JP2010014796A - マスクレス露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を用いず構成が複雑にならずに大面積露光が高速でかつ高精度に実施可能なマスクレス露光装置を提供する。
【解決手段】このマスクレス露光装置10は、被露光物Sに露光する光を出力するために半導体発光素子からなる光源11と光源からの光を被露光物へ導く光学系12とにより被露光物上に多数の集光スポットを投影可能な露光ヘッド20と、露光ヘッドと被露光物とを相対移動させる移動手段13と、を備え、光源のオンオフにより各集光スポットのオンオフを制御するとともに移動手段による相対移動を制御することで被露光物上に任意のパターンを露光する。
【選択図】図1
【解決手段】このマスクレス露光装置10は、被露光物Sに露光する光を出力するために半導体発光素子からなる光源11と光源からの光を被露光物へ導く光学系12とにより被露光物上に多数の集光スポットを投影可能な露光ヘッド20と、露光ヘッドと被露光物とを相対移動させる移動手段13と、を備え、光源のオンオフにより各集光スポットのオンオフを制御するとともに移動手段による相対移動を制御することで被露光物上に任意のパターンを露光する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マスクを用いないで露光が可能なマスクレス露光装置に関する。
特許文献1は、光導波路アレイの各導波路の出射口から出射した複数の光を被露光部に縮小投影するマスクレス露光装置を開示する。特許文献2は、形成した調光分布を一方向に沿って高速に移動させることが可能な二次元調光デバイスを可変成形マスクとして備えた走査型のマスクレス露光装置を開示する。特許文献3は、多数の微小ミラーが直交する2方向に整列されて配置された空間的光変調器と露光対象物とを相対的に移動させながら光源からの光を露光対象物の表面に入射させて露光対象物の表面に所望のパターンを露光するマスクレス露光装置を開示する。特許文献4は、光源アレイで所望の露光パターンを形成するようにしたマスクレスの露光パターン形成装置を開示する。特許文献5は、露光光源として偏光光源を用いたマスクレス露光装置を開示する。
特許文献6は、複数の二次元配列状の微小ミラーの配列としてスキャン方向に2段以上で、かつ複数の二次元配列状の微小ミラーの全体の配置としてスキャン移動の方向と直交する方向に長い形状の長方形領域内に並べたパターン露光装置を開示する。すなわち、特許文献6のパターン露光装置は、図5に示すように(特許文献6の図1参照)、光源(図示省略)からの紫外光を、多数のミラーデバイスが並べられたミラーデバイスアレイ100の表面に入射させ、ミラーデバイスアレイ100で反射した紫外光は、レンズ200a、200bとで構成される等倍の投影光学系300を通り、マイクロレンズアレイ400上に投影され、マイクロレンズアレイ400によって形成される多数のスポットはレンズ200c、200dとで構成される縮小投影光学系500によって、ピンホール板600上に約0.7倍に投影される。ピンホール板600の下面の穴の位置での光の像が、多数のレンズで構成された縮小投影光学系700によって、ウエハ800上にパターン投影される。ウエハ800は、ウエハステージ900におけるステージ台110の上に載せられており、ステージ台110はスキャンステージガイド110内でY方向に往復移動できるようになっている。スキャンステージガイド110は、ステップステージガイド120内でX方向にステップ移動できるようになっている。ウエハ800のスキャン移動とステップ移動によって、ウエハ800内の全面にレーザ光照射領域130を移動させることができ、ウエハ800内の全てのチップが露光できるようになっている。ミラーデバイスアレイ100はDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)からなる。
特許文献7は、基板を投影されたパターンを構成する多数のスポットの並びに対して斜めに移動させることで、時間的に異なる照射によるパターンにおけるいくつかのスポットが基板上で同一地点に重なるようにパターン描画させるようにしたパターン描画装置を開示し、特許文献6と同様にDMDからなるミラーデバイスを用いている。DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)とは、集積回路上にMEMS技術により鏡面サイズが10数μm程度の可動式マイクロミラーを多数格子状に配列したものである(非特許文献1参照)。
