JP2010005096A - 放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及びプログラム - Google Patents

放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ通気を行うことができる放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】筐体54の側面94A,94B,94C,94Dを囲むように設けられると共に、通気口96を開放及び閉塞するものであり、電磁波を遮断する部材で構成された蓋部材98と、通気口96を開放及び閉塞するように、かつ通気口96が開放されているときよりも通気口96が閉塞されているときの方が筐体54内への電磁波の侵入路が減少するように蓋部材98を移動させる移動機構と、を備え、本読みが行われている期間では通気口96が閉塞され、当該期間以外の期間では通気口96が開放されるように移動機構を制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及びプログラムに関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上にX線感応層を配置し、X線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等を用いて照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像情報を生成し、生成した画像情報を記憶する放射線画像撮影装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)が実用化されている。
電子カセッテは、照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成し保持する生成保持回路と、当該生成保持回路により保持されている画像情報を読み取る読取回路とを筐体に収納しており、撮影時にこれらの回路で発生する熱の影響で放射線画像の画質が低下する場合がある、という問題が知られている。
この問題を解決するための技術として、特許文献1には、電子カセッテの筐体内にファンを設け、ファンによる送風で筐体内の回路を冷却する技術が記載されている。
また、特許文献2には、電子カセッテの筐体に通気口を設け、撮影時に通気口を閉塞し、非撮影時に通気口を開放して筐体内の空気を当該通気口から外に排出すると共に、当該通気口から筐体内に外気を取り込むことにより装置全体を冷却する技術が記載されている。更に、特許文献2には、通気口を開放及び閉塞するシャッタで外乱ノイズの筐体内への侵入を阻止する技術が記載されている。
特開2001−281345号公報 特開平10−177224号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、筐体内が密閉された空間となっているため、筐体内の回路を十分に冷却することができない、という問題点があった。
特許文献2の技術では、筐体内の空気を通気口から外に排出すると共に、通気口から外気を筐体内に取り込むようにしているので、特許文献1の技術よりも高い冷却効果が期待できるものの、読取回路が生成保持回路により保持されている画像情報を読み取る際に通気口が開放されるため、その際に通気口を介して筐体内に外乱ノイズが侵入してくると、当該外乱ノイズが画像情報に重畳され、放射線画像の画質が低下する場合がある、という問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ通気を行うことができる放射線画像撮影装置、放射線画像撮影システム及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線画像撮影装置は、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成し保持する生成保持手段、及び当該生成保持手段により保持されている画像情報を読み取る読取手段が収納されると共に、側面に通気口が形成された筐体と、前記筐体の側面を囲んで前記通気口を開放及び閉塞可能に設けられると共に、電磁波を遮断する部材で構成された遮断部材と、前記通気口を開放及び閉塞するように前記遮断部材を移動させる移動手段と、前記読取手段による読み取り期間を含む予め定められた期間では前記通気口が閉塞され、当該予め定められた期間以外の期間では前記通気口が開放されるように前記移動手段を制御する制御手段と、を備えている。
請求項1に記載の放射線画像撮影装置によれば、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成し保持する生成保持手段、及び当該生成保持手段により保持されている画像情報を読み取る読取手段が収納されると共に、側面に通気口が形成された筐体の側面を囲んで通気口を開放及び閉塞可能に設けられると共に、電磁波を遮断する部材で構成された遮断部材が、移動手段によって、通気口を開放及び閉塞するように移動される。
ここで、本発明では、制御手段により、読取手段による読み取り期間を含む予め定められた期間では通気口が閉塞され、当該予め定められた期間以外の期間では通気口が開放されるように移動手段が制御される。
このように、本発明の放射線画像撮影装置によれば、読み取り期間を含む予め定められた期間では通気口が閉塞され、当該予め定められた期間以外の期間では通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ通気を行うことができる。
なお、請求項1に記載の放射線画像撮影装置は、請求項2に記載の発明のように、前記遮断部材を、前記通気口を閉塞した状態で復元力により前記筐体の側面に密着され、前記通気口を開放する際に前記通気口に対応する部分が前記復元力に抗して前記筐体の側面から離れる方向に移動される帯状の弾性部材で構成したものである。これにより、簡素な構成で通気口を開放及び閉塞することができる。
また、請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置は、請求項3に記載の発明のように、前記予め定められた期間を、前記読み取り期間としたものである。これにより、読み取り期間は通気口が閉塞され、読み取り期間以外の期間は通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ読み取り期間以外の期間で通気を行うことができる。
また、請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置は、請求項4に記載の発明のように、前記予め定められた期間を、放射線が照射されてから前記読み取り期間が終了するまでの期間としたものである。これにより、放射線が照射されてから読み取り期間が終了するまでの期間は通気口が閉塞され、放射線が照射されてから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間は通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ放射線が照射されてから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
