JP2010009690A - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数層光ディスクの再生時にクロストークを低減する光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】光源から出射する光を光ディスクの情報記録面で反射し光検出器に導く光ヘッド装置において、光ディスクから光検出器までの光路中に遮光素子を設ける。遮光素子は、複数の小領域に分割され、対物レンズのレンズシフトの方向にともなって移動できるように遮光領域33a、33bの位置を変えられるように、液晶層と電極を有する各小領域に印加する電圧を独立に制御できるような構成とする。これにより、レンズシフトによって光検出器上に迷光が到達する位置がずれても、迷光と信号光とが重なって到達させないようにできクロストークが低減され、再生精度が安定した光ヘッド装置を提供できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばCD、DVD等の光記録媒体(以下「光ディスク」という。)、とくに複数層の情報記録層を有する複数層光ディスクであるBDやHD−DVDに対して記録再生を行う必要のある光ヘッド装置に関する。
光ディスクには、情報記録層が単層の単層光ディスクと、複数層ある複数層光ディスクとがある。例えば2層の記録層を有する2層光ディスクに対して情報の記録再生を行うとき、光ディスクで反射されて光検出器に戻る戻り光は、光源からの出射光を集光させた所望の情報記録層により反射される光(以下、「信号光」という)のみならず、隣接した情報記録層などにより反射された光(以下、「迷光」という)の影響を受ける。複数層光ディスクの記録再生を行う光ヘッド装置では、このような異なる記録層から反射される光によるクロストーク成分がサーボ信号に影響を与えないような構成にする必要がある。なお、本明細書では、光ディスクに対する記録若しくは再生、または、記録および再生を総称して「記録再生」と表現する。
図16に従来の複数層光ディスクの記録再生を行う光ヘッド装置における2層光ディスク再生時の光路の模式図を示す。2層光ディスクの光入射面から近い層をL1層、遠い層をL2層とする。例えば、L1層を202面として再生時に光検出器に受光される光206に対し、L2層を201面として反射された光204は、その焦点が光206より前方に位置する。一方、L2層を202面として再生時に光検出器に受光される光206に対し、L1層を203面として反射された光205は、その焦点が光206より後方に位置する。
L1層の再生時においてL1層(自層)からの戻り光は、光検出器の検出面上に集光される。L1層を基準として、L2層(他層)より反射された戻り光は、ビーム径が大きく光密度は低いものの光検出器の検出面上に迷光となって照射されて、L1層(自層)からの戻り光と光検出器上で干渉を生じる。情報記録層の層間隔や光源波長の変化により光の干渉条件が変化すると、信号強度が変化して読み取り性能が低下する問題を引き起こす。とくにメインビームとなる0次透過光(以下、直進透過光)およびサブビームとなる±1次回折光を利用する3ビーム法を用いる光ヘッド装置では、サブビームの光量はメインビームに比べて少ないので、迷光の干渉による影響をより受けやすい。
この対策として、例えば特許文献1に示すような光ヘッド装置が提案されている。これは、図17に示すようなホログラム素子210を光路中に配置し、光ディスクからの戻り光の一部を回折するように領域211となる回折格子を設けることで、サブビーム(±1次回折光)が到達する光検出器の領域(位置)に、重なって到達する迷光を低減させるものである。
また、迷光を低減させて光検出器に到達させる他の構成として、光ディスクで反射された戻り光のうち、信号光と迷光とが結ぶ焦点の違いを利用して、信号光の焦点付近に面積および位置が移動する液晶パネルからなる透過領域つまりピンホールを用意し、焦点の合わない迷光を遮断する光ヘッド装置が報告されている(特許文献2)。
特開2005−203090号公報 特開2007−018603号公報
しかしながら、特許文献1に記載のホログラム素子を用いる光ヘッド装置は、迷光成分を低減させるために、回折格子領域211に入射する光を回折させているが、回折格子領域は迷光成分だけでなく、信号光成分も回折させてしまい、光利用効率が低いという問題があった。このため、信号光成分を回折するための領域は小さい方が好ましいが、下記のようなレンズシフトに関する問題もある。
つまり、光ディスクの記録再生の際に、光ヘッド装置の対物レンズは光ディスクのトラッキングを取るために、対物レンズを図示しないアクチュエータにより、光ディスク面に対して平行方向に移動させるレンズシフトをする。このレンズシフトを考慮したとき、特許文献1に記載のホログラム素子が対物レンズと一体に動作すると、回折格子領域211の大きさを最小限にすることができるが、一体としない構成としたときに、レンズシフトによって移動する対物レンズの光軸のずれを考慮して回折格子領域211を広く設定する必要があり、光利用効率が上がらない。また、光ヘッド装置の記録再生における倍速対応を考慮する場合、アクチュエータの駆動性能を向上させるためにホログラム素子を一体化して荷重を加えることは、駆動性能の低下、消費電力の増大を招くので望ましくなく、さらに、光ヘッド装置の薄型化設計をする場合、対物レンズ付近の体積が大きくなるので薄型化が困難という問題があった。
また、引用文献2に記載の光ヘッド装置では、レンズシフト方向に対応して、光ディスクの信号光の集光位置に合わせて、透過領域を設定できるが、信号光がピンホールとなる位置に対して集光しない場合は、ピンホールで信号光も大きく低減させてしまう、という問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、前記光ディスクの情報記録面で反射された信号光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記光ディスクと前記光検出器との間の光路中に少なくとも一つの遮光素子が配置され、前記遮光素子は、光が入射する面において入射する光量に対して前記光検出器の方向に出射する光量の割合で示される透過率を変化させることができる透過率可変領域と、透過率Tの透過率固定領域からなり、前記透過率固定領域の外縁は、前記透過率可変領域の外縁と接しない外側にあるかまたは、前記透過率可変領域の外縁と一部接する外側にあり、前記透過率可変領域は、透過率を独立して変化させることができる複数の小領域に分割され、前記小領域は、電気的に透過率を変化させることができる電気光学材料からなる電気光学材料層および前記電気光学材料に電圧を印加する電極を有し、前記電気光学材料に印加する電圧の大きさを制御する電圧制御装置によって、隣り合う2つの前記小領域の透過率が互いに異なる組合せの数を少なくとも1つ発現させ、前記透過率可変領域のうち透過率が最大となる前記小領域の透過率をTMAXとするとき、T≧TMAXである光ヘッド装置を提供する。
また、前記透過率TMAXより小さい透過率を有する前記小領域からなる1つの閉じた領域を遮光領域とするとき、1つの前記透過率可変領域は、前記遮光領域を1つ含む上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、透過率可変領域を構成する小領域ごとの透過率を可変することができるとともに、透過率可変領域内で遮光領域を電圧制御装置の電圧によって移動させることができるので、レンズシフトにともなって遮光領域の位置を変えることによって光検出器に到達する信号光と迷光との干渉を低減することができる。なお、透過率固定領域は一様な透過率を有するものであるのが好ましいが、これに限らず透過率固定領域内で異なる透過率を示す領域に分割されて構成されていたり、透過率分布を示したりするものであってもよい。透過率固定領域内の透過率が一様ではない場合、透過率固定領域内の透過率の最小値がTに相当するものとする。このときTは、透過率可変領域が取り得る透過率の最大値TMAX以上であるとよい。また、電気光学材料としては低電圧駆動、高速応答の特性を有しかつ、作製の容易性から液晶が好適に用いられるが、液晶に限らず、PLZT、エレクトロクロミックなどであってもよい。
また、前記遮光領域を構成する各小領域が互いに同じ透過率を有する上記に記載の光ヘッド装置を提供する。また、前記遮光領域を構成する各小領域の透過率が実質的に0である上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、光検出器の受光エリアの大きさに合わせて遮光領域を自由に設定でき、また、遮光領域の透過率を実質的に0とすることで、受光エリアの到達する迷光の光量を大きく低減させることができる。
また、前記遮光領域は、前記対物レンズのレンズシフトにともなって、前記遮光素子に入射する前記信号光が前記遮光素子面を移動する方向を第1の方向とするとき、同じ平面形状で前記第1の方向と平行に移動できるように前記小領域の形状が施されて構成される上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、レンズシフトによって透過率可変領域内の遮光領域の位置が変化しても遮光領域の形状は変化しないので、レンズシフトが発生しても、信号光と迷光との干渉を低減する効果を同じものとすることができる。
