JP2010016303A - 集塵装置および融解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、余分なガスの使用を抑え、効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる集塵装置およびそれを用いた融解装置を提供する。
【解決手段】チャンバ内の雰囲気ガスに存在する微粉末を集塵する集塵機構と、雰囲気ガスを排出させるエジェクタと、チャンバから微粉末を含む雰囲気ガスを排出して集塵機構に導入する雰囲気ガス排出路と、集塵機構において微粉末が集塵された後の雰囲気ガスをエジェクタに導入する雰囲気ガス導入路と、エジェクタに作動ガスを導入するためにエジェクタに接続された作動ガス導入路とを備え、雰囲気ガス排出路は集塵機構に接続され、雰囲気ガス導入路は集塵機構とエジェクタとを連結している集塵装置およびそれを用いた融解装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、集塵装置および融解装置に関し、特に、簡単な構造で、余分なガスの使用を抑え、効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる集塵装置およびそれを用いた融解装置に関する。
たとえばシリコンを融解するための坩堝を有するチャンバ内は、通常、不活性ガスで置換されている。これは、チャンバ内の清浄度を高めることにより、酸素などの反応性ガスが坩堝内のシリコン融液と反応してシリコン融液が汚染されるのを抑制し、酸化シリコンなどの微粉末が発生するのを抑制するためである。
通常、このようなチャンバ内は、真空ポンプにて一旦高真空状態に保持することによって反応性ガスを十分に除去した後、不活性ガスで置換してシリコンを融解する。しかしながら、坩堝内のシリコンを加熱して融解するための融解コイルや坩堝本体から発生する出ガスおよびシリコン材料の追加時にシリコン材料に付着しているガスなどの反応性ガスが存在するため、チャンバ内の清浄度を維持することを目的として、不活性ガスをチャンバ内に常時あるいは適宜導入して、これらの反応性ガスの濃度を下げることが行なわれている。
チャンバ内を減圧下で稼動させる場合(閉鎖系と称する)には、常時あるいは適宜不活性ガスなどの不活性ガスを導入するため、圧力制御用の真空ポンプを備え、チャンバ内の圧力を一定に保つ必要がある。このような閉鎖系のチャンバは、チャンバ内の清浄度を高く維持することができる。しかしながら、チャンバ内に材料を追加で投入したり、基板を搬入したりするなどのチャンバ外からチャンバ内にアクセスする必要がある場合には、ロードロック室に材料や基板などを設置してロードロック室を一旦十分に減圧した後に不活性ガスなどの雰囲気ガスで置換してから、材料や基板などをチャンバ内に導入する必要がある。
一方、チャンバの一部に開口部を設け、不活性ガスをチャンバ内に導入してチャンバ内をやや陽圧にすることによりその開口部から不活性ガスを排出し、チャンバ外から反応性ガスがチャンバ内に導入されるのを防ぐ方法(開放系と称する)もある。このような開放系では、閉鎖系に比べて、一般に、使用される不活性ガスの量は多いにも関わらず、チャンバ内の清浄度は劣ることになる。しかしながら、開放系においては、圧力制御用のポンプを動作させる必要がなく、またチャンバ内に材料を追加で投入したり、基板を搬入したりする場合には、材料や基板などの投入口や排出口として上記の開口部を利用することによって、ロードロック室を設けることなく、材料や基板などの投入および排出を連続的に行なうことができる。すなわち、開放系ではチャンバ内の清浄度は閉鎖系に比してやや劣るものの、装置の構造が簡単で低コストであり、融液の生産性に優れた構造とすることができる。
特開2006−342019号公報
上述のとおり、シリコンを融解するための坩堝を有するチャンバ内には、不活性ガスをチャンバ内に常時あるいは適宜導入し、融解コイルや坩堝本体から発生する出ガスやシリコン材料の追加時にシリコン材料に付着しているガスなどの反応性ガスの濃度を下げることがなされている。しかしながら、反応性ガスを完全に除去することは困難であり、反応性ガスとシリコン融液との反応に起因する酸化シリコンなどの微粉末の発生を完全に抑制することは困難である。
