JP2010014075A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気側及び排気側のバルブ特性可変装置の協働によって、エンジン10の燃焼制御を行うエンジン10の制御装置において、吸気側及び排気側のバルブ特性可変装置の使用領域を好適に拡大することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン10の始動に伴ってバルブ特性可変装置の駆動が可能となるまでの所要時間は、バルブ特性可変装置の構造や、寸法公差等の個体差によるばらつきによって異なる。したがって、これらを考慮して駆動許可条件が設定されることとなる。但し、エンジン10の始動に伴って駆動が可能となるまでの所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置が実際に動作すると判断される場合、上記駆動許可条件が成立していなくても、他方のバルブ特性可変装置の駆動を許可する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のアクチュエータの協働によって内燃機関の燃焼制御を行う内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関のアクチュエータとしては、例えば下記特許文献1に記載されているように、機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧駆動式の可変バルブタイミング装置が知られている。可変バルブタイミング装置は、内燃機関のクランク軸に対するカム軸の相対的な回転角度を調節するための可変バルブタイミング機構と、可変バルブタイミング機構の駆動力として、油圧ポンプから可変バルブタイミング機構に供給される作動油の油圧を調節するための油圧制御弁とを備えて構成される。油圧制御弁を用いて機関バルブのバルブタイミングを操作することで、内燃機関の燃焼状態を所望に制御することができる。これにより、内燃機関の出力を向上させたり、エミッションを低減させたりすることができる。更に、上記特許文献1には、吸気バルブ及び排気バルブの双方のバルブタイミングを可変バルブタイミング装置によって調節することも提案されている。これにより、燃焼制御のための自由度が向上することから、内燃機関の出力の向上やエミッションの低減をいっそう促進することができる。
ところで、可変バルブタイミング装置を駆動させるためには、油圧ポンプから可変バルブタイミング装置に供給される作動油の油圧が一定以上でなければならない。一方、上記油圧ポンプとしては、通常、内燃機関の出力軸から供給される動力により駆動される機関駆動式の油圧ポンプが用いられている。このため、この油圧ポンプを備える内燃機関にあっては、機関始動時等、作動油の油圧が低い場合、十分に油圧が上がるのを待って可変バルブタイミング装置の駆動を許可することとなる。
特開2005−098150号公報
ところで、吸気バルブ及び排気バルブの双方について、バルブタイミングを調節する可変バルブタイミング装置が設けられるものにあっては、これらの協働により内燃機関の燃焼制御を良好なものとするように、内燃機関の運転状態毎に双方の操作量が適合されている。このことは、吸気側の可変バルブタイミング装置及び排気側の可変バルブタイミング装置の操作量の適合値は、内燃機関の各運転状態において、互いに相手の操作量の適合値を前提として、燃焼制御を良好なものとする上で最適な適合値に適合されていることを意味する。したがって、内燃機関の始動後、バルブタイミングを調節する吸気側及び排気側の可変バルブタイミング装置の双方を確実に駆動させるべく、油圧ポンプの吐出圧が双方の駆動開始に必要な吐出圧となるのを待って、双方の駆動を許可することが望ましい。
一方、可変バルブタイミング装置の駆動開始に必要な上記吐出圧は、可変バルブタイミング装置の構造によって異なる。これは、駆動開始時の機械的な引きずり抵抗や、可変バルブタイミング装置内で発生する圧力損失が、可変バルブタイミング装置の構造に依存するためである。例えば、上記圧力損失は、油圧ポンプから可変バルブタイミング装置までの供給経路の長さや形状によって異なる。そして、上記供給経路による圧力損失が、吸気側と排気側とで大きく異なる場合、吸気側の可変バルブタイミング装置の駆動開始に必要な吐出圧が、排気側の可変バルブタイミング装置の駆動開始に必要な吐出圧よりも大きくなったり、あるいはその逆になったりするおそれがある。特に、吸気側と排気側とで互いに相違するサプライヤの製品を用いる場合、構造上の違いから、駆動開始に必要な吐出圧が大きく相違しやすくなる。そしてこのように、吸気側と排気側とで可変バルブタイミング装置の駆動開始に必要な吐出圧が大きく相違する場合、駆動開始に必要な吐出圧の大きい方を閾値として、油圧ポンプの吐出圧がこの閾値に達するのを待って、双方の駆動を許可することが望ましい。
更に、可変バルブタイミング装置が同一の構造であっても、実際には、可変バルブタイミング装置は、これを構成する各部品の寸法公差等の個体差を有する。そして、この個体差によっても、可変バルブタイミング装置の駆動開始に必要な吐出圧にばらつきが生じる。したがって、吸気側及び排気側の可変バルブタイミング装置の双方を確実に駆動させるため、上記駆動開始に必要な吐出圧についての個体差に起因したばらつきをも考慮して、双方の駆動を許可することとなる。すなわち、吸気側及び排気側の可変バルブタイミング装置のうちの駆動開始に必要な吐出圧の大きい方について、製品出荷されるもののうちで駆動開始に必要な吐出圧が最も大きなものに基づいて、双方の駆動許可条件が設定されることとなる。このため、可変バルブタイミング装置の駆動を速やかに許可することができず、ひいては可変バルブタイミング装置の使用領域が縮小されるおそれがある。
