JP2010015779A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロアなどによる強制的な酸素の供給手段を用いることなく、優れた電池特性を発揮し得るとともに、更に発電効率の高い燃料電池を提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電解質膜とを含む膜・電極接合体を、平面状に複数配置し、前記正極加圧プレート及び前記負極加圧プレートは、前記膜・電極接合体の短辺方向に平行な加圧格子を備え、前記加圧格子の幅は、0.5mm以上2mm以下であり、前記加圧格子の間隔は、0.7mm以上5mm以下であり、前記正極集電プレート及び前記負極集電プレートは、前記膜・電極接合体の長辺方向に平行な集電格子を備え、前記集電格子の幅は、0.5mm以上2mm以下であり、前記集電格子の間隔は、0.7mm以上5mm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の膜・電極接合体を平面状に配置してなる燃料電池に関する。
近年、パソコン、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である電池に対して、更なる小型化、高容量化が要望されている。現在、リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る電池として実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、このリチウムイオン二次電池は、一部のコードレス機器に対して、十分な連続使用時間を保証することができないという問題がある。
上記問題の解決に向けて、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)などの燃料電池の開発が進められている。燃料電池は、燃料及び酸素の供給を行えば、連続的に使用することが可能である。そして、電解質に固体高分子電解質、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に燃料を用いるPEFCは、リチウムイオン二次電池よりもエネルギー密度が高い電池として注目されている。
しかし、従来の燃料電池では、複数の単電池(単セル)を積層して構成しているため、電池全体が嵩高くなってしまう。また、酸素を正極へ、燃料を負極へ、それぞれ流通させて供給しなければならず、そのための補器が必要となる。このため、燃料電池はリチウムイオン二次電池などの小型二次電池に比べてはるかに大きくなってしまい、小型ポータブル電源として用いるには問題があった。
このような状況において、単セルを平面状に並べ、更に空気極(正極)への空気の供給を大気の拡散を利用する構成の平面型燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような構成であれば、ブロアなどの強制的な空気の供給手段を用いずに済み、燃料電池のコンパクト化が可能となる。
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、燃料電池を構成する単セル個々の機能を十分に引き出し得るとはいい難い。このため、燃料電池を構成する単セルの個々の集電性能、発電効率を高め、ブロアなどによる強制的な酸素の供給手段を用いることなく、優れた電池特性を発揮し得る燃料電池が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−56855号公報 特開2008−66173号公報
本発明は、特許文献2に記載の燃料電池を更に改良したものであり、ブロアなどによる強制的な酸素の供給手段を用いることなく、優れた電池特性を発揮し得るとともに、更に発電効率の高い燃料電池を提供することにある。
本発明は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電解質膜とを含む膜・電極接合体を、平面状に複数配置した燃料電池であって、前記膜・電極接合体は、長方形状に形成され、前記複数の膜・電極接合体は、前記膜・電極接合体の短辺方向に配列され、前記膜・電極接合体の正極側には、正極集電プレート、正極絶縁プレート及び正極加圧プレートがこの順に配置され、前記膜・電極接合体の負極側には、負極集電プレート、負極絶縁プレート及び負極加圧プレートがこの順に配置され、前記膜・電極接合体は、前記正極加圧プレートと前記負極加圧プレートとによって挟持されて一体化しており、前記正極加圧プレート及び前記負極加圧プレートは、前記膜・電極接合体の短辺方向に平行な加圧格子を備え、前記加圧格子の幅は、0.5mm以上2mm以下であり、前記加圧格子の間隔は、0.7mm以上5mm以下であり、前記正極集電プレート及び前記負極集電プレートは、前記膜・電極接合体の長辺方向に平行な集電格子を備え、前記集電格子の幅は、0.5mm以上2mm以下であり、前記集電格子の間隔は、0.7mm以上5mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ブロアなどによる強制的な酸素の供給手段を用いることなく、優れた電池特性を有する燃料電池を提供できると共に、更に発電効率の向上を実現できる。よって、本発明の燃料電池は、容易に小型化が可能であり、小型ポータブル電源として好ましく用いることができる。