また、前記遮光領域は前記第1の方向にN個の前記小領域を有し(N≧3の整数)、前記遮光領域のいずれか一方の前記第1の方向の端部に位置する前記小領域を基準として、小領域A、…、小領域A、…、小領域Aとし(2≦X≦N−1、を満たす整数)、N個の前記小領域の透過率をそれぞれT、…、T、…、Tとするとき、1つの前記遮光領域に対して、前記小領域Aのうち最小値となる透過率TMINを示す、M個の小領域からなる1つの閉じた領域である第1の透過率最小領域を1つ有し(1≦M≦N−2、を満たす整数)、前記第1の透過率最小領域と前記第1の方向に隣り合う小領域AXa(1≦Xa≦N−2、を満たす整数)および小領域AXb(3≦Xb≦N、を満たす整数)の透過率TXaおよびTXbはそれぞれ、T≧T≧…≧TXa−1≧TXa、T≧TN−1≧…≧TXb+1≧TXb、となる上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、遮光領域内で透過率の分布を持たせることができるので、遮光領域に入射する迷光の光量が光検出器の受光エリア上で低減されて到達するとともに、透過率がなめらかに変化するので、迷光の回り込みが低減され、より信号光と迷光との干渉が少ない光ヘッド装置を実現することができる。
また、前記遮光素子面において、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向とするとき、全ての前記小領域の外縁のうち第2の方向の最も外側にある端を結ぶ2つの線が前記第1の方向と平行となる上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、レンズシフトに合わせて同じ遮光領域の形状のまま移動させることができるので、レンズシフトに関わらず、光検出器の受光エリア上の信号光と迷光との干渉を同程度に低減することができる。
また、前記小領域は、前記第2の方向にP個のセグメントに分割され(P≧3の整数)、前記小領域のいずれか一方の前記第2の方向の端部に位置する前記セグメントを基準として、セグメントS、…セグメントS、…、セグメントSとし(2≦Y≦P−1、を満たす整数)、P個の前記セグメントの透過率をそれぞれT´、…、T´、…、T´とするとき、1つの前記セグメントに対して、前記セグメントSのうち最小値となる透過率TMIN´を示す、Q個のセグメントからなる1つの閉じた領域である第2の透過率最小領域を1つ有し(1≦Q≦P−2、を満たす整数)、前記第2の透過率最小領域と前記第2の方向に隣り合うセグメントSYa(1≦Ya≦P−2、を満たす整数)およびセグメントSYb(3≦Yb≦P、を満たす整数)の透過率TYa´およびTXb´はそれぞれ、T´≧T´≧…≧TYa−1´≧TYa´、T´≧TP−1´≧…≧TXb+1´≧TXb´、となる上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、レンズシフト方向である第1の方向だけでなく、第2の方向にも透過率の分布を持たせることができるので、光検出器の受光エリアに回り込んで到達する迷光を低減させることができ、より干渉の少ない光ヘッド装置を実現することができる。
また、前記透過率可変領域は、断面が凹凸形状を有する透明材料からなる回折格子と、前記回折格子の少なくとも凹部を埋めるように配される前記電気光学材料として液晶からなる液晶層を有し、前記透明材料の屈折率nは、前記液晶の常光屈折率nおよび異常光屈折率n(n≠n)のいずれか一方に実質的に等しい上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、液晶に印加する電圧によって最大の透過率および最小の透過率を得ることができるとともに、中間の電圧によって透過率を任意に調整することができる。
また、前記屈折率固定領域は、前記透明材料からなる回折格子と、前記回折格子の少なくとも凹部を埋めるように配される前記液晶層を有する上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
この構成により、遮光素子に入射する光の多くは回折されるが、回折される方向に光検出器を配することによって同様に、受光エリア上で信号光と迷光との干渉を低減することができる。これより光ヘッド装置の設計自由度も高くなる。
また、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記信号光を前記光検出器の方向に偏向させるビームスプリッタを有するとともに、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に前記遮光素子が配置され、前記透過率可変領域は、前記液晶層と偏光子とが積層されてなり、前記液晶層の厚さdと液晶の屈折率異方性Δn(=|n−n|)の積からなるリタデーション値Δn・dは、前記信号光の波長をλとするとき、λ/2の奇数倍に実質的に等しく、前記遮光領域は、前記信号光が前記液晶層、次いで前記偏光子の順に入射するように配置された上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
また、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記信号光を前記光検出器の方向に偏向させるビームスプリッタを有するとともに、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に前記遮光素子が配置され、前記透過率可変領域は、前記信号光の波長をλとするとき位相差をλ/4発生させるλ/4板と、前記液晶層と、前記波長λの右回りまたは左回りいずれか一方の円偏光を反射するコレステリック液晶層とが積層されてなり、
前記液晶層の厚さdと液晶の屈折率異方性Δn(=|n−n|)の積からなるリタデーション値Δn・dは、λ/2の奇数倍に実質的に等しく、前記遮光領域は、前記信号光が前記λ/4板、次いで前記液晶層、次いで前記コレステリック液晶層の順に入射するように配置された上記に記載の光ヘッド装置を提供する。
本発明は、従来技術のかかる問題を解決するためになされたものであり、光検出器上に到達する迷光成分を十分に低減する遮光素子を配し、該遮光素子の設置位置に関わらず信号光強度を大きく低下させることなく、複数層光ディスクを記録再生できる効果を有する光ヘッド装置を提供することができるものである。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る光ヘッド装置10の概念的な構成を示す図である。光ヘッド装置10は、所定の波長の光を出射する光源11と、光源11からの光を平行光に変換するコリメータレンズ12aと、コリメータレンズ12aを出射した上記ビームを光ディスク15の方向に透過させるとともに、光ディスク15の情報記録面15aにより反射された信号光を偏向分離して光検出器16に導くビームスプリッタ13と、光源11からの光を光ディスク15の情報記録面15aに集光する対物レンズ14と、信号光を光検出器16に集光するコリメータレンズ12b、上記信号光を検出する光検出器16とを備える。なお、ビームスプリッタ13と対物レンズ14との間の光路中に図示しないλ/4板、コリメータレンズ12bと光検出器16との間の光路中に図示しない非点収差レンズ(シリンドリカルレンズ)を備える。なお、ここでは、1つのビームを用いて光ディスクの記録再生を行う光学系となっているが、これに限らず、光源11とコリメータレンズ12aとの間の光路中に直進透過光と±1次回折光を発現する図示しない回折素子を配置し、1つのメインビームと2つのサブビームによって光ディスクの記録再生を行う3ビーム法を用いるものであってもよい。
本発明の遮光素子は、光源11から光ディスク15までの光路である往路と、光ディスク15から光検出器16までの光路である復路とが共通の光路となる位置や、往路と復路の光路が異なる復路光路中に配置する。図1において、遮光素子17bは、復路のみの光路中に配置し、遮光素子17aは往路/復路共通の光路中に配置する例である。遮光素子は、2つの光路に配置する構成に限らず、いずれか一方の光路にのみ配置してもよい。
光検出器16では、光ディスク15の再生する情報記録面15aに記録された情報の再生信号、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が検出される。なお、光ヘッド装置10は、上記のフォーカスエラー信号に基づいてレンズを光軸方向に制御する図示しないフォーカスサーボと、上記のトラッキングエラー信号に基づいてレンズを光軸にほぼ垂直な方向に制御する図示しないトラッキングサーボとを備える。
光源11は、例えば650nm波長帯の直線偏光の発散光を出射する半導体レーザで構成される。なお、本発明で用いられる光源11は、650nm波長帯の光に限定されず、例えば400nm波長帯の光や780nm波長帯の光、その他の波長帯の光であってもよい。ここで、400nm波長帯、波長650nm波長帯および780nm波長帯は、それぞれ、385nm〜430nm、630nm〜690nmおよび760nm〜800nmの範囲とする。
また、光源11は、2種類または3種類の波長の光を出射する構成としてもよい。かかる構成の光源としては、2個または3個の半導体レーザチップが同一基板上にマウントされた、所謂ハイブリッド型の2波長レーザ光源または3波長レーザ光源や、互いに異なる波長の光を出射する2個または3個の発光点を有するモノリシック型の2波長レーザ光源または3波長レーザ光源でもよい。
