以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における走行装置1について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における走行装置1の構成および使用状態の例を示す概略図、図2は同走行装置1の回路ブロック図である。
図1に示すように、走行装置1は、スロープや段差のある路面を走行するのに適した構成を備えている。すなわち、走行装置1は、本体部1fの前側左に脚車輪装置2、前側右に脚車輪装置3、後側左に脚車輪装置4、後側右に脚車輪装置5が取り付けられている。
脚車輪装置2は、本体部1fを走行駆動可能にする主車輪32と、本体部1fを走行駆動可能にするとともに上下動作可能な副車輪22とを備えている。
同様に、脚車輪装置3は、本体部1fを走行駆動可能にする主車輪33と、本体部1fを走行駆動可能にするとともに上下動作可能な副車輪29とを備えている。
また、脚車輪装置4は、本体部1fを走行駆動可能にする主車輪34と、本体部1fを走行駆動可能にするとともに上下動作可能な副車輪30とを備えている。
また、脚車輪装置5は、本体部1fを走行駆動可能にする主車輪35と、本体部1fを走行駆動可能にするとともに上下動作可能な副車輪31とを備えている。
さらに、走行装置1は、図2に示すように、走行速度と走行方向を指示する走行指令入力部25と、路面の段差を検出する段差検出部27aと、本体部1fの傾きを検知可能な傾き検知部27bと、脚車輪装置2、脚車輪装置3、脚車輪装置4および脚車輪装置5を制御する制御部21とを備えている。
制御部21は、走行指令入力部25からの走行速度と走行方向に関する入力指示、段差
検出部27a、傾き検知部27の検知結果に基づいて、脚車輪装置1から4の姿勢角度(主車輪32,33,34,35に対する副車輪22,29、30,31の高さ)、主車輪32,33,34,35及び副車輪22,29、30,31の車輪速度と操舵角を制御し、走行姿勢や走行動作を制御する。
このような構成により、走行装置1は、制御部21により、脚車輪装置2、脚車輪装置3、脚車輪装置4および脚車輪装置5の姿勢角度を制御し、走行する路面に傾斜や段差があっても本体部1fを水平に維持させながら走行することができる。また、この水平姿勢を維持しながら、主車輪32,33,34,35及び副車輪22,29、30,31の車輪速度と操舵角を制御することが可能であり、円滑に路面を操舵しながら走行することができる。
例えば、図1(A)は下りのスロープの路面を走行する場合の走行装置1の使用状態の例である。この場合には、走行装置1は、脚車輪装置2、脚車輪装置3を下側に下げ、副車輪22と副車輪29を路面に接地し、主車輪32および主車輪33を上側に持ち上げた状態にして、副車輪22、副車輪29、主車輪34および主車輪35で走行駆動する。これにより、走行装置1は、本体部1fの傾斜を抑えながら走行することができる。また、必要に応じて、副車輪22、副車輪29、主車輪34および主車輪35の操舵角を制御して進行方向を変更することが可能である。
また、図1(B)は斜めのスロープの路面を横切るように走行する場合の走行装置1の使用状態の例である。この場合には、走行装置1は、脚車輪装置3、脚車輪装置5を下側に下げ、副車輪29と副車輪31を路面に接地し、主車輪33および主車輪35を上側に持ち上げた状態にして、副車輪29、副車輪31、主車輪32および主車輪34で走行する。これにより、走行装置1は、本体部1fの傾斜を抑えながら走行することができる。また、必要に応じて、副車輪29、副車輪31、主車輪32および主車輪34の操舵角を制御して進行方向を変更することが可能である。
さらに、図1(C)は段差のある路面を登る場合の走行装置1の使用状態の例である。この場合でも、図1(C)に示すように、脚車輪装置2及び3を上側に上げて前に移動し、段差の上側で副車輪22と副車輪29を路面に接地させ、その後に、脚車輪装置2及び3を略水平状態に移行させると同時に脚車輪装置4及び5を下側に下げることで、本体部1f、主車輪32及び33、主車輪34及び35を上側に持ち上げた状態にして段差を乗り越えることができる。主車輪34及び35が段差を乗り越えた後で、脚車輪装置4および脚車輪装置5を略水平状態に移行させることにより、副車輪30及び31が段差を乗り越えることができる。
同様に、図1(D)は段差を降りる場合の走行装置1の使用状態の例であり、まず下降段差において、脚車輪装置2及び3を下側に下げて段差下側に接地させて前に移動し、その後に、主車輪34及び35が段差を越えたところで、脚車輪装置2及び3を略水平状態に移行させると同時に脚車輪装置4及び5を上側に操作することで、本体部1f、主車輪32及び33、主車輪34及び35を段差下側面に下降させ、段差を降りることができる。
また、図1(E)は溝のある路面を通過する場合の走行装置1の使用状態の例である。この場合でも、脚車輪装置2の副車輪22と主車輪32との距離または脚車輪装置3の副車輪29と主車輪33との距離が溝の幅より大きければ、走行装置1は、脚車輪装置2または脚車輪装置3を使用して溝を跨いで走行することができる。
また、図1(F)は段差のある路面を走行する場合の走行装置1の使用状態の例である
。この場合でも、図1(B)に示したのと同様の方法で、走行装置1は、本体部1fの傾きを抑えながら走行させることができる。
このように、走行装置1は、スロープや段差のある路面に応じて、各接地輪を副車輪22と主車輪32、副車輪29と主車輪33、主車輪34と副車輪30、主車輪35と副車輪31との間で適宜切り替えることで、安定した走行が可能である。
本発明の走行装置における脚車輪装置は、車輪駆動入力と操舵駆動入力を有する主車輪ユニットを基点としたスイングアームの先端部に車輪駆動入力と操舵駆動入力を有する副車輪ユニットを備える。スイングアームは、主車輪ユニット内の水平方向に平行な2軸の各々と副車輪ユニット内の水平方向に平行な2軸の各々を連結する第1及び第2リンクアームが略平行に配置され、主車輪ユニット側を基点として、副車輪ユニットを該副車輪ユニットの垂直角度を略維持して上下に駆動可能に構成される平行リンク機構により構成される。また、第1リンク軸の各々に同心に回動可能な回動軸が設けられ、両回動軸は第1連結部材によって回動連結される。さらに、第2リンク軸の各々に同心に回動可能な回動軸が設けられ、両回動軸は第2連結部材によって回動連結される。主車輪ユニットが設置されるフレームに設けた2つの駆動源によって主輪ユニット側の回動軸を各々駆動し、第1リンク回動軸連結系統により車輪駆動力を伝達し、第2リンク回動軸連結系統により操舵駆動力を伝達し、主車輪ユニット及び副車輪ユニットの各車輪駆動入力と各操舵駆動入力へ駆動力を伝達する。
この様に、主車輪ユニットを基点としたスイングアーム先端部に副輪ユニットに備える脚車輪装置を有し、該脚車輪装置におけるスイングアームを平行リンクにより構成し、2つのリンク軸系統を使って、主車輪ユニットおよび副車輪ユニットに対して車輪駆動系と操舵駆動系の2系統の駆動力伝達を行い、主車輪の車輪駆動と操舵駆動のみならず、スイングアーム部先端に設置される副車輪の車輪駆動と操舵駆動を実現している。
