JP2010006990A - ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物 - Google Patents

ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】基材上に密着性の高いポリベンゾイミダゾールプライマー層を形成させるためのプライマー組成物の提供。
【解決手段】ポリベンゾイミダゾールと、150℃以上の耐熱性を有する接着樹脂と、ポリベンゾイミダゾールを溶解し得る溶剤とを含んでなる、ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物。基材上にこのプライマー組成物を塗布し、密着性の高いポリベンゾイミダゾールプライマー層を形成させ、その上にポリベンゾイミダゾール塗料組成物を塗布することにより、密着性の高いポリベンゾイミダゾール塗膜を有する複合体が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明はポリベンゾイミダゾールプライマー組成物に関する。
ポリベンゾイミダゾールは優れた耐エネルギー性および耐薬品性を持つものである。このために各種基材の保護被膜の材料として非常に有用なものである。このような用途では、基材の表面にポリベンゾイミダゾールを含む塗料組成物を塗布し、必要に応じて焼成などを行って硬化させ、被膜を形成させるのが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、従来の方法で基材上に形成されたポリベンゾイミダゾール被膜は、基材との密着性に改良の余地があった。特に、基材が鉄基材以外の場合には、その傾向が強い。また、基材の保護のために、より厚い被膜を形成させようとした場合には、剥離することがあった。このため、基材の表面にポリベンゾイミダゾール被膜を安定に固定する技術が求められていた。
特開平5−339401号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み、ポリベンゾイミダゾール被膜を基材上に固定するための方法および材料を提供するものである。すなわち、基材上にポリベンゾイミダゾール被膜を形成させるに先立って、基材表面に密着性を改良するためのプライマー層を形成させるためのポリベンゾイミダゾールプライマー組成物を提供するものである。
本発明によるポリベンゾイミダゾールプライマー組成物は、ポリベンゾイミダゾールと、150℃以上の耐熱性または連続使用可能温度を有し、350℃で分解しないを接着樹脂と、ポリベンゾイミダゾールを溶解し得る溶剤とを含んでなり、前記ポリベンゾイミダゾールと前記接着樹脂との重量比が5/95〜95/5であることを特徴とするものである。
本発明によれば、基材に対して密着性のよいポリベンゾイミダゾールプライマー層を形成させることができる。このプライマー層の上にポリベンゾイミダゾール塗料組成物を塗布してポリベンゾイミダゾール塗膜を形成させることにより、基材表面に耐薬品性および耐熱性に優れた保護膜を形成させることができる。ポリベンゾイミダゾールプライマー層は、ポリベンゾイミダゾール塗膜と相容性が高いために密着性も高く、剥離などの欠陥も起こりにくい。
このように基材上に堅牢なポリベンゾイミダゾール塗膜を形成することができるため、本発明によるプライマー組成物は、半導体産業、自動車産業、原子力産業、化学工業、重電機産業などに幅広く用いることができる。
本発明によるポリベンゾイミダゾールプライマー組成物は、ポリベンゾイミダゾールと、150℃以上の耐熱性または連続使用可能温度を有する接着樹脂と溶剤とを含んでなる。
ここで、ポリベンゾイミダゾールとは、置換または非置換のベンゾイミダゾールをモノマー単位として含む重合体をいう。ベンゾイミダゾールが置換基を有する場合、その置換基は本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択される。好ましいポリベンゾイミダゾールは、下記一般式(I)で表されるものである。
Figure 2010006990
ここで、R〜RおよびR’〜R’は、それぞれ独立に選択される置換基であり、Lは2価の連結基であり、Lは、R〜Rのいずれか一つと、R’〜R’のいずれか一つとを連結する2価の連結基であり、pおよびqは重合度を表す数である。ここで、R〜RおよびR’〜R’は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ハロゲン、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシル基であることが好ましく、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合であるか、カルコゲン原子、芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環式化合物、または複素環化合物からなる2価の連結基であることが好ましい。
