JP2010014838A - 対物レンズおよび顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】より正確に磁力を用いてレンズの位置を調整する。
【解決手段】光軸方向に移動可能なレンズ53を収納する鏡筒51の側面には、光軸A1と平行な方向に延びるガイド穴51Eが設けられている。段付きネジ60の頭の先端部60Aに磁石61が接着されて構成される接触子71は、ガイド穴51Eに挿入され、鏡筒51の周方向における位置が固定され、ガイド穴51Eに沿って光軸A1と平行な方向に移動することにより、レンズ53を光軸A1方向に移動させる。強い磁性体により構成されるカム62は、鏡筒51に嵌合され、鏡筒51の周りを回転することにより光軸A1と平行な方向の運動を接触子71に与える案内面62Aを有する。案内面62Aは、ガイド穴51Eから鏡筒51の外周に突出している接触子71の磁石61の側面の一部と接触している。本発明は、例えば、対物レンズに適用できる。
【選択図】図2
【解決手段】光軸方向に移動可能なレンズ53を収納する鏡筒51の側面には、光軸A1と平行な方向に延びるガイド穴51Eが設けられている。段付きネジ60の頭の先端部60Aに磁石61が接着されて構成される接触子71は、ガイド穴51Eに挿入され、鏡筒51の周方向における位置が固定され、ガイド穴51Eに沿って光軸A1と平行な方向に移動することにより、レンズ53を光軸A1方向に移動させる。強い磁性体により構成されるカム62は、鏡筒51に嵌合され、鏡筒51の周りを回転することにより光軸A1と平行な方向の運動を接触子71に与える案内面62Aを有する。案内面62Aは、ガイド穴51Eから鏡筒51の外周に突出している接触子71の磁石61の側面の一部と接触している。本発明は、例えば、対物レンズに適用できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、対物レンズおよび顕微鏡に関し、特に、磁力を用いてレンズの位置決めを行う対物レンズおよび顕微鏡に関する。
従来、レンズの外周部に隣接する回転駆動筒を回転駆動し、回転駆動筒の外周面にほぼ螺旋状に形設した溝に磁性材帯片を装着した駆動部に、レンズの外周部に突設された磁石からなる従動部を追従させることにより、レンズを光軸方向に動かすことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、回転駆動筒の溝の寸法とレンズの外周部に突設された従動部の寸法のズレがある場合、回転駆動筒の同じ溝の位置に対してレンズの従属部が引き付けられる位置が、光軸方向の溝の幅だけ変動する可能性があり、レンズの光軸方向に対する位置決め精度が低下してしまう恐れがある。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、より正確に磁力を用いてレンズの位置を調整することができるようにするものである。
本発明の第1の側面の対物レンズは、光軸方向に移動可能な可動レンズを備える対物レンズであって、前記可動レンズを収納し、前記光軸と平行な方向に延びる開口部が側面に設けられている筒状の筐体と、前記開口部に挿入され、前記筐体の周方向における位置が固定されるとともに、前記開口部に沿って前記光軸と平行な方向に移動可能な部材であって、前記光軸と平行な方向に移動することにより前記可動レンズを前記光軸方向に移動させる部材である接触子と、前記筐体に嵌合され、前記筐体の周りを回転することにより前記光軸と平行な方向の運動を前記接触子に与える第1の案内面を有するカムとを備え、前記第1の案内面は、前記接触子の前記開口部から突出している部分に接触し、前記第1の案内面および前記接触子の前記第1の案内面と接触する部分のうち少なくとも一方が磁石により構成され、他方が磁石または磁性体により構成される。
本発明の第1の側面においては、カムの第1の案内面と接触子が磁力により接触し、可動レンズの光軸を中心にして対物レンズの筐体の周りを前記カムが回転することにより、第1の案内面により光軸と平行な方向の運動が前記接触子に与えられ、前記可動レンズが前記光軸方向に移動する。
