JP2010007502A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料カットの開始時期の制御をより適切に行い、燃料カットの開始を過度に遅らせることなく、燃料カット開始時における機関出力トルクの変動を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】 スロットル弁が全閉状態となった時点から吸気圧PBAが安定化するまでの収束時間を示す収束時間パラメータCFCDLYを算出する(S11)とともに、安定化した時点の吸気圧PBAを安定化吸気圧PBAFCとして記憶する(S14)。収束時間パラメータCFCDLY、変速位置パラメータNGR、及び安定化吸気圧PBAFCに応じて燃料カット遅延時間TFCDLYを設定する(S15〜S17)。吸気圧PBAが安定化した時点から燃料カット遅延時間TFCDLY経過後に燃料カットを開始する(S18〜S22)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に機関の減速時に燃料供給を停止する燃料カットを行うものに関する。
特許文献1は、機関減速時の燃料カットを実行する条件が成立したときに、機関回転数及び吸気圧に応じて燃料カット遅延時間を設定し、燃料カット実行条件成立時点から燃料カット遅延時間経過後に燃料カットを開始する燃料噴射制御装置を開示する。燃料カットの開始を遅延させることにより、燃料カット開始時における機関出力トルクの変動が防止される。
特許文献2は、燃料カット実行条件成立時点から燃料カットの開始するまでの期間において、点火時期の遅角補正を行う制御装置を開示する。燃料カット開始の遅延に加えて点火時期の遅角補正を行うことにより、燃料カット開始時における機関出力トルクの変動がより確実に防止される。
特開2002−322931号公報 特許3747521号公報
特許文献1に示される装置では、燃料カット遅延時間の設定は、燃料カット実行条件成立時に行われるため、機関の負荷が安定化していない状態で燃料カット遅延時間の設定が行われる可能性がある。そのような場合には、燃料カット遅延時間が不適切なものとなり、燃料カット開始時にトルク変動が発生する可能性がある。
特許文献2に示される装置では、点火時期の遅角補正を開始するタイミングが機関回転数に応じて変更されるが、遅角補正量は単位時間あたり所定量ずつ増加するように設定され、機関運転状態に応じた設定は行われない。そのため、点火時期の遅角補正を適切に行う上で改善の余地があった。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、燃料カットの開始時期の制御をより適切に行い、燃料カットの開始を過度に遅らせることなく、燃料カット開始時における機関出力トルクの変動を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを第1の目的とし、さらに燃料カット開始直前における点火時期の遅角補正を適切に実行し、燃料カットの開始時期を早めるとともに燃料カット開始時における機関出力トルクの変動を確実に防止することができる内燃機関の制御装置を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の減速時に前記機関への燃料供給を停止する燃料カットを実行する燃料カット手段を備える内燃機関の制御装置において、前記機関の負荷(PBA)を検出する負荷検出手段と、検出した機関負荷の変化量(DPB)を算出する負荷変化量算出手段と、前記機関の所定減速状態が検出された時点(t1)から前記負荷変化量(DPB)が所定値(DPBTH)以下である所定安定状態に収束する収束時点(t2)までの収束時間(CFCDLY)を計時する計時手段と、前記収束時点(t2)から燃料カットを開始するまでの燃料カット遅延時間(TFCDLY)を、前記収束時点(t2)における前記機関負荷(PBAFC)及び前記計時手段により計時された収束時間(CFCDLY)に基づいて設定する燃料カット遅延時間設定手段とを備え、前記燃料カット手段は、前記収束時点(t2)から前記燃料カット遅延時間(TFCDLY)が経過した後に前記燃料カットを開始することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記収束時点(t2)における前記機関負荷(PBAFC)及び前記計時手段により計時された収束時間(CFCDLY)に基づいて、前記機関の点火時期の遅角補正量(IGFCDLR)を設定する点火時期補正量設定手段と、前記収束時点(t2)から前記燃料カットを開始するまでの期間において、前記遅角補正量(IGFCDLR)により前記点火時期を補正する点火時期補正手段とをさらに備えることを特徴とする。
