JP2010005091A - 内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑に屈曲した管腔内でも内視鏡の挿入部先端部を容易に奥へ進める。
【解決手段】内視鏡11の挿入部先端部18cに設けた鉗子出口35から出し入れ自在な内視鏡用補助具(補助具)12を設ける。補助具先端部12aに第1吸引口39を設ける。挿入部先端部18cの側面に第2吸引口42を設ける。挿入部18を管腔内に挿入した後、補助具12の送出操作を行って、第1吸引口39を鉗子出口35の前方に位置する第1前方管腔内壁に吸着させる。補助具12の牽引操作を行って、補助具先端部12aと挿入部18との距離を縮める。第1吸引口39の吸着を解除する前に、第2吸引口42を挿入部先端部18cの側方に位置する側方管腔内壁に吸着させる。第1吸引口39の吸着を解除した時に、挿入部先端部18cの位置が相対的に後退することが防止されるので、複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部18cを容易に奥へ進めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内視鏡と、その挿入部先端部に設けた開口部から出し入れ自在な内視鏡用補助具とを備えた内視鏡装置に関するものである。
従来から、医療分野において、大腸や小腸のような管腔臓器の屈曲した管腔(管路)内に内視鏡の挿入部を挿入して、管腔内壁面の観察や診断、治療を施すことが行われている。この場合、管腔が複雑に屈曲し且つ比較的自由に動くS字結腸であると、このS字結腸内で挿入部先端部を奥へ進めるためには、手技に熟練度が要求されていた。このため、S字結腸のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部を容易に奥へ進めることができる内視鏡が求められていた。
特許文献1には、挿入部先端部に吸引具を装着した内視鏡が記載されている。特許文献1では、挿入部先端部をS字結腸内まで進めた後、吸引具の側面に設けられた吸引口から吸引を開始して、この吸引具をS字結腸の腸壁に吸着させる。次いで、医師が挿入部の引き込み操作を行うと、S字結腸が医師の手元側に手繰り寄せられて蛇腹状に縮められる。これにより、S字結腸が略直線化されるので、吸引具による吸着を解除した後、挿入部先端部をさらに奥に進めることができる。
特許文献2には、挿入部をS字結腸内などに挿入するための挿入補助具が記載されている。挿入補助具は、基筒と、この基筒に対して回転自在に接続した副筒とから構成されており、両筒にはそれぞれ挿入部が挿通している。また、副筒先端部の周面には、螺旋状の吸気口及び突起が形成されている。特許文献2では、副筒をS字結腸内に挿入した後、吸気口から吸引を開始して、この吸気口を腸壁に吸着させる。次いで、略雄ネジ形状の副筒を回転させることで、吸着した腸が手元側に引き寄せられるため、挿入部先端部を相対的に奥に進めることができる。
また、特許文献1及び2の内視鏡以外にも、例えばダブルバルーン内視鏡が知られている。ダブルバルーン内視鏡には、挿入部先端部と、挿入部を覆うオーバーチューブの先端部とにそれぞれバルーンが設けられている。ダブルバルーン内視鏡は、各バルーンを交互に膨らませて、挿入部先端部又はチューブ先端部を交互にS字結腸の腸壁に固定するとともに、非固定側の挿入部先端部又はチューブ先端部を奥へ進める操作を繰り返すことで、挿入部先端部をさらに奥に進めることができる。
特開2002−125921号公報 特開平1−227737号公報
特許文献1では吸引具をS字結腸の腸壁に吸着させた後、挿入部の引き込み操作を行うことで、S字結腸を一旦は略直線化することができる。しかしながら、吸引具による吸着を解除すると、S字結腸は弾性力により元の形状・位置に復元するため、S字結腸内での挿入部先端部の位置は相対的に後退してしまう。このような問題は、副筒の先端部に形成された吸気口を腸壁に吸着させる特許文献2でも同様に発生する。
また、ダブルバルーン内視鏡では、挿入部先端部を奥へ進めるための操作として前述の押し出し操作が行われる。この押し出し操作によりS字結腸に力が加えられるため、S字結腸が挿入部先端部の進行方向とは逆の方向に変形して、挿入部先端部を奥に進めることができない場合がある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、S字結腸のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部を容易に奥へ進めることが可能な内視鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内視鏡装置は、管腔内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡の挿入部先端部に設けた第1開口部から出し入れ自在な内視鏡用補助具とを