JP2010006800A - シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなる化粧品基材及びそれを含有する化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】毛髪に優れたハリや艶を付与するとともに、従来技術の上記の問題を解決する化粧品基材を提供することを課題とする。すなわち、陽イオン性物質との相溶性が良く、乳化物に配合しても液相分離の原因にならず、従って、ヘアリンスやヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に配合しやすく、かつ、毛髪への吸着性能が高く、又、酸性条件下でも溶解性に優れるため、弱酸性透明化粧品への配合が可能である化粧品基材、及び該化粧品基材を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】
タンパク質加水分解物の誘導体であって、ケイ素原子をただ1つ含む官能基が結合したアミノ基、及びグリセリンがエステル結合したカルボキシ基を有するシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなることを特徴とする化粧品基材、及び該化粧品基材を含有する化粧料。
【選択図】 なし
【解決手段】
タンパク質加水分解物の誘導体であって、ケイ素原子をただ1つ含む官能基が結合したアミノ基、及びグリセリンがエステル結合したカルボキシ基を有するシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなることを特徴とする化粧品基材、及び該化粧品基材を含有する化粧料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなる化粧品基材及びそれを含有する化粧料に関するものである。詳しくは、本発明は、タンパク質加水分解物(加水分解ペプチド又は加水分解タンパクとも言う。)の、アミノ基にケイ素原子をただ1つ含む官能基が共有結合し、かつカルボキシ基がグリセリンとエステル結合したシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなり、化粧料、特にヘアリンスやヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に配合しやすい化粧品基材に関する。
タンパク質加水分解物やその誘導体からなる化粧品基材は、ヘアリンス、ヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に配合され、毛髪にハリや艶を付与するために用いられている。中でも、シリル化タンパク質加水分解物からなる化粧品基材は、毛髪にハリや艶を付与する効果が大きいので、広く利用されている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、毛髪は弱酸性であり、特に染毛処理や脱色処理によって損傷した毛髪では強酸性官能基であるシステイン酸が多くなる。その結果、タンパク質加水分解物のカルボキシ基とシステイン酸などとの電気的反発により、タンパク質加水分解物やその誘導体の毛髪への吸着が妨げられるという問題がある。
又、シリル化タンパク質加水分解物は陽イオン性物質との相溶性が低く、乳化物に配合された場合には液相分離の原因となる。特にヘアリンスやヘアトリートメントには、塩化アルキルトリメチルアンモニウムやカチオン化セルロースなどの陽イオン性物質が配合されているため、シリル化タンパク質加水分解物を多量に配合できない。その結果、ハリや艶を毛髪に付与する効果を十分に発揮させることができないという問題があった。
さらに、シリル化タンパク質加水分解物は、酸性条件下で濁りを生じやすく、弱酸性の透明化粧品にシリル化タンパク質加水分解物を多量に配合すると、濁りや沈殿が問題となる。
化粧品に配合されるタンパク質加水分解物の誘導体としては、タンパク質加水分解物のカルボキシ基とアルコールを脱水縮合させて得られるアルキルエステル化タンパク質加水分解物も知られている(特許文献3)。しかし、このアルキルエステル化タンパク質加水分解物は、水溶性化粧品中では不溶化しやすく、ヘアトニックやヘアスプレーなどのアルコールを含む化粧品でしか使用できないといった問題があった。
又、コラーゲンをアルキルオキシアルキレングリコール誘導体でエステル化した修飾コラーゲンを化粧品に使用する提案もなされている(特許文献4)。このタンパク質のエステル化誘導体は、高分子量のコラーゲンが用いられているため毛髪化粧料には不向きである。さらに、その製造は、グリコール誘導体と有機溶媒の存在下で固体状又は粉末のコラーゲンをエステル化して行われるので、工程が煩雑であり、有機溶媒を使用するとの問題も有する。
本発明は、毛髪に優れたハリや艶を付与するとともに、従来技術の上記の問題を解決する化粧品基材を提供することを課題とする。すなわち、陽イオン性物質との相溶性が良く、乳化物に配合しても液相分離の原因にならず、従って、ヘアリンスやヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に配合しやすく、かつ、毛髪への吸着性能が高く、又、酸性条件下でも溶解性に優れるため、弱酸性透明化粧品への配合が可能である化粧品基材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、タンパク質加水分解物のアミノ基にケイ素原子を含む官能基が結合し、かつカルボキシ基がグリセリンとエステル結合してなるシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、乳化物に配合しても液相分離の原因にならず、毛髪への吸着性能が高く、又、酸性条件下でも溶解性に優れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
タンパク質加水分解物の誘導体であって、
ケイ素原子をただ1つ含む官能基が結合したアミノ基、及び
下記の一般式(I):
タンパク質加水分解物の誘導体であって、
ケイ素原子をただ1つ含む官能基が結合したアミノ基、及び
下記の一般式(I):
上記本発明の化粧品基材は、
・陽イオン性物質との相溶性に優れる、
・乳化物に配合しても液相分離の原因にならない、
・毛髪への吸着性能が高い、
・酸性条件下でも溶解性に優れる、
との優れた効果を奏する。
・陽イオン性物質との相溶性に優れる、
・乳化物に配合しても液相分離の原因にならない、
・毛髪への吸着性能が高い、
・酸性条件下でも溶解性に優れる、
との優れた効果を奏する。
そして、乳化物に配合しても液相分離の原因にならないため、ヘアリンスやヘアトリートメントなどの乳化系を壊すことがない、従って、ヘアリンスやヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に容易に配合できる。又、毛髪への吸着性能が高いので、毛髪にハリや艶を付与する機能を十分に発揮することができる。さらに、酸性条件下でも溶解性に優れるため弱酸性化粧品への配合が可能であり、弱酸性透明化粧品に多量に配合しても、濁りや沈澱などの問題を生じにくい。
本発明の化粧品基材は、後述するように、有機溶媒を使用せずに水系での製造が可能である。従って、上記の効果に加えて、工業的に容易な製造が可能との効果も有する。
本発明の化粧品基材を構成するシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、タンパク質加水分解物の誘導体である。タンパク質加水分解物とは、タンパク質(タンパク源)を酸、アルカリ、酵素、又はそれらの併用などにより部分加水分解して得られるものであり、アミノ酸や複数のアミノ酸単位がペプチド結合(−CO−NH−)した主鎖からなるものであり、その末端にアミノ基及びカルボキシ基を有する。
タンパク質加水分解物のタンパク源としては、動物性タンパク質、植物性タンパク質、及び微生物由来のタンパク質などが挙げられる。タンパク質加水分解物を構成するアミノ酸単位としては、側鎖にカルボキシ基を有する酸性アミノ酸単位、側鎖にアミノ基を有する塩基性アミノ酸単位、及び側鎖にはアミノ基もカルボキシ基も有さない中性アミノ酸単位を挙げることができる。
側鎖にカルボキシ基を有する酸性アミノ酸単位を多く含んでいるタンパク質加水分解物は陽イオン性物質との相溶性が悪いことに加え、強酸性官能基であるスルホン酸基を有するシステイン酸を多く含む損傷毛髪に吸着しにくいという問題がある。この問題は、アミノ基にシリル官能基(ケイ素原子をただ1つ含む官能基)を付加したシリル化加水分解植物タンパクにおいて顕著である。前記タンパク源の中では、植物性タンパク質は、酸性アミノ酸単位を多く含んでいるので、植物性タンパク質から得られるシリル化加水分解植物タンパク質の場合この問題が大きい。
しかし、タンパク質加水分解物のカルボキシ基をグリセリンエステル化することによって、シリル化タンパク質加水分解物は陽イオン性物質と相溶性が高くなり、乳化タイプのヘアリンスやヘアコンディショナーなどの化粧品中でも乳化系を壊すことなく存在でき、さらに、毛髪への吸着力が向上するため、毛髪にハリや艶を付与する効果を十分に発揮できる。そのため、本発明の効果、すなわちシリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル誘導体化の効果は、酸性アミノ酸単位を多く含んでいるタンパク質加水分解物、例えばタンパク質加水分解物のタンパク源が植物性タンパク質の場合、特に大きい。そこで本発明は、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が、植物タンパク質の加水分解物より得られることを特徴とする請求項1に記載の化粧品基材を、請求項2として提供する。
