JP2010016643A - 通信処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両運転中のドライバによる通話において、ドライバの運転の安全性、及び、ドライバ及びその通話相手による通話の利便性の両方を実現する。
【解決手段】車両を運転するドライバが通話相手と通話を行う際、通話相手からドライバへの受話音声を含むデータは受信後、一時的に受信用キャッシュ122に格納される。運転高負荷状態判定部128は、ドライバの運転状態が受話音声の聴取を行うべきではない高負荷状態か否かを判定し、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かの判定結果をプレゼンス情報生成部115へ渡す。プレゼンス情報生成部115は、ドライバの運転状態が高負荷状態か低負荷状態を示すプレゼンス情報を生成して通話相手へ通知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両運転中のドライバによる通話を実現させる通信処理装置に関する。
従来、車両の安全運転に支障を来す可能性がある状況において、その車両のドライバの通話を制御する技術が多数存在している。こうした従来の技術では、ドライバの運転状況に基づいて、通話の発着呼を禁止したり通話を一時的に中断(通話を保留)したりする制御が行われる。
例えば下記の特許文献1には、ドライバの安全運転に支障を来す状態(ドライバが運転に対する注意力を高める必要がある状態:以下、本明細書では運転状態が高負荷状態となった場合と表現する)が検出あるいは予測されると、ドライバ及びその通話相手に対して通話をいったん保留する旨のメッセージを送出して通話を保留し、通話保留を解除してもよい状態となれば通話保留を解除して元の通話状態に戻す技術が開示されている。
また、例えば下記の特許文献2には、特許文献1に記載の技術を改良し、ドライバの安全運転に支障を来す可能性のある複数の状態を総合的に判断してドライバの余裕度を算出できるようにするとともに、通話保留状態となった場合に通話相手がメッセージを残せるようにする技術が開示されている。
また、ユーザの状態(状況)を通信相手に通知するプレゼンスに関する技術も多数存在している。例えば下記の特許文献3には、オンラインサービスに対するユーザの参加状況を、携帯型通信装置の動きに応じて、簡便かつ素早く設定する携帯型通信装置が開示されている。この技術では、携帯型通信装置のユーザの動作(モーション)を検出し、この検出結果に応じてプレゼンス情報を決定して通知することが可能となる。
特開平10−304464号公報(段落0030−0035) 特開2003−125454号公報(段落0041−0050、0090−0093) 特開2008−42903号公報(段落0052) BMJ, doi:10.1136/bmj.38537.397512.55、"Role of mobile phones in motor vehicle crashes resulting in hospital attendance: a case-crossover study" (published 12 July 2005)、(参考URL:http://bmj.bmjjournals.com/cgi/rapidpdf/bmj.38537.397512.55v1.pdf)
車両運転中の通話が運転の安全性を低下させることは広く知られており、例えば現在の日本の法律では、運転中の携帯電話の操作や手で保持した状態での通話は禁じられている。一方、ハンズフリーセット(携帯電話を持たずに操作・通話を可能とするスピーカ及びマイクロホン付き装置)を使用した場合には、運転中の通話が許可されている。しかしながら、ハンズフリーセットを使用した場合においても、通話時の安全性は決して低いとは言えない。
例えば、上記の非特許文献1には、ハンズフリーセットを用いた通話であっても、通話を行わなかった場合に比べて事故発生リスクは3.8倍になるという研究結果が報告されている(非特許文献1のtable 4参照)。これは、ドライバの運転状況を知らない離れた相手と通話する行為そのものが運転に必要な注意力の低下をもたらして車両の安全運転の妨げになることによると考えられる。
ハンズフリーセットを用いた通話では、特にドライバが発話を行うという行為よりも、通話相手からの発話(ドライバにとっての受話)を聴取するという行為が車両の安全運転を妨げる大きな要因となると考えられる。ドライバからの発話に関しては、例えば運転状態が高負荷状態の場合には発話を行わないようにするなど、ドライバ自身でコントロールすることが可能である。しかしながら、通話相手からの発話(ドライバにとっての受話)は、ドライバの運転状態をあまり考慮せずに行われるものであり、ドライバの運転状態に応じて通話相手の発話を適宜中断させることは実質的に困難である。また、ドライバが聴く音声が音楽などの場合にはドライバは聞き流すことが可能であるが、会話の場合には聞き流す行為を行うことは難しくなり、会話を聴くための集中力(注意力)によって運転に必要な集中力(注意力)が散漫になってしまうことになる。
一方、非特許文献1にも記載されているように、車両運転中のドライバによる通話を完全に禁止することは困難であると考えられることから、事故発生リスクを抑えるために、より完全なハンズフリー通話システムの開発が要求されている。特許文献1や特許文献2に記載の技術では、ドライバの運転状態が高負荷状態となった場合に通話を切断するのではなく保留状態とし、ドライバの運転状態が低負荷状態となった場合に通話が再開されるように制御している。しかしながら、通話の保留中には通話者間で音声が伝送されないという点においては、通話者間の会話が途切れてしまうという点において音声通話の切断と実質的に同じであり、ドライバによる通話の利便性を考慮した完全なハンズフリー通話システムであるとは言えない。また、特許文献2においては、通話相手側でメッセージを録音し、通話再開と同時に録音メッセージを通話相手からドライバへ通知することで、通話保留中に通話相手が残したメッセージをドライバは通話再開後に聞くことができるが、通話の保留中に通話者間で音声が伝送されない点は同じであり、ドライバの利便性を十分に考慮したものであるとは言えない。
一方、ドライバが通話する際に感じる不便だけではなく、ドライバの通話相手における利便性も考慮される必要がある。特許文献3に開示されている技術を始めとする従来のプレゼンスに関する技術は、ドライバの運転の安全性や、ドライバ及びその通話相手の通話の利便性を十分に考慮したものであるとは言えない。
本発明は、上記の問題を解決するため、車両運転中のドライバによる通話において、ドライバの運転の安全性、及び、ドライバ及びその通話相手による通話の利便性の両方を考慮した通信処理装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記の目的を達成するため、車両を運転するドライバが通話相手と通話を行うために前記車両に搭載された通信処理装置であって、