なお、このような課題は、上記可変バルブタイミング装置に限らず、複数のアクチュエータの協働によって、内燃機関の燃焼制御を行う内燃機関の制御装置であれば起こりうるものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のアクチュエータの協働によって内燃機関の燃焼制御を行う内燃機関の制御装置において、複数のアクチュエータの使用領域を好適に拡大することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、複数のアクチュエータの協働によって内燃機関の燃焼制御を行う内燃機関の制御装置において、前記複数のアクチュエータのうち、前記内燃機関の始動に伴って駆動が可能となるまでの所要時間が最も長いと想定されるアクチュエータを駆動する駆動手段と、前記アクチュエータの変位を検出する手段の出力に基づき、前記駆動手段による駆動処理に伴って前記最も長いと想定されるアクチュエータが実際に動作するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記アクチュエータが動作すると判断される場合、前記最も長いと想定されるアクチュエータ以外のアクチュエータの駆動を許可する駆動許可手段とを備えることを特徴とする。
複数のアクチュエータの協働によって内燃機関の燃焼制御を行う場合、内燃機関の燃焼制御を良好なものとするように、内燃機関の運転状態毎に、複数のアクチュエータの操作量が適合されている。すなわち、複数のアクチュエータのそれぞれの操作量は、互いに別のアクチュエータの操作量の適合値を前提として、所望の燃焼状態を実現するための適切な値に適合されている。したがって、複数のアクチュエータを確実に駆動させるべく、これら全ての駆動が可能となるのを待って、複数のアクチュエータの駆動を許可することが望ましい。
ところで、内燃機関の始動に伴ってアクチュエータの駆動が可能となるまでの所要時間は、アクチュエータの構造によって異なる。これは、駆動開始時の機械的な引きずり抵抗や、アクチュエータ内で発生する駆動力の損失が、アクチュエータの構造に依存するためである。また、アクチュエータが同一の構造であっても、これを構成する各部品の寸法公差等の個体差により、上記アクチュエータの駆動が可能となるまでの所要時間にばらつきが生じる。したがって、複数のアクチュエータを確実に駆動させる上では、複数のアクチュエータのうち上記最も長いと想定されるものについて、個体差をも考慮して、これらの駆動許可条件が設定されることが望ましい。しかし、このように上記駆動許可条件を設定したのでは、複数のアクチュエータの駆動を速やかに許可することができないおそれがある。
この点、上記発明では、判断手段と、駆動許可手段とを備えることで、上記最も長いと想定されるアクチュエータが実際に動作すると判断される場合、上記駆動許可条件が成立しない状況下であっても、上記アクチュエータ以外のアクチュエータの駆動を許可することができる。これにより、複数のアクチュエータの全ての駆動を速やかに許可することができ、ひいては複数のアクチュエータの使用領域を好適に拡大することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数のアクチュエータは、吸気バルブのバルブ特性を可変とする吸気側バルブ特性可変装置と、排気バルブのバルブ特性を可変とする排気側バルブ特性可変装置とであることを特徴とする。
吸気バルブ及び排気バルブの双方について、バルブ特性を可変とするバルブ特性可変装置を備えるものにあっては、内燃機関の燃焼状態を所望に制御すべく、内燃機関の運転状態に応じて、双方の操作量が適合されている。すなわち、一方の操作量は、他方の操作量を前提として、所望の燃焼状態を実現するための適切な値に適合されている。したがって、上記発明では、上記請求項1の発明の作用効果を好適に奏することができる構成となっている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記各バルブ特性可変装置は、前記各バルブ特性可変装置に供給される作動流体により駆動される流体駆動式のものであることを特徴とする。
流体駆動式のバルブ特性可変装置を駆動させるためには、バルブ特性可変装置に供給される作動流体の流体圧を一定以上としなければならない。したがって、作動流体の圧力が、吸気側及び排気側バルブ特性可変装置の双方の駆動開始に必要な値となるのを待って、双方の駆動を許可することが望ましい。しかし、この場合には、これらの双方の駆動を速やかに許可することができないおそれがある。この点、上記発明では、上記請求項2の発明の作用効果を特に好適に奏することができる構成となっている。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記各バルブ特性可変装置に供給される前記作動流体の流体圧又は流体圧と相関を有するパラメータのうち少なくとも一方を検出する流体圧検出手段の出力に基づき前記流体圧が所定値に達すると判断される場合、前記駆動許可手段によらず、前記各バルブ特性可変装置の駆動を許可することを特徴とする。
吸気側及び排気側バルブ特性可変装置の双方に供給される流体圧が、上記駆動開始に必要な流体圧となっている場合、これらの双方の駆動が可能となっている。ここで、上記発明では、上記流体圧検出手段の出力に基づき、上記駆動開始に必要な流体圧となっていると判断される場合、駆動許可手段によらず、双方の駆動を許可する。これにより、駆動手段の駆動処理に伴って判断手段により上記判断がなされる以前に、上記駆動開始に必要なる流体圧となっている場合、吸気側及び排気側バルブ特性可変装置の双方の駆動を速やかに許可することができる。
なお、上記所定値は、吸気側及び排気側バルブ特性可変装置のうち上記所要時間が長いと想定されるバルブ特性可変装置が確実に駆動される流体圧に設定されるのが望ましい。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記流体圧検出手段の出力に基づき前記流体圧が前記所定値よりも小さな値に設定される第2の所定値に達すると判断される場合、前記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置の駆動を許可することを特徴とする。
