JP2010010313A - 部品内蔵基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可溶性レジストを用いながら、安定した空洞部を形成できる部品内蔵基板の製造方法を提供する。
【解決手段】キャリア上に複数の電極を形成し、電極間のキャリア上の領域に可溶性レジスト層を形成し、可溶性レジスト層の上に部品が載るようにキャリアの電極に部品を実装する。部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、キャリア上に樹脂層を形成した後、キャリアを樹脂層から剥離する。キャリアを剥離した樹脂層の裏面に可溶性レジスト層が露出するので、この底面側から溶解液を用いて可溶性レジスト層を溶解除去することにより、部品の下面側に空洞部6を形成する。
【選択図】 図10

Description

本発明は部品内蔵基板の製造方法に関するものである。本発明でいう部品内蔵基板とは、樹脂層に部品が内蔵された部品内蔵層を少なくとも一層有する基板を意味し、部品内蔵層を複数有したり、部品内蔵層の上下面に薄層(部品が内蔵されていない層)がビルトアップされた基板も含む。
従来、携帯電話、自動車電話などの無線機器やその他の各種通信機器に、回路部品を樹脂層の中に埋設した部品内蔵層を備えた部品内蔵基板が用いられている。この種の部品内蔵基板の製造方法として、特許文献1には、配線パターンを形成した基板に回路部品を実装した上で、未硬化の樹脂層を回路部品及び基板上に圧着し、樹脂層の内部に回路部品を埋設した後、樹脂層を硬化させ、その後で基板を剥離する方法が提案されている。
絶縁性基板の内部に埋設される回路部品には、半導体集積回路のような集積回路素子のほか、フィルタ、コンデンサのような周辺受動部品もある。ところが、圧電部品や弾性表面波素子のような回路部品は、樹脂層と接触すると特性が変化してしまうため、このような回路部品を樹脂層の内部に埋設することができない。そこで、樹脂層の内部に中空部を形成し、この中空部内に回路部品を配置するようにした部品内蔵基板が求められる。
例えば未硬化状態の樹脂層に予め中空部を設けておく方法があるが、圧着プレス時の樹脂は流動性が高い状態にあるため、中空部が積層圧着時に塞がれたり変形してしまうという問題がある。
中空部を形成する方法として、特許文献2には可溶性レジストを用いる方法が示されている。この方法は、SAW素子等の素子を樹脂封止したパッケージにおいて、基板上の素子上に可溶性レジストを塗布し、その一部を除いて封止用樹脂で覆い、覆われなかった一部から可溶性レジストを溶解除去し、溶解除去によって残された窓部を別の封止用樹脂で覆うことにより、素子の上に中空部を形成する方法である。
しかし、この方法は、可溶性レジストの一部を開口させた状態で封止用樹脂で覆わなければならないため、条件管理が難しく、部品内蔵基板の製造には適用しにくい。また、開口が素子の上側に開口しているため、封止用樹脂の上に再度開口を覆うように別の封止用樹脂を被覆しなければならず、工程数が増え、コスト上昇を招く問題がある。
特開平11−220262号公報 特開平8−139118号公報
そこで、本発明の目的は、可溶性レジストを用いながら、上記のような問題を解決できる部品内蔵基板の製造方法を提供することにある。
本発明の第1実施形態にかかる部品内蔵基板の製造方法は、以下の工程を備える。
A:キャリアを用意し、当該キャリア上に複数の電極を形成する工程、
B:前記電極間のキャリア上の領域に可溶性レジスト層を形成する工程、
C:前記可溶性レジスト層の上に部品が載るようにして前記キャリアの電極に部品を実装する工程、
D:前記部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、前記キャリア上に樹脂層を形成する工程、
E:前記キャリアを樹脂層から剥離する工程、
F:前記キャリアを剥離した樹脂層の裏面から、溶解液を用いて前記可溶性レジスト層を溶解除去する工程。