音声出力装置を介して、前記通話相手から前記ドライバへの受話音声を前記ドライバが聴取可能なように出力する音声出力部と、
集音装置を介して、前記ドライバから前記通話相手への発話音声を取得する音声入力部と、
前記通話相手から前記ドライバへの受話音声を含むデータを受信する無線通信装置によって受信した前記受話音声を含むデータを一時的に蓄積する受信用キャッシュと、
前記ドライバの運転状態を検出する運転状態検出装置による検出結果を取得し、定量化する運転状態定量化手段と、
前記運転状態定量化手段による定量化の結果に基づいて、前記ドライバの運転状態を判定する運転状態判定手段と、
前記運転状態判定手段で判定された前記ドライバの運転状態を示す情報を前記通話相手へ通知する運転状態情報通知手段とを、
有する通信処理装置が提供される。
この構成により、車両運転中のドライバによる通話において、ドライバの運転の安全性、及び、ドライバ及びその通話相手による通話の利便性の両方を考慮し、ドライバの運転状態を通話相手へ通知することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記運転状態判定手段が、前記運転状態定量化手段による定量化の結果に基づいて、前記ドライバの運転状態が受話音声の聴取を行うべきではない高負荷状態か否かを判定するよう構成されており、
前記運転状態情報通知手段が、前記ドライバの運転状態が前記高負荷状態か否かの判定結果を、前記ドライバの運転状態を示す情報として前記通話相手へ通知するよう構成されている通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバの運転状態が受話音声の聴取を行うべきではない高負荷状態か否かを通話相手へ通知することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記運転状態判定手段が、前記運転状態定量化手段による定量化の結果に基づいて、前記ドライバの運転状態が運転中か否かを判定するよう構成されており、
前記運転状態情報通知手段が、前記ドライバが運転中か否かの判定結果を、前記ドライバの運転状態を示す情報として前記通話相手へ通知するよう構成されている通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバが運転中か否かを通話相手へ通知することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記車両位置情報を前記通話相手へ通知する位置情報通知手段とを、
有する通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバの現在位置情報を通話相手へ通知することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記通話相手との通信に使用可能な通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別、あるいは、前記通話相手との通信において使用を所望する通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別を前記通話相手へ通知する接続種別通知手段を有する通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバによる通話で利用可能なプロトコル又はデータフォーマットや、ドライバが利用を所望するプロトコル又はデータフォーマットを通話相手へ通知することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、車両運転中の前記通話相手の運転状態を示す情報を通話相手から受信する相手側運転状態受信手段を有する通信処理装置が提供される。
この構成により、車両運転中のドライバによる通話において、ドライバの運転の安全性、及び、ドライバ及びその通話相手による通話の利便性の両方を考慮し、ドライバ側が、同じく車両運転中の通話相手の運転状態を示す情報を取得することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記相手側運転状態受信手段によって受信する前記ドライバの運転状態を示す情報に、前記通話相手の運転状態が前記高負荷状態か否かの判定結果が含まれている通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバ側が、通話相手の運転状態が受話音声の聴取を行うべきではない高負荷状態か否かを示す情報を取得することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記相手側運転状態受信手段によって受信する前記ドライバの運転状態を示す情報に、前記通話相手が運転中か否かの判定結果が含まれている通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバ側が、通話相手が運転中か否かを示す情報を取得することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記通話相手が運転する車両の現在位置を示す相手側車両位置情報を前記通話相手から受信する相手側位置情報受信手段を有する通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバ側が、通話相手の現在位置情報を取得することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記通話相手が通信に使用可能な通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別、あるいは、前記通話相手が使用を所望する通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別を前記通話相手から受信する接続種別受信手段を有する通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバ側が、通話相手の通話端末で利用可能なプロトコル又はデータフォーマットや、通話相手が利用を所望するプロトコル又はデータフォーマットを把握することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記接続種別受信手段によって受信した前記通話相手が通信に使用可能な通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別、あるいは、前記通話相手が使用を所望する通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別に応じて、前記通話相手との通信に使用する通信プロトコル又はデータフォーマットを切り替える接続切り替え手段を有する通信処理装置が提供される。