前記点火時期補正量設定手段は、所定時間当たりの増量値(DIGFCDLR)を前記収束時間(CFCDLY)に応じて算出する増量値算出手段と、前記収束時点(t2)における前記機関負荷(PBAFC)及び前記機関の回転数(NE)に応じて最大遅角補正量(IGFCDLMT)を算出する最大遅角補正量算出手段とを有し、前記増量値(DIGFCDLR)を用いて時間経過に伴って前記遅角補正量(IGFCDLR)を漸増させるとともに、前記遅角補正量(IFFCDLR)を前記最大遅角補正量(IGFCDLMT)以下に制限することが望ましい。
請求項1に記載の発明によれば、機関の所定減速状態が検出された時点から負荷変化量が所定値以下である所定安定状態に収束する収束時点までの収束時間が計時され、負荷変化量の収束時点から燃料カットを開始するまでの燃料カット遅延時間が、負荷変化量の収束時点における機関負荷及び計時された収束時間に基づいて設定され、収束時点から燃料カット遅延時間が経過した後に燃料カットが開始される。負荷変化量が所定安定状態に達するまでの収束時間には所定減速状態に移行する直前の機関運転状態の影響が反映されるので、収束時間及び収束時点における機関負荷に応じて燃料カット遅延時間を設定することにより、燃料カットの開始を過度に遅らせることなく、燃料カット開始時における機関出力トルクの変動を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、負荷変化量の収束時点における機関負荷及び計時された収束時間に基づいて、点火時期の遅角補正量が設定され、この遅角補正量を用いて、負荷変化量の収束時点から燃料カットを開始するまでの期間において、点火時期の遅角補正が行われる。これにより点火時期の遅角補正を行うことを前提として燃料カット遅延時間を設定することが可能となるので、遅角補正を行わない場合と比べて燃料カット遅延時間を短縮しつつ、燃料カット開始時における機関出力トルクの変動を確実に防止することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、吸気管2を有し、吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3には、スロットル弁3の開度THを検出するスロットル弁開度センサ4が設けられており、その検出信号が電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に供給される。
燃料噴射弁6は図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。エンジン1の各気筒には点火プラグ12が設けられており、点火プラグ12にはECU5から点火信号が供給される。
スロットル弁3の直ぐ下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ7が設けられており、吸気圧センサ7の下流には吸気温(TA)センサ8が取付けられている。またエンジン1の本体には、エンジン1の冷却水温TWを検出する冷却水温センサ9が取り付けられいる。これらのセンサ7〜9の検出信号は、ECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が接続されており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパルスを出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い一定クランク角周期(例えば30度周期)でCRKパルスを発生するCRKセンサから成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスがECU5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
ECU5には、エンジン1により駆動される車両の変速機の変速位置を検出する変速位置センサ13が接続されており、変速位置を示す変速位置パラメータNGR(例えば1速から5速に対応して「1」から「5」間の整数値に設定される)がECU5に供給される。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、前記燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。ECU5は、上述したセンサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁6の開弁時間の制御、及び点火プラグ12の点火時期制御を行う。