本発明の第2実施形態にかかる部品内蔵基板の製造方法は、以下の工程を備える。
A:キャリアを用意し、当該キャリア上に複数の電極を形成する工程、
B:前記キャリアの電極に部品を実装する工程、
C:前記実装された部品の周囲に可溶性レジスト層を形成する工程であって、前記可溶性レジスト層の一部が前記キャリア面に達するように形成する工程、
D:前記部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、前記キャリア上に樹脂層を形成する工程、
E:前記キャリアを樹脂層から剥離する工程、
F:前記キャリアを剥離した樹脂層の裏面から、溶解液を用いて前記可溶性レジスト層を溶解除去する工程。
まず第1実施形態について説明する。キャリアを用意し、当該キャリア上に電極を形成する。キャリアとしては、例えば金属板(SUS板など)を使用でき、その上に電極を公知のパターン形成技術を用いて形成できる。次に、電極間のキャリア上の領域に可溶性レジスト層を形成する。可溶性レジストとは、アセトンやアルコール等の溶剤によって簡単に溶解除去できるものがよい。可溶性レジスト層を形成方法としては、例えばスクリーン印刷により形成してもよいし、全面にレジスト層を形成した後、露光でパターンニングし、露光部又は非露光部を除去することで、可溶性レジスト層をパターン形成してもよい。次に、部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、キャリア上に樹脂層を形成する。その樹脂層は、例えば未硬化状態の熱硬化性樹脂層を準備し、これをキャリア上に圧着することにより形成可能である。樹脂層の硬化後、キャリアを樹脂層から剥離すると、樹脂層に全ての部品が転写され、樹脂層の裏面に可溶性レジスト層が露出する。そこで、キャリアを剥離した樹脂層の裏面から、溶解液を用いて可溶性レジスト層を溶解除去すると、部品の底面に空洞部が形成される。部品実装した状態において、部品の底面とキャリアとの隙間は狭いので、部品実装後に部品の周囲に可溶性レジスト層を形成する場合には、部品の底面側にレジスト層が十分に回り込まない可能性があるが、電極間のキャリア上の領域に可溶性レジスト層を事前に形成し、可溶性レジスト層の上に部品の一部が載るようにして部品を実装するため、部品の底面側に簡単に空洞部を形成できる。
第2実施形態では、キャリアの電極に部品を実装した後、実装された部品の周囲に可溶性レジスト層を形成する。その場合、可溶性レジスト層の一部が前記キャリア面に達するように形成する。形成方法としては、例えばディスペンサ等を用いて塗布する方法などを用いることができる。その後、部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、キャリア上に樹脂層を形成し、樹脂層の硬化後、キャリアを樹脂層から剥離すると、樹脂層に全ての部品が転写され、樹脂層の裏面に可溶性レジスト層の一部が露出する。そこで、キャリアを剥離した樹脂層の裏面から、溶解液を用いて可溶性レジスト層を溶解除去すると、部品の周囲に空洞部が形成される。この場合には、第1実施形態と異なり、部品の上面や側面に空洞部を形成することができる。なお、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることで、部品の底面、上面、側面を含む全周に空洞部を形成することもできる。
このように、可溶性レジスト層の除去にあたって、キャリアを剥離した樹脂層の裏面側に可溶性レジスト層が露出しているため、樹脂層の裏面側から溶解液を用いて可溶性レジスト層を簡単に溶解除去できる。そのため、樹脂層の形成に際して一部を開口させた状態で覆う必要がなく、未硬化の樹脂層を圧着するだけで樹脂層を簡単に形成できる。空洞部の形状は、可溶性レジスト層によって一定形状に保持されるので、樹脂層の圧着時に変形することがない。空洞部は樹脂層の裏面側にのみ開口しているので、格別に開口を閉じなくてもよく、あるいは樹脂層の裏面側に別の樹脂層を積層するなどにより、簡単に封止できる。