本発明の化粧品基材を構成するシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、タンパク質加水分解物のアミノ基にケイ素原子を含む官能基を共有結合してシリル化タンパク質加水分解物を合成し、そのカルボキシ基にグリシドールを反応させて製造することができる。タンパク質加水分解物のアミノ基(側鎖のアミノ基も含む)にケイ素原子を含む官能基を共有結合したシリル化タンパク質加水分解物は、タンパク質加水分解物とシランカップリング剤を水溶液中で反応させることによって得られる。
なお、シリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル誘導体は、先ず、タンパク質加水分解物のカルボキシ基にグリシドールを反応させてタンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体にし、その後、タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体のアミノ基にシランカップリング剤を反応させて製造することもできる。しかし、タンパク質加水分解物のアミノ基とシランカップリング剤との反応は塩基性側で行われるため、タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体のエステル結合が加水分解によって切断される。したがって、このような製造法では、エステル化率が低いシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が得られるため、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の製造は、タンパク質加水分解物をシリル化誘導体にした後、グリセリンエステル化するのが好ましい。
請求項3に記載の発明は、タンパク質加水分解物の全カルボキシ基の50%以上が、一般式(I)で表される官能基によりエステル化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧品基材である。ここで、全カルボキシ基とは、タンパク質加水分解物が酸性アミノ酸単位を含む場合は、主鎖末端のカルボキシ基とともに、側鎖のカルボキシ基も含む意味である。シリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基のエステル化率は特に限定されないが、エステル化率が50%以下では、グリセリンエステル化の効果が十分発揮されない傾向がある
請求項4に記載の発明は、ケイ素原子をただ1つ含む官能基が下記の一般式(II):
請求項5に記載の発明は、タンパク質加水分解物の全アミノ基の50%〜80%に、一般式(II)で表される官能基が結合していることを特徴とする請求項4に記載の化粧品基材である。ここで、全アミノ基とは、タンパク質加水分解物が塩基性アミノ酸単位を含む場合は、主鎖末端のアミノ基とともに、側鎖のアミノ基も含む意味である。
タンパク質加水分解物へのシリル基の導入率の好ましい範囲は、タンパク質加水分解物の分子量や側鎖にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の存在割合によって変わるが、概ね、タンパク質加水分解物のアミノ基の50%〜80%に導入するのが好ましい。シリル官能基のタンパク質加水分解物への導入率が上記範囲以下では、シリル化タンパク質加水分解物に起因する毛髪にハリや艶を付与する効果が十分発揮されない傾向がある。一方、導入率が上記範囲以上では、シリル化タンパク質加水分解物の親水性の減少やシラノール基の縮合によるシロキサン結合の増加が原因で、シリル化タンパク質加水分解物を配合した化粧品において沈殿や濁りの発生などの問題が生じる傾向がある。
請求項6に記載の発明は、前記タンパク質加水分解物のアミノ酸重合度が、2〜50であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の化粧品基材である。
タンパク質加水分解物部分のアミノ酸重合度の範囲は、配合する化粧品の種類によっても異なるが、化粧品に配合した際の化粧品の安定性の面から、通常、1以上200以下の範囲から選択される。さらに、毛髪や皮膚への吸着性(収着性)や浸透性、化粧品に配合した際の化粧品の安定性の面から、2〜50が好ましく、より好ましくは3〜30である。
タンパク質加水分解物のアミノ酸重合度が上記範囲以上では、保存中に凝集しやすく、化粧品の安定性が悪くなる。一方、タンパク質加水分解物のアミノ酸重合度が上記範囲以下では、毛髪や皮膚への吸着性が減少し、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が有する効果を十分に発揮できなくなる恐れがある。
本発明のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなる化粧品基材は、陽イオン性物質との相溶性に優れ、乳化物に配合しても液相分離の原因にならない、酸性条件下でも溶解性に優れるなどの優れた特徴を有するので、毛髪化粧品や皮膚化粧品などの化粧料への配合が容易であり、シリル化タンパク質加水分解物が本来有するような優れた効果、例えば、毛髪にハリや艶を付与する機能を発揮することができる。
特に、毛髪化粧品に配合された場合は、毛髪への吸着性能が高いとの特徴により、毛髪にハリや艶を付与する機能を十分に発揮することができる。化粧料の中でも毛髪化粧品、特にヘアリンスやヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に含有されたとき、本発明の効果が奏される。本発明は、請求項7として、前記請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化粧品基材を含有することを特徴とする化粧料も提供する。
上記本発明の化粧品基材は、毛髪にハリや艶を付与するとの優れた機能を有するとともに、陽イオン性物質との相溶性に優れる、乳化物に配合しても液相分離の原因にならない、毛髪への吸着性能が高い、酸性条件下でも溶解性に優れるとの優れた効果を奏する。そして、乳化物に配合しても液相分離の原因にならないため、ヘアリンスやヘアトリートメントなどの乳化系を壊すことがない、従って、ヘアリンスやヘアトリートメントなどの毛髪コンディショニング剤に容易に配合できる。又、毛髪への吸着性能が高いので、毛髪にハリや艶を付与する機能を十分に発揮することができる。さらに、酸性条件下でも溶解性に優れるため弱酸性化粧品への配合が可能であり、弱酸性透明化粧品に多量に配合しても、濁りや沈澱などの問題を生じにくい。従って、化粧料、特に毛髪化粧品に好適に用いられ、前記の機能が発揮される。
次に、本発明を実施するための形態をより具体的に説明する。本発明の化粧品基材を構成するシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の好ましい形態は、下記の一般式(III)で表される。
又、R7は水素又は式(II)で表される基を表すが、少なくとも1部は式(II)で表される基であり、好ましくは50〜80%が式(II)で表される基である。又、R8は水素又は前記式(I)で表される基を表すが、少なくとも1部は式(I)で表される基であり、好ましくは50%以上が式(I)で表される基である。
なお、a、b及びcは、アミノ酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を示すものではない。a、b、cやa+b+cは理論的には整数であるが、タンパク質加水分解物は分子量の異なるものの混合物として得られるため、測定値は平均値になり通常整数以外である。
前記のようにタンパク質加水分解物のアミノ酸重合度は、2〜50の範囲内が好ましい。従って、一般式(III)において、a+b+cが2〜50であることが好ましく、より好ましくは3〜30である。
前記シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を構成する各アミノ酸単位の数、すなわち、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の1分子内の側鎖にアミノ基を有する塩基性アミノ酸単位(式(III)でaが付されているアミノ酸単位)、側鎖にカルボキシ基を有する酸性アミノ酸単位(式(III)でbが付されているアミノ酸単位)、及びそれ以外のアミノ酸単位(式(III)でcが付されているアミノ酸単位)、それぞれの数の好ましい範囲はその用途や原料事情、各アミノ酸単位の種類などにより変動し、特に限定されないが、通常の毛髪化粧品に用いられる場合は、a+b+cが2以上かつ50以下である範囲で、aは0〜35が好ましく、1〜5がより好ましく、bは1〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、又、cは0〜50が好ましく、1〜40がより好ましい。
aが上記範囲より大きくなると、側鎖のアミノ基に結合するシリル基が増え、化粧品の安定性に悪影響を及ぼす場合がある。一方、bとcが上記範囲より大きくなると、タンパク質加水分解物に対するシリル官能基の割合が低くなり、シリル化合物が有する毛髪にハリや艶を付与する効果を十分に発揮されなくなる傾向がある。又、bが上記範囲より大きくなると、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体に導入されるグリセリン部が多くなり、毛髪や皮膚に適用した際に、べたつき感を与える場合がある。
次に、本発明の化粧品基材を構成するシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の製造に使用される、タンパク質加水分解物、シリル化タンパク質加水分解物について、詳しく説明する。
[タンパク質加水分解物]