この構成により、通話相手の通話端末で利用可能なプロトコル又はデータフォーマットや、通話相手が利用を所望するプロトコル又はデータフォーマットを利用した通信に切り替えることが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記運転高負荷状態判定手段による判定で前記ドライバの運転状態が高負荷状態の場合には、前記受話音声を含むデータの再生を中断するよう制御するための再生中断指示を送出する受話音声再生制御手段と、
前記受話音声再生制御手段から前記再生中断指示を受信した場合には、前記受信用キャッシュに蓄積されている前記受話音声を含むデータの再生処理を行わず、前記受話音声再生制御手段から前記再生中断指示を受信していない場合には、前記受信用キャッシュに蓄積されている前記受話音声を含むデータの再生処理を行う再生処理手段とを、
有する通信処理装置が提供される。
この構成により、ドライバの運転状態が高負荷状態の場合に、ドライバに“聴く”行為を行わせないようにすることが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、複数の前記通話相手との間で多人数同時通信を行うように構成されている通信処理装置が提供される。
この構成により、多人数同時通信における通話に本発明の技術を適用することが可能となる。
さらに、本発明では、上記の構成に加えて、前記通話が、音声及び画像の両方を伝送することによって行われる通信処理装置が提供される。
この構成により、音声及び画像の両方を伝送されるTV電話に本発明の技術を適用することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、車両運転中のドライバによる通話において、ドライバの運転の安全性、及び、ドライバ及びその通話相手による通話の利便性の両方を実現するという効果を有している。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明では、通話を行うドライバの状態を通話相手に通知することで、通話相手がドライバの状態を把握できるようにする。また、特に本発明は、ドライバの運転状態が高負荷状態となった場合に、通話相手からの受話音声が再生出力されないように制御を行う通信システムに適用した場合に非常に有用である。この通信システムは、ドライバが通話を行う際に、発話に関してはドライバ自身でコントロールすることが可能である一方、通話相手による発話(すなわち、ドライバにとっての受話)を聴取することに関してはドライバ自身でコントロールすることが実質的に困難であり、それ故、通話相手からの発話(受話)を聴取する際に事故発生リスクが大きくなることを考慮するとともに、ドライバの通話に係る利便性が著しく損なわれないようにするものである。
なお、以下の説明では、ドライバが運転する車両に搭載された車載システムと通話相手の通話端末との間は、音声及び画像の両方が伝送されるテレビ電話によって通話が可能な場合を一例として挙げるが、音声及び画像のいずれか一方が伝送される通話に対して本発明を適用することが可能である。また、ドライバによる運転の安全性を考慮し、音声及び画像の両方が伝送されるテレビ電話であっても、ドライバの運転中は音声による通話に制限し、画像の撮像、送受信、再生などを始めとする画像に関する処理が行われないようにすることも可能である。
また、以下の説明では、ドライバとその通話相手との間で行われる通話は、音声や画像がパケット形式で通信されるデータパケット通信を前提として説明を行うが、アナログ回線による通話に対して本発明を適用することも可能である。
図1は、本発明の実施の形態における車載システムの構成の一例を示す図である。図1に図示されている通信処理装置100は、ドライバが運転する車載システム10に実装されるものであり、通信処理装置100は、通話時にドライバから通話相手へ送られるデータの処理を行う送信処理装置110と、通話相手からドライバへ送られるデータ(ドライバが通話相手から受信するデータ)の処理を行う受信処理装置120とを有している。
図1において、送信処理装置110は、送信音声処理部111、送信画像処理部112、送信用キャッシュ113、送信処理部114、プレゼンス情報生成部115を有している。
送信音声処理部111は、ドライバの発話を集音できるマイクロホン300によって取得された音声をデータ通信用に加工(例えば、符号化処理)する機能を有している。なお、マイクロホン300は、車載システムにあらかじめ設置されている集音機能やハンズフリーセットに備え付けられているマイクロホンなど、任意の集音手段を用いることが可能である。
また、送信画像処理部112は、ドライバの顔画像やドライバが通話相手に送信したい対象物の画像(例えば、通話相手に見せたい資料など)を撮像できるカメラ400によって取得された画像をデータ通信用に加工(例えば、符号化処理)する機能を有している。なお、カメラ400は、車載システムにあらかじめ設置されている撮像機能や車載システムに接続された撮像手段など、任意の撮像手段を用いることが可能である。
また、送信用キャッシュ113は、送信音声処理部111及び送信画像処理部112によって処理されたデータを一時的に蓄積するバッファ機能を有している。なお、送信用キャッシュ113は、パケットバッファや任意のメモリによって実現可能である。
また、送信処理部114は、送信用キャッシュ113に蓄積されたデータを加工し、通信モジュール200を介して通話相手が使用している通話端末へ送信する機能を有している。なお、通信モジュール200は、車載システムにあらかじめ設置されている無線通信機能や車載システムに接続された携帯電話機など、任意の通信手段を用いることが可能である。
また、プレゼンス情報生成部115は、ドライバの運転状態を示すプレゼンス情報(音声情報及び/又は画像情報)を生成して、送信処理部114によって通話相手の通話端末へ送信されるよう送信処理部114へ渡す機能を有している。送信用キャッシュ113に格納されたプレゼンス情報は、送信処理部114によって通信モジュール200を介して通話相手の通話端末へ送信される。
ドライバの運転状態は、例えば、ドライバが運転中か否かを示す2つの状態(ドライバ運転中/非運転中)に分けられ、さらに、運転高負荷状態判定部128から受けたドライバの運転状態に基づいて、ドライバが運転中の場合の状態は、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かを示す2つの状態(高負荷状態/低負荷状態)に分けられる。プレゼンス情報生成部115は、基本的に、ドライバの運転状態が運転中(高負荷状態)、運転中(低負荷状態)、非運転中の3つの状態のいずれであるかを示すプレゼンス情報を生成し、このプレゼンス情報が通話相手の通話端末へ通知されることが望ましい。