微粉末がチャンバ内に大量に存在すると、チャンバ内部に存在する駆動部に付着して正常な動作を阻害したり、凝集した微粉末が坩堝内に落下して融液の表面に浮遊したりして、融液の生産性を低下させたり、融液を汚染したりするおそれがある。したがって、融液の生産性の低下や汚染を防止するために、チャンバ内に発生する微粉末をできるだけ抑制するか、発生した微粉末を集塵する必要がある。
チャンバ内に微粉末が発生するのをできるだけ抑制するためには、チャンバ内の反応性ガスの濃度をできるだけ低下させる必要があるが、そのためには不活性ガスを多く導入する必要があり、製造コストが高くなるという問題があった。
このような問題は、チャンバ内が清浄度に劣る開放系であればより顕著であり、微粉末の発生を抑制するために大量の不活性ガスが必要となることから、開放系のチャンバが有する装置コストの低さや融液の生産性の高さというメリットを生かすことができないというおそれがある。
また、ポンプなどを用いてチャンバ内の雰囲気ガスを吸引し、集塵機構を用いて微粉末を集塵する場合には、ポンプ駆動用の油や動作部の摩耗による金属汚染物などによってポンプからの排出ガスが汚染されることがあり循環利用に適さないため、ポンプによる吸入分の不活性ガスを余分に流す必要がある。そのため製造コストが高くなるという問題があった。また、ポンプには動作部が存在することになるため、動作部のメンテナンスを行なうことが不可欠であった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、簡単な構造で、余分なガスの使用を抑え、効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる集塵装置およびそれを用いた融解装置を提供することにある。
本発明は、チャンバ内の雰囲気ガスに存在する微粉末を集塵するためにチャンバに接続される集塵装置であって、雰囲気ガスに存在する微粉末を集塵するための集塵機構と、雰囲気ガスを循環させるためのエジェクタと、チャンバから微粉末を含む雰囲気ガスを排出して集塵機構に導入するための雰囲気ガス排出路と、集塵機構において微粉末が集塵された後の雰囲気ガスをエジェクタに導入するための雰囲気ガス導入路と、エジェクタに作動ガスを導入するためにエジェクタに接続された作動ガス導入路とを備え、雰囲気ガス排出路は集塵機構に接続され、雰囲気ガス導入路は集塵機構とエジェクタとを連結している集塵装置である。このような構成とすることで、たとえばポンプを使用する場合には不可欠であった動作部のメンテナンスを行なう必要がなく、また簡単な構成でチャンバ内の微粉末を取り除くことができる。
ここで、本発明の集塵装置においては、エジェクタから作動ガスと雰囲気ガスとの混合ガスが排出され、エジェクタから排出される作動ガスと雰囲気ガスとの混合ガスを再利用することが好ましい。このような構成とすることで、さらに余分なガスの使用を抑えることができる。
また、本発明の集塵装置においては、エジェクタから作動ガスと雰囲気ガスとの混合ガスが排出され、エジェクタから排出される、作動ガスと雰囲気ガスとの混合ガスをチャンバに導入するための混合ガス導入路を備え、混合ガス導入路は、エジェクタに接続されていることが好ましい。このような構成とすることで、さらに余分なガスの使用を抑えることができる。
また、本発明の集塵装置においては、チャンバが開放系であることが好ましい。このような構成とすることで、さらに効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる。
また、本発明の集塵装置において、集塵機構は、微粉末を集塵するためのフィルタ機構を備えていることが好ましい。このような構成とすることで、さらに効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる。
また、本発明の集塵装置において、集塵機構は、微粉末を集塵するためのサイクロン機構を備えていることが好ましい。このような構成とすることで、さらに効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる。