また、請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置は、請求項5に記載の発明のように、放射線の照射開始が指示されたことを示す照射開始情報を受信する受信手段を更に備え、前記予め定められた期間を、前記受信手段が前記照射開始情報を受信してから前記読み取り期間が終了するまでの期間としたものである。これにより、照射開始情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間は通気口が閉塞され、照射開始情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間は通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ照射開始情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
また、請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置は、請求項6に記載の発明のように、放射線を照射するためのエネルギーの蓄積開始が指示されたことを示す蓄積開始情報を受信する受信手段を更に備え、前記予め定められた期間を、前記受信手段が前記蓄積開始情報を受信してから前記読み取り期間が終了するまでの期間としたものである。これにより、蓄積開始情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間は通気口が閉塞され、蓄積開始情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間は通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ蓄積開始情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
また、請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置は、請求項7に記載の発明のように、被写体の特定が終了したことを示す特定終了情報を受信する受信手段を更に備え、前記予め定められた期間を、前記受信手段が前記特定終了情報を受信してから前記読み取り期間が終了するまでの期間としたものである。これにより、特定終了情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間は通気口が閉塞され、特定終了情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間は通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ特定終了情報を受信してから読み取り期間が終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項8記載の放射線画像撮影システムは、請求項5記載の放射線画像撮影装置と、前記受信手段に前記照射開始情報を送信する送信手段を有する通信装置と、を備えている。
請求項8記載の放射線画像撮影システムによれば、請求項5記載の放射線画像撮影装置と同様に作用するので、当該放射線画像撮影装置と同様の効果を得ることができる。
また、請求項9記載の放射線画像撮影システムは、請求項6記載の放射線画像撮影装置と、前記受信手段に前記蓄積開始情報を送信する送信手段を有する通信装置と、を備えている。
請求項9記載の放射線画像撮影システムによれば、請求項6記載の放射線画像撮影装置と同様に作用するので、当該放射線画像撮影装置と同様の効果を得ることができる。
また、請求項10記載の放射線画像撮影システムは、請求項7記載の放射線画像撮影装置と、前記受信手段に前記特定終了情報を送信する送信手段を有する通信装置と、を備えている。
請求項10記載の放射線画像撮影システムによれば、請求項7記載の放射線画像撮影装置と同様に作用するので、当該放射線画像撮影装置と同様の効果を得ることができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項11記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の放射線画像撮影装置を構成する制御手段として機能させるためのものである。
従って、請求項11記載のプログラムによれば、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の放射線画像撮影装置と同様に作用するので、当該放射線画像撮影装置と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ通気を行うことができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
先ず、本実施形態に係る放射線情報システム10の構成について説明する。図1には、本実施形態に係る放射線情報システム10{以下、「RIS10」(RIS:Radiology Information System)とも称する。)の各構成要素を示すブロック図が示されている。
RIS10は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)の一部を構成する。
RIS10は、複数の撮影依頼入力端末12(以下、「入力端末12」とも称する。)と、RISサーバ14と、複数の放射線画像撮影システム18(以下、「撮影システム18」とも称する。)と、個々の患者30を識別するための患者識別情報(以下、「患者ID」とも称する。)を記憶し、個々の患者30に携帯される患者タグ19と、を含んで構成されている。患者タグ19は、いわゆる無線タグであり、記憶している患者IDは、無線通信によって読み出し可能である。なお、本実施形態に係る撮影システム18では、患者タグ19が、患者ID読取器(図示省略)を介してコンソール42との間で無線通信を行うことができるものとされている。
RISサーバ14は、RIS10全体の管理をするものであり、LAN(Local Area Network)ケーブル20又は無線LAN22により、各入力端末12及び撮影システム18と相互通信が可能に構成されている。また、RISサーバ14は、HIS全体の管理をするHISサーバ24に接続されている。
入力端末12は、医師26(図2を参照。)や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力・閲覧をするためのものであり、放射線画像の撮影依頼(撮影予約)もこの入力端末12からなされる。各入力端末12は、表示装置付きのパーソナルコンピュータから構成され、RISサーバ14とLANにより接続されて相互通信が可能となっている。
RISサーバ14は、各入力端末12からの撮影依頼を受け付け、撮影システム18における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース28を含んで構成されている。
データベースは、患者30(図2を参照。)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液、患者ID等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等、患者30に関する情報、及び撮影システム18の電子カセッテ32の識別番号、型式、サイズ、感度、使用可能な撮影部位(対応可能な撮影依頼の内容)、使用開始年月日、使用回数等、電子カセッテ32に関する情報を含んで構成されている。
