JP2010007952A - 給湯システム、分電盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備の利用効率を向上させた給湯システムや当該給湯システム向けの分電盤を提供する。
【解決手段】深夜時間帯には、深夜時間帯以外の時間帯に利用する給湯エネルギーを貯湯ユニット22に蓄積すべく深夜時間帯の商用電力を用いてヒートポンプユニット24を運転させるとともに、深夜時間帯の商用電力を用いて蓄電池42を充電させ、深夜時間帯以外の時間帯には、深夜時間帯に貯湯ユニット22に蓄積された給湯エネルギーをヒートポンプユニット24の運転により補充する場合、蓄電池42の残量に応じてスイッチSW5の選択を商用電力から交流電力に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、給湯システム、分電盤に関する。
近年、従前より電力で駆動されていた冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ等といった家電製品向けのエネルギーの他に、浴室や洗面台等での給湯、キッチンでの調理、リビングでの冷暖房等といった日頃の生活環境で必要なエネルギーを全て電力で賄うオール電化住宅が普及している。また、これに伴って、住宅内に分散配置された各家電製品に向けて満遍なく電力を分配するとともに、各家電製品の安全使用のために漏電遮断器や配線用遮断器等が一体的に配設された分電盤に対し、オール電化に向けて取り扱うべき負荷の数や用途が増大するために、更なる高機能化が求められている。
例えば、以下に示す特許文献1に開示される分電盤は、商用電源からの商用電力を直流電力に変換する整流器と、整流器からの直流電力を蓄電する蓄電池と、交流電力(商用電力)が必要な家電製品等の分電盤負荷のために蓄電池からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、を有した無停電電源装置を設置しており、停電時や過負荷時において蓄電池に蓄電しておいた直流電力をインバータを介して利用することによって、分電盤負荷の安定した駆動を実現する、という効果を謳っている。
特開2006−271097号公報
ところで、マンションやアパート等の既存の集合住宅をオール電化住宅に変更する一環として、浴室や洗面台等での給湯システムをヒートポンプ式電気給湯器を用いて実現しようとした場合、貯湯ユニットの設置場所が確保できないという課題が生じている。例えば、貯湯ユニットが容量370リットル、大きさ1900mm×1120mm×430mmの仕様である場合、貯湯ユニットのみで満水時には約460kgもの重量となる。一方、一般的なマンションの耐荷重は180kg/mとされているため、貯湯ユニットを設置するための面積としては計算上2.5〜3m程度が必要となる。これに対して集合住宅の通路やベランダ等の空き空間は、非常用の通路として設備の設置が禁止されていることが多く、実際に設置できる場所は限られている。
また、電気給湯器を分電盤の負荷の一つとして取り扱う場合、ヒートポンプ式電気給湯器による給湯の際に一時的に必要となる消費電力は、その他の負荷である家電製品等の消費電力と比べて非常に大きい。従って、分電盤は大容量の蓄電池並びに大出力のインバータを備える必要がある。すると、給湯システムの導入コスト又は再構築コストが増大化する懸念がある。また、最悪の場合には、ヒートポンプ式電気給湯器の消費電力が大きいために、一般家庭向けの契約電力では賄いきれず、一般家庭に普及しない虞がある。
本発明は、ヒートポンプユニットと、当該ヒートポンプユニットにより生成された温水を貯蔵する貯湯ユニットとを備えるヒートポンプ式電気給湯器と、当該ヒートポンプ式電気給湯器を含めた複数の負荷に対し商用電源から供給される商用電力を分配供給する分電盤と、を有した給湯システムであって、前記分電盤は、前記商用電力を直流電力に変換する整流器と、前記商用電力を前記整流器により変換した直流電力によって充電される蓄電池と、前記蓄電池に充電された直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記商用電源から供給される前記商用電力又は前記インバータから供給される前記交流電力を選択して前記ヒートポンプ式電気給湯器に供給するスイッチと、深夜時間帯には、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記ヒートポンプユニットを運転させるとともに、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記蓄電池を充電させ、当該深夜時間帯以外の時間帯に前記ヒートポンプユニットを運転する場合、前記蓄電池の残量に応じて前記スイッチの選択を前記商用電力から前記交流電力に切り替える制御回路と、を有することを特徴とする。
また、上記システムであって、前記蓄電池は、放電深度の高い順に、第1の容量、第2の容量、第3の容量が設定され、前記第1の容量は、前記商用電源から供給される電流量が所定の基準電流量を超える場合又は停電が発生した場合、前記複数の負荷の一部又は全部に分配供給される前記商用電力の補償に用いられ、前記第2の容量は、深夜時間帯以外の時間帯に前記ヒートポンプユニットを運転する場合に用いられ、前記第3の容量は、自由に利用可能であること、が好ましい。
また、上記システムであって、前記制御回路は、深夜時間帯以外の時間帯において、時間情報及び環境情報に基づいて前記貯湯ユニットに貯蔵される温水の熱エネルギーとしての目標エネルギーを算定するとともに、前記貯湯ユニットに貯蔵される温水の熱エネルギーが前記目標エネルギーとなるように前記ヒートポンプユニットの運転を制御すること、が好ましい。
また、上記システムであって、前記制御回路は、所定時間以上連続した給湯が行われた場合、前記ヒートポンプユニットの運転を開始させること、が好ましい。