図2は、エンジン1の運転中に燃料供給を遮断する燃料カットを行うときに、燃料カット開始時期の制御を行う処理のフローチャートである。この処理は、ECU5のCPUで所定時間毎に実行される。
ステップS11では、図3に示すCFCDLY算出処理を実行し、収束時間パラメータCFCDLYを算出する。収束時間パラメータCFCDLYは、スロットル弁3が全閉状態となった時点から、吸気圧PBAの変化量DPBが所定閾値PBTH(例えば5.3kPa(40mmHg)以下である所定安定状態に収束する収束時点までの経過時間に比例するパラメータである。
図3のステップS31では、減速フラグFTHDECが「1」であるか否かを判別する。減速フラグFTHDECは、スロットル弁3が全閉状態となったとき「1」に設定される。ステップS31の答が否定(NO)であるときは、収束時間パラメータCFCDLYを「0」に設定するとともに、安定化フラグFFCREADYを「0」に設定する(ステップS32)。
ステップS31でFTHDEC=1であってスロットル弁3が全閉状態となったときは、下記式(1)により吸気圧変化量DPBを算出する。式の「k」は、本処理の実行周期で離散化した離散化時刻である。すなわち、吸気圧変化量DPBは、吸気圧PBAの今回値PBA(k)と前回値PBA(k-1)との差の絶対値として算出される。
DPB=|PBA(k)−PBA(k-1)| (1)
ステップS34では、吸気圧変化量DPBが所定閾値DPBTH以下である(所定安定状態にある)か否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)となり、直ちにステップS36に進み、安定化フラグFFCREADYが「1」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、収束時間パラメータCFCDLYを「1」だけインクリメントし(ステップS37)、本処理を終了する。
吸気圧変化量DPBが所定閾値DPBTH以下である所定安定状態に収束すると、安定化フラグFFCREADYを「1」に設定する(ステップS35)。その結果、ステップS36の答が肯定(YES)となり、収束時間パラメータCFCDLYのインクリメントを終了する。したがって、収束時間パラメータCFCDLYは、スロットル弁3が全閉状態となった時点から、吸気圧変化量DPBが所定閾値PBTH以下に収束する収束時点までの経過時間を示す。
図2に戻り、ステップS12では、安定化フラグFFCREADYが「1」であるか否かを判別する。この答が否定(NO)である間は直ちに本処理を終了し、安定化フラグFFCREADYが「1」に設定されると、ステップS13に進み、タイマセットフラグFTMSETが「1」であるか否かを判別する。最初は、この答は否定(NO)となり、ステップS14に進んで、その時点の吸気圧PBAを安定化吸気圧PBAFCとして記憶する。
ステップS15では、収束時間パラメータCFCDLY及び変速位置パラメータNGRに応じて図4(a)に示すTMPBFCDLYマップを検索し、遅延時間基本値TMPBFCDLYを算出する。TMPBFCDLYマップは、収束時間パラメータCFCDLYが増加するほど、かつ変速位置パラメータNGRが小さいほど、遅延時間基本値TMPBFCDLYが増加するように設定されている。ただし、変速位置パラメータNGRが3〜5であるとき(3速〜5速が選択されているとき)は、遅延時間基本値TMPBFCDLYはほぼ同一の値に設定されている。図4(a)の所定値CFD1は、例えば0.5秒に相当する値に設定され、所定遅延時間TMPFD1は、例えば0.5秒に設定される。
図4(a)に示すTMPBFCDLYマップの設定は、以下の理由に基づいている。変速段が低くなるほど(変速位置パラメータNGRが小さいほど)、燃料カット開始時のトルク変化が大きくなる傾向があるので、そのトルク変化を抑制するために、変速位置パラメータNGRが小さいほど、遅延時間基本値TMPBFCDLYが増加するように設定されている。また吸気圧PBAが安定化するのに要する時間が長くなるほど、エンジン出力トルクが安定化するのに要する時間も長くなる傾向があるので、収束時間パラメータCFCDLYが増加するほど、遅延時間基本値TMPBFCDLYが増加するように設定されている。
ステップS16では、安定化吸気圧PBAFCに応じて図4(b)に示すKPBFCDLYテーブルを検索し、遅延時間補正係数KPBFCDLYを算出する。KPBFCDLYテーブルは、安定化吸気圧PBAFCが増加するほど遅延時間補正係数KPBFCDLYが増加するように設定されている。図4(b)の所定吸気圧PB1及びPB2は、ぞれぞれ例えば26.7kPa(200mmHg)及び60kPa(450mmHg)に設定される。