作動流体は、バルブ特性可変装置を駆動させるためだけではなく、バルブ特性可変装置内の潤滑にも使用されている。このため、作動流体の流体圧が過度に低い状況下、駆動手段により上記所要時間が長いと想定されるバルブ特性可変装置を駆動すると、作動流体の流体圧不足により、バルブ特性可変装置内の潤滑に必要な箇所に作動流体が十分に供給されず、バルブ特性可変装置の信頼性が低下することが懸念される。この点、上記発明では、上記流体圧検出手段の出力に基づき、作動流体の流体圧が上記所定値よりも小さな値に設定される第2の所定値に達すると判断される場合、上記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置の駆動を許可する。このため、作動流体の流体圧が、上記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置内の潤滑に必要な流体圧にまで昇圧されてから、これを駆動開始させることができる。これにより、上記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置の信頼性の向上を図りつつもこれを極力迅速に駆動させることができる。
なお、上記第2の所定値は、上記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置の信頼性の低下を招くことなく駆動できる最低値に基づき設定されるのが望ましい。
請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の運転状態に基づき前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の目標バルブ特性を設定する目標値設定手段と、前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の実バルブ特性を前記目標バルブ特性にフィードバック制御するフィードバック制御手段とを備え、前記駆動手段は、前記フィードバック制御手段によるフィードバック制御の開始として前記駆動処理を行うものであり、前記判断手段は、前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の実バルブ特性と前記目標バルブ特性との偏差に基づき前記判断を行うことを特徴とする。
上記発明では、フィードバック制御手段によるフィードバック制御の開始として駆動処理を行うことで、上記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の動作を確認するために特別の駆動処理を行う手段を新たに設けることなく、吸気側及び排気側バルブ特性可変装置の双方の駆動を速やかに許可することができる。
請求項7記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記判断手段は、前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置のバルブ特性の実際の動作量の検出値に基づき前記判断を行うことを特徴とする。
バルブ特性可変装置の実バルブ特性は、駆動を意図していないにもかかわらず、何らかの外乱によって、変動する場合がある。また、バルブ特性可変装置の実バルブ特性を検出する手段の出力信号が内燃機関の制御装置に入力される際、ノイズ等が混入する場合がある。特に、バルブ特性可変装置の実バルブ特性と、目標バルブ特性との偏差が小さくなる内燃機関の運転状態にあっては、この偏差に基づいて上記判断を行う場合、実バルブ特性の変動や上記ノイズ等の影響により、上記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の駆動が可能となっていないにもかかわらず、なっていると誤って判断されるおそれがある。この点、上記発明では、上記バルブ特性可変装置の実バルブ特性が所定量動作しないと上記判断を行わないため、上記判断手段による吸気側及び排気側バルブ特性可変装置の駆動判断を高精度に行うことができる。
請求項8記載の発明は、請求項3〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の出力軸から供給される回転エネルギにより駆動される機関駆動式のポンプを備え、前記各バルブ特性可変装置に供給される作動流体の供給源は共通の前記機関駆動式のポンプであることを特徴とする。
機関駆動式のポンプにあっては、機関始動時等、機関回転速度が低い場合、ポンプの作動流体の吐出量が小さい。このため、ポンプの吐出圧が上昇しにくい。更に、吸気側及び排気側バルブ特性可変装置に供給される作動流体の供給源が共通のポンプであって且つ、これらの駆動開始に必要なポンプの吐出圧が大きく相違する場合、ポンプの吐出圧が、これらのうちの駆動開始に必要なポンプの吐出圧の高い方まで上昇するまでの期間、これらの双方の駆動を許可できなくなるおそれがある。このため、これらの双方の駆動を許可するタイミングが更に遅れるおそれがある。この点、上記発明では、上記請求項3〜7記載の発明の適用価値が特に高いものとなっている。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置をダブルオーバヘッドカム式のガソリンエンジンの可変バルブタイミング装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。図示されるように、エンジン10の吸気通路12には電子制御式の燃料噴射弁22が設けられている。燃料噴射弁22は、図示しない燃料ポンプを介して図示しない燃料タンクから供給される燃料を吸気通路12に噴射する。吸気通路12は、吸気バルブ14の開動作によって、シリンダブロック16及びピストン18にて区画される燃焼室20と連通される。これにより、燃料噴射弁22によって噴射された燃料は、吸気とともに混合気として燃焼室20へ導入される。燃焼室20には点火プラグ23が突出して設けられている。点火プラグ23の対向電極間の放電火花の発生により、燃焼室20に吸入された混合気が燃焼する。そして、燃焼によって発生するエネルギは、ピストン18を介して、エンジン10の出力軸であるクランク軸24の回転エネルギとして取り出される。燃焼室20において、燃焼に供された混合気は、排気バルブ26の開動作によって、排気として排気通路28に排出される。