撮影システム18は、RISサーバ14からの指示に応じて医師26や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム18は、撮影条件に従った放射線量からなる放射線Xを被写体としての患者30に照射する撮影装置34と、患者30を透過した放射線Xを検出し、放射線画像情報に変換する放射線検出器(後述)を内蔵する電子カセッテ32と、前記放射線検出器によって検出された放射線Xに基づく放射線画像を表示する表示装置36と、電子カセッテ32に内蔵されるバッテリ38(図3、図4及び図11を参照。)を充電するクレードル40と、電子カセッテ32、撮影装置34、表示装置36及びクレードル40を制御するコンソール42と、を備える。電子カセッテ32、撮影装置34、表示装置36及びクレードル40と、コンソール42との間では、無線通信による信号の送受信が行われる。
図2には、本実施形態に係る撮影システム18を配置した様子の一例として、撮影システム18が撮影室としての手術室44内に設置された様子が示されている。図2の手術室44では、撮影システム18に加えて、患者30が横臥する手術台46が配置されると共に、医師26が手術に使用する各種器具が載置される器具台48が手術台46の側部に配置される。また、手術台46の周りには、麻酔器、吸引器、心電計、血圧計等、手術に必要な様々な機器が配置される(これらの機器は、図2では省略されている。)。
撮影装置34は、自在アーム50に連結され、患者30の撮影部位に応じた所望の位置に移動可能であると共に、医師26による手術の邪魔とならない位置に待避可能である。同様に、表示装置36は、自在アーム52に連結され、撮影された放射線画像を医師26が容易に確認できる位置に移動可能である。
図2の例は、撮影システム18が手術室44内に設置されているが、放射線画像の撮影専用に設置された撮影室内等、他の場所に撮影システム18を設置しても良い。
図3には、電子カセッテ32の内部構成を示す図が示されている。
同図に示すように、電子カセッテ32は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体54を備えている。筐体54の内部には、放射線Xが照射される筐体54の照射面56側から、患者30による放射線Xの散乱線を除去するグリッド58、患者30を透過した放射線Xを検出する放射線検出器60(放射線変換パネル)、及び、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板62が順に配設される。なお、筐体54の照射面56をグリッド58として構成してもよい。
また、筐体54の内部には、電子カセッテ32の電源であるバッテリ38と、バッテリ38から供給される電力により放射線検出器60を駆動制御するカセッテ制御部64と、放射線検出器60によって検出した放射線Xの情報を含む信号をコンソール42との間で送受信する送受信機66とが収容される。
電子カセッテ32は、手術室44等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ32を防水性、密閉性を有する構造とし、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ32を繰り返し続けて使用することができる。
電子カセッテ32は、手術室44で使用される場合に限られるものではなく、例えば、検診や病院内での回診にも適用することができる。
また、電子カセッテ32と外部機器との間での無線通信は、通常の電波による通信に代えて、赤外線等を用いた光無線通信で行うようにしても良い。
図4には、放射線検出器60の回路構成を示すブロック図が示されている。放射線検出器60は、放射線Xを感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる光電変換層68を行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)70のアレイの上に配置した構造を有し、発生した電荷を蓄積容量72に蓄積した後、各行毎にTFT70を順次オンにして、電荷を画像信号として読み出す。図4では、光電変換層68及び蓄積容量72からなる1つの画素74と1つのTFT70との接続関係のみを示し、その他の画素74の構成については省略している。なお、アモルファスセレンは、高温になると構造が変化して機能が低下してしまうため、所定の温度範囲内で使用する必要がある。従って、電子カセッテ32内に放射線検出器60を冷却する手段を配設することが好ましい。また、放射線検出器60は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換するX線-電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)を用いて間接的に電荷に変換しても良い。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)が良く知られている。この場合、蛍光材料によってX線−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行う。
各画素74に接続されるTFT70には、行方向と平行に延びるゲート線76と、列方向と平行に延びる信号線78とが接続される。各ゲート線76は、ライン走査駆動部80に接続され、各信号線78はマルチプレクサ82に接続される。
ゲート線76には、行方向に配列されたTFT70をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部80から供給される。この場合、ライン走査駆動部80は、ゲート線76を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ84とを備える。アドレスデコーダ84には、カセッテ制御部64からアドレス信号が供給される。
また、信号線78には、列方向に配列されたTFT70を介して各画素74の蓄積容量72に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器86によって増幅される。増幅器86には、サンプルホールド回路88を介してマルチプレクサ82が接続される。マルチプレクサ82は、信号線78を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ90とを備える。アドレスデコーダ90には、カセッテ制御部64からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ82には、A/D変換器92が接続され、A/D変換器92によってデジタル信号に変換された放射線画像情報がカセッテ制御部64に供給される。
次に、図5〜図10を参照しながら電子カセッテ32の発熱部を冷却するための構成について説明する。なお、上記発熱部としては、例えば、バッテリ38、放射線検出器60、カセッテ制御部64、各種回路のうち発熱する発熱回路、各種素子のうち発熱する発熱素子が該当する。
図5は、本実施形態に係る電子カセッテ32の外観を示す斜視図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。図6は、図5のa−a線断面図である。図7は、本実施形態に係る電子カセッテ32の外観を示す斜視図であり、通気口が開放された状態を示す図である。図8は、本実施形態に係る電子カセッテ32の移動機構を示す正面図であり、通気口が開放された状態を示す図である。図9は、本実施形態に係る電子カセッテ32の移動機構を示す部分断面図である。図10は、本実施形態に係る電子カセッテ32の移動機構を示す正面図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。