本発明のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を構成するタンパク質加水分解物部分は、タンパク質(タンパク源)を酸、アルカリ、酵素、又はそれらの併用によって部分加水分解することで得られ、このタンパク源としては、動物性タンパク質、植物性タンパク質、及び微生物由来のタンパク質などが挙げられるが、動物性タンパク質としては、コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、プロタミン、鶏などの卵黄タンパク質や卵白タンパク質などを挙げることができ、植物性タンパク質としては、大豆、小麦、米(米糠)、ゴマ、エンドウ、トウモロコシ、イモ類などに含まれるタンパク質を挙げることができ、微生物由来のタンパク質としては、サッカロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵母菌、ビール酵母や清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク質、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離したタンパク質などを挙げることができる。
本発明のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を構成するタンパク質加水分解物部分は、タンパク質(タンパク源)を酸、アルカリ、酵素、又はそれらの併用によって部分加水分解することで得られ、このタンパク源としては、動物性タンパク質、植物性タンパク質、及び微生物由来のタンパク質などが挙げられるが、動物性タンパク質としては、コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラチン、フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオリン、エラスチン、プロタミン、鶏などの卵黄タンパク質や卵白タンパク質などを挙げることができ、植物性タンパク質としては、大豆、小麦、米(米糠)、ゴマ、エンドウ、トウモロコシ、イモ類などに含まれるタンパク質を挙げることができ、微生物由来のタンパク質としては、サッカロミセス属、カンディダ属、エンドミコプシス属の酵母菌、ビール酵母や清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母タンパク質、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離したタンパク質などを挙げることができる。
タンパク質加水分解物中の、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸、及びそれ以外のアミノ酸の存在割合は、タンパク源におけるアミノ酸の存在割合にほぼ依存する。一方、天然タンパク質の加水分解物では、塩基性アミノ酸が全アミノ酸の70mol%以上のものは希である。又、酸性アミノ酸は植物性タンパク質には多量に含まれているが、60mol%を超えるものは希である。式(III)におけるa、b、cの数値については、前記のように好ましい範囲を考えることができるが、化粧品原料として一般に用いられている天然タンパク質をタンパク源として用いる場合は、a+b+cに占めるaの割合は最大でも70mol%であり、a+b+cに占めるbの割合は最大でも60mol%である。
[シリル化タンパク質加水分解物]
タンパク質加水分解物のシリル化に用いられるシランカップリング剤としては、シラン化合物のエポキシ変性誘導体やイソシアネート誘導体を挙げることができる。このタンパク質加水分解物とシランカップリング剤の反応は、特開平7−223621号公報、特開平7−228508号公報、特開平8−59424号公報、又は特開平8−67608号公報などに記載されている方法に準じて行うことができる。
タンパク質加水分解物のシリル化に用いられるシランカップリング剤としては、シラン化合物のエポキシ変性誘導体やイソシアネート誘導体を挙げることができる。このタンパク質加水分解物とシランカップリング剤の反応は、特開平7−223621号公報、特開平7−228508号公報、特開平8−59424号公報、又は特開平8−67608号公報などに記載されている方法に準じて行うことができる。
より具体的には、pHを9〜11に調整したタンパク質加水分解物水溶液を40〜60℃に加温し、その中にシランカップリング剤を滴下して1〜5時間撹拌を続けて反応させることで、シリル化タンパク質加水分解物を得ることができる。
[シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体]
本発明に使用されるシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、上記のようにして得られたシリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基(主鎖末端のカルボキシ基とともに、アミノ酸側鎖のカルボキシ基も含む。)をグリセリンエステル化(グリセリルエステル化)したものである。シリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル化は、次の一般式(IV)
本発明に使用されるシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、上記のようにして得られたシリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基(主鎖末端のカルボキシ基とともに、アミノ酸側鎖のカルボキシ基も含む。)をグリセリンエステル化(グリセリルエステル化)したものである。シリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル化は、次の一般式(IV)
具体的には、シリル化タンパク質加水分解物の水溶液のpHを1〜6、好ましくは2〜5、より好ましくは3.5〜4.5に調整し、撹拌下にてグリシドールを滴下して反応させる。なお、グリセリンエステル化反応時のpHが高いとシリル化タンパク質加水分解物の残存しているアミノ基にグリシドールが反応するため、pHは6以下、好ましくは5以下、より好ましくは4.5以下に保つ必要がある。
シリル化タンパク質加水分解物の水溶液を酸性に調整する酸としては、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸などの無機酸が挙げられるが、硫酸やリン酸、硝酸などの求核性の低い酸が好ましい。シリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル化は、グリシドールのエポキシ基へのシリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基の求核反応によって生じると考えられる。そのため、酸剤に塩酸を用いた場合、塩酸の塩化物イオンが、シリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基と競合的にグリシドールと反応してしまい、シリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル化を妨げることがある。又、塩化物イオンとグリシドールの反応によって生じる化合物は、クロロヒドリンであり、このクロロヒドリンは化粧品原料として好ましくないため、シリル化タンパク質加水分解物のグリセリンエステル化反応に塩酸を用いた場合は、生じたクロロヒドリンを除去する工程が必要になるので、塩酸以外の硫酸やリン酸、硝酸などが好ましい。
反応温度は、室温〜80℃の範囲が好ましく、40〜70℃の範囲がより好ましい。反応温度が上記範囲以下では反応速度が遅くなり、一方、反応温度を80℃以上にしても反応率の上昇が認められないのに加え、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が着色や着臭を起こして品質の低下する可能性がある。
反応時のグリシドールの滴下時間はグリシドール量や反応温度により異なるが、概ね30分〜3時間であり、滴下終了後は、反応を完結させるために、40〜75℃に加温しながら1〜5時間程度撹拌を続けるのが好ましい。
シリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基のエステル化率は50%以上が好ましいので、好ましくはエステル化率が50%以上になるように反応比が調整される。通常は、モル比で、シリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基:グリシドール=1:0.7〜3.0程度でエステル化率が50%以上となるが、タンパク質加水分解物の種類やアミノ酸重合度によっては、立体障害の影響などによって反応性が低くなり、グリシドールの反応比率をさらに高くする必要がある場合もある。
エステル化反応の進行と終了は、後述するエステル価の測定法に従って、エステル化率を求めることで確認することができる。
反応終了後、反応液は各種化粧品に見合ったpHや濃度に調整して化粧品基材として使用できる。又、反応液を中和後、イオン交換樹脂、透析膜、電気透析、ゲルろ過、限外ろ過などによって精製して、毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合してもよい。ただし、本発明であるシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の製造法では、グリシドールからの副生成物はグリセリンであり、グリセリンは広く化粧品に配合される成分であるため、反応終了後、特に精製することなく、濃度やpHを調整したのみでも毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合することが可能である。