クランク軸24の回転エネルギとして取り出される動力は、タイミングチェーン30、吸気側の可変バルブタイミング機構(以下、VVT機構32)又は排気側の可変バルブタイミング機構(以下、VVT機構34)を介して、吸気側カム軸36と排気側カム軸38とに伝達される。
VVT機構32は、クランク軸24と機械的に連結される第1の回転体40と、吸気側カム軸36と機械的に連結される第2の回転体42とを備えている。第2の回転体42は、複数の突起部42aを備えて且つ、第1の回転体40内に収納されている。そして、第2の回転体42の突起部42aと第1の回転体40の内壁とによって、クランク軸24に対する吸気側カム軸36の相対的な回転角度(回転角度差)を遅角させるための遅角室44と、この回転角度差を進角させるための進角室46とが区画形成されている。なお、VVT機構32は、更に、第1の回転体40と第2の回転体42とを、遅角室44の容積が最大となる回転角度差(最遅角位置)にて固定する吸気側ロック機構48を備えている。
VVT機構34は、VVT機構32と同様に、クランク軸24と機械的に連結される第1の回転体50と、排気側カム軸38と機械的に連結される第2の回転体52とを備えている。第2の回転体52は、複数の突起部52aを備えて且つ、第1の回転体50内に収納されている。そして、第2の回転体52の突起部52aと第1の回転体50の内壁とによって、クランク軸24に対する排気側カム軸38の相対的な回転角度(回転角度差)を遅角させるための遅角室54と、この回転角度差を進角させるための進角室56とが区画形成されている。なお、VVT機構34は、更に、第1の回転体50と第2の回転体52とを、進角室56の容積が最大となる回転角度差(最進角位置)にて固定する排気側ロック機構58を備えている。
吸気側及び排気側のVVT機構32、34は、吸気側及び排気側の各遅角室44、54や各進角室46、56への非圧縮性の作動油の流入量や、上記各遅角室44、54や各進角室46、56からの作動油の流出量によって駆動される油圧駆動式のものである。この作動油の流出入は、油圧制御弁(以下、OCV60)及び油圧制御弁(以下、OCV62)によって調節される。そして、吸気側及び排気側のVVT機構32、34と、吸気側及び排気側のOCV60、62とを備えて、それぞれ吸気側及び排気側の可変バルブタイミング装置(以下、吸気側及び排気側のVVT装置)が構成されている。
吸気側のOCV60は、クランク軸24から供給される動力によって駆動される機関駆動式の油圧ポンプ64から吐出される作動油を、供給経路66及び吸気側遅角経路68又は吸気側進角経路70を介して、遅角室44又は進角室46へと供給する。作動油の供給源が吸気側のOCV60と共通の油圧ポンプ64である排気側のOCV62は、油圧ポンプ64から吐出される作動油を、供給経路66及び排気側遅角経路72又は排気側進角経路74を介して遅角室54又は進角室56へと供給する。また、吸気側のOCV60は、遅角室44又は進角室46から吸気側遅角経路68又は吸気側進角経路70及び排出経路76を介してオイルパン78へと作動油を流出させる。これと同様に、排気側のOCV62は、遅角室54又は進角室56から排気側遅角経路72又は排気側進角経路74及び排出経路76を介してオイルパン78へと作動油を流出させる。ちなみに、この作動油は、吸気側及び排気側のVVT機構32、34内の吸気側及び排気側カム軸36,38の潤滑にも使用されている。
OCV60、62は、電磁ソレノイド60a、62aで駆動される電磁弁である。電磁ソレノイド60a、62aに流れる駆動電流を変化させることで、VVT機構32、34内に区画形成される各進角室及び各遅角室の作動油の油圧を調節することができる。これにより、吸気側及び排気側の各VVT装置の回転角度差を調節することができ、ひいては吸気バルブ14や排気バルブ26の開弁タイミング(バルブタイミング)を調節することができる。
エンジン10には、クランク軸24近傍でクランク軸24の回転速度を検出するクランク角度センサ80や、エンジン10を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサ82、吸気圧等のエンジン10の負荷を検出するエンジン負荷センサ84が設けられている。また、吸気側カム軸36の外周側には、吸気側カム軸36の回転角度を検出する吸気側カム角センサ86が設けられ、排気側カム軸38の外周側には、排気側カム軸38の回転角度を検出する排気側カム角センサ88が設けられる。エンジン10の運転状態を検出するこれらの各種センサからの出力信号は、電子制御装置(以下、ECU90という)に入力される。
ECU90は、周知のCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU90は、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、その都度のエンジン運転状態に応じた各種制御を実施する。ECU90は、これらの入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと共に、吸気側及び排気側のVVT装置のバルブタイミングをフィードバック制御すべく、吸気側及び排気側のOCV60、62の電磁ソレノイド60a、62aに流れる駆動電流を操作する。
図2に、ECU90の行う処理のうち、本実施形態における上記フィードバック制御に関する処理の機能ブロック図を示す。
吸気側実進角値算出部B2は、クランク角度センサ80の検出値と、吸気側カム角センサ86の検出値とに基づいて、クランク軸24に対する吸気側カム軸36の実際の回転角度差である実進角値を算出する。