なお、ここでは、プレゼンス情報生成部115がドライバの運転状態を運転高負荷状態判定部128から受けるように構成されているが、プレゼンス情報生成部115は、運転負荷定量化部127によって算出された定量化値(ドライバの運転状態を表す値)を受けるように構成されていてもよい。また、プレゼンス情報生成部115は、ドライバが車両運転中か否かを把握するために、運転状態検出部700(特に、車速検出機能や経路案内機能)から情報を取得してドライバが車両運転中か否かを判断してもよく、また、運転状態定量化部127や高負荷状態判定部128でドライバが車両運転中か否かを判定し、その判定結果を受けてもよい。
また、図1では、送信処理装置110において、送信音声処理部111及び送信画像処理部112がそれぞれ独立して存在しているが、相互の処理が関連付けられており、画像及び音声の同期処理が行われることが望ましい。また、本明細書における画像は、動画(映像)又は静止画を表すものであり、通話時に送受信される画像は動画及び静止画のいずれであってもよい。
一方、図1において、受信処理装置120は、受信処理部121、受信用キャッシュ122、受信音声処理部123、受信画像処理部124、音声再生出力部125、画像再生出力部126、運転負荷定量化部127、運転高負荷状態判定部128、プレゼンス情報処理部129を有している。
受信処理部121は、通話時に通話相手の通話端末から送信されたデータを、通信モジュール200を介して通話相手が使用している通話端末から受信して処理する機能を有している。なお、通話相手の通話端末から受信するデータには、通話相手の通話端末へ受信するデータと同様に画像及び音声が含まれている。さらに、通話相手の車載システムが、プレゼンス通知機能を有する同様の通信処理装置を実装している場合には、通話相手の通話端末から受信するデータに、通話相手の運転状態を示すプレゼンス情報が含まれている。運転状態が高負荷状態の場合に通話相手の運転状態を示すプレゼンス情報の報知を行わないようにする場合には、プレゼンス情報受信処理部121は、図1に図示されている構成のように、受信用キャッシュ122に格納せずにプレゼンス情報処理部129へ渡す。一方、運転状態が高負荷状態の場合であっても通話相手の運転状態を示すプレゼンス情報の報知を許容する場合には、プレゼンス情報受信処理部121は、受信音声データや受信画像データと同様にプレゼンス情報を受信用キャッシュ122に格納する。
また、受信用キャッシュ122は、受信処理部121によって処理されたデータを一時的に蓄積するバッファ機能を有している。本発明では、運転状態が高負荷状態の場合には、データ再生(データの読み出し)が行われずにデータが蓄積されていくことになる。したがって、高負荷状態に通話が遅延する際の上限時間(遅延許容時間)までに蓄積されるデータを十分格納できるだけの容量を有することが望ましい。なお、送信用キャッシュ113と同様、受信用キャッシュ122も、パケットバッファや任意のメモリによって実現可能である。
また、受信音声処理部123は、受信用キャッシュ122に蓄積された音声データを読み出し、音声出力用に加工(例えば、復号処理)する機能を有している。さらに、受信音声処理部123は、運転高負荷状態判定部128から指示される再生の可否(許可/不許可)に基づいて、音声データの処理(受信用キャッシュ122からの音声データの読み出し)を開始/中断することが可能である。すなわち、受信音声処理部123は、運転高負荷状態判定部128から再生の不許可の指示を受けた場合には、音声データの処理を一時的に中断し、その後、運転高負荷状態判定部128から再生の許可の指示を受けた場合には、音声データの処理を再開することが可能である。
また、受信画像処理部124は、受信用キャッシュ122に蓄積された画像データを読み出し、画像出力用に加工(例えば、復号処理)する機能を有している。さらに、受信画像処理部124は、運転高負荷状態判定部128から指示される再生の可否(許可/不許可)に基づいて、画像データの処理(受信用キャッシュ122からの画像データの読み出し)を開始/中断することが可能である。すなわち、受信画像処理部124は、運転高負荷状態判定部128から再生の不許可の指示を受けた場合には、画像データの処理を一時的に中断し、その後、運転高負荷状態判定部128から再生の許可の指示を受けた場合には、画像データの処理を再開することが可能である。
なお、受信音声処理部123や受信画像処理部124は、いったん受信用キャッシュ122に格納された音声データ/画像データの品質を向上する処理(例えば、サンプリングレートを向上する処理)を行ってから出力することも可能である。本発明に係る通話はリアルタイム通信によるものではなく受信用キャッシュ122にいったん蓄積されたデータを読み出して再生するものであり、ある程度の遅延が許容されるのであれば、品質向上処理を行ってから出力されるようにすることが可能である。なお、特に、ドライバの運転状態が高負荷状態の場合には、受信用キャッシュ122にデータが蓄積される状態となるので、この期間中にデータの品質向上処理を行うことが可能である。
また、音声再生出力部125は、受信音声処理部123によって処理された音声データを処理して音声信号を生成し、スピーカ500を介してドライバが聴取可能となるように報知する機能を有している。なお、スピーカ500は、車載システムにあらかじめ設置されている音声出力機能や、ハンズフリーセットに備え付けられているスピーカなど、任意の音声出力手段を用いることが可能である。
また、画像再生出力部126は、受信画像処理部124によって処理された画像データを処理して画像信号を生成し、モニタ600を介してドライバが視認可能となるように報知する機能を有している。なお、モニタ600は、車載システムにあらかじめ設置されている画像出力機能や車載システムに接続されたモニタなど、任意の画像出力手段を用いることが可能である。
また、運転負荷定量化部127は、ドライバの運転状態を検出する運転状態検出部700による検出結果を参照し、この検出結果からドライバの運転状態を定量化する機能を有している。
なお、運転状態検出部700はドライバの運転状態を表す任意の条件を検出する機能である。この条件として、例えば、車両の車速、自車位置や走行奇跡、操舵角(ハンドルの角度)、アクセルやブレーキ、ギアなどの状態、他の車両との車間距離、案内経路、事故多発地点を示す地図(事故多発地点との距離)などを用いることが可能である。また、特許文献1や特許文献2に記載されている各種条件を用いてもよい。
また、運転負荷定量化部127の計算に用いられる定量化のアルゴリズムも任意のアルゴリズムを用いることが可能である。例えば、特許文献2に記載されている余裕度を運転負荷定量化部127の定量化結果として援用するなど、特許文献1や特許文献2に記載されているアルゴリズムを用いてもよい。
また、運転高負荷状態判定部128は、運転負荷定量化部127によって算出された運転状態検出部700による検出結果の定量化値に基づいて、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かを判定し、受信音声処理部123及び受信画像処理部124に対して、再生の可否(許可/不許可)を指示する機能を有している。運転高負荷状態判定部128は、ドライバの運転状態が高負荷状態であると判定した場合には、受信音声処理部123及び受信画像処理部124に対して、再生の不許可を指示する再生中断指示信号を送出する。