第1及び第2回動軸連結部材としては、各回動軸にプーリを設けて無端ベルトにより連結するなどの種々の構成をとることが出来る。特に、第1及び第2連結部材として、リンクアームの両端の主輪ユニット側リンク軸と副輪ユニット側リンク軸の各同心に回動可能に配置された回動軸の各々に傘歯車を設けて、両端に傘歯車を設けたドライブシャフトをリンクアームに平行に配置し、両回動軸が同相で回動する様にドライブシャフト両端の傘歯車を各々前記回動軸上の傘歯車にかみ合わせることで、スイングアームの回動によって各回動軸が干渉して回動してしまうことを防ぐことが出来る。すなわち、スイングアームの回動に対して、該ドライブシャフトが回転して該ドライブシャフト両端における各回動軸との傘歯車のかみ合い位相が差動的に変化するため、各回動軸への干渉が発生しない。
このような構成により、スイングアーム部によって副車輪を上下させても上下動作による操舵角および車輪回転速度の干渉変化をなくすことが可能となり、副車輪と主車輪とを切り替えても操舵方向および車輪回転速度が不連続なく、安定して切り替えることが可能となるので、副車輪と主車輪とを併用して走行する場合であっても安定した操舵を可能にする。
次に、図3および図4を参照しながら、走行装置1の詳細な構成について説明する。
ここでは、本体部1fに4つの脚車輪装置を用いた例について説明する。具体的は、本体部1fの前側左に脚車輪装置2、前側右に脚車輪装置3、後側左に脚車輪装置4、後側右に脚車輪装置5を取り付けた例について説明する。
図3は本発明の実施の形態1における走行装置1の概要を説明するための上面図、図4
は同走行装置1の概要を説明するための側面図である。
図3および図4に示すように、本体部1fの中心点Oを通り、走行装置1の走行方向Aに平行なX軸を含み、本体部1fの上面の荷物台1aに垂直な平面に関して、脚車輪装置3は脚車輪装置2を面対称にした構成を有している。また、脚車輪装置4は脚車輪装置3と同じ構成を有し、脚車輪装置3を180度転回した構成である。そして、脚車輪装置5は脚車輪装置2と同じ構成を有し、脚車輪装置2を180度転回した構成である。このように、それぞれの脚車輪装置は同様な構成である。
そこで、まず、脚車輪装置2について説明する。図3および図4に示すように、脚車輪基台6に、脚車輪基台6の両側面に垂直な直線1hを軸心とする回動軸受部6a、6bを設けている。同様に、脚車輪基台6に、脚車輪基台6の両側面に垂直な直線1iを軸心とする回動軸受部6c、6dを設けている。
次に、回動軸受部6a、6b、6c、6dを用いた脚車輪装置2のリンク機構について説明する。
上回動リンク部10は、略同一の外形形状を有する上回動リンク(外)10a、上回動リンク(内)10bおよび補強連結部材10cを備え、補強連結部材10cにより上回動リンク(外)10aと上回動リンク(内)10bとが一体になるように構成されている。そして、上回動リンク(外)10aの両端にはそれぞれ中空の回動ボス部10d、10gが固着され、上回動リンク(内)10bの両端にはそれぞれ中空の回動ボス部10e、10hが固着されている。
上回動リンク部10の回動ボス部10d、10eが脚車輪基台6の回動軸受部6a、6bにそれぞれ回動可能に挿入され、回動ボス部10d、10eの中空の内周面には回転軸10fが回転自在に挿入され、回動ボス部10g、10hの中空の内周面には回転軸18が挿入されている。
同様に、下回動リンク部11は、略同一の外形形状を有する下回動リンク(外)11a、下回動リンク(内)11bおよび補強連結部材11cを備え、補強連結部材11cにより下回動リンク(外)11aと下回動リンク(内)11bとが一体になるように構成されている。そして、下回動リンク(外)11aの両端にはそれぞれ中空の回動ボス部11d、11gが固着され、下回動リンク(内)11bの両端にはそれぞれ中空の回動ボス部11e、11hが固着されている。
下回動リンク部11の回動ボス部11d、11eが脚車輪基台6の回動軸受部6c、6dにそれぞれ回動可能に挿入され、回動ボス部11d、11eの中空の内周面には回転軸11fが回転自在に挿入され、回動ボス部11g、11hの中空の内周面には回転軸19が挿入されている。
垂直可動リンク部20は、上回動リンク部10に設けられた回転軸18の回転中心(軸心)と下回動リンク部11に設けられた回転軸19の回転中心の間の距離が、脚車輪基台6に設けられた回動軸受部6a(6b)と回動軸受部6c(6d)の軸心間の距離、すなわち上回動リンク部10に設けられた回転軸10fの回転中心(軸心)と下回動リンク部11に設けられた回転軸11fの回転中心の間の距離に等しくなるように、かつ回動ボス部10g、回動ボス部10h、回動ボス部11gおよび回動ボス部11hの外周面に回動可能になるように設けられている。
これにより、上回動リンク部10および下回動リンク部11がそれぞれの回動軸受部6
a、回動軸受部6b、回動軸受部6cおよび回動軸受部6dの周りに回動するとき、垂直可動リンク部20は回動軸受部6aの軸心と回動軸受部6cの軸心を結ぶ線(直線6e)に平行のまま上下移動する。
また、脚車輪装置2では、副車輪22が垂直可動リンク部20に直接または間接的に取り付けられ、主車輪32が脚車輪基台6に直接または間接的に取り付けられている。
同様に、脚車輪装置3では、上回動リンク部12が略同一の外形形状を有する上回動リンク(外)12aと上回動リンク(内)12bとが補強連結部材12cにより一体になるように構成され、上回動リンク部12が脚車輪基台7の回動軸受部7a、7bに回動自在に設けられている。また、下回動リンク部13が略同一の外形形状を有する下回動リンク(外)13aと下回動リンク(内)13bとが補強連結部材13cにより一体になるように構成され、下回動リンク部13が脚車輪基台7の回動軸受部7c、7dに回動自在に設けられている。
また、垂直可動リンク部24は、上回動リンク部12および下回動リンク部13がそれぞれの回動軸受部の周りに回動するとき、直線6eに平行のまま上下移動する。
また、脚車輪装置3では、副車輪29が垂直可動リンク部24に取り付けられ、主車輪33が脚車輪基台7に直接または間接的に取り付けられている。
同様に、脚車輪装置4では、上回動リンク部14が略同一の外形形状を有する上回動リンク(外)14aと上回動リンク(内)14bが補強連結部材14cにより一体になるように構成され、上回動リンク部14が脚車輪基台8の回動軸受部8a、8bに回動自在に設けられている。また、下回動リンク部15が略同一の外形形状を有する下回動リンク(外)15aと下回動リンク(内)15bが補強連結部材15cにより一体になるように構成され、下回動リンク部15が脚車輪基台8の回動軸受部8c、8dに回動自在に設けられている。
垂直可動リンク部26は、上回動リンク部14および下回動リンク部15がそれぞれの回動軸受部の周りに回動するとき、直線6fに平行のまま上下移動する。
また、脚車輪装置4では、副車輪30が垂直可動リンク部26に取り付けられ、主車輪34が脚車輪基台8に直接または間接的に取り付けられている。
同様に、脚車輪装置5では、上回動リンク部16が略同一の外形形状を有する上回動リンク(外)16aと上回動リンク(内)16bが補強連結部材16cにより一体になるように構成され、上回動リンク部16が脚車輪基台9の回動軸受部9a、9bに回動自在に設けられている。また、下回動リンク部17が略同一の外形形状を有する下回動リンク(外)17aと下回動リンク(内)17bが補強連結部材11cにより一体になるように構成され、下回動リンク部17が脚車輪基台9の回動軸受部9c、9dに回動自在に設けられている。