吸気側目標進角値算出部B12は、クランク角度センサ80の検出値に基づいて算出されるエンジン回転速度と、エンジン負荷センサ84により検出されるエンジン負荷を示すパラメータ(吸気圧等)とに基づいて、吸気側の回転角度差の目標値(目標進角値)を算出する。
吸気側フィードバック制御部B14は、吸気側実進角値算出部B2で算出される実進角値と、吸気側目標進角値算出部B12で算出される目標進角値とに基づいて、吸気側のVVT装置の操作量を算出する。詳しくは、吸気側の実進角値と目標進角値との偏差に基づく比例微分制御によって、フィードバック操作量を算出する。そして、このフィードバック操作量を、電磁ソレノイド60aの通電量に換算する。次に、この通電量と、現在の実進角値を保持するために必要な保持電流値とを加算することによって、OCV60を駆動するための駆動電流値を算出する。そして、この駆動電流値をデューティ値に換算する。ここで、デューティ値は、オン・オフ周期に対するオン時間の比で定義されている。このデューティ値を調節することで、電磁ソレノイド60aに流れる駆動電流が調節される。これにより、遅角室44及び進角室46に供給される作動油の油圧が調節され、吸気側の実進角値を目標進角値にフィードバック制御することができる。
排気側実遅角値算出部B4は、クランク角度センサ80の検出値と、排気側カム角センサ88の検出値とに基づいて、クランク軸24に対する排気側カム軸38の実際の回転角度差である実遅角値を算出する。
排気側目標遅角値算出部B16は、吸気側目標進角値算出部B12と同様に、エンジン回転速度と、エンジン負荷センサ84の検出値とに基づいて、排気側の回転角度差の目標値(目標遅角値)を算出する。
排気側フィードバック制御部B18は、排気側実遅角値算出部B4で算出される実遅角値と、排気側目標遅角値算出部B16で算出される目標遅角値とに基づいて、排気側のVVT装置の操作量を算出する。詳しくは、排気側の実遅角値と目標遅角値との偏差に基づく比例微分制御によって、フィードバック操作量を算出する。そして、このフィードバック操作量を、電磁ソレノイド62aの通電量に換算する。次に、この通電量と、現在の実遅角値を保持するために必要な保持電流値とを加算することによって、OCV62を駆動するための駆動電流値を算出する。そして、この駆動電流値をデューティ値に換算する。このデューティ値を調節することで、電磁ソレノイド62aに流れる駆動電流が調節される。これにより、遅角室54及び進角室56に供給される作動油の油圧が調節され、排気側の実遅角値を目標遅角値にフィードバック制御することができる。
上記吸気側目標進角値算出部B12で算出される目標進角値と、上記排気側目標遅角値算出部B16で算出される目標遅角値とは、エンジン10の燃焼状態を良好なものとする上で最適な値に適合されている。すなわち、一方の目標値は、他方の目標値を前提として、エンジン10の出力の向上やエミッションの低減を実現するための適切な値に適合されている。このため、エンジン10の始動時においては、吸気側及び排気側のVVT装置の駆動開始に必要な油圧ポンプ64の吐出圧となるまで、吸気側の回転角度差を最遅角位置に固定し、排気側の回転角度差を最進角位置に固定することが望ましい。ここで、本実施形態では、吸気側のVVT装置の駆動開始に必要な吐出圧が、排気側のVVT装置の駆動開始に必要な吐出圧よりも大きいケースを想定している。こうしたケースにおいても、吸気側及び排気側のVVT装置を極力早期に駆動すべく、本実施形態では、駆動許可処理部B6を備え、図3に示す処理を行う。駆動許可処理部B6は、エンジン10の運転状態に応じて、入力信号制御部B8、10を操作し、吸気側及び排気側のVVT装置の駆動を許可する。
図3に、本実施形態における吸気側及び排気側のVVT装置の駆動開始処理の手順を示す。この処理は、ECU90によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、吸気側及び排気側のVVT装置の駆動が既に許可されているか否かを判断する。ステップS10において否定判断される場合には、ステップS12へ移行する。
ステップS12では、駆動許可条件が成立しているか否かを判断する。この駆動許可条件は、油圧ポンプ64の吐出圧が、吸気側のVVT装置を確実に駆動させることができる吐出圧以上であって且つ、エンジン10の運転状態が、油圧ポンプ64の吐出能力を確実に保障することができるとの条件の下に設定される。本実施形態では、駆動許可条件を、エンジン回転速度Neが閾値N1以上であるとの条件と冷却水温THWが閾値T1以上であるとの条件との論理積条件とする。ここで、エンジン回転速度Neと、冷却水温THWとは共に油圧ポンプ64の吐出圧と相関を有するパラメータである。この油圧ポンプ64は機関駆動式であるため、油圧ポンプ64の吐出圧と、エンジン回転速度Neとは正の相関を有する。また、作動油の油温の上昇に伴い、作動油の粘度が低下し、流動性が向上する。このため、油圧ポンプ64の吐出圧と、作動油の油温とは正の相関を有する。更に、作動油の油温と、エンジン10の冷却水温THWとは正の相関を有する。ちなみに、上記油圧ポンプ64の吐出能力を確実に保障することができるとの条件は、機関駆動式の油圧ポンプ64にあっては、エンジン回転速度や作動油の油温が一定以上でないと、油圧ポンプ64の作動油の吐出能力が低下することに鑑みて設けられる条件である。
ステップS12において、駆動許可条件が成立すると判断される場合には、ステップS14へ進み、吸気側及び排気側のVVT装置の駆動を許可する。すなわち、吸気側及び排気側の回転角度差のフィードバック制御を開始する。