工程Cにおいて、可溶性レジスト層は部品が電極に固定される部分を除く領域に形成されるのがよい。可溶性レジストを、部品と電極との接合部を含む領域に広く塗布してもよいが、空洞部を形成した際、部品は電極のみで支持されことになり、部品の取付強度が低下する可能性がある。そこで、部品と電極との接合部の周囲を樹脂層で保持しておくために、レジスト層を部品が電極に固定される部分を除く領域に形成するのがよい。
工程Cにおいて、可溶性レジスト層を部品側面に形成するようにしてもよい。すなわち、キャリアに実装された部品の側面に可溶性レジストを塗布すると、レジストはキャリア面にも付着する。樹脂層を形成した後、キャリアを剥離すると、樹脂層の底面側にレジスト層が露出するので、簡単に溶解除去することができる。特に、レジストを部品の側面に塗布することによって、部品の底面側がレジスト層で囲まれ、樹脂層が部品の底面側に入り込まないようにできるので、空洞形成がより簡単になる。
キャリア上に第2の部品を実装するための第2の電極を形成し、第2の電極上に第2の部品を実装し、工程Dにおいて、第2の部品を樹脂層に埋設してもよい。すなわち、樹脂層に内蔵される部品としては、圧電部品のように中空構造が必要な部品もあれば、コンデンサや抵抗などのように樹脂と接触しても特性が変化しない部品もある。このような特性が変化しない部品をキャリア上に実装し、樹脂層の形成時にこの部品を中空構造が必要な部品と同時に埋設すれば、1回の樹脂層形成で複数の部品を内蔵できる。
工程Fの後、樹脂層の裏面に別の樹脂層を積層接着することにより、空洞部を封止する工程を備えるようにしてもよい。前述のように、可溶性レジスト層を溶解除去することにより、樹脂層の裏面側に開口した空洞部が形成されるが、この空洞部は外部と連通しているため、封止する必要が生じることがある。そこで、この部品内蔵基板を多層構造とするため、樹脂層の裏面に別の樹脂層を積層接着した場合、空洞部を簡単に封止できる。別の樹脂層は、例えば未硬化状態で樹脂層の裏面に圧着することにより、簡単に形成できる。別の樹脂層は、部品が内蔵されていない薄層でもよいし、部品が内蔵された樹脂層でもよい。
以上のように、本発明の第1実施形態に係る部品内蔵基板の製造方法によれば、キャリア上の電極間の領域に可溶性レジスト層を形成し、可溶性レジスト層の上に部品が載るようにして部品を実装し、キャリア上に樹脂層を形成した後、キャリアを樹脂層から剥離することにより、樹脂層の裏面に可溶性レジスト層を露出させたので、樹脂層の裏面から溶解液を用いて可溶性レジスト層を簡単に溶解除去でき、部品の底面に空洞部を形成できる。そのため、樹脂層の形成にあたって複雑な条件設定が不要であり、所望形状の空洞部を簡単に形成できる。
また、第2実施形態に係る部品内蔵基板の製造方法によれば、キャリア上の電極に部品を実装した後、実装された部品の周囲に可溶性レジスト層を形成し、キャリア上に樹脂層を形成した後、キャリアを樹脂層から剥離することにより、樹脂層の裏面に可溶性レジスト層を露出させたので、樹脂層の裏面から溶解液を用いて可溶性レジスト層を簡単に溶解除去でき、部品の周囲に空洞部を形成できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1,図2は本発明にかかる部品内蔵基板の第1実施例を示す。この部品内蔵基板Aは、単層構造の樹脂層1を備えている。樹脂層1は、例えば熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂と無機フィラーとの混合物、ガラス繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂組成物等で構成された基板よりなり、その底面には複数の電極2a,2bおよび3a,3bが露出している。これら電極の上にそれぞれ回路部品4,5が実装されており、回路部品4,5は樹脂層1の中に埋設されている。一方の回路部品4は圧電素子や弾性表面波素子などの中空構造が必要な部品であり、その周囲には空洞部(空隙部)6が形成されている。この空洞部6は、回路部品4の周囲を周回状に取り囲んでおり、樹脂層1の底面に開口している。そのため、回路部品4の中央部下面は樹脂層1の底面から露出している。なお、回路部品4の両端部、すなわち電極2a,2bとの接合部分の周囲は樹脂層1によって覆われている。他方の回路部品5はチップコンデンサなどの中空構造が不要な部品であり、樹脂層1の中に隙間なく埋設されている。