エンジンが減速状態に移行し安定化したときの吸気圧PBA、すなわち安定化吸気圧PBAFCが高くなるほど、エンジン出力トルクを低減するのに要する時間が長くなることから、図4(b)に示すKPBFCDLYテーブルは、安定化吸気圧PBAFCが増加するほど遅延時間補正係数KPBFCDLYが増加するように設定されている。
ステップS17では、ステップS15及びS16で算出された遅延時間基本値TMPBFCDLY及び遅延時間補正係数KPBFCDLYを下記式(2)に適用し、燃料カット遅延時間TFCDLYを算出する。
TFCDLY=TMPBFCDLY×KPBFCDLY (2)
ステップS18ではダウンカウントタイマTMFCDLYを燃料カット遅延時間TFCDLYに設定してスタートさせる。ステップS19では、タイマセットフラグFTMSETを「1」に設定する。ステップS19を実行後はステップS13の答が肯定(YES)となるので、ステップS13から直ちにステップS20に進む。
ステップS20では、タイマTMFCDLYの値が「0」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)となるので、燃料カットフラグFDECFCを「0」に設定する(ステップS22)。燃料カット遅延時間TFCDLYが経過し、タイマTMFCDLYの値が「0」となると、燃料カットフラグFDECFCを「1」に設定する。これにより燃料カットが開始される。
次に点火時期の制御について説明する。本実施形態では、圧縮上死点からの進角量で示される点火時期IGLOGは、下記式(3)により算出される。式(3)のIGMAPはエンジン回転数NE及び吸気圧PBAに応じて算出される基本点火時期であり、IGFCDLRは以下に詳述する燃料カット開始直前に点火時期の遅角補正を行うための燃料カット遅角補正項であり、IGCRは燃料カット遅角補正項IGFCDLR以外の補正項である。
IGLOG=IGMAP−IGFCDLR+IGCR (3)
図5は燃料カット遅角補正項IGFCDLRを算出する処理のフローチャートである。この処理はECU5のCPUで所定時間毎に実行される。
ステップS41では、安定化フラグFFCREADYが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、ステップS43に進み、エンジン回転数NEに応じて減算項DIGFCDAを算出する。ステップS44では、燃料カット遅角補正項IGFCDLR及び減算項DIGFCDAを下記式(4)に適用し、燃料カット遅角補正項IGFCDLRを漸減する。
IGFCDLR=IGFCDLR−DIGFCDA (4)
ステップS45では、燃料カット遅角補正項IGFCDLRが負の値となったか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは燃料カット遅角補正項IGFCDLRを「0」に設定する(ステップS46)。
ステップS43〜S46は、安定化フラグFFCREADYが「1」となった後に燃料カットを行うことなく、スロットル弁3が開弁されたときに、燃料カット遅角補正項IGFCDLRを徐々に「0」に戻す制御を行うために設けられている。通常は燃料カット遅角補正項IGFCDLRは「0」であるため、安定化フラグFFCREADYが「1」となるまでは、燃料カット遅角補正項IGFCDLRは「0」に維持される。
安定化フラグFFCREADYが「1」に設定されると、ステップS41からステップS51に進み、燃料カットフラグFDECFCが「1」であるか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、ステップS55に進み、収束時間パラメータCFCDLYに応じて図6(a)に示すDIGFCDLRテーブルを検索し、加算項DIGFCDLRを算出する。DIGFCDLRテーブルは、収束時間パラメータCFCDLYが増加するほど、加算項DIGFCDLRが増加するように設定されている。図6(a)に示す所定値DIFD1及びDIFD0はそれぞれ例えば「1.3deg」及び「0.8deg」に設定される。
吸気圧PBAが安定化するのに要する時間が長いほど、より早くエンジン出力トルクを低減させる必要があるので、DIGFCDLRテーブルは、収束時間パラメータCFCDLYが増加するほど、加算項DIGFCDLRが増加するように設定されている。