備える内視鏡装置において、前記内視鏡用補助具の補助具先端部は、前記第1開口部の前方に位置する第1前方管腔内壁に当接または近接する第1位置と、前記第1開口部の手前に位置する第2位置とに変位自在であり、前記補助具先端部に設けられ、前記補助具先端部が前記第1位置に変位した時に、前記補助具先端部を前記第1前方管腔内壁に固定するとともに、この固定後に、前記補助具先端部が前記第1前方管腔内壁と一体に前記第1位置から前記第2位置に変位した後で、当該固定を解除する補助具固定手段と、前記内視鏡に設けられ、前記補助具先端部が前記第1位置から前記第2位置に変位した後で、且つ前記補助具先端部の固定が解除される前に、前記管腔内での前記挿入部先端部の相対位置を解除可能に固定する挿入部固定手段とを備えることを特徴とする。
前記第1開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口であることが好ましい。
前記第1開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口とは異なる補助具専用口であることが好ましい。
前記内視鏡用補助具の前記第1開口部からの送出動作及び前記第1開口部内への牽引動作を行って、前記補助具先端部を前記第1位置と前記第2位置とに変位させる補助具変位手段と、前記送出動作の開始指示に応じて、前記補助具先端部が前記第1位置に変位するとともに、前記補助具先端部の固定後に、前記補助具先端部が前記第2位置に変位するように、前記補助具変位手段を制御する変位制御手段とを備えることが好ましい。補助具の押し出し及び牽引を自動で行うことができるので、医師の負担を減らすことができる。
前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する第1検知手段を備え、前記変位制御手段は、前記第1検知手段の検知結果に基づき、前記送出動作時に前記補助具先端部が前記第1位置に到達したときに前記送出動作を停止させることが好ましい。これにより、補助具先端部が管腔内壁を突き破って管腔内壁に穿孔があくという医療ミスを防止することができる。
前記変位制御手段は、前記補助具先端部の格納開始指示に応じて前記補助具変位手段に前記牽引動作を行わせ、前記補助具先端部を前記第1開口部内に格納させることが好ましい。
前記補助具固定手段は、負圧吸引力により前記第1前方管腔内壁に吸着する第1吸引口であることが好ましい。
前記第1吸引口は、略ラッパ状に拡開したラッパ形状と、前記ラッパ形状よりも開口面積が小さくなり、前記第1開口部内に格納可能な閉じ形状とに変形自在であることが好ましい。
前記第1吸引口に前記負圧吸引力を発生させるとともに、前記負圧吸引力を少なくとも2段階に調整可能な第1吸引手段と、前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する第1検知手段と、前記第1検知手段の検知結果に基づき、前記第1位置に向けて変位する前記補助具先端部が前記第1位置に到達するまでは前記負圧吸引力が弱くなり、前記第1位置に到達した時に前記負圧吸引力が強くなるように、前記第1吸引手段を制御する第1吸引制御手段とを備えることが好ましい。
前記補助具固定手段はフックであることが好ましい。
前記挿入部固定手段は、前記挿入部先端部の固定後に、前記補助具先端部が前記第2位置から前記第1位置に変位して前記補助具固定手段により前記第1前方管腔内壁に固定された時に、前記挿入部先端部の固定を解除することが好ましい。
前記挿入部固定手段は、前記挿入部先端部の側面に設けられ、負圧吸引力により前記挿入部先端部の側方に位置する側方管腔内壁に吸着する第2吸引口であることが好ましい。
前記第2吸引口に前記負圧吸引力を発生させるとともに、前記負圧吸引力を少なくとも2段階に調整可能な第2吸引手段と、前記第2吸引口が前記側方管腔内壁に当接または近接したことを検知する第2検知手段と、前記補助具先端部が前記第1位置から前記第2位置に変位した後、前記第2検知手段により検知がなされるまでは前記負圧吸引力が弱くなり、前記第2検知手段により検知がなされた時に前記負圧吸引力が強くなるように、前記第2吸引手段を制御する第2吸引制御手段とを備えることが好ましい。
前記挿入部先端部には、前記第1開口部とは別に第2開口部が設けられており、前記挿入部固定手段は、前記第2開口部から出し入れ自在に設けられ、前記第2開口部からその前方に突出した時に、負圧吸引力により前記第2開口部の略前方に位置する第2前方管腔内壁に吸着する挿入部固定用補助具であることが好ましい。
