JP2010005854A - インクジェット記録装置、インクジェットインクの沈降抑制方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 顔料インクの沈降を防止する記録装置、沈降の防止方法を提供する。
【解決手段】 インクジェット記録装置であって、高周波誘電加熱装置を具備し、高周波によって、顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制する。
【選択図】 図1
【解決手段】 インクジェット記録装置であって、高周波誘電加熱装置を具備し、高周波によって、顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法とインクジェットインクの沈降抑制方法に関し、更に詳しくは、ラジオ波による誘電加熱手段を用いたインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙や、種々のメディア上に飛翔させ、画像を形成する記録方法であり、その低価格化、印字速度の向上により、急速に普及が進んでいる。又、その記録画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真と匹敵する写真画像の出力方法として、広く一般的になっている。
近年、より優れた耐候性を求めて、顔料を色材とした水系インクが広く開発されている。顔料インクは微粒子を分散処理することによって、染料のように分子発色する色材よりも強固な堅牢性を発揮することが可能となる。
一方で、誘電加熱は、非導電体を加熱する方法の1つとして、多方面で検討されている。
例えば、高周波の中で、波長が1mより小さいマイクロ波を非導電体に照射し、該非導電体を加熱する提案が数多く成されており、例えば、クッキング用で用いられている電子レンジのような形態で使用されている。また特許文献1には、インクで印刷された記録物の印刷面に、電磁波を直接照射して、印刷記録物の乾燥性を向上させる提案もある。これらのマイクロ波や電磁波を加熱対象物に直接照射する誘電加熱方法で有るため、マイクロ波や電磁波が、照射された加熱対象物の表層に集中してしまうため、加熱対象物全体の加熱や、乾燥を行うためには、不十分であった。この問題を解決するために、高周波の直接照射による加熱対象物全体の加熱方法とは異なる方法が提案されている。この提案は、加熱対象物を高周波の電流により発生する電界内に置き、前記電界方向を短時間に変化させて、物質全体の分子間に摩擦エネルギーを発生させ、発熱する事で、乾燥速度を向上させる方法である。例えば、特許文献2に、インクで印刷された記録物の基材側に高周波誘電加熱手段を設け、インク中の溶媒を発熱させ、溶媒を蒸発させる事で、インク乾燥性を向上させる提案がある。特許文献3には、接着剤を介在して重ね合わせた被接着材において、高周波誘電加熱手段を接着剤に作用させる事で、該接着剤を発熱させ、接着剤中の熱硬化成分の硬化時間を短縮し、乾燥性を向上させる提案がある。
また、特許文献4にはインク滲みや紙への浸透を抑制するために、記録ヘッド近傍にマイクロ波発生装置を備えたインクジェット記録装置の提案がある。
特開平11−151807号公報
特開平6−278271号公報
特開平8−96951号公報
特開平7−314661号公報
水系顔料インクは、染料と異なり水分散系の液体組成物である。
不均一系のインクであるため、必然的に顔料粒子は沈降現象という、重力による沈殿が問題となる。
現在の顔料インクは微粒子化によって、沈降によるインクカートリッジの上下濃度差を、製品仕様上良好なレベルにコントロールされている。
しかしながら、定常的な撹拌を行わないため、沈降現象は必然的であり、更なる高画質化を目指す上では課題がある。
機械的に撹拌することも提案されているが、その機構は記録装置の形態に依存し、撹拌自体が難しい。
従って、本発明の目的は、顔料インクの沈降を防止する記録装置、沈降の防止方法を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、
〔1〕インクジェット記録装置であって、高周波誘電加熱装置を具備し、高周波によって顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制することを特徴とするインクジェット記録装置である。
〔1〕インクジェット記録装置であって、高周波誘電加熱装置を具備し、高周波によって顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制することを特徴とするインクジェット記録装置である。
また、本発明は〔2〕高周波によって顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制することを特徴とするインクジェットインクの沈降抑制方法である。
本発明によれれば、顔料インクの沈降を防止することが可能となり、顔料インクの高画質化を達成することが出来る。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
(高周波振動)
本発明にかかるインクジェットインクおよびインクジェット記録方法は、高周波としてラジオ波による誘電加熱手段を用いて、沈降抑制を行う事を特徴とする。
(高周波振動)
本発明にかかるインクジェットインクおよびインクジェット記録方法は、高周波としてラジオ波による誘電加熱手段を用いて、沈降抑制を行う事を特徴とする。