本発明では、膜・電極接合体(以下、「MEA」という。)を構成する正極へ酸素を供給するための開口部及び負極へ燃料を供給するための開口部の構成に着目し、これを一定の条件を満足するように調整することで、正極への酸素の供給とMEAから生じる電流の集電とを良好にしており、これにより、ブロアなどによる強制的な酸素の供給手段を用いることなく、優れた電池特性を有する燃料電池の提供を可能としている。
以下、図面を用いつつ本発明の燃料電池の詳細を説明する。図1は、本発明の燃料電池の一例を示す断面模式図である。図1は断面図であるが、各構成要素の理解を容易にするために、一部の構成要素については、断面であることを示す斜線を付していない。
図1の燃料電池では、正極拡散層13及び正極触媒層14からなる正極(酸素を還元する正極)と、固体電解質膜15と、負極拡散層17及び負極触媒層16からなる負極(燃料を酸化する負極)とが、順次積層されてなるMEA100を3個有しており、これらのMEA100が平面状に配置されている。また、MEA100は、長方形状に形成され、3個のMEA100は、MEA100の短辺方向に配列されている。
それぞれのMEA100の正極側には、正極端部集電プレート5、正極集電プレート6(以下、単に「正極集電プレート5、6」という場合がある。)、正極絶縁プレート3、及び正極加圧プレート1が順次配置されている。また、それぞれのMEA100の負極側には、負極端部集電プレート7、負極集電プレート8(以下、単に「負極集電プレート7、8」という場合がある。)、負極絶縁プレート4、及び負極加圧プレート2が順次配置されている。
そして、全てのMEA100が、正極加圧プレート1と負極加圧プレート2とによって挟持されて一体化している。また、図1では明らかにしていないが、隣り合うMEA100同士は、正極集電プレート5、6と負極集電プレート7、8との電気的接続によって、直列に接続されている。
正極集電プレート5、6、正極絶縁プレート3及び正極加圧プレート1には、燃料電池外の酸素を空気として正極に導入するための酸素導入孔が複数設けられている。そして、正極集電プレート5、6の酸素導入孔、正極絶縁プレート3の酸素導入孔、及び正極加圧プレート1の酸素導入孔(図1では図示せず。)により、正極加圧プレート1の外表面からMEA100の正極拡散層13にまで到達する正極開口部11が複数形成されており、これら正極開口部11から、燃料電池外の酸素(空気)が拡散により正極拡散層13に供給される構造となっている。
また、図1の燃料電池では、負極集電プレート7、8、負極絶縁プレート4及び負極加圧プレート2には、燃料タンク部10内の燃料を負極に導入するための燃料導入孔が複数設けられている。そして、負極集電プレート7、8の燃料導入孔、負極絶縁プレート4の燃料導入孔、及び負極加圧プレート2の燃料導入孔(図1では図示せず。)により、負極加圧プレート2の燃料タンク部10側表面からMEA100の負極拡散層17にまで到達する負極開口部12が複数形成されており、これら負極開口部12から、燃料タンク部10内の燃料が負極拡散層17に供給される構造となっている。
図1の燃料電池では、正極加圧プレート1と負極加圧プレート2(更には燃料タンク部10)は、間隔を保持して配置された固定部により固定されており、この固定部では、ボルト18とナット19による固定がなされている。図1中、9a及び9bはシール部である。
正極加圧プレート1及び負極加圧プレート2は、MEA100の短辺方向に平行な加圧格子を備え、その加圧格子の幅(格子の短辺方向の幅)は、0.5mm以上2mm以下であり、その加圧格子の間隔(格子の短辺方向の開口部の幅)は、0.7mm以上5mm以下である。これにより、MEA100を正極加圧プレート1及び負極加圧プレート2で挟持して一体化した場合、正極加圧プレート1及び負極加圧プレート2が、MEA100の短辺方向にたわみにくくなり、MEA100を正極加圧プレート1及び負極加圧プレート2で強固に固定できるため、MEA100と、正極集電プレート5、6及び負極集電プレート7、8との電気的接触が良好となり、集電抵抗を抑制できる。
また、正極集電プレート5、6及び負極集電プレート7、8は、MEA100の長辺方向に平行な集電格子を備え、その集電格子の幅(格子の短辺方向の幅)は、0.5mm以上2mm以下であり、その集電格子の間隔(格子の短辺方向の開口部の幅)は、0.7mm以上5mm以下である。これにより、正極集電プレート5、6及び負極集電プレート7、8の集電格子と、正極加圧プレート1及び負極加圧プレート2の加圧格子とが、交差するように配置されるため、MEA100を正極加圧プレート1及び負極加圧プレート2で強固に固定できるため、MEA100と、正極集電プレート5、6及び負極集電プレート7、8との電気的接触がさらに良好となり、集電抵抗をより抑制できる。
また、正極加圧プレート1からの平面視において、正極開口部11の総面積Mと正極の面積Nとから求められる開口率〔(M/N)×100%〕が、10〜60%であることが好ましい。正極側の開口率を上記のように設定することで、正極への酸素の供給とMEA100から生じる電流の集電を良好にすることができる。即ち、上記開口率が小さすぎると、正極への酸素の供給が不十分となることがある。また、上記開口率が大きすぎると、MEA100から生じる電流の集電性が低下し、また、燃料がガスの場合には乾燥が促進されてしまうため、電池の出力が低下する。上記開口率は、15%以上であることがより好ましく、また、50%以下であることがより好ましい。
また、負極加圧プレート2からの平面視においても、負極開口部12の総面積Pと負極の面積Qとから求められる開口率〔(P/Q)×100%〕が、10〜60%であることが好ましい。上記開口率は、15%以上であることがより好ましく、また、50%以下であることがより好ましい。