次に、前記構成よりなる部品内蔵基板Aの製造方法の一例を、図3〜図8を参照して説明する。ここでは、子基板状態における部品内蔵基板Aの製造方法について説明するが、実際には子基板を複数個集合した集合基板状態で製造し、その後で子基板に分割する。
まず、図3に示すようなキャリア10を準備する。このキャリア10は、例えばSUS板などの薄肉な金属板で形成してもよいし、樹脂フィルムを用いてもよい。キャリア10の上面には中空構造が必要な部品4を実装するための電極2a,2bと、中空構造が不要な部品5を実装するための電極3a,3bとがパターン形成されている。具体的には、キャリア10上に銅箔を貼り、公知の方法でパターン形成すればよい。一方の電極2a,2bの間には、可溶性レジスト層11がパターン形成されている。この可溶性レジストは、後述するアセトンやアルコール等の溶剤によって簡単に溶解除去できるものがよい。可溶性レジスト層11は2つの電極2a,2bの間を横切るように形成され、その長さLを電極2a,2bの幅Dより長くするのがよい。
次に、図4に示すように、電極2a,2bおよび3a,3bの上にそれぞれ回路部品4,5を実装する。実装方法は、はんだ付け、導電性接着剤を用いた実装、バンプを用いたフリップチップ実装、プリコート実装など、如何なる方法でもよい。実装状態において、回路部品4の中央部(電極2a,2bと接合されていない底面)は可溶性レジスト層11の上に載っている。なお、回路部品4,5は2端子型の部品に限らず、3端子以上の多端子の回路部品でもよいことは勿論である。
次に、図5,図6に示すように、回路部品4の上からディスペンサ12などを用いて回路部品4の周囲を取り囲むように液状の可溶性レジスト13を塗布する。つまり、予めキャリア10上に形成された可溶性レジスト層11と連続するように、可溶性レジスト層13を形成する。両レジスト11,13は同じレジストであるため、上方から液状のレジスト13を塗布するだけで両方のレジスト層は自然に密着する。両方のレジスト層11,13によって、回路部品4が周回状に取り囲まれる。なお、回路部品4の周囲全面にレジスト13を塗布してもよいが、樹脂層1による保持強度を高めるためには、回路部品4の電極2a,2bと接合された端子部の周囲にはレジスト13を塗布しない方がよい。
次に、図7に示すように、回路部品4,5及び可溶性レジスト層13を被覆するように、キャリア10上に樹脂層1を形成する。この形成に際し、未硬化状態(例えばBステージ)の熱硬化性樹脂層を準備し、この樹脂層をキャリア10の上に熱圧着すればよい。熱圧着により、樹脂層1が流動して回路部品4,5の周囲を被覆するとともに、キャリア10に密着する。回路部品4の周囲に形成されたレジスト層11,13は、樹脂層1の流動に対して変形することはない。
樹脂層1が硬化した後、図8に示すように、樹脂層1からキャリア10を剥離する。このとき、樹脂層1の裏面に電極2a,2bおよび3a,3bが露出すると共に、電極2a,2bの間に形成された可溶性レジスト層11も露出する。この樹脂層1をレジスト層11,13を溶解できる溶解液の中に浸漬し、レジスト層11,13を溶解除去する。なお、溶解除去方法は浸漬法に限らない。レジスト層11,13を溶解除去することによって、空洞部6が形成され、図1に示す部品内蔵基板Aが得られる。