特許文献8は、一方の光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と他方の光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光が偏光合成器により合成されるようにした平行光源装置を開示する。
特開2008−42015号公報
再表2005−081034号公報
特開2007−219011号公報
特開2007−19073号公報
特開2004−87771号公報
特開2005−175264号公報
特開2004−319581号公報
特開2006−156269号公報
ディジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)日本テキサス・インスツルメンツ(株)新地 修、林田正尚(http://www.realize-at.jp/items/bt/112/5/index.html)
特許文献1〜5は、いずれもマスクレス露光技術を開示するが、大面積露光を高速かつ高精度に実施するようにしたものではない。特許文献6,7では、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)に光を照射した後に、DMDの各ピクセルに対応する位置で反射された光を、各ピクセル毎に置いたマイクロレンズアレイによって集光することによって周期的なスポットをサンプル表面上に露光することができる。このスポット光のオンオフ制御及びサンプルを固定したステージの位置・速度制御によって、任意のパターンのマスクレス露光を可能にしている。しかし、DMDを用いていることから露光投影領域がDMDのサイズに依存し、このため、大面積の露光を行う場合にはDMDを複数用いて交互に配置した構成としなければならないという問題がある。また、DMDのミラーの応答速度に応じて露光のスループットが影響を受けるという問題がある。以上の2つの問題により、特に大きな基板サイズを露光する場合には、システム構成が複雑になりコスト高になってしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を用いず構成が複雑にならずに大面積露光が高速でかつ高精度に実施可能なマスクレス露光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態によるマスクレス露光装置は、被露光物に露光する光を出力するために半導体発光素子からなる光源と前記光源からの光を前記被露光物へ導く光学系とにより前記被露光物上に多数の集光スポットを投影可能な露光ヘッドと、前記露光ヘッドと前記被露光物とを相対移動させる移動手段と、を備え、前記光源のオンオフにより前記各集光スポットのオンオフを制御するとともに前記移動手段による相対移動を制御することで前記被露光物上に任意のパターンを露光することを特徴とする。
このマスクレス露光装置によれば、光源に用いたLDやLED等の半導体発光素子をオンオフ制御することで高速に変調が可能であり、被露光物の表面上の集光スポットを周期間隔が広くかつ集積させることができるので、大面積露光が高速かつ高精度に実施できる。また、マスクもDMDも不要であるから、装置構成が複雑にならず装置コストが嵩むこともない。
上記マスクレス露光装置において、前記光源が所定のピクセル数で半導体発光素子からなる発光部を有し、前記光学系が前記ピクセル数に応じて多数のマイクロレンズが配列されたマクロレンズアレイと、前記ピクセル数に応じて配置された光ファイバと、を有するようにして露光ヘッドを構成することが好ましい。
または、前記光源が所定のピクセル数で半導体発光素子からなる発光部を有し、前記光学系が前記ピクセル数に応じて多数のマイクロレンズが配列されたマクロレンズアレイと、前記ピクセル数に応じて多数のアパーチャが配置された開口部材と、を有するようにして露光ヘッドを構成することが好ましい。
また、前記被露光物上に投影された隣り合う集光スポットの間隔が500μm程度となるように構成することができ、被露光物の表面上の集光スポットの周期間隔が500μm程度と広くできる。
また、前記移動手段が前記被露光物を載置し前記露光ヘッドに対し移動可能なステージから構成されることが好ましい。
