JP2010007332A - 防滑床シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】防滑粒子が表面層に不均一に分散し、防滑粒子の含有量が少ないにもかかわらず、防滑粒子が表面層の表面に露出して防滑性を発揮する防滑床シートと、その製造方法を提供する。
【解決手段】多数の熱可塑性樹脂塊1aが結合一体化された表面層1を有する床シートであって、全ての熱可塑性樹脂塊1aの結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に防滑粒子1bが偏在して不均一に分散した構成の防滑床シートS1とする。一部の熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に防滑粒子が偏在し、この防滑粒子の偏在した熱可塑性樹脂塊が表面層に散在している構成の防滑床シートとしてもよい。防滑粒子が均一に分散する場合に比べて防滑粒子の含有量が減少するので、表面層1の物性の低下が抑制され、しかも表面層1の表面に露出した防滑粒子1bによって良好な防滑性が発揮される。
【選択図】図1

Description

本発明は、防滑粒子が不均一に分散した表面層を有する防滑床シートと、その製造方法に関する。
従来より、防滑性を有する床シートとして、例えば、ポリ塩化ビニル層内に、該ポリ塩化ビニル組成物の加工温度よりも高い軟化点を有する合成樹脂粒状体を分散させると共に、該ポリ塩化ビニル層の表面にも合成樹脂粒状体の一部を露出させたノンスリップ性床材が知られている(特許文献1)。
また、基材上に架橋樹脂被覆層が形成され、該樹脂被覆層中に粒状体が分散されると共に、粒状体が被覆層表面から露出したノンスリップ床材も知られている(特許文献2)。
特開昭59−8869号公報 実開平2−123539号公報
上記特許文献1,2のノンスリップ床材のように、粒状体をポリ塩化ビニル層や架橋樹脂被覆層に均一に分散させ、且つ、該層の表面に粒状体の一部を露出させたものは、粒状体の含有量が少ないと粒状体が表面に露出しにくいため、粒状体をポリ塩化ビニル層や架橋樹脂被覆層に多量に含有させることが必要になる。しかしながら、粒状体を多量に含有させると、ポリ塩化ビニル層や架橋樹脂被覆層の物性が低下し、ノンスリップ床材の品質の低下を招く恐れが多分にあった。
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、防滑粒子が表面層に不均一に分散し、防滑粒子の含有量が少ないにもかかわらず、防滑粒子が表面層の表面に露出して防滑性を発揮する防滑床シートと、その製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防滑床シートは、多数の熱可塑性樹脂塊が結合一体化された表面層を有する床シートであって、表面層を形成する全ての熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に防滑粒子が偏在していることを特徴とするものである。
そして、この請求項1の防滑床シートを製造する本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂粒の表面に防滑粒子を添着させ、この防滑粒子を添着させた熱可塑性樹脂粒を一定の厚さに積み重ねて加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、表面層を形成することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に係る防滑床シートは、多数の熱可塑性樹脂塊が結合一体化された表面層を有する床シートであって、表面層を形成する一部の熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に防滑粒子が偏在し、この防滑粒子の偏在した熱可塑性樹脂塊が表面層に散在していることを特徴とするものである。
そして、この請求項2の防滑床シートを製造する本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂粒の表面に防滑粒子を添着させ、この防滑粒子を添着させた熱可塑性樹脂粒と防滑粒子を添着させていない熱可塑性樹脂粒を混合し、この混合物を一定の厚さに積み重ねて加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、表面層を形成することを特徴とするものである。