正極開口部11の個々の面積は、燃料電池外の酸素をより良好に取り込む観点から、0.1mm2以上、より好ましくは0.2mm2以上であることが望ましい。他方、正極開口部11の個々の面積が大きすぎると、正極加圧プレート1などの強度が低下することがあるため、その面積は、40mm2以下であることが好ましく、30mm2以下であることがより好ましい。
また、負極開口部12の個々の面積も、0.1mm2以上、より好ましくは0.2mm2以上であることが望ましく、また、40mm2以下、より好ましくは30mm2以下であることが望ましい。
燃料電池の内部抵抗を低くするには、正極加圧プレート1と負極加圧プレート2とによって、MEA100をある程度の均一性を持って抑え込むことが好ましい。このため、正極加圧プレート1、正極絶縁プレート3及び正極集電プレート5、6の総厚みは、1mm以上であることが好ましい。例えば、図1に示すように、正極加圧プレート1と負極加圧プレート2とを、間隔を保持して配置された固定部において、ボルト18とナット19を用いるなどして固定する場合、正極加圧プレート1、正極絶縁プレート3及び正極集電プレート5、6の総厚みが小さすぎると、MEA100の抑え込みの際にこれらのプレートにたわみが生じて、MEA100の抑え込みの均一性が損なわれることがある。
他方、正極加圧プレート1、正極絶縁プレート3及び正極集電プレート5、6の総厚みが大きすぎると、正極開口部11から正極拡散層13への酸素の供給量が低下する傾向にあるため、上記総厚みは4mm以下であることが好ましい。
また、負極加圧プレート2、負極絶縁プレート4及び負極集電プレート7、8の総厚みについても、正極加圧プレート1、正極絶縁プレート3及び正極集電プレート5、6の総厚みと同様に、MEA100の抑え込みの均一性を高めて電池の内部抵抗を下げる観点から、1mm以上であることが好ましく、更に、負極開口部12から負極拡散層17への燃料の供給量を高める観点から、4mm以下であることが好ましい。
図2Aに、正極加圧プレート1の平面模式図を示し、図2Bに、図2Aの部分拡大図を示す。正極加圧プレート1には、各MEAの正極拡散層の位置に合わせて酸素導入孔11aが設けられており、酸素導入孔11aは、正極絶縁プレートの酸素導入孔及び正極集電プレートの酸素導入孔と共に、正極開口部を形成する。20、20a、20b、20c、20d、20eは正極加圧プレート1と負極加圧プレートとを固定するためのボルトを通すネジ穴であり、正極加圧プレート1と負極加圧プレートとを固定するための固定部となる。
前述のとおり、正極加圧プレート1は、MEAの短辺方向に平行な加圧格子1aと、加圧格子1aより幅広の加圧格子1bとを備え、加圧格子1a、1bの幅Wa、Wb(格子の短辺方向の幅)は、0.5mm以上2mm以下であり、その加圧格子の間隔L(格子の短辺方向の開口部の幅)は、0.7mm以上5mm以下である。
正極加圧プレート1は金属製である。金属以外の素材で構成した正極加圧プレート1では、MEAの抑え込みの際に、たわみが生じてしまう。また、MEAの抑え込みの際のたわみをより少なくする観点から、正極加圧プレート1を構成する金属は、曲げ試験により求められるヤング率が50000MPa以上であることが好ましい。具体的な金属としては、例えば、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、超合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、ニッケル合金などが挙げられる。ここで、本明細書でいう曲げ試験により求められるヤング率とは、両端を支持した板状の試料の中央部に荷重をかけた特に生じたたわみ量を測定して求められる値である。
また、正極加圧プレート1の厚みは、0.5〜3.5mmであることが好ましい。正極加圧プレート1が薄すぎると、MEAの抑え込み時のたわみが大きくなって、MEAの抑え込みの均一性が損なわれることがある。また、正極加圧プレート1が厚すぎると、正極加圧プレート1、正極絶縁プレート及び正極集電プレートの総厚みが大きくなってしまい、正極への酸素の供給量が低下することがある。
また、負極加圧プレートには、上記正極加圧プレートと同じ構成のものを用いることができる。
図3には、正極端部集電プレート5の平面模式図を示し、図4には、正極集電プレート6の平面模式図を示す。図3の正極端部集電プレート5及び図4の正極集電プレート6には、MEAの正極拡散層の位置に合わせて酸素導入孔11bが設けられており、酸素導入孔11bは、正極加圧プレートの酸素導入孔及び正極絶縁プレートの酸素導入孔と共に、正極開口部を形成する。また、図3の正極端部集電プレート5及び図4の正極集電プレート6には、正極加圧プレートの固定部(ネジ穴)の位置に合わせて、固定部20(ネジ穴)が設けられている。
また前述のとおり、正極集電プレート5、6は、MEAの長辺方向に平行な集電格子5aを備え、集電格子5aの幅(格子の短辺方向の幅)は、0.5mm以上2mm以下であり、集電格子5aの間隔(格子の短辺方向の開口部の幅)は、0.7mm以上5mm以下である。また、正極集電プレート5、6は、MEAの短辺方向に平行な集電格子5bを備え、集電格子5bの幅は、0.5mm以上2mm以下、集電格子5bの間隔は、5mm以上40mm以下とすればよい。
図3の正極端部集電プレート5は、図1の燃料電池における左端のMEA100の正極上に配置するための集電プレートであり、燃料電池外部に電流を取り出すための正極集電端子部21が設けられている。正極集電端子部21としては特に制限はないが、例えば、図3に示すように、燃料電池と接続する装置などから引き出された外部端子を接続するための孔などが挙げられる。