インク中の顔料粒子や分散剤としての高分子化合物、界面活性剤、溶剤などが高周波によって分子振動を受け発熱する。これによって対流が発生し自然撹拌が起きることによって、沈降現象が抑制される。
沈降を防止するための対流を起こすだけであるので、必要なエネルギーも非常に小さく、ここで、本発明に用いられるラジオ波による誘電加熱手段とは、周波数が300MHz以下、波長が1m以上の電磁波を用いて発生した電界を分子に作用させて、分子を発熱・励起させる方法である。
ラジオ波はマイクロ波と比較するとエネルギーが小さく、使い勝手に優れる。
また、13MHz、27MHz、40MHzといった周波数はISM周波数と呼ばれ「通信以外の高周波利用設備」として割り当てられている点から、この周波数近辺を用いることが好ましい。
高周波誘導加熱装置としては、発明の構成を達成することが可能であれば汎用品を使用しても良いし、インクジェット記録装置に合わせてカスタマイズしたものを使用してももちろん構わない。
本発明における高周波加熱装置を具備したプリントシステムの概略図を図1、図2に示す。図1は印字後にラジオ波を作用させるタイプであり、図2は印字直後から作用させるタイプとなっている。
加熱装置部から発生したラジオ波によって生成した電界によって印字部のインク材料が誘起・加熱され、本発明を達成する。
本図面ではラジオ波を印字面裏側から作用させる形態になっているが、発明を損なわないものであれば、作用方向はこの図に限られるものではない。
(インクの成分)
本発明では顔料インクの成分として高分子化合物を含有することが好ましい。
本発明では顔料インクの成分として高分子化合物を含有することが好ましい。
また、この高分子化合物が、荷電性部位と疎水性部位を有する顔料分散剤であることがさらに好ましい。
荷電性部位の具体例としては、カルボン酸(カルボキシル基)やスルホン酸基が挙げられる。高分子化合物を構成する基本ユニット(モノマー)としては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸などを挙げることが出来る。
疎水性部位の具体例としてはエステル基や芳香族基が挙げられる。高分子化合物を構成する基本ユニット(モノマー)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、置換/未置換スチレンなどを挙げることが出来る。
さらに、荷電性部位がカルボン酸であり、疎水性部位が加水分解性部位(エステル基)であることが最も好ましい。
(インク溶剤)
また、本発明のインクには、各種溶媒、添加剤を用いる事が出来る。
また、本発明のインクには、各種溶媒、添加剤を用いる事が出来る。
その中でもエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、2ピロリドンからなる水溶性有機溶媒のうちの少なくとも一つを含有することが好ましい。
これらの化合物は誘電加熱の効率を示す指標となる誘電損失の値が高く、より効率の高い反応が期待できるからである
(インクジェット記録方法)
本発明は、インクジェット吐出方式のヘッドに用いられ、また、そのインクが収納されているインク収納容器としても、あるいは、その充填用のインキとしても有効である。特に、本発明は、インクジェット記録方式の中でもサーマルジェット方式の記録ヘッド、記録装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
(インクジェット記録方法)
本発明は、インクジェット吐出方式のヘッドに用いられ、また、そのインクが収納されているインク収納容器としても、あるいは、その充填用のインキとしても有効である。特に、本発明は、インクジェット記録方式の中でもサーマルジェット方式の記録ヘッド、記録装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、インクが保持されているシートや液路に対応して配置された電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し、インク内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介してインクを吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成にも本発明は有効である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通すると吐出孔を電気熱変換体の吐出部とする構成(特開昭59年第123670号公報等)に対しても、本発明は有効である。
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明は、適用される記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードである。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。また、文中、「部」及び「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。
(ブラック顔料分散液の調製)
先ず、キャボット社製カーボンブラック(BET表面積220m2/g、DBP吸収量110ml)