垂直可動リンク部28は、上回動リンク部16および下回動リンク部17がそれぞれの回動軸受部の周りに回動するとき、直線6fに平行のまま上下移動する。
また、脚車輪装置5では、副車輪31が垂直可動リンク部28に取り付けられ、主車輪35が脚車輪基台9に取り付けられている。
なお、脚車輪装置2における回転軸10fおよび回転軸11fのそれぞれの軸心と、脚
車輪装置3における回転軸12fおよび回転軸13fのそれぞれの軸心がそれぞれ直線1hおよび直線1iに一致するように本体部1fに取り付けられている。
同様に、脚車輪装置4における回転軸14fおよび回転軸15fのそれぞれの軸心と、脚車輪装置5における回転軸16fおよび回転軸17fのそれぞれの軸心がそれぞれ直線1jおよび直線1kに一致するように本体部1fに取り付けられている。
このように、平行リンク機構を用いて副車輪22を上下動作させることで、後述するように、1つの駆動源で副車輪22と主車輪32をギア列で同時駆動することができるようになる。また、副車輪22と主車輪32、副車輪29と主車輪33、主車輪34と副車輪30、主車輪35と副車輪31はそれぞれインライン配置されている。このインライン配置により、操舵方向および車輪回転速度が不連続なく、安定して切り替えることができる。
次に、図5〜図7を参照しながら、脚車輪装置における車輪駆動伝達系について説明する。
ここでは、脚車輪装置3、4、5は、脚車輪装置2と同様な構成であるため、脚車輪装置2における各車輪駆動伝達系(車輪駆動伝達部)について説明する。
図5は本発明の実施の形態1における脚車輪装置の車輪駆動伝達系を説明するための模式上面図、図6は同脚車輪装置の車輪駆動伝達系を説明するための模式側面図、図7は同脚車輪装置の車輪駆動伝達系を説明するための模式正面図である。
図5〜図7において、脚車輪装置2では、回動ボス部10d、10eの内外周面はその軸心を中心として同軸加工されており、その内周面と外周面は同心円を形成しており、回動ボス部10d、10eの内周面に支持された駆動伝達軸40(図3における回転軸10fと同じ)は回動軸受部6a、6bの軸心すなわち直線1h上に軸心を有するように回動ボス部10d、10eに回転自在に支持されている。
駆動伝達軸40には、プーリー44、中間部に主車輪32を駆動するための第1の主車輪用傘歯車45および他端側に副車輪22を駆動するための第1の副車輪用傘歯車46が固着されている。
駆動伝達軸40は、ベルト47を介して脚車輪基台6に設けられた減速機付きモータ48によりベルト駆動される。
次に、主車輪32の車輪駆動伝達系について説明する。
第1の主車輪用傘歯車45には、第1の主車輪用伝達軸49の一端に設けられた第2の主車輪用傘歯車50が噛み合っている。第1の主車輪用伝達軸49は駆動伝達軸40の軸心すなわち直線1hに略垂直で、直線6e(図4参照)に平行になるように脚車輪基台6に固着された軸受部51に保持され、その他端には第1の平歯車52が配設されている。
そして、第2の主車輪用伝達軸53の一端に設けられた第2の平歯車54が第1の平歯車52に噛み合っている。この第2の主車輪用伝達軸53は第1の主車輪用伝達軸49と同様に直線1hに略垂直で、直線6e(図6参照)に平行になるように脚車輪基台6に固着された軸受部55、56に保持され、その他端には第3の平歯車57が配設されている。
また、第3の主車輪用伝達軸60は、第2の主車輪用伝達軸53と同様に直線1hに略垂直で、直線6e(図6参照)に平行になるように脚車輪基台6に固着された軸受部58に保持され、この第3の主車輪用伝達軸60の一端に設けられた第4の平歯車61が第3の平歯車57に噛み合っている。そして、第3の主車輪用伝達軸60の他端には第5の平歯車62が配設されている。
また、主車輪支持部63の内部に第3の主車輪用伝達軸60が貫通し、略コの字状の主車輪支持部63の内部に第5の平歯車62が配設された状態になっている。この主車輪支持部63は、脚車輪基台6の軸受部59によって、第3の主車輪用伝達軸60の周りに回動可能で、かつスラスト方向(第3の主車輪用伝達軸60の軸心方向)の移動が抑制された略コの字状の形状をしている。
また、第4の主車輪用伝達軸66は、第3の主車輪用伝達軸60の軸心に平行になるように主車輪支持部63に設けられた軸受部64、65に回転自在に支持され、この第4の主車輪用伝達軸66に設けられた第6の平歯車67が第5の平歯車62に噛み合っている。そして、第4の主車輪用伝達軸66の他端側には第3の主車輪用傘歯車68が配設されている。
また、第4の主車輪用伝達軸66の軸心に垂直になるように主車輪支持部63の両側面に主車輪軸69を固着し、車輪軸受部32a、32bを有する主車輪32を主車輪軸69の周りに回転自在に配設し、この主車輪32に一体的に連結した第4の主車輪用傘歯車70を第3の主車輪用傘歯車68に噛み合わせている。
そして、第3の主車輪用傘歯車68を第4の主車輪用傘歯車70に噛み合わせたとき、主車輪軸69の軸心と主車輪32の幅方向の中心の交点を第3の主車輪用伝達軸60の軸心の延長線が通るように主車輪32の幅を設定する。すなわち、主車輪32の幅を耐圧の関係から設定した幅としたときには、主車輪軸69の軸心と主車輪32の幅方向の中心の交点を第3の主車輪用伝達軸60の軸心の延長線が通るように、第4の主車輪用伝達軸66に配設される第5の平歯車62と第6の平歯車67の間隔位置を設定すればよい。
次に、副車輪22の車輪駆動伝達系について説明する。
駆動伝達軸40の他端に配設された第1の副車輪用傘歯車46に第1の副車輪用伝達軸73(ドライブシャフト)の一端に設けられた第2の副車輪用傘歯車74が噛み合っている。
第1の副車輪用伝達軸73の軸心は、駆動伝達軸40の軸心すなわち直線1hと、脚車輪装置2の上回動リンク部10における上回動リンク(外)10aに設けられた回動ボス部10gの軸心すなわち回転軸18の軸心(図3および図4参照)とを通り、かつ直線1hと回動ボス部10gの軸心に垂直な線になるように上回動リンク部10における上回動リンク(外)10aに固着された軸受部75、76に保持され、その他端には電磁クラッチ77が連結されている。
また、電磁クラッチ77の他方側には、第1の副車輪用伝達軸73の軸心と一致するように上回動リンク部10に配設された軸受部78および79に支持された第2の副車輪用伝達軸80(ドライブシャフト)が連結され、第2の副車輪用伝達軸80の端部に第3の副車輪用傘歯車81が固着されている。
このように、電磁クラッチ77により、第1の副車輪用伝達軸73から第2の副車輪用伝達軸80への駆動力の伝達を遮断することができ、副車輪22を使用しない場合に副車
輪22を静止させておくことができる。これにより、副車輪22の回転により周囲の人物や建物に損傷を与えないようにし、安全性を高めている。
また、第4の副車輪用傘歯車85は、駆動伝達軸40の軸心に略平行で、かつ上回動リンク部10に設けられた回動ボス部10gおよび10hの内周面に支持された第3の副車輪用伝達軸84(図3および図4における回転軸18と同じ)の一端に配設されている。第4の副車輪用傘歯車85は、第3の副車輪用傘歯車81と噛み合っている。そして、第3の副車輪用伝達軸84の他端側には第5の副車輪用傘歯車86が固着されている。