また、本発明は、ヒートポンプユニットと、当該ヒートポンプユニットにより生成された温水を貯蔵する貯湯ユニットとを備えるヒートポンプ式電気給湯器とを備えるヒートポンプ式電気給湯器を含めた複数の負荷に対し商用電源から供給される商用電力を分配供給する分電盤であって、前記商用電力を直流電力に変換する整流器と、前記商用電力を前記整流器により変換した直流電力によって充電される蓄電池と、前記蓄電池に充電された直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記商用電源から供給される前記商用電力又は前記インバータから供給される前記交流電力を選択して前記ヒートポンプ式電気給湯器に供給するスイッチと、深夜時間帯には、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記ヒートポンプユニットを運転させるとともに、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記蓄電池を充電させ、当該深夜時間帯以外の時間帯に前記ヒートポンプユニットを運転する場合、前記蓄電池の残量に応じて前記スイッチの選択を前記商用電力から前記交流電力に切り替える制御回路と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、設備の利用効率を向上させた給湯システムや当該給湯システム向けの分電盤を提供することができる。
<<<給湯システムの全体構成>>>
図1は、本実施形態に係る給湯システムの全体構成を示した図である。
図1に示す給湯システム100は、所定の給水源からヒートポンプ式電気給湯器20に向けて冷水を給水するための給水管1と、ヒートポンプ式電気給湯器20と、ヒートポンプ式電気給湯器20から混合栓32に向けて温水を給湯するための給湯管2と、混合栓32に向けて所定の給水源からの冷水を給水するための給水管3と、給水管3から給水された冷水と給湯管2から給湯された温水とを混合させる混合栓32と、混合栓32から温水が給湯される浴槽30と、分電盤40と、により主に構成される。
ヒートポンプ式電気給湯器20は、給水管1により給水された冷水を貯蔵する貯湯ユニット22と、分電盤40の複数の負荷の一部であって、分電盤40から供給される交流電力(AC)に基づいて駆動され貯湯ユニット22に貯蔵された冷水を加熱して温水を生成するヒートポンプユニット24と、を備えている。尚、ヒートポンプ式電気給湯器20は、住宅の屋外に設置される。
ヒートポンプ式電気給湯器20の一構成例を図2に示す。同図に示すヒートポンプユニット24は、ファン240の回転により取り込んだ外気中の熱をCO冷媒を介して吸収する熱交換器241と、外気中の熱を吸収したCO冷媒を圧縮して更に高温にする圧縮機242と、配管221を介して循環させる貯湯槽222に貯蔵された水を、圧縮機242を経由した高熱のCO冷媒によって加熱する熱交換器243と、熱交換器243を経由したCO冷媒を膨張させて低温にする膨張弁244と、を有する。尚、外気を取り込むファン240の周辺には外気の温度を測定する温度センサ28が配設される。また、同図に示す貯湯ユニット22は、給水管1から給水される冷水が貯湯槽222の下部に供給され、貯湯槽222の下部の配管221から熱交換器243を介して貯湯槽222の上部の配管221に循環されることで温水に代わる。そして、貯湯槽22の上部に滞留する温水が給湯管2に排出されるとともに、この排出された温水分の冷水が給水管1より補給される。尚、貯湯槽222には、温水の温度及び水量を検出するために、例えば貯湯槽222の上部中部下部の三箇所に温度センサ26a、26b、26cが配設される。温度センサ26a、26b、26cにより検出された貯湯槽222の温水の温度及び水量によって、貯湯槽222の温水の熱エネルギー(=質量×比熱×温度)が算出される。
浴槽30は、給水管3から給水される冷水と給湯管2から給湯される高温温水を混合し、適切な温度の温水の吐水や止水を行う混合栓32等が設けられる。
分電盤40は、過負荷補償機能並びに停電補償機能を備えており、ヒートポンプ式電気給湯器20を含めた複数の負荷(50a、50b、50c、20)に対し交流電力を安定的に供給する。尚、図1では、分電盤40の負荷として、説明の便宜上、4パターンの負荷(50a、50b、50c、20)のみを示しているが、さらに負荷の数が多くてもよい。また、負荷50a〜50cは、分電盤40の一般的な負荷である家電製品を表現しており、例えば、リビングに配置される冷暖房機器、テレビ受信機等、キッチン周辺に配置される電子レンジ等である。
分電盤40は、商用電源10からの商用電力を受電するAC電源ライン401上に配設され漏電時と過電流時の遮断機能を併せ持った漏電遮断器ELBと、商用電力を直流電流に変換する整流器41と、整流器41により変換された直流電力によって充電される蓄電池42と、蓄電池42に充電された直流電力を交流電力に変換するインバータ43と、漏電遮断器ELBの出力側のAC電源ライン401上に配設され商用電源から供給される電流量(即ち、負荷(50a、50b、50c、20)によって消費される電流量)を検出する電流センサ44と、電流センサ44によって検出された電流量に基づいて後述のスイッチSW1〜SW5の切り替えを制御するコントローラ45(本願請求項に係る制御回路)と、を有する。
尚、蓄電池42は、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池等の種々の二次電池を採用することができるが、ヒートポンプ式電気給湯器24による給湯の際の大電流で高頻度の放電に対応する為、その他の二次電池と対比して、メモリ効果現象(浅い深度の放電を受けた経歴を記憶する現象)が殆ど無く、継ぎ足し充電や非満充電保管に適すると言われるリチウムイオン電池の採用が好ましい。
また、電流センサ44は、例えば、電源ライン401を流れる電流量を検出する変流器である。