15部、グリセリン6部、スチレン−アクリル酸系樹脂分散剤7.5部、及び水71.5部からなる組成の混合液を、金田理化工業社製のサンドミルにて、1,500rpmで5時間分散し、顔料分散液1を得た。サンドミルでは0.6mm径のジルコニアビーズを使用し、ポット内の充填率は70%とした。
先ず、キャボット社製カーボンブラック(BET表面積220m2/g、DBP吸収量110ml)
15部、グリセリン6部、スチレン−アクリル酸系樹脂分散剤7.5部、及び水71.5部からなる組成の混合液を、金田理化工業社製のサンドミルにて、1,500rpmで5時間分散し、顔料分散液1を得た。サンドミルでは0.6mm径のジルコニアビーズを使用し、ポット内の充填率は70%とした。
スチレン−アクリル酸系樹脂分散剤には、共重合比70:30、Mw=10,000、酸価170のものを使用した。かかるスチレン−アクリル酸系樹脂分散剤は、予め水及び上記の酸価と当量の水酸化カリウムを加えて80℃にて攪拌し、水溶液としたものを使用した。得られた顔料分散液1は、平均分散粒径150nmで安定に分散されている。
なお平均粒径は、各分散性色材を、大塚電子(株)製、ELS−8000を用いて動的光散乱法にて測定し、キュムラント平均値を平均粒径とした。
(インクの調整)
調整した顔料分散液を使用し、次に記載した成分を混合し、十分攪拌して溶解或いは分散した後、ポアサイズ3.0μmの富士フィルムミクロフィルター(登録商標)(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、実施例のインクを調製した。
調整した顔料分散液を使用し、次に記載した成分を混合し、十分攪拌して溶解或いは分散した後、ポアサイズ3.0μmの富士フィルムミクロフィルター(登録商標)(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、実施例のインクを調製した。
顔料分散液 20部
グリセリン 10部
アセチレノール(登録商標)E100 1部 (川研ファインケミカル製界面活性剤)
イオン交換水 69部
上記インク100gを薄手のテフロン(登録商標)のボトルに入れ、そのまま自然放置し、沈降状況を比較した。実施例では27MHzの微弱高周波を作用させ、比較例では作用をさせなかった。
グリセリン 10部
アセチレノール(登録商標)E100 1部 (川研ファインケミカル製界面活性剤)
イオン交換水 69部
上記インク100gを薄手のテフロン(登録商標)のボトルに入れ、そのまま自然放置し、沈降状況を比較した。実施例では27MHzの微弱高周波を作用させ、比較例では作用をさせなかった。
沈降性評価方法は以下の通りである。ボトル中の上部分(液高さで上部から15%以内)および下部分(液高さで底部から15%以内)のインクを注射器で1g吸い取り、分光光度計で吸光度を測定した。
500nmにおけるそれぞれの吸光係数の比較から沈降性を評価した。結果を表1に示す。
Claims (2)
- 高周波誘電加熱装置を具備し、高周波によって、顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 高周波によって顔料インクが含有されるインクカートリッジ中のインク成分を微少加熱振動させることによって、インクカートリッジ中のインクの沈降現象を抑制することを特徴とするインクジェットインクの沈降抑制方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008166150A JP2010005854A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | インクジェット記録装置、インクジェットインクの沈降抑制方法。 |
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JP2008166150A Pending JP2010005854A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | インクジェット記録装置、インクジェットインクの沈降抑制方法。 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016078409A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | 株式会社リコー | インクジェット画像形成装置 |
KR20170074181A (ko) * | 2015-12-21 | 2017-06-29 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 반송 장치, 기반 및 그 제조 방법 |
KR101879192B1 (ko) * | 2015-12-21 | 2018-07-17 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 반송 장치 및 그것에 이용되는 기반 |
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2008
- 2008-06-25 JP JP2008166150A patent/JP2010005854A/ja active Pending
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