さらに、運転高負荷状態判定部128は、ドライバの運転状態をプレゼンス情報生成部115へ通知する機能を有している。なお、ここでは、運転高負荷状態判定部128がドライバの運転状態をプレゼンス情報生成部115へ通知するように構成されているが、運転負荷定量化部127によって算出された定量化値(ドライバの運転状態を表す値)がプレゼンス情報生成部115へ通知されてもよい。また、運転状態定量化部127や高負荷状態判定部128でドライバが車両運転中か否かを判定し、その判定結果をプレゼンス情報生成部115へ通知してもよい。
また、プレゼンス情報処理部129は、受信処理部121から渡されたプレゼンス情報をドライバがスピーカ500やモニタ600によって視聴可能な状態に加工し、スピーカ500やモニタ600から報知出力する機能を有している。なお、図1に図示されている通信処理装置100では、プレゼンス情報は受信音声データや受信画像データとは異なり、ドライバの運転状態が高負荷状態であっても通話相手からのプレゼンス情報を確認できるように構成されているが、受信音声データや受信画像データと同様に、ドライバの運転状態が高負荷状態の場合にはドライバがプレゼンス情報の確認を行えないようにしてもよい。この場合、受信処理部121は、受信音声データや受信画像データとプレゼンス情報とを選別する必要はなく、受信音声データや受信画像データと共にプレゼンス情報も受信用キャッシュ122へ格納し、プレゼンス情報処理部129は、高負荷状態/低負荷状態による読み出し制御(運転高負荷状態判定部128からの制御)を受けながら低負荷状態時にのみ受信用キャッシュ122からプレゼンス情報を読み出して、ドライバへ報知する。
なお、通話相手の通話端末が、本発明に係るプレゼンス情報の通知機能を実装していない場合(通話相手の通話端末が、例えば、既に広く普及している携帯電話機やIP電話アプリケーションを実装したPC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)などの場合)には、通話相手の通話端末からプレゼンス情報を受信しないため、プレゼンス情報処理部129における処理やプレゼンス情報の報知は行われない。
例えば、運転状態が高負荷状態であると判定される条件として、例えば、事故多発地点(合流地点や交差点など)を通過中である場合、ドライバによるハンドル操作が多い場合、車両の速度が高い場合やブレーキをかける回数が多い場合、前方や後方を走る車両との車間距離が狭い場合などが挙げられる。なお、運転高負荷状態判定部128による運転高負荷状態判定のアルゴリズムは、任意のアルゴリズムを用いることが可能である。例えば、運転高負荷状態判定のアルゴリズムにニューラルネットワークやベイジアンネットワークなどの学習アルゴリズムを用いてもよく、また、特許文献1や特許文献2に記載されているアルゴリズムを用いてもよい。
また、例えば、運転高負荷状態判定部128は、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かに応じて、受信音声処理部123及び受信画像処理部124に対して再生の許可/不許可を指示してもよく、あるいは、受信音声処理部123及び受信画像処理部124は運転高負荷状態判定部128からの指示を受けていない場合には再生を行うよう構成されており、運転高負荷状態判定部128は、ドライバの運転状態が高負荷状態ではない場合においては受信音声処理部123及び受信画像処理部124に対して指示を行わず、ドライバの運転状態が高負荷状態の場合にのみ受信音声処理部123及び受信画像処理部124に対して再生の不許可を指示してもよい。
なお、図1には不図示だが、運転高負荷状態判定部128において判定されたドライバの運転状態が高負荷状態か否かの判定結果(あるいは、この判定結果を加工したプレゼンス情報)を、送信処理部114から通信モジュール200を通じて通話相手の通話端末へ送信することも可能である。
図1では、受信処理装置120において、受信音声処理部123及び受信画像処理部124がそれぞれ独立して存在しているが、相互の処理が関連付けられており、画像及び音声の同期処理が行われることが望ましい。
次に、上述の構成例に基づいて、本発明の実施の形態における動作の一例について説明する。図2は、本発明の実施の形態における車載システムを用いた通話時に行われる受信処理の一例を示すフローチャートである。
車載システムを利用した通話が始まると、通話相手との通話によるデータ通信が開始され、通信モジュール200が、ステップS201において、通話相手から送られてくるデータを受信する。通信モジュール200は、受信したデータを受信処理部121に送出し、受信処理部121で処理された後、ステップS202において、ステップS201で受信したデータが受信用キャッシュに格納される。
なお、ステップS203において通話が終了した場合には、受信処理も終了となる。一方、ステップS203において通話がまだ終了していない場合には、ステップS201に戻り、通話が終了するまで上記の受信処理を繰り返し行う。
また、図3は、本発明の実施の形態における車載システムを用いた通話時に行われる再生処理の一例を示すフローチャートである。車載システムを利用した通話が始まると、通話相手との通話によるデータ通信が開始され、ステップS301において、運転高負荷状態判定処理を開始する。なお、運転高負荷状態判定処理は、運転高負荷状態判定部128が運転状態に応じて受信データの再生の可否を判定する処理である。運転高負荷状態判定処理の詳細に関しては、後で図4を参照しながら説明する。
通話相手から受信したデータの再生処理は、運転高負荷状態判定部128によって判定された判定結果(受信データの再生を許可するか否か)に基づいて制御される(ステップS302)。ステップS302において運転高負荷状態の判定結果が受信データの再生を許可しないものである場合には、受信データの再生(後述のステップS303、S304の処理)を行わずにステップS301の運転高負荷状態判定処理に戻る。すなわち、運転高負荷状態の判定結果が受信データの再生を許可しないものである場合には、運転高負荷状態の判定結果が受信データの再生を許可するものとなるまで(運転状態が低負荷となるまで)、運転高負荷状態判定処理が繰り返し行われる。
一方、ステップS302において運転高負荷状態の判定結果が受信データの再生を許可するものである場合には、ステップS303において、受信音声処理部123及び受信画像処理部124が受信用キャッシュ122からデータを取得し、ステップS304において、音声再生出力部125及び画像再生出力部126がそのデータをスピーカ500やモニタ600を通じて出力する。これにより、ドライバは、通話相手から送られてくる音声や画像を視聴する。なお、このとき受信用キャッシュ122にデータが格納されていない場合には、再生すべきデータ(すなわち、通話相手から受信したデータ)が存在せず、再生処理を行う必要はない。