本発明は、挿入部先端部の第1開口部の前方に位置する第1前方管腔内壁に補助具先端部を固定した後、この補助具先端部を第1開口部の手前に変位するとともに、補助具先端部の固定を解除する前に、管腔内での挿入部先端部の相対位置を解除可能に固定するので、補助具先端部の固定解除前に、挿入部の引き込み操作を行って管腔を手繰り寄せた場合でも、補助具先端部の固定解除後に、管腔が元の形状・位置に復元して挿入部先端部の位置が相対的に後退することが防止される。また、挿入部の押し出し操作を行うことなく、挿入部先端部とその前方に位置する管腔内壁との距離を縮めることができる。これにより、S字結腸のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部を容易に奥へ進めることができる。
図1に示すように、内視鏡装置10は、内視鏡11と、各種弾性体で形成された細長管状の内視鏡用補助具(以下、単に補助具という)12と、補助具コントローラ13と、プロセッサ装置14と、光源装置15と、挿入部吸引装置(第2吸引手段)16とから構成される。内視鏡11は、小腸、大腸等の管腔内に挿入される挿入部18と、内視鏡11の把持及び挿入部18の操作に用いられる操作部19とを備えている。
挿入部18は、可撓性を有する棒状体であり、根元側から可撓管18a、湾曲部18b、及び周知の撮像部や照明部(図示せず)が設けられた挿入部先端部18cを備えている。可撓管18aは、挿入部18の大半を占める長さを有している。湾曲部18bは、操作部19で操作することにより先端側の向きが自在に変えられる。
挿入部18の内部には、鉗子チャンネル21、吸引チャンネル22、及び空気や水が流れる送気・送水チャンネル(図示せず)等が設けられている。鉗子チャンネル21は、柔軟性、防水性を有するチューブであり、患者の治療に用いられる鉗子や注射針等の処置具(図示せず)、及び補助具12などが挿通される。吸引チャンネル22は、空気を吸引するためのチューブである。
操作部19は、アングルノブ25、鉗子入口26を備えている。アングルノブ25は、湾曲部18bの湾曲方向及び湾曲量を調整する際に回転操作される。鉗子入口26は、鉗子チャンネル21の入口側開口部である。補助具12等は、鉗子入口26から鉗子チャンネル21に挿通される。また、操作部19には、送気・送水等の各種の操作に用いられる操作ボタン27と、挿入部吸引装置16の作動・作動停止を切り替えるための操作ボタン28とが設けられている。
操作部19に接続されたユニバーサルコード29には、前述の吸引チャンネル22や送気・送水チャンネルの他に、挿入部先端部18cの撮像部への配線、及び照明部へのライトガイドが組み込まれている。このユニバーサルコード29の先端部には、コネクタ部30aが設けられている。このコネクタ部30aは、光源装置15に接続する。また、コネクタ部30aからは、プロセッサ装置14に接続するコネクタ部30bと、挿入部吸引装置16に接続するコネクタ部30cとが分岐している。
プロセッサ装置14は、撮像部から入力された画像データ等に基づく内視鏡画像をモニタ(図示せず)に表示させる。光源装置15は、光源部から照明光を照射させ、ライトガイドに導く。挿入部吸引装置16は、例えば周知の真空ポンプが用いられ、吸引チャンネル22内の空気の吸引を行う。
図2(A),(B)に示すように、挿入部先端部18cの前面には、観察窓32、照明窓33、送気・送水用ノズル34、鉗子出口(第1開口部)35が設けられている。観察窓32及び照明窓33の後方には、それぞれ前述の撮像部、照明部が配置されている。送気・送水用ノズル34は、前述の送気・送水チャンネルの出口開口部であり、管腔内及び観察窓32に空気や水を噴射する。鉗子出口35は、鉗子チャンネル21の出口側開口部である。鉗子入口26から鉗子チャンネル21内に挿通された処置具や補助具12は、鉗子出口35からその前方へ突出する。
補助具12は、その直径が鉗子出口35、鉗子チャンネル21、鉗子入口26の直径よりも細く形成されており、鉗子チャンネル21内にスライド自在に挿通される。補助具12は、その補助具先端部12aが鉗子出口35の前方に位置する管腔の内壁(以下、第1前方管腔内壁という)に着脱可能に吸着する吸着補助具である。本発明では、補助具12を鉗子出口35から突出させて第1前方管腔内壁に吸着させることで、挿入部先端部18cをS字結腸37(図4〜図12参照)のような複雑に屈曲した管腔内で相対的に進める。
補助具12は、医師の手元での送出操作(鉗子出口35から補助具12を送出する操作)、及び牽引操作(鉗子出口35内に補助具12を牽引する操作)により鉗子出口35から出し入れ自在である。これにより、補助具先端部12aは、第1前方管腔内壁に当接する第1位置(図5参照)と、鉗子出口35の手前に位置する第2位置(図6参照)とに変位自在である。
補助具先端部12aには、負圧吸引力により第1前方管腔内壁に吸着する第1吸引口39が設けられている。第1吸引口39は、略ラッパ状(吸盤状)に拡開したラッパ形状[(B)参照]と、ラッパ形状よりも開口面積が小さくなり、その一部がタック状に折り畳まれることで補助具先端部12aと同じ外径となり、鉗子出口35(鉗子チャンネル21)内に格納可能な閉じ形状[(A)参照]とに変形自在な弾性体である。