本発明においては、防滑粒子として、無機粒子、熱硬化性樹脂粒子、熱軟化温度が熱可塑性樹脂塊(粒)のそれよりも高い熱可塑性樹脂粒子、のいずれか、又はその組み合わせが用いられる。
本発明の請求項1に係る防滑床シートのように、防滑粒子が表面層において結合一体化された全ての熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に偏在し、熱可塑性樹脂塊の内部に含まれない状態で不均一に分散していると、防滑粒子が熱可塑性樹脂塊の内部と結合界面、又はその内部と結合界面と表面層の表面に均一に分散する場合(換言すれば表面層全体に均一に分散する場合)に比べて防滑粒子の含有量が減少するため、防滑粒子による表面層の物性の低下を抑制することができる。しかも、表面層の表層部に位置する熱可塑性樹脂塊の結合界面及び表面層の表面に存在する防滑粒子のうち、表面層の表面に存在する防滑粒子は表面層より露出しているので、この露出した防滑粒子によって良好な防滑性能を発現することができる。そして、表面層が表面から摩耗するにつれて、表面層内部側の熱可塑性樹脂塊の結合界面に存在する防滑粒子が摩耗表面に順次露出するので、表面層が磨滅するまで防滑性能を維持することができる。
このような防滑床シートは、熱可塑性樹脂粒の表面に防滑粒子を添着させ、この防滑粒子を添着させた熱可塑性樹脂粒を一定の厚さに積み重ねて加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、表面層を形成することを特徴とする本発明の製造方法によって、効率良く製造することができる。
また、本発明の請求項2に係る防滑床シートのように、防滑粒子が表面層において結合一体化された一部の熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に偏在し、この防滑粒子の偏在した熱可塑性樹脂塊が表面層に散在して、防滑粒子が表面層に不均一に分散していると、表面層全体に防滑粒子が均一に分散する場合に比べて防滑粒子の含有量が大幅に減少するため、防滑粒子による表面層の物性の低下を顕著に抑制することができる。しかも、表面層の表層部に散在する、防滑粒子の偏在した熱可塑性樹脂塊の表面層の表面側に存在する防滑粒子は表面層の表面に露出するので、この露出した防滑粒子によって良好な防滑性能を発現することができる。そして、表面層が表面から摩耗するにつれて、熱可塑性樹脂塊の結合界面に存在する防滑粒子や、表層面内部に散在する熱可塑性樹脂塊の結合界面に存在する防滑粒子が摩耗表面に順次露出するので、表面層が磨滅するまで防滑性能を維持することができる。
このような防滑床シートは、熱可塑性樹脂粒の表面に防滑粒子を添着させ、この防滑粒子を添着させた熱可塑性樹脂粒と防滑粒子を添着させていない熱可塑性樹脂粒を混合し、この混合物を一定の厚さに積み重ねて加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、表面層を形成することを特徴とする本発明の製造方法によって、効率良く製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
図1は本発明の一実施形態に係る防滑床シートの概略斜視図、図2は同防滑床シートの部分拡大断面図である。
この防滑床シートS1は、合成樹脂製の裏面層3と、補強繊維層2と、合成樹脂製の表面層1を、この順で積層した三層構造の床シートであって、表面層1の表面には細かい凹凸が形成されている。
この防滑床シートS1の表面層1は、図2に示すように、多数の熱可塑性樹脂塊1aが熱圧着されて結合一体化したものであって、表面層を形成する全ての熱可塑性樹脂塊1aの結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面には防滑粒子1bが偏在しており、該防滑粒子1bは熱可塑性樹脂塊1aの内部に含まれない状態で不均一に分散して存在している。そして、表面層1の表層部に位置する熱可塑性樹脂塊1aの表面層表面側に存在する防滑粒子1bは、表面層1の細かい凹凸が形成された表面に露出し、この露出した防滑粒子1bと表面の細かい凹凸との相乗作用によって、良好な防滑性能を発現している。