図4の正極集電プレート6は、図1の燃料電池における中央及び右側のMEA100の正極上に配置するための集電プレートであり、燃料電池の外周部に相当する位置に正極直列接続タブ22が設けられている。正極直列接続タブ22を、隣に位置するMEAの負極上に配置された負極集電プレートと接触させる(例えば、負極集電プレートに設けられた負極直列接続タブと接触させる)などして電気的に接続することで、各MEAを直列に接続する。
正極直列接続タブ22は、燃料電池の外周部に相当する位置に1つ設けるだけでもよいが、図4に示すように燃料電池の外周部に相当する位置に2つ設けることが好ましい。1つのタブから接続するよりも、2つのタブから接続する方が、集電プレート間の抵抗が低減されるため、電池の出力をより向上させることができる。
正極集電プレート5、6の材質は、電子伝導性を有するものであれば特に制限されないが、耐食性の高い材質であることが好ましく、ニッケル、銅、チタンあるいはそれらの合金、ステンレス鋼及び炭素材料などが好ましく用いられる。また、良好な耐食性と導電性を実現するため、より導電性の高いニッケル、銅、あるいはそれらの合金などの材料と、より耐食性の高いチタン、白金、金、パラジウムあるいはそれらの合金、ステンレス鋼などの材料との積層構造としたものや、上記単体あるいは積層体を白金、金、パラジウムあるいはそれらの合金などの材料で被覆したものを用いることも好ましい。上記積層体を用いる場合は、より耐食性の高い材料が電極側に配置されるようにするのがよい。
正極集電プレート5、6の厚みは、0.2〜3.2mmであることが好ましい。正極集電プレート5、6が薄すぎると、その電子抵抗が大きくなって、電池の出力が低下することがある。また、正極集電プレート5、6が厚すぎると、正極加圧プレート、正極絶縁プレート及び正極集電プレートの総厚みが大きくなってしまい、正極への酸素の供給量が低下することがある。
負極集電プレート(図1の負極端部集電プレート7及び負極集電プレート8)には、上記正極集電プレート(図3に示す正極端部集電プレート5及び図4に示す正極集電プレート6)と同じ構成のものを用いることができる。
図5Aに、正極絶縁プレート3の平面模式図を示し、図5Bに、図5AのI−I線断面図を示す。図5Bでは、固定部20(ネジ穴)の配置を点線で示しており、この配置の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。正極絶縁プレート3は、金属製の正極加圧プレートと、正極集電プレートとの間に配置され、これらのプレート間を絶縁する役割を担っている。
正極絶縁プレート3には、各MEAの正極拡散層の位置に合わせて酸素導入孔11cが設けられており、酸素導入孔11cは、正極加圧プレートの酸素導入孔及び正極集電プレートの酸素導入孔と共に、正極開口部を形成している。また、正極絶縁プレート3には、正極加圧プレート及び正極集電プレートの固定部(ネジ穴)の位置に合わせて、固定部20(ネジ穴)が設けられている。
正極絶縁プレート3には、正極集電プレートを収めるための凹部23が設けられていることが好ましい。凹部23によって正極絶縁プレート3と正極集電プレートとを積層したときに段差をなくすことができるため、かかる段差によるガス漏れやMEAの抑え込みの不均一さの発生を抑えることができる。
正極絶縁プレート3の材質は、電子絶縁性を有していれば特に制限されないが、例えば、ガラスエポキシ樹脂や、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂[ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など]などのプラスチックが好適である。
正極絶縁プレート3のうち、正極集電プレートが収まる凹部23の厚みは、0.3〜3
.3mmであることが好ましい。凹部23が薄すぎると、強度の不足による割れなどがおこる虞がある。また、凹部23が厚すぎると、正極加圧プレート、正極絶縁プレート及び正極集電プレートの総厚みが大きくなってしまい、正極への酸素の供給量が低下することがある。
負極絶縁プレートには、上記正極絶縁プレートと同じ構成のものを用いることができる。
図6Aに、図1の燃料電池を構成する燃料タンク部の平面模式図を示し、図6Bに、図6AのII−II線断面図を示し、図6Cに、図6AのIII−III線断面図を示す。図6B、6Cでは、固定部20(ネジ穴)の配置を点線で示しており、この配置の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。
燃料タンク部10は、燃料をMEAの負極へ供給したり、燃料を保持するために設けられている。燃料タンク部10には、燃料の供給、排出を行うため、燃料を供給するための燃料供給口24と、燃料を排出するための燃料排出口25が設けられている。また、燃料の供給が各MEAに均一に行なわれるように、燃料流通ガイド部26が設けられている。27は、燃料を保持するためのタンク内部である。図6A〜Cに示す燃料タンク部10(図1の燃料電池の燃料タンク部10)は独立のものであるが、例えば、燃料タンク部を負極加圧プレートと一体化した構造にしてもよい。
燃料タンク部10の材質は、燃料による腐食や形態変化がなければ特に制限されない。具体的には、例えば、ガラスエポキシ樹脂;ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(PTFEなど)のプラスティック;ステンレス鋼、ニッケル、銅、グラファイト、チタンなどの金属;が好適である。