分電盤40は、さらに、漏電遮断器ELBの出力側のAC電源ライン401上に配設され漏電遮断器ELBを経由した商用電力からの受電を可能とするか否かを切り替えるスイッチSW1と、AC電源ライン401よりそれぞれの負荷(50a、50b、50c、20)に向けて分岐された分岐ライン402a、402b、402c、402dと、分岐ライン402a、402b、402c、402d上に配設され各負荷(50a、50b、50c、20)への電力供給を過電流時に遮断する配線用遮断器NFB1、NFB2、NFB3、NFB4と、AC電源ライン401から分岐ライン402cに向かう商用電力の分配供給を遮断するか否かを切り替えるスイッチSW2と、分岐ライン402cとインバータ43との間に設けられインバータ43から分岐ライン402cに向かう交流電力の供給を遮断するか否かを切り替えるスイッチSW3と、漏電遮断器ELBとスイッチSW1との間のAC電源ライン401と整流器41との間に配設されAC電源ライン401から整流器41への商用電力の供給を遮断するか否かを切り替えるスイッチSW4と、分岐ライン402dから供給される商用電力又はインバータ43から出力される交流電力を選択してヒートポンプ式電気給湯器20に供給するスイッチSW5と、を有する。
上記の構成により、コントローラ45は、電流センサ44によって検出された電流量が所定の基準電流量を超えるような過負荷の発生を検出した場合にスイッチSW1〜SW5の開閉を制御して、複数の負荷(50a、50b、50c、20)の一部(本実施形態の場合は負荷50cのみ)に分配供給される商用電源10からの商用電力をインバータ43からの交流電力に切り替える過負荷補償機能を備える。
また、コントローラ45は、電圧センサ44’によって検出された電圧に基づいて停電の有無を検出し、停電の発生を検出した場合にはスイッチSW1〜SW5の開閉を制御して、複数の負荷(50a、50b、50c、20)全てもしくは一部に分配供給される商用電源10からの商用電力をインバータ43からの交流電力に切り替える停電補償機能を備える。なお、インバータ43から供給する負荷は、停電前に電流センサ44で検出された電流量をもとに供給可能な範囲で選択するものとする。
さらに、コントローラ45は、スイッチSW3〜SW5の開閉によって、蓄電池42の充放電と、ヒートポンプユニット24を駆動する電源供給元の切り替えと、を制御する。具体的には、コントローラ45は、カレンダ機能付きの時計451を備え、現時点の日付、時刻、季節や、さらには、安価な夜間電力を利用可能な深夜時間帯であるか否かを識別する。そして、コントローラ45は、深夜時間帯には、深夜時間帯以外の時間帯に必要とされる給湯エネルギー(温水の熱エネルギー)を貯湯ユニット22に蓄積すべく夜間電力を用いてヒートポンプユニット24を運転させるとともに、夜間電力により蓄電池42を充電させ、深夜時間帯以外の時間帯には、深夜時間帯に貯湯ユニット22に蓄積された給湯エネルギー(以下、貯湯エネルギーと呼ぶ。)をヒートポンプユニット24の運転により補充する場合、蓄電池42の残量に応じてスイッチSW5の選択を商用電力から交流電力に切り替える制御を行う。
さらに、コントローラ45は、時間的要因(時間帯毎に予測される給湯イベント、季節毎に統計した給湯エネルギー分布等)及び環境的要因(気温、気圧、自然放熱等)を反映した1日分の給湯エネルギーの各種サンプル情報を格納するメモリ452を備えている。コントローラ45は、時計451により測定した時刻と温度センサ28により測定した気温とを、メモリ452に格納されたサンプル情報と照らし合わせることで、1日分の給湯エネルギー(以下、予測エネルギーEPと呼ぶ。)を予測するとともに、当該予測した結果に基づいて貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標となる貯湯エネルギー(以下、目標貯湯エネルギーEOといい、本願請求項に係る目標エネルギーに対応づけられる。)を定め、当該目標貯湯エネルギーEOが貯湯ユニット22に貯蔵されるようにヒートポンプユニット24の運転を制御する。
<<<蓄電池の有効利用>>>
===蓄電池の容量設定===
本発明では、上記のコントローラ45の各機能説明の中で述べたように、夜間電力によって蓄電池42に蓄えられた電気エネルギーを、過負荷補償や停電補償の際の補償エネルギーとして利用する他、給湯エネルギーをヒートポンプユニット24の運転によって生成する場合にも利用する。さらに、蓄電池42に蓄えられた電気エネルギーは、分電盤40の負荷(50a〜50c)として数多くの家電製品向けにも利用する。このように、本発明では、蓄電池42に蓄えられた夜間の電気エネルギーを、昼の時間帯に、給湯用途を含めて様々な用途に目一杯使い切るようにすることで、高価な蓄電池42の有効利用を図る。
図3は、蓄電池42を多目的に利用するための容量設定の一例を示した図である。尚、同図に示す放電深度(定格容量に対する放電の比率)X、Y、Zの順に放電深度が低くなる場合とする。
蓄電池42の定格容量M0の中で放電深度100%から放電深度X%までの範囲の容量M1は、利用不可分として設定する。蓄電池42は一般的に放電深度が高くなると劣化が大きいという特徴を有するからである。
蓄電池42の定格容量M0の中で放電深度X%から放電深度Y%までの範囲の容量M2(第1の容量)は、停電/過負荷補償専用の容量として設定する。放電深度の高い(100%側)範囲を用いたのは、非常時の停電補償や過負荷補償に必要とされる電力量はそれ程多くないからである。
蓄電池42の定格容量M0の中で放電深度Y%から放電深度Z%までの範囲の容量M3(第2の容量)は、深夜時間帯以外の時間帯での第2の予測エネルギーに応じた給湯専用の容量として設定する。尚、中程度(100%から0%の中間)の高さの放電深度の範囲を用いたのは、給湯頻度はある程度予測可能であり、給湯の中で非常に多くのエネルギーを消費する浴槽30向け給湯は、蓄電池42の充電が開始される深夜時間帯に近い夕刻頃と推定可能だからである。