またはLが脂肪族化合物からなる連結基である場合は、炭素数が1〜8のアルキレンであることがより好ましく、芳香族化合物である場合は、フェニレン、またはナフチレンであることが好ましく、複素環化合物からなる連結基である場合は、ピリジニレン、ピラジニレン、フラニレン、キノリニレン、チオフェニレン、ピラニレン、またはインデニレンであることが好ましく、カルコゲンからなる連結基である場合は、−O−、−S−、−SO−であることが好ましい。
このような一般式(I)で示されるポリベンゾイミダゾールのうち、好ましいのは、以下の一般式(Ia)で示されるものである。
Figure 2010006990
ここでnは重合度を表す数である。
本発明において用いることができるポリベンゾイミダゾールは、その構造や分子量などに応じて、広範な範囲の固有粘度を取り得るが、本発明において、ポリベンゾイミダゾールの分子量は一般に2,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜300,000、より好ましくは5,000〜100,000、である。また、本発明に用いるポリベンゾイミダゾールは、その固有粘度が0.2以上であることが好ましい。
このようなポリベンゾイミダゾールの具体例は、下記のものである。
ポリ−2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジベンゾイミダゾール(一般式(Ia)、
ポリ−2,2’−(ジフェニレン−2,2’’’)−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−(ジフェニレン−4’’,4’’’)−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−(1’’、1’’、3’’−トリメチルインダニレン)−3’’、5’’−p−フェニレン−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジベンゾイミダゾール/2,2’−(1’’、1’’、3’’−トリメチルインダニレン)−3’’、5’’−p−フェニレン−5,5’−ジベンゾイミダゾール共重合体、
2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジベンゾイミダゾール/2,2’−(ジフェニレン−2’’,2’’’)−5,5’−ジベンゾイミダゾール共重合体、
ポリ−2,2’−(フリレン−2’’,5’’)−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−(ナフタレン−1’’、6’’)−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−(ナフタレン−2’’、6’’)−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−アミレン−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−オクタメチレン−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−シクロヘキセニル−5,5’−ジベンゾイミダゾール、
ポリ−2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジ(ベンゾイミダゾール)エーテル、
ポリ−2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジ(ベンゾイミダゾール)サルファイド、
ポリ−2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジ(ベンゾイミダゾール)スルフォン、
ポリ−2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジ(ベンゾイミダゾール)メタン、
ポリ−2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ジ(ベンゾイミダゾール)プロパン2,2、および
ポリ−エチレン−1,2,2,2’’−(m−フェニレン)−5,5’−ジ(ベンゾイミダゾール)エチレン−1,2。
本発明によるプライマー組成物は、ポリベンゾイミダゾールのほかに、接着樹脂を含んでなる。この接着樹脂には、耐熱性または連続使用可能温度が150℃以上であり、一方でポリベンゾイミダゾールの加工温度である350℃で分解しない樹脂が用いられる。このような樹脂は、スーパーエンジニアリング樹脂として知られている。スーパーエンジニアリング樹脂は、一般のエンジニアリング樹脂よりも高温耐久性に優れ、プライマー組成物と基材との密着性を改良できるものである。このような樹脂としては、以下のようなものが挙げられる。
ポリサルフォン(略号:PSF、連続使用可能温度150℃)
ポリエーテルサルフォン(略号:PES、連続使用可能温度180℃)
ポリエーテルイミド(略号:PEI、連続使用可能温度160℃)
ポリエーテルエーテルケトン(略号:PEEK、連続使用可能温度240℃)
ポリフェニレンサルファイド(略号:PPS、連続使用可能温度220℃)
ポリアミドイミド(略号:PAI、連続使用可能温度250℃)