また、本発明は、上記のいずれかの集塵装置の雰囲気ガス排出路をチャンバに接続した融解装置であって、チャンバ内に、融液を収容するための坩堝と、融液を作製するための加熱装置とを備えている融解装置である。このような構成とすることで、チャンバ内の微粉末を取り除くことができ、融液の生産性の低下や汚染を防止することができる。
ここで、本発明の融解装置においては、雰囲気ガス排出路のチャンバ側の端面の開口部であるガス排出口を坩堝の上方領域または直上領域に備えていることが好ましい。このような構成とすることで、チャンバ内の微粉末を取り除くことができ、融液の生産性の低下や汚染を防止することができる。
本発明によれば、簡単な構造で、余分なガスの使用を抑え、効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる集塵装置およびそれを用いた融解装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、以下においては、シリコンの融解装置に用いられる集塵装置について主に説明するが、本発明は、シリコンの融解装置およびそれに用いられる集塵装置に限定されず、シリコン以外の物質の融解装置およびそれに用いられる集塵装置であってもよい。
<実施の形態1>
図1に、本発明の集塵装置を用いた融解装置の一例の模式的な構成を示す。ここで、本発明の集塵装置は、集塵機構19と、エジェクタ4とを備えており、チャンバ1に接続されることにより本発明の融解装置を構成している。また、本実施の形態においては、チャンバ1は閉鎖系となっている。
また、チャンバ1と集塵機構19とは雰囲気ガス排出路21によって連結されており、集塵機構19とエジェクタ4とは雰囲気ガス導入路20によって連結されており、エジェクタ4とチャンバ1とは混合ガス導入路22によって連結されている。
また、雰囲気ガス排出路21のチャンバ1側の端面の開口部がガス排出口5となり、混合ガス導入路22のチャンバ1側の端面の開口部がガス導入口6となっている。
また、チャンバ1内にはシリコン融液12が収容された坩堝11が設置されており、坩堝11の外周を取り囲むようにして加熱装置13が設置されている。また、チャンバ1の上部にはチャンバ1内の圧力を調整するための真空ポンプ2が備え付けられている。ここで、真空ポンプ2は、チャンバ1内の雰囲気をたとえば不活性ガスに置換する前に一旦真空状態に保持することによってチャンバ1内の清浄度を高めるとともに、定常時には不活性ガスを導入することによって変化し得るチャンバ1内の圧力を一定に保つことができる。また、真空ポンプ2とチャンバ1との間には、チャンバ1内の雰囲気ガスに含まれる微粉末を吸引しないように、フィルタ(図示せず)を設けることが好ましい。
また、集塵機構19には、微粉末を集塵するためのフィルタ機構3が設置されている。また、エジェクタ4にはエジェクタ4に作動ガス16を導入するための作動ガス導入路7が接続されている。
このような構成の本発明の集塵装置および融解装置においては、たとえば、チャンバ1内に残存する酸素などの反応性ガスとシリコン融液12とが反応することにより生じた酸化シリコンなどからなる微粉末は煙のようにシリコン融液12の表面から立ち上り、チャンバ1内に拡散することになる。
ここで、エジェクタ4に高圧の作動ガス16を作動ガス導入路7を通して導入することによってエジェクタ4が作動して負圧が生じ、チャンバ1内の微粉末を含んだ雰囲気ガス14は、ガス排出口5から雰囲気ガス排出路21を通って集塵機構19に導入される。
集塵機構19に導入された微粉末を含んだ雰囲気ガス14は、集塵機構19に設置されたフィルタ機構3によって微粉末が集塵されて、微粉末が取り除かれた状態で集塵機構19から排出される。
そして、集塵機構19によって微粉末が取り除かれることによって清浄化された雰囲気ガス15は、雰囲気ガス導入路20を通ってエジェクタ4に導入される。この清浄化された雰囲気ガス15はエジェクタ4の内部で上記の作動ガス16と混合して混合ガス17を生じ、混合ガス17が混合ガス導入路22を通ってガス導入口6からチャンバ1内に導入される。そして、チャンバ1内に新たなガスが導入されるため、真空ポンプ2によってチャンバ1内の雰囲気ガスが吸引されて圧力が一定となるように調整される。