蓄電池42の定格容量M0の中で放電深度Z%から放電深度0%までの範囲の容量M4(第3の容量)は、用途を問わずに自由に利用可能な容量として設定する。放電深度の低い(0%側)範囲を用いたのは、朝方より積極的に利用させるためである。また、容量M4は自由に利用可能であるため、給湯やその他の負荷(本実施形態の場合、50c)に利用してもよいし、停電/過負荷補償に利用してもよい。
尚、容量M3のとおり、蓄電池42の容量の一部を給湯エネルギー生成専用として貯蔵したのは、給湯エネルギーには、家電製品に必要なエネルギーには無いつぎのような特徴があるからである。第1に一時的に大量の給湯エネルギーを必要とする点、第2に浴槽30の大きさに基づいて1日に消費される給湯エネルギーの予測が容易である点、第3に利用時間帯(夕刻頃)が比較的遅いので蓄電池42の再充電(深夜時間帯)が速やかに行われる点、第4に夏期は追い炊きの必要が殆どない点等、が挙げられる。これらの特徴を利用して、給湯に利用される給湯エネルギーをベース負荷として放電を行うことで、蓄電池42の有効利用が図られることになる。
===蓄電池の容量設定フロー===
図4は、蓄電池42の各容量M1〜M4の設定フローを示すフローチャートである。尚、以下の主体は特に断らない限りコントローラ45である。
まず、蓄電池42の定格容量の中で放電深度の高い側(100%側)より容量M1(利用不可分)と容量M2(停電/過負荷補償用)とを順に設定する(S401)。つぎに、コントローラ45は、時計451より日付、時刻、季節の情報を取得するとともに温度計28により気温の情報を取得し、これらの取得した情報に基づいて1日分の給湯に必要とされる予測エネルギーEPを算定する(S402)。
詳述すると、コントローラ45は、取得した情報をメモリ452に格納されたサンプル情報と照らし合わせることで、予測エネルギーEPを算定することができる。尚、予測エネルギーEPは、実際に給湯に使用されるまでの間に貯湯ユニット222から自然に放熱されて失われる貯湯エネルギーを加味して算定することもできる。また、予測エネルギーEPは、浴槽30向けの給湯エネルギーと浴槽30以外向けの給湯エネルギーとに区別して算定する。さらに、予測エネルギーEPは、貯湯槽222に貯蔵すべき温水の熱エネルギー(J)として換算するが、その他に当該温水の水量(l)や当該温水を生成するための消費電力(W)として換算してもよい。
つぎに、コントローラ45は、予測エネルギーEPが貯湯ユニット22に蓄積可能な最大の温水の熱エネルギー(以下、上限貯湯エネルギーEMAXという。)を上回るか否かを判定する(S403)。予測エネルギーEPが上限貯湯エネルギーEMAXを上回る場合には(S403:YES)、追い炊き(給湯エネルギーの補充)が必要と判定し、予測エネルギーEPから上限貯湯エネルギーを差し引いた量をヒートポンプユニット24の概算効率ηで除算して容量M3(給湯用)を算定する(S404)。一方、予測エネルギーEPが上限貯湯エネルギーEMAXを下回る場合には(S403:NO)、追い炊きが不要と判定し、容量M3(給湯用)を「0」とする(S405)。そして、コントローラ45は、蓄電池42の定格容量M0から容量M1乃至M3の総和を減算して自由利用分の容量M4を算定する(S406)。
図4に示した設定フローによって、例えば、四季の中で特徴的な夏期と冬期ではつぎのような蓄電池42の利用形態を想定することができる。
夏期の場合、深夜時間帯以外の給湯前の時間帯では、外気温の高さより、貯湯ユニット22に予め蓄積された貯湯エネルギーにより給湯可能であり、追い炊きのためにヒートポンプユニット24を運転させる必要が殆どない。また、夏期の場合、昼時間帯では給湯以外に空調(冷房)に伴う消費電力が非常に大きい。従って、夏期の場合、図4に示したフローに従えば、蓄電池42に蓄電された電力のうち給湯用の容量M3が殆どなく、その分、自由に利用可能な容量M4を多く貯蔵できるため、蓄電した安価な深夜電力の多くを空調等に利用することが可能となる。
但し、深夜時間帯に蓄えた貯湯エネルギーで不足する場合には、蓄電池42に給湯向けとして充電された夜間電力を利用してヒートポンプユニット24を運転(追い炊き)する制御や、蓄電池42の夜間電力を消費した場合にはスイッチSW5を切り替えて商用電力を利用してヒートポンプユニット24を運転する制御を行うこととする。
冬期の場合、深夜時間帯以外の給湯前の時間帯では、外気温の低さより貯湯ユニット22に蓄積された貯湯エネルギーが保存されず、追い炊きのためにヒートポンプユニット24を長時間運転する必要がある。このため、図4に示したフローに従うと、蓄電池42に蓄えられたエネルギーのうち多く、もしくは全てはヒートポンプユニット24による追い炊きに利用される容量M3となるため、自由に利用できる蓄電エネルギーが殆どなくなる。また、冬期の場合、昼時間帯では給湯以外に空調(暖房)に伴う消費電力が夏期の場合よりも大きく、分電盤40がより過負荷状態となる可能性が高い。
尚、参考情報として、図6には、四季それぞれの1日分の給湯に用いられる消費電力の一例(サンプル情報)を示している。
===過負荷補償を利用した蓄電池の有効利用===
上記のとおり、過負荷補償は、電流センサ44によって検出された電流量が所定の基準電流量を超えるような過負荷の発生を検出した場合にスイッチSW1〜SW5の開閉を制御して、負荷50cに供給される商用電源10からの商用電力をインバータ43からの交流電力に切り替えることで行われる。尚、過負荷補償を行うか否かの基準となる基準電流量は、漏電遮断器ELBの仕様により設定される。
ここで、上記の過負荷補償を利用して、容量M4の大きさに応じて基準電流量を可変させることで、本来過負荷でない場合にあっても、負荷50cを蓄電池42の電力を用いて駆動させる仕組みを備えることとする。具体的には、蓄電池42に充電された自由に利用可能な容量M4が大きい場合には、上記の基準電流量を下げるように制御する。この結果、例えば、昼の時間帯に、負荷50cは、本来過負荷でなければ商用電源10によって駆動されるべきところ、蓄電池42に充電された容量M4の夜間電力によって駆動させることができる。即ち、負荷50cに向けた蓄電池42からの積極的な放電を促すことができる。