ポリイミド(略号:PI、連続使用可能温度260℃)
芳香族環を有し、融点が300℃以上の液晶ポリマー(略号:LCP)
接着樹脂としては、基材との密着性およびポリベンゾイミダゾールとの相容性が良好な樹脂として、分子構造中に芳香族環を有するものが好ましい。さらに好ましい接着樹脂として、耐熱性(連続使用可能温度)が250℃を超えるものが好ましい。
本発明によるプライマー組成物は、前記ポリベンゾイミダゾールと、前記接着樹脂とを含んでなる。これらの配合比は、重量比で5/95〜95/5であることが必要であり、30/70〜90/10であることが好ましく、50/50〜90/10であることがより好ましい。ポリベンゾイミダゾールが多いほうが、上層に形成させるポリベンゾイミダゾール層との密着性がよくなる傾向にあり、接着樹脂が多いほうが基材との密着性がよくなる傾向にある。
本発明によるポリベンゾイミダゾールプライマー組成物は、ポリベンゾイミダゾールを溶解し得る溶剤をさらに含んでなる。ここで、ポリベンゾイミダゾールを溶解し得るとは、20℃におけるポリベンゾイミダゾールの溶解度が1g/l以上であることをいうが、溶解度が5g/l以上であることが好ましい。
このような溶剤としては、ポリベンゾイミダゾールに対する溶解度が上記の条件を満たすものから任意に選択することができるが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびN−メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの極性溶剤は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。これらのうちジメチルスルホキシドはポリベンゾイミダゾールへの溶剤浸透性が強く、他の極性溶剤との併用で溶解性を促進させる効果がある。ここに例示したジメチルスルホキシド以外の極性溶剤はポリベンゾイミダゾールの溶解性が高い傾向がある。
本発明においては、前記したポリベンゾイミダゾールと前記接着樹脂と前記溶剤とを含んでなる。ここで、ポリベンゾイミダゾールまたは接着樹脂は粉末の形状で用いられることが一般的であり、例えばポリベンゾイミダゾールは平均粒子径が0.5〜50μmの粒子として、接着樹脂は0.1〜2μm程度の粒子として用いられる。このとき、ポリベンゾイミダゾール、または接着樹脂の粒子は、溶剤に完全に溶解しておらず、プライマー組成物中に分散質として分散されていてもよい。仮にこのように分散物の状態であっても、塗布後に焼成されるときに溶解または溶融して被膜を形成することができるからである。しかしながら、基材への回り込みや塗膜の平滑性の観点から、ポリベンゾイミダゾールまたは接着樹脂は溶剤に完全に溶解していることが好ましい。
本発明によるプライマー組成物は、前記したポリベンゾイミダゾールを溶解し得る溶剤のほかに、共溶剤をさらに含んでなることができる。このような共溶剤としては、(a)アルコール、例えばイソプロビルアルコール、t−ブチルアルコール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、2−エチルヘキサノール、3−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノールなど、(b)エーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ジブトキシエタン、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリグライムなど、ならびに(c)ケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノンなど、を用いることができる。これらの共溶剤は、接着樹脂の溶解性を改善するために用いることもできる。
また、共溶媒として水を用いることもできる。水を共溶剤として用いた場合、ポリベンゾイミダゾールの水混合溶媒に対する溶解度は低下する。しかし、同時に、ポリベンゾイミダゾール粒子の分散状態が保たれて、組成物の保存安定性が向上する。また本発明者らの検討によれば、水はポリベンゾイミダゾール粒子の溶剤浸透性を補助する作用を有する。ここで、水が溶剤浸透性を補助する仕組みは明確ではないが、塗膜を乾燥させる際に蒸気圧の低い水が先に蒸発し、その蒸気圧により極性溶媒が塗膜中に封じ込まれ、粒子中に極性溶剤が浸透し、溶解しやすくなるものと思われる。事実、N−メチルピロリドンだけを溶媒とした場合、例えば80℃まで加熱してもポリベンゾイミダゾール粒子は容易に溶解しないが、本願発明において用いられる混合溶媒を用いると容易に溶解するようになる。このように共溶媒として水を用いる場合には、接着樹脂は水溶性または水分散性であるものが好ましく用いられる。
本発明において、プライマー組成物全体に対するポリベンゾイミダゾール粒子の配合率は、塗布方法や形成しようとする塗膜の厚さなどに依存するが、後述するようなプライマー層の厚さを達成するために、5〜15重量%であることが好ましく、5〜12重量%であることがより好ましい。例えば塗装方法としてスプレー塗装を採用する場合には5〜10重量%とすることが好ましい。