電子カセッテ32の筐体54は、外縁に4辺54A,54B,54C,54Dを有する形状、具体的には、四辺形状(四角形状)をしている。より具体的には、電子カセッテ32の筐体54は、長方形状をしている。また、筐体54は、角が丸くなった形状をしている。図2及び図3では、筐体54の形状を概略的に示しており、角を有する形状となっている。なお、筐体54は、角を有する形状であっても良い。
4辺54A,54B,54C,54Dをなす筐体54の側面94A,94B,94C,94Dには、図6及び図7に示すように、筐体54の内部へ外気を取り込み可能な通気口96が形成されている。なお、側面94Aが辺54Aに対応し、側面94Bが辺54Bに対応し、側面94Cが辺54Cに対応し、側面94Dが辺54Dに対応している。
通気口96は、筐体54の全周にわたって連通し、側面94A,94B,94C,94Dに形成された単一の開口で構成されている。なお、通気口96は、側面94A,94B,94C,94Dのそれぞれに独立して形成される構成であっても良く、また、側面94A,94B,94C,94Dのうちの2つ又は3つの側面が連通する構成であっても良い。更に、通気口96は、発熱部に対応して配置されていれば良く、発熱部が4辺54A,54B,54C,54Dのうちの1辺に沿って配置される場合には、その1辺をなす側面94A,94B,94C,94Dに形成されていれば良い。従って、通気口96は、側面94A,94B,94C,94Dのうちの何れかに少なくとも形成されていれば良い。
また、通気口96は、2つの側面に形成される場合には、対向する側面(例えば、側面94A、側面94C)に形成される構成あっても良く、また、隣接する側面(例えば、側面94A、側面94B)に形成される構成であっても良い。
筐体54には、通気口96を覆う蓋部材98が設けられている。
蓋部材98は、無端の環状にされた帯体で形成されている。蓋部材98は、側面94A,94B,94C,94D及び通気口96を筐体20の外面側から囲むと共に、各側面を締め付けるように筐体54の側面94A,94B,94C,94Dに設けられており、筐体54の外側から加わる衝撃を吸収する弾性材で形成されている。すなわち、蓋部材98は筐体54の外側から加わる衝撃を吸収する緩衝部材としても機能する。
なお、本実施形態では、蓋部材98を構成する弾性材として樹脂を適用しているが、これに限らず、ゴムなどの他の弾性材であっても良い。
また、蓋部材98は、電磁波を遮断する部材で構成されている。すなわち、蓋部材98には、フェライト焼結体、軟磁合金及びカルボニル鉄などの電磁波吸収材料が混在している。
蓋部材98には、図6に示すように、通気口96に入り込む凸部98Aが形成されている。この凸部98Aにより、蓋部材98と筐体54との接触面積が増大し、筐体54の密閉性が高められる。
図8に示すように、電子カセッテ32は、通気口96を開放及び閉塞するように蓋部材98を移動させる移動機構100を備えている。移動機構100は、筐体54にスライド移動可能に設けられたスライダ102と、スライダ102に設けられたリンク部材104と、スライダ102をスライド移動させるアクチュエータ106と、を備えている。
図9に示すように、スライダ102、リンク部材104及びアクチュエータ106は、通気口96を間に挟むように筐体54の両側にそれぞれ配置されている。
リンク部材104は、先端部が蓋部材98に回動可能に取り付けられると共に後端部がスライダ102に回動可能に取り付けられている。
具体的には、リンク部材104の先端部は、蓋部材98に接着等により固定されると共に薄肉とされた脆弱部98Bを回動中心として回動するようになっている。一方、リンク部材104の後端部は、スライダ102に軸部108により回動可能に支持され、軸部108を回動中心として回動するようになっている。
スライダ102は、筐体54に設けられたレール110に取り付けられており、このレール110に案内されて筐体54の側面94Bに沿ってスライド移動可能とされている。具体的には、スライダ102は、リンク部材104の先端部が取り付けられた蓋部材98の部位に軸部108が対向する対向位置(図8参照。)と、リンク部材104の長さよりも若干短い距離分対向位置から退避した退避位置(図10参照。)との間をスライド移動可能とされている。
本実施形態に係る電子カセッテ32では、アクチュエータ106としてソレノイドを適用している。上記ソレノイドは、プランジャがケース内に吸引されているときにスライダ102が退避位置に位置し、プランジャがケースから引き出されているときにスライダ102が対向位置に位置するように、ケースが筐体54の内壁に、プランジャがスライダ102に各々固定されている。上記ソレノイドは通電時にプランジャがケース内に吸引され、非通電時には巻装されたコイルばねの付勢力によりプランジャがケースから引き出される。
スライダ102がアクチュエータ106により対向位置に移動すると、図8に示すように、リンク部材104の長手方向が辺54Bと直交する方向に向き、リンク部材104の先端部が筐体54の外側へ突出して蓋部材98を筐体54の外側へ押圧する。これにより、蓋部材94が自身の復元力に抗して通気口96を開放する開放位置へ移動する。
一方、スライダ102がアクチュエータ106により退避位置に移動すると、図10に示すように、リンク部材104の長手方向が辺54Bに沿った方向に向き、リンク部材104の先端部が筐体54の内側に収納されて蓋部材98が筐体54の外側から筐体54側へ引っ張られる。これにより、蓋部材98が通気口96を閉塞する閉塞位置へ移動し、自身の復元力により筐体54の側面94Bに密着する。
このように、スライダ102がスライド移動することにより、リンク部材104が筐体54の側面94Bに対して起立して蓋部材98が開放位置へ移動し、リンク部材104が筐体54の側面94Bに対して傾倒して蓋部材62が閉塞位置へ移動するので、通気口96が開放されているときよりも通気口96が閉塞されているときの方が筐体54内への電磁波の侵入路が減少することになる。
上記では、辺54Bをなす側面94Bに配置された移動機構100について説明したが、移動機構100は各側面94A,94C,94Dにも配置されており、通気口96は、各側面94A,94B,94C,94Dにおいて蓋部材98を独立して開閉する構成となっている。なお、移動機構100は、少なくとも側面94A,94B,94C,94Dの何れかに配置されていれば良い。
また、通気口96が開放された状態において外気を筐体54内部に流通させるためのファンを筐体54内部に設けても良い。
図11は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム18のより詳細な構成を示すブロック図である。
同図に示すように、撮影装置34は、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作される撮影ボタン34Aと、放射線Xを出力する放射線源34Bと、コンソール42から無線通信により撮影条件等に関する信号を受信する一方、コンソール42に対して無線通信により各種信号を送信する送受信機34Cと、撮影ボタン34Aから供給される撮影開始信号及び送受信機34Cから供給される撮影条件に基づいて放射線源34Bを制御する線源制御部34Dと、を備えている。
なお、本第1の実施形態に係る撮影ボタン34Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
撮影装置34の線源制御部34Dは、コンソール42の送受信機42H(後述)及び撮影装置34の送受信機34Cを介して、コンソール42のCPU(中央処理装置)42Aより患者30の撮影条件を無線通信により取得し、取得した撮影条件に従って放射線源34Bを制御することにより、所定の放射線量からなる放射線Xを患者30に照射する。
