上記第2の実施形態では、センサを配置するにあたり、記録ヘッドを構成する複数の記録素子をパス分割し、いずれかのパスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置に配置する構成とした。
しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、いずれかのパスの印字画像を印字する記録素子群が配置された領域よりも広い領域を網羅するように、センサを配置するようにしてもよい。以下に、本実施形態の詳細について説明する。
なお、本実施形態では、主走査方向に走査した際に印字する場合について説明するが、双方向走査において印字する場合も、センサの縦方向の配置は同じであるため、同様である。また、印字状態を検出するセンサは、記録ヘッドに対して走査方向上流側に配置されるものとして説明を行う。
図17は、本実施形態にかかるインクジェットプリンタにおける、記録ヘッドとセンサとの位置関係を示した図である。
図17において、410〜440は、各インク色の記録ヘッドにおいて、各記録素子群が印字を担当する領域を示している。410は第1パスの印字画像を印字する領域を、420は第2パスの印字画像を印字する領域を、430は第3パスの印字画像を印字する領域を、440は第4パスの印字画像を印字する領域を示している。
1720は、第2パスの印字画像の生成に際して、印字状態の検出を行うセンサであり、主走査方向に対して、記録ヘッドの上流側に配置されている。1711は、センサ1720により印字状態が検出される記録媒体上の領域を示している。
領域1711のうち、1710は、すでに第1パスの印字画像が印字された領域(すなわち、これから第2パスの印字画像を印字する領域)である。また、1713は、すでに第2パスの印字画像が印字された領域(すなわち、これから第3パスの印字画像を印字する領域)である。更に、1712は、まだ印字されていない領域(すなわち、これから第1パスの印字画像を印字する領域)である。
上記第1の実施形態において図9を用いて説明したように、センサにより検出された印字状態を示す検出信号は、CMY信号に色変換された後に、濃度変換部900にて検出濃度に変換される。
この時、濃度変換部900では印字状態を検出した検出信号をフィルタ処理する場合がある。そして、3×3あるいは5×5等のフィルタ処理を行うためには、注目している点とその近傍の参照領域の濃度を検出した検出信号が必要である。
また、濃度変換部900では、センサにより検出された印字状態を示す検出信号と、画像信号981とを比較するにあたり、それぞれの解像度をあわせる必要がある。このために、印字状態を示す検出信号に対しては、解像度変換が行われる。
このとき、バイキュービック法等により解像度変換を行う場合には、注目している点の周囲4点×4点の濃度を検出した検出信号が必要である。
このように濃度変換部900でセンサにより検出された検出信号をフィルタ処理したり、解像度変換処理したりするためには、実際に濃度補正を行う着目画素領域よりも広範囲の領域の印字状態を検出しておく必要がある。
図17に示すセンサ1720は、濃度変換部900におけるこのような要求に対応するために構成されたものであり、フィルタ処理や解像度変換処理を円滑に行うために、各パスの印字画像を印字する記録素子群よりも広い領域を網羅するように配置されている。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、印字状態を検出するためのセンサを、対応するパスの印字画像を印字する記録素子群よりも広い領域を網羅するように配置する構成とした。この結果、濃度変換部900におけるフィルタ処理及び解像度変換処理を円滑に行うことが可能となるとともに、濃度補正領域端部の濃度ムラを低減することが可能となる。
[第5の実施形態]
上記第1の実施形態乃至第3の実施形態では、各パス(第2パス以降の全パスあるいは第2パス以降の特定のパス)の印字画像の生成に際して、各パスの印字画像を印字する記録素子群の配置に対応する位置にセンサを配置する構成とした。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明の目的は、搬送機構による記録媒体の搬送誤差や、記録ヘッドのノズルのばらつき(吐出量の大小や吐出方向のばらつき)等によるスジムラなどの濃度ムラを、実際の印字を行う中で検出し、これに対応して最適なドット生成制御を行うことにある。