第1吸引口39の変形は、その内部に設けられた複数のワイヤ40[(B)では図示を省略]を用いて行われる。各ワイヤ40は、通電加熱により弓状に湾曲して第1吸引口39をラッパ形状に変形させる形状記憶合金である。そして、各ワイヤ40への通電を停止すると、各ワイヤ40は温度が下がって任意の形状に変形自在となるので、第1吸引口39は自身の弾性復元力で元の閉じ形状に復元する。この際に、各ワイヤ40の温度が下がるのに時間がかかり、第1吸引口39の復元が遅い場合には、ペルチェ素子等の各種冷却手段でワイヤ40の温度を強制的に下げてもよい。
また、挿入部先端部18cの側面(周面)には、その周方向に沿って複数の第2吸引口42が設けられている。第2吸引口42は、負圧吸引力により、挿入部先端部18cの側方に位置する管腔の内壁(以下、側方管腔内壁という)に吸着する。なお、第2吸引口42の数、配置位置、形状は、特に限定されるものではなく任意に変更してよい。
図3に示すように、第2吸引口42の内側には、一端が開口し且つ他端が閉じた略円筒形状の吸引具42aが設けられている。各吸引具42aの側面には、それぞれエアチューブ42bが接続している。各エアチューブ42bは、図示しない分岐コネクタを介して、前述の吸引チャネル22(図1参照)に接続している。従って、各吸引具42aは、エアチューブ42b及び吸引チャンネル22を介して挿入部吸引装置16に接続しており、この挿入部吸引装置16が作動したときに空気を吸引して、各第2吸引口42に負圧吸引力を発生させる。この負圧吸引力は、側方管腔内壁を傷付けない程度の力に抑えられている。なお、第2吸引口42から空気を吸引する構成は、図3に示した構成に限定されるものではなく、各種構成を用いてよい。
図1に戻って、補助具12の補助具後端部12bは、補助具コントローラ13に接続している。また、前述の各ワイヤ40の後端部は、補助具12内を通って補助具コントローラ13に接続している。この補助具コントローラ13は、ワイヤ40への通電(第1吸引口39の変形)を制御する通電装置44と、第1吸引口39からの空気の吸引(負圧吸引力の発生)を制御する補助具吸引装置(第1吸引手段)45とから構成されている。
通電装置44には、各ワイヤ40への通電が可能な各種電源装置が用いられる。この通電装置44は、各ワイヤ40への通電・通電停止を切り替えることで、第1吸引口39をラッパ形状と閉じ形状とに変形させる。各ワイヤ40への通電・通電停止は、医師が補助具コントローラ13の通電スイッチ47をON・OFFすることにより切り替えられる。
通電スイッチ47は、補助具先端部12aを鉗子チャンネル21内に挿通する時、或いは鉗子チャンネル21内に格納する時にOFFされるとともに、補助具先端部12aが鉗子出口35から突出している時にONされる。なお、補助具先端部12aが鉗子出口35から突出しているか否かは、プロセッサ装置14のモニタ映像(以下、単にモニタ映像という)で確認することができる。
補助具吸引装置45には、前述の挿入部吸引装置16と同様に周知の真空ポンプが用いられる。この補助具吸引装置45は、補助具後端部12b部から補助具12内の空気を吸引することで、第1吸引口39に負圧吸引力を発生させる。この負圧吸引力は、第1前方管腔内壁を傷付けない程度の力に抑えられている。補助具吸引装置45による空気の吸引・吸引停止は、医師が補助具コントローラ13の吸引スイッチ48をON・OFFすることで切り替えられる。
吸引スイッチ48は、前述の送出操作により補助具先端部12aが第1位置に到達した時にONされる。これにより、第1吸引口39が第1前方管腔内壁に吸着して、補助具先端部12aが第1前方管腔内壁に固定されるため、両者を一体に変位させることができる。この吸着(固定)は、吸引スイッチ48をOFFすることで解除される。なお、補助具先端部12aが第1位置に到達したか否かは、モニタ映像で確認することができる。
次に、図4〜図12を用いて、上記のように構成された補助具12により、S字結腸37内で挿入部先端部18cを進める処理手順の第1実施例(図4〜図8)及び第2実施例(図9〜図12)について説明する。なお、各図中の符号50は下行結腸である。S字結腸37及び下行結腸50は共に大腸の一部を構成しており、その形状、体腔内での位置等は周知であるので、ここでは説明を省略する。
[第1実施例]
図4に示すように、医師は、内視鏡11の挿入部18を患者の肛門(図示せず)から挿入した後、この挿入部18の押し出し操作を行う。これにより、挿入部18が直腸(図示せず)を経てS字結腸37内に挿入される。医師が更に押し出し操作を行うと、挿入部先端部18cは、S字結腸37の腸壁に沿って下行結腸50側の屈曲部37a(S字結腸37と下行結腸50の移行部)を臨む位置まで進む。
医師は、モニタ映像から、挿入部先端部18cが屈曲部37aを臨む位置まで進んだことを確認した後、補助具12を鉗子入口26から鉗子チャンネル21内に挿入する。この時、通電・吸引スイッチ47,48は共にOFFされており、第1吸引口39は閉じ形状で且つ吸引を停止している。医師は、モニタ映像により補助具先端部12aが鉗子出口35から突出したことが確認されるまで、補助具12の送出操作を行う。