図2(a)、図2(b)および図2(c)に第1の実施形態にかかる遮光素子20a、20bおよび20cの模式的平面図を示す。遮光素子20aは、透過率固定領域21aと透過率可変領域22aからなる。透過率固定領域は入射する光を透過するものであり、透過率固定領域に入射する光ディスクからの信号光は直進方向に進行し、光検出器に導かれる。なお、透過率固定領域は、光が入射する面において入射する光量に対して光検出器の方向に出射する光量の割合で示される透過率が一定の値を示す。なお、光が遮光素子に入射する有効領域は、入射する信号光の最大となる光強度に対して10%以上の光強度となる領域とする。透過率固定領域は一様な透過率を示していればよいが、これに限らず透過率固定領域内で分布を有していてもよいが、後述する透過率可変領域が発現する透過率の最大値(TMAX)以上の透過率を有するものである。
透過率可変領域は、入射する光の状態を透過と、回折または反射と、に切り替えられる少なくとも2以上の小領域から構成されている。これらの小領域の形状および面積は、同一のものであっても互いに異なるものであってもよい。透過となる小領域に入射する光は光検出器の方向に直進透過し、回折または反射の状態となる小領域に入射する光は光検出器の方向には進行しない。また、小領域を出射する光が光検出器の方向に進行するときの小領域の状態を総称してオン状態、小領域を出射する光が光検出器とは異なる方向に進行するときの小領域の状態を総称してオフ状態とする。なお、オン状態となる1以上の小領域を総称して透過領域とし、オフ状態となる1以上の小領域を総称して遮光領域とする。
また、遮光素子は、複数層光ディスクの記録再生において、少なくとも1つ以上のオフ状態の小領域を有するようにする。また、2つ以上のオフ状態の小領域を有する場合は、これらの小領域が隣り合うようにすると、後述するようにレンズシフトの方向に合わせるように、遮光領域を移動させることができ、迷光を低減させることができるとともに信号光の光利用効率を高めることができる。
図2(a)に示す遮光素子20aは、遮光素子の外枠を含む透過率固定領域21aと、透過率固定領域21aの外縁の内側にある透過率可変領域22aに分割されるが、このような領域に分割しているとは限らない。例えば、図2(b)に示すように2分割された透過率固定領域21bの間に透過率可変領域22bが挟まれた形状、すなわち透過率可変領域22bの最も外側にある外縁の一部が、透過率固定領域21bの外縁に接していてもよい。図2(b)のように透過率可変領域22bの外縁が透過率固定領域21bの外縁の連続しない2箇所に接して、透過率固定領域が2つに分離される場合も、その2つを合わせて透過率固定領域21bとし、透過率固定領域の外縁は一義的に決定するものとする。図2(c)のような例でも透過率固定領域21cは2つを合わせたものであり、透過率固定領域の外縁は透過率可変領域22cの一部の外縁も含む太線として一義的に決定されるものとする。
次に、透過領域および遮光領域の作用について図3(a)および図3(b)を用いて説明する。例えば、遮光素子30aにおいて、透過率可変領域32aが同一形状および同一面積の8つの小領域が並んで構成され、そのうち並んだ4つのオフ状態にある小領域からなる遮光領域33aを有する。このとき、遮光素子30aは、遮光領域33aが透過率可変領域32aの中心部に位置するが、遮光素子30bは、遮光領域33bは同じ面積のまま透過率可変領域32aの中心部よりずれて位置する。このような機能を有することにより、レンズシフト方向に合わせて遮光領域を移動させることができる。なお、レンズシフトによって、遮光素子において信号光が遮光素子面を移動する方向を第1の方向とする。
具体的に、オン状態およびオフ状態を実現する機構について図4を用いて説明する。透過率可変領域32aを構成する小領域は、それぞれ液晶に電圧を印加することによって入射する光に対する作用を変えることで、それぞれオン状態およびオフ状態を切り替える。このように透過率可変領域32aに電圧を印加する手段として、図示しない電圧制御装置に接続されており、例えば図4(a)に示すように電極部35aにより導電される。このように、電極部35aが透過率固定領域31aおよび透過率可変領域32a内に形成される場合、透過率固定領域および透過領域を透過する光の強度を低下させないように、透明電極であることが好ましい。透明電極としては、ITO(酸化錫ドープ酸化インジウム)膜、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)膜、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)膜などの酸化物透明導電膜が高い透明性と導電率とが得られるため好ましく用いられる。
また、これまで、同一の形状および同一の面積の小領域として長方形のもので例示したが、これに限らず、遮光素子30bに示すように、透過率可変領域32bを構成する小領域が互いに同一の面積ではなくまた、小領域の外縁が曲線を有するものであってもよい。この場合は、小領域33cを共有してレンズシフト方向に遮光領域を移動させることで、遮光領域の形状が同じものになる。また、この場合も同様に、それぞれの小領域に対して電圧を制御するために電極部35bより、図示しない電圧制御装置に接続されている。
また、図4(c)の遮光素子30cに示すような小領域の形状であってもよいが、この場合、少なくともレンズシフトにともなって移動する遮光領域の形状が同じになるようにする。第1の方向に対して平行な線と透過率可変領域の外縁が接する最も外側の線をそれぞれ、線α、線βとする。このとき、第1の方向に同じ遮光領域の形状で移動するためには、少なくともこの線αと線βは各小領域の外縁と接する必要がある。
なお、小領域の第1の方向の幅は、狭いほどレンズシフト量に対して微調整が可能となる。光ヘッド装置内に配する遮光素子の位置などにもよるが、この小領域の第1の方向の幅は、3μm以上あるとよい。また、遮光素子に信号光が入射する領域となる有効領域のうち、透過率固定領域と透過領域の面積の割合が多いほど光検出器上で信号光と迷光とが同じ偏光状態で干渉する光量が少なくなる。一方で、有効領域のうち透過率固定領域と透過領域の面積の割合が少なくなるとS/Nが低下してしまうので、有効領域のうち70%以上の面積を透過率固定領域と透過領域が占める設計とすることが好ましい。したがって、透過率固定領域内の遮光領域は、少なくとも有効領域に対して30%より小さい面積となるようにすることが要求されるとともに、一定の面積で迷光を低減させて受光エリアに到達させるため1%以上となるようにすればよい。また、レンズシフトの程度にもよるが、有効領域に対する透過率可変領域は60%より小さい面積とするとよい。なお、ここでいう有効領域は、各ビーム単位の領域を意味し、3ビーム法の場合には、3個の遮光領域をビーム毎に分けて設けることもでき、その場合には3個の透過率可変領域が完全に分離して設けられてもよいし、3つの透過率可変領域が接していてあたかも1つの透過率可変領域の中に3個の遮光領域が設けられているようになっていてもよい。
また、例えば図4(a)の遮光素子30aに代表される透過率可変領域の第1の方向と、第1の方向と直交する方向(=第2の方向)との幅の比は、レンズシフトに合わせて遮光領域を移動することができるように4:3程度であるとよいが、受光エリアの形状などに合わせて設計するものであってよい。また、3ビーム法の場合、それぞれのビーム(1つのメインビームと2つのサブビーム)に対応するように透過率可変領域を設ける場合と、3つのビームが一つの閉じた透過率可変領域に入るような場合が考えられる。したがって、透過率可変領域の第1の方向の幅と第2の方向の幅の比は、第1の方向の幅を1としたときに、第2の方向の幅は、0.5〜5の範囲であるとよい。
次に、図4(a)に示す遮光素子30aのうち、A−A´の部分の断面模式図を図5に示す。図5は、等方性材料を用いた回折格子に液晶を有する例である。代表的には液晶を用いるが、透過率を印加する電圧によって可変させる材料としては液晶に限らず、PLZT、エレクトロクロミックなどであってもよい。遮光素子30aは、透明基板36a、36bの間に液晶層37を有し、透過率可変領域に相当する部分は、透明基板36aおよび36b上にそれぞれ電極部38a、38bを有する。また、電極部38aは、小領域ごとに独立して電圧を印加できるように小領域の数と同じ数に分割される。さらに、電極部38上には回折格子39が形成される。なお、電極部は回折格子の下面に形成しているが、回折格子の上面に施されてもよく、回折格子は透明基板36aに直接加工されていてもよい。
ここで、液晶層37は、負の誘電異方性の液晶を用いており、その液晶分子の長軸方向は、電圧非印加状態で透明基板面に略垂直となり、電圧印加状態となる小領域に相当する位置の液晶分子は少なくとも透明基板面に略水平となるとともに一様な方向に配向を有するように、図示しない配向膜が形成されている。また、液晶分子が透明基板面に略水平になるときの配向方向は、入射する光の直線偏光の方向と略一致するようにする。なお、電圧非印加状態で、垂直配向とする場合には、ポリイミドなどの樹脂膜やSiOなどの無機膜をラビングした膜またはSiOなどの斜め蒸着膜を形成後に、アミノシランなどの垂直配向処理剤を施せばよい。なお、図5では液晶層37が遮光素子30aの全体に渡っているが、透過率可変領域に相当する部分にのみ液晶層が配されていてもよい。
液晶は光学的に複屈折性を示し、常光屈折率nと異常光屈折率n(≠n)とを有し、屈折率異方性(|n−n|=)Δnを有する。回折格子39を構成する材料は光学的に等方性を示す等方性透明材料であっても複屈折材料であってもよい。等方性透明材料の場合、屈折率をnとするとnはnと略一致する材料とする。また、回折格子39を構成する材料が、液晶層37の液晶とは異なる複屈折性材料(常光屈折率:n´、異常光屈折率:n´)である場合、n´またはn´いずれか一方がnと一致し、nがn´、n´いずれとも一致しない材料であればよい。等方性透明材料としては、各種の無機材料や、感光性樹脂や熱硬化樹脂などの有機材料を用いることができる。無機材料としてはSiO膜(x、yはSiに対するOおよびNの原子数比)、SiO膜、Si膜、Al膜などを用いることができるが、中でもSiO膜が、成膜条件によりx、yを変化させて所望の屈折率に調整可能であり、透明性、耐久性にも優れる点から好ましく用いられる。なお、ここでいう略一致(略等しい)とは、ずれが±10%以内の範囲であるものとし、以下についても同様の範囲とする。