一方で、このような濃度ムラが発生する可能性が高い場所は、各パスの境界位置である。この理由は、搬送機構による記録媒体の搬送量のばらつきにより、パスの境界位置にスジムラが発生するからである。また、記録ヘッドの特性として、記録ヘッドの上端部、および下端部の吐出ノズルの吐出方向のばらつきが中央部より大きいためである。
この結果、記録素子群端部のドットの位置ずれが大きくなり、これが原因で濃度ムラが生じている。
このようなことを考慮すると、センサにより検出された、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態に基づいて、印字画像を生成するにあたっては、濃度補正する領域を、パスの境界位置に限定しても構わない。以下、本実施形態として、パスの境界位置にセンサを配置する場合について説明する。
<1.記録ヘッドにおけるセンサ配置の詳細>
図18は、本実施形態にかかるインクジェットプリンタにおける、記録ヘッドとセンサとの位置関係を示す図である。
図18において、1810〜1840は、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態を検出するセンサを示している。センサ1810は、第1パスと第2パスとの境界の濃度ムラを検出するために配置される。また、センサ1820は、第2パスと第3パスの境界の濃度ムラを検出するために配置される。また、センサ1830は、第3パスと第4パスの境界の濃度ムラを検出するために配置される。更に、センサ1840は、第4パスと全パス印字終了後の印字結果との境界の濃度ムラを検出するために配置される。
<2.印字データ生成部の詳細構成(1)>
図18に示す記録ヘッドとセンサとの位置関係に対応する、印字データ生成部の詳細を図19を用いて説明する。
図19に示すように、印字データ生成部370_Xは、選択回路1900_Xを備える。選択回路1900_Xは、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択する。
なお、図19に示す印字データ生成部370_Xの場合、第1パスの印字画像の生成に際しても、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択できるよう構成されている。
すなわち、濃度補正選択部1910は、第1パスの印字画像の生成に際して、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択する信号sel1を出力する。
そして、選択回路1900_1(画像選択手段)は、濃度補正選択部1910から出力された信号sel1に基づいて、濃度補正された画像信号に基づいて印字画像を生成するか、濃度補正されていない画像信号に基づいて印字画像を生成するかを選択する。具体的には、低階調化部960_1において印字画像を生成するにあたり、加算器950_1の出力を用いるか、乗算器920_1の出力を用いるかを選択する。
このように、第1パスの印字画像の生成に際して、センサにより検出された印字状態に基づいて濃度補正を行うことができるのは、図18に示すように、第1パスと第2パスの境界位置にセンサ1810が配置されているためである。
センサ1810を第1パスと第2パスの境界位置に配置することにより、第1パスの印字画像の生成に際しても、センサ1810により検出した印字状態に基づいて濃度補正を行うことが可能となる。
なお、本来、記録媒体上の第1パスの領域には印字が行われていないため、センサにより検出された印字状態に基づいて濃度補正を行う必要はない。
しかし、先に説明したように、記録ヘッドのノズル特性のばらつき(吐出方向のばらつき等)や、記録媒体の搬送量のばらつき等により、第1パスと第2パスの境界位置の第1パス側に、第1パスにより印字したドットがはみ出してくることがある。本実施形態のセンサ配置によれば、このはみ出したドットに対しても、センサが検出することができ、これに基づいて、第1パスの画像信号に対して濃度補正を行うことが出来る。この結果、濃度ムラをより一層低減させることが可能となる。
<3.印字データ生成部の詳細構成(2)>
図18に示す記録ヘッドとセンサとの位置関係に対応する、他の印字データ生成部の詳細を図20を用いて説明する。
図18に示す記録ヘッドとセンサとの位置関係の場合、パスの境界位置のみにセンサを追加する。このため、同一パス内において濃度補正された画像信号に基づいて生成された印字画像が印字される領域と、濃度補正されていない画像信号に基づいて生成された印字画像が印字される領域との間に境界が生じる。
濃度補正された画像信号に基づいて生成された印字画像が印字される領域と濃度補正されていない画像信号に基づいて生成された印字画像が印字された領域とをスムーズにつなぐ方法としては、境界位置の補正量を減らす方法が有効である。