表面層1の表面は、JIS B 0601に準拠する表面平均粗さRaが2〜30μmとなるように細かい凹凸を形成すること(表面層の汚れを勘案すると、Raの範囲は2〜10μmであることが好ましい)が、防滑性能を高める上で好ましい。但し、本発明の防滑床シートは、表面層1の表面に細かい凹凸を形成することを必須要件としていないので、表面層1の表面を平滑面とし、この平滑な表面に露出する防滑粒子のみによって防滑性能を発現させるように構成しても勿論よい。
熱可塑性樹脂塊1aは、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの防滑床シートの表面層に適した物性を有する熱可塑性樹脂からなるもので、個々の熱可塑性樹脂塊1aの大きさ(体積の平均値)は0.4〜1cm程度であり、これらの樹脂塊1aを種々の色に着色することによって表面層1の化粧性や意匠性が高められている。尚、この熱可塑性樹脂塊1aは、後述する製造方法において使用する表面層形成用の熱可塑性樹脂粒10aが熱圧着されるときに軟化、変形したものである。
熱可塑性樹脂塊1aの結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に偏在して表面層1に不均一に分散する防滑粒子1bは、無機粒子、熱硬化性樹脂粒子、熱軟化温度が熱可塑性樹脂塊(粒)のそれよりも高い熱可塑性樹脂粒子、のいずれか、又はその組み合わせであって、良好な防滑性能を発揮する体積の平均値が5×10−7〜4.0×10−3mm度、平均粒径が5〜100μm程度の粒子が好ましく使用される。
無機粒子の具体例としては、炭化ケイ素、アルミナ、シリカ、ケイ砂、ケイ石粉等が挙げられ、短繊維のガラス繊維やカーボン繊維も使用可能である。また、熱硬化性樹脂粒子の具体例としては、アクリルゴムパウダー、NBRゴムパウダー等の破砕粒子が挙げられ、熱可塑性樹脂粒子の具体例としては、アクリルビーズ、ウレタンパウダー、塩化ビニルパウダー、ポリスチレンビーズ、酢酸ビニルパウダー等が挙げられる。尚、熱可塑性樹脂粒子は、熱可塑性樹脂塊1aの熱軟化温度より30℃以上高い熱軟化温度を有するものを選択使用し、熱可塑性樹脂塊1aを結合一体化させるときの熱と圧力で熱可塑性樹脂粒子が軟化して潰れないようにすることが必要である。
防滑粒子1bは熱可塑性樹脂塊1aの結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に偏在して表面層1に不均一に分散しているので、表面層1における防滑粒子1bの含有量は、防滑粒子を表面層に均一に分散させる場合に比べて大幅に減少させることが可能であり、100質量部の熱可塑性樹脂塊1aに対して防滑粒子1bを5〜40質量部の割合で含有させれば、防滑粒子1bによって防滑性能を発現させることができる。防滑粒子1bの含有量が5質量部を下回ると、防滑性能が不充分になる恐れが生じ、40質量部を上回ると、過剰な防滑粒子1bによって表面層1の物性の低下を招く恐れが生じる。そして、防滑粒子の含有量を更に増やすと、防滑粒子によって熱可塑性樹脂塊1a相互の結合が阻害され、結合力が低下して表面層1に細かいヒビ割れを生じる恐れが出てくる。
この実施形態の防滑床シートS1は、裏面層3も、熱可塑性樹脂塊3aを熱圧着して結合一体化した層となっている。この裏面層3の熱可塑性樹脂塊3aは、軟質塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の柔軟性、弾力性がある熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルク、クレー等の充填材を配合したものであって、裏面層3に適した物性を備えている。この熱可塑性樹脂塊3aは、後述する製造方法において使用する裏面層形成用の熱可塑性樹脂粒30aが熱圧着されるときに軟化、変形したものである。
尚、裏面層3は上記の熱可塑性樹脂塊3aが結合一体化した層に限定されるものではなく、押出成形などによってシーティングされた熱可塑性樹脂層であってもよい。また、裏面層3の下面に凹凸を形成したり、寒冷紗などの繊維層を設けて、床面との接着強度を高めるようにしてもよい。
表面層1と裏面層3の間に設ける補強繊維層2は、防滑床シートS1の補強と寸法安定性を高めるものであって、ガラス繊維の不織布、ガラスクロス等が使用される。この補強繊維層2は省略しても勿論よい。