これに対し、ステップS12において否定判断される場合には、ステップS16へ進む。ステップS16では、駆動許可基本条件が成立するか否かを判断する。この駆動許可基本条件は、油圧ポンプ64の吐出圧が、吸気側のVVT装置の信頼性の低下を招くことなく駆動させることができる最低値以上であるとの条件の下に設定される。本実施形態では、駆動許可基本条件を、エンジン回転速度Neが閾値N2(<N1)以上であるとの条件と冷却水温THWが閾値T2(<T1)以上であるとの条件との論理積条件とする。ここで、エンジン回転速度が低く、作動油の油温が十分に上昇していないエンジン10の始動時にあっては、油圧ポンプ64の吐出圧が上昇しにくくなる。このような状況下で吸気側のVVT装置を駆動させると、潤滑不良により吸気側のVVT装置の信頼性が低下することが懸念される。このため、これを考慮して、エンジン回転速度の上記閾値N2と、冷却水温の上記閾値T2とを決定する。
上記駆動許可基本条件が成立していると判断される場合には、ステップS18へ進み、吸気側のVVT装置の駆動を許可する。すなわち、吸気側の回転角度差のフィードバック制御を開始する。そして、ステップS20へ移行する。
ステップS20では、吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かを判断する。具体的には、吸気側の実進角値と、目標進角値との偏差の絶対値が閾値α(>0)以下であるか否かで判断する。ここで、上記閾値αは、吸気側のVVTが動作が確認できる値に設定されるのが望ましい。
ステップS20で吸気側のVVT装置が実際に動作すると判断される場合には、ステップS22へ進み、排気側のVVT装置の駆動を許可する。すなわち、排気側の回転角度差のフィードバック制御を開始する。
なお、上記ステップS10において肯定判断される場合や、上記ステップS16、20において否定判断される場合、更には、ステップS14、22の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図4に、上記処理による駆動開始制御の一例を示す。詳しくは、図4(a)に、イグニッションスイッチの状態の推移を示し、図4(b)に、エンジン回転速度Neの推移を示し、図4(c)に、油圧ポンプ64の吐出圧の推移を示し、図4(d)に、冷却水温THWの推移を示し、図4(e)に、駆動許可基本条件の推移を示し、図4(f)に、排気側VVT装置の駆動許可の推移を示し、図4(g)に、吸気側VVT装置の実進角値の推移を示し、図4(h)に、排気側VVT装置の実遅角値の推移を示す。ここで、図4(c)において、P2は排気側のVVT装置の駆動開始に必要な吐出圧であり、P1は吸気側のVVT装置の駆動開始に必要な吐出圧である。
図示されるように、時刻t1において図4(a)に示すように、イグニッションスイッチがオン状態とされた後、時刻t2において図4(b)の実線に示すように、エンジン回転速度Neが駆動許可基本条件を成立させる閾値の1つであるエンジン回転速度N2に達し、時刻t4において図4(d)の実線にて示すように、冷却水温THWが駆動許可基本条件を成立させる閾値の1つである冷却水温T2に達すると、図4(e)に示すように、駆動許可基本条件が成立し、吸気側のVVT装置の駆動が許可される。そして、図4(g)の点線にて示す目標進角値への実進角値のフィードバック制御が開始される。そして、時刻t5において図4(c)の実線にて示す油圧ポンプ64の吐出圧が上記吐出圧P1に達すると、吸気側のVVT装置が実際に動作を開始する。そして、時刻t6において図4(g)に示すように、実進角値と目標進角値との偏差が閾値αとなることで、図4(f)に示すように、排気側のVVT装置の駆動が許可される。そして、図4(h)の点線にて示す目標遅角値への実遅角値のフィードバック制御が開始される。
これに対し、前の図3において、ステップS16〜S22の処理を設けない場合には、時刻t7において図4(d)の実線にて示すように、冷却水温THWが駆動許可条件を成立させる閾値の1つである冷却水温T1に達することで、駆動許可条件が成立し、吸気側及び排気側のVVT装置の駆動が許可されることとなる。このように、本実施形態では、機関始動時において、吸気側及び排気側のVVT装置の駆動を速やかに許可することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)駆動許可条件が成立しない状況下であっても、吸気側のVVT装置が実際に動作すると判断されることを条件に、排気側のVVT装置の駆動を許可した。これにより、吸気側及び排気側のVVT装置の双方の駆動を速やかに許可することができ、ひいてはこれらの双方の使用領域を好適に拡大することができる。
(2)駆動許可条件が成立していることを条件に、吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かを判断せずに、吸気側及び排気側のVVT装置の双方の駆動を許可した。これにより、吸気側及び排気側VVT装置の双方の駆動を速やかに許可することができる。
(3)駆動許可基本条件が成立していることを条件に、吸気側のVVT装置の駆動を許可した。これにより、吸気側のVVT装置の信頼性の向上を図りつつも吸気側及び排気側のVVT装置の双方を極力迅速に駆動させることができる。
(4)吸気側及び排気側のVVT装置を油圧駆動式のものとし、これらに供給される作動油の供給源を共通の機関駆動式の油圧ポンプした。これにより、エンジン10の始動時等において、吸気側及び排気側のVVT装置に要求される吐出圧となるまでに時間を要するため、これらの駆動許可が遅れるおそれがある。このため、上記吸気側のVVT装置の動作の確認に基づき双方の駆動を許可する処理の利用価値が特に高い。
(5)吸気側におけるフィードバック制御を実行することで、吸気側のVVT装置の動作を確認した。これにより、吸気側のVVT装置の動作を確認するため、ECU90に特別の駆動処理部を新たに設けることなく、吸気側及び排気側のVVT装置の双方の駆動を速やかに許可することができる。