第5の副車輪用傘歯車86には、第4の副車輪用伝達軸87の一端に設けられた第6の副車輪用傘歯車88が噛み合っている。第4の副車輪用伝達軸87は回動軸受部6aの軸心と回動軸受部6cの軸心を結ぶ線(直線6e)に平行になるように垂直可動リンク部20に固着された軸受部89に保持され、その他端には第1の副車輪用平歯車90が配設されている。
第2の副車輪用平歯車92は、第5の副車輪用伝達軸91の一端に設けられ、第2の副車輪用平歯車92が第1の副車輪用平歯車90に噛み合っている。第5の副車輪用伝達軸91は第4の副車輪用伝達軸87と同様に回動軸受部6aの軸心と回動軸受部6cの軸心を結ぶ線(直線6e)に平行になるように垂直可動リンク部20に固着された軸受部93、94に保持され、その他端には第3の副車輪用平歯車95が配設されている。
第4の副車輪用平歯車98は、第5の副車輪用伝達軸91と同様に回動軸受部6aの軸心と回動軸受部6cの軸心を結ぶ線(直線6e)に平行になるように垂直可動リンク部20に固着された軸受部96に保持された第6の副車輪用伝達軸97の一端に設けられ、この第4の副車輪用平歯車98が第3の副車輪用平歯車95に噛み合い、第6の副車輪用伝達軸97の他端には第5の副車輪用平歯車99が配設されている。
脚車輪支持部101は、垂直可動リンク部20の軸受部100によって第6の副車輪用伝達軸97の周りに回動可能で、かつスラスト方向(第6の副車輪用伝達軸97の軸心方向)の移動が抑制された略コの字状の形状をしており、この脚車輪支持部101の内部に第6の副車輪用伝達軸97が貫通し、略コの字状の脚車輪支持部101の内部に第5の副車輪用平歯車99が配設された状態になっている。
第6の副車輪用平歯車110は、第6の副車輪用伝達軸97の軸心に平行になるように脚車輪支持部101に設けられた軸受部107、108(図示せず)に回転自在に支持された第7の副車輪用伝達軸109に設けられ、この第6の副車輪用平歯車110が第5の副車輪用平歯車99に噛み合い、第7の副車輪用伝達軸109の他端側には第7の副車輪用傘歯車111が配設されている。
そして、第7の副車輪用伝達軸109の軸心に垂直になるように脚車輪支持部101の両側面に脚車輪軸112を固着し、車輪軸受部22a、22bを有する副車輪22を脚車輪軸112の周りに回転自在に配設し、副車輪22に一体的に連結した第8の副車輪用傘歯車113を第7の副車輪用傘歯車111に噛み合わせるように配設する。
また、第8の副車輪用傘歯車113を第7の副車輪用傘歯車111に噛み合わせたとき、脚車輪軸112の軸心と副車輪22の幅方向の中心の交点を第6の副車輪用伝達軸97の軸心の延長線が通るように副車輪22の幅を設定する。すなわち、副車輪22の幅を耐圧の関係から設定した幅としたときには、脚車輪軸112の軸心と副車輪22の幅方向の中心の交点を第6の副車輪用伝達軸97の軸心の延長線が通るように、第7の副車輪用伝達軸109に配設される第6の副車輪用平歯車110と第6の副車輪用伝達軸97の一端
に配設された第5の副車輪用平歯車99の間隔位置を設定すれば良い。
第1の副車輪用伝達軸73の軸心は、上回動リンク(外)10aの回動ボス部10dの軸心、すなわち駆動伝達軸40の軸心を通り、かつ駆動伝達軸40に直交する。そして、第1の副車輪用伝達軸73の軸心は、電磁クラッチ77を介して第2の副車輪用伝達軸80(ドライブシャフト)に連結される。第2の副車輪用伝達軸80は、第1の副車輪用伝達軸73の軸心と同じ軸心を有し、その軸心が上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bにそれぞれ設けられた回動ボス部10g、10hの軸心、すなわち回動ボス部10g、10hの内周面に支持された第3の副車輪用伝達軸84の軸心を通り、かつ直交するように構成されている。
さらに、第1の副車輪用伝達軸73の一端に設けられた第2の副車輪用傘歯車74および第2の副車輪用伝達軸80の一端に固着された第3の副車輪用傘歯車81は、第1の副車輪用傘歯車46および第4の副車輪用傘歯車85にそれぞれ噛み合う位置を駆動伝達軸40の軸心および第3の副車輪用伝達軸84の軸心に対してそれぞれ同じ側、すなわち図6において駆動伝達軸40および第3の副車輪用伝達軸84のそれぞれの軸心の右側に位置するように構成される。
これによって、脚車輪装置2の副車輪22を上下させても、上下動作による副車輪22と主車輪32との回転速度の干渉をなくすことができ、副車輪22と主車輪32とを切り替えても回転速度すなわち走行装置1の走行速度が不連続なく、安定して切り替えることができる。
なお、副車輪29と主車輪33、主車輪34と副車輪30、主車輪35と副車輪31の車輪駆動伝達系も同様に回転速度の干渉をなくすことができ、それぞれの副車輪とそれぞれの主車輪を切り替えても操舵方向が不連続なく安定して切り替えることができる。
また、第2の副車輪用傘歯車74および第3の副車輪用傘歯車81が第1の副車輪用傘歯車46および第4の副車輪用傘歯車85にそれぞれ噛み合う位置を図6において駆動伝達軸40および第3の副車輪用伝達軸84のそれぞれの軸心の左側に位置するように構成してもよい。さらに言えば、駆動軸40と84が同一方向に回転する様に、傘歯車81と85のかみ合わせ位置及び向きと傘歯車74と46のかみ合わせ位置及び向きを設定する様にする。こうすることにより、スイングアームの回動に対して、ドライブシャフトが自動的に回転してドライブシャフト両端における傘歯車のかみ合い位相が差動的に変化するため、駆動軸40と84への干渉が発生しない。すなわち、スイングアームの回動によって車輪回転速度が変化することがない。
次に、図8を参照しながら、脚車輪装置における操舵駆動伝達系について説明する。ここでは、脚車輪装置3、4、5は、脚車輪装置2と同様な構成であるため、ここでは、脚車輪装置2における操舵駆動伝達系について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における脚車輪装置2の操舵駆動伝達系を説明するための模式上面図である。
まず、主車輪32に対する操舵駆動伝達系について説明する。図8に示すように、操舵駆動軸150は、下回動リンク(外)11aおよび下回動リンク(内)11bにそれぞれ設けられた回動ボス部11d、11eのそれぞれの内周面に回転自在に支持されている。したがって、操舵駆動軸150の軸心は、回動軸受部6c、6dの軸心すなわち直線1i上に軸心を有するように構成されている。
また、操舵駆動軸150に駆動用平歯車153が固着され、操舵用駆動モータ154の駆動軸に固着されたモータ連結平歯車155に噛み合っている。
そして、操舵駆動軸150の一端には、第1の副車輪操舵用傘歯車156が固着され、駆動用平歯車153と第1の副車輪操舵用傘歯車156の間に主車輪操舵用ウオームギア157が固着されている。
この主車輪操舵用ウオームギア157は、主車輪支持部63(図6)の上部に固着され、かつ第3の主車輪用伝達軸60の周りに回動可能な主車輪操舵用ウオームホイール158と噛み合っている。