ステップS56では、安定化吸気圧PBAFC及びエンジン回転数NEに応じて図6(b)に示すIGFCDLMTマップを検索し、遅角量上限値IGFCDLMTを算出する。図6(b)のNE1,NE,NE3,NE4,及びNE5は1000rpm,2000rpm,3000rpm,4000rpm,及び5000rpmに対応し、所定値IGFDL1及びIGFDL2は、それぞれ例えば「10deg」及び「20deg」に設定される。すなわちIGFCDLRLMマップは、安定化吸気圧PBAFCが増加するほど遅角量上限値IGFCDLMTが増加し、かつエンジン回転数NEが増加するほど遅角量上限値IGFCDLMTが減少するように設定されている。安定化吸気圧PBAFCが高いほど、燃焼安定性が高いことを示すので、IGFCDLMTマップは、安定化吸気圧PBAFCが増加するほど遅角量上限値IGFCDLMTが増加するように設定されている。
ステップS57では、下記式(5)に加算項DIGFCDLRを適用し、燃料カット遅角補正項IGFCDLRを増加させる。
IGFCDLR=IGFCDLR+DIGFCDLR (5)
ステップS58では、燃料カット遅角補正項IGFCDLRが遅角量上限値IGFCDLMTより大きいか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、燃料カット遅角補正項IGFCDLRを遅角補正量上限値IGFCDLMTに設定する(ステップS59)。ステップS58でIGFCDLR≦IGFCDLMTであるときは直ちに本処理を終了する。
その後燃料カットフラグFDECFCが「1」に設定されると、ステップS51からステップS60に進み、燃料カット遅角補正項IGFCDLRを「0」に設定して、本処理を終了する。
図7は図2及び図3の処理を説明するためのタイムチャートであり、時刻t1にスロットル弁が全閉状態とされた例が示されている。図7(b)に示す実線L1及び太い破線L2は、時刻t1以前において比較的高負荷の運転が行われていた例に対応し、さらに実線L1はエンジン1に補機(例えば空調装置など)の負荷が加わっていない場合に対応し、破線L2は補機負荷が加わっている場合に対応する。また細い破線L3は、時刻t1以前において比較的低負荷の運転が行われていた例に対応する。図7に示されるように、スロットル弁が閉弁される直前のエンジン運転状態によって吸気圧PBAが安定するまでの収束時間は変化する(実線L1:TSFC,破線L2:TSFCa,破線L3:TSFCb)。
したがって、収束時間パラメータCFCDLYに応じて燃料カット遅延時間TFCDLYを設定することにより、スロットル弁が閉弁される直前のエンジン運転状態(エンジン負荷)及び補機負荷の印加状態に応じた適切な設定を行うことができる。その結果、燃料カット遅延時間TFCDLYを不必要に長く設定することが無くなり、燃料カット開始時のトルク変動を防止し、かつ燃費を向上させることができる。また、燃料カット遅角補正項IGFCDLRにより、点火時期IGLOGを補正することを前提として、TMPBFCDLYマップ(図4(a))を設定しておくことにより、燃料カット開始時にトルク変動を発生することなく、燃料カット遅延時間TFCDLYをより短縮することができる。
また安定化吸気圧PBAFCには、図7(b)の実線L1と破線L2とで示されるように、補機負荷の印加状態が反映される。したがって、安定化吸気圧PBAFCに応じて設定される遅延時間補正係数KPBFCDLYを用いて、遅延時間基本値TMPBFCDLYを補正することにより、補機負荷の印加状態に適した燃料カット遅延時間TFCDLYの設定を行うことができる。
なお、図7(c)に示す収束時間パラメータCFCDLYは実線L1に対応する変化を示しており、図7(d)及び(e)も同様である。すなわち、時刻t2において安定化フラグFFCREADYが「1」に設定され、時刻t3に燃料カットフラグFDECFCが「1」に設定される。
図8は図5の処理を説明するためのタイムチャートであり、図7と同様に時刻t1においてスロットル弁が全閉状態とされ、時刻t2において安定化フラグFFCREADYが「1」に設定され、時刻t3において燃料カットフラグFDECFCが「1」に設定される。時刻t2において収束時間パラメータCFCDLY(収束時間TSFC)に応じて、燃料カット遅角補正項IGFCDLRの増加速度に対応する加算項DIGFCDLRが設定され、さらに時刻t2における吸気圧である安定化吸気圧PBAFC及びエンジン回転数NEに応じて、遅角補正量上限値IGFCDLMTが設定される。