電子カセッテ32は、バッテリ38と、カセッテ制御部64と、コンソール42から無線通信により各種情報を受信する一方、撮影して得られた放射線画像情報をコンソール42に無線通信により送信する送受信機66と、放射線検出器60と、を備えている。
バッテリ38は、カセッテ制御部64、送受信機66、放射線検出器60、及びカセッテ制御部64からの指示に従ってアクチュエータ106の作動を制御するドライバ120に電気的に接続されており、各部に電力を供給する。
カセッテ制御部64は、CPU64A、ROM(Read Only Memory)64B、RAM(Random Access Memory)64C、NVM(Non Volatile Memory)64D、及び画像メモリ64Eを含んで構成されている。
CPU64Aは、電子カセッテ32全体の動作を司るものである。ROM64Bは、電子カセッテ32の作動を制御する制御プログラム、後述する開閉制御処理プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM64Cは、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM64Dは、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。画像メモリ64Eは、放射線検出器60によって検出された放射線画像情報を記憶するものである。
CPU64Aには、放射線検出器60、ROM64B、RAM64C、NVM64D、画像メモリ64E及び送受信機66が接続されている。また、CPU64Aには、ドライバ120を介してアクチュエータ106が接続されている。従って、CPU64Aは、放射線検出器60を構成するライン走査駆動部80(図4を参照。)のアドレスデコーダ84及びマルチプレクサ82のアドレスデコーダ90に対してのアドレス信号の供給と、ROM64B、RAM64C、NVM64D及び画像メモリ64Eへのアクセスと、コンソール42との送受信機66を介した各種情報の送受信と、ドライバ120を介したアクチュエータ106の作動の制御と、を各々行うことができる。
クレードル40は、クレードル40全体の動作を制御するクレードル制御部40Aと、コンソール42との間で無線通信により各種情報の送受信を行う送受信機40Bと、電子カセッテ32のバッテリ38に電力を供給する電力供給部40Cと、を備えている。
なお、本実施形態に係るクレードル40では、電子カセッテ32が装填されることにより、電力供給部40Cがバッテリ38に電力を供給すると共に、画像メモリ64Eに放射線画像情報が記憶されている場合にはクレードル制御部40Aが当該放射線画像情報を取得し、取得した放射線画像情報を送受信機40Bを介してコンソール42に送信する。
表示装置36は、コンソール42から放射線画像情報を受信する受信機36Aと、受信した放射線画像情報の表示制御を行う表示制御部36Bと、表示制御部36Bによって処理された放射線画像情報を表示する表示部36Cと、を備えている。
コンソール42は、CPU42A、ROM42B、RAM42C、NVM42D、受付部42E,表示制御部42F、表示部42G及び送受信機42Hを備えている。
CPU42Aは、コンソール42全体の動作を司るものである。ROM42Bは、コンソール42の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM42Cは、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。NVM42Dは、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものである。受付部42Eは、複数のキーを含んで構成され、各種情報や指示を受け付けるものである。表示制御部42Fは、受信した各種情報の表示制御を行うものである。表示部42Gは、表示制御部42Fによって処理された各種情報を表示するものである。送受信機42Hは、放射線画像情報などの各種情報を無線通信により送受信するものである。
なお、本実施形態では、表示部36C,42GとしてLCD(Liquid Crystal Display)を用いて可視表示を行っているが、これに限らず、表示部36C,42Gとして有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等の他のディスプレイを用いて可視表示を行っても良い。
次に、本実施形態に係るRIS10の全体的な動作について簡単に説明する。
入力端末12は、医師26又は放射線技師からの、撮影依頼を受け付ける。当該撮影依頼では、患者30の患者ID、撮影の日時及び撮影条件{撮影の部位、角度及び枚数、放射線Xを照射するための管電圧、管電流、照射時間並びに電子カセッテ32のサイズ及び感度等}が指定される。
入力端末12は、受け付けた撮影依頼の内容をRISサーバ14に通知する。RISサーバ14は、入力端末12から通知された撮影依頼の内容をデータベース28に記録する。
コンソール42は、RISサーバ14にアクセスすることにより、RISサーバ14から撮影依頼の内容を取得し、撮影依頼の内容を表示部42Gに表示すると共に、患者ID読取器(図示省略)を介して、患者30の患者タグ19から患者IDを読み取り、当該患者IDと撮影依頼の内容に含まれる患者IDとを照合する。
コンソール42は、患者IDが一致しない場合、撮影装置34による放射線Xの照射を許可しない。すなわち、撮影装置34の線源制御部34Dに対し、放射線源34Bによる放射線Xの照射を禁止することを示す禁止信号を送信する。
また、コンソール42は、患者IDが一致した場合、撮影装置34による放射線Xの照射を許可する。すなわち、撮影装置34の線源制御部34Dに対し、患者30の特定が終了したことを示し、かつ放射線源34Bによる放射線Xの照射を許可することを示す許可信号(本発明の特定終了情報に相当。)を送信する。なお、本第1の実施形態に係るコンソール42は、患者IDが一致した場合、電子カセッテ32に対し、許可信号を送信する。電子カセッテ32は、許可信号を受信すると、省電力モード(特定の外部信号を受信可能であるが、放射線検出器60には電力が供給されず、放射線検出ができないモード)から通常モード(放射線検出器60に電力が供給され、放射線検出が可能なモード)に移行する。
医師26や放射線技師が表示部42Gに表示された撮影依頼の内容に基づいて放射線画像の撮影を開始すると、撮影装置34の放射線源34Bから患者30に放射線Xが照射される。当該放射線Xは患者30を透過し、電子カセッテ32のグリッド58によって散乱線が除去された後、放射線検出器60に照射され、放射線検出器60を構成する各画素74の光電変換層68によって電気信号に変換され、蓄積容量72に電荷として保持される(図4参照。)。次いで、各蓄積容量72に保持された患者30の放射線画像情報である電荷情報は、カセッテ制御部64を構成するCPU64Aからライン走査駆動部80及びマルチプレクサ82に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
すなわち、ライン走査駆動部80のアドレスデコーダ84は、CPU64Aから供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線76に接続されたTFT70のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ82のアドレスデコーダ90は、CPU64Aから供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部80によって選択されたゲート線76に接続された各画素74の蓄積容量72に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線78を介して順次読み出す。