<<ヒートポンプユニットの運転効率化>>
===蓄電池容量と連動したヒートポンプユニットの運転の概要===
図4に示した設定フローによって蓄電池42の容量M1乃至M4を設定した後、コントローラ45は、図5に示すフローチャートに従って、ヒートポンプユニット24を運転させるための電源供給元の切り替え制御を行う。なお、容量M3(給湯用)並びに容量M4(自由利用分)は、昼の時間帯(=充電を行わない時間帯)において時間の経過と共に数値が変化するため、随時、設定更新を行うものとする。
深夜時間帯の場合(S501:YES)、蓄電池42は夜間電力で充電されるため、スイッチSW5の入力を分岐ライン402d側に設定し(S502)、商用電力を利用してヒートポンプユニット24を駆動する(S505)。
深夜時間帯以外の時間帯の場合(S501:NO)、追い炊きのためにヒートポンプユニット24を駆動する場合であって、且つ蓄電池42の定格容量M0の中で容量M4(自由利用分)又は容量M3(給湯用)が残存している場合には(S503:YES)、スイッチSW5の入力を分岐ライン402d側からインバータ43側に切り替え(S504)、容量M4又は容量M3を積極的に利用してヒートポンプユニット24を駆動する(S505)。尚、容量M4及び容量M3が残存しない場合には(S503:NO)、スイッチSW5の入力を分岐ライン402d側に設定し(S502)、商用電力を利用してヒートポンプユニット24を駆動する(S505)。
上記のとおり、ヒートポンプユニット24の電源供給元は、蓄電池42の残量の中で容量M3(給湯用)が残存している場合は蓄電池42となり、容量M3が残存していない場合には商用電源10となる。従って、本来夜間電力のみで運転すべきヒートポンプユニット24を深夜以外の時間帯(昼の時間帯等)に運転する必要が生じた場合、容量M3の残量に応じて、商用電力ではなく、蓄電池42の夜間電力を利用できる。
ところで、蓄電池42の残量の中で容量M4(自由利用分)又は容量M2(停電/過負荷補償用)が残存する場合、スイッチSW3を利用した切替運転を可能とする。例えば、停電時には、上記のとおりスイッチSW1乃至SW3を利用して停電補償を行う。尚、ヒートポンプユニット24が運転中に停電が発生した場合、その他の負荷50a乃至50cの停電補償の方を優先して、ヒートポンプユニット24を強制停止させ、更に起動ロックをかける。また、過負荷時には、上記のとおりスイッチSW2、SW3を用いて過負荷補償を行う。尚、ヒートポンプユニット24が商用電力を利用した運転中に過負荷が発生した場合、過負荷補償の方を優先して行い、それでも過負荷が解消しないときにヒートポンプユニット24を停止させる。尚、ヒートポンプユニット24が蓄電池42の電力を利用した運転中に過負荷が発生した場合、過負荷が解消するまでヒートポンプユニット24を停止させる。
===目標貯湯エネルギーに基づくヒートポンプユニットの運転例===
図7は、貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標貯湯エネルギーEOの設定処理の流れを示すフローチャートである。尚、同図に示す目標貯湯エネルギーEOの設定処理は、予測エネルギーEPが貯湯ユニット22に最大限蓄積可能な上限貯湯エネルギーEMAX(貯湯能力)を常時下回ることを条件としており、例えば夏期のような暖かい季節であって昼の時間帯に追い炊きの必要のない1日を対象としている。また、以下の処理を実行する主体は、特に断らない限りコントローラ45である。
まず、コントローラ45は、時計451より現時点の日付、時刻、季節等の時間情報を取得するとともに温度計28より現時点の気温情報を取得し、これらの取得した情報に基づいて予測エネルギーEPを算定する(S701)。
つぎに、コントローラ45は、時間情報に基づき深夜時間帯以外の時間帯であるか否かを判別し(S702)、深夜時間帯の場合には(S702:NO)、貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標貯湯エネルギーEOを予測エネルギーEPに設定する(S706)。一方、深夜時間帯以外の時間帯の場合には(S702:YES)、所定時間連続した給湯が行われているか否かを判別し(S703)、連続した給湯が行われていない場合(S703:YES)にはS705に進む。連続した給湯が行われている場合(S703:NO)には浴槽30向け給湯が行われたものと判定して予測エネルギーEPを「0」に設定し(S704)、S705に進む。
つぎに、予測エネルギーEPが貯湯ユニット22に給湯に利用する時点において予測される常時貯蔵しておきたい下限貯湯エネルギーEMINを上回るか否かを判別する(S705)。予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを上回る場合には(S705:YES)、貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標貯湯エネルギーEOを予測エネルギーEPに設定する(S706)。予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを下回る場合には(S705:NO)、目標貯湯エネルギーEOを下限貯湯エネルギーEMINに設定する(S707)。
図8は、図7に示すフローチャートに従って設定された目標貯湯エネルギーEOの一例を示した図である。尚、同図では、実線が目標貯湯エネルギーEOを示し、点線が下限貯湯エネルギーEMINを示し、一点鎖線が予測エネルギーEPを示している。同図において、午前0時から午前6時までの時間帯が深夜時間帯であって、午前6時から午前0時(24:00)までの時間帯が深夜時間帯以外の時間帯である。尚、深夜時間帯は、同図の時間帯に限定されず、安価な夜間電力を利用可能な時間帯であればよい。