図9は部品内蔵基板Aを用いて多層化したモジュールBを示す。すなわち、このモジュールBは、樹脂層1の底面側に別の樹脂層20を積層圧着したもので、空洞部6の底面開口部が樹脂層20によって閉じられて中空部となっている。樹脂層20の積層方法は、例えば未硬化状態の樹脂層20を準備し、樹脂層1の底面側に熱圧着することにより積層してもよい。樹脂層20には、底面の電極21,22と樹脂層1の底面の電極2a,3aとを接続するビア23,24が形成され、外部へ引き出されている。図9では、樹脂層20は部品を内蔵しない薄層であるが、部品を内蔵した樹脂層であってもよい。
図10,図11は部品内蔵基板の第2実施例を示す。この部品内蔵基板Cでは、第1実施例における部品4を実装した後の可溶性レジスト13を塗布する工程(図5)を省略したものである。この実施例は、回路部品4がSAW素子のように1面のみに振動面を有する素子の場合に適している。すなわち、図10に示すように、回路部品4の下面の両端部には端子電極4a,4bが形成され、下面中央部にはIDT電極4cが形成されている。端子電極4a,4bはバンプ4d,4eを介して電極2a,2bに接続されている。樹脂層1の底面部には、IDT電極4cを露出させる空洞部6が形成されている。なお、電極2a,2bと端子電極4a,4bの接続部(バンプ4d,4eを含む)は樹脂層1の中に埋設されている。本実施例では、図11に示すように、空洞部6の幅Lが部品4の幅Dより幅広に形成されているため、部品4が電極2a,2bに対して幅方向に多少位置ずれした状態で実装されても、空洞部4が常に部品4の下面(振動面)を覆っており、部品4の振動特性を安定して確保できる。
この実施例の場合には、図3と同様に、電極2a,2bの間の領域に可溶性レジスト層11を塗布形成した後、可溶性レジスト層11に対して部品4の振動面(IDT電極4cを形成した面)が対向するようにして、電極2a,2bに部品4を実装する。その後、部品4及び可溶性レジスト層11を被覆するようにキャリア10の上に樹脂層1を形成し、樹脂層1からキャリア10を剥離すると、樹脂層1の底面側に可溶性レジスト層11が露出する。この可溶性レジスト層11を溶解液により溶解除去することで、空洞部6が部品4の下面(振動面)側にのみ形成される。図11に示すように、部品4の両側面及び上面は樹脂層1でしっかりと固定される。空洞部6の幅Lを部品4の幅Dより幅広に形成する場合には、可溶性レジスト層11の塗布長さLを部品4の幅Dより長くすればよい。
図12〜図14は部品内蔵基板の第4実施例を示す。この部品内蔵基板Dでは、キャリア10の上に部品4を実装した後、可溶性レジスト13を塗布する際に、図14に示すように部品4の側面にのみ塗布し、部品4の上面には塗布しない。その後、キャリア10の上に樹脂層1を形成し、可溶性レジスト層13を溶解除去することで、図13に示すような空洞部6が形成されるが、この空洞部6は部品4の両側部および底面だけである。なお、この実施例の場合には、部品4の両側部が可溶性レジスト層13によって覆われるので、キャリア10に予め可溶性レジスト層11を形成しなくても、部品4の底面側の樹脂層1が回り込むことはなく、部品4の底面側に空洞部を形成できる。
その後、図12に示すように、樹脂層1の上面からレーザー等を用いてビアホール30を形成し、このビアホール30に導電材料を充填することにより、樹脂層1の上面と回路部品4の上面とを電気的に接続してもよい。この実施例は、回路部品4の上面に導電部を有する場合に適している。樹脂層1の上面に電極を形成することにより、ビアホール30を介して上面電極と回路部品4の導電部とを電気的に接続することができる。なお、ビアホール30は、樹脂層1の上面と部品4の上面との間に形成することなく、例えば電極2a,2b、3a,3bと同一面上にビアランド電極を形成しておき、樹脂層1の上面とこのビアランド電極との間をビアホールで接続してもよい。
本発明は前記実施例に限定されるものではない。前記実施例では底面側に開口した空洞部6を有する部品内蔵基板A,C,Dを示したが、これら基板の空洞部を封止せずにそのまま回路基板等に実装してもよい。また、図9では部品内蔵基板Aの底面側に別の樹脂層20を積層して2層構造のモジュールBを提案したが、基板Aの上面側又は樹脂層20の下面側にさらに別の樹脂層を積層して多層構造としてもよい。