選択されたゲート線76に接続された各画素74の蓄積容量72から読み出された放射線画像情報は、各増幅器86によって増幅された後、各サンプルホールド回路88によってサンプリングされ、マルチプレクサ82を介してA/D変換器92に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、カセッテ制御部64の画像メモリ64Eに一旦記憶された後、送受信機66を介して、無線通信によりコンソール42に送信される。
同様にして、ライン走査駆動部80のアドレスデコーダ84は、CPU64Aから供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線76に接続されている各画素74の蓄積容量72に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線78を介して読み出し、マルチプレクサ82及びA/D変換器92を介してカセッテ制御部64の画像メモリ64Eに記憶させる。
コンソール42に送信された放射線画像情報は、送受信機42Hによって受信され、CPU42Aにおいて所定の画像処理が施された後、患者30の患者IDと関連付けられた状態でNVM42Dに記憶される。
また、画像処理の施された放射線画像情報は、送受信機42Hから表示装置36に送信される。受信機36Aによって放射線画像情報を受信した表示装置36は、表示制御部36Bによって表示部36Cを制御し、放射線画像を表示する。医師26は、表示部36Cに表示された放射線画像を確認しながら手術を遂行する。
図12には、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32及び撮影装置34における撮影の処理の流れを示すタイムチャートが示されている。
同図に示すように、撮影装置34では、撮影ボタン34Aが撮影者によって半押し状態とされた場合、撮影ボタン34が線源制御部34Dに対し、放射線を照射するためのエネルギーを放射線源34Bに蓄積することを指示する蓄積指示信号を出力する。これに応じて、線源制御部34Dは、放射線源34Bに当該エネルギーを蓄積するように制御を行う。
撮影ボタン34は、撮影者によって引き続き全押し状態とされた場合、線源制御部34Dに対し、放射線を照射することを指示する照射指示信号を出力する。これに応じて、線源制御部34Dは、放射線源34Bに蓄積されたエネルギーを用いて放射線源34Bから放射線が照射されるように制御を行うと共に、コンソール42に対して、放射線の照射開始が指示されたことを示す照射開始情報を送受信機34Cを介して送信する。コンソール42のCPU42Aは、送受信機42Hを介して当該照射開始情報を受信すると、これを送受信機42Hを介して電子カセッテ32に転送する。
電子カセッテ32のCPU64Aは、送受信機66を介してコンソール42から転送された照射開始情報を受信すると、蓄積容量72に蓄積されている放射線画像情報を読み取ることを示す読取信号(アドレス信号)を出力する。これによって、蓄積容量72に蓄積されている余剰電荷が捨て去られる空読みが行われる。そして、放射線Xは空読みから所定時間後に照射(曝射)される。放射線検出器60は放射線Xを検出した際に放射線検出信号をCPU64Aに出力する。
電子カセッテ32のCPU64Aは、放射線検出信号が出力されてから所定時間後に読取信号を出力する。これによって、蓄積容量72に蓄積されている放射線画像情報が画像メモリ64に記憶される本読みが行われる。
そして、本読みが行われる間、電子カセッテ32のCPU64Aは、アクチュエータ106としてのソレノイドが通電されるように制御を行う。これによって、当該ソレノイドのプランジャがケース内に吸引され、通気口96が蓋部材98によって閉塞される。なお、本読みが行われる期間以外の期間では、当該ソレノイドは通電されないため、プランジャがケースから引き出された状態となり、通気口96が開放される。
次に、図13を参照して、本読みが開始された際の電子カセッテ32の処理ルーチンを説明する。なお、図13は、この際に電子カセッテ32のCPU64Aによって実行される開閉制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM64Bの所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ200では、通気口96を閉塞するようにアクチュエータ106の作動を制御する。
次のステップ202では、本読みの終了待ちを行い、本読みが終了するとステップ204へ移行し、通気口96を開放するようにアクチュエータ106の作動を制御した後、本開閉制御処理プログラムを終了する。すなわち、本ステップ202では、アクチュエータ106としてのソレノイドへの通電を停止するように制御を行う。これによって、当該ソレノイドのプランジャがケースから引き出され、蓋部材98が閉塞位置から開放位置に移動し、通気口96が開放される。
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32では、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成し保持する放射線検出器60、及び当該放射線検出器60により保持されている放射線画像情報を読み取るカセッテ制御部64が収納されると共に、側面94A,94B,94C,94Dに通気口96が形成された筐体54と、筐体54の側面94A,94B,94C,94Dを囲んで通気口96を開放及び閉塞可能に設けられると共に、電磁波を遮断する部材で構成された蓋部材98と、通気口96を開放及び閉塞するように蓋部材98を移動させる移動機構100と、カセッテ制御部64による本読みが行われている期間では通気口96が閉塞され、当該期間以外の期間では通気口96が開放されるように移動機構100を制御するCPU64Aと、を備えることより、本読みが行われている期間では通気口96が閉塞され、当該期間以外の期間では通気口が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ本読みが行われている期間以外の期間で通気を行うことができる。
また、本第1の実施形態に係る電子カセッテ32では、蓋部材98が、通気口96を閉塞した状態で復元力により筐体54の側面94A,94B,94C,94Dに密着され、通気口96を開放する際に通気口96に対応する部分が復元力に抗して筐体54の側面94A,94B,94C,94Dから離れる方向に移動される帯状の弾性部材で構成されているので、簡素な構成で通気口を開放及び閉塞することができる。
〔第2の実施形態〕
次に本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本第2の実施形態に係る放射線情報システムの構成は、上記第1の実施形態に係る放射線情報システム10と同様であるので、ここでの説明は省略する。本第2の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
図14には、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32及び撮影装置34における撮影の処理の流れを示すタイムチャートが示されている。