上記のような構成の防滑床シートS1は、防滑粒子1bが表面層において結合一体化された全ての熱可塑性樹脂塊1aの結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に偏在して不均一に分散し、防滑粒子1bの含有量が少ないため、防滑粒子1bによる表面層1の物性の低下を抑制することができる。そして、表面層1の表層部に位置する熱可塑性樹脂塊1aの表面に存在する防滑粒子1bが表面層1の表面に露出しているので、この露出した防滑粒子1bと表面層1の表面に形成された細かい凹凸との相乗作用によって優れた防滑性能が発現され、表面層1の表面に細かい凹凸が形成されていない場合には、露出した防滑粒子1bのみによって良好な防滑性能が発現される。しかも、表面層1の摩耗が進行するにつれて、表面層1内部の熱可塑性樹脂塊1aの結合界面に偏在した防滑粒子1bが、摩耗表面に不連続な二次元網目状に順次露出し、この二次元網目状に露出する防滑粒子1bが良好な防滑性能を発揮するので、表面層1が磨滅するまで良好な防滑性能を維持することができる。
次に、上記の防滑床シートS1の製造方法について説明する。
まず、防滑粒子が表面に添着した表面層形成用の熱可塑性樹脂粒を準備する。これは、表面層形成用の熱可塑性樹脂粒と防滑粒子と可塑剤と安定剤を混合し、可塑剤と安定剤を添着剤として防滑粒子を熱可塑性樹脂粒の表面に添着させることによって容易に調製することができる。
熱可塑性樹脂粒としては、前記熱可塑性樹脂塊1aのところで説明した種々の熱可塑性樹脂のペレットやチップであって、その大きさ(体積の平均値)が前記熱可塑性樹脂塊1aと同じ0.4〜1cm程度であるものが使用され、防滑粒子としては、前述した無機粒子、熱硬化性樹脂粒子、熱可塑性樹脂粒子がいずれも使用される。また、可塑剤としては、添着作用を有するフタル酸系エステル、トリメリト酸エステル、エポキシ系可塑剤、塩素系可塑剤等が使用され、安定剤も、添着作用を有するバリウム-亜鉛系金属石鹸、カルシウム-亜鉛系金属石鹸、有機錫系安定剤等が使用される。尚、添着剤としては可塑剤のみを用いてもよいし、可塑剤や安定剤に代えて塩化ビニル樹脂等のペーストレジンを配合してもよいし、可塑剤・安定剤とペーストレジンを併用してもよい。いずれにしても、熱可塑性樹脂粒と防滑粒子の双方に対して濡れ性があり、且つ添着した防滑粒子を熱可塑性樹脂粒の表面に保持できる液状体が選ばれる。
表面層形成用の熱可塑性樹脂粒と防滑粒子との混合割合は、熱可塑性樹脂粒100質量部に対して防滑粒子を5〜40質量部混合することが好ましく、防滑粒子が5質量部を下回ると、前述したように防滑性能の不充分な表面層が形成される恐れがあり、40質量部を上回ると、過剰な防滑粒子1bによって物性の低下した表面層1が形成される恐れがある。尚、可塑剤や安定剤やペーストレジンは適量配合すればよい。
防滑粒子が添着した熱可塑性樹脂粒の準備ができると、図3の(a)に示すように、裏面層形成用の熱可塑性樹脂粒30aを例えばプレス成形機の下金型(不図示)の上に一定の厚さに積み重ね、その上にガラス繊維の不織布など補強繊維層2を重ねると共に、更にその上に表面層形成用の防滑粒子1bが添着した熱可塑性樹脂粒30aを一定の厚さに積み重ねる。そして、この熱可塑性樹脂粒30aの上に表面平均粗さRaが2〜30μmのエンボス板(不図示)を重ね、熱可塑性樹脂粒10a,30aの軟化温度以上に加熱して熱可塑性樹脂粒10a,30aを加熱軟化させると共に、プレス機の上金型(不図示)で加圧する。なお、裏面層形成用の熱可塑性樹脂粒30aとしては、表面層1と裏面層3の接着性の点から、表面層形成用の樹脂と同種のものを使用することが望ましい。
上記のように加熱しながら加圧すると、表面層形成用の熱可塑性樹脂粒10aは軟化、変形しながら圧着され、図3の(b)に示すように熱可塑性樹脂塊1aとなって結合(溶融)一体化し、防滑粒子1bが全ての熱可塑性樹脂塊1aの表面に添着して樹脂塊の結合界面に偏在すると共に、細かい凹凸表面に防滑粒子1bが露出した表面層1が形成される。これと同時に裏面層形成用の熱可塑性樹脂粒30aも軟化、変形しながら圧着され、熱可塑性樹脂塊3aとなって結合(溶融)一体化された裏面層3が形成されると共に、この裏面層3と上記表面層1との間に補強繊維層2が挟着一体化されて、三層構造の防滑床シートS1が製造される。