そこで、図20を用いて、境界位置の補正量を減らす方法について説明する。図20に示す印字データ生成部は、図19の構成に対して、濃度誤差に基づいて画像信号を濃度補正するにあたり、補正量を制御するための乗算器2000_1〜2000_4を追加した点に特徴がある。
乗算器2000_1〜2000_4は、濃度誤差に対して補正量を制御するための補正ゲインを乗算する。補正ゲインの最大値は“1”、最小値は“0”であり、記録素子群の配置(センサの位置)に応じてゲインを変えることができる。図21を用いて、センサにより印字状態が検出される検出領域と、補正ゲインとの関係を説明する。
図21において、2100はセンサであり、2101〜2103は補正ゲインを示す。センサ2100の中央付近部分では、検出信号を1倍した値を出力し、センサ2100の端部付近では、検出信号を0倍した値を出力する。
センサ端部付近から、センサ中央部にかけて、補正ゲインを段階的に大きくすることで、センサ端部付近の補正量を段階的に小さくさせることが可能となる。この結果、濃度補正された画像信号に基づいて生成された印字画像が印字される領域と濃度補正されていない画像信号に基づいて生成された印字画像が印字される領域との境界位置をスムーズにつなぐことが可能となる。
なお、図中に示す補正ゲインカーブは一例であり、ここに示したものに限られるものではなく、吐出ノズルの特性に合わせて最適なものを選択するようにしてもよい。
図20に示す印字データ生成部では、濃度補正選択部1910から出力される信号に基づいて、センサ2100の検出領域とセンサ2100を配置しない領域とを、選択回路1900_1〜1900_4にて切り換える。
<4.印字データ生成部の詳細構成(3)>
次に、図18に示す記録ヘッドとセンサとの位置関係に対応する、他の印字データ生成部の詳細を図22を用いて説明する。
図22に示す印字データ生成部は、図20に示した印字データ生成部の選択回路1900_1、1900_2、1900_3、1900_4を除いた構成となっている。
また、濃度誤差を計算する加算器940_1、940_2、940_3(および第1パスのセンサによる検出濃度)の出力に対し、補正ゲインを乗算する乗算器1800_1〜1800_4を用いる構成となっている。
上述したように、パスの境界位置において、補正ゲイン信号を制御して補正量を制御することで、濃度補正された画像信号と濃度補正されていない画像信号とに基づいてそれぞれ生成された印字画像が印字される領域間に、連続性を持たせることができる。
図22においては、この補正ゲイン信号を、センサを配置した領域に対しては、図21に示したようなゲインを用いて制御する。一方、センサを配置せず、濃度補正を行わない領域(図21で、センサの上下の領域)に対しては、“0”を出力する。
補正ゲイン信号が“0”の場合、補正量を計算する乗算器は、濃度誤差信号(加算器940_Xの出力)がどのような値でも出力は“0”となり、濃度補正は行われない。すなわち、センサを配置せず濃度補正を行わない領域、あるいは、センサは配置されているものの、パス数その他の要因により濃度補正を行わない領域において、補正ゲインを“0”とすることで、濃度誤差信号による濃度補正を無効にすることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、マルチパス印字のパスの境界位置にセンサを配置する構成とした。これにより、第1パスの印字画像の生成に際しても濃度補正を行うことが可能となる。
この結果、搬送機構による記録媒体の搬送量のばらつきや、記録ヘッドの特性(吐出方向のばらつきがヘッド端部において特に大きいという特性)により発生するパスの境界位置の濃度ムラを低減させることが可能となる。
更に、本実施形態によれば、センサの配置を制限することが可能となり、センサそのもの、及び制御回路等の追加に伴うコストアップを最小限におさえることが可能となる。
なお、本実施形態では、パスの境界位置にセンサを配置することとしたが、本発明は、このように複数のセンサを多数並べるものに限定されるものではなく、検出領域の長い1本のセンサを配置することによっても実現可能である。
この場合、センサにより検出された印字状態のうち、画像信号を濃度補正するために必要な部分(本実施形態においては、境界位置)の画像信号のみを用いるように濃度補正選択部の出力を設定し、選択回路により切り換えを行うこととなる。
[第5の実施形態]
上記第1乃至第4の実施形態では、以前走査した際に印字した記録媒体の印字状態を検出し、検出濃度と目標出力濃度との濃度誤差を計算することで、濃度補正を行う構成とした。