次に、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなる化粧品基材の用途について説明する。
本発明のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなる化粧品基材が配合される化粧料としては、例えば、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、枝毛コート、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用第1剤及び第2剤、セットローション、染毛剤、染毛料、液体整髪料、養毛・育毛剤などの毛髪化粧品、クレンジングクリーム、エモリエントクリーム、ハンドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングフォーム、洗顔クリーム、洗顔料、ボディーシャンプー、各種石鹸、脱毛剤、フェイスパック、乳液、メイクアップ用品、日焼け止め用品などの皮膚化粧品が挙げられる。
本発明の化粧品基材の配合量(化粧品中での含有量)の好ましい範囲は、化粧品の種類により異なり、特に限定することはできないが、化粧品中0.1〜30質量%が好ましい場合が多く、特に1〜20質量%程度が好ましい場合が多い。化粧品中への配合量が上記範囲より少ない場合は、毛髪や皮膚に優れた潤い感や艶、滑らかさを付与したり、毛髪の櫛通り性を向上させる効果が充分に発揮されない場合がある。又、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体からなる化粧品基材の配合量が上記範囲より多くなっても、それに見合う効果の向上が見られず、むしろ毛髪や皮膚に過剰のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が吸着してべたつきを生じる場合がある。
上記化粧品に、本発明の化粧品基材と併用して配合できる成分としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーなどの合成ポリマー、半合成ポリマー類、動植物油、炭化水素類、エステル油、高級アルコール類、アミノ酸類、増粘剤、動植物抽出物、シリコーン類、防腐剤、香料、動植物由来及び微生物由来のタンパク質を加水分解したタンパク質加水分解物及びそれらタンパク質加水分解物のエステル化誘導体、第4級アンモニウム誘導体、シリル化誘導体、アシル化誘導体とその塩などが挙げられる。これら以外にも本発明の化粧品基材の特性を損なわない範囲で適宜他の成分を添加することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中で用いる%はいずれも質量%である。先ず、実施例中で用いるアミノ態窒素量の測定法、総窒素量の測定法、カルボキシ基のモル数の推定法、及びエステル化率の測定法について記述する。
[アミノ態窒素と総窒素量の測定法]
実施例中でのアミノ態窒素量の測定は、van Slyke法によって測定した。又、総窒素量の測定は、改良デュマ法によって測定した。
実施例中でのアミノ態窒素量の測定は、van Slyke法によって測定した。又、総窒素量の測定は、改良デュマ法によって測定した。
[カルボキシ基のモル数の推定法]
シリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基のモル数は以下のようにして求めた。つまり、van Slyke法によって測定して得られたアミノ態窒素量から求めたアミノ態窒素のモル数と等モルの末端カルボキシ基が存在するものとし、アミノ酸分析によって得られた酸性アミノ酸(グルタミン酸とアスパラギン酸)の存在モル数をタンパク質加水分解物の側鎖カルボキシ基のモル数とした。そして、これら末端カルボキシ基のモル数と側鎖カルボキシのモル数の和をタンパク質加水分解物の全カルボキシ基のモル数と推定した。
シリル化タンパク質加水分解物のカルボキシ基のモル数は以下のようにして求めた。つまり、van Slyke法によって測定して得られたアミノ態窒素量から求めたアミノ態窒素のモル数と等モルの末端カルボキシ基が存在するものとし、アミノ酸分析によって得られた酸性アミノ酸(グルタミン酸とアスパラギン酸)の存在モル数をタンパク質加水分解物の側鎖カルボキシ基のモル数とした。そして、これら末端カルボキシ基のモル数と側鎖カルボキシのモル数の和をタンパク質加水分解物の全カルボキシ基のモル数と推定した。
[エステル化率の測定法]
1)先ず、
化粧品原料基準第二版注解に記載されているエステル価測定法に従い、試料1g中のエステルをけん化するのに要する水酸化カリウムのmg数(=エステル価)を算出する。すなわち、試料2〜3gを精密に秤り取り、200mlのフラスコに入れ、エタノール10ml及び1%フェノールフタレインエタノール溶液を数滴加え、0.1mol/L水酸化カリウム水溶液で中和する。次いで、0.5mol/L水酸化カリウムエタノール液(水酸化カリウム35gを水20mlに溶解し、エタノールを加えて1000mlにした溶液)25mlを正確に加え、還流冷却器を付けて水浴上で1時間静かに煮沸する。煮沸後冷却し、0.5mol/Lの塩酸で過量の水酸化カリウムを滴定する。このときの0.5mol/L塩酸の消費量(mL)をpとする。
1)先ず、
化粧品原料基準第二版注解に記載されているエステル価測定法に従い、試料1g中のエステルをけん化するのに要する水酸化カリウムのmg数(=エステル価)を算出する。すなわち、試料2〜3gを精密に秤り取り、200mlのフラスコに入れ、エタノール10ml及び1%フェノールフタレインエタノール溶液を数滴加え、0.1mol/L水酸化カリウム水溶液で中和する。次いで、0.5mol/L水酸化カリウムエタノール液(水酸化カリウム35gを水20mlに溶解し、エタノールを加えて1000mlにした溶液)25mlを正確に加え、還流冷却器を付けて水浴上で1時間静かに煮沸する。煮沸後冷却し、0.5mol/Lの塩酸で過量の水酸化カリウムを滴定する。このときの0.5mol/L塩酸の消費量(mL)をpとする。
試料を用いない以外は、上記と同様にして(空試験)、0.5mol/L塩酸の消費量を求め、この消費量(mL)をqとする。このようにして得られたp、qと下記の式からエステル価を算出する。なお、28.053は、0.5mol/L塩酸1mLを中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。
2)次に、前記で得られたエステル価を、水酸化カリウムの分子量で除することで、試料1g中のエステルをけん化するために要する水酸化カリウムのモル数rを算出し、さらに、試料1g中に含まれているカルボキシ基のモル数sからエステル化率を算出する。すなわち、エステル化率は下記の式から求められる。
エステル化率(%)=(r/s)×100
エステル化率(%)=(r/s)×100
なお、実施例で使用した各タンパク質加水分解物は、それぞれのタンパク源を、酸又はアルカリを使用した公知の方法により(場合に酵素を併用して)、部分加水分解又は全加水分解したものである。又、アミノ酸重合度(一般式(III)におけるa+b+c)は、総窒素量とアミノ態窒素量の割合から算出した。又、日立社製のアミノ酸自動分析機を用いたアミノ酸分析によりa:b:cを求め、アミノ酸重合度からa、b、cそれぞれの値を求めた。
実施例1:シリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体
加水分解エンドウタンパク[エンドウタンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるa(塩基性アミノ酸)は0.4、b(酸性アミノ酸)は1.3、c(その他のアミノ酸)は2.1で、a+b+cは3.8である。なお、a、b、cは平均値である。以後の実施例においても同じである。]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.26mol、カルボキシ基のモル数は0.42mol。なお、アミノ基のモル数は、前記のアミノ態窒素と総窒素量の測定法による測定値より求めた値である。カルボキシ基のモル数は、前記のカルボキシ基のモル数の推定法により得られた値である。以後の実施例においても同じである。)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)51.0g(加水分解エンドウタンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解エンドウタンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が55%のシリル化加水分解エンドウタンパクの水溶液を得た。なお、シリル化反応率は、シリル化反応前の加水分解エンドウタンパクの総アミノ態窒素量をu、反応後の総アミノ態窒素量をtとして、下記式より求めた値である。
シリル化反応率(%)=1−(t/u)×100
加水分解エンドウタンパク[エンドウタンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるa(塩基性アミノ酸)は0.4、b(酸性アミノ酸)は1.3、c(その他のアミノ酸)は2.1で、a+b+cは3.8である。なお、a、b、cは平均値である。以後の実施例においても同じである。]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.26mol、カルボキシ基のモル数は0.42mol。なお、アミノ基のモル数は、前記のアミノ態窒素と総窒素量の測定法による測定値より求めた値である。カルボキシ基のモル数は、前記のカルボキシ基のモル数の推定法により得られた値である。以後の実施例においても同じである。)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)51.0g(加水分解エンドウタンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解エンドウタンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が55%のシリル化加水分解エンドウタンパクの水溶液を得た。なお、シリル化反応率は、シリル化反応前の加水分解エンドウタンパクの総アミノ態窒素量をu、反応後の総アミノ態窒素量をtとして、下記式より求めた値である。