同図に示すように、電子カセッテ32に放射線Xが照射されてから本読みが終了するまでの間、電子カセッテ32のCPU64Aは、アクチュエータ106としてのソレノイドが通電されるように制御を行う。これによって、当該ソレノイドのプランジャがケース内に吸引され、通気口96が蓋部材98によって閉塞される。なお、本読みが終了するとソレノイドへの通電が停止され、これによって、当該ソレノイドのプランジャがケースから引き出され、蓋部材98が閉塞位置から開放位置に移動し、通気口96が開放される。
このように、本第2の実施形態に係る電子カセッテ32では、放射線Xが照射されてから本読みが終了するまでの期間では通気口96が閉塞され、それ以外の期間では通気口96が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ放射線Xが照射されてから本読みが終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
〔第3の実施形態〕
次に本発明の第3の実施形態を説明する。なお、本第3の実施形態に係る放射線情報システムの構成は、上記第1の実施形態に係る放射線情報システム10と同様であるので、ここでの説明は省略する。本第3の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
図15には、本第3の実施形態に係る電子カセッテ32及び撮影装置34における撮影の処理の流れを示すタイムチャートが示されている。
同図に示すように、電子カセッテ32のCPU64Aは、送受信機66を介してコンソール42から転送された照射開始情報を受信してから本読みが終了するまでの間、アクチュエータ106としてのソレノイドが通電されるように制御を行う。これによって、当該ソレノイドのプランジャがケース内に吸引され、通気口96が蓋部材98によって閉塞される。なお、本読みが終了するとソレノイドへの通電が停止され、これによって、当該ソレノイドのプランジャがケースから引き出され、蓋部材98が閉塞位置から開放位置に移動し、通気口96が開放される。
このように、本第3の実施形態に係る電子カセッテ32では、照射開始情報を受信してから本読みが終了するまでの期間では通気口96が閉塞され、それ以外の期間では通気口96が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ照射開始情報を受信してから本読みが終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
〔第4の実施形態〕
次に本発明の第4の実施形態を説明する。なお、本第4の実施形態に係る放射線情報システムの構成は、上記第1の実施形態に係る放射線情報システム10と同様であるので、ここでの説明は省略する。本第4の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
ところで、本第4の実施形態に係る撮影システム18において、線源制御部34Dは、撮影ボタン34から蓄積指示信号が入力されると、コンソール42に対して、放射線を照射するためのエネルギーの蓄積開始が指示されたことを示す蓄積開始情報を送受信機34Cを介して送信する。そして、コンソール42のCPU42Aは、送受信機42Hを介して当該蓄積開始情報を受信すると、これを送受信機42Hを介して電子カセッテ32に転送する。
図16には、本第4の実施形態に係る電子カセッテ32及び撮影装置34における撮影の処理の流れを示すタイムチャートが示されている。
同図に示すように、電子カセッテ32のCPU64Aは、送受信機66を介してコンソール42から転送された蓄積開始情報を受信してから本読みが終了するまでの間、アクチュエータ106としてのソレノイドが通電されるように制御を行う。これによって、当該ソレノイドのプランジャがケース内に吸引され、通気口96が蓋部材98によって閉塞される。なお、本読みが終了するとソレノイドへの通電が停止され、これによって、当該ソレノイドのプランジャがケースから引き出され、蓋部材98が閉塞位置から開放位置に移動し、通気口96が開放される。
このように、本第4の実施形態に係る電子カセッテ32では、蓄積開始情報を受信してから本読みが終了するまでの期間では通気口96が閉塞され、それ以外の期間では通気口96が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ蓄積開始情報を受信してから本読みが終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
〔第5の実施形態〕
次に本発明の第5の実施形態を説明する。なお、本第5の実施形態に係る放射線情報システムの構成は、上記第1の実施形態に係る放射線情報システム10と同様であるので、ここでの説明は省略する。本第5の実施形態では、上記第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
図17には、本第4の実施形態に係る電子カセッテ32及び撮影装置34における撮影の処理の流れを示すタイムチャートが示されている。
同図に示すように、電子カセッテ32のCPU64Aは、送受信機66を介してコンソール42から送信された許可信号を受信してから本読みが終了するまでの間、アクチュエータ106としてのソレノイドが通電されるように制御を行う。これによって、当該ソレノイドのプランジャがケース内に吸引され、通気口96が蓋部材98によって閉塞される。なお、本読みが終了するとソレノイドへの通電が停止され、これによって、当該ソレノイドのプランジャがケースから引き出され、蓋部材98が閉塞位置から開放位置に移動し、通気口96が開放される。
このように、本第5の実施形態に係る電子カセッテ32では、許可信号を受信してから本読みが終了するまでの期間では通気口96が閉塞され、それ以外の期間では通気口96が開放されるので、放射線画像の画質の低下を抑制することができ、かつ許可信号を受信してから本読みが終了するまでの期間以外の期間で通気を行うことができる。
以上、本発明を上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記各実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の主旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記各実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また、上記各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における状況に応じた組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記各実施形態では、アクチュエータ106の動力をリンク部材104を介して蓋部材98に伝達して通気口96を開閉する場合の形態例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図18及び図19に示すように、筐体54の側面94Bに配置された伸縮可能なロッド460A,460Bと、ロッド460A,460Bが収容される収容体460Cと、を有する移動機構460により通気口96を開閉しても良い。この場合、ロッド460A,460B及び収容体460Cは、通気口96を間に挟むように筐体54の両側にそれぞれ配置されている。
ロッド460Aの先端部は、蓋部材98の表面に当接しており、ロッド460A,460Bが伸長してロッド460Aが蓋部材98を押圧することにより、蓋部材98が通気口96を開放する。
また、ロッド460A,460Bが縮んで収容体460Cに収容されることにより、蓋部材98の弾性力によって蓋部材98は閉塞位置に復帰し、蓋部材98が通気口96を閉塞する。