次に、副車輪22に対する操舵駆動伝達系について説明する。図8において、操舵駆動軸150の一端に配設された第1の副車輪操舵用傘歯車156に第1の副車輪操舵用伝達軸159(ドライブシャフト)の一端に設けられた第2の副車輪操舵用傘歯車160が噛み合っている。
一方、一端に第4の副車輪操舵用傘歯車168が配設された第3の副車輪操舵用駆動軸169が下回動リンク(外)11aおよび下回動リンク(内)11bにそれぞれ設けられた回動ボス部11gおよび11hの内周面に回転自在に配設されている。
第1の副車輪操舵用伝達軸159(ドライブシャフト)は、回動軸受部6dの軸心すなわち操舵駆動軸150の軸心と脚車輪装置2の下回動リンク部11に設けられた回動ボス部11g、11hの軸心すなわち第3の副車輪操舵用駆動軸169の軸心、すなわち回転軸19の軸心(図3および図4参照)を通り、かつ操舵駆動軸150の軸心、すなわち直線1iに垂直な線になるように下回動リンク部11における下回動リンク(内)11bに固着された軸受部161および162に保持され、その他端には電磁クラッチ163が連結されている。
また、電磁クラッチ163の他方側には第1の副車輪操舵用伝達軸159の軸心と一致するように下回動リンク部11に配設された軸受部164、165に支持された第2の副車輪操舵用伝達軸166(ドライブシャフト)が連結され、第2の副車輪操舵用伝達軸166の端部に第3の副車輪操舵用傘歯車167が固着されている。
このように、電磁クラッチ163により、第1の副車輪操舵用伝達軸159から第2の副車輪操舵用伝達軸166への駆動力の伝達を遮断することができ、副車輪22を使用しない場合に副車輪22を静止させておくことができる。これにより、副車輪22の方向移動により周囲の人物や建物に損傷を与えないようにし、安全性を高めている。
なお、電磁クラッチ163がオフ(非連結)したときには、第1の副車輪操舵用伝達軸159から第2の副車輪操舵用伝達軸166への駆動の伝達が遮断しているために、主車輪32は操舵可能であるが、副車輪22は静止したままである。したがって、電磁クラッチ163をオフしたとき、主車輪32と副車輪22のそれぞれの操舵角度は異なってしなう。そこで、主車輪32と副車輪22のそれぞれの操舵角度を検知するためのエンコーダ(図示せず)をそれぞれ設け、それらのエンコーダから検出される操舵角に基づいて操舵することにより、電磁クラッチ163がオフした場合であっても主車輪32と副車輪22のそれぞれの操舵角度を合致させるようにしている。
また、電磁クラッチ163を積極的に断続的に結合/遮断を行うことで、主車輪32の操舵角と副車輪22の操舵角を異なった角度に調整することも可能となる。これにより、例えば、主車輪32と副車輪22の両方が接地している状況においても、各車輪の走行
経路を同心円上に設定制御することが可能となる。
軸受ボス部11g、11hの間において、第3の副車輪操舵用駆動軸169に副車輪操舵用ウオームギア170を配設する。
そして、副車輪操舵用ウオームギア170は脚車輪支持部101(図8)の上部に固着され、かつ第6の副車輪用伝達軸97の周りに回動可能なウオームホイール171と噛み合っている。
このように、第1の副車輪操舵用伝達軸159を介して、副車輪22と主車輪32はギア連結されているので、副車輪22と主車輪32は同じ進行方向に操舵角を合わせることができる。
また、直線1i上に軸心を有する操舵駆動軸150の一端に第1の副車輪操舵用傘歯車156を配設し、回動ボス部11g、11hの軸心と同じ軸心を有する第3の副車輪操舵用駆動軸169の一端に第4の副車輪操舵用傘歯車168を配設する。そして、第1の副車輪操舵用傘歯車156と第4の副車輪操舵用傘歯車168にそれぞれ噛み合う第2の副車輪操舵用傘歯車160と第3の副車輪操舵用傘歯車167をそれぞれ端部に有する第1の副車輪操舵用伝達軸159の軸心および第2の副車輪操舵用伝達軸166の軸心が操舵駆動軸150の軸心と第3の副車輪操舵用駆動軸169の軸心を通り、かつ操舵駆動軸150の軸心と第3の副車輪操舵用駆動軸169の軸心と直交するように構成する。さらに、第2の副車輪操舵用傘歯車160と第3の副車輪操舵用傘歯車167が第1の副車輪操舵用傘歯車156と第4の副車輪操舵用傘歯車168にそれぞれ噛み合う位置が操舵駆動軸150の軸心と第3の副車輪操舵用駆動軸169の軸心に対しそれぞれ同じ側、すなわち図8中のB方向から見て操舵駆動軸150の軸心と第3の副車輪操舵用駆動軸169の軸心の右側にあるように構成する。
これにより、副車輪22を上下させても上下動作による副車輪22と前主車輪32との操舵角の干渉をなくすことができ、副車輪22と主車輪32とを切り替えても操舵方向が不連続なく、安定して切り替えることができる。
さらに言えば、駆動軸150と169が同一方向に回転する様に、傘歯車156と160のかみ合わせ位置及び向きと傘歯車168と167のかみ合わせ位置及び向きを設定する様にする。こうすることにより、スイングアームの回動に対して、ドライブシャフトが自動的に回転してドライブシャフト両端における傘歯車のかみ合い位相が差動的に変化するため、駆動軸150と169への干渉が発生しない。すなわち、スイングアームの回動によって操舵角度が変化することがない。
なお、副車輪29と主車輪33、主車輪34と副車輪30、主車輪35と副車輪31の操舵駆動伝達系も同様に操舵角の干渉をなくすことができ、それぞれの脚車輪とそれぞれの主車輪を切り替えても操舵方向が不連続なく安定して切り替えることができる。
また、ウオームギア157、170により路面から受ける反力の伝達を遮断することができる。これにより、操舵方向を安定させることができる。
次に、図9および図10を参照しながら、スイングアーム部としての脚車輪装置2における上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bをスイング動作させるスイング動作用駆動伝達系の構成について説明する。
図9は本発明の実施の形態1における脚車輪装置2のスイング動作を説明するための模
式上面図、図10は同脚車輪装置2のスイング動作を説明するための模式側面図である。
なお、脚車輪装置3、4、5におけるそれぞれのスイング動作用駆動伝達系も同様な構成であり、ここでは理解を容易にするするために、脚車輪装置2について説明する。
図9および図10に示すように、回動伝達軸180は、駆動伝達軸40の軸心すなわち直線1hに平行になるように脚車輪基台6に設けられた軸受部181、182によって支持されている。回動伝達軸180の両端には第1のスイング動作用平歯車183および第2のスイング動作用平歯車184が固着され、第1のスイング動作用平歯車183と第2のスイング動作用平歯車184との略中間部にスイング動作用駆動平歯車185が固着され、スイング動作用駆動モータ186の回転軸に固着された駆動用平歯車187と噛み合っている。
脚車輪装置2における上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bには、それぞれ第1の減速機188および第2の減速機189の出力軸が連結され、それらの入力軸にはそれぞれ第3のスイング動作用平歯車190および第4のスイング動作用平歯車191が回動軸受部6a、6bの軸心の周りに回動するように連結されている。そして、第3のスイング動作用平歯車190および第4のスイング動作用平歯車191は、それぞれ第1のスイング動作用平歯車183および第2のスイング動作用平歯車184と噛み合っている。