そのために、主走査方向に走査した際に印字する記録ヘッドを備える場合にあっては、記録ヘッドの主走査方向上流側にセンサを配置することとした。また、双方向走査において印字を行う記録ヘッドを備える場合にあっては、いずれの方向に走査した場合でもセンサが記録ヘッドの走査方向上流側にくるように、記録ヘッドの両側に配置し、走査方向に応じて切り換えることとした。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。そもそも本発明の目的は、記録媒体の搬送誤差や、記録ヘッドの吐出ノズルのばらつき(吐出量の大小や吐出方向のばらつき)等によるスジムラなどの濃度ムラを、走査中に検出し、これに応じて最適な印字画像を生成することにある。
このような印字画像の生成を効果的に行うためには、双方向走査において印字を行う記録ヘッドを備える場合にあっては、記録ヘッドの両側にセンサを配置して、双方向の走査に対して、印字画像を生成することが望ましい。
しかしながら、低価格化がすすむインクジェットプリンタにおいて、センサ及び周辺回路の追加に伴うコストアップは、できるだけ最小限にとどめたいという要求もある。
そこで、本実施形態にかかるインクジェットプリンタでは、双方向走査において印字を行う記録ヘッドに対して、片側のみにセンサを配置する構成とする。
この場合、記録ヘッドの両側にセンサを設ける場合と比べ、濃度補正できるパスは2分の1になるものの、濃度補正が全く出来なくなるわけではない。一方、センサ及び制御回路等の追加に伴うコストアップを抑えることができる。
図23を用いて、このようなセンサ配置に対応する印字データ生成部の構成について説明する。図23は、本実施形態にかかるインクジェットプリンタにおける印字データ生成部の構成を示す図である。
図15との違いは、選択回路1500_2〜1500_4の動作を制御する濃度補正選択信号sel2〜sel4が、キャリッジの移動方向情報に置き変わっている点である。
選択回路1500_2〜1500_4は、キャリッジの移動方向に対して記録ヘッドより上流側にセンサが配置される場合、センサにより検出された印字状態に基づいて計算した濃度誤差(加算器940_Xの出力)を選択する。
また、キャリッジの移動方向に対して記録ヘッドより上流側にセンサが配置されていない場合、選択回路1500_2〜1500_4は、‘0’を選択する。なお、キャリッジ移動方向情報は、キャリッジの移動方向が変わるたびに更新されるものとする。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、双方向走査において印字を行う記録ヘッドを備えるインクジェットプリンタにおいて、印字状態を検出するセンサを、記録ヘッドの片側のみに配置する構成とした。そして、印字状態に基づく濃度補正を、所定の走査方向のときのみ行う構成とした。
この結果、センサ及びセンサ周辺回路の追加によるコストアップを最小限におさえつつ、濃度ムラを低減させることが可能となった。
[第6の実施形態]
上記第1乃至第5の実施形態では、検出濃度と目標出力濃度との濃度誤差に基づいて、画像信号の濃度補正を行うことにより、濃度ムラを低減させることとした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、印字画像のドットの生成位置を制御することで、濃度ムラを低減するように構成してもよい。
<1.印字データ生成部の詳細構成>
図24を用いて、本実施形態にかかるインクジェットプリンタの印字データ生成部370_Xの構成について説明する。なお、図24では、4パス印字を例として説明するが、4パス印字以外のマルチパス印字に関しても、同様に構成されうることはいうまでもない。
図24において、2400は、色変換部330において各インク色に変換された画像信号(図3中の335_Xに相当する)である。2410は、画像データを各パスにあわせて濃度分割するための印字濃度比率を格納したパス分割テーブルである。
2415_1は第1パスの印字濃度比率k1、2415_2は第2パスの印字濃度比率k2、2415_3は第3パスの印字濃度比率k3、2415_4は第4パスの印字濃度比率k4である。
2420_1は画像信号2400に対して第1パスの印字濃度比率k1(2415_1)を乗算して第1パスの画像信号の印字濃度を計算する乗算器である。2420_2は画像信号2400に対して第2パスの印字濃度比率k2(2415_2)を乗算して第2パスの画像信号の印字濃度を計算する乗算器である。2420_3は画像信号2400に対して第3パスの印字濃度比率k3(2415_3)を乗算して第3パスの画像信号の印字濃度を計算する乗算器である。2420_4は画像信号2400に対して第4パスの印字濃度比率k4(2415_4)を乗算して第4パスの画像信号の印字濃度を計算する乗算器である。