前記製造方法では、キャリアの上に予め可溶性レジスト層を形成し、その上に部品を実装し、その上から可溶性レジストを塗布するようにしたが、部品実装前に可溶性レジスト層を形成する必要はなく、部品実装後に可溶性レジストを塗布するだけでもよい。例えば、可溶性レジスト層の一部がキャリア表面に接触するように塗布すれば、この接触部がキャリア剥離によって樹脂層の底面に露出するので、この露出部を介してレジスト層を溶解除去することが可能である。
本発明に係る部品内蔵基板の第1実施例の断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1に示す部品内蔵基板の製造に使用されるキャリアの斜視図である。 キャリアに部品を実装した状態の側面図である。 可溶性レジストを塗布する状態を示す側面図である。 可溶性レジストを塗布した部品の斜視図である。 キャリア上に樹脂層を形成した状態の断面図である。 樹脂層からキャリアを剥離した状態の断面図である。 第1実施例の部品内蔵基板の底面側に別の樹脂層を積層したモジュールの断面図である。 本発明に係る部品内蔵基板の第3実施例の一部拡大断面図である。 図10のXI−XI線断面図である。 本発明に係る部品内蔵基板の第4実施例の断面図である。 図12のXIII−XIII線断面図である。 第4実施例における可溶性レジストを塗布した部品の斜視図である。
符号の説明
A,C,D 部品内蔵基板
1 樹脂層
2a,2b 電極
3a,3b 電極
4 部品(中空構造が必要な部品)
4c IDT電極
5 部品(中空構造が不要な部品)
6 空洞部
10 キャリア
11,13 可溶性レジスト層
20 第2の樹脂層

Claims (6)

  1. 以下の工程を備える部品内蔵基板の製造方法。
    A:キャリアを用意し、当該キャリア上に複数の電極を形成する工程、
    B:前記電極間のキャリア上の領域に可溶性レジスト層を形成する工程、
    C:前記可溶性レジスト層の上に部品が載るようにして前記キャリアの電極に部品を実装する工程、
    D:前記部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、前記キャリア上に樹脂層を形成する工程、
    E:前記キャリアを樹脂層から剥離する工程、
    F:前記キャリアを剥離した樹脂層の裏面から、溶解液を用いて前記可溶性レジスト層を溶解除去する工程。
  2. 以下の工程を備える部品内蔵基板の製造方法。
    A:キャリアを用意し、当該キャリア上に複数の電極を形成する工程、
    B:前記キャリアの電極に部品を実装する工程、
    C:前記実装された部品の周囲に可溶性レジスト層を形成する工程であって、前記可溶性レジスト層の一部が前記キャリア面に達するように形成する工程、
    D:前記部品及び可溶性レジスト層を被覆するように、前記キャリア上に樹脂層を形成する工程、
    E:前記キャリアを樹脂層から剥離する工程、
    F:前記キャリアを剥離した樹脂層の裏面から、溶解液を用いて前記可溶性レジスト層を溶解除去する工程。
  3. 前記工程Cにおいて、前記可溶性レジスト層は前記部品が電極に固定される部分を除く領域に形成される請求項2に記載の部品内蔵基板の製造方法。
  4. 前記工程Cにおいて、前記可溶性レジスト層を前記部品側面に形成する請求項2に記載の部品内蔵基板の製造方法。
  5. 前記キャリア上に第2の部品を実装するための第2の電極を形成し、
    前記第2の電極上に第2の部品を実装し、
    前記工程Dにおいて、前記第2の部品を前記樹脂層に埋設する請求項1乃至4のいずれかに記載の部品内蔵基板の製造方法。
  6. 前記工程Fの後、前記樹脂層の裏面に別の樹脂層を積層接着することにより、前記空洞部を封止する工程を備える請求項1乃至5のいずれかに記載の部品内蔵基板の製造方法。
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