(6)始動に伴って駆動が可能となるまでの所要時間が長いと想定される方(吸気側)のフィードバック操作量算出手段(吸気側フィードバック制御部B14)を、積分要素を備えることなく構成した。これにより、吸気側のVVT装置の駆動開始を早期に行うことで、吸気側の実進角値と目標進角値とが大きく乖離した状態が生じたとしても、吸気側のVVT装置が実際に駆動可能となった後に実進角値がオーバーシュートすることを回避することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かの判断にあたり、燃焼室20内の圧力変動や、エンジン10の振動等によって、吸気側の実進角値は、駆動を意図していないにもかかわらず、変動する場合がある。また、AD変換時のノイズ等により、誤った実進角値がECU90に入力される場合がある。特に、目標進角値が小さいエンジン10の運転状態にあっては、実進角値と、目標進角値との偏差に基づいて上記判断を行う場合、吸気側のVVT装置の駆動が可能となっていないにもかかわらず、これが動作すると誤って判断されるおそれがある。そこで、本実施形態では、実進角値の動作量に基づいて上記判断を行う。
図5に、本実施形態における吸気側及び排気側のVVT装置の駆動開始処理の手順を示す。この処理は、ECU90によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図5において先の図3に示した処理と同一の処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS24において、吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かを判断する。具体的には、吸気側の実進角値の動作量が閾値β(>0)以上であるか否かで判断する。ここで、上記閾値βは、例えば、燃焼室20内の圧力変動やAD変換時のノイズ等による実進角値の変動幅に基づいて定めればよい。
ステップS24で吸気側のVVT装置が実際に動作すると判断される場合には、ステップS22へ進み、排気側のVVT装置の駆動を許可する。一方、上記ステップS24において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(6)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(7)吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かの判断において、吸気側の実進角値の動作量が閾値β以上であるか否かで判断を行った。これにより、上記判断を高精度に行うことができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、駆動許可基本条件が成立するか否かの判断において、油圧ポンプの吐出圧と相関を有するパラメータとして、エンジン回転速度と、エンジン10の冷却水温とを用いたがこれに限らない。エンジン回転速度や冷却水温に加えて、他のパラメータを用いてもよい。例えば、何らかの事情によって、吸気側のVVT装置の駆動許可をこれらのパラメータだけでは判断できない場合がある。この場合、図3又は図5ステップS16において、エンジン回転速度や冷却水温に加えて、別のパラメータ(例えば、油温)を用いて、駆動許可条件が成立するか否かの判断をしてもよい。
・上記実施形態では、吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かの判断において、吸気側の実進角値と目標進角値との偏差が閾値α(>0)以下であるか否かで上記判断を行ったり、又は吸気側の実進角値の動作量が閾値β(>0)以上であるか否かで判断を行っていたがこれに限らない。例えば吸気側のVVT装置の駆動許可後において、吸気側の目標進角値が最遅角位置から大きく離れるか否かに応じて、これら2つの判断条件を組み合わせて使用してもよい。具体的には、吸気側の目標進角値と最遅角位置との偏差の絶対値をパラメータとし、上記判断条件を変更すればよい。また、上記第1の実施形態において、最遅角位置と目標進角値との差が所定値以下である場合、排気側のVVTの駆動を禁止してもよい。これにより、吸気側の実進角値が最遅角位置に固定されているにもかかわらず、吸気側のVVT装置が動作すると誤って判断されることで、排気側のVVT装置の誤作動を防止することができる。更に、フィードバック操作量や、これに基づき換算される電磁ソレノイドの通電量が所定値以下である場合に、排気側のVVTの駆動を禁止してもよい。
・上記実施形態では、上記判断を、フィードバック制御に伴って吸気側のVVT装置が実際に動作するか否かによって行っていたがこれに限らない。例えば吸気側の実進角値と目標進角値とが一致する場合、吸気側のVVT装置は動作しない。このような場合、吸気側のVVT装置を強制的に動作させる手段を更に備えてもよい。これにより、フィードバック制御により駆動要求が生じる以前に、吸気側VVT装置が実際に動作するか否かを速やかに判断することができる。
・フィードバック操作量を算出する手段としては、実際の制御量(例えば実進角値)と目標制御量(例えば目標進角値)との差の比例微分演算によるものに限らない。例えば比例演算のみによって操作量を算出するものであってもよい。更に、比例積分微分演算を行うものであってもよい。この場合であっても、上記第1の実施形態の(1)〜(5)の効果を得ることはできる。
・上記実施形態では、バルブ特性可変装置を可変バルブタイミング装置としたがこれに限らない。例えば吸気バルブ14及び排気バルブ26のリフト量を可変とするもの(以下、VVTL)であってもよい。この場合であっても、上記各実施形態の要領で、VVTLの使用領域を拡大する上で本発明の適用は有効である。
・上記実施形態では、バルブ特性可変装置を流体駆動式のものとしたがこれに限らない。電動駆動式又は電磁式のバルブ特性可変装置であってもよい。電動駆動式のバルブ特性可変装置のバルブ特性は、バッテリ又は交流発電機から供給される電力によって駆動される電動機によって調節される。また、電磁式のバルブ特性可変装置のバルブ特性は、上記電力によって駆動される電磁コイルによって調節される。この場合、バルブ特性可変装置の構造によって、エンジンの始動に伴って駆動が可能となる所要時間が相違する場合がある。例えば、同じ印加電圧で発生する電磁力が、バルブ特性可変装置の構造によって異なり得るために、内燃機関の暖機に伴って内部部品の摺動による摩擦抵抗が減少していく際に、実際に動作が可能となる所要時間が大きく相違することがある。したがって、このようなバルブ特性可変装置を備えるものであっても本発明の適用は有効である。