医師は、補助具先端部12aが鉗子出口35より突出したことを確認した後、通電スイッチ47をONする。これにより、通電装置44によって各ワイヤ40が通電加熱されて湾曲し、第1吸引口39が閉じ形状からラッパ形状に変形する。次いで、医師は、モニタ映像を見ながら補助具12の送出操作を行って、補助具先端部12a(第1吸引口39)を屈曲部37aの腸壁(第1前方管腔内壁)に当接または近接する第1位置まで進める。
図5に示すように、医師は、補助具先端部12aが第1位置まで進んだ時に、補助具12の送出操作を停止する。次いで、医師は、吸引スイッチ48をONする。これにより、補助具吸引装置45による吸引が開始されて第1吸引口39に負圧吸引力が発生し、第1吸引口39が屈曲部37aの腸壁に吸着して、この腸壁に補助具先端部12aが固定される。この第1吸引口39の吸着作業は、挿入部先端部18cの前方、すなわち、内視鏡11の視野範囲内で行われるので、吸着作業や第1吸引口39の吸着状態が見易くなる。医師は、第1吸引口39の吸着位置や吸着状態が意に沿わない場合には、上述の吸着操作をやり直す。
図6に示すように、医師は、第1吸引口39の吸着後に、モニタ映像を見ながら補助具12の牽引操作を行って、補助具12を鉗子チャンネル21内に引き込むことで、補助具先端部12aを鉗子出口35の手前に位置する第2位置まで戻す。S字結腸37は体腔内に固定されていない自由腸であるのに対して、下行結腸50は体腔内に固定された固定腸である。このため、屈曲部37aは、下行結腸50によりほぼ固定されている。従って、補助具12の牽引操作を行うと、挿入部18が補助具先端部12aに向かって移動する。これにより、挿入部先端部18cを屈曲部37aまで進めることができる。
図7に示すように、医師は、挿入部先端部18cを屈曲部37aまで進めた後、第1吸引口39を屈曲部37aに吸着させたまま、補助具12と同時に挿入部18の引き込み操作を行う。この引き込み操作により、S字結腸37が医師の手元側に手繰り寄せられるとともに、略蛇腹状に折り畳まれる。これにより、S字結腸37が縮められて、S字結腸37の全体の屈曲度合いが小さくなるとともに、屈曲部37aの角度が大きくなる。
医師は、挿入部18の引き込み操作を行った後、操作部19の操作ボタン28を操作して、挿入部吸引装置16を作動させる。これにより、挿入部吸引装置16による吸引が開始されて第2吸引口42に負圧吸引力が発生し、第2吸引口42が挿入部先端部18cの側方に位置する側方腸壁(側方管腔内壁、図8参照)37bに吸着する。挿入部先端部18cが側方腸壁37bに固定されることで、S字結腸37内での挿入部先端部18cの相対位置が解除可能に固定される。
次いで、医師は、吸引スイッチ48をOFFする。これにより、補助具吸引装置45の作動が停止して、第1吸引口39の吸着(補助具先端部12aの固定)が解除される。これにより、補助具12の送出操作等が可能になる。
図8に示すように、医師は、補助具先端部12aの固定を解除した後、アングルノブ25を操作して湾曲部18bを湾曲させるなどして、補助具先端部12aの前面を下行結腸50の腸壁に向ける。次いで、医師は、前述の補助具12の送出操作、及び第1吸引口39の吸着操作を行って、第1吸引口39を下行結腸50の腸壁に吸着させる。この吸着後、医師は、操作ボタン28を操作して挿入部吸引装置16の作動を停止し、第2吸引口42の吸着(挿入部先端部18cの固定)を解除する。
医師は、第2吸引口42の吸着を解除した後、前述の補助具12の牽引操作を行う。これにより、挿入部先端部18cが下行結腸50内に挿入される。医師は、挿入部先端部18cをさらに奥へ進める場合には、前述の各操作(第2吸引口42の吸着操作、第1吸引口39の吸着解除操作、補助具12の送出操作、・・・)を繰り返し実行する。なお、下行結腸50は前述したように固定腸であるため、挿入部18の押し出し操作のみで挿入部先端部18cを奥へ進めるようにしてもよい。
[実施例2]
図9に示すように、第2実施例は、内視鏡11の挿入部18をS字結腸37内に挿入するまでは第1実施例と同じである。ただし、第2実施例では、挿入部先端部18cがS字結腸37の上行部37c(屈曲部37aから略上方向に延びた部分)を臨む位置まで達した時に、挿入部18の押し出し操作を停止する。
医師は、第1実施例と同様に、補助具12を鉗子チャンネル21内へ挿通し、補助具先端部12aが鉗子出口35から突出した後、第1吸引口39をラッパ形状に変形させる。次いで、医師は、補助具12の送出操作を行って、補助具先端部12aを上行部37cの腸壁(第1前方管腔内壁)に当接または近接する第1位置まで進める。
医師は、補助具先端部12aが第1位置まで進んだことをモニタ映像で確認した時に、補助具12の送出操作を停止するとともに、吸引スイッチ48をONする。これにより、第1吸引口39が上行部37cの腸壁に吸着して、この腸壁に補助具先端部12aが固定される。