本発明によるプライマー組成物は、前記したポリベンゾイミダゾール粒子、接着樹脂、および溶剤の他に、目的に応じて任意の添加剤を含むことができる。そのような添加剤としては、例えば界面活性剤、着色顔料、レベリング剤、消泡剤、充填剤、潤滑剤、導電剤などを挙げることができる。
スプレー塗布を例にして本発明によるプライマー組成物を用いて、ポリベンゾイミダゾール被膜を有する複合体を形成させる方法を説明すると以下の通りである。まず、本発明によるプライマー組成物を基材上に塗布する。基材としては、鉄、ステンレス、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、などの鉄合金や非鉄合金のほか、ガラスなどのセラミックなどを用いることができる。これらのうち、金属製の基材、特に鉄基材を用いた場合、本発明によるプライマー組成物は密着性に優れた複合体を形成させることができるので好ましい。
プライマー組成物の塗布に先立って、基材の表面処理を行うこともできる。例えば、溶剤洗浄、アルカリ洗浄、空焼きなどによって脱脂した後、ケミカルエッチングまたはブラスト処理などを行うことができる。
本発明によるプライマー組成物は、従来知られている任意の方法で塗布することができる。このような方法としては、スプレー塗布、ロール塗布、ブラシ塗布、ディップ塗布、カーテン塗布などが挙げられるが、本発明による塗料組成物は、スプレー塗布を行った場合であっても膜厚の厚い塗膜を形成することができるうえ、簡便で塗装する対象の形状を選ばないため、スプレー塗布に適用することが好ましい。なお、塗装する対象が平版である場合には容易に広い面積に塗装できるロール塗布を用いることも好ましい。
基材上に形成されるプライマー層の厚さは、一般に0.5〜10μmの厚さが必要とされており、好ましくは1〜8μm、である。形成された被膜を必要に応じて加熱し、溶剤の一部を除去した後、プライマー層の上にポリベンゾイミダゾール塗料組成物を塗布する。ここで、ポリベンゾイミダゾール塗料は、ポリベンゾイミダゾールを、溶剤に溶解または分散させた組成物であり、従来知られている任意のものを用いることができる。ポリベンゾイミダゾール塗料組成物は任意の厚さで塗布することができ、また必要に応じて複数回塗布して、より厚いと膜とすることもできる。ポリベンゾイミダゾール塗料組成物の塗膜の厚さは一般に1〜500μm、好ましくは1〜200μm、である。
形成された塗膜を60〜120℃、好ましくは80〜100℃に加熱し、溶剤を蒸発させて乾燥させる。加熱時間は膜厚などに依存するが、一般に5〜30分である。さらに必要に応じて塗膜を350℃程度で加熱し、塗膜を固化させて、強度の高い被膜を得ることができる。ここで、本発明によるプライマー組成物による層の上に、ポリベンゾイミダゾール塗料組成物に由来するポリベンゾイミダゾール層を形成させることにより、塗料組成物は接着樹脂などのポリベンゾイミダゾール以外の樹脂を含む必要がないので、より高い耐薬品性や耐熱性を達成することができる。
すなわち、本発明によるプライマー組成物を用いれば、基材上に直接ポリベンゾイミダゾール塗料組成物を塗布してポリベンゾイミダゾール層を形成させるよりも、基材に対する密着性が高く、かつポリベンゾイミダゾール塗料組成物に由来する、樹脂としては最高レベルの耐薬品性および耐熱性に優れた塗膜を具備した複合体を形成させることができる。
本発明を諸例を用いて説明すると以下の通りである。
ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物Pr−1の調製
ポリベンゾイミダゾール溶液MRS0810H(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、10重量%)85g、ポリアミドイミドHPC−5000(商品名、日立化成工業株式会社製、30重量%)15g、メチルイソブチルケトン20gを混合し、ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物Pr−1を得た。
ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物Pr−2の調製
ポリベンゾイミダゾール粉末(平均粒子径10μm、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)75g、ポリイミド前駆体(15.5重量%、シグマ・アルドリッチ・ジャパン株式会社製)165g、N−メチルピロリドン260g、ジメチルスルホキシド60g、ブチルセロソルブ60g、蒸留水390gを混合し、固形分濃度10重量%のポリベンゾイミダゾールプライマー組成物Pr−2を得た。このプライマー組成物において、ポリベンゾイミダゾール粉末は完全に溶解しておらず、粉末が分散した状態となっていた。
ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物Pr−3の調製