尚、防滑床シートの製造方法は、上記の方法に限定されるものではなく、成形用の下型の上に表面層形成用の熱可塑性樹脂粒30aを積み重ねて加熱・加圧して表面層1のみを作製し、別途、押出成形などで作製した裏面層3と貼り合わせて防滑床シートを得るようにしてもよいし、裏面層3を形成した後に、その裏面層3上に表面層形成用の熱可塑性樹脂粒30aを積み重ねて加熱・加圧して防滑床シートを得るようにしても勿論よい。
図4は本発明の他の実施形態に係る防滑床シートの概略斜視図である。
この防滑床シートS2は、前記の防滑床シートS1と同様に、多数の熱可塑性樹脂塊1aが結合一体された表面層1を有するものであるが、全ての熱可塑性樹脂塊1aの表面に防滑粒子1bが添着されてなく、一部の熱可塑性樹脂塊1aの表面に防滑粒子1bが添着して表面層1に不均一に分散、偏在している点で、前記の防滑床シートS1と異なっている。
防滑粒子1bが添着した熱可塑性樹脂塊1aの占める割合は、防滑粒子が添着していない熱可塑性樹脂塊100質量部に対して5質量部以上、好ましくは5〜40質量部の範囲に設定するのがよい。防滑粒子1bの添着した熱可塑性樹脂塊1aが5質量部を下回ると、表面層1の防滑性能が不充分になる恐れが生じるので避けるべきである。一方、防滑粒子1bの添着した熱可塑性樹脂塊1aの占める割合が大きくなるほど防滑性能は向上するが、その分、防滑粒子1bの含有量が増えて表面層1の物性の低下を招く懸念が生じるので、上記の好ましい範囲に設定することが好ましい。
この防滑床シートS2の他の構成は、前述した防滑床シートS1と同様であるので、図4において同一部分に同一符号を付すにとどめ、重複する説明は省略することにする。
上記の防滑床シートS2は、表面層1における防滑粒子1bの含有量が前記の防滑床シートS1よりも更に少ないため、防滑粒子による表面層の物性の低下を顕著に抑制することができる。そして、表面層1の表層部に散在する防滑粒子1bの添着した熱可塑性樹脂塊1aの該防滑粒子1bが表面層1の表面に露出するため、この露出した防滑粒子1bと表面層1の細かい凹凸との相乗作用によって良好な防滑性能が発現され、表面層1の表面に細かい凹凸が形成されていない場合には、露出した防滑粒子1bのみによって防滑性能が発現される。また、表面層1が表面から摩耗すると、表面層内部に散在する防滑粒子1bの添着した熱可塑性樹脂塊1aの該防滑粒子1bが摩耗表面に順次露出するので、表面層1が磨滅するまで防滑性能を維持することができる。
このような防滑床シートS2は、前述の製造方法において、補強繊維層2の上に防滑粒子1bを添着させた表面層形成用の熱可塑性樹脂粒10aを一定の厚さに積み重ねる代わりに、防滑粒子1bを添着させた表面層形成用の熱可塑性樹脂粒10aと防滑粒子1bを添着させていない表面層形成用の熱可塑性樹脂粒10aとを前記の割合で混合して、この混合物を補強繊維層2の上に一定の厚さに積み重ね、前述の製造方法と同様に加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、効率良く製造することができる。
次に、表面層について行った滑り試験について説明する。
熱可塑性樹脂粒として塩化ビニル樹脂ペレット(体積の平均値0.065cm)150質量部、可塑材(DOP)7質量部、安定剤(バリウム-亜鉛系金属石鹸)1.2質量部、防滑粒子として炭化ケイ素粒子(平均粒径20μm)10質量部を混合し、可塑剤と安定剤を添着剤として炭化ケイ素粒子を塩化ビニル樹脂ペレットに添着させた炭化ケイ素粒子添着ペレットを調製した。
また、上記の炭化ケイ素粒子に代えて、防滑粒子としてアクリルビーズ(平均粒径150μm)を10質量混合した以外は、上記と同様にしてアクリルビーズ添着ペレットも調製した。
そして、上記の炭化ケイ素粒子添着ペレットと上記のアクリルビーズ添着ペレットを、それぞれ100質量部の塩化ビニル樹脂ペレットに10質量部ずつ混合して二種類の混合物を得た。
上記の炭化ケイ素粒子添着ペレットと塩化ビニル樹脂ペレットとの混合物をプレス機の下金型に一定の厚さに積み重ね、その上に表面平均粗さRaが20μmの石目調のエンボス面を有するエンボス板を重ねて、200℃に加熱しながら上金型で圧力20N/cmに加圧することにより、防滑粒子の炭化ケイ素粒子が、結合一体化した一部の塩化ビニル樹脂塊の表面に添着して不均一に含まれると共に、凹凸表面にも露出した、前記防滑床シートS2の表面層1に相当する表面層Aを作製した。