回折格子39は、電圧により波長λで入射する光を回折する状態にできればよく、オフ状態とするためには直進透過光を大きく低減できるように完全回折できればより好ましい。回折格子の断面形状は周期的な凹凸形状を有する矩形状、鋸歯状となるブレーズ形状、そしてブレーズ形状を階段上に近似した擬似ブレーズ形状であってもよい。完全回折させることで直進透過光(0次回折光)を大きく低減させることができる。凹凸形状が矩形状であり、回折格子39を構成する材料が屈折率nを有する等方性透明材料であって、液晶の常光屈折率nと略一致するとき、波長λで入射する光に対して、
|n−n|・d=λ/2 ・・・ (1)
を満たすように設計するとよい。なお、凹凸の1周期分の長さで表される格子ピッチは、狭い方が回折角を大きくすることができるので、直進透過光の進行方向と大きく分離でき遮光の性能を上げることができる。
上記のように(1)式を満たす断面が矩形状の回折格子を形成するとき、0次回折光(直進透過光)の回折効率ηは、波長λの光が入射して回折格子の凸部と凹部との光路差をφとしたとき、
η=cos(π・φ/λ) ・・・ (2)
で表される。
このような構成とすることで、液晶層37に対して電圧非印加状態では、液晶分子が透明基板に略垂直方向となるので屈折率差を発現せずに直進透過する。一方、電圧印加状態では、液晶分子の長手方向と入射する波長λの光の直線偏光方向が略一致するので、回折現象が発現し、ηが略0となる。このように電極部のうち各小領域に印加する電圧の大きさを2点で切り替えることによって、透過率可変領域のうち、透過領域と遮光領域とが得られるように制御することができる。なお、nがnと略一致するとして説明したが、nがnと略一致していてもよい。このとき、電圧非印加状態では回折現象が発現し、電圧印加状態では、光がほぼ透過する。また、これまでは透過率を最大で100%、最小で0%となるような構成として説明したが、透過率変動範囲を狭める場合は、電圧制御の範囲を狭めるかまたは、nとn、nとnいずれとも一致させない構成とすることもできる。
また、例えば、図5に示す遮光素子30aは、電圧印加状態での液晶分子の配向方向がY方向に平行な方向であるとする。この遮光素子30aを光ヘッド装置10の遮光素子17aに配置する場合を考える。このとき、光源11からX方向の直線偏光が入射する場合、電圧非印加状態、電圧印加状態に関わらず遮光素子30aに入射する光は直進透過する。一方、光ディスク15の情報記録面15aで反射された光はY方向の直線偏光となって透明基板36b側から入射する。このとき、電圧印加状態の小領域に相当する液晶分子はY方向に配向されるので回折作用を発現し、直進透過する光の強度が大きく低減する。このように、液晶の偏光特性を利用することによって、往路の光に対して光の強度を低減させることなく透過させ、復路の光に対して遮光領域を有する遮光素子が実現できるので、光ヘッド装置10の遮光素子17aに配置することができ、自由度が高くなる。また、当然ながら遮光素子17bに配置することもできる。
液晶の配向方向は上記に限らず、正の誘電異方性の液晶を用いて電圧非印加時に透明基板に対して略水平に一様な方向に配向されていてもよい。このとき、nがnと略一致していれば電圧非印加状態では回折現象が発現し、電圧印加状態では、光がほぼ透過する。同様に、nがnと略一致していれば、電圧非印加状態では光がほぼ透過し、電圧印加状態では回折現象が発現する。また、以降はとくにことわりがない場合、電圧非印加状態で透過、電圧印加状態で回折現象が発現する遮光素子として説明する。
次に、図6に第1の実施形態にかかる遮光素子を復路の光路に配置したときの光ヘッド装置の光路の模式図を示す。それぞれ、図6(a)と図6(b)は、レンズシフトにより互いに対物レンズの位置が異なるときの光路を示す。光ディスク43は複数の情報記録面43aおよび43bを有し、情報記録面43aの情報を再生するものである。このとき、光ヘッド装置40aでは信号光は41aのように情報記録面43aに集光し、遮光素子46aを透過して光検出器48の図示しない受光エリアに集光されて到達する。一方、集光しない情報記録面43bで反射された光は迷光となり、光検出器48上の受光エリアに光の焦点が合わない状態で到達する。このとき、遮光領域47aに入射する迷光は、回折現象によってその光量を大きく低減して光検出器に到達する。そのため、迷光が低減した光検出器上の領域に信号光が集光することによって干渉を大きく低減することができる。
図6(b)は、光ヘッド装置40bにおいて、図6(a)の光ヘッド装置40aの対物レンズ44aの位置に対してずれる、レンズシフトが発生した状態の対物レンズ44bのときの光路を示す模式図である。このとき、コリメータレンズ45および光検出器の位置は固定であり、遮光素子46aと遮光素子46bとは、同じ位置でいずれも固定されている。ここで、信号光および迷光の中心線(光軸)を一点鎖線で示すが、レンズシフトがない光ヘッド装置40aの場合、光の中心線がコリメータレンズ45の中心を通るが、レンズシフトが発生する光ヘッド装置40bの場合、光の中心線がコリメータレンズ45の中心から変位するので、コリメータレンズ45を透過した光は進行方向を変えて遮光素子46bに入射する。そのため、遮光領域47bを光のずれに合わせて変えることによって、光検出器上48の受光エリアに到達する迷光を有効に低減することができるものである。とくに、迷光の中心線と遮光領域の中心部とを一致させるように制御するとよい。
このような迷光42a、42bは、光学系の光線追跡によって求めることができるので、これらの光の中心を遮光素子の遮光領域の中心にくるように電極部に電圧を印加するなど制御ができる。オン状態またはオフ状態にする小領域の選択は、図示しない電気回路のよって行い、図示しないトラッキングサーボによるレンズシフト量を電気回路に入力し、電気回路の出力として選択された電極に対して電圧を印加する。
次に、図7に光検出器の受光エリアに到達する光の様子を示す平面模式図を示す。ここでは、光検出器上の信号光と迷光との強度分布を示すものであり、受光エリア51に信号光52が集光されているのに対し、迷光53は集光されずに光が広がった状態で到達する。そして、図6の遮光素子46a、46bの遮光領域47a、47bを、光量を低減して透過した迷光54として到達する。このように迷光53に対する迷光54の光強度は大きく低減されるので、受光エリア51に到達する信号光は迷光との干渉を大きく低減することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施形態では、各小領域においてオン状態とオフ状態との2点を切り替える遮光素子について説明したが、第2の実施形態では、オン状態となる電圧とオフ状態となる電圧の中間値となる電圧を利用した遮光素子60の模式図を図8(a)に示す。遮光素子60は、透過率固定領域61と透過率可変領域62からなる。また、1つの透過率可変領域は、1つの閉じた遮光領域64と透過領域65からなり、対物レンズのレンズシフトに応じて各小領域の透過率が変化する。
図8(b)に遮光領域64を拡大した模式図を示す。第2の実施形態における遮光領域は、透過領域65に比べて透過率が低い少なくとも3以上の隣り合う小領域が集合した領域である。ここで、遮光領域64のレンズシフトに相当して移動する方向、つまり第1の方向の端部である小領域67aを小領域A、小領域68aを小領域A、5つの小領域からなる領域66をそれぞれ小領域A〜小領域A、小領域68bを小領域A、そして小領域67bを小領域Aとし、小領域A〜小領域Aの透過率をそれぞれT〜Tとする。このとき遮光領域の中心部に位置する遮光領域64の中でも最も透過率が低い1つ小領域または複数の小領域の集合体を透過率最小領域66とし、透過率最小領域66を構成する小領域A〜小領域Aの透過率TMINに対して第1の方向の端部に近い小領域ほど透過率が高くなるように、小領域ごとに段階的に異なる電圧を印加する。
この構成により、光検出器に導かれる光のうち透過率の高い領域と低い領域の境界が混在することによって生じる強度変調によって発生する、光の回り込み回折(以下、強度変調回折)を低減させることができる。このように透過率分布をなめらかに変化させる構成により透過光の強度変調回折による迷光の回り込み影響を抑制できる。とくにメインビームに比べて信号光の光量が低いサブビームを受光する光検出器での信号光と迷光によるS/Nを大きくすることができ、信号光と迷光との干渉が少ない複数層光ディスクの再生が可能な光ヘッド装置を実現し得る。
また、遮光領域を構成する小領域を一般化して、遮光領域のいずれか一方の第1の方向の端部に位置する小領域を基準として、小領域A、…、小領域A、…、小領域Aとし(2≦X≦N−1、を満たす整数)、N個の小領域の透過率をそれぞれT、…、T、…、Tとする。このとき、1つの遮光領域に対して、小領域Aのうち最小値となる透過率TMINを示す、M個の小領域からなる1つの閉じた領域である第1の透過率最小領域を1つ有するようにする(1≦M≦N−2、を満たす整数)。このようにすると、第1の透過率最小領域と第1の方向に隣り合う小領域AXa(1≦Xa≦N−2、を満たす整数)および小領域AXb(3≦Xb≦N、を満たす整数)の透過率TXaおよびTXbはそれぞれ、
≧T≧…≧TXa−1≧TXa