ロッド460Aを駆動する駆動機構としては、例えば、ソレノイドを用いることができる。また、移動機構460は各側面94A,94C,94Dにも配置されており、通気口96は、各側面94A,94B,94C,94Dにおいて蓋部材98を独立して開閉する構成となっている。なお、移動機構460は、側面94A,94B,94C,94Dの少なくとも何れかに配置されていれば良い。
また、移動機構460は、筐体54の側面94A,94B,94C,94Dではなく、図20に示すように、例えば、筐体54の隅部に配置された構成であってもよい。移動機構460は、筐体54の4隅にそれぞれ配置されている。
ロッド460A,460Bが伸長して、ロッド460Aが蓋部材98の隅部を押圧することにより、蓋部材98が側面94B,94Cに形成された通気口96を開放する。この構成では、側面94B,94Cに形成された通気口96を一度に開放することができる。また、通気口96を筐体54の隅部に配置することにより、筐体54のデッドスペースが小さくなる。
その他、上記各実施形態で説明したRIS10の構成(図1〜図11を参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
また、上記各実施形態で説明したプログラムの処理の流れ(図13を参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
実施形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。 実施形態に係る放射線画像撮影システムが設置された手術室の様子を示す図である。 実施形態に係る電子カセッテの内部構成を示す斜視図である。 実施形態に係る放射線検出器の回路構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図である。 図5のa−a線断面図である。 実施形態に係る電子カセッテの外観を示す斜視図であり、通気口が開放された状態を示す図である。 実施形態に係る移動機構を示す正面図であり、通気口が開放された状態を示す図である。 実施形態に係る移動機構を示す部分断面図である。 実施形態に係る移動機構を示す正面図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。 実施形態に係る撮影システムの電気系の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る電子カセッテ及び撮影装置における撮影の処理の流れを示すタイムチャートである。 第1の実施形態に係る開閉制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る電子カセッテ及び撮影装置における撮影の処理の流れを示すタイムチャートである。 第3の実施形態に係る電子カセッテ及び撮影装置における撮影の処理の流れを示すタイムチャートである。 第4の実施形態に係る電子カセッテ及び撮影装置における撮影の処理の流れを示すタイムチャートである。 第5の実施形態に係る電子カセッテ及び撮影装置における撮影の処理の流れを示すタイムチャートである。 実施形態に係る電子カセッテの変形例を示す正面図であり、通気口が開放された状態を示す図である。 実施形態に係る電子カセッテの変形例を示す正面図であり、通気口が閉塞された状態を示す図である。 実施形態に係る電子カセッテの変形例を示す正面図である。
符号の説明
18 放射線画像撮影システム
32 電子カセッテ
34 撮影装置(通信装置)
42 コンソール(通信装置)
42H 送受信機(送信手段)
60 放射線検出器(生成保持手段)
64 カセッテ制御部(読取手段)
64A CPU(制御手段)
66 送受信機(受信手段)
94A,94B,94C,94D 側面
96 通気口
98 蓋部材(遮断部材)
100,460 移動機構(移動手段)

Claims (11)

  1. 外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成し保持する生成保持手段、及び当該生成保持手段により保持されている画像情報を読み取る読取手段が収納されると共に、側面に通気口が形成された筐体と、
    前記筐体の側面を囲んで前記通気口を開放及び閉塞可能に設けられると共に、電磁波を遮断する部材で構成された遮断部材と、
    前記通気口を開放及び閉塞するように前記遮断部材を移動させる移動手段と、
    前記読取手段による読み取り期間を含む予め定められた期間では前記通気口が閉塞され、当該予め定められた期間以外の期間では前記通気口が開放されるように前記移動手段を制御する制御手段と、
    を備えた放射線画像撮影装置。
  2. 前記遮断部材を、前記通気口を閉塞した状態で復元力により前記筐体の側面に密着され、前記通気口を開放する際に前記通気口に対応する部分が前記復元力に抗して前記筐体の側面から離れる方向に移動される帯状の弾性部材で構成した請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記予め定められた期間を、前記読み取り期間とした請求項1又は請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記予め定められた期間を、放射線が照射されてから前記読み取り期間が終了するまでの期間とした請求項1又は請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  5. 放射線の照射開始が指示されたことを示す照射開始情報を受信する受信手段を更に備え、
    前記予め定められた期間を、前記受信手段が前記照射開始情報を受信してから前記読み取り期間が終了するまでの期間とした請求項1又は請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  6. 放射線を照射するためのエネルギーの蓄積開始が指示されたことを示す蓄積開始情報を受信する受信手段を更に備え、
    前記予め定められた期間を、前記受信手段が前記蓄積開始情報を受信してから前記読み取り期間が終了するまでの期間とした請求項1又は請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  7. 被写体の特定が終了したことを示す特定終了情報を受信する受信手段を更に備え、
    前記予め定められた期間を、前記受信手段が前記特定終了情報を受信してから前記読み取り期間が終了するまでの期間とした請求項1又は請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  8. 請求項5記載の放射線画像撮影装置と、
    前記受信手段に前記照射開始情報を送信する送信手段を有する通信装置と、
    を備えた放射線画像撮影システム。
  9. 請求項6記載の放射線画像撮影装置と、
    前記受信手段に前記蓄積開始情報を送信する送信手段を有する通信装置と、
    を備えた放射線画像撮影システム。
  10. 請求項7記載の放射線画像撮影装置と、
    前記受信手段に前記特定終了情報を送信する送信手段を有する通信装置と、
    を備えた放射線画像撮影システム。
  11. コンピュータを、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の放射線画像撮影装置を構成する制御手段として機能させるためのプログラム。
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