深夜時間帯や、午前6時から浴槽30向けの給湯が行われる午後8時30分頃までの時間帯では、目標貯湯エネルギーEOが予測エネルギーEPに設定されている。尚、深夜時間帯での予測エネルギーEPは、深夜時間帯に貯湯ユニット22に貯蔵しておくべき貯湯エネルギーを予測したものである。また、午前6時から午後8時30分までの時間帯での予測エネルギーEPは、当該時間帯に必要とされる貯湯エネルギーを予測したものである。尚、図8に示される例では予測エネルギーEPを一定としているが、当該時間帯における時間的要因(時間、季節等)及び環境的要因(外気温、自然放熱等)に基づいて随時変化する予測エネルギーEPのパターンであってもよい。浴槽30向けの給湯が行われる午後8時30分頃から午前0時までの時間帯では、当該時間帯に必要とされる貯湯エネルギーを予測したものであり、図8に示される例では予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを下回るため、目標貯湯エネルギーEOが下限貯湯エネルギーEMINに設定されている。
図9は、ヒートポンプユニット24の運転開始条件を示すフローチャートであり、図10は、ヒートポンプユニット24の運転停止条件を示すフローチャートである。尚、以下の処理を実行する主体は、図7と同様に、特に断らない限りコントローラ45である。
まず、ヒートポンプユニット24の運転停止状態である場合(S901)、コントローラ45は、時計451より時間情報を取得して所定の深夜時間帯であるか否かを判別する(S902)。深夜時間帯であれば(S902:YES)、コントローラ45は、貯湯エネルギーを最大限貯蔵すべく、ヒートポンプユニット24の運転を開始させる(S905)。一方、深夜時間帯以外の時間帯であれば(S902:NO)、S903に進む。
S903では、所定時間以上連続した給湯が行われたか否かが判別される(S903)。所定時間以上連続した給湯が行われた場合(S903:YES)、浴槽30向け給湯が行われたものとみなし、コントローラ45は、午前0時までに使われる可能性のある温水を貯蔵すべく、ヒートポンプユニット24の運転を開始させる(S905)。所定時間以上連続した給湯が行われていない場合(S903:NO)、コントローラ45は、温度センサ26より貯湯ユニット22の現在(時刻tとする。)の貯湯エネルギーE(t)の情報を取得するとともに、貯湯エネルギーE(t)が目標貯湯エネルギーEO(t)を下回るか否かを判別する(S904)。尚、目標貯湯エネルギーEO(t)は、自然放熱による貯湯ユニット22の温水の温度低下を加味しているものとする。
貯湯エネルギーE(t)が目標貯湯エネルギーEO(t)を下回る場合(S904:YES)、貯湯エネルギーE(t)が目標貯湯エネルギーEO(t)に到達するように、コントローラ45は、ヒートポンプユニット24の運転を開始させる(S905)。一方、貯湯エネルギーE(t)が目標貯湯エネルギーEO(t)を上回っていれば(S904:NO)、ヒートポンプユニット24の運転を開始せずに、S902に戻る。
ヒートポンプユニット24の運転を開始した場合(S1001)、コントローラ45は、温度センサ26より貯湯ユニット22に現時点(時刻tとする。)で蓄積されている貯湯エネルギーE(t)の情報を取得するとともに、貯湯エネルギーE(t)が目標貯湯エネルギーEO(t)に補償分ΔEを加算した量(=EO(t)+ΔE)よりも上回るか否かを判別する(S1002)。目標貯湯エネルギーEO(t)に補償分ΔEを加算した量(=EO(t)+ΔE)より上回れば(S1002:YES)、コントローラ45は、ヒートポンプユニット24の運転を停止させる(S1003)。
上記のとおり、コントローラ45は、例えば浴槽30向けの給湯やシャワーの利用によって所定時間以上連続した給湯が行われる場合には、無条件にヒートポンプユニット24の運転を開始させる。それ以外の場合には、貯湯ユニット22に蓄積された貯湯エネルギーE(t)が目標貯湯エネルギーEO(t)を下回るときにはヒートポンプユニット24の運転を開始させ、目標貯湯エネルギーEO(t)に補償分ΔEを加算した量に達するとヒートポンプユニット24の運転を停止させる。この結果、目標貯湯エネルギーEO(t)に応じたヒートポンプユニット24の効率的な運転が可能となる。
===目標貯湯エネルギーに基づくヒートポンプユニットのその他の運転例===
予測エネルギーEPが貯湯ユニット22に最大限蓄積可能な上限貯湯エネルギーEMAX(貯湯能力)を上回る場合、図11に示すフローチャートにより目標貯湯エネルギーEOの設定処理を行う。本設定処理は、例えば冬期のような寒い季節であって昼間の時間帯に長期間の追い炊きが行われるような1日を対象としている。尚、以下の処理を実行する主体は、特に断らない限りコントローラ45である。
まず、コントローラ45は、時計451より時間情報を取得し、深夜時間帯であるか否かを判別する(S1101)。深夜時間帯の場合(S1101:YES)、貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標貯湯エネルギーEOを上限貯湯エネルギーEMAXに設定する(S1102)。一方、深夜時間帯以外の時間帯の場合(S1101:NO)、コントローラ45は、時計451より現時点の日付、時刻、季節等の時間情報を取得するとともに温度計28より現時点の気温情報(環境情報)を取得し、これらの取得した情報に基づいて予測エネルギーEPを随時算定する(S1103)。
つぎに、所定時間連続した給湯が行われているか否かを判別し(S1104)、連続給湯が行われていない場合(S1104:YES)にはS1106に進む。連続給湯が行われている場合(S1104:NO)には浴槽30向け給湯が行われたものと判定して予測エネルギーEPを「0」に設定し(S1105)、S1106に進む。