・上記実施形態では、吸気側及び排気側に同じ駆動形式のバルブ特性可変装置が用いられることを想定したがこれに限らない。例えば吸気側を電動駆動式のバルブ特性可変装置とし、排気側を油圧駆動式のバルブ特性可変装置としてもよい。
・協働して内燃機関の燃焼制御を行って且つ本発明の適用対象となるアクチュエータとしては、機関バルブのバルブ特性可変装置に限らない。例えばバルブ特性可変装置に加えて、吸入空気量を調節するスロットルバルブを、本発明の適用対象となる複数のアクチュエータとしてもよい。更に、複数アクチュエータとしては、バルブ特性可変装置を含むものに限らない。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態にかかるバルブタイミングのフィードバック制御に関する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかるVVT装置の駆動開始処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかるVVT装置の駆動開始制御態様を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるVVT装置の駆動開始処理の手順を示すフローチャート。
符号の説明
10・・・エンジン、24・・・クランク軸、32・・・吸気側の可変バルブタイミング装置、34・・・排気側の可変バルブタイミング装置、64・・・油圧ポンプ、60、62・・・油圧制御弁、66・・・供給経路、90・・・ECU(可変バルブタイミング装置の駆動開始制御装置の一実施形態)

Claims (8)

  1. 複数のアクチュエータの協働によって内燃機関の燃焼制御を行う内燃機関の制御装置において、
    前記複数のアクチュエータのうち、前記内燃機関の始動に伴って駆動が可能となるまでの所要時間が最も長いと想定されるアクチュエータを駆動する駆動手段と、
    前記アクチュエータの変位を検出する手段の出力に基づき、前記駆動手段による駆動処理に伴って前記最も長いと想定されるアクチュエータが実際に動作するか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により前記アクチュエータが動作すると判断される場合、前記最も長いと想定されるアクチュエータ以外のアクチュエータの駆動を許可する駆動許可手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記複数のアクチュエータは、吸気バルブのバルブ特性を可変とする吸気側バルブ特性可変装置と、排気バルブのバルブ特性を可変とする排気側バルブ特性可変装置とであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記各バルブ特性可変装置は、前記各バルブ特性可変装置に供給される作動流体により駆動される流体駆動式のものであることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記各バルブ特性可変装置に供給される前記作動流体の流体圧又は流体圧と相関を有するパラメータのうち少なくとも一方を検出する流体圧検出手段の出力に基づき前記流体圧が所定値に達すると判断される場合、前記駆動許可手段によらず、前記各バルブ特性可変装置の駆動を許可することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記流体圧検出手段の出力に基づき前記流体圧が前記所定値よりも小さな値に設定される第2の所定値に達すると判断される場合、前記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置の駆動を許可することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の運転状態に基づき前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の目標バルブ特性を設定する目標値設定手段と、
    前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の実バルブ特性を前記目標バルブ特性にフィードバック制御するフィードバック制御手段とを備え、
    前記駆動手段は、前記フィードバック制御手段によるフィードバック制御の開始として前記駆動処理を行うものであり、
    前記判断手段は、前記長いと想定される方のバルブ特性可変装置の実バルブ特性と前記目標バルブ特性との偏差に基づき前記判断を行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記判断手段は、前記所要時間が長いと想定される方のバルブ特性可変装置のバルブ特性の実際の動作量の検出値に基づき前記判断を行うことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記内燃機関の出力軸から供給される回転エネルギにより駆動される機関駆動式のポンプを備え、
    前記各バルブ特性可変装置に供給される作動流体の供給源は共通の前記機関駆動式のポンプであることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017053270A (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 株式会社デンソー 診断装置

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