本発明の第2の側面の顕微鏡は、光軸方向に移動可能な可動レンズを備える対物レンズであって、前記可動レンズを収納し、前記光軸と平行な方向に延びる開口部が側面に設けられている筒状の筐体と、前記開口部に挿入され、前記筐体の周方向における位置が固定されるとともに、前記開口部に沿って前記光軸と平行な方向に移動可能な部材であって、前記光軸と平行な方向に移動することにより前記可動レンズを前記光軸方向に移動させる部材である接触子と、前記筐体に嵌合され、前記筐体の周りを回転することにより前記光軸と平行な方向の運動を前記接触子に与える案内面を有するカムとを備え、前記案内面は、前記接触子の前記開口部から突出している部分に接触し、前記案内面および前記接触子の前記案内面と接触する部分のうち少なくとも一方が磁石により構成され、他方が磁石または磁性体により構成される対物レンズを備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面においては、カムの案内面と接触子が磁力により接触し、可動レンズの光軸を中心にして対物レンズの筐体の周りを前記カムが回転することにより、案内面により光軸と平行な方向の運動が前記接触子に与えられ、前記可動レンズが前記光軸方向に移動する。
本発明によれば、より正確に磁力を用いてレンズの位置を調整することができる。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した顕微鏡の一実施の形態を示す外観図である。ここで、図1の倒立型の顕微鏡1について簡単に説明する。
レボルバ14には、複数の対物レンズが取り付けられており、ユーザは、レボルバ14を回転させて、ステージ13上に設置された標本の観察に用いる対物レンズを選択する。なお、図1においては、図を分かりやすくするために、1つの対物レンズ15のみを図示している。また、ユーザは、操作部20を操作することにより、ステージ13の水平方向(X軸およびY軸方向)の位置を調整し、ステージ13上に設置された標本(図示せず)の観察位置を調整する。さらに、ユーザは、本体11の側面に設けられている焦準ノブ21によりピント合わせを行う。
また、顕微鏡1においては、透過照明と落射照明による標本の観察が可能である。具体的には、照明支柱12の上端に設けられている透過照明用装置16から発せられた透過照明光は、コンデンサレンズ17を介して、上方からステージ13上に設置された標本に照射される。そして、ユーザは、標本を透過した透過照明光による像を、接眼鏡筒19を介して観察したり、本体11のカメラポート22に装着した図示せぬカメラにより撮影する。
また、本体11に取り付けられている不図示の落射照明装置から発せられた落射照明光は、図示せぬミラーなどによりその進行方向が変えられ、最終的に対物レンズ15を介して、下方からステージ13上に設置された標本に照射される。そして、ユーザは、落射照明光を照射することにより標本により発せられたり、標本により反射された光の像を、接眼鏡筒19を介して観察したり、本体11のカメラポート22に装着したカメラにより撮影する。また、本体11には、各種装置が取り付けられるハブポート18が設けられている。
次に、図2および図3を参照して、本発明を適用した対物レンズ15の詳細について説明する。図2は、対物レンズ15の断面図であり、図3は、対物レンズ15の端面カム62の付近を図2の矢印A3の方向から見た図である。ただし、図3において、ローレット環65の図示は省略している。なお、以下、対物レンズ15の物体と対向する側(物体側)を対物レンズ15の先端とし、レボルバ14に取り付けられる側(像側)を対物レンズ15の後端とする。
対物レンズ15は、スライドガラスの厚みの誤差による収差を補正するために、レンズ群の一部のレンズの光軸方向の位置を補正環により調整可能な対物レンズである。
対物レンズ15の筐体を構成する鏡筒51の内部には、レンズ52乃至55の4群のレンズが収納されている。レンズ52乃至55は、光軸が一致するようにレンズ室56乃至58により保持されている。
鏡筒51の内側には、物体側から順に、レンズ室56、レンズ室57、レンズ室58が嵌合されている。
レンズ52を保持するレンズ室56は、鏡筒51の先端部の内周に設けられているネジ部51Aにネジ嵌合され、鏡筒51の先端部に固定されている。
レンズ53を保持するレンズ室57は、矢印A2により示される対物レンズ15の光軸A1の方向に移動可能となるように鏡筒51の内側に嵌合されている。
レンズ54およびレンズ55を保持するレンズ室58は、鏡筒51の内周に設けられている突起部51Bと、鏡筒51の後端部の内周に設けられているネジ部51Cにネジ嵌合されている押え環59により、その位置が固定されている。
鏡筒51の後端部の外周には、対物レンズ15をレボルバ14に取り付けるためのネジ部51Dが設けられている。
レンズ室57の外周には、段付きネジ60が締結され、さらに、段付きネジ60の頭の先端部60Aには、リング状の磁石61が接着されている。なお、以下、段付きネジ60と磁石61を組み合わせたものを接触子71と称する。接触子71は、鏡筒51の側面に設けられている開口部であるガイド穴51Eに挿入されている。