シリル化反応率(%)=1−(t/u)×100
上記で得られたシリル化加水分解エンドウタンパクの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)62.4g(加水分解エンドウタンパクのカルボキシ基に対して2.0当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体の水溶液を697.0g得た。
得られたシリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解エンドウタンパクの赤外線吸収スペクトル分析(IR分析)を行った。その結果を図1及び図2に示すが、図2に示すシリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体のスペクトルでは、図1に示すシリル化加水分解エンドウタンパクのスペクトルに比べて、1735cm−1付近に大きな吸収が見られ、シリル化加水分解エンドウタンパクのカルボキシ基がエステル化されていることが確認された。又、前記のエステル化率の測定法で得られたシリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体のエステル化率を求めたところ、79%であった。
実施例2:シリル化加水分解大豆タンパクグリセリンエステル誘導体
加水分解大豆タンパク[大豆タンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.3、bは1.2、cは1.7で、a+b+cは3.2]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.28mol、カルボキシ基のモル数は0.47mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)55.4g(加水分解大豆タンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解大豆タンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が58%のシリル化加水分解大豆タンパクの水溶液を得た。
加水分解大豆タンパク[大豆タンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.3、bは1.2、cは1.7で、a+b+cは3.2]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.28mol、カルボキシ基のモル数は0.47mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)55.4g(加水分解大豆タンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解大豆タンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が58%のシリル化加水分解大豆タンパクの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解大豆タンパクの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)28g(加水分解大豆タンパクのカルボキシ基に対して0.8当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解大豆タンパクグリセリンエステル誘導体の水溶液を595.7g得た。
得られたシリル化加水分解大豆タンパクグリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解大豆タンパクのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解大豆タンパクグリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解大豆タンパクのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解大豆タンパクグリセリンエステル誘導体のエステル化率は、55%であった。
実施例3:シリル化加水分解小麦タンパクグリセリンエステル誘導体
加水分解小麦タンパク[小麦タンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.1、bは2.6、cは3.0で、a+b+cは5.7]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.14mol、カルボキシ基のモル数は0.47mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)28.3g(加水分解小麦タンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解小麦タンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が57%のシリル化加水分解小麦タンパクの水溶液を得た。
加水分解小麦タンパク[小麦タンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.1、bは2.6、cは3.0で、a+b+cは5.7]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.14mol、カルボキシ基のモル数は0.47mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)28.3g(加水分解小麦タンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解小麦タンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が57%のシリル化加水分解小麦タンパクの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解小麦タンパクの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)34.6g(加水分解小麦タンパクのカルボキシ基に対して1.0当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解小麦タンパクグリセリンエステル誘導体の水溶液を548.0g得た。
得られたシリル化加水分解小麦タンパクグリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解小麦タンパクのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解小麦タンパクグリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解小麦タンパクのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解小麦タンパクグリセリンエステル誘導体のエステル化率は、58%であった。
実施例4:シリル化加水分解米タンパクグリセリンエステル誘導体
加水分解米タンパク[米タンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.32、bは0.91、cは2.27で、a+b+cは3.5]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.23mol、カルボキシ基のモル数は0.33mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)44.8g(加水分解米タンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解米タンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が56%のシリル化加水分解米タンパクの水溶液を得た。
加水分解米タンパク[米タンパク質の加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.32、bは0.91、cは2.27で、a+b+cは3.5]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.23mol、カルボキシ基のモル数は0.33mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)44.8g(加水分解米タンパクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解米タンパクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が56%のシリル化加水分解米タンパクの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解米タンパクの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)36.2g(加水分解米タンパクのカルボキシ基に対して1.5当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解米タンパクグリセリンエステル誘導体の水溶液を595.6g得た。