また、前記多数の集光スポットの投影位置を縦横に結ぶ直線がなす正方格子を前記相対移動の方向に対し傾斜させるようにすることが好ましい。また、前記多数の集光スポットの投影位置を縦横に結ぶ直線が前記相対移動の方向に対し斜方格子をなすようにすることが好ましい。これらの構成により、露光の空間分解能を向上させることができる。
本発明のマスクレス露光装置によれば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を用いず装置構成が複雑にならずに大面積露光が高速でかつ高精度に実施できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施形態〉
図1は第1の実施形態のマスクレス露光装置の全体を概略的に示す図である。図2は図1の光源、光学系、試料の相対的な位置関係を概略的に示す図である。
図1は第1の実施形態のマスクレス露光装置の全体を概略的に示す図である。図2は図1の光源、光学系、試料の相対的な位置関係を概略的に示す図である。
図1に示すように、マスクレス露光装置10は、試料S(被露光物)に対する露光光を出力する光源11と、光源11の光を試料Sの表面S1にスポット光として照射し投影する光学系12と、試料Sを載置して2次元的(XY方向)に移動させるステージ13と、ステージ13の二次元的な位置を検出するエンコーダ等からなるセンサ14と、センサ14の検出結果に基づいてステージ13を駆動するアクチュエータ15と、光源11を制御する光源制御回路16と、装置全体を制御するパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」または「PC」という。)17と、を備える。露光ヘッド20が上述の光学系12と光源11等とから構成される。
図1のマスクレス露光装置10は、光源11のオンオフおよび試料Sを載せたステージ13の移動を制御することで、フォトマスクを用いることなく試料表面上のレジストなどの光感光性樹脂を設計に応じたパターンに対応して露光することができ、マスクレス露光が可能になっている。
図1の光源11は、LD(レーザダイオード)やLED(発光ダイオード)などの半導体発光素子から構成することができる。すなわち、これらの半導体発光素子を周期的に集積させており、格子状にLDまたはLEDを周期配置することで図2の光源アレイ21を構成する。図2の光源アレイ21の各発光部11a,11bは、光源制御回路16により独立にオンオフ可能な構成となっている。また、光源11は、光源アレイ21の動作中における発熱の影響を避けるための冷却機能としてヒートシンク25を備えている。ヒートシンク25は、水冷・空冷のいずれの方式であってもよく、例えば、ペルチェ素子による冷却とすることができる。
なお、光源11の光源制御回路16には、光強度をモニタする機能を備えてもよく、例えばAPC(オートパワーコントロール)制御やACC(オート電流コントロール)制御ができるような構成としてもよい。
図1,図2のように、光学系12は、LDまたはLEDより構成される光源アレイ21の発光部のピクセルの数に対応して多数のマイクロレンズ22a,22bを配置したマイクロレンズアレイ22と、同じくピクセルの数に対応して多数のマイクロレンズ24a,24bを配置したマイクロレンズアレイ24と、マイクロレンズアレイ22と24との間にピクセルの数に対応して配置した複数本の光ファイバ23と、を備え、光源アレイ21からの光をレンズ系により試料Sの表面S1上に集光し集光スポットS2を形成するようになっている。
すなわち、図2のように、光源アレイ21の各発光部11a,11bから出力した光は、マイクロレンズアレイ22を通して光ファイバ23に一端23aで結合し、結合した光は、光ファイバ23内で矢印方向に導かれ、光ファイバ23の他端23bから出力し、再びマイクロレンズアレイ24によって試料Sの表面S1上に集光スポットS2として投影される。
光源アレイ21及びマイクロレンズアレイ22,24では、各発光部11a,11b間の間隔(ピッチ)、各マイクロレンズ22a,22b間の間隔(ピッチ)及び24a,24b間の間隔(ピッチ)がそれぞれ500μm程度となるように比較的大きく構成されており、このため、試料Sの表面S1上で隣り合う集光スポットS2の間隔(ピッチ)p(図2)が500μm程度と比較的大きくなっている。