鏡筒51の外周には、物体側から順に、端面カム62、指標環63が嵌合されている。
端面カム62の外周には、外周がローレット加工されている補正環としてのローレット環65が嵌合され、小ネジ66により固定されている。端面カム62は、ローレット環65とともに光軸A1を中心に鏡筒51の外周に沿って回転できるように鏡筒51に嵌合されている。また、端面カム62およびローレット環65は、鏡筒51の面51Fと、小ネジ64により鏡筒51の外周に固定されている指標環63とに挟まれ、矢印A2の方向の位置が固定されている。
図3に示されるように、鏡筒51のガイド穴51Eは、長手方向が光軸A1と平行な矢印A11の方向に延びる小判形の穴である。ガイド穴51Eの横方向(長手方向と垂直な方向)の幅と磁石61の直径とはほぼ一致しており、これにより、接触子71の鏡筒51の周方向における位置が固定される。また、接触子71は、ガイド穴51Eに沿って矢印A11の方向に移動可能とされている。
端面カム62の第1の案内面である案内面62Aは、開口部であるガイド穴51Eに対して垂直な面で、ガイド穴51Eの上を斜め方向に横切っている。また、案内面62Aは、ガイド穴51Eから鏡筒51の外周に突出している接触子71(磁石61)の側面の一部と接触している。
ローレット環65を光軸A1回りに鏡筒51の周りを回転させると、小ネジ66によりローレット環65と接続されている端面カム62も、光軸A1回りに鏡筒51の周りを回転する。このとき、案内面62Aのガイド穴51Eの上を横切る位置が、矢印A11の方向に移動する。
端面カム62は強い磁性体(例えば、酸化鉄やフェライト等)でできており、磁石61と案内面62Aとの間に働く磁力により、接触子71と案内面62Aが接触した状態が保持される。そして、端面カム62が鏡筒51の周りを回転すると、案内面62Aにより光軸A1と平行な矢印A11の方向の運動が接触子71に与えられ、接触子71は案内面62Aに沿って矢印A11の方向に移動する。
これにより、レンズ室57を介して接触子71に接続されているレンズ53が矢印A2の方向に移動し、レンズ53の光軸A1の方向の位置を調整することができる。また、端面カム62の回転位置に対して接触子71の位置が一意に定まるので、レンズ53の光軸A1方向の位置を正確に調整することができる。さらに、磁力を用いて案内面62Aと接触子71の接触を保持することにより、従来のように、鏡筒51の後端に設けたバネなどを用いて案内面62Aに接触子71を押しつける場合と比較して、対物レンズ15を小型化かつ軽量化することが可能になる。
なお、磁石61の形状はリング状(円筒状)でなく、他の形状にするようにしてもよい。ただし、リング状にしてガイド穴51Eや案内面62Aと接触する面積を少なくした方が、磁石61が滑りやすくなり、操作性が向上する。
また、磁石61は、回転可能としてもよい。これによれば、磁石61と案内面62Aとの接触部の摩擦力を低減できる。
また、以上の説明では、案内面62Aが磁性体により構成され、接触子71の案内面62Aと接する部分が磁石により構成される例を示したが、本発明の実施の形態では、案内面62Aおよび接触子71の案内面62Aと接触する部分のうち少なくとも一方が磁石により構成され、他方が磁石または磁性体により構成されるようにすればよい。例えば、端面カム62の案内面62Aを磁石により構成し、かつ、接触子71の磁石61の代わりに強磁性体の部材を用いるようにしてもよい。
次に、図4乃至図6を参照して、本発明を適用した対物レンズの第2の実施の形態について説明する。図4は、対物レンズ101の断面図であり、図5および図6は、対物レンズ101の円筒カム117の付近を図4の矢印A23の方向から見た図である。ただし、図5および図6において、ローレット環120およびノブ116の図示は省略している。なお、図4において、図2と対応する部分には、同じ符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
対物レンズ101は、図2の対物レンズ15と同様に、スライドガラスの厚みの誤差による収差を補正するために、レンズ群の一部のレンズの光軸方向の位置を補正環により調整可能な対物レンズであり、顕微鏡1のレボルバ14に取り付けて使用することが可能である。
対物レンズ101は、図2および図3の対物レンズ15と比較して、鏡筒51、レンズ室57、段付きネジ60、磁石61、端面カム62、指標環63、小ネジ64、ローレット環65、および、小ネジ66の代わりに、鏡筒111、レンズ室112、段付きネジ113、磁石114、部材115、ノブ116、円筒カム117、指標環118、小ネジ119、ローレット環120、および、小ネジ121が設けられている。