図7Aに、MEA100の平面模式図を示し、図7Bに、図7Aの断面図を示す。図7Bでは、各構成要素の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。
MEA100は、酸素を還元する正極触媒層14と、燃料を酸化する負極触媒層16とを有しており、更に、正極触媒層14と負極触媒層16との間に固体電解質膜15を備えている。また、正極触媒層14の固体電解質膜15側の面の反対面には、正極拡散層13が積層されており、負極触媒層16の固体電解質膜15側の面の反対面には、負極拡散層17が積層されている。
固体電解質膜15は、主面側からの平面視(図7A)で、電極(正極及び負極)よりも大きい面積を有している。これは、電極からはみ出る部分を利用してシールを行うためである。シールを行わなければ燃料と空気中の酸素とが混合されてしまうため、燃料電池の機能が果たせないことがある。固体電解質膜15における電極よりも大きくなる部分の幅は、シールを行うために十分な幅を確保する観点から、1mm以上であることが好ましい。固体電解質膜15における電極よりも大きくなる部分の幅をあまり大きくすると、固体電解質膜15の限られた面積の中でシールを行う面積の比率が大きくなってしまうため、電極の面積が犠牲になってしまうことから、上記の幅は5mm以下であることが好ましい。
電極の短辺方向の幅は、3〜35mmであることが好ましい。これは、上記固体電解質膜15の大きさと、後述する固定部間の距離との関係に制約されるためである。電極の長辺方向の長さには特に制限はなく、燃料電池に要求される出力に鑑みて設定することが可能である。
MEA100は、図8A、Bに示すように、複数のMEA100で固体電解質膜15を共有する構造としてもよい。図8Aは、MEA100の平面模式図で、図8Bは、図8Aの断面図であるが、図8Bでは、各構成要素の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。図8A、Bでは、図7A、Bと共通する部分には同一符号を付けて、詳細な説明は省略する。
図8Aにおいて、28は直列接続タブ接触エリアであり、この部分で正極集電プレートの正極直列接続タブと負極集電プレートの負極直列接続タブとを電気的に接触させ、各MEA100を直列に接続することができる。また、図8AのMEA100には、固定部20(ネジ穴)も設けられている。
正極拡散層13及び負極拡散層17は、多孔性の電子伝導性材料などから構成され、例えば、撥水処理を施した多孔質炭素シートなどが用いられる。正極拡散層13や負極拡散層17の触媒層側には、更なる撥水性向上及び触媒層との接触向上を目的として、フッ素樹脂粒子(PTFE樹脂粒子など)を含む炭素粉末のペーストが塗布されている場合もある。
正極触媒層14は、正極拡散層13を介して拡散してきた酸素を還元する機能を有している。正極触媒層14は、例えば、触媒を担持した炭素粉末(触媒担持炭素粉末)と、プロトン伝導性材料とを含有している。また、必要に応じて、バインダを更に含有していてもよい。
正極触媒層14が含有する触媒としては、酸素を還元できるものであれば特に制限はないが、例えば、白金微粒子が挙げられる。また、上記触媒は、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウム及び金よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素と白金との合金で構成される微粒子などであってもよい。
触媒の担体である炭素粉末としては、例えば、BET比表面積が10〜2000m2/gであり、平均粒子径が20〜100nmのカーボンブラックなどが用いられる。炭素粉末への上記触媒の担持は、例えば、コロイド法などで行うことができる。
上記炭素粉末と上記触媒との含有比率としては、例えば、炭素粉末100質量部に対して、触媒が5〜400質量部であることが好ましい。このような含有比率であれば、十分な触媒活性を有する正極触媒層が構成できるからである。また、例えば、炭素粉末上に触媒を析出させる方法(例えば、コロイド法)で触媒担持炭素粉末が作製される場合には、炭素粉末と触媒とが上記の含有比率であれば、触媒の径が大きくなりすぎず、十分な触媒活性が得られるからである。
正極触媒層14に含まれるプロトン伝導性材料としては特に制限はないが、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂などのスルホン酸基を有する樹脂を用いることができる。ポリパーフルオロスルホン酸樹脂としては、具体的には、デュポン社製の“ナフィオン”(登録商標)、旭硝子社製の“フレミオン”(登録商標)、旭化成工業社製の“アシプレックス”(商品名)などが挙げられる。
正極触媒層14におけるプロトン伝導性材料の含有量は、触媒担持炭素粉末100質量部に対して、2〜200質量部であることが好ましい。プロトン伝導性材料が上記の量で含有されていれば、正極触媒層において十分なプロトン伝導性が得られ、電気抵抗値が大きくなりすぎず、電池性能の良好な燃料電池を得ることができるからである。
正極触媒層14に用いるバインダとしては特に制限はないが、例えば、PTFE、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などのフッ素樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、アイオノマー、ブチルゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体及びエチレン・アクリル酸共重合体などの非フッ素樹脂などを用いることができる。