次いで、図10に示すように、医師は、モニタ映像を見ながら補助具12の牽引操作を行って、補助具先端部12aを前述の第2位置まで牽引する。前述したようにS字結腸37は自由腸であるので、上行部37cが補助具先端部12aと一体に第2位置まで牽引される。これにより、S字結腸37内で挿入部先端部18cを相対的に進めることができる。また、上行部37cが挿入部先端部18cの近傍まで手繰り寄せられるため、S字結腸37の全体の屈曲度合いが小さくなるとともに、屈曲部37aの角度が大きくなる。
図11に示すように、医師は、補助具12の牽引操作が完了した後、第1吸引口39を上行部37cに吸着させたまま、補助具12と同時に挿入部18の引き込み操作を行う。この引き込み操作により、S字結腸37が医師の手元側に手繰り寄せられるとともに、略蛇腹状に折り畳まれる。その結果、S字結腸37が縮められて略直線化される。
医師は、挿入部18の引き込み操作を行った後、前述の第1実施例と同様に、挿入部吸引装置16を作動させて、第2吸引口42に負圧吸引力を発生させる。これにより、第2吸引口42が前述の側方腸壁37b(図12参照)に吸着し、この側方腸壁37bに挿入部先端部18cが固定される。この固定後、医師は、吸引スイッチ48をOFFして、第1吸引口39の吸着を解除する。
図12に示すように、医師は、第1吸引口39の吸着を解除した後、前述の第1実施例と同様に、アングルノブ25の操作等を適宜行って、補助具先端部12aの前面を下行結腸50の腸壁に向ける。次いで、医師は、前述の補助具12の送出操作、第1吸引口39の吸着操作、第2吸引口42の吸着解除操作、補助具12の牽引操作を順に行って、挿入部先端部18cを下行結腸50内に挿入させる。そして、医師は、挿入部先端部18cをさらに奥へ進める場合には、前述の各操作を繰り返し実行する。
以上説明したように、医師は、挿入部18を複雑に屈曲した管腔内に挿入したときは、上述の第1実施例または第2実施例の処理手順を行って、この複雑に屈曲した管腔内で挿入部18を更に奥へ進める。そして、医師は、挿入部先端部18cを管腔内の目的ポイント(例えば盲腸)まで到達させた後、補助具12を内視鏡11から抜き取る。次いで、医師は、挿入部18を目的ポイントから肛門まで戻していきながらモニタ映像を確認し、必要に応じて、鉗子等の処置具を鉗子チャンネル21内に挿通し、この処置具を用いて所定の処置を行う。
このように本発明では、複雑に屈曲した管腔内に挿入部18を進める際に、鉗子出口35から細径の補助具12を前方に突出させ、その補助具先端部12aに設けた第1吸引口39を第1前方管腔内壁に吸着させた後、補助具12の牽引操作を行うとともに、この牽引操作後で且つ第1吸引口39の吸着を解除する前に、挿入部先端部18cに設けた第2吸引口42を側方管腔内壁に吸着させるので、第1吸引口39の吸着解除後でも、S字結腸37内での挿入部先端部18cの相対位置を固定することができる。その結果、第1吸引口39の吸着解除前に挿入部18の引き込み操作を行ってS字結腸を手繰り寄せた場合でも、第1吸引口39の吸着解除後にS字結腸が元の形状・位置に復元して挿入部先端部18cの位置が相対的に後退することが防止される。これにより、S字結腸37のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部18cを容易に奥へ進めることができる。
また、挿入部18の押し出し操作を行うことなく、挿入部18を第1前方管腔内壁の近傍まで移動(第1実施例)、或いは第1前方管腔内壁を挿入部先端部18cの近傍まで牽引(第2実施例)することができる。これにより、複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部18cを容易に奥へ進めることができる。
また、挿入部18の押し出し操作を行うことなく、挿入部先端部18cを管腔内で相対的に進めることができるので、前述のダブルバルーン内視鏡のように、挿入部先端部を奥へ進めるための押し出し操作によって、管腔が挿入部先端部の進行方向とは逆の方向に変形し、挿入部先端部を奥へ進められなくなるという問題は発生しない。
次に、図13及び図14を用いて本発明の第2実施形態の内視鏡装置53について説明を行う。図13において、内視鏡装置53は、基本的には第1実施形態の内視鏡装置10と同じ構成である。ただし、内視鏡装置53には、補助具12の送出・牽引、第1吸引口39の開閉及び吸引・吸引停止からなる処理(以下、単に補助具12の吸着・牽引処理という)を自動制御する補助具コントローラ54が設けられている。また、前述の挿入部吸引装置16の代わりに、第2吸引口42の吸引・吸引停止処理(以下、第2吸引口42の吸着処理という)を自動制御する挿入部吸引装置55が設けられている(図14参照)。