得られたシリル化加水分解米タンパクグリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解米タンパクのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解米タンパクグリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解米タンパクのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解米タンパクグリセリンエステル誘導体のエステル化率は65%であった。
実施例5:シリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体
加水分解シルク[シルクの加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.1、bは0.3、cは10.6で、a+b+cは11]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.09mol、カルボキシ基のモル数は0.12mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)26g(加水分解シルクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解シルクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が57%のシリル化加水分解シルクの水溶液を得た。
加水分解シルク[シルクの加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.1、bは0.3、cは10.6で、a+b+cは11]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.09mol、カルボキシ基のモル数は0.12mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)26g(加水分解シルクのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解シルクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が57%のシリル化加水分解シルクの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解シルクの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)17.4g(加水分解シルクのカルボキシ基に対して2.0当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体の水溶液を478.7g得た。
得られたシリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解シルクのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解シルクのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体のエステル化率は76%であった。
実施例6:シリル化加水分解コラーゲングリセリンエステル誘導体
加水分解コラーゲン[コラーゲンの加水分解物で、一般式(III)におけるaは1.4、bは2.3、cは15.3で、a+b+cは19]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.06mol、カルボキシ基のモル数は0.09mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)14.2g(加水分解コラーゲンのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解コラーゲンのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させることで、シリル化反応率が56%のシリル化加水分解コラーゲンの水溶液を得た。
加水分解コラーゲン[コラーゲンの加水分解物で、一般式(III)におけるaは1.4、bは2.3、cは15.3で、a+b+cは19]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.06mol、カルボキシ基のモル数は0.09mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)14.2g(加水分解コラーゲンのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解コラーゲンのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させることで、シリル化反応率が56%のシリル化加水分解コラーゲンの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解コラーゲンの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)19.5g(加水分解コラーゲンのカルボキシ基に対して3.0当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解コラーゲングリセリンエステル誘導体の水溶液を458.5g得た。
得られたシリル化加水分解コラーゲングリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解コラーゲンのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解コラーゲングリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解コラーゲンのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解コラーゲングリセリンエステル誘導体のエステル化率は77%であった。
実施例7:シリル化加水分解ケラチングリセリンエステル誘導体
加水分解ケラチン[ケラチンの加水分解物で、一般式(III)におけるaは2、bは8、cは15で、a+b+cは25]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.04mol、カルボキシ基のモル数は0.11mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)8.5g(加水分解ケラチンのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解ケラチンのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が51%のシリル化加水分解ケラチンの水溶液を得た。
加水分解ケラチン[ケラチンの加水分解物で、一般式(III)におけるaは2、bは8、cは15で、a+b+cは25]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.04mol、カルボキシ基のモル数は0.11mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)8.5g(加水分解ケラチンのアミノ基に対して0.8当量)を2時間かけて滴下し、加水分解ケラチンのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が51%のシリル化加水分解ケラチンの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解ケラチンの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)21.2g(加水分解ケラチンのカルボキシ基に対して2.5当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解ケラチングリセリンエステル誘導体の水溶液を450.7g得た。
得られたシリル化加水分解ケラチングリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解ケラチンのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解ケラチングリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解ケラチンのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解ケラチングリセリンエステル誘導体のエステル化率は70%であった。
実施例8:シリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体
加水分解シルク[シルクの加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.01、bは0.03、cは1.06で、a+b+cは1.10]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.93mol、カルボキシ基のモル数は1.18mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)289.3g(加水分解シルクのアミノ基に対して1.0当量)を2時間かけて滴下し、加水分解シルクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が82%のシリル化加水分解シルクの水溶液を得た。