2430は、色変換部350においてCMY信号に変換されたセンサ340からの検出信号である(355_Xに相当)。2440はCMY信号に変換されたセンサ340からの検出信号2430に対して濃度レベルを補正し、印字画像を生成する際に用いられる制御データを生成する印字データ制御部(制御データ生成手段)である。
2450_1は第1パスの画像信号の印字濃度を計算した乗算器2420_1の出力に基づいて、第1パスの印字画像を生成する低階調化部である。
2450_2は第2パスの画像信号の印字濃度を計算した乗算器2420_2の出力を、印字データ制御部2440からの制御データに基づいて制御することで、第2パスの印字画像を生成する低階調化部である。
2450_3は第3パスの画像信号の印字濃度を計算した乗算器2420_3の出力を、印字データ制御部2440からの制御データに基づいて制御することで、第3パスの印字画像を生成する低階調化部である。
2450_4は第4パスの画像信号の印字濃度を計算した乗算器2420_4の出力を、印字データ制御部2440からの制御データに基づいて制御することで、第4パスの印字画像を生成する低階調化部である。
2460_1は、低階調化部2450_1において生成された第1パスの印字画像を一旦記憶する第1パス印字画像記憶部である。2460_2は、低階調化部2450_2において生成された第2パスの印字画像を一旦記憶する第2パス印字画像記憶部である。2460_3は、低階調化部2450_3において生成された第3パスの印字画像を一旦記憶する第3パス印字画像記憶部である。2460_4は、低階調化部2450_4において生成された第4パスの印字画像を一旦記憶する第4パス印字画像記憶部である。
パス分割テーブル2410は、4パス印字を行う際の各パスでの印字濃度比率を出力する。k1、k2、k3、k4の各係数は、印字濃度比率を示している。各係数はそれぞれ、
0<=ki<=1 (i:1、2、3、4)
k1+k2+k3+k4=1
である。印字濃度比率k1、k2、k3、k4には、例えば、それぞれに0.25という同じ値を設定する。あるいは、第1パスの印字濃度比率を抑え、後に続くパスの印字濃度比率を増やすように値を設定してもよい(例えば、k1、k2、k3、k4それぞれに0.1、0.2、0.3、0.4という値を設定してもよい)。印字濃度比率を決めることで、任意の濃度比率でパス分割を行うことができる。
各インク色に変換された画像信号は、各パス毎の画像信号の印字濃度を計算する乗算器2420_Xに入力され、パス分割テーブル2410より出力された印字濃度比率(k1、k2、k3、k4)により乗算される。これにより、各パスの画像信号の印字濃度が決定される。
次に各パス毎の印字画像の生成処理について説明する。まず最初に第1パスの印字画像の生成処理について説明する。
色変換部330にて各インク色に分解された画像信号2400は、乗算器2420_1に入力され、パス分割テーブル2410より出力された印字濃度比率k1により乗算される。これにより、第1パスの画像信号の印字濃度が決定される。
決定された第1パスの画像信号の印字濃度は、低階調化部2450_1にて低階調化されることで、第1パスの印字画像が生成される。生成された第1パスの印字画像は、第1パス印字画像記憶部2460_1に記憶される。
次に第2パスの印字画像の生成処理について説明する。画像信号2400は、乗算器2420_2に入力され、パス分割テーブル2410より出力された印字濃度比率k2により乗算される。これにより、第2パスの画像信号の印字濃度が決定される。
ここで、第2パスの印字画像を生成するにあたっては、センサを用いて、以前の走査において印字を行った記録媒体の印字状態を検出する。そして、検出された印字状態を色変換部350にてCMY信号に変換することにより検出信号2430を生成し、これを印字データ制御部2440に入力する。印字データ制御部2440では、検出信号2430の濃度レベルを補正し、低階調化に用いられる制御データを生成する。
低階調化部2450_2では、生成された制御データに基づいて、第2パスの画像信号を低階調化する。すなわち、従来は、画像信号に印字濃度比率を乗算したものを第2パスの印字画像としていたのに対し、本実施形態では、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態をセンサが検出する構成とした。そして、検出された印字状態に基づいて低階調化部2450_2が印字画像の生成(ドット配置)を制御する構成とした。