正極触媒層14におけるバインダの含有量は、触媒担持炭素粉末100質量部に対して、0.01〜100質量部であることが好ましい。バインダが上記の量で含有されていれば、正極触媒層について十分な結着性が得られ、電気抵抗値が大きくなりすぎず、電池性能の良好な燃料電池を得ることができるからである。
負極触媒層16は、負極拡散層17を介して拡散してきた水素やメタノールなどの燃料を酸化する機能を有している。負極触媒層16は、例えば、触媒を担持した炭素粉末(触媒担持炭素粉末)と、プロトン伝導性材料とを含有している。必要に応じて、樹脂などのバインダを更に含有していてもよい。
負極触媒層16に用いる触媒は、水素やメタノールなどの燃料を酸化できれば特に制限はなく、例えば、正極触媒層14に用いる触媒として例示した上記の各触媒を用いることができる。負極触媒層16に用いる上記炭素粉末、プロトン伝導性材料、及びバインダについても、正極触媒層14に用いる炭素粉末、プロトン伝導性材料、及びバインダとして例示した上記の各材料を用いることができる。
固体電解質膜15は、プロトンを輸送可能であり、かつ電子伝導性を示さない材料で構成された膜であれば特に制限はない。固体電解質膜15を構成し得る材料としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、具体的には、デュポン社製の“ナフィオン”(登録商標)、旭硝子社製の“フレミオン”(登録商標)、旭化成工業社製の“アシプレックス”(商品名)などが挙げられる。その他、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなども、固体電解質膜15の材料として用いることができる。
図9に、シール部9a、9bの平面模式図を示す。このシール部9a、9bは、MEAの上下に配置される。その際、MEAの電極はシール部9a、9bに設けた孔29に収まり、固体電解質膜のうち電極部分からはみ出た部分は、シール部9a、9bに挟まれる。このような構成とすることで、燃料と空気中の酸素とを隔離して、燃料電池を良好に機能させることが可能となる。図9に示すシール部9a、9bには直列接続タブ接触エリア28が設けられており、この部分で正極集電プレートの正極直列接続タブと負極集電プレートの負極直列接続タブとを電気的に接触させ、各MEAを直列に接続することができる。また、図9のシール部9a、9bには、固定部20(ネジ穴)も設けられている。
シール部9a、9bの材質としては、燃料電池分野などにおいてシール材として用いられている各種材料、例えば、シリコンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、PTFEフィルム、ポリイミドフィルムなどを用いることができる。
全てのMEAを一体化するための正極加圧プレートと負極加圧プレートとの固定は、各MEAをある程度の均一性を保持して抑え込むことができれば、その手段については特に制限はない。例えば、正極加圧プレート、正極絶縁プレート、正極集電プレート、シール部、負極集電プレート、負極絶縁プレート及び負極加圧プレートにおけるMEAの電極部分以外に相当する部分、並びにMEAの固体電解質膜のうち電極部分からはみ出した部分の全体を、接着するなどして固定してもよい。
しかし、MEAをより抑え込み易いことから、図1に示すように、間隔を保持して配置された固定部において、機械的挟持手段により正極加圧プレート1と負極加圧プレート2とを固定することが好ましい。この場合、固定部における機械的挟持手段としては、例えば、図1に示すボルト18とナット19とを用いたネジ止めや、リベット止めなどが好ましく採用できる。
また、上記のように、正極加圧プレートと負極加圧プレートとを、間隔を保持して配置された固定部により固定する場合には、MEAを挟んで隣り合う固定部間のうち、より短い固定部間の距離を10mm以上40mm以下とすることが好ましい。上記の固定部間が上記のような距離となるように固定部を配置することで、電池特性をより良好にすることができる。
上記の固定部間の距離を図2を用いて説明すると、固定部20aとMEAを挟んで隣り合う固定部としては、20b、20c、20dがあるが、このうち、固定部20aとの間の距離がより短くなるのは20cである。「MEAを挟んで隣り合う固定部間のうち、より短い固定部間の距離が10mm以上40mm以下」とは、固定部20aと固定部20cとの間の距離が10mm以上40mm以下であることを意味している。
上記の固定部間の距離が短すぎると、MEAの電極部分の面積が小さくなってしまい、長すぎると、機械的挟持手段により締め付けたときの加圧プレートのたわみが大きくなってMEAを均一に抑え込むことが困難となり、電池の内部抵抗が高くなったり、相対的に抑えの効いた部分で電流集中が生じて、電極の劣化を引き起こすことがある。上記の固定部間の距離は、15mm以上であることがより好ましく、また、30mm以下であることがより好ましい。
また、MEAを挟まずに隣り合う固定部間の距離(例えば、図2では、固定部20aと固定部20eとの間の距離)も、上記の「MEAを挟んで隣り合う固定部間のうち、より短い固定部間の距離」と同じ理由から、10mm以上、より好ましくは15mm以上であることが望ましく、また、40mm以下、より好ましくは30mm以下であることが望ましい。