このように、本発明においては、チャンバ1内の雰囲気ガスを循環経路の一部に集塵機構19を設けることによって容易に微粉末を集塵することが可能であるため、効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる。
また、本発明においては、エジェクタ4を用いることによって、たとえばポンプなどを用いた場合における油や金属汚染物などによるガスの汚染を考慮する必要がないことからチャンバ1内の雰囲気ガスを循環させて再利用することが可能であり、簡単な構造で、余分なガスの使用を抑えることができる。
さらに、本発明においては、動作部を必要としないエジェクタ4を用いることによって、たとえばポンプなどを用いた場合に必要となる動作部のメンテナンスも不要である。
<実施の形態2>
図2に、本発明の集塵装置を用いた融解装置の他の一例の模式的な構成を示す。ここで、本実施の形態においては、チャンバ1が開放系となっている点に特徴がある。
ここで、チャンバ1はその一部に開口部8が設けられており、チャンバ1の内部がチャンバ1の外部に開放されている。また、チャンバ1内にガス導入口6から混合ガス17を導入し、チャンバ1内をやや陽圧状態として開口部8からチャンバ1内の雰囲気ガスを排出することによって酸素などの反応性ガスがチャンバ1内に残存するのを抑制し、チャンバ1内を清浄にする構成となっている。
また、開口部8を、たとえば材料の追加投入用の受け入れ口とすることによって従来のようにロードロック室を設けることなく坩堝11への材料の追加投入が可能となる。すなわち、開口部8をチャンバ1内からチャンバ1外へのアクセスに用いることによって、装置の構造を簡単にすることができ、さらには融液の生産性を高めることが可能となる。
ここで、本実施の形態においても、真空ポンプ2は、チャンバ1内の雰囲気をたとえば不活性ガスに置換する前に一旦真空状態に保持することによってチャンバ1内の清浄度を高めるために設けられているが、真空状態に保持することなく、たとえば不活性ガスの導入のみでチャンバ1内の雰囲気を置換できる場合には、真空ポンプ2は設けなくてもよい。真空ポンプ2を設置しない場合には、装置の構造をさらに簡単にすることができる傾向にある。
このような構成の本発明の集塵装置および融解装置においても、たとえば、チャンバ1内に残存する酸素などの反応性ガスとシリコン融液12とが反応することにより生じた酸化シリコンなどからなる微粉末は煙のようにシリコン融液12の表面から立ち上り、チャンバ1内に拡散することになる。
ここで、エジェクタ4に高圧の作動ガス16を作動ガス導入路7を通して導入することによってエジェクタ4が作動して負圧が生じ、チャンバ1内の微粉末を含んだ雰囲気ガス14は、ガス排出口5から雰囲気ガス排出路21を通って集塵機構19に導入される。
集塵機構19に導入された微粉末を含んだ雰囲気ガス14は、集塵機構19に設置されたフィルタ機構3によって微粉末が集塵されて、微粉末が取り除かれた状態で集塵機構19から排出される。
そして、集塵機構19によって微粉末が取り除かれることによって清浄化された雰囲気ガス15は、雰囲気ガス導入路20を通ってエジェクタ4に導入される。この清浄化された雰囲気ガス15はエジェクタ4の内部で上記の作動ガス16と混合して混合ガス17を生じ、混合ガス17は混合ガス導入路22を通ってガス導入口6からチャンバ1内に導入されることになる。このとき、混合ガス17がチャンバ1内に導入されることになるため、チャンバ1内がやや陽圧状態となり、開口部8からチャンバ1内の雰囲気ガスが排出されることになる。
このように、チャンバ1を開放系とした場合には、チャンバ1内をやや陽圧状態とするために、チャンバ1を閉鎖系とした場合と比べてより多くの混合ガス17がチャンバ1内に導入される。しかしながら、開口部8から反応性ガスがチャンバ1内に導入されることがあるため、酸化シリコンなどの微粉末がより多く発生する傾向にある。しかしながら、エジェクタ4の吸い込み流量は作動ガス16の導入量に応じて増えることから、集塵機構19に導入されて微粉末が集塵される雰囲気ガスの流量も増える。すなわち、チャンバ1が開放系である場合には、微粉末の発生量も多くなるが、雰囲気ガスの流量も増えて微粉末が集塵される効率が向上するために、本発明をより効果的に用いることが可能となる。