≧TN−1≧…≧TXb+1≧TXb
となるようにするとよい。
次に小領域ごとの具体的な透過率変化について説明する。第1の方向において透過領域65から小領域A、小領域A、透過率最小領域66の透過率分布を考える。透過領域65の透過率をTMAXとするとき、TMAXから透過率最小領域66の透過率TMINに向かってガウス分布のようになめらかに透過率が変化をしていると強度変調回折が抑制され、信号光と迷光によるS/Nを大きくすることができるので好ましい。本実施形態のように小領域に分割されている場合、このガウス分布に近似させた透過率分布となるように制御することが好ましい。
図9(a)に本実施形態の構成による透過率変化のグラフを示す。X軸は透過領域65と小領域Aとの境界を原点(X=0)として透過率最小領域66へ直線で向かう任意の距離を表し、Y軸はTMAXを正規化(=1)したときの透過率分布を表すものである。例えば、小領域Aと小領域Aの透過率TとTとが同じである場合を考える。実線はガウス分布、点線はTMIN/TMAX=0のときのT/TMAXのガウス近似分布、一点鎖線はTMIN/TMAX=0.1のときのT/TMAXのガウス近似分布、を表す。この近似は、ガウス分布を平均化して計算したものである。この構成のときに、
MIN/TMAX≦0.1
であるとき、
0.3≦T/TMAX≦0.7
の範囲で設計されていると、ガウス分布に近似させることができるので、好ましく、
0.4≦T/TMAX≦0.6
の範囲であるとより好ましい。
また、小領域Aの透過率Tと小領域Aの透過率Tとが異なる(T>T)場合における透過率変化のグラフを図9(b)に示す。なお、小領域Aと小領域Aとの幅が同じとして考える。X軸は透過領域65と小領域Aとの境界を原点(X=0)として透過率最小領域へ直線で向かう任意の距離を表し、Y軸はTMAXを正規化(=1)したときの透過率分布を表すものである。実線はガウス分布、点線はTMIN/TMAX=0のときのT/TMAXのガウス近似分布、一点鎖線はTMIN/TMAX=0.1のときのT/TMAXのガウス近似分布、を表す。この近似は、ガウス分布を平均化して計算したものである。この構成のときに、
MIN/TMAX≦0.1
であるとき、透過率の異なる小領域間での正規化された透過率差の最大値は(T−T)/TMAXの0.6である。したがって、1つの境界を隔てて透過率が異なる小領域の正規化された透過率差を0より大きく0.7以下にすることが好ましく、0より大きく0.6以下であればより好ましい。また、透過領域65から透過率最小領域66の間にある小領域の透過率が段階的に変化するように3以上の小領域が構成されていると、分割数が増加するにつれてこの正規化された透過率差は0.6よりも小さくでき、よりガウス分布の変化に近づく。
(第3の実施の形態)
第3の実施形態では、レンズシフト方向である第1の方向に加え、第1の方向と直交する方向(=第2の方向)における透過率分布を施した遮光素子について説明する。図10に第2の実施形態における小領域と同じ形状の小領域71のみの模式図を示す。第2の実施形態では、第1の方向に透過率分布を施す構成を示したが、本実施形態では、第2の方向にも透過率分布を施すものである。小領域71は、第2の方向に5つのセグメント72a、73a、74、73b、72bが並ぶように分割される。なお、各セグメントは、それぞれ液晶層に印加する電圧を独立に制御できるようにそれぞれ電極が施されてもよいが、以下の構成により小領域71で一つの電極を共有して異なる透過率を実現することができる。
第3の実施形態における遮光領域は、透過率固定領域の透過率Tに比べて透過率が低い少なくとも3以上の隣り合うセグメントが集合した領域である。ここで第2の方向の端部であるセグメント72aをセグメントS、セグメント73aをセグメントS、セグメント74をセグメントS、セグメント73bをセグメントS、そしてセグメント72bをセグメントSとし、セグメントS〜セグメントSの透過率をそれぞれT´〜T´とする。このとき小領域の中心部に位置する小領域71の中でも最も透過率が低いセグメントをセグメント74とし、セグメント74の透過率TMIN´に対して第2の方向の端部に近いセグメントほど透過率を高くするような構成とする。
また、小領域を構成するセグメントを一般化して、小領域は、第2の方向にP個のセグメントに分割され(P≧3の整数)、小領域のいずれか一方の第2の方向の端部に位置するセグメントを基準として、セグメントS、…セグメントS、…、セグメントSとし(2≦Y≦P−1、を満たす整数)、P個の小領域セグメントの透過率をそれぞれT´、…、T´、…、T´とする。このとき、1つのセグメントに対して、セグメントSのうち最小値となる透過率TMIN´を示す、Q個のセグメント小領域からなる1つの閉じた領域である第2の透過率最小領域を1つ有するようにする(1≦Q≦P−2、を満たす整数)。このようにすると、第2の透過率最小領域と第2の方向に隣り合う小領域セグメントSYa(1≦Ya≦P−2、を満たす整数)および小領域セグメントSYb(3≦Yb≦P、を満たす整数)の透過率TYa´およびTXb´はそれぞれ、
´≧T´≧…≧TYa−1´≧TYa´、
´≧TP−1´≧…≧TXb+1´≧TXb´、
となるようにするとよい。
図10(b)にセグメント73aおよびセグメント74を拡大した平面模式図を示す。なお、液晶は第1の実施形態と同じように電圧非印加状態で透明基板面に垂直、電圧印加状態で液晶分子の長軸方向が回折格子の長手方向に向くように配向される回折格子である。このように各セグメントには回折格子が形成され、凸部75aおよび凹部75bからなる。このとき、光は第2の方向と平行する直線偏光で入射し、いずれのセグメントも電圧印加時の液晶分子の配向方向は回折格子の長手方向となるように設計されているものとする。ここで、図10(b)のピッチPに対する凸部の幅Vの比をDuty比(V/P)とし、セグメント74のDuty比が0.5、セグメント73aのDuty比が0.5と異なる値となるように設計する。なお、各セグメントの第2の方向の幅は1μm以上あればよい。
図10(c)にDuty比(V/P)に対する0次回折効率(直進透過効率)ηの関係を示す。なお、このときの回折格子の高さdは、凹部と凸部とを透過する波長λの光の位相差がπの奇数倍に略等しくなるように設計し、Duty比0.5でηが最小となるようにする。そして、凸部の幅VをDuty比が0.5から0に近づけるように変化させると、ηの値は次第に高くなる。この関係を利用してV/Pを決めることによって容易にηを調整できる。また、凸部の幅をVとして説明したが、凹部の幅をVとしても同じ特性を得ることができる。このとき、第2の方向と平行する直線偏光が入射するとき、セグメント74では透過率TMIN´を小さくすることができるが、同じ電圧をセグメント73aに印加すると、図10(c)に示す特性を利用して完全回折しないように調整できるため、透過率T´は透過率T´(=TMIN´)よりも大きくすることができる。
このように回折格子のDuty比をセグメントごとに変化させることによって、1つの小領域に同じ電圧を印加した場合でも第2の方向において透過率の分布を持たせることができるので、強度変調回折を低減することができる。また、セグメントごとの透過率を変化させる方法はDuty比の変化に限らない。例えば、小領域71で全て同じDuty比0.5を有し、セグメントごとに凸部の高さを変えて調整してもよい。この他に、同じDuty比0.5、および同じ凸部の高さを有するが、セグメントごとに回折格子の長手方向と入射する光の偏光方向とがなす角度を変化させるものであってもよい。なお、セグメントごとの透過率変化の考え方は、第2の実施形態と同じようにガウス分布に基づくものである。このように、透過率固定領域TからTMIN´に向かってガウス分布のようになめらかに透過率が変化をしていると強度変調回折が抑制され、信号光と迷光によるS/Nを大きくすることができるので好ましい。
(第4の実施の形態)
図11(a)に第4の実施形態にかかる遮光素子80の断面模式図を示す。なお、遮光素子80の平面模式図は、第1の実施形態における図4(a)の遮光素子30aと同様のものであって、図4(a)のA−A´の断面に相当するものとする。また、第1〜第3の実施形態では光の入射する方向は、いずれの透明基板面方向からでもよいが、第4の実施形態にかかる遮光素子80は、光がZ方向に進行する、つまり透明基板81a側から光が入射するものとする。遮光素子80は、電極部83、84を有する液晶層82と、偏光子85とが光が入射する順番に配置されて構成される。
図11(b)および図11(c)は、例として遮光素子80にX方向の直線偏光で入射する光の偏光状態を示す模式図である。また、液晶層82aおよび液晶層82bは、便宜的に遮光領域を取り出して示したものであり、電圧印加に対する液晶の状態は第1の実施形態と同じ垂直配向のもの、つまり電圧非印加状態で液晶分子が透明基板に略垂直であるが、電圧印加状態で液晶分子がX−Y平面においてY方向に対して45°の角度をなして配向されるものとする。また、液晶層82は、液晶の屈折率異方性Δnと液晶層の厚さdとの乗算で求められるリタデーション値(=Δn・d)が波長λの光に対して、(2m+1)・λ/2のとなるように設計されているものとする(mは自然数)。つまり波長λの光に対してλ/2板として機能する状態を有する電圧の状態を取るようにする。また、上記は透過率を最大で100%、最小で0%となるような構成として説明したが、透過率変動範囲を狭める場合は、電圧制御の範囲を狭めるかまたは、リタデーション値が(2m+1)λ/2と一致させない構成とすることもできる。