対物レンズ101の筐体を構成する鏡筒111の内部には、レンズ52乃至55の4群のレンズが収納されている。レンズ52乃至55は、光軸が一致するようにレンズ室56、レンズ室112、および、レンズ室58により保持されている。
鏡筒111の内側には、物体側から順に、レンズ室56、レンズ室112、レンズ室58が嵌合されている。
レンズ52を保持するレンズ室56は、鏡筒111の先端部の内周に設けられているネジ部111Aにネジ嵌合され、鏡筒111の先端部に固定されている。
レンズ53を保持するレンズ室112は、矢印A22により示される対物レンズ101の光軸A21の方向に移動可能となるように鏡筒111の内側に嵌合されている。
レンズ54およびレンズ55を保持するレンズ室58は、鏡筒111の内周に設けられている突起部111Bと、鏡筒111の後端部の内周に設けられているネジ部111Cにネジ嵌合されている押え環59により、その位置が固定されている。
鏡筒111の後端部の外周には、対物レンズ101をレボルバ14に取り付けるためのネジ部111Dが設けられている。
レンズ室112の外周には、段付きネジ113が締結され、さらに、段付きネジ113の頭の先端部113Aには、半リング状の磁石114および半リング状の部材115が接着されている。部材115は、磁石とは異なる磁性体または非磁性体により構成される。また、磁石114と部材115を合わせることにより、図2の磁石61と同じ形状になる。
段付きネジ113の先端部113A、磁石114および部材115の上部には、ノブ116が接着されている。段付きネジ113の先端部113Aは180度回転することができ、ユーザは、ノブ116を回転させることにより、段付きネジ113の先端部113A、磁石114および部材115を180度回転させることができる。なお、以下、段付きネジ113、磁石114、部材115およびノブ116を組み合わせたものを接触子131と称する。接触子131は、鏡筒111の側面に設けられている開口部であるガイド穴111Eに挿入されている。
磁石114,115を180度回転させる機構としては、例えば、磁石114,115からなるリング状の部材の中心を回転軸として、回転させ、更に回転軸に、例えば、クリック機構を備え、磁石114,115の位置決めを適確に行えるようにしてもよい。
鏡筒111の外周には、物体側から順に、円筒カム117、指標環118が嵌合されている。
円筒カム117の外周には、外周がローレット加工されている補正環としてのローレット環120が嵌合され、小ネジ121により固定されている。円筒カム117は、ローレット環120とともに光軸A21を中心に鏡筒111の外周に沿って回転できるように鏡筒111に嵌合されている。また、円筒カム117およびローレット環120は、鏡筒111の面111Fと、小ネジ119により鏡筒111の外周に固定されている指標環118とに挟まれ、矢印A22の方向の位置が固定されている。
ローレット環120は、ガイド穴111Eと同じ形状の開口部120Aを有し、円筒カム117に取り付けられた状態で、鏡筒111のガイド穴111Eとローレット環120の開口部120Aの位置が一致する。
図5に示されるように、鏡筒111の側面に設けられているガイド穴111Eは、長手方向が光軸A21と平行な矢印A31の方向に延びる小判形の穴である。上述したように、図5において図示が省略されているローレット環120の開口部120Aも同じ形状である。ガイド穴111Eおよび開口部120Aの横方向(長手方向と垂直な方向)の幅と、磁石114と部材115により形成されるリングの直径、および、ノブ116の下部116Aの直径とはほぼ一致しており、これにより、接触子131の鏡筒111の周方向の位置が固定される。また、接触子131は、ガイド穴111Eおよび開口部120Aに沿って矢印A31の方向に移動可能とされる。
円筒カム117の案内面117A、および、案内面117Aに対向する案内面117Bは、ガイド穴111Eに対して垂直な面で、互いに平行で、ガイド穴111Eの上を斜め方向に横切っている。また、案内面117Aと案内面117Bの間の距離は、磁石114と部材115により形成されるリングの直径より長く、かつ、ガイド穴111Eの長手方向の長さより短い。
ローレット環120を光軸A21回りに鏡筒111の周りを回転させると、小ネジ121によりローレット環120と接続されている円筒カム117も、光軸A21回りに鏡筒111の周りを回転する。このとき、案内面117Aおよび案内面117Bのガイド穴111Eの上を横切る位置が、矢印A31の方向に移動する。
接触子131は、案内面117Aと案内面117Bとの間に挿入されており、ノブ116を回転し、段付きネジ113の先端部113A、磁石114および部材115を180度回転させることにより、案内面117Aおよび案内面117Bに対する向きを変えることができる。