なお、ステップS305において通話が終了した場合には、再生処理も終了となる。一方、ステップS305において通話がまだ終了していない場合には、ステップS301に戻り、通話が終了するまで上記の再生処理を繰り返し行う。
また、図4は、本発明の実施の形態における車載システムを用いた通話時に行われる運転高負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4に示す運転高負荷判定処理は、図3に図示されているステップS301の運転高負荷状態判定処理における詳細な処理の一例を示すものである。
運転高負荷状態判定処理では、まずステップS3011において、運転状態検出部700がドライバの運転状態(ドライバが車両を運転している状態)を検出し、ステップS3012において、運転負荷定量化部127が、運転状態検出部700で検出された運転状態に基づいてドライバの運転状態を定量化する処理を行う。なお、運転状態検出部700で検出される条件(運転状態)や、その定量化のアルゴリズムは、上述のように任意の条件及びアルゴリズムを用いることが可能である。
そして、ステップS3013において、ステップS3012で得られた運転状態の定量化結果に基づいて、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かを判定する。なお、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かを判定する際に用いられるアルゴリズムは、上述のように任意のアルゴリズムを用いることが可能である。
ステップS3013でドライバの運転状態が高負荷状態ではない(すなわち、低負荷状態)と判定された場合には、ステップS3014において、運転高負荷状態判定部128が受信データの再生許可を決定し、受信音声処理部123及び受信画像再生部124に対して、受信データの再生(すなわち、図3におけるステップS303、S304の処理)を行うように制御する。
一方、ステップS3013でドライバの運転状態が高負荷状態であると判定された場合には、ステップS3015において、運転高負荷状態判定部128が受信データの再生不許可を決定し、受信音声処理部123及び受信画像再生部124に対して、受信データの再生(すなわち、図3におけるステップS303、S304の処理)を行わないように制御する。
運転高負荷状態判定部128による受信用キャッシュ122内のデータの再生制御によって、高負荷状態のときにはデータの再生が行われずに受信用キャッシュ122内に受信データが蓄積され、低負荷状態のときには受信用キャッシュ122内に蓄積された受信データが再生されるようになる。
また、図5は、本発明の実施の形態における車載システムで行われるプレゼンス情報生成及び通知処理の一例を示すフローチャートである。車載システムを利用した通話が始まると、通話相手との通話によるデータ通信が開始され、まずステップS501において、ドライバが車両を運転中か否かを判断する。ステップS501でドライバが車両を運転中ではない(非運転中)と判断された場合には、ステップS503において、プレゼンス情報生成部115は、非運転中を示すプレゼンス情報を生成する。
一方、ステップS501でドライバが車両を運転中であると判断された場合には、ステップS502において、ドライバの運転状態が高負荷状態か否かを判定する。ステップS502でドライバの運転状態が高負荷状態であると判定された場合には、ステップS504において、プレゼンス情報生成部115は、運転中(高負荷状態)を示すプレゼンス情報を生成する。また、ステップS502でドライバの運転状態が高負荷状態ではない(すなわち、低負荷状態)と判定された場合には、ステップS505において、プレゼンス情報生成部115は、運転中(低負荷状態)を示すプレゼンス情報を生成する。
そして、ステップS506において、プレゼンス情報生成部115は、ステップS503〜ステップS505のいずれかの処理で生成されたプレゼンス情報を送信用キャッシュ113へ格納し、送信処理部114が通話相手の通話端末へプレゼンス情報を送信する(。これにより、車載システム10は、ドライバによる通話時に、ドライバの運転状態が運転中(高負荷状態)、運転中(高負荷状態)、非運転中のいずれであるかを示すプレゼンス情報を通話相手の通話端末へ通知することが可能となる。
なお、ステップS507において通話が終了した場合には、プレゼンス情報生成及び通知処理も終了となる。一方、ステップS507において通話がまだ終了していない場合には、ステップS501に戻り、通話が終了するまで上記のプレゼンス情報生成及び通知処理を繰り返し行う。
なお、上述の説明では、プレゼンス情報としてドライバの運転状態が通話相手の通話端末へ通知されるが、プレゼンス情報として、ドライバ(車両)の位置情報が通話相手の通話端末へ通知されてもよい。この場合、プレゼンス情報生成部115は、通信状態検出部700(特に、自車位置検出機能)から車両の位置情報を取得し、この車両の位置情報をプレゼンス情報として通話相手の通話端末へ通知する。これにより、通話相手は、ドライバの現在位置を把握することが可能となり、ドライバの現在位置に基づいた会話や情報収集を行うことが可能となる。
また、プレゼンス情報として、車載システムが利用可能な通信プロトコル又はデータフォーマット(例えば、音声や映像の変換に用いられるコーデックなど)の接続種別や、ドライバが使用を希望している通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別が通話相手の通話端末へ通知されてもよい。これにより、通話相手は、ドライバの通信を行うための通信プロトコル又はデータフォーマットやドライバが使用を希望している通信プロトコル又はデータフォーマットを把握することが可能となり、また、通話相手の通話端末が、ドライバの通信を行うための通信プロトコル又はデータフォーマットやドライバが使用を希望している通信プロトコル又はデータフォーマットを利用して(すなわち、通信処理装置100が通話相手の通話端末との通信に用いる通信プロトコル又はデータフォーマットを自律的に切り換えて)、ドライバが利用している車載システム10との通信を行うことが可能となる。
なお、図1に図示されている車載システム10の通信処理装置は一例であり、例えば、通話相手の通話端末から受信したデータ(あるいは、本来受信するはずであったが受信できなかったデータ)の再送要求を行う機能や、ドライバの運転状態が変わった場合(低負荷状態から高負荷状態、あるいは、高負荷状態から低負荷状態に移った場合)やドライバによる発話の終わりをジングル(再生時間の短い音声)によって通信相手の通話端末へ通知する機能を有していてもよい。