低階調化部2450_2において生成された第2パスの印字画像は、第2パス印字画像記憶部2460_2に記憶される。第3パス、第4パスの印字画像も同様にして生成され、それぞれ、第3パス印字画像記憶部2460_3、第4パス印字画像記憶部2460_4に記憶される。
<2.低階調化部の構成>
図25を用いて、図24の低階調化部2450_Xの詳細について説明する。
図25において、2500は低階調化するための画像信号(図24における乗算器2420_Xの出力)である。2505は低階調化処理を制御するための制御データ(図24における印字データ制御部2440の出力)である。
2510は、画像信号2500に量子化誤差を加算する加算器であり、2515は量子化誤差が加算された画像信号である。
2520は量子化を行うための閾値を生成する閾値生成部である。2530は誤差を含む画像信号2515を閾値生成部2520において生成された閾値を用いて量子化する量子化器である。
2535は量子化することにより低階調化された画像信号であり、2540は低階調化された画像信号2535に対して逆量子化を行う際に用いる評価値である。
2550は低階調化された画像信号2535に対して評価値2540を用いて逆量子化する逆量子化器である。2560は誤差を含んだ画像信号2515に対して、量子化した結果の誤差を計算する加算器である。2565は量子化誤差信号である。
2570は計算された量子化誤差を拡散または収集する拡散/収集部である。2575は拡散または収集を行った誤差信号であり、2580は誤差バッファである。
<3.低階調化部における処理の流れ>
次に、図25を用いて低階調化部2450_Xにおける低階調化処理の流れを説明する。低階調化部2450_Xでは、閾値生成部2520で生成する閾値を固定し、画像信号2500に対して誤差拡散を行いながら、量子化器2530が2値化、または、N値化(Nは2以上の整数)をする。
低階調化部2450_Xには、閾値生成部2520への制御データ2505として、センサにおいて検出された印字状態に基づいて印字データ制御部2440にて生成された制御データが入力される。
これにより、センサにて検出した印字状態に応じて、誤差拡散処理における閾値を変動させることが可能となり、誤差拡散処理における印字画像の生成を制御することが可能となる。
すなわち、記録ヘッドによる印字直前に、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態を検出し、検出した印字状態に基づいて閾値を変化させることで、これから印字しようとする印字画像の生成を制御することが可能となる。
具体的には、既に印字されているドット位置に対して、これから印字しようとする印字画像のドット位置を離すように(濃度が均一化されるように)制御する。
つまり、以前の走査において印字された記録媒体の印字状態に基づいて、ドットが集中し印字濃度が上がっていると判断された場合には、量子化を行うための閾値を高くすることで、ドットの生成を抑えるよう制御する。また反対に、ドットが集中しておらず印字濃度の低いと判断された場合には、量子化を行う閾値を低く変化し、ドットの生成を促進するよう制御する。
このように閾値を制御することで、マルチパス印字におけるパス間のドットの分散性を高めることが可能となる。つまり、誤差拡散法による低階調化において、閾値を変化させることで、パス分割されパス毎の画像濃度が決定された画像信号に対し、ドット生成率を変化させることなく、ドット生成位置を制御することが可能となる。
なお、第1パスの印字画像を生成する低階調化部2450_1の場合、第1パス以前の印字画像が存在しないため、印字データ制御部2440からの制御データが入力されることはない。このため、閾値生成部2520により生成される閾値は固定(あるいはテクスチャやドット生成遅延を補正するために変動させた値)となり、通常の量子化が行われる。
なお、図25に示した低階調化部では、誤差拡散処理を行うこととしたが、低階調化処理は誤差拡散処理に限られるものではない。ディザマトリックスを用いて同様に制御することで印字画像を生成することが可能である。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、センサにより検出された印字状態に基づいて補正を行うにあたり、濃度補正だけでなく、ドット生成位置を制御する構成とした。この結果、濃度ムラを低減し、画質を向上させることが可能となった。
なお、上記第1乃至第5の実施形態が、本実施形態にも適用可能であることはいうまでもない。
[他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。