なお、上記の実施の形態1および2において、エジェクタ4は特に限定されないが、チャンバ1が開放系か閉鎖系か、チャンバ1の大きさや内部圧力、チャンバ1内に導入される混合ガス17の圧力や流量などに応じて適切なものを選択することが好ましい。また、エジェクタ4としては、作動ガス16の吸い込み流量ができるだけ多いものを選択することが好ましい。このようなエジェクタ4を選択することにより、微粉末の集塵効率を向上させることができるためである。また、エジェクタ4が1台では必要な流量を確保することができない場合には、複数台のエジェクタ4を並列に設置することができる。また、エジェクタ4が1台では必要な負圧を確保することができない場合には、複数台のエジェクタ4を直列に設置することができる。たとえば、発生する微粉末がさほど多くはないが、チャンバ1内を比較的高い陽圧状態に保つ必要がある場合などのために、不活性ガスなどのガスをチャンバ1内に導入するための陽圧用ガス導入口をチャンバ1に設けてもよい。
また、上記の実施の形態1および2において、チャンバ1としては、たとえば坩堝11や加熱装置13などの物体を収容できるものであれば特に限定されずに用いることができる。また、坩堝11としては、たとえばシリコン融液12などの物体を収容できるものであれば特に限定されずに用いることができる。また、加熱装置13としては、坩堝11に収容された物体を加熱することができるものであれば特に限定されずに用いることができる。
また、上記の実施の形態1および2において、集塵機構19には、フィルタ機構3に代えて、またはフィルタ機構3とともに、サイクロン機構を備えていてもよい。ここで、サイクロン機構とは、微粉末に生じる遠心力を利用して微粉末を分離する機構のことを意味している。たとえば、集塵機構19がフィルタ機構3とともにサイクロン機構を備えている場合には、サイクロン機構にて大まかに微粉末を集塵し、さらにフィルタ機構3にて残りの微粉末を集塵することができるため、微粉末の集塵がより効率的となる傾向にある。
また、上記の実施の形態1および2において、集塵機構19のフィルタ機構3としては、微粉末の通過を抑制または防止することができるものであれば特に限定なく用いることができ、たとえば従来から公知のフィルタなどを用いることができる。なかでも、フィルタ機構3としては、有効面積が広く、圧力損失の少ないフィルタを用いることが好ましい。一般に、エジェクタ4の特性として、作動ガス16の吸い込み流量は吸い込み側の圧力と関係しており、吸い込み側の圧力が低いと吸い込み流量が少なくなる。したがって、フィルタの圧力損失が大きくなるとエジェクタ4の作動ガス16の吸い込み流量が少なくなり、微粉末の集塵の効率が低下するおそれがある。また、特に開放系のチャンバ1を用いた場合には、微粉末の集塵量が多くなるため、有効面積の広いフィルタを採用して、多くの微粉末を集塵した場合でもフィルタの圧力損失が大きくならないようにすることが好ましい。
また、上記の実施の形態1および2において、集塵機構19は、本発明の集塵装置および融解装置が動作中であっても、集塵した微粉末を外部に回収することができる外部回収機構を備えていることが融液の生産性を高める観点から好ましい。外部回収機構としては、たとえば、集塵機構19を複数用意し、集塵された微粉末を外部に回収する際に他の集塵機構に切り替える構成とすることができる。さらに、外部回収機構には、微粉末を外部に回収した後、再び集塵を行なう前に、集塵機構19内に取り込まれた空気を作動ガス16と同等のガスにて置換することができるパージ機構が設けられていることがチャンバ1内の雰囲気ガスの清浄度を維持する観点から好ましい。パージ機構としては、たとえば、集塵機構19に作動ガス16と同等のガスを導入するためのガス導入口と、集塵機構19内に取り込まれた空気を作動ガス16と同等のガスにて押し出すための開閉可能な排出口を設ける構成とすることができる。