また、図14において、補助具12の第1吸引口39には、第1接触センサ(第1検知手段)56及び吸引圧力検知センサ57が設けられ、内視鏡11の第2吸引口42の開口周縁部及び鉗子出口35には、それぞれ第2接触センサ(第2検知手段)58、補助具検知センサ59が設けられている。なお、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
補助具コントローラ54は、前述の通電装置44の他に、補助具吸引装置(第1吸引手段)61、補助具変位装置(補助具変位手段)62、制御装置(変位制御手段、第1吸引制御手段)63、及び操作パネル65を備えている。補助具吸引装置61は、第1実施形態の補助具吸引装置45と基本的には同じであるが、第1吸引口39の負圧吸引力を「強」と「弱」の2段階に調整することができる。なお、負圧吸引力「強」は、管腔内壁を傷付けない程度の吸引力である。
図13に戻って、補助具変位装置62は、補助具12の送出・牽引を自動で行うための装置であり、補助具12を搬送する搬送ローラ対67と、この搬送ローラ対67を駆動する搬送モータ68と、搬送ローラ対67の補助具搬送方向上流側に設けられた一対のパスローラ69と、この両パスローラ69の間に設けられたダンサーローラ70とから構成される。
ダンサーローラ70は、図示しないダンサ機構により図中上下方向に移動自在に保持されている。このダンサーローラ70は、搬送モータ68が正転して搬送ローラ対67により補助具12が送出されると上昇し、搬送モータ68が逆転して搬送ローラ対67により補助具12が引き込まれると下降する。この補助具変位装置62による補助具12の最大送り出し量は、ダンサーローラ70の上下方向の最大ストローク量の2倍の長さになる。
このように補助具変位装置62は、搬送モータ68を正逆転させることで、補助具先端部12aを鉗子出口35から突出させたり、鉗子出口35内に格納したりすることができる。挿入部先端部18cと前述の第1前方管腔内壁との距離が離れていても、補助具先端部12aが前述の第1位置まで到達可能なように、ダンサーローラ70の最大ストローク量は充分確保されている。
また、補助具変位装置62は、ガイドチューブTを介して、鉗子入口26に接続している。補助具変位装置62から送出された補助具12は、ガイドチューブT内を通って鉗子入口26から鉗子チャンネル21内に挿通する。これにより、補助具変位装置62から補助具12を送出した際に、補助具変位装置62と鉗子入口26との間において、補助具12に弛みが発生することが防止される。なお、ガイドチューブTは、補助具12を内視鏡11から抜き取る時や、鉗子チャンネル21に処置具を挿入する時などには鉗子入口26から取り外される。
図14に示すように、制御装置63には、前述の第1接触センサ56、吸引圧力検知センサ57、補助具検知センサ59が接続されている。また、制御装置63には、牽引終了判定回路(以下、判定回路という)73とLANI/F74とが設けられている。
第1接触センサ56は、第1吸引口39が第1前方管腔内壁に接触したときに、ON信号を制御装置63へ出力する。この第1接触センサ56の検知結果は、補助具先端部12aが前述の第1位置に到達したか否かの判定に用いられる。
吸引圧力検知センサ57は、第1吸引口39の負圧吸引力の大きさを検知し、この負圧吸引力が「強」になったときに、ON信号を制御装置63へ出力する。この吸引圧力検知センサ57の検知結果は、第1吸引口39の負圧吸引力が「強」まで達したか否か、つまり、第1吸引口39が第1前方管腔内壁に完全に吸着したか否かの判定に用いられる。
補助具検知センサ59は、例えば発光センサ及び受光センサからなる一対の光センサであり、発光センサから受光センサに向けて照射される光が補助具12により遮られたときに、ON信号を制御装置63へ出力する。この補助具検知センサ59の検知結果は、鉗子チャンネル21内に挿通された補助具先端部12aが鉗子出口35まで達したか否かの判定(後述する補助具先端部12aの突出量を求めるため)に用いられる。
判定回路73は、前述したように補助具先端部12aが第2位置へ牽引される際に、この補助具先端部12aが第2位置に到達したか否かを判定する。この判定は、鉗子出口35からの補助具先端部12aの突出量(以下、単に突出量という)を求めた結果に基づいて行われる。
判定回路73は、補助具検知センサ59により補助具先端部12aの通過が最初に検知された時に、前述の突出量を0にリセットした後、この突出量の算出を開始する。具体的には、搬送モータ68の回転数をカウントし、このカウント結果と、予め求めたモータ1回転当たりの補助具12の移動量Dとに基づいて、突出量を算出する。判定回路73は、搬送モータ68が1回正転する毎に移動量Dを突出量に加算するとともに、搬送モータ68が1回逆転する毎に移動量Dを突出量から減算する。
補助具先端部12aが第2位置にあるときの突出量(以下、目標突出量という)は既知である。このため、判定回路73は、補助具先端部12aの牽引が開始された後、算出した突出量が目標突出量に到達した時に、補助具先端部12aが第2位置まで牽引されたと判定し、牽引終了判定信号を出力する。なお、補助具先端部12aが補助具検知センサ59を通過してから第1位置に向かう途中で第2位置を通過するが、その時は牽引終了判定信号の出力は行わない。