これまで本発明の燃料電池を図1〜図9を用いて説明したが、これらの図面に示したものは本発明の一例に過ぎず、本発明の燃料電池はこれらの図面に示された構造のものに限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
図1に示す構造の燃料電池を作製した。MEA100には、図7に示す構成のものを用いたが、平面形状は図7に示すものとは異なる。MEA100の正極及び負極には、カーボンクロス上にPt担持カーボンを塗布した電極(E−TEK社製の“LT140E−W”、Pt量:0.5mg/cm2)を用いた。また、固体電解質膜15には、デュポン社製の“ナフィオン112”を用いた。各電極の大きさは25mm×92mm、固体電解質膜の大きさは29mm×96mmとした。
正極加圧プレート1には、図2A、Bに示す構造で、ステンレス鋼(SUS304)で構成された厚みが2mmのプレートを用いた。正極開口部を形成するための酸素導入孔11aは、1mm×25mmの大きさの長方形の孔として形成し、図2Aに示すように各MEAの正極拡散層上部に当たる部分全域にわたり、各々上下に42個配置した。また、加圧格子1aの幅Waは1mm、加圧格子1bの幅Wbは2mmとした。これにより、MEAの短辺方向に加圧格子1a、1bが形成され、加圧格子の間隔Lは、1mmとなる。固定部20には、直径3mmの穴を、図2Aに示すように、MEAの外周部に相当する位置に設けた。MEAを挟んで隣り合う固定部間のうち、より短い固定部間の距離は31mmとし、MEAを挟まずに隣り合う固定部間の距離は15mmとした。
また、負極加圧プレート2には、正極加圧プレート1と同じ材質・形状のものを用意した。
正極集電プレート5、6には、図3(正極端部集電プレート)及び図4に示す構造で、2種の金属の積層体の表面全体にAuの蒸着膜を有する構成とし、積層体の電極側の層(厚み0.23mm)はステンレス鋼(SUS304)で構成し、電極と反対側の層(厚み0.07mm)はCuで構成し、Auの被覆層の厚みは0.2μmとした。正極開口部を形成するための酸素導入孔11bは、1mm×13mmの大きさの長方形の孔として形成し、各々上下に6個、左右に12個、合計72個配置した。また、集電格子5aの幅は1mmとした。これにより、MEAの長辺方向に平行な集電格子5aが形成され、集電格子の間隔は1mmとなる。また、MEAの短辺方向に平行な幅2mmの集電格子5bが設けられている。正極端部集電プレート5には、正極集電端子部21を設けた。更に、正極集電プレート6には、燃料電池の外周部に相当する位置に、正極直列接続タブ22を1つ設けた。
また、負極端部集電プレート7及び負極集電プレート8には、正極端部集電プレート5及び正極集電プレート6と同じ材質・形状のものを用意した。
正極絶縁プレート3には、図5A、Bに示す構造で、ガラスエポキシ樹脂で構成された厚みが0.5mmのプレートを用いた。正極絶縁プレート3の酸素導入孔11c及び固定部20の形状・配置は、正極集電プレート5、6と同様とした。また、負極絶縁プレート4には、正極絶縁プレート3と同じ材質・形状のものを用意した。
燃料タンク部10には、図6A、B、Cに示す構造で、ガラスエポキシ樹脂で構成された厚み3mmのタンクを用いた。中央のタンク内部27の深さは2mmとした。
シール部9a、9bには、図9に示す構造で、シリコンゴムで構成された厚み0.2mmのシール材を用いた。電極を収めるための孔29の大きさは26m×93mmとした。
以上の各部材を図1に示す順序で積層し、ボルト18とナット19を用いて締め込んで、燃料電池を作製した。
本実施例では、正極加圧プレート1からの平面視において、正極開口部の総面積Mと正極の面積Nとから求められる開口率〔(M/N)×100%〕は、22%である。
(比較例1)
以下の点を変更した以外は、実施例1と同様にして燃料電池を作製した。先ず、正極加圧プレート1を図10に示す構造とし、正極開口部を形成するための酸素導入孔11aは、1mm×13mmの大きさの長方形の孔として形成し、図10に示すように各MEAの正極拡散層上部に当たる部分全域にわたり、各々上下に6個、左右に12個、合計72個配置した。また、MEAの短辺方向に平行な格子1cの幅は2mmとし、MEAの長辺方向に平行な格子1dの幅は1mmとした。これにより、格子1cの間隔は13mmとなる。負極加圧プレート2も、正極加圧プレート1と同じ構成とした。
実施例1及び比較例1の燃料電池に、燃料として水素を燃料供給口24より供給し、2Vの定電圧で発電試験を行い、燃料電池の出力を求めた。試験は室温25℃で行った。その結果を表1に示す。
Figure 2010015779
表1から明らかなように、実施例1の燃料電池では、比較例1に対して出力が優れていることが分かる。これは、比較例1の電池では、正極加圧プレート及び負極加圧プレートに形成されたMEAの短辺方向に平行な各格子間の間隔が13mmと長く、MEAと、正極集電プレート及び負極集電プレートとの接触が充分でなく、これらによって電池の出力が低下したものと考えられる。
以上の通り、本発明の燃料電池は、複数のMEAが平面状に配置されてなる平面型の燃料電池であり、上記構成の採用によって、ブロアなどによる強制的な酸素の供給手段を用いることなく、優れた電池特性を確保することができる。よって、本発明の燃料電池は、容易に小型化が可能であり、小型ポータブル電源に好適である他、従来の燃料電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