また、上記の実施の形態1および2において、チャンバ1内の雰囲気ガス、微粉末を含んだ雰囲気ガス14、清浄化された雰囲気ガス15、作動ガス16および混合ガス17のそれぞれを構成するガスは特に限定されないが、不活性ガスを用いることが好ましい。ここで、不活性ガスとしては、たとえば、窒素、アルゴンおよびヘリウムからなる群から選択された少なくとも1種などを用いることができる。
また、上記の実施の形態1および2において、チャンバ1は、シリコン融液12が収容された坩堝11が設置されたチャンバ1の本体には限定されない。すなわち、チャンバ1には、たとえば図示されていない原料添加室、製品回収室およびロードロック室の群から選択された少なくとも1種などのチャンバ本体に接続されてチャンバ1の本体と雰囲気ガスとの交雑が生じる副室が含まれていてもよい。
また、上記の実施の形態1および2において、作動ガス導入路7は、エジェクタ4に作動ガス16を導入することができるものであれば特に限定されない。
また、上記の実施の形態1および2において、雰囲気ガス導入路20は、集塵機構19とエジェクタ4との間に清浄化された雰囲気ガス15を流すことができるものであれば特に限定されない。
また、上記の実施の形態1および2において、雰囲気ガス排出路21は、チャンバ1と集塵機構19との間に微粉末を含んだ雰囲気ガス14を流すことができるものであれば特に限定されない。
また、上記の実施の形態1および2において、混合ガス導入路22は、エジェクタ4とチャンバ1との間に混合ガス17を流すことができるものであれば特に限定されない。
また、上記の実施の形態1および2において、ガス排出口5およびガス導入口6の位置は特に限定されないが、ガス導入口6からチャンバ1内に導入された混合ガス17がそのままガス排出口5から排出されないように、ガス排出口5とガス導入口6とは離して設置されることが好ましい。これは、ガス導入口6からチャンバ1内に導入された混合ガス17がそのままガス排出口5から排出される場合には、微粉末を含むチャンバ1内の雰囲気ガスをガス排出口5から排出させることができず、効率的に微粉末の集塵を行なうことができない傾向にあるためである。また、ガス排出口5およびガス導入口6の位置は、チャンバ1の本体には限定されず、たとえば図示されていない原料添加室、製品回収室およびロードロック室の群から選択された少なくとも1種などのチャンバ本体に接続されてチャンバ1の本体と雰囲気ガスとの交雑が生じる副室に設けられていてもよい。
また、上記の実施の形態1および2において、ガス排出口5は、微粉末の発生源の近傍に設置されていることが好ましい。ガス排出口5を微粉末の発生源の近傍に設置することによって、微粉末がチャンバ1内に拡散する前に集塵することが可能であり、効率的に集塵を行なうことができる傾向にあるためである。特に、坩堝11にシリコン融液12を収容する場合には、ガス排出口5は、坩堝11の上方領域に設けることが好ましく、坩堝11の直上領域に設けることがより好ましい。上述したとおり、酸素などの反応性ガスとシリコン融液とが反応することにより生じた微粉末は、シリコン融液12の表面から煙のように立ち上ることになるが、ガス排出口5を坩堝11の上方領域に設けた場合、特に坩堝11の直上領域に設けた場合には、微粉末がチャンバ1内に拡散する前にガス排出口5から排出することができる傾向が大きくなる。図3に、ガス排出口5を坩堝11の直上領域に設けた構成の一例を示す。ここで、チャンバ1内の坩堝11の上部には坩堝蓋18が設けられており、坩堝蓋18の一部にガス排出口5が位置している。そして、ガス排出口5は坩堝11の直上領域(坩堝11の外周で取り囲まれた領域であってチャンバ1内における坩堝11の上方の領域)に位置している。なお、坩堝11の上方領域とは、チャンバ1内において坩堝11よりも上方に位置する領域全体のことを意味している。