上述のように、光源11と光学系12とを備える露光ヘッド20は集光スポットS2の間隔pが500μm程度と比較的大きく、かかる露光ヘッド20をマスクレス露光装置10が備えることで大面積露光が可能となる。
試料Sを載置するステージ13は、PC17からのステージ稼動信号により作動するアクチュエータ15により駆動されるが、センサ14により検出したステージ13の位置信号に基づいて位置および速度制御を行うようにフィードバック制御が可能に構成されている。かかるフィードバック制御によるステージ稼動信号がPC17から出力する。PC17は、上述のステージ13の制御及び任意パターンを露光するための光源アレイ21のオンオフ制御を統括する。
図1,図2のマスクレス露光装置10による露光動作を説明する。例えば、表面S1上にレジストなどの光感光性樹脂が形成された試料Sをステージ13に載置し、ステージ13を等速で移動させる。例えば、図2の発光部11aによる試料Sの表面S1上における集光スポットの軌跡が露光すべき所定の位置を通過するタイミングで発光部11aをオフからオンにするようにして光源11がオンオフ制御される。
PC17は、露光すべき露光パターンの情報(露光データ)を演算し光源制御回路16に転送し、かかる露光データに基づいて光源制御回路16により光源11からの光のオンオフを変化させることで露光パターンを試料Sの表面S1上の光感光性樹脂にマスクレスで形成する。
本実施形態のマスクレス露光装置10によれば、新規な構成により次のような作用効果を奏する。
各ピクセルに対応する光源アレイ21の各発光部11a,11bの空間的な周期が500μmと従来よりもかなり大きな値になるように光源11をアレイ化し、発光部の位置間隔を500μm程度と広くし、光源アレイ21の空間周期が大きくなるとともに光源アレイ21を集積化することで、従来よりも広い範囲を網羅することのできる露光ヘッド20を構成できる。このために大面積の露光を容易に実施可能となる。
また、光源位置の周期性が大きくなることで、露光ヘッド20自身の放熱性がよくなる。また、光源の空間的な周期位置間隔を大きくすることで、ピクセルの充填率を下げることができるために、露光光の光束位置以外にも面積的な余裕があり、このため、様々な制御回路や配線パターンを設置することが可能となるなど回路を構成するための自由度が大きくなる。また、各ピクセルの発光部となる半導体発光素子(LDまたはLED)を独立に変調させるので、変調速度が高速になる。
また、ファイバ端からの出射光を用いているために、ビーム径が円形であり、シングルモードファイバを用いれば、集光性が向上する。光ファイバ23を用いることで、光源アレイ21と集光用のマイクロレンズアレイ22,24との光径路の設計自由度が増す。
上述の露光ヘッド20を有するマスクレス露光装置10は、特に、大面積の領域を5μm以下の線幅で高精度に露光するようなFPD(Flat Panel Display)やPDP (Plasma Display Panel) 用の露光装置として効果的である。
また、本実施形態のマスクレス露光装置10を図5の特許文献6のパターン露光装置と比較すると、大面積露光への適用に関しては、図5では集光スポットの間隔が狭いため、大面積露光にはDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が複数必要であるのに対し、本実施形態では集光スポットの間隔が広いため大きな露光ヘッドが設計可能であり大面積露光に適したものに構成できる。また、露光スループットに関しては、図5では露光速度はDMDのスイッチング速度により決まり、そのスイッチング速度に限界があるのに対し、本実施形態では半導体発光素子(LED、LD)の変調速度で光源のオンオフが可能であり、半導体発光素子は高速変調が可能であり高応答性を有するので、高速で露光が可能となる。さらに、集光スポット位置の自由度に関しては、図5ではDMDを用いるために光学的な設計自由度が低いのに対し、光ファイバの採用により集光スポット位置及び光源位置の設計自由度が高く、有利である。
次に、露光パターンの解像度を向上させるための露光配置について図3,図4を参照して説明する。図3は、図1のマスクレス露光装置の集光スポット投影位置の例を示す平面図である。図4は、図1のマスクレス露光装置の集光スポット投影位置の別の例を示す平面図である。