ポリベンゾイミダゾール溶液MRS0810H(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、10重量%)99g、ポリアミドイミドHPC−5000(商品名、日立化成工業株式会社製、30重量%)1g、メチルイソブチルケトン20gを混合し、ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物Pr−3を得た。
ポリベンゾイミダゾール塗料組成物Top−1の調製
ポリベンゾイミダゾール溶液MRS0810H(商品名、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)50g、ジメチルアセトアミド50gを混合し、ポリベンゾイミダゾール塗料組成物Top−1を得た。
ポリベンゾイミダゾール塗料組成物Top−2の調製
ポリベンゾイミダゾール粉末(平均粒子径13μm、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)54g、蒸留水54g、ブチルセロソルブ18g、ジメチルスルホキシド20g、およびN−メチルピロリドン54gを混合し、ポリベンゾイミダゾール粉末が分散した、ポリベンゾイミダゾール塗料組成物Top−2を得た。
実施例1〜12、比較例1〜5
上記のプライマー組成物および塗料組成物を用いて、基材上にポリベンゾイミダゾール層(PBI層)を具備する複合体を形成させた。
まず、アルミニウム基材A5052、鉄基材SS400、ならびにステンレス基材SUS304およびSUS316(それぞれ大きさ50mm×100mm×2mm)を準備した。これらの基材をそれぞれメチルエチルケトンにより溶剤脱脂した。脱脂後の基材に、それぞれ表1に記載されたプライマー組成物を、常温で径0.8φのノズルを用い、圧力0.2MPaでスプレー塗布した。さらに70〜90℃で溶媒の乾燥を行った。このとき、プライマー組成物Pr−2を用いた場合には、加熱により組成物中のポリベンゾイミダゾール粉末が溶解し、塗膜が平坦になった。なお、比較例1〜4においては、このプライマー組成物の塗布は省略した。
引き続き、実施例1〜12および比較例5については、形成されたプライマー層上に、比較例1〜4については基材表面に直接、表1に記載された塗料組成物を塗布した。塗布条件はプライマー層の塗布と同様とした。塗布後、プライマー層塗布時と同様に70〜90℃に過熱して溶媒の除去を行った。このとき、塗料組成物Top−2を用いた場合には、加熱により組成物中のポリベンゾイミダゾール粉末が溶解し、塗膜が平坦になった。また、塗膜の厚さが厚いものは、塗布および乾燥を繰り返し行うことで塗膜を形成させた。
その後、段階的に加熱して焼成を行った。具体的には、まず150℃まで昇温して2〜3時間保持することにより組成物に使用されている溶剤を蒸発させ、さらに200℃まで昇温して1時間、250℃まで昇温して3時間、300℃まで昇温して1時間、350℃まで昇温して1時間保持した。
得られた複合体について、JIS K5400に準拠して膜面の密着テストを行った。膜厚の薄いものは1mm角100枡、厚いものは2mm角25枡を採用して評価した。得られた結果は表1に示す通りであった。
Figure 2010006990
得られた結果から、本発明によるプライマー組成物を用いてプライマー層を形成させ、その上に塗料組成物を塗布してポリベンゾイミダゾール塗膜を形成させた複合体は、良好な密着性を示しており、本発明によるプライマー組成物がポリベンゾイミダゾール塗膜の密着性を著しく改良することがわかった。

Claims (6)

  1. ポリベンゾイミダゾールと、150℃以上の耐熱性または連続使用可能温度を有し、350℃で分解しない接着樹脂と、ポリベンゾイミダゾールを溶解し得る溶剤とを含んでなり、前記ポリベンゾイミダゾールと前記接着樹脂との重量比が5/95〜95/5であることを特徴とする、ポリベンゾイミダゾールプライマー組成物。
  2. 前記接着樹脂が芳香族環を有しているものである、請求項1に記載のポリベンゾイミダゾールプライマー組成物。
  3. ポリベンゾイミダゾールを溶解し得る溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、およびN−メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載のポリベンゾイミダゾールプライマー組成物。
  4. アルコール、エーテル、およびケトンからなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリベンゾイミダゾールプライマー組成物。
  5. 基材上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリベンゾイミダゾールプライマー組成物を塗布し、さらにその上にポリベンゾイミダゾールと溶剤とを含んでなるポリベンゾイミダゾール塗料組成物を塗布し、
    形成された塗膜を60〜120℃で加熱する
    工程を含んでなることを特徴とする、ポリベンゾイミダゾール被膜複合体の形成方法。
  6. 請求項5のポリベンゾイミダゾール被膜の形成方法により形成されたことを特徴とする、ポリベンゾイミダゾール被膜複合体。
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