本発明の燃料電池の一例を示す断面模式図である。 図2Aは正極加圧プレートの平面模式図であり、図2Bは図2Aの部分拡大図である。 正極端部集電プレートの平面模式図である。 正極集電プレートの平面模式図である。 図5Aは正極絶縁プレートの平面模式図であり、図5Bは図5AのI−I線断面図である。 図6Aは燃料タンク部の平面模式図であり、図6Bは図6AのII−II線断面図であり、図6Cは図6AのIII−III線断面図である。 図7AはMEAの平面模式図であり、図7Bは図7Aの断面図である。 図8AはMEAの平面模式図であり、図8Bは図8Aの断面図である。 シール部の平面模式図である。 比較例1の正極加圧プレートの平面模式図である。
符号の説明
1 正極加圧プレート
1a、1b 加圧格子
2 負極加圧プレート
3 正極絶縁プレート
4 負極絶縁プレート
5 正極端部集電プレート
5a、5b 集電格子
6 正極集電プレート
7 負極端部集電プレート
8 負極集電プレート
9a、9b シール部
10 燃料タンク部
11 正極開口部
11a、11b、11c 酸素導入孔
12 負極開口部
100 膜・電極接合体(MEA)
13 正極拡散層
14 正極触媒層
15 固体電解質膜
16 負極触媒層
17 負極拡散層
18 ボルト
19 ナット
20 ネジ穴
21 正極集電端子部
22 正極直列接続タブ
23 凹部
24 燃料供給口
25 燃料排出口
26 燃料流通ガイド部
27 タンク内部
28 直列接続タブ接触エリア
29 孔

Claims (9)

  1. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電解質膜とを含む膜・電極接合体を、平面状に複数配置した燃料電池であって、
    前記膜・電極接合体は、長方形状に形成され、
    前記複数の膜・電極接合体は、前記膜・電極接合体の短辺方向に配列され、
    前記膜・電極接合体の正極側には、正極集電プレート、正極絶縁プレート及び正極加圧プレートがこの順に配置され、
    前記膜・電極接合体の負極側には、負極集電プレート、負極絶縁プレート及び負極加圧プレートがこの順に配置され、
    前記膜・電極接合体は、前記正極加圧プレートと前記負極加圧プレートとによって挟持されて一体化しており、
    前記正極加圧プレート及び前記負極加圧プレートは、前記膜・電極接合体の短辺方向に平行な加圧格子を備え、
    前記加圧格子の幅は、0.5mm以上2mm以下であり、
    前記加圧格子の間隔は、0.7mm以上5mm以下であり、
    前記正極集電プレート及び前記負極集電プレートは、前記膜・電極接合体の長辺方向に平行な集電格子を備え、
    前記集電格子の幅は、0.5mm以上2mm以下であり、
    前記集電格子の間隔は、0.7mm以上5mm以下であることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記複数の膜・電極接合体は、電気的に直列に接続されている請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記正極集電プレート、前記正極絶縁プレート及び前記正極加圧プレートは、酸素を正極に導入するための酸素導入孔を有し、かつ前記正極集電プレートの酸素導入孔、前記正極絶縁プレートの酸素導入孔及び前記正極加圧プレートの酸素導入孔により、前記正極加圧プレートの外表面から前記膜・電極接合体まで到達する正極開口部が形成され、
    前記負極集電プレート、前記負極絶縁プレート及び前記負極加圧プレートは、燃料を負極に導入するための燃料導入孔を有し、かつ前記負極集電プレートの燃料導入孔、前記負極絶縁プレートの燃料導入孔及び前記負極加圧プレートの燃料導入孔により、前記負極加圧プレートの外表面から前記膜・電極接合体まで到達する負極開口部が形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記正極加圧プレートからの平面視において、前記正極開口部の総面積Mと前記正極の面積Nとから求められる開口率〔(M/N)×100%〕が、10〜60%である請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記正極加圧プレートと前記正極絶縁プレートと前記正極集電プレートとの総厚みが、1〜4mmである請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記正極加圧プレート及び前記負極加圧プレートは、金属製である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池。
  7. 前記正極加圧プレート及び前記負極加圧プレートを構成する金属は、曲げ試験により求められるヤング率が50000MPa以上である請求項6に記載の燃料電池。
  8. 前記正極加圧プレートと前記負極加圧プレートとは、間隔を保持して配置された固定部において機械的挟持手段により固定されており、前記膜・電極接合体を挟んで隣り合う固定部間のうち、より短い固定部間の距離が10〜40mmである請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
  9. 前記正極集電プレート及び前記負極集電プレートは、前記膜・電極接合体同士を電気的に接続するためのタブを、燃料電池の外周部に相当する位置に2つ備えている請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池。
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