図3に示すように、ステージ13上の試料Sの表面S1上で、図の等間隔に平行に並んだ縦線mと横線nとにより多数の正方格子が形成され、それらの正方格子がステージ13の移動方向S3に対して傾斜するように構成することで、縦線mと横線nとの多数の交点aが集光スポットの投影位置となると、各集光スポットの投影位置の隣り合う距離が短くなるために露光のデータ解像度が大きくなる。このように、集光スポット投影位置をステージ13の移動方向S3に対し傾斜させることで露光の空間分解能を向上させることができる。
また、図4のように、例えば、縦線m’をステージ13の移動方向S3に対して傾斜させ、横線n’とにより多数の斜方格子が形成され、それらの多数の交点bが集光スポットの投影位置となるように構成することで、各集光スポットの投影位置の隣り合う距離が短くなるために露光のデータ解像度が大きくなる。このように、集光スポット投影位置をステージ13の移動方向S3に対し直交する方向に歪ませることで露光の空間分解能を向上させることができる。
次に、本実施形態の露光ヘッドにおける集積例及び露光のスループットの計算例について図8を参照して説明する。図8は図1,図2の露光ヘッドの集光スポットの出射面を部分的かつ概略的に示す平面図である。
図8のように、露光ヘッド20の集光スポットの出射面Lにはマイクロレンズアレイ24が配置され、マイクロレンズアレイ24は、多数のマイクロレンズ24a、24bがピッチp1で格子状に規則正しく配列されるようにして集積されている。このピッチp1は0.5mmであり、このため、集光スポットの配列ピッチp(図2)は0.5mmである。集積数(ピクセル数)は、ステージの移動方向S3に1000個、移動方向S3に直交する方向に6000個である。データ解像度を0.5μm、光源の変調速度を100kHzとすると、露光速度は50mm/秒となり、高い露光スループットを達成できる。
以上のように、本実施形態では、従来よりも集光スポットの間隔pを500μm程度に大きく広げかつ集積度を増すとともに、スポット位置の精密位置決め及び半導体発光素子の高応答性を利用することで、大面積な範囲を高分解能でかつ高スループットで露光を行うことができる。
〈第2の実施形態〉
図6は第2の実施形態のマスクレス露光装置の全体を概略的に示す図である。図7は図6の光源アレイ、光学系、試料の相対的な位置関係を概略的に示す図である。
図6は第2の実施形態のマスクレス露光装置の全体を概略的に示す図である。図7は図6の光源アレイ、光学系、試料の相対的な位置関係を概略的に示す図である。
図6に示すように、マスクレス露光装置30は、試料Sを載置して2次元的に移動させるステージ13と、ステージ13の二次元的な位置を検出するエンコーダ等からなるセンサ14と、センサ14の検出結果に基づいてステージ13を駆動するアクチュエータ15と、光源制御回路16と、装置全体を制御するパソコン(PC)17と、を備え、これらの各部分は図1と同様の構成であるので、その説明は省略する。
マスクレス露光装置30は、さらに、試料S(被露光物)に対する露光光を出力する光源アレイ31と、光源アレイ31の光を試料Sの表面にスポット光として照射する光学系35と、を備え、露光ヘッド40が光学系35と光源アレイ31等とから構成される。
光源アレイ31は、LD(レーザダイオード)やLED〈発光ダイオード)などの半導体発光素子を周期的に集積させたものであり、格子状にLDまたはLEDを周期配置することで構成されている。光源アレイ31の各発光部31a,31b,31cは、光源制御回路16により独立にオンオフ可能な構成となっている。また、光源アレイ31は、冷却機能としてペルチェ素子等からなるヒートシンク25を備えている。
なお、光源アレイ31の光源制御回路16には、光強度をモニタする機能を備えてもよく、例えばAPC(オートパワーコントロール)制御やACC(オート電流コントロール)制御ができるような構成としてもよい。
図6,図7のように、光学系35は、LDまたはLEDより構成される光源アレイ31のピクセルの数に対応して多数のマイクロレンズ32a,32b,32cが光源アレイ31の基板31dに配置されたマイクロレンズアレイ32と、同じくピクセルの数に対応して多数のアパーチャ33a、33b、33cが配置された開口部材33と、同じくピクセルの数に対応して多数のマイクロレンズ34a,34b,34cが配置されたマイクロレンズアレイ34と、を備え、光源アレイ31からの光をレンズ系により試料Sの表面S1上に集光し集光スポットS2を形成するようになっている。