このように、第1のスイング動作用平歯車183および第2のスイング動作用平歯車184の両側を回動させることにより、いずれか一方を回動させるのに比べて、脚車輪装置2の上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bをスイング動作させるときの駆動歪を抑えている。
なお、脚車輪装置2の他の例として、ディファレンシャルギアを用いて、上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bをスイング動作させ、駆動歪をさらに抑えるようにしてもよい。
図11は、本発明の実施の形態1における脚車輪装置2の他の例を説明するための模式上面図である。
図11に示すように、ディファレンシャルギア193を用いて、上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bをスイング動作させる。
具体的には、駆動用平歯車187を介してスイング動作用駆動モータ186の回転駆動力が伝えられるスイング動作用駆動平歯車185にディファレンシャルギア193を連結した構成とし、ディファレンシャルギア193を介して第1のスイング動作用平歯車183と第2のスイング動作用平歯車184を駆動する構成である。
図11において、第1の回動伝達軸194および第2の回動伝達軸195が駆動伝達軸40の軸心すなわち直線1hに平行になるように、脚車輪基台6に設けられた軸受部181および脚車輪基台6に取り付けられた軸受部196と、脚車輪基台6に設けられた軸受部182および脚車輪基台6に取り付けられた軸受部197とによってそれぞれ支持されている。
スイング動作用駆動平歯車185は第2の回動伝達軸195に遊嵌し、回転自在に構成されている。そして、ディファレンシャルギア193がスイング動作用駆動平歯車185に結合し、スイング動作用駆動平歯車185の回転駆動がディファレンシャルギア193
の入力として働く。そして、第1の回動伝達軸194と第2の回動伝達軸195はディファレンシャルギア193を介して連結され、ディファレンシャルギア193を介して第1のスイング動作用平歯車183と第2のスイング動作用平歯車184を駆動する。この様に構成することで、第1のスイング動作用平歯車183と第3のスイング動作用平歯車190との噛み合わせと、第2のスイング動作用平歯車184と第4のスイング動作用平歯車191との噛み合わせにガタなどによる位相ずれがあった場合にも、ディファレンシャルギヤ193の働きによって位相調整が行われるので安定した駆動伝達が実現できる。
また、脚車輪装置2のさらに他の例として、アーム駆動伝達系における回動伝達軸180にスイング動作用平歯車を固着し、スイング動作用駆動モータの回転軸に固着された駆動用ウオームギアと噛み合わせて駆動するようにしてもよい。
図12は本発明の実施の形態1における脚車輪装置2のさらに他の例を説明するための模式上面図、図13は同脚車輪装置2のさらに他の例を説明するための模式側面図である。
図12および図13に示すように、回動伝達軸180にスイング動作用平歯車303を固着し、スイング動作用駆動モータ304の回転軸に固着されたウオームギア305と噛み合わせて駆動する。
具体的には、回動伝達軸180は、駆動伝達軸40の軸心すなわち直線1hに平行になるように脚車輪基台6に設けられた軸受部181、182によって支持されている。回動伝達軸180の両端には第1のスイング動作用平歯車301および第2のスイング動作用平歯車302が固着され、第1のスイング動作用平歯車301と第2のスイング動作用平歯車302との略中間部にスイング動作用平歯車303が固着され、スイング動作用駆動モータ304の回転軸に固着されたウオームギア305と噛み合っている。
上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bには、回動軸受部6a、6bの軸心の周りに回動するようにそれぞれ第3のスイング動作用平歯車306および第4のスイング動作用平歯車307が固着され、それぞれ第1のスイング動作用平歯車301および第2のスイング動作用平歯車302と噛み合っている。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における脚車輪装置について図面を参照しながら説明する。
図14は本発明の実施の形態2における脚車輪装置のアーム駆動伝達系を説明するための模式上面図、図15は同脚車輪装置のアーム駆動伝達系を説明するための模式側面図である。なお、実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
図14において、実施の形態1のアーム駆動伝達系と相違する点は、基台側のリンク部(付け根リンク部)と垂直可動リンク側のリンク部(先端リンク部)の両方にギアを設け、これらのギアをウオームシャフトを介して連結し、ウオームシャフトを回動駆動することにより上回動リンク(外)10aおよび上回動リンク(内)10bをスイング動作させる点である。
図14および図15において、脚車輪装置2における上回動リンク部10(図3および図4参照)を構成する上回動リンク(外)10aと上回動リンク(内)10bの略中央部において、駆動伝達軸40の軸心と第3の副車輪用伝達軸84の軸心を通り、かつそれらの
軸心に垂直な直線に平行になるように軸受部321、322を補強連結部材10cの上に設け、それらの軸受部321、322によってスイング動作駆動軸323が支持されている。スイング動作駆動軸323(ウオームシャフト)の両端にはそれぞれウオームギア324、325が配設されている。
ウオームギア324、325にそれぞれウオームホイール326、327が噛み合っている。ウオームホイール326は脚車輪装置2を構成する脚車輪基台6に設けられたギア取付部6fに固着されている。そして、ウオームホイール326の回転中心は駆動伝達軸40の軸心すなわち直線1hと一致するように配設され、ウオームホイール326は駆動伝達軸40と遊嵌状態に構成され、したがって、駆動伝達軸40はウオームホイール326に対して回転自在になっている。
また、ウオームホイール327はウオームホイール326と同じ仕様であり、脚車輪装置2の垂直可動リンク部20に設けられたギア取付部20aに固着されている。そして、ウオームホイール327の回転中心は第3の副車輪用伝達軸84の軸心と一致するように配設され、ウオームホイール327は第3の副車輪用伝達軸84と遊嵌状態に構成され、したがって、第3の副車輪用伝達軸84はウオームホイール327に対して回転自在になっている。
ウオームギア324とウオームギア325の間の略中間部においてスイング動作駆動軸323にスイング動作駆動ギア328が固着され、スイング動作駆動ギア328には駆動ギア329が噛み合っている。駆動ギア329は補強連結部材10cの上に固定されたモータ基板330に取り付けられたスイング動作用駆動モータ331に連結されている。
以上のように本実施の形態2によれば、脚車輪装置2は、上回動リンク(外)10aと上回動リンク(内)10bをスイング動作させることができる。