図11(b)は、電圧印加状態の液晶層82aに対する偏光状態であり、図11(c)は、電圧非印加状態の液晶層82bに対する偏光状態を示すものである。電圧印加状態では、遮光領域はλ/2板の機能となるので、X方向の直線偏光はY方向の直線偏光で出射する。そして、X方向の直線偏光のみ透過する偏光子85に、Y方向の直線偏光が入射しても光は透過しない。一方、電圧非印加状態では、X方向の直線偏光のまま液晶層82bを透過するので、偏光子85も光は透過する。このように電圧の状態を制御することによって、回折とは異なる方法でオフ状態の機能を実現することができる。
液晶層の液晶は、これに限らず電圧非印加状態でX−Y平面と略水平となるとともに、電圧印加状態で透明基板に略垂直となる特性を有するものであってもよく、電圧非印加状態で液晶がツイストしており、入射する光が旋光するものであってもよい。なお、遮光素子60は、光が入射する順が特定されるので、光ヘッド装置10において、遮光素子17bの位置つまり復路の光路中のみに配置することができる。なお、遮光素子80においても、遮光領域を構成する小領域ごとに透過率を分布させることで、第3の実施形態と同様に強度変調回折を抑制することができる。また、偏光子85が回折格子から構成される場合、回折格子の長手方向を調整することによって第2の方向の透過率分布も調整することができる。なお、偏光子としては、偏光回折格子を有する偏光子に限定されず、他の構成を有する偏光子を用いてもよい。例えば、吸収型偏光子、構造複屈折型偏光子、金属ワイヤーグリッド型偏光子などを用いることができる。
(第5の実施の形態)
図12(a)に第5の実施形態にかかる遮光素子90の断面模式図を示す。なお、遮光素子90の平面模式図は、第1の実施形態における図4(a)の遮光素子30aと同様のものであって、図4(a)のA−A´の断面に相当するものとする。また、第4の実施形態と同様に、遮光素子90は、光がZ方向に進行する、つまり透明基板71a側から光が入射するものとする。遮光素子90は、λ/4板92、電極部93、94を有する液晶層95と、コレステリック相液晶層96とが光が入射する順番に配置されて構成される。
コレステリック相液晶は、入射光の波長λが螺旋ピッチPとコレステリック相液晶の屈折率nとの積と同程度の場合、螺旋軸方向と平行に入射する光のうち、液晶分子のねじれ方向と同じ回転方向となる円偏光がほぼ反射され、逆向きの回転方向となる円偏光はほぼ透過する円偏光依存性を有する。この反射特性を示す波長帯域の中心波長λ(以下、選択反射波長という)は、螺旋ピッチをP、液晶の常光屈折率をn、異常光屈折率をnとすると(3)式の関係で示される。また、反射帯域幅Δλは、(4)式の関係で示される。また、以下(λ±Δλ/2)を反射波長帯域と定義する。
Figure 2010009690
このことから、反射波長帯域の光が、液晶分子の螺旋軸方向と平行する方向に進行し液晶分子のねじれ方向と同じ回転方向となる円偏光である場合、コレステリック相高分子液晶層96は反射膜として作用する。反射波長帯域の反射率は、コレステリック相高分子液晶層96内部の螺旋ピッチ数に依存する。螺旋ピッチ数は液晶分子の回転数で表す。10回転を超える螺旋ピッチ数では膜厚に依存せず反射波長帯域でほぼ一様に高い反射率を示す。
図12(b)および図12(c)に例として遮光素子90にX方向の直線偏光で入射する光の偏光状態の模式図を示す。また、液晶層95は第4の実施形態にかかる遮光素子80の液晶層82と同様にλ/2板の機能を有する。ここで、図12(b)は、電圧印加状態の液晶層95aに対する偏光状態であり、図12(c)は、電圧非印加状態の液晶層95bに対する偏光状態を示すものである。電圧印加状態では、X方向の直線偏光で入射した光がλ/4板で右回りの円偏光となり、λ/2板の機能を有する液晶層95aを透過すると左回りの円偏光となる。このときコレステリック相液晶層は左回りの円偏光を反射する機能を有するので、光は透過されず反射される。一方、電圧非印加状態では、右回りの円偏光のまま液晶層95bを透過するので、コレステリック相液晶層96も光は透過する。このように電圧の状態を制御することによって、回折とは異なる方法でオフ状態の機能を実現することができる。なお、λ/4板92は、厚さを調整することで3λ/4板とすると左回りの円偏光として出射させることができ、オン状態とオフ状態のときの電圧の制御を逆にすることもできる。
液晶層の液晶は、これに限らず電圧非印加状態でX−Y平面と略水平となるとともに、電圧印加状態で透明基板に略垂直となる特性を有するものであってもよい。なお、遮光素子90は、光が入射する順が特定されるので、光ヘッド装置10において、遮光素子17bの位置つまり復路の光路中のみに配置することができる。なお、遮光素子90にY方向の直線偏光が入射する場合は、右回りの円偏光を反射するコレステリック相液晶層とすることで同じ機能を実現することができる。また、コレステリック液晶層96は右回りの円偏光を透過(左回り円偏光反射)する機能に限らず、左回りの円偏光を透過(右回りの円偏光反射)する機能であってもよい。なお、遮光素子90においても、遮光領域を構成する小領域ごとに透過率を分布させることで、第3の実施形態と同様に強度変調回折を抑制することができる。
(第6の実施の形態)
図13に第6の実施形態にかかる遮光素子100の断面模式図を示す。なお、遮光素子100の平面模式図は、第1の実施形態における図4(a)の遮光素子30aと同様のものであって、図4(a)のA−A´の断面に相当するものとする。これまでは、光ディスク15の情報記録面15aから反射された信号光が直進透過して光検出器16に到達させる光学系について説明したが、これに限らず、回折させた光を光検出器に到達させてもよい。遮光素子100は、透明基板101a、101bの間に液晶層102を有し、透過率可変領域に相当する部分は、透明基板101aおよび101b上にそれぞれ電極部103a、103bを有する。また、電極部103aは、小領域ごとに独立して電圧を印加できるように小領域の数と同じ数に分割される。さらに、透明基板101a上に一様な長手方向となる回折格子104を有する。
回折格子104の断面の周期的凹凸形状は、矩形状、ブレーズ形状または擬似ブレーズ形状であってもよい。例えば、+1次回折光の光量を大きくして+1次回折方向に光検出器16の受光エリアを有するものであってもよい。この他に、矩形状の回折格子とし、回折光を利用する他の例として、±1次回折光のいずれも受光させて、各種エラーを検出させたり、0次回折光(直進透過光)も利用させたりしてもよい。その場合、回折格子104は、透過率可変領域にのみではなく透過率固定領域を含む遮光素子全体に配するようにする。また、遮光素子100は、遮光素子30aと同様に液晶は偏光性を有しているので、光ヘッド装置の往路と復路とが共通する遮光素子17aに配置することもできる。さらに、回折光を利用して光検出器16に到達させる光学系の場合、偏光ビームスプリッタ13の機能も併せて有することができるので、独立して偏光ビームスプリッタ13を配置しない構成とすることもでき、光ヘッド装置の小型化が実現できる。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態は、3ビーム法を用いる光ヘッド装置用の遮光素子について説明する。図14(a)は、第7の実施形態にかかる遮光素子110を示す平面模式図である。遮光素子110は透過率固定領域111と透過率可変領域112a、112b、112cからなる。透過率可変領域112a、112b、112cは、第1の実施形態の透過率可変領域32aと同じ複数の小領域からなり、それが3つのビーム、つまり、1つのメインビームと2つのサブビームに対応しているものである。受光エリアの構成にもよるが、透過率可変領域は3ビームに対応して分離されて構成していてもよく、一体化されていてもよい。ただし、対物レンズのレンズシフトの方向に遮光領域が同じ形状で移動できるような小領域の構成とする。また、3つのビームに対応して透過率可変領域を設けた構成を示したが、比較的、迷光との干渉の影響が大きい2つのサブビームのみに対応して透過率可変領域を設けてもよい。
図14(b)に遮光素子110を出射した光が光検出器16の受光エリアに到達する様子を表す平面模式図を示す。ここでは、光検出器上の信号光と迷光との強度分布を示すものであり、受光エリア123a、123b、123cにそれぞれ信号光124a(メインビーム)、124b、124c(いずれもサブビーム)が集光されているのに対し、透過率固定領域111を出射した迷光121は集光されずに光が広がった状態で到達する。そして、遮光素子110の透過率可変領域112a、112b、112cの少なくとも一部である遮光領域を、光量を低減して透過した迷光122a、122b、122cとして到達する。このように迷光121に対する迷光122a、122b、122cの光強度は大きく低減されるので、受光エリア123a、123b、123cに到達する信号光は迷光との干渉を大きく低減することができる。
3ビーム法を利用する光ヘッド装置に遮光素子を配置する場合、第7の実施形態のように3つの透過率可変領域を設けることで信号光と迷光との干渉を低減する効果が得られる。また、第2〜第6の実施形態にかかる遮光素子の構成を基本として3ビーム用に適用することができる。なお、3ビーム法の場合、レンズシフト方向と3ビームの並ぶ方向はほぼ直交するので、遮光領域が移動する方向は3ビームの並ぶ方向と直交する方向となるようにするとよい。
(実施例1)