つぎに、予測エネルギーEPが貯湯ユニット22に常時貯蔵しておきたい下限貯湯エネルギーEMINを上回るか否かを判別する(S1106)。予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを下回る場合(S1106:NO)、目標貯湯エネルギーEOを下限貯湯エネルギーEMINに設定する(S1109)。
一方、予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを上回る場合(S1106:YES)、コントローラ45は、現時刻から予め設定しておいた給湯予定時刻までの時間T1を算定するとともに、現時刻の予測エネルギーEP(浴槽以外の給湯)から上限貯湯エネルギーEMAXを得るまでに要する時間T2を算定する。尚、時間T2は、「(上限貯湯エネルギーEMAX−予測エネルギーEP)÷ヒートポンプユニット24の単位時間あたりの生成エネルギー」によって算定する。そして、時間T1が時間T2よりも長い場合には(S1107:YES)、貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標貯湯エネルギーEOを予測エネルギーEPに設定する(S1108)。一方、時間T2が時間T1に達した場合には(S1107:NO)、給湯の事前準備のために、目標貯湯エネルギーEOを上限貯湯エネルギーEMAXに設定する(S1102)。
図12は、図11に示すフローチャートに従って設定された目標貯湯エネルギーEOの一例を示した図である。尚、同図では、実線が目標貯湯エネルギーEOを示し、貯湯エネルギーの高い方の点線が上限貯湯エネルギーEMAXを示し、貯湯エネルギーの低い方の点線が下限貯湯エネルギーEMINを示し、一点鎖線が予測エネルギーEPを示している。同図において、午前0時から午前6時までの時間帯が深夜時間帯であって、午前6時から午前0時(24:00)までの時間帯が深夜時間帯以外の時間帯である。
深夜時間帯では、予測エネルギーEPが上限貯湯エネルギーEMAXを上回るため、目標貯湯エネルギーEOは上限貯湯エネルギーEMAXに設定されている。
午前6時から午後1時30分までの時間帯では、予測エネルギーEPが上限貯湯エネルギーEMAXを下回っており、目標貯湯エネルギーEOが予測エネルギーEPに設定されている。尚、当該時間帯の予測エネルギーEPは、図12に示される例では一定であるが、当該時間帯における時間的要因(時間、季節等)及び環境的要因(外気温、自然放熱等)に基づいて随時変化する予測エネルギーEPのパターンであってもよい。
午後1時30分では、現時刻(午後1時30分)の予測エネルギーEP(浴槽以外の給湯)から上限貯湯エネルギーEMAXを得るまでに要する時間T2が、現時刻(午後1時30分)から予め設定しておいた給湯予定時刻(午後8時30分)までの時間T1に達したため、給湯の事前準備のため、目標貯湯エネルギーEOが予測エネルギーEPから上限貯湯エネルギーEMAXに変更されている。そして、午前1時30分から浴槽30向け給湯が行われる午後8時30分までの時間帯では、目標貯湯エネルギーEOとして上限貯湯エネルギーEMAXの設定を維持している。
浴槽30向け給湯が行われる午後8時30分頃から午前0時までの時間帯では、予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを下回るまでの間、目標貯湯エネルギーEOが予測エネルギーEPに設定されており、予測エネルギーEPが下限貯湯エネルギーEMINを下回った後は、目標貯湯エネルギーEOが下限貯湯エネルギーEMINに設定されている。
上記の給湯システム100によれば、深夜時間帯には、深夜時間帯以外の時間帯に利用される貯湯エネルギーを、安価な夜間電力を利用して貯湯ユニット22に貯蔵しておくことができる。また、深夜時間帯以外の時間帯では、貯湯ユニット22に貯蔵された貯湯エネルギーの補充が必要となる場合、蓄電池42の残量があれば、蓄電池42に充電された安価な夜間電力を用いてヒートポンプユニット24を運転することができる。
また、上記の給湯システム100によれば、蓄電池42の定格容量M0を、放電深度の高い順に、停電/過負荷補償用の容量M2、給湯用の容量M3、自由利用分の容量M4に少なくとも分割しており、使用頻度の高い用途には放電深度の低い(劣化の少ない)範囲を割り当てるようにしている。この結果、蓄電池42の利用率を更に向上することができる。
さらに、上記の給湯システム100によれば、深夜時間帯以外の時間帯において、現時点での時間情報及び環境情報に基づいて貯湯ユニット22に貯蔵すべき目標貯湯エネルギーEOが算定され、当該目標貯湯エネルギーEOが維持されるようにヒートポンプユニット24の運転が制御される。この結果、例えば、夏期の場合、深夜時間帯以外の時間帯では、深夜時間帯に蓄積しておいた貯湯エネルギーが保存されているため、ヒートポンプユニット24を運転せずに済ませる、といった季節に応じた効率的な運用が可能となる。尚、目標貯湯エネルギーEOという指標が何もない状態でヒートポンプユニット24を運転する場合、例えば、蓄電池42の容量M4、M3を早々に使い切ってしまい、昼の時間帯にヒートポンプユニット24を高価な商用電力で運転する虞がある。従って、目標貯湯エネルギーEOという指標を導入したことによって、蓄電池42の容量と連動したヒートポンプユニット24の効率的な運転が可能となる。
さらに、上記の給湯システム100によれば、深夜時間帯以外の時間帯では、所定時間以上連続した給湯が行われた場合には、浴槽への給湯が行われたものとみなし、ヒートポンプユニット24の運転を無条件に開始させる。このため、貯湯ユニット22に貯蔵される貯湯エネルギーが浴槽30への給湯後に速やかに目標貯湯エネルギーEOとなるように補充することができる。従って、貯湯ユニット22にはその日に必要とされる貯湯エネルギーを常に蓄積した状態とすることができる。