また、図6は、本発明の実施の形態における通信システムの別の一例を示す図である。図6において、車載システム40は、複数の通話相手の通話端末1010、1020と通話回線ネットワーク(図6では不図示)を介して通信を行うことが可能であり、この構成によって多人数による同時通話が実現可能である。なお、図6には、ドライバのほかに2人の通話相手が存在しており、合計3人による通話が行われる場合のシステム構成が一例として図示されているが、より多くの人数による同時通話が行われてもよい。
図6に図示されているように、車載システム10が複数の通話相手の通話端末1010、1020との間で多人数通話を行う場合においても、本発明を適用することが可能である。本発明を適用することで、複数の通話相手の通話端末1010、1020に対してプレゼンス情報を提供することが可能となり、また、通話相手の通話端末1010、1020に本発明に係る通信処理装置100が実装されている場合には、通話相手に関するプレゼンス情報を受信し、ドライバに報知することが可能となる。
なお、上述の本発明の実施の形態のそれぞれに関して独立して説明を行ったが、各実施の形態に係る構成や処理を組み合わせて行うことも可能である。また、上述の本発明の実施の形態では、模式的なブロック図を用いて説明を行ったが、これらのブロック図に記載されている各ブロックは、ハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。また、フローチャートによって表されている動作は、ハードウェア及び/又は各処理を定めたプログラムをCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)によって実行させることによって実現可能である。
また、上述の本発明の実施の形態では、車載システムと通話端末との間に音声及び画像の両方が伝送されることを前提としているが、音声及び画像のいずれか一方のみが伝送される通話に対して本発明を適用することも可能である。また、例えば、停車中は画像・音声の両方を再生出力し(テレビ電話)、低負荷運転中は画像の再生を停止して音声のみを再生出力し(音声通話のみ)、高負荷運転中は画像・音声の両方の再生を停止する構成としてもよい。
また、上述の本発明の実施の形態では、本発明を車載システムに適用しているが、適用対象のシステムは特に限定されるものではない。すなわち、上述の例では、車両の運転状態が高負荷状態か否かを判定して再生処理の可否を判定しているが、任意のシステムにおいて、通話者(上述の例におけるドライバに対応)の任意のステータスを取得し、そのステータスに基づいて、通話者の状態が通話を行うために適した状態か否かを判定してもよい。また、通話相手の通話端末へ通知するプレゼンス情報として、上記の通話者のステータスを使用してもよい。
また、上述の本発明の実施の形態では、運転高負荷状態判定部128、186が受信音声処理部123及び受信画像処理部124へ再生の可否(再生の許可/不許可)を送出することで、再生処理の実行/停止の制御を行っているが、受信用キャッシュ122に蓄積されているデータが、最終的にドライバが視聴可能となるように出力される動作を中断できるのであれば任意の処理を停止させてもよい。例えば、運転高負荷状態判定部128は、ドライバの運転状態が高負荷状態のときには、音声再生出力部125や画像再生出力部126へ処理の一時的な中断を指示してもよい。
また、上述の本発明の実施の形態では、受信用キャッシュ122に格納されたデータは再生出力によって読み出された場合にすぐに消去されてもよく、あるいは、消去されることなく受信用キャッシュ122に格納され続けてもよい。消去されることなく受信用キャッシュ122に格納され続ける場合、例えば、ドライバが聞き漏らしたなどの理由によってデータの再生を再度行えるようになる。さらに、消去されることなく受信用キャッシュ122に格納され続ける場合には、所定の時間以上格納され続けたデータの消去が行われるようにしてもよい。
また、上述の本発明の実施の形態では、運転状態が高負荷状態から低負荷状態に戻った場合に、受信用キャッシュ122に蓄積されている通話相手からの受信データの再生が再び開始されるが、このとき、再生されるデータに関して、例えば無音部分のスキップや早送りによって無音部分を詰めて再生できるようにしたり、通常よりも速い再生速度(倍速再生)で再生できるようにしたり、ドライバ自身がデータの再生をスキップできるようにしたりすることも可能である。これにより、ドライバは、運転状態が高負荷状態であった場合に受信したデータをより早く聴取したり、選別したりすることが可能となり、ドライバと通話相手との間で行われていた元の会話の状態に迅速に戻すことが可能となる。
このとき、図11に図示されているように、受信用キャッシュ122に蓄積されている通話相手からの受信データの再生状態は、運転状態に応じて、ほぼ遅延無く通話相手との通話が行われる「通常再生」モード、高負荷状態が発生した場合に再生を一時的に中断する「一時停止」モード、運転状態が高負荷状態から低負荷状態に戻った際に上述の特殊再生(スキップや倍速再生などの早送り)を行う「時短再生」モードの各モードとなる。すなわち、通話相手からの受信データの再生状態は、通常の通話状態(低負荷状態時)では「通常再生」モードであり、高負荷状態が発生した場合には「一時停止」モードに移行し、運転状態が高負荷状態から低負荷状態に戻った際には「時短再生」モードに移行して、特殊再生を行う必要がなくなった場合(すなわち、高負荷状態時に受信用キャッシュ122に蓄積された通話相手からの受信データを含むデータ再生が、通話相手の通話端末から受信する受信データの再生に追いついた場合)に、再び「通常再生」モードに戻る。
また、ドライバの運転状態が高負荷状態の間に蓄積されていた受信音声の再生を行う際に、仮に高負荷状態が発生せずに再生の遅延が生じなかった場合の再生時刻(高負荷状態による再生中断がない状態で本来再生が行われたはずの時刻)と、現在時刻との遅延時間差を計算してドライバに音声や画像などで報知してもよい。
本発明は、車両運転中のドライバによる通話において、ドライバの運転の安全性、及び、ドライバ及びその通話相手による通話の利便性の両方を実現するという効果を有しており、車両運転中のドライバによる通話を実現させる通信技術に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態における車載システムの構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における車載システムを用いた通話時に行われる受信処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における車載システムを用いた通話時に行われる再生処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における車載システムを用いた通話時に行われる運転高負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における車載システムで行われるプレゼンス情報生成及び通知処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における通信システムの別の一例を示す図である。 本発明において、受信用キャッシュに蓄積されている通話相手からの受信データの再生状態のモード遷移の一例を示す図