第1の実施形態にかかる遮光素子30aの作製方法を、図5を用いて説明する。透明基板36a、36bとして石英ガラス基板を洗浄乾燥後、それぞれの石英ガラス基板の一方の面をスパッタ法によって酸化インジウム錫(ITO)を成膜する。フォトリソグラフィ、エッチング加工によって、透明基板36aを2分する中心線を基準として、中心線と直交する方向に幅が約50μmの電極パターンを両側に10本ずつ作製する。また隣り合う電極間は約3μmのギャップ幅を有し、短絡を防ぐように作製される。なお、ギャップ幅を3μmと小さくすることで、ギャップ付近の液晶分子の配向による透過率の低下は無視できる程度に小さくすることができる。このようにして、20の小領域からなる約1.06mm幅の透過率可変領域に相当する電極部を形成する。透明基板36bに相当する石英ガラス基板面にもITOを成膜し、同様の方法で、幅約1.06mmの電極部(ベタ電極)を作製し、互いの石英ガラス基板のITO側を対向させたときに互いの電極部が重なるようにする。
電極部38aとなるITOを成膜した面に、SiOを405nmの波長の光に対する屈折率が1.5となるように調整して、厚さ約2μmとなるように成膜する。そして、フォトリソグラフィ、エッチング加工によって格子ピッチ約2μm、高さ約2μmとなる断面が矩形状の回折格子を作製する。また、回折格子39が形成される領域は、透過率可変領域に相当し、透過率可変領域の平面形状である約1.06mm×約0.6mmの長方形状に形成される。このように、長方形状となる領域の短辺は幅約50μmの電極パターンの端部と一致させ、長方形の対角線の交点と遮光素子の中心が一致するようにする。
次に、電極部38a、38bとなるITOを施した面にポリイミドを塗布し、回折格子39の長手方向に平行な方向(Y方向)にラビング処理を行い、それぞれ垂直配向処理剤となるアミノシランを塗布して図示しない配向膜を形成する。このように形成した2枚の石英ガラス基板を電極部38a、38bが対向するように重ね合わせて周辺をシールする。このとき、2つの石英ガラス基板で互いにラビング方向が平行となるようにして直径約5μmの図示しないスペーサを10個/mmで散布し、一定の厚さとなる空隙を有するセルを作製する。この空隙に405nmの波長の光において常光屈折率(n)が1.5、異常光屈折率(n)が1.6となる液晶を注入する。
このようにして作製した遮光素子を、図1の光ヘッド装置10の遮光素子17aに配置するとともに、往路の光が図5の遮光素子30aのX方向の直線偏光となるように設置する。なお、電圧制御によって電圧印加状態、電圧非印加状態の2値を取る図3に示すような遮光領域を有する遮光素子とする。このとき、往路の光は電圧印加状態、電圧非印加状態に関わらずほぼ透過し、光ディスク15の情報記録面15aを反射してY方向の直線偏光で入射する復路の光に対して、電圧印加状態の小領域に相当する遮光領域では回折現象が発現し、部分的に直進透過光を大きく低減できる遮光素子が得られるとともに、光検出器16上で信号光と迷光との干渉が低減された光ヘッド装置が実現できる。
(実施例2)
第3の実施形態にかかる遮光素子として、小領域71の各セグメントの構成を、図10(b)を用いて説明する。作製方法は、実施例1で示した作製方法と同じであって、凸部の高さは実施例1と同様に2μmで、格子ピッチは25μmとし、セグメントごとに作製する回折格子のDuty比が異なるものである。また、図15は、実施例2における遮光領域の透過率分布について模式的に示した図である。図15(a)は、第1の方向に小領域が分割してなるが、ここでは遮光領域131に相当する小領域を示すとともに、便宜的に隣り合う小領域の透過率が異なる小領域の境界を示す。遮光領域131の第1の方向の両端部から幅が約50μmでそれぞれ3つの小領域を有し、中心部の小領域の集合体である第1の透過率最小領域の第1の方向の幅を約633μmとする(ギャップ幅=3μm)。また、図15(a)は、第2の方向に延びる各小領域において、7つのセグメントに分割される。遮光領域131の第2の方向の両端部から幅が約50μmでそれぞれ3つのセグメントを有し、中心部のセグメントの第2の方向の幅を約633μmとする。
また、図15(a)の第1の方向および第2の方向に透過率の分布を持たせるような電圧の設定および回折格子の加工を施す。具体的に、小領域は液晶に印加する電圧を調整し、同じ位相の波長λの光が入射して回折格子の凸部を出射する光と凹部を出射する光との位相差(=2πΔn/λ)[rad]がそれぞれ、遮光領域の端部から0.10π、0.25π、0.40π、0.50πとなるように各電極に印加する電圧を調整する。また、セグメントは、遮光領域の端部より、Duty比が0.025、0.146、0.342、0.5となるように加工する。
上記のように設定したとき、図15(a)の点線で囲った領域のそれぞれの透過率を図15(b)に示す。遮光領域の中心部ほど透過率が小さくなり、中心部の透過率は略0とする。また、遮光領域より外側に位置する光が入射する透過領域、透過率固定領域はいずれも透過率は1とする。このとき、遮光領域131の中心と入射する光の中心が一致し、入射する光の有効領域が4mmφとする。ここで、光検出器の受光エリアとなる領域に到達する信号光と迷光との重なりを次の式を用いて評価する。
I=∫I・IdS
は信号光の強度、Iは迷光の強度を示し、この積を面積で積分することによってIを導き出す。すなわち、Iの値が大きいほど信号光と迷光とが重なって受光エリアに到達する光量が多く、干渉の影響を受けやすい。1つビームの受光エリアについて評価したところ、Iの値は、遮光素子を設置しない場合を100%としたときに対して4.7%となる。なお、図示しないが、透過率分布がなく750μm×750μmの正方形の遮光領域の透過率が一様に略0、その他の透過領域および透過率固定領域が1であるとき、Iの値は8.5%となる。
このように遮光領域をレンズシフトに合わせて移動できる遮光素子とすることで光検出器上に到達する迷光を有効に低減させることができ、さらに遮光領域の端部より透過率の分布を有する構成とすることでより迷光を低減させることができる。
(実施例3)
第4の実施形態にかかる遮光素子80の作製方法を、図11(a)を用いて説明する。透明基板81a、81bとして石英ガラス基板を洗浄乾燥後、実施例1と同様にITOを成膜し、フォトリソグラフィ、エッチング加工によって、透明基板81aを2分する中心線を基準として、中心線と直交する方向に幅が約50μmの電極パターンを両側に10本ずつ作製する。また隣り合う電極間は約3μmのギャップ幅を有し、短絡を防ぐように作製される。実施例1と同様の方法で、透明基板81bとなる石英ガラス基板面に幅約1.06mmの電極部(ベタ電極)を作製し、互いの石英ガラス基板のITO側を対向させたときに互いの電極部が重なるようにする。
次に、電極部83、84となるITOを施した面にポリイミドを塗布し、平面上で一つの方向にラビング処理を行い、それぞれ垂直配向処理剤となるアミノシランを塗布して図示しない配向膜を形成する。なお、ラビング方向は、後述する偏光子の光の透過方向または遮断方向に対して45°の角度をなす方向とする。このように形成した2枚の石英ガラス基板を電極部83、84が対向するように重ね合わせて周辺をシールする。このとき、2つの石英ガラス基板で互いにラビング方向が平行となるようにして直径約5μmの図示しないスペーサを10個/mmで散布し、一定の厚さとなる空隙を有するセルを作製する。この空隙に405nmの波長の光において常光屈折率(n)が1.5、異常光屈折率(n)が1.6となる液晶を注入する。
次に、回折格子形状を有する偏光子85の作製方法を説明する。透明基板81cとなる石英ガラス基板を洗浄乾燥後、波長405nmの光に対する常光屈折率nが1.55、異常光屈折率nが1.65の液晶を配して紫外線照射して厚さ約2μmの高分子液晶を形成する。フォトリソグラフィ、エッチング加工によって、断面が周期的な矩形状の凹凸を有する回折格子と作製する。このとき、凹凸の高さが2μm、格子ピッチが約2μmの回折格子を得る。そして、波長405nmの光に対する屈折率が1.55となる図示しない接着剤によって凹凸部と透明基板61bとを接着する。このとき、偏光子85の回折格子の長手方向と液晶層82の配向膜のラビング方向とが45°の角度をなすように接着して遮光素子80を得る。
このようにして作製した遮光素子80を、図1の光ヘッド装置10の遮光素子17bに配置する。このとき、光が透明基板81a側から入射するとともに偏光子85の回折格子の長手方向と直交する方向と、入射する直線偏光の方向とが一致するように設置する。このとき、光ディスク15の情報記録面15aを反射して、偏光子85を構成する回折格子の長手方向と直交する方向の直線偏光で入射する光に対して、電圧印加状態の小領域に相当する遮光領域では、まず液晶層82でλ/2板の機能を発現するので、偏光子85を構成する回折格子の長手方向の直線偏光に変調し、偏光子65で回折現象が発現するので、部分的に直進透過光を大きく低減できる遮光素子が得られるとともに、光検出器16上で信号光と迷光との干渉が低減された光ヘッド装置が実現できる。
以上のように、本発明にかかる光ヘッド装置は、多層光ディスクから反射されて光検出器までの光路中に遮光素子を配置することで、光検出器の受光エリアに信号光と複数層光ディスクによって発現する迷光とが重なって到達しても、干渉を低減させることができ、エラー信号生成の品質の低下を抑制することができる。さらに、対物レンズのレンズシフトが発生しても有効に干渉を低減させる制御ができる。このように、信号光とのクロストークによる影響を低減でき有用である。