円筒カム117は強い磁性体でできている。従って、図5に示されるように、磁石114が案内面117Aの方向を向いている場合、換言すれば、接触子131の案内面117Aと対向する部分が磁石により構成され、接触子131の案内面117Bと対向する部分が磁性体または非磁性体により構成される場合、磁石114と案内面117Aとの間に働く磁力により、接触子131と案内面117Aが接触した状態が保持される。そして、円筒カム117が鏡筒111の周りを回転すると、光軸A21と平行な矢印A31の方向の運動が接触子131に与えられ、接触子131は、案内面117Aに沿って矢印A31の方向に移動する。これにより、レンズ室112を介して接触子131に接続されているレンズ53が矢印A22の方向に移動し、レンズ53の光軸A21の方向の位置を調整することができる。
一方、図6に示されるように、磁石114が案内面117Bの方向を向いている場合、換言すれば、接触子131の案内面117Aと対向する部分が磁性体または非磁性体により構成され、接触子131の案内面117Bと対向する部分が磁石により構成される場合、磁石114と案内面117Bとの間に働く磁力により、接触子131と案内面117Bが接触した状態が保持される。そして、円筒カム117が鏡筒111の周りを回転すると、光軸A21と平行な矢印A31の方向の運動が接触子131に与えられ、接触子131は、案内面117Bに沿って矢印A31の方向に移動する。これにより、レンズ室112を介して接触子131に接続されているレンズ53が矢印A22の方向に移動し、レンズ53の光軸A21の方向の位置を調整することができる。
このように、案内面117Aおよび案内面117Bの2つの案内面を設けることにより、対物レンズのサイズを大きくすることなく、レンズ53の光軸A21方向の位置を調整できる範囲を2段階に分け、広げることができる。
なお、以上の説明では、案内面117Aおよび117Bが磁性体により構成され、接触子131の案内面117Aおよび案内面117Bと接する部分が、磁石114、および、磁性体または非磁性体からなる部材115により構成される例を示したが、本発明の実施の形態においては、他の構成とすることも可能である。
例えば、円筒カム117を磁石により構成し、部材115を非磁性体により構成したり、または、円筒カム117を磁石により構成し、磁石114の代わりに磁性体の部材を用い、部材115を非磁性体により構成するようにしてもよい。この場合、接触子131が第1の方向を向いている状態において、接触子131の案内面117Aと対向する部分が磁石または磁性体により構成され、接触子131の案内面117Bと対向する部分が非磁性体により構成され、接触子131が第1の方向から180度回転した第2の方向を向いている状態において、接触子131の案内面117Aと対向する部分が非磁性体により構成され、接触子131の案内面117Bと対向する部分が磁石または磁性体により構成されるようになる。
本発明によれば、対物レンズの光軸方向に対し、磁力による接触を実現しているので、対物レンズの光軸方向の位置決めを、より簡単な構成で実現することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 顕微鏡, 15 対物レンズ, 51 鏡筒, 51E ガイド穴, 52乃至55 レンズ, 56乃至58 レンズ室, 60 段付きネジ, 61 磁石, 62 端面カム, 62A 案内面, 63 指標環, 64 小ネジ, 65 ローレット環, 66 小ネジ, 71 接触子, 101 対物レンズ, 111 鏡筒, 111E ガイド穴, 112 レンズ室, 113 段付きネジ, 114 磁石, 115 部材, 116 ノブ, 117 円筒カム, 117A,117B 案内面, 118 指標環, 119 小ネジ, 120 ローレット環, 121 小ネジ, 131 接触子
Claims (3)
- 光軸方向に移動可能な可動レンズを備える対物レンズにおいて、
前記可動レンズを収納し、前記光軸と平行な方向に延びる開口部が側面に設けられている筒状の筐体と、
前記開口部に挿入され、前記筐体の周方向における位置が固定されるとともに、前記開口部に沿って前記光軸と平行な方向に移動可能な部材であって、前記光軸と平行な方向に移動することにより前記可動レンズを前記光軸方向に移動させる部材である接触子と、
前記筐体に嵌合され、前記筐体の周りを回転することにより前記光軸と平行な方向の運動を前記接触子に与える第1の案内面を有するカムと
を備え、