すなわち、図7のように、光源アレイ31の各発光部31a〜31cから出力した光は、マイクロレンズアレイ22を通して平行光とされてから開口部材33の各アパーチャ33a〜33cに入射する。各アパーチャ33a〜33cを通過した光は、マイクロレンズアレイ34によって試料Sの表面S1上に集光スポットS2として投影される。
光源アレイ31,開口部材33及びマイクロレンズアレイ32,34では、各発光部31a〜31b,31b〜31c間の各間隔(ピッチ)、各マイクロレンズ32a〜32b,32b〜32c間の各間隔(ピッチ)及び34a〜34b,34b〜34c間の各間隔(ピッチ)がそれぞれ500μm程度となるように比較的大きく構成されており、このため、試料Sの表面S1上で隣り合う集光スポットS2の間隔(ピッチ)p(図7)が500μm程度と比較的大きくなっている。
上述のように、光源アレイ31と光学系35とを備える露光ヘッド40は集光スポットS2の間隔pが500μm程度と比較的大きく、かかる露光ヘッド40をマスクレス露光装置30が備えることで大面積露光が可能となる。
図6,図7のマスクレス露光装置30による露光動作を説明する。例えば、表面S1上にレジストなどの光感光性樹脂が形成された試料Sをステージ13に載置し、ステージ13を等速で移動させる。例えば、図7の発光部31aによる試料Sの表面S1上における集光スポットの軌跡が露光すべき所定の位置を通過するタイミングで発光部31aをオフからオンにするようにして光源アレイ31がオンオフ制御される。
PC17は、露光すべき露光パターンの情報(露光データ)を演算し光源制御回路16に転送し、かかる露光データに基づいて光源制御回路16により光源アレイ31からの光のオンオフを変化させることで露光パターンを試料Sの表面S1上の光感光性樹脂にマスクレスで形成する。
本実施形態のマスクレス露光装置30によれば、新規な構成により次のような作用効果を奏する。
各ピクセルに対応する光源アレイ31の各発光部31a〜31cの空間的な周期が500μmと従来よりもかなり大きな値になるように光源アレイ31を構成し、光源アレイ31の発光部の空間周期が大きくなるとともに光源アレイ31を集積化することで、従来よりも広い範囲を網羅することのできる露光ヘッド40を構成できる。このために大面積の露光を容易に実施可能となる。
また、光源位置の周期性が大きくなることで、露光ヘッド40自身の放熱性がよくなる。また、光源の空間的な周期位置間隔を大きくすることで、ピクセルの充填率を下げることができるために、露光光の光束位置以外にも面積的な余裕があり、このため、様々な制御回路や配線パターンを設置することが可能となるなど回路を構成するための自由度が大きくなる。また、各ピクセルの発光部となる半導体発光素子(LDまたはLED)を独立に変調させるので、変調速度が高速になる。
光学系35は、LDまたはLEDからなる光源アレイ31と、多数のアパーチャを有する開口部材33と、マイクロレンズアレイ32,34とから構成され、シンプルな構成となっている。
上述の露光ヘッド40を有するマスクレス露光装置30は、特に、大面積の領域を5μm以下の線幅で高精度に露光するようなFPD(Flat Panel Display)やPDP (Plasma Display Panel) 用の露光装置として効果的である。
また、本実施形態のマスクレス露光装置30を図5の特許文献6のパターン露光装置と比較すると、大面積露光への適用に関しては、図5では集光スポットの間隔が狭いため、大面積露光にはDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)が複数必要であるのに対し、本実施形態では集光スポットの間隔が広いため大きな露光ヘッドが設計可能であり大面積露光に適したものに構成できる。また、露光スループットに関しては、図5では露光速度はDMDのスイッチング速度により決まり、そのスイッチング速度に限界があるのに対し、本実施形態では半導体発光素子(LED、LD)の変調速度で光源のオンオフが可能であり、半導体発光素子は高速変調が可能であり高応答性を有するので、高速で露光が可能となる。さらに、集光スポット位置の自由度に関しては、図5ではDMDを用いるために光学的な設計自由度が低いのに対し、光ファイバの採用により集光スポット位置及び光源位置の設計自由度が高く、有利である。