さらに、上記の給湯システム100によれば、給湯システム100を構成する貯湯ユニット22、蓄電池42並びにヒートポンプユニット24全ての設備の利用率を向上させることができ、オール電化住宅の実現に向けて給湯システム100の小型化を図ることができる。
以上、本実施形態について説明したが、前述した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
本実施形態の給湯システムの全体構成の一例を示した図である。 本実施形態のヒートポンプ式電気給湯器の一構成例を示した図である。 本実施形態の蓄電池の容量設定を示した図である。 本実施形態の蓄電池の容量設定フローを示したフローチャートである。 本実施形態のヒートポンプユニットの電源制御を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の春夏秋冬それぞれの1日分の給湯に用いられる消費電力の一例を示した図である。 本実施形態のコントローラによる目標貯湯エネルギーの設定フローを示した図である。 本実施形態の目標貯湯エネルギーの一設定例を示した図である。 本実施形態のコントローラによるヒートポンプユニットの運転開始制御の流れを示したフローチャートである。 本実施形態のコントローラによるヒートポンプユニットの運転停止制御の流れを示したフローチャートである。 本実施形態のコントローラによる目標貯湯エネルギーのその他の設定フローを示した図である。 本実施形態の目標貯湯エネルギーのその他の設定例を示した図である。
符号の説明
10 商用電源
20 ヒートポンプ式電気給湯器
22 貯湯ユニット
24 ヒートポンプユニット
26、28 温度センサ
32 給湯口
40 分電盤
41 整流器
42 蓄電池
43 インバータ
44 センサ
45 コントローラ
451 時計
452 メモリ
50a〜50c 負荷
SW1〜SW5 スイッチ

Claims (5)

  1. ヒートポンプユニットと、当該ヒートポンプユニットにより生成された温水を貯蔵する貯湯ユニットとを備えるヒートポンプ式電気給湯器と、当該ヒートポンプ式電気給湯器を含めた複数の負荷に対し商用電源から供給される商用電力を分配供給する分電盤と、を有した給湯システムであって、
    前記分電盤は、
    前記商用電力を直流電力に変換する整流器と、
    前記商用電力を前記整流器により変換した直流電力によって充電される蓄電池と、
    前記蓄電池に充電された直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記商用電源から供給される前記商用電力又は前記インバータから供給される前記交流電力を選択して前記ヒートポンプ式電気給湯器に供給するスイッチと、
    深夜時間帯には、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記ヒートポンプユニットを運転させるとともに、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記蓄電池を充電させ、
    当該深夜時間帯以外の時間帯に前記ヒートポンプユニットを運転する場合、前記蓄電池の残量に応じて前記スイッチの選択を前記商用電力から前記交流電力に切り替える制御回路と、
    を有することを特徴とする給湯システム。
  2. 請求項1に記載の給湯システムであって、
    前記蓄電池は、放電深度の高い順に、第1の容量、第2の容量、第3の容量が設定され、
    前記第1の容量は、前記商用電源から供給される電流量が所定の基準電流量を超える場合又は停電が発生した場合、前記複数の負荷の一部又は全部に分配供給される前記商用電力の補償に用いられ、
    前記第2の容量は、深夜時間帯以外の時間帯に前記ヒートポンプユニットを運転する場合に用いられ、
    前記第3の容量は、自由に利用可能であること、
    を特徴とする給湯システム。
  3. 請求項1又は2に記載の給湯システムであって、
    前記制御回路は、
    深夜時間帯以外の時間帯において、
    時間情報及び環境情報に基づいて前記貯湯ユニットに貯蔵される温水の熱エネルギーとしての目標エネルギーを算定するとともに、
    前記貯湯ユニットに貯蔵される温水の熱エネルギーが前記目標エネルギーとなるように前記ヒートポンプユニットの運転を制御すること、
    を特徴とする給湯システム。
  4. 請求項3に記載の給湯システムであって、
    前記制御回路は、所定時間以上連続した給湯が行われた場合、前記ヒートポンプユニットの運転を開始させること、を特徴とする給湯システム。
  5. ヒートポンプユニットと、当該ヒートポンプユニットにより生成された温水を貯蔵する貯湯ユニットとを備えるヒートポンプ式電気給湯器とを備えるヒートポンプ式電気給湯器を含めた複数の負荷に対し商用電源から供給される商用電力を分配供給する分電盤であって、
    前記商用電力を直流電力に変換する整流器と、
    前記商用電力を前記整流器により変換した直流電力によって充電される蓄電池と、
    前記蓄電池に充電された直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記商用電源から供給される前記商用電力又は前記インバータから供給される前記交流電力を選択して前記ヒートポンプ式電気給湯器に供給するスイッチと、
    深夜時間帯には、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記ヒートポンプユニットを運転させるとともに、当該深夜時間帯の商用電力を用いて前記蓄電池を充電させ、
    当該深夜時間帯以外の時間帯に前記ヒートポンプユニットを運転する場合、前記蓄電池の残量に応じて前記スイッチの選択を前記商用電力から前記交流電力に切り替える制御回路と、
    を有することを特徴とする分電盤。
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