また、上記の実施の形態2において、ガス排出口5は、ガス排出口5からの雰囲気ガスの排出によってチャンバ1外の反応性ガスをチャンバ1内に引き込まないように、開口部8から離して設置することが好ましい。ガス排出口5と開口部8とが近すぎる場合には、ガス排出口5からの雰囲気ガスの排出によってチャンバ1外の反応性ガスをチャンバ1内に引き込むおそれがあるからである。このように、ガス排出口5およびガス導入口6の位置はチャンバ1の形態や内部構成に応じて適切な位置に設けることが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、簡単な構造で、余分なガスの使用を抑え、効率良くチャンバ内の微粉末を取り除くことができる集塵装置およびそれを用いた融解装置を提供することができる。また、本発明によれば、低コストで微粉末の集塵ができ、また動作部のメンテナンスを行なう必要をなくすこともできる。
本発明の集塵装置を用いた融解装置の一例の模式的な構成図である。 本発明の集塵装置を用いた融解装置の他の一例の模式的な構成図である。 本発明におけるガス排出口の好ましい設置例の一例を図解する模式的な構成図である。
符号の説明
1 チャンバ、2 真空ポンプ、3 フィルタ機構、4 エジェクタ、5 ガス排出口、6 ガス導入口、7 作動ガス導入路、8 開口部、11 坩堝、12 シリコン融液、13 加熱装置、14 微粉末を含んだ雰囲気ガス、15 清浄化された雰囲気ガス、16 作動ガス、17 混合ガス、18 坩堝蓋、19 集塵機構、20 雰囲気ガス導入路、21 雰囲気ガス排出路、22 混合ガス導入路。

Claims (8)

  1. チャンバ内の雰囲気ガスに存在する微粉末を集塵するために前記チャンバに接続される集塵装置であって、
    前記雰囲気ガスに存在する前記微粉末を集塵するための集塵機構と、
    前記雰囲気ガスを排出させるためのエジェクタと、
    前記チャンバから前記微粉末を含む前記雰囲気ガスを排出して前記集塵機構に導入するための雰囲気ガス排出路と、
    前記集塵機構において前記微粉末が集塵された後の前記雰囲気ガスを前記エジェクタに導入するための雰囲気ガス導入路と、
    前記エジェクタに作動ガスを導入するために前記エジェクタに接続された作動ガス導入路とを備え、
    前記雰囲気ガス排出路は前記集塵機構に接続され、
    前記雰囲気ガス導入路は前記集塵機構と前記エジェクタとを連結している、集塵装置。
  2. 前記エジェクタから前記作動ガスと前記雰囲気ガスとの混合ガスが排出され、
    前記エジェクタから排出される、前記作動ガスと前記雰囲気ガスとの混合ガスを再利用することを特徴とする、請求項1に記載の集塵装置。
  3. 前記エジェクタから前記作動ガスと前記雰囲気ガスとの混合ガスが排出され、
    前記エジェクタから排出される、前記作動ガスと前記雰囲気ガスとの混合ガスを前記チャンバに導入するための混合ガス導入路を備え、
    前記混合ガス導入路は、前記エジェクタに接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の集塵装置。
  4. 前記チャンバが開放系であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の集塵装置。
  5. 前記集塵機構は、前記微粉末を集塵するためのフィルタ機構を備えていることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の集塵装置。
  6. 前記集塵機構は、前記微粉末を集塵するためのサイクロン機構を備えていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の集塵装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の集塵装置の前記雰囲気ガス排出路を前記チャンバに接続した融解装置であって、
    前記チャンバ内に、融液を収容するための坩堝と、前記融液を作製するための加熱装置とを備えていることを特徴とする、融解装置。
  8. 前記雰囲気ガス排出路の前記チャンバ側の端面の開口部であるガス排出口を前記坩堝の上方領域または直上領域に備えていることを特徴とする、請求項7に記載の融解装置。
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