また、本実施形態のマスクレス露光装置30においても図3と同様に、集光スポット位置をステージ13の移動方向S3に対し傾斜させることで露光の空間分解能を向上させることができる。また、図4と同様に、集光スポット位置をステージ13の移動方向S3に対し直交する方向に歪ませることで露光の空間分解能を向上させることができる。
また、本実施形態においても図8と同様の集積例で露光ヘッドを構成でき、上述と同様に高い露光のスループットを達成できる。このため、本実施形態では、従来よりも集光スポットの間隔pを500μm程度に大きく広げかつ集積度を増すとともに、スポット位置の精密位置決め及び半導体発光素子の高応答性を利用することで、大面積な範囲を高分解能でかつ高スループットで露光を行うことができる。
以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1,図2の光学系12、図6,図7の光学系35は、1枚のマイクロレンズアレイにより集光するように構成してもよく、また、複数の光学系を利用しするように構成してもよい。
また、本実施形態では、露光ヘッド20,40と被露光物である試料Sとの相対移動を試料Sが載るステージ13で行うようにしたが、露光ヘッド20,40側を移動させるようにしてもよく、また、両方を移動させるようにしてもよい。
また、本実施形態の各マスクレス露光装置は、プリント基板用露光、マイクロマシン製造用露光、マイクロ流路パターニング用露光、液晶パネルのカラーフィルタおよびTFT、周辺配線の露光、及びフォトマスク作製用に適用可能なフォトリソグラフィ用露光に適用可能である。
10 マスクレス露光装置、11 光源、11a,11b 発光部、12 光学系、13 ステージ(移動手段)、16 光源制御回路、20 露光ヘッド、21 光源アレイ、22,24 マイクロレンズアレイ、23 光ファイバ、30 マスクレス露光装置、31 光源アレイ、31a〜31c 発光部、32,34 マイクロレンズアレイ、33 開口部材、35 光学系、40 露光ヘッド、S 試料(被露光物)、S1 試料Sの表面、S2 集光スポット、S3 ステージの移動方向、p 間隔(ピッチ)
Claims (7)
- 被露光物に露光する光を出力するために半導体発光素子からなる光源と前記光源からの光を前記被露光物へ導く光学系とにより前記被露光物上に多数の集光スポットを投影可能な露光ヘッドと、
前記露光ヘッドと前記被露光物とを相対移動させる移動手段と、を備え、
前記光源のオンオフにより前記各集光スポットのオンオフを制御するとともに前記移動手段による相対移動を制御することで前記被露光物上に任意のパターンを露光することを特徴とするマスクレス露光装置。 - 前記光源が所定のピクセル数で半導体発光素子からなる発光部を有し、
前記光学系が前記ピクセル数に応じて多数のマイクロレンズが配列されたマクロレンズアレイと、前記ピクセル数に応じて配置された光ファイバと、を有する請求項1に記載のマスクレス露光装置。 - 前記光源が所定のピクセル数で半導体発光素子からなる発光部を有し、
前記光学系が前記ピクセル数に応じて多数のマイクロレンズが配列されたマクロレンズアレイと、前記ピクセル数に応じて多数のアパーチャが配置された開口部材と、を有する請求項1に記載のマスクレス露光装置。 - 前記被露光物上に投影された隣り合う集光スポットの間隔が500μm程度である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマスクレス露光装置。
- 前記移動手段が前記被露光物を載置し前記露光ヘッドに対し移動可能なステージから構成された請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマスクレス露光装置。
- 前記多数の集光スポットの投影位置を縦横に結ぶ直線がなす正方格子を前記相対移動の方向に対し傾斜させるようにした請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマスクレス露光装置。
- 前記多数の集光スポットの投影位置を縦横に結ぶ直線が前記相対移動の方向に対し斜方格子をなすようにした請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマスクレス露光装置。
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