符号の説明
10 車載システム
100 通信処理装置
110 送信処理装置
111 送信音声処理部
112 送信画像処理部
113 送信用キャッシュ
114 送信処理部
115 プレゼンス情報生成部
120 受信処理装置
121 受信処理部
122 受信用キャッシュ
123 受信音声処理部
124 受信画像処理部
125 音声再生出力部
126 画像再生出力部
127 運転負荷定量化部
128 運転高負荷状態判定部
129 プレゼンス情報処理部
200 通信モジュール
300 マイクロホン
400 カメラ
500 スピーカ
600 モニタ
700 運転状態検出部
1010、1020 通話端末

Claims (14)

  1. 車両を運転するドライバが通話相手と通話を行うために前記車両に搭載された通信処理装置であって、
    音声出力装置を介して、前記通話相手から前記ドライバへの受話音声を前記ドライバが聴取可能なように出力する音声出力部と、
    集音装置を介して、前記ドライバから前記通話相手への発話音声を取得する音声入力部と、
    前記通話相手から前記ドライバへの受話音声を含むデータを受信する無線通信装置によって受信した前記受話音声を含むデータを一時的に蓄積する受信用キャッシュと、
    前記ドライバの運転状態を検出する運転状態検出装置による検出結果を取得し、定量化する運転状態定量化手段と、
    前記運転状態定量化手段による定量化の結果に基づいて、前記ドライバの運転状態を判定する運転状態判定手段と、
    前記運転状態判定手段で判定された前記ドライバの運転状態を示す情報を前記通話相手へ通知する運転状態情報通知手段とを、
    有する通信処理装置。
  2. 前記運転状態判定手段が、前記運転状態定量化手段による定量化の結果に基づいて、前記ドライバの運転状態が受話音声の聴取を行うべきではない高負荷状態か否かを判定するよう構成されており、
    前記運転状態情報通知手段が、前記ドライバの運転状態が前記高負荷状態か否かの判定結果を、前記ドライバの運転状態を示す情報として前記通話相手へ通知するよう構成されている請求項1に記載の通信処理装置。
  3. 前記運転状態判定手段が、前記運転状態定量化手段による定量化の結果に基づいて、前記ドライバの運転状態が運転中か否かを判定するよう構成されており、
    前記運転状態情報通知手段が、前記ドライバが運転中か否かの判定結果を、前記ドライバの運転状態を示す情報として前記通話相手へ通知するよう構成されている請求項1又は2に記載の通信処理装置。
  4. 前記車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
    前記車両位置情報を前記通話相手へ通知する位置情報通知手段とを、
    有する請求項1から3のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  5. 前記通話相手との通信に使用可能な通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別、あるいは、前記通話相手との通信において使用を所望する通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別を前記通話相手へ通知する接続種別通知手段を有する請求項1から4のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  6. 車両運転中の前記通話相手の運転状態を示す情報を通話相手から受信する相手側運転状態受信手段を有する請求項1から5のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  7. 前記相手側運転状態受信手段によって受信する前記ドライバの運転状態を示す情報に、前記通話相手の運転状態が前記高負荷状態か否かの判定結果が含まれている請求項6に記載の通信処理装置。
  8. 前記相手側運転状態受信手段によって受信する前記ドライバの運転状態を示す情報に、前記通話相手が運転中か否かの判定結果が含まれている請求項6又は7に記載の通信処理装置。
  9. 前記通話相手が運転する車両の現在位置を示す相手側車両位置情報を前記通話相手から受信する相手側位置情報受信手段を有する請求項6から8のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  10. 前記通話相手が通信に使用可能な通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別、あるいは、前記通話相手が使用を所望する通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別を前記通話相手から受信する接続種別受信手段を有する請求項6から9のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  11. 前記接続種別受信手段によって受信した前記通話相手が通信に使用可能な通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別、あるいは、前記通話相手が使用を所望する通信プロトコル又はデータフォーマットの接続種別に応じて、前記通話相手との通信に使用する通信プロトコル又はデータフォーマットを切り替える接続切り替え手段を有する請求項10に記載の通信処理装置。
  12. 前記運転高負荷状態判定手段による判定で前記ドライバの運転状態が高負荷状態の場合には、前記受話音声を含むデータの再生を中断するよう制御するための再生中断指示を送出する受話音声再生制御手段と、
    前記受話音声再生制御手段から前記再生中断指示を受信した場合には、前記受信用キャッシュに蓄積されている前記受話音声を含むデータの再生処理を行わず、前記受話音声再生制御手段から前記再生中断指示を受信していない場合には、前記受信用キャッシュに蓄積されている前記受話音声を含むデータの再生処理を行う再生処理手段とを、
    有する請求項1から10のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  13. 複数の前記通話相手との間で多人数同時通信を行うように構成されている請求項1から12のいずれか1つに記載の通信処理装置。
  14. 前記通話が、音声及び画像の両方を伝送することによって行われる請求項1から13のいずれか1つに記載の通信処理装置。
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