光ヘッド装置の概念的構成図 遮光素子の平面模式図 遮光素子のレンズシフトによる遮光領域の移動の様子を示す模式図 遮光素子を構成する透過率可変領域を示す平面模式図 第1の実施形態にかかる遮光素子の断面模式図 対物レンズのレンズシフトが発生したときの迷光、信号光の光路を示す模式図 光検出器上に到達する迷光、信号光を示す平面模式図 遮光領域を構成する各小領域の透過率を変化させた遮光素子の平面模式図 透過率が最大となる領域から透過率最小領域に渡る透過率分布図 小領域の透過率分布を設けるセグメント構成の平面模式図およびDuty比に対する0次回折効率の特性を示すグラフ 第4の実施形態にかかる遮光素子の断面模式図および入射光の変調状態を示す模式図 第5の実施形態にかかる遮光素子の断面模式図および入射光の変調状態を示す模式図 第6の実施形態にかかる遮光素子の断面模式図 第7の実施形態にかかる遮光素子の平面模式図および光検出器上に到達する迷光、信号光を示す平面模式図 実施例2にかかる遮光領域および透過率の分布を示す模式図 2層光ディスク再生時の光路模式図 従来のホログラム素子の平面模式図
符号の説明
10、40a、40b 光ヘッド装置
11 光源
12a、12b、45 コリメータレンズ
13 ビームスプリッタ
14、44a、44b 対物レンズ
15、43 光ディスク
15a、43a、43b 情報記録面
16、48 光検出器
17a、17b、20a、20b、20c、30a、30b、30c、46a、46b、60、80、90、100、110 遮光素子
21a、21b、21c、31a、31b、31c、61、111 固定透過率領域
22a、22b、22c、32a、32b、32c、62、112a、112b、112c 可変透過率領域
33a、33b、47a、47b、64、131 遮光領域
33c、67a、67b、68a、68b、71 小領域
34a、34b、65 透過領域
35a、35b、38a、38b、83、84、93、94、103a、103b 電極部
36a、36b、81a、81b、81c、91a、91b、91c、91d、101a、101b 透明基板
37、82、82a、82b、95、95a、95b、102 液晶層
39、104、211 回折格子
41a、41b、52、124a、124b、124c 信号光
42a、42b、53、121 迷光
51、123a、123b、123c 受光エリア
54、122a、122b、122c 迷光の光量が低減されて到達する領域
66 透過率最小領域
72a、72b、73a、73b、74 セグメント
75a 回折格子の凸部
75b 回折格子の凹部
85 偏光子
92 λ/4板
96 コレステリック相液晶層
131 透過率の分布を示す領域
201、202、203 光ディスクの層
204、205、206 光ディスクから反射される光
210 ホログラム素子
212 回折格子が無い領域

Claims (12)

  1. 光源と、
    前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、前記光ディスクの情報記録面で反射された信号光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、
    前記光ディスクと前記光検出器との間の光路中に少なくとも一つの遮光素子が配置され、
    前記遮光素子は、光が入射する面において入射する光量に対して前記光検出器の方向に出射する光量の割合で示される透過率を変化させることができる透過率可変領域と、透過率Tの透過率固定領域からなり、
    前記透過率固定領域の外縁は、前記透過率可変領域の外縁と接しない外側にあるかまたは、前記透過率可変領域の外縁と一部接する外側にあり、
    前記透過率可変領域は、透過率を独立して変化させることができる複数の小領域に分割され、
    前記小領域は、電気的に透過率を変化させることができる電気光学材料からなる電気光学材料層および前記電気光学材料に電圧を印加する電極を有し、
    前記電気光学材料に印加する電圧の大きさを制御する電圧制御装置によって、隣り合う2つの前記小領域の透過率が互いに異なる組合せの数を少なくとも1つ発現させ、
    前記透過率可変領域のうち透過率が最大となる前記小領域の透過率をTMAXとするとき、T≧TMAXである光ヘッド装置。
  2. 前記透過率TMAXより小さい透過率を有する前記小領域からなる1つの閉じた領域を遮光領域とするとき、1つの前記透過率可変領域は、前記遮光領域を1つ含む請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記遮光領域を構成する各小領域が互いに同じ透過率を有する請求項2に記載の光ヘッド装置。
  4. 前記遮光領域を構成する各小領域の透過率が実質的に0である請求項3に記載の光ヘッド装置。
  5. 前記遮光領域は、前記対物レンズのレンズシフトにともなって、前記遮光素子に入射する前記信号光が前記遮光素子面を移動する方向を第1の方向とするとき、同じ平面形状で前記第1の方向と平行に移動できるように前記小領域の形状が施されて構成される請求項2〜4いずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  6. 前記遮光領域は前記第1の方向にN個の前記小領域を有し(N≧3の整数)、前記遮光領域のいずれか一方の前記第1の方向の端部に位置する前記小領域を基準として、小領域A、…、小領域A、…、小領域Aとし(2≦X≦N−1、を満たす整数)、N個の前記小領域の透過率をそれぞれT、…、T、…、Tとするとき、
    1つの前記遮光領域に対して、前記小領域Aのうち最小値となる透過率TMINを示す、M個の小領域からなる1つの閉じた領域である第1の透過率最小領域を1つ有し(1≦M≦N−2、を満たす整数)、
    前記第1の透過率最小領域と前記第1の方向に隣り合う小領域AXa(1≦Xa≦N−2、を満たす整数)および小領域AXb(3≦Xb≦N、を満たす整数)の透過率TXaおよびTXbはそれぞれ、
    ≧T≧…≧TXa−1≧TXa
    ≧TN−1≧…≧TXb+1≧TXb
    となる請求項2または請求項5に記載の光ヘッド装置。
  7. 前記遮光素子面において、前記第1の方向と直交する方向を第2の方向とするとき、全ての前記小領域の外縁のうち第2の方向の最も外側にある端を結ぶ2つの線が前記第1の方向と平行となる請求項5または請求項6に記載の光ヘッド装置。
  8. 前記小領域は、前記第2の方向にP個のセグメントに分割され(P≧3の整数)、前記小領域のいずれか一方の前記第2の方向の端部に位置する前記セグメントを基準として、セグメントS、…セグメントS、…、セグメントSとし(2≦Y≦P−1、を満たす整数)、P個の前記セグメントの透過率をそれぞれT´、…、T´、…、T´とするとき、
    1つの前記セグメントに対して、前記セグメントSのうち最小値となる透過率TMIN´を示す、Q個のセグメントからなる1つの閉じた領域である第2の透過率最小領域を1つ有し(1≦Q≦P−2、を満たす整数)、
    前記第2の透過率最小領域と前記第2の方向に隣り合うセグメントSYa(1≦Ya≦P−2、を満たす整数)およびセグメントSYb(3≦Yb≦P、を満たす整数)の透過率TYa´およびTXb´はそれぞれ、
    ´≧T´≧…≧TYa−1´≧TYa´、
    ´≧TP−1´≧…≧TXb+1´≧TXb´、
    となる請求項7に記載の光ヘッド装置。
  9. 前記透過率可変領域は、断面が凹凸形状を有する透明材料からなる回折格子と、前記回折格子の少なくとも凹部を埋めるように配される前記電気光学材料として液晶からなる液晶層を有し、
    前記透明材料の屈折率nは、前記液晶の常光屈折率nおよび異常光屈折率n(n≠n)のいずれか一方に実質的に等しい請求項1〜8いずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  10. 前記屈折率固定領域は、前記透明材料からなる回折格子と、前記回折格子の少なくとも凹部を埋めるように配される前記液晶層を有する請求項9に記載の光ヘッド装置。
  11. 前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記信号光を前記光検出器の方向に偏向させるビームスプリッタを有するとともに、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に前記遮光素子が配置され、
    前記透過率可変領域は、前記液晶層と偏光子とが積層されてなり、
    前記液晶層の厚さdと液晶の屈折率異方性Δn(=|n−n|)の積からなるリタデーション値Δn・dは、前記信号光の波長をλとするとき、λ/2の奇数倍に実質的に等しく、
    前記遮光領域は、前記信号光が前記液晶層、次いで前記偏光子の順に入射するように配置された請求項1〜8いずれか1項に記載の光ヘッド装置。
  12. 前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に前記信号光を前記光検出器の方向に偏向させるビームスプリッタを有するとともに、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間の光路中に前記遮光素子が配置され、
    前記透過率可変領域は、前記信号光の波長をλとするとき位相差をλ/4発生させるλ/4板と、前記液晶層と、前記波長λの右回りまたは左回りいずれか一方の円偏光を反射するコレステリック液晶層とが積層されてなり、
    前記液晶層の厚さdと液晶の屈折率異方性Δn(=|n−n|)の積からなるリタデーション値Δn・dは、λ/2の奇数倍に実質的に等しく、
    前記遮光領域は、前記信号光が前記λ/4板、次いで前記液晶層、次いで前記コレステリック液晶層の順に入射するように配置された請求項1〜8いずれか1項に記載の光ヘッド装置。
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