前記第1の案内面は、前記接触子の前記開口部から突出している部分に接触し、
前記第1の案内面および前記接触子の前記第1の案内面と接触する部分のうち少なくとも一方が磁石により構成され、他方が磁石または磁性体により構成される
ことを特徴とする対物レンズ。 - 前記カムは、前記第1の案内面と対向し、前記筐体の周りを回転することにより前記光軸と平行な方向の運動を前記接触子に与える第2の案内面を有し、
前記接触子は、前記第1の案内面と前記第2の案内面の間に挿入され、前記第1の案内面および前記第2の案内面に対する向きを変えることができ、
前記第1の案内面および前記第2の案内面が磁石により構成されている場合、前記接触子が第1の方向を向いている状態において、前記接触子の前記第1の案内面と対向する部分が磁石または磁性体により構成され、前記接触子の前記第2の案内面と対向する部分が非磁性体により構成され、前記接触子が前記第1の方向とは異なる第2の方向を向いている状態において、前記接触子の前記第1の案内面と対向する部分が非磁性体により構成され、前記接触子の前記第2の案内面と対向する部分が磁石または磁性体により構成され、前記第1の案内面および前記第2の案内面が磁性体により構成されている場合、前記接触子が前記第1の方向を向いている状態において、前記接触子の前記第1の案内面と対向する部分が磁石により構成され、前記接触子の前記第2の案内面と対向する部分が磁性体または非磁性体により構成され、前記接触子が前記第2の方向を向いている状態において、前記接触子の前記第1の案内面と対向する部分が磁性体または非磁性体により構成され、前記接触子の前記第2の案内面と対向する部分が磁石により構成され、
前記接触子は、前記第1の方向を向いている場合、前記第1の案内面に接触し、前記第1の案内面に沿って移動し、前記第2の方向を向いている場合、前記第2の案内面に接触し、前記第2の案内面に沿って移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。 - 光軸方向に移動可能な可動レンズを備える対物レンズであって、
前記可動レンズを収納し、前記光軸と平行な方向に延びる開口部が側面に設けられている筒状の筐体と、
前記開口部に挿入され、前記筐体の周方向における位置が固定されるとともに、前記開口部に沿って前記光軸と平行な方向に移動可能な部材であって、前記光軸と平行な方向に移動することにより前記可動レンズを前記光軸方向に移動させる部材である接触子と、
前記筐体に嵌合され、前記筐体の周りを回転することにより前記光軸と平行な方向の運動を前記接触子に与える案内面を有するカムと
を備え、
前記案内面は、前記接触子の前記開口部から突出している部分に接触し、
前記案内面および前記接触子の前記案内面と接触する部分のうち少なくとも一方が磁石により構成され、他方が磁石または磁性体により構成される
対物レンズを備えることを特徴とする顕微鏡
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008173037A JP2010014838A (ja) | 2008-07-02 | 2008-07-02 | 対物レンズおよび顕微鏡 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008173037A JP2010014838A (ja) | 2008-07-02 | 2008-07-02 | 対物レンズおよび顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=41701025
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010014838A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012124994A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Canon Inc | 駆動装置、レンズ鏡筒及びレンズ鏡筒を有する光学機器 |
-
2008
- 2008-07-02 JP JP2008173037A patent/JP2010014838A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012124994A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Canon Inc | 駆動装置、レンズ鏡筒及びレンズ鏡筒を有する光学機器 |
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