加水分解シルク[シルクの加水分解物で、一般式(III)におけるaは0.01、bは0.03、cは1.06で、a+b+cは1.10]の27%水溶液400g(アミノ基のモル数は0.93mol、カルボキシ基のモル数は1.18mol)に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを10に調整した。この溶液を55℃で撹拌し、この中に3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)289.3g(加水分解シルクのアミノ基に対して1.0当量)を2時間かけて滴下し、加水分解シルクのアミノ基に対してシリル化反応を行った。3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの滴下終了後、55℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させてシリル化反応率が82%のシリル化加水分解シルクの水溶液を得た。
上記で得られたシリル化加水分解シルクの水溶液に希硫酸を加えてpHを4.5に調整し、この調整液を55℃で撹拌しながら、この中にグリシドール(ダイセル化学工業株式会社製)174.2g(加水分解シルクのカルボキシ基に対して2.0当量)を1時間かけて滴下した。グリシドール滴下終了後、55℃で3時間撹拌を続け、反応を完結させた。なお、反応中は溶液のpHが上昇するため、希硫酸を用いて溶液のpHを4前後に維持した。
反応終了後、反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整し、水を添加して固形分濃度30%のシリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体の水溶液を1905g得た。
得られたシリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体とグリセリンエステル化前のシリル化加水分解シルクのIR分析を行い、両者のIRスペクトルを比較したところ、シリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体のスペクトルにのみ1735cm−1付近に吸収が見られ、シリル化加水分解シルクのカルボキシ基のエステル化が確認された。又、前記のエステル化率測定法によるシリル化加水分解シルクグリセリンエステル誘導体のエステル化率は85%であった。
測定例1 [シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の酸性度]
実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の酸性度を測定した。まず、総窒素量が0.36g/100mLになるように、各シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を水で希釈し、この溶液100mLをpH7.0に調製したものを被検液とした。次に、各被検液に0.1mol/L塩酸を1mLずつ添加して、被検液のpHの変化を調べた。又、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体に代えて、各実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の原料として用いたシリル化タンパク質加水分解物を、それぞれ比較例1〜8として、上記と同様の方法でpHの変化を調べ、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体のpHの変化と比較した。
実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の酸性度を測定した。まず、総窒素量が0.36g/100mLになるように、各シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を水で希釈し、この溶液100mLをpH7.0に調製したものを被検液とした。次に、各被検液に0.1mol/L塩酸を1mLずつ添加して、被検液のpHの変化を調べた。又、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体に代えて、各実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の原料として用いたシリル化タンパク質加水分解物を、それぞれ比較例1〜8として、上記と同様の方法でpHの変化を調べ、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体のpHの変化と比較した。
0.1mol/L塩酸の添加量と実施例1のシリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体及び比較例1のシリル化加水分解エンドウタンパクのpH変化の関係を図3に示す。図3より明らかなように、0.1mol/L塩酸の添加量が増えるに従って、比較例1ではpHが徐々に低下するのに対し、実施例1ではpHが急激に低下した。つまり、シリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体は、塩酸の水素イオンを緩衝する作用がシリル化加水分解エンドウタンパクよりも低下していることが分かった。よって、シリル化加水分解エンドウタンパクグリセリンエステル誘導体は、シリル化加水分解エンドウタンパクよりもカルボキシ基の数(酸性度)が減少していることが確認できた。
又、実施例2〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体と比較例2〜8のシリル化タンパク質加水分解物についても同様の測定を行い、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、シリル化タンパク質加水分解物よりも少量の塩酸量で急激にpHが低下することが確認された。
表1に、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体及び比較例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物のそれぞれの水溶液を、pH3.0にするために要する0.1mol/L塩酸量を、酸性度を表す目安として示す。なお、比較例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物水溶液では、いずれもpH4.5付近で濁りや沈殿物を生じたが、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体ではそのような現象は見られなかった。
表1に示されているように、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、グリセリンエステル化前のシリル化タンパク質加水分解物に比べて、pH3.0にするために要する塩酸量が少量である。従って、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、グリセリンエステル化によりカルボキシ基が減少した結果、酸性度が下がり、塩基性度が上がっていることが分かった。
測定例2 [シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体のO/W乳化型ヘアトリートメントへの配合試験]
実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を用いて、表2に示す組成のO/W乳化型ヘアトリートメントを実施品1〜8として調製した。又、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体に代えて、各実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の原料として用いたシリル化タンパク質加水分解物を配合した比較品1〜8も同様に調製した。さらに、対照品として、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体及びシリル化タンパク質加水分解物のどちらも配合していないO/W乳化型ヘアトリートメントを調製した。なお、表2では添加物の配合量を原則として質量%で表しているが、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体及びシリル化タンパク質加水分解物の配合量は、タンパク質加水分解物部分の配合量を同じにするために、タンパク質加水分解物部分の総窒素量がO/W乳化型ヘアトリートメント処方中で0.1%になるようにした。
実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を用いて、表2に示す組成のO/W乳化型ヘアトリートメントを実施品1〜8として調製した。又、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体に代えて、各実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の原料として用いたシリル化タンパク質加水分解物を配合した比較品1〜8も同様に調製した。さらに、対照品として、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体及びシリル化タンパク質加水分解物のどちらも配合していないO/W乳化型ヘアトリートメントを調製した。なお、表2では添加物の配合量を原則として質量%で表しているが、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体及びシリル化タンパク質加水分解物の配合量は、タンパク質加水分解物部分の配合量を同じにするために、タンパク質加水分解物部分の総窒素量がO/W乳化型ヘアトリートメント処方中で0.1%になるようにした。