加算項DIGFCDLRは、収束時間パラメータCFCDLYが大きくなるほど大きな値に設定されるので、燃料カット遅角補正項IGFCDLRの増加速度が速められる(破線L12は、実線L11の例より加算項DIGFCDLRが大きな値に設定され、かつ遅角補正量上限値IGFCDLMTもより大きな値に設定された例を示す)。これにより、燃料カット遅角補正項IGFCDLRが、スロットル弁が閉弁される直前のエンジン運転状態(エンジン負荷)及び補機負荷の印加状態に適した値に設定される。また遅角補正量上限値IGFCDLMTは、安定化吸気圧PBAFC及びエンジン回転数NEに応じて設定されるので、補機負荷の印加状態及びエンジン回転数NEに適した値に設定される。その結果、燃料カット運転の開始直前においてエンジン出力トルクが適切に低減され、燃料カット運転開始時におけるトルク変動を確実に防止することができる。
本実施形態では、吸気圧センサ7が負荷検出手段に相当し、ECU5が燃料カット手段、負荷変化量算出手段、計時手段、燃料カット遅延時間設定手段、点火時期補正量設定手段、点火時期補正手段、増量値算出手段、及び最大遅角補正量算出手段を構成する。具体的には、図2のステップS21が燃料カット手段に相当し、図3のステップS33が負荷変化量算出手段に相当し、ステップS31,S34〜37が計時手段に相当し、図2のステップS14〜S18が燃料カット遅延時間設定手段に相当し、図5のステップS55〜S59が点火時期補正量設定手段に相当し、ステップS55が増量値算出手段に相当し、ステップS56が最大遅角補正量算出手段に相当し、式(3)による点火時期IGLOGの算出が点火時期補正手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、スロットル弁が全閉状態とされ、吸気圧PBAが安定化した時点(安定化フラグFFCREADYが「1」に設定された時点)から燃料カット運転開始時点までの期間において点火時期の遅角補正を行うようにしたが、この点火時期の遅角補正は行わなくてもよい。その場合には、点火時期の遅角補正を行わないことを前提としてTMPBFCDLYマップ(図4(a))を設定する。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの制御にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 燃料カットの開始時期を制御する処理のフローチャートである。 図2の処理で実行されるサブルーチンのフローチャートである。 図2の処理で参照されるマップ及びテーブルを示す図である。 点火時期の遅角補正量(IGFCDLR)を算出する処理のフローチャートである。 図5の処理で参照されるテーブル及びマップを示す図である。 図2及び図3の処理を説明するためのタイムチャートである。 図5の処理を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 吸気管
3 スロットル弁
5 電子制御ユニット(燃料カット手段、負荷変化量算出手段、計時手段、燃料カット遅延時間設定手段、点火時期補正量設定手段、点火時期補正手段、増量値算出手段、最大遅角補正量算出手段)
6 燃料噴射弁
7 吸気圧センサ(負荷検出手段)
12 点火プラグ
13 変速位置センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の減速時に前記機関への燃料供給を停止する燃料カットを実行する燃料カット手段を備える内燃機関の制御装置において、
    前記機関の負荷を検出する負荷検出手段と、
    検出した機関負荷の変化量を算出する負荷変化量算出手段と、
    前記機関の所定減速状態が検出された時点から前記負荷変化量が所定値以下である所定安定状態に収束する収束時点までの収束時間を計時する計時手段と、
    前記収束時点から燃料カットを開始するまでの燃料カット遅延時間を、前記収束時点における前記機関負荷及び前記計時手段により計時された収束時間に基づいて設定する燃料カット遅延時間設定手段とを備え、
    前記燃料カット手段は、前記収束時点から前記燃料カット遅延時間が経過した後に前記燃料カットを開始することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記収束時点における前記機関負荷及び前記計時手段により計時された収束時間に基づいて、前記機関の点火時期の遅角補正量を設定する点火時期補正量設定手段と、
    前記収束時点から前記燃料カットを開始するまでの期間において、前記遅角補正量により前記点火時期を補正する点火時期補正手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
JP2008165303A 2008-06-25 2008-06-25 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP5010545B2 (ja)

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