この構成によれば、スイング動作時の回動負荷を付け根側の回動軸周りと先端側の回動軸まわりに分散させることができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における脚車輪装置について図面を参照しながら説明する。
図16は本発明の実施の形態3における脚車輪装置のサスペンション装置を説明するための模式正面図、図17は同脚車輪装置のサスペンション措置を説明するための模式側面図、図18は同脚車輪装置の軸両端部の断面図である。なお、実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
図16において、実施の形態1と相違する点は、走行装置1におけるそれぞれの車輪にサスペンション装置を設けた点である。これにより、不整地路面走行時にも走行装置1が受ける路面からの衝撃を緩和させ、荷物台1aにおける衝撃を抑えることができる。
図16において、4つの主車輪および4つの副車輪におけるそれぞれのサスペンション装置は同じような構成であるため、ここでは、主車輪32に設けたサスペンション装置の構成について説明する。
図16〜図18を参照しながら、主車輪32の車輪駆動伝達系の構成について説明する。
まず、主車輪32の車輪駆動伝達系および操舵駆動伝達系において、実施の形態1と異
なる主な部分について概要を説明する。
図16〜図18に示すように、本実施の形態3では、実施の形態1の第4の主車輪用伝達軸66の代わりに、スプライン結合された2本の伝達軸すなわちスプライン伝達軸203およびスプラインボス軸201を用いている。
また、本実施の形態3では、実施の形態1の主車輪32を支持する主車輪軸69の代わりに、両端部において丸軸の両側を平行にカットしたDカット軸(図18(A)参照)を用いた主車輪軸205を摺動可能にする。
そして、支持部材と主車輪32の支持部をサスペンション用バネ212で連結している。
次に、本実施の形態3における車輪駆動伝達系の構成について概要を説明する。本実施の形態3では、実施の形態1における主車輪32の車輪駆動伝達系の構成に対し、歯車列およびそれぞれの伝達軸の構成については第4の主車輪用伝達軸66の構成(図6および図7参照)を除いて略同じであるため、ここでは実施の形態1と異なる部分の構成について説明する。
図16において、第3の主車輪用伝達軸60の両端に第4の平歯車61および第5の平歯車62が配設され、第5の平歯車62が第6の平歯車67に噛み合っている構成は前述の実施の形態1と同じ構成である。
第6の平歯車67は内周部201aにスプラインボス加工が施されたスプラインボス軸201の一端に固着され、主車輪支持部202に設けられた軸受部64、65に回転自在に支持されている。
スプラインボス軸201のスプラインボスに対応するスプライン軸が外周部203aに形成され、このスプライン伝達軸203の軸心がスプラインボス軸201の軸心に一致するように軸受部204を主車輪支持部202に設ける。したがって、スプライン伝達軸203をスプラインボス軸201に嵌め込んだとき、スプライン伝達軸203はその軸方向にスプラインボス軸201に摺動可能となる。
このように、本実施の形態3では、滑動型のスプライン結合を用いている。そして、そのスプライン伝達軸203の一端には第3の主車輪用傘歯車68が配設されている。したがって、スプラインボス軸201とスプライン伝達軸203のスプライン結合により第6の平歯車67の回転は第3の主車輪用傘歯車68に伝えられ、かつ、滑動型のスプライン結合により第6の平歯車67と第3の主車輪用傘歯車68の間隔は可変である。
一方、軸受部32a、32bを介して主車輪32を支持する主車輪軸205の両側端部において、図18(A)に示すように外周部の両側を平行にカットし、主車輪軸205がスプラインボス軸201およびスプライン伝達軸203の軸心方向に主車輪支持部202に設けられた長穴202aに沿って摺動可能にし、軸受部32a、32bが設けられた主車輪32が軸受部32a、32bを介して主車輪軸205の周りに回転自在に支持される。
なお、主車輪軸205が回動しないで、主車輪支持部202に設けられた長穴202aに沿って摺動可能にするために、主車輪軸205の両側端部を、図18(B)に示すように、略四角形状にしてもよい。
また、図18(C)に示すように、外形形状が四角形状(あるいは、2辺が平行な形状)の部材206を主車輪軸69に固着して主車輪軸205としてもよい。
車輪軸受部32a、32bを有する主車輪32に一体的に配設された第4の主車輪用傘歯車70は、第3の主車輪用傘歯車68に噛み合っており、第3の主車輪用傘歯車68の回転が主車輪32に伝えられる。また、スプラインボス軸201のスプラインボスが形成された穴部において、スプラインボス軸201の穴部上端面とスプライン伝達軸203の上端面との間に圧縮バネ214を配設し、第3の主車輪用傘歯車68が常に第4の主車輪用傘歯車70に当接するように構成する。
主車輪軸205の両端にはバネ受け部材206、207が固着され、バネ受け部材206、207にはバネ受け部208、209が固着されている。また、主車輪支持部202における両側のそれぞれの側面にバネ受け部210、211がそれぞれ固着されている。バネ受け部210、211はそれぞれバネ受け部208、209に対向する位置に設けられている。そして、バネ受け部208とバネ受け部210およびバネ受け部209とバネ受け部211の間にはそれぞれサスペンション用バネ212、213が配設されている。
主車輪操舵用ウオームホイール158が主車輪操舵用ウオームギア157(図示せず)により回動されるとき、主車輪操舵用ウオームホイール158が固着された主車輪支持部202が回動することになり、それぞれのサスペンション用バネ212、213はバネ受け部208とバネ受け部210およびバネ受け部209とバネ受け部211のそれぞれの間に保持された状態で主車輪支持部202と共に回動する。
次に、副車輪22の車輪駆動伝達系の構成につい説明する。
上述した第4の平歯車61から主車輪32までの車輪駆動伝達系、主車輪軸205と主車輪支持部202をサスペンション用バネ212、213によって連結した構成と同じ構成の車輪駆動伝達系を副車輪22に用いる。但し、副車輪22は脚車輪装置2に取り付けられているため、主車輪32における主車輪支持部202は本体部1fによってスラスト方向の移動が抑制され、本体部1fに設けられた軸受部59の周りに回動可能であるが、副車輪22の場合には主車輪支持部202は垂直可動リンク部20によってスラスト方向の移動が抑制され、垂直可動リンク部20に設けられた軸受部100の周りに回動可能な構成である。
本実施の形態3における副車輪22の車輪駆動伝達系は、実施の形態1における第4の副車輪用平歯車98から主車輪32までの車輪駆動伝達系(図6)の代わりに、図16に示すように、第4の平歯車61から主車輪32までの車輪駆動伝達系に置き換えている。さらに、主車輪32を副車輪22に置き換えた構成にサスペンション用バネ212を付加した構成としたものである。
なお、サスペンション用バネ212による緩衝性能をよりよくするために、サスペンション用バネ212と並列に油圧式あるいは空気式等のダンパーを設けてもよい。