上記の実施品1〜8、比較品1〜8及び対象品の調製直後の外観を目視によって観察した。その結果を、下記の評価基準に基づき、記号で表3に示す。
O/W乳化型ヘアトリートメントの評価基準
○: 均一な乳化状態
△: 不均一な乳化状態
×: 二層分離状態(乳化不能)
O/W乳化型ヘアトリートメントの評価基準
○: 均一な乳化状態
△: 不均一な乳化状態
×: 二層分離状態(乳化不能)
表3より明らかなように実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を配合した実施品1〜8は、対照品と同様に均一な乳化状態であるのに対して、シリル化タンパク質加水分解物を配合した比較品1〜8は、いずれも二層分離し、乳化することが出来なかった。シリル化タンパク質加水分解物はカルボキシ基を有しており、その陰イオン的な性質が、一般的にO/W乳化型ヘアトリートメントに含まれる塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性物質と複合体を形成し、乳化の妨げになっていると考えられる。しかしながら、カルボキシ基をグリセリンエステル化したシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性物質と複合体を形成しないため、乳化物形成の妨げにならないと考えられる。
実施品1〜8及び対照品(すなわち、調製後に二層分離しなかったO/W乳化型ヘアトリートメント)について、50℃で1ヶ月保存した際の粘度変化を調べ、O/W乳化型ヘアトリートメントの経時安定性を評価した。粘度測定は、O/W乳化型ヘアトリートメント調製の翌日を0日目として、1週間毎に行った。粘度測定条件は、25℃、ローターNo.3、回転数12rpm、測定時間1分であり、各O/W乳化型ヘアトリートメントにつき3回測定した。なお、50℃で保存したO/W乳化型ヘアトリートメントは冷却して温度を25℃にした後、粘度を測定した。3回の測定値の平均値を各サンプルの粘度として、その1ヶ月間の変化をグラフにして図4及び図5に示す。
図4及び図5より明らかなように、実施品1〜8は、調製後の約1週間経過後は、粘度低下が小さく、対照品と同様もしくはそれ以上の安定性が得られており、実施品1〜8は経時安定性が良いことが確認できた。つまり、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、O/W乳化型ヘアトリートメントに一時的に配合できるだけでなく、配合したO/W乳化型ヘアトリートメンの経時安定性を妨げないことが分かった。
測定例3 [シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の酸性側での溶解性]
pH3.0〜7.0の範囲における実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の溶解性を調べた。具体的には、固形分濃度10%に調整した各水溶液に、1mol/Lの塩酸を添加して水溶液のpHを3.0、4.0、5.0、6.0及び7.0に調整した時の溶液の状態を目視によって観察した。その観察結果を表4に示す。又、実施例1〜8におけるグリセリンエステル化前のシリル化タンパク質加水分解物についても、上記と同様の方法で溶解性を調べ、それぞれ比較例1〜8として、その観察結果を表4に示す。なお、観察結果は下記の評価基準によって記号で示す。
pH3.0〜7.0の範囲における実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の溶解性を調べた。具体的には、固形分濃度10%に調整した各水溶液に、1mol/Lの塩酸を添加して水溶液のpHを3.0、4.0、5.0、6.0及び7.0に調整した時の溶液の状態を目視によって観察した。その観察結果を表4に示す。又、実施例1〜8におけるグリセリンエステル化前のシリル化タンパク質加水分解物についても、上記と同様の方法で溶解性を調べ、それぞれ比較例1〜8として、その観察結果を表4に示す。なお、観察結果は下記の評価基準によって記号で示す。
観察結果:溶解性の評価基準
◎:透明
○:微濁
△:乳濁
×:沈殿物発生
◎:透明
○:微濁
△:乳濁
×:沈殿物発生
表4より明らかなように、各実施例のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の水溶液はpH3.0〜7.0の条件下において透明又は微濁であったのに対して、比較例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物は、pH5.0付近より酸性側で濁り、特にpH4.0以下では不溶物が生じた。従って、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体は、シリル化タンパク質加水分解物では不可能であったpH5程度の弱酸性透明化粧品への配合が可能であることが、この結果より示されている。
測定例4 [シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の毛髪への吸着性]
長さ15cmで重さ2gのアジア人毛の毛束を14本用意し、6%過酸化水素水と2%アンモニア水の1:1混合液(W/W)のブリーチ剤によって、これらの毛束を処理し、損傷毛髪を作製した。次に、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を総窒素量が0.2g/100mLになるように水で希釈して試験試料液とした。又、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の原料であるシリル化タンパク質加水分解物についても、同様にして試験試料液を調整し、それぞれ比較例1〜8とした。得られた14の試験試料液に14本の損傷毛髪をそれぞれ一束ずつ浸漬し、40℃で10分間振とうした。その後、損傷毛髪を水道水の流水で洗浄し、タオルドライ後、ドライヤーで乾燥させた。なお、上記の試験試料液への浸漬からドライヤーでの乾燥までの処理を5回繰り返した。
長さ15cmで重さ2gのアジア人毛の毛束を14本用意し、6%過酸化水素水と2%アンモニア水の1:1混合液(W/W)のブリーチ剤によって、これらの毛束を処理し、損傷毛髪を作製した。次に、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体を総窒素量が0.2g/100mLになるように水で希釈して試験試料液とした。又、実施例1〜8のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の原料であるシリル化タンパク質加水分解物についても、同様にして試験試料液を調整し、それぞれ比較例1〜8とした。得られた14の試験試料液に14本の損傷毛髪をそれぞれ一束ずつ浸漬し、40℃で10分間振とうした。その後、損傷毛髪を水道水の流水で洗浄し、タオルドライ後、ドライヤーで乾燥させた。なお、上記の試験試料液への浸漬からドライヤーでの乾燥までの処理を5回繰り返した。
次に、上記の処理をした各毛束から10本ずつ抜き取った毛髪をエネルギー分散型X線分析装置(JED−2300、日本電子(株)製)によって分析し、毛髪表面に存在するSi元素の量を測定することで、シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体とシリル化タンパク質加水分解物の毛髪への吸着量を調べた。表5に各10本の毛髪表面のSi元素量を平均値で示すが、この値は毛髪表面で観測されたC、N、O、S及びSi元素の質量和を100とした時のSiの割合を質量%で示したものである。
表5より明らかなように、実施例のシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体の水溶液で処理をした方が、比較例のシリル化タンパク質加水分解物水溶液で処理をした場合に比べて、毛髪表面からSiが多く検出された。つまり、この結果からシリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が、シリル化タンパク質加水分解物よりも損傷毛髪表面へ吸着し易いことが確認された。
Claims (7)
- 前記シリル化タンパク質加水分解物グリセリンエステル誘導体が、植物タンパク質の加水分解物より得られることを特徴とする請求項1に記載の化粧品基材。
- 前記タンパク質加水分解物の全カルボキシ基の50%以上が、一般式(I)で表される官能基によりエステル化されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧品基材。
- 前記タンパク質加水分解物の全アミノ基の50〜80%に、一般式(II)で表される官能基が結合していることを特徴とする請求項4に記載の化粧品基材。
- 前記タンパク質加水分解物のアミノ酸重合度が、2〜50であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の化粧品基材。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化粧品基材を含有することを特徴とする化粧料。
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