また、上記のアクリルビーズ添着ペレットと塩化ビニル樹脂ペレットとの混合物を使用し、上記と同様にして、防滑粒子のアクリルビーズが、結合一体化した一部の塩化ビニル樹脂塊の表面に添着して不均一に含まれると共に、凹凸表面にも露出した、前記防滑床シートS2の表面層1に相当する表面層Bを作製した。
これらの表面層A,Bについて、以下のオーワイ−プル(OY−PULL)法に従って滑り試験を行った。その結果を下記の表1に示す。尚、表1に示す防滑性能は、3回の測定値の平均値である。
また、比較のために、塩化ビニル樹脂ペレットのみを使用し、上記と同様の方法で、防滑粒子を含まない細かい凹凸を形成しただけの表面層Cを作製し、この表面層について同様の滑り試験を行った結果を下記の表1に併記する。
[オーワイ−プル(OY−PULL)法]
JIS A 1454の規定に従い、すべり片(ウレタンゴム製、ゴム硬度:90°、底面積:56cm、端部傾斜30°)を用い、80kgfの載荷重を負荷し、すべりはじめ時の最大引張り荷重Pmaxを載荷重で除した値、C.S.R.値を「防滑性能」としている。
C.S.R.値=Pmax(kgf)/80(kgf) 測定時の床シートの表面は、湿潤状態(水道水とJIS Z 8901に規定する試験用粉体1の1種及び7種を20:9:1の比率で混合したものを、試験体表面に400g/mの割合で散布した状態)で測定を行った。
Figure 2010007332
上記の滑り試験の結果から、防滑粒子として炭化ケイ素粒子を含む表面層A、及び、防滑粒子としてアクリルビーズを含む表面層Bは、いずれも表面層における防滑粒子の含有量が1質量%未満(略0.67質量%)と極めて少ないにも拘わらず、防滑粒子を含まない表面層Cより0.014以上高い数値を示し、良好な防滑性能を有することが分かる。また、炭化ケイ素粒子を含む表面層Aの方がアクリルビーズを含む表面層Bよりも良好な防滑性能を有するのは、炭化ケイ素粒子がアクリルビーズと比較し、不均一な形状をしているため、物理的な滑り抵抗が発生したものと推測される。
本発明の一実施形態に係る防滑床シートの概略斜視図である。 同防滑床シートの部分拡大断面図である。 同防滑床シートの製造方法の説明図である。 本発明の他の実施形態に係る防滑床シートの概略斜視図である。
符号の説明
1 表面層
1a 表面層の熱可塑性樹脂塊
1b 防滑粒子
2 補強繊維層
3 裏面層
3a 裏面層の熱可塑性樹脂塊
10a 表面層形成用の熱可塑性樹脂粒
30a 裏面層形成用の熱可塑性樹脂粒
S1,S2 防滑床シート

Claims (5)

  1. 多数の熱可塑性樹脂塊が結合一体化された表面層を有する床シートであって、表面層を形成する全ての熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に防滑粒子が偏在していることを特徴とする防滑床シート。
  2. 多数の熱可塑性樹脂塊が結合一体化された表面層を有する床シートであって、表面層を形成する一部の熱可塑性樹脂塊の結合界面、又はその結合界面及び表面層の表面に防滑粒子が偏在し、この防滑粒子の偏在した熱可塑性樹脂塊が表面層に散在していることを特徴とする防滑床シート。
  3. 防滑粒子が、無機粒子、熱硬化性樹脂粒子、熱軟化温度が熱可塑性樹脂塊のそれよりも高い熱可塑性樹脂粒子、のいずれか、又はその組み合わせである請求項1又は請求項2に記載の防滑床シート。
  4. 熱可塑性樹脂粒の表面に防滑粒子を添着させ、この防滑粒子を添着させた熱可塑性樹脂粒を一定の厚さに積み重ねて加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、表面層を形成すること特徴とする、請求項1に記載された防滑床シートの製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂粒の表面に防滑粒子を添着させ、この防滑粒子を添着させた熱可塑性樹脂粒と防滑粒子を添着させていない熱可塑性樹脂粒を混合し、この混合物を一定の厚さに積み重ねて加熱軟化させると共に加圧して結合一体化させることにより、表面層を形成することを特徴とする、請求項2に記載された防滑床シートの製造方法。
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