以上のように本実施の形態3によれば、それぞれの脚車輪基台とそれぞれの主車輪およびそれぞれの垂直可動リンク部とそれぞれの脚車輪の間をそれぞれサスペンション用バネで連結しているため、不整地路面走行時にも走行装置が受ける路面からの衝撃を緩和させ、荷物台における乗り心地を改良することができる。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4における脚車輪装置について図面を参照しながら説明する
。
図19は本発明の実施の形態4における脚車輪装置のスイング動作伝達系を説明するための模式側面図である。なお、実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその詳細な説明を省略する。また、脚車輪装置3、4、5の構成も同様であり、ここでは脚車輪装置2について説明する。
図19において、実施の形態1と相違する点は、本体部1fと本体部1fに取り付けられた脚車輪装置2とを自由長ロック式ガススプリング251を介して連結し、自由長ロック式ガススプリング251の動作力とスイング動作用駆動モータ186の回転力を併用して脚車輪装置2を下側にスイング動作させる点である。
これにより、脚車輪装置2を下側にスイング動作させ、副車輪22が路面に接地させて本体部1fを持ち上げるときに、スイング動作用駆動モータ186の負荷を軽減させることができる。同様に、他の脚車輪装置3、脚車輪装置4および脚車輪装置5におけるスイング動作用駆動モータ186の負荷を軽減させることができる。
特に、下りのスロープの路面を走行する場合、斜めのスロープの路面を横切るように走行する場合、段差のある路面を登る場合または段差のある路面を下る場合などにおいて用いることができ、本体部1fに設けられた脚車輪装置の主車輪の一部あるいは全部を上側に持ち上げる場合、および、その姿勢のままで本体部1fの自重を維持するように支える場合に有用なものである。
以下、本体部1fと本体部1fに取り付けられた脚車輪装置2とを自由長ロック式ガススプリング251を介して連結した構成について説明する。
図19に示すように、上回動リンク部252は、略L字状の上回動リンク(外)252aと、上回動リンク(外)252aの外形形状と略同じ形状を有する上回動リンク(内)252bとを回動押圧軸252dにて固着連結し、補強連結部材10cにて一体になるようにして構成されている。
すなわち、上回動リンク部252は、上回動リンク(外)252a、上回動リンク(内)252b、補強連結部材10cおよび回動押圧軸252dから構成され、この上回動リンク部252が脚車輪基台6に設けられた回動軸受部6a、6bに回動自在に設けられている。
そして、下回動リンク部11は、下回動リンク(外)11a、下回動リンク(内)11bおよび補強連結部材11cから構成され、この下回動リンク部11が脚車輪基台6の回動軸受部6c、6dに回動自在に設けられている。
また、垂直可動リンク部20は、上回動リンク部252において回動ボス部10d、10e側とは反対側の端部にそれぞれ設けられた回動ボス部10g、10hと、下回動リンク部11において回動ボス部11d、11e側とは反対側の端部にそれぞれ設けられた回動ボス部11g、11hのそれぞれに回動可能に設けられている。
このように構成された脚車輪装置2に対して、自由長ロック式ガススプリング251のロッド部251aの端部が回動押圧軸252dに回動可能に連結され、他方の側に設けられたハウジング取付部251bの端部が本体部1fに設けられた回動支点軸取付部253に固着された回動支点軸254の周りに回動可能に連結されている。
走行装置1は、副車輪22、副車輪29、副車輪30あるいは副車輪31のいずれか一部あるいは全部を接地させ本体部1fを支える場合、本体部1fを支えるために接地した脚車輪に対応する脚車輪装置を下側に下げるようにスイング動作用駆動モータ186に動作指示を与えるとともに、自由長ロック式ガススプリング251に対してガス反力を発生させるように指示を出す。
例えば、脚車輪装置2、3、4、5のそれぞれに連結された自由長ロック式ガススプリング251によって走行装置1の総重量の約半分を持ち上げるようなトルクを発生させる。すなわち、走行装置1は、1つの自由長ロック式ガススプリング251で走行装置1の総重量の約1/8に相当する重量を持ち上げるようなトルクを発生させれば、脚車輪装置2、3、4、5のそれぞれを下側に下げて走行装置1を持ち上げるためのそれぞれのスイング動作用駆動モータ186に必要なパワーはガススプリングを装着しない場合に比べて約1/2となる。また、主車輪接地状態で脚車輪装置を上側に上げる場合、スイング動作用駆動モータ186に必要なパワーは、ガススプリングの反力に打ち勝つための、上記とは逆方向に略同等のパワーとなる(この方向においては走行装置1の自重は負荷とならない)。正逆略同等のパワー配分となり、効率的に駆動モータを使用することができる。これにより、スイング動作用駆動モータ186の小型化或いは省電力化が図れる。
以上のように本実施の形態4によれば、自由長ロック式ガススプリング251とスイング動作用駆動モータ186を併用して本体部1fを持ち上げるように構成しているため、スイング動作用駆動モータ186の負荷を軽減することができ、スイング動作用駆動モータ186の小型化或いは省電力化を図ることができる。
なお、本体部1fの姿勢制御が完了した後、自由長ロック式ガススプリング251の長さをロックし、自由長ロック式ガススプリング251が本体部1fの自重を支えて姿勢を維持することができる。これにより、姿勢変更が不要な時はスイング動作用駆動モータ186の駆動を停止させることができるので、消費電力をさらに削減することができる。
また、脚車輪装置2、3、4、5はそれぞれにおいて±180度の操舵が可能であるため、本体部1fに自在に配置するようにしてもよい。
例えば、図20は、本体部1fに脚車輪装置2、3、4、5をそれぞれ配置した配置図であり、図20(A)は進行方向に対して横方向に向けて配置したものであり、図20(B)は進行方向に対して縦方向に向けて配置したものである。図20(C)は本体部1fの略中心位置から4つの脚車輪装置を放射状に配置したものである。図20(D)は3つの脚車輪装置を配置したものである。想定される路面状況の特質に応じて、脚車輪装置の配置を選択でき、本発明の脚車輪装置の用途展開適応性は高い。なお、脚車輪装置2、3、4、5を本体部1fに回動自在に取り付けるための水平スイング機構をそれぞれ設け、別途アクチュエータなどによって適応的に調整できるように構成してもよい。
なお、実施の形態1では脚車輪装置2、3、4、5を本体部1fに配置したが、この配置および数に限定されるものはでない。例えば、図20(B)の配置において、脚車輪装置4及び5に代えて、車輪34,30,35,31を車輪駆動入力と操舵駆動入力を持たない従輪構成の脚車輪と置き換えてもよい。もちろん、操舵駆動入力のみを省略した脚車輪と置き換えてもよい。本発明の走行装置において、図20(B)の様な常用4輪接地構成であれば、本発明の脚車輪装置は例えば前後何れかに2つ備えればよく、図20(D)の様な常用3輪接地構成であれば、本発明の脚車輪装置は例えば前に1つか後ろに2つの何れかを備えればよく、全脚車輪が本発明の脚車輪装置である必要はない。