LANI/F74は、図示しないLANケーブル等を介して、挿入部吸引装置55のLANI/F76に接続している。つまり、制御装置63と挿入部吸引装置55とは、LAN接続している。制御装置63は、前述の牽引終了判定信号及び第1吸引口39の負圧吸引力を示す第1負圧吸引力情報を挿入部吸引装置55へ送る。第1負圧吸引力情報は、吸引圧力検知センサ57の検知結果、或いは補助具吸引装置61の動作情報等から取得することができる。逆に、挿入部吸引装置55は、第2吸引口42の負圧吸引力を示す第2負圧吸引力情報を制御装置63へ送る。第2負圧吸引力情報は、挿入部吸引装置55の動作情報等から取得することができる。なお、制御装置63と挿入部吸引装置55との接続方式は特に限定されず、周知の無線接続方式を用いてもよい。
制御装置63は、操作パネル65や各センサ56,57,59から入力される信号、及び挿入部吸引装置55から入力される第2負圧吸引力情報に基づいて、通電装置44、補助具吸引装置61、補助具変位装置62を統括的に制御して、補助具12の吸着・牽引処理を自動制御する。
挿入部吸引装置55は、基本的には上記第1実施形態の挿入部吸引装置16と同じであるが、第2吸引口42の負圧吸引力を「強」と「弱」の2段階に調整することができる。なお、負圧吸引力「強」は、管腔内壁を傷付けない程度の吸引力である。
また、挿入部吸引装置55には、前述の第2接触センサ58が接続している。第2接触センサ58は、第2吸引口42が側方管腔内壁に接触した時に、ON信号を挿入部吸引装置55へ出力する。この第2接触センサ58の検知結果は、第2吸引口42(挿入部先端部18cの側面)が側方管腔内壁に接触したか否かの判定に用いられる。
挿入部吸引装置55のCPU55a(第2吸引制御手段)は、第2接触センサ58、及び制御装置63から入力される牽引終了判定信号・第1負圧吸引力情報に基づいて、第2吸引口42の吸着処理(第2吸引口42の負圧吸引力)を自動制御する。
次に、図15(タイミングチャート)及び図16(フローチャート)を用いて、補助具コントローラ54による補助具12の吸着・牽引処理、及び挿入部吸引装置55による第2吸引口の吸着処理の自動制御について詳しく説明する。なお、S字結腸37内で挿入部先端部18cを前述の屈曲部37aまたは上行部37c(以下、目標腸壁という)を臨む位置まで進める手順については、第1実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。なお、図15の第2負圧吸引口の負圧吸引力、及び第2接触センサ58の出力信号は、太線と細線で表示されているが、最初の補助具12の吸着・牽引処理時が太線で表示し、2回目以降の吸着・牽引処理時が細線で表示している。
医師は、目標腸壁を臨む位置まで挿入部先端部18cを進めた後、補助具12を内視鏡11にセットする。具体的には、補助具変位装置62と鉗子入口26とをガイドチューブTで接続した後、操作パネル65で補助具12の吸着・牽引処理の開始指示(操作)を行う。この開始指示がなされると、制御装置63は、補助具変位装置62の搬送モータ68を正転させて、補助具12の送出を開始する。これにより、補助具先端部12aがガイドチューブT及び鉗子入口26を経て、鉗子チャンネル21内に挿通される。また、この時には、挿入部吸引装置55は待機状態になっており、第2吸引口42からの空気の吸引は停止している。
補助具先端部12aが鉗子出口35まで達すると、補助具検知センサ59から制御装置63へON信号が出力される。このON信号が制御装置63に入力すると、判定回路73は、補助具先端部12aの突出量を0にリセットした後、この突出量の算出を開始する。制御装置63は、判定回路73の算出結果に基づき、補助具先端部12aが鉗子出口35から突出したと判定した後、通電装置44を動作させて、第1吸引口39をラッパ形状に変形させる(図中「t1」)。
次いで、制御装置63は、補助具吸引装置61を動作させて、第1吸引口39に「弱」の負圧吸引力を発生させる。また、制御装置63は、補助具吸引装置61が動作している間、LANI/F74を介して前述の第1負圧吸引力情報を挿入部吸引装置55へ所定時間間隔で送る。
補助具変位装置62による補助具12の送出処理が引き続き行われ、補助具先端部12aが目標腸壁に当接すると、第1接触センサ56はON信号を制御装置63へ出力する(図中「t2」)。制御装置63は、第1接触センサ56からのON信号が入力すると、補助具変位装置62による送出処理を停止させる。これにより、更なる補助具12の送り出しが防止されるため、補助具先端部12aで腸壁が穿孔されてしまうことが防止される。
次いで、制御装置63は、補助具吸引装置61を制御して、第1吸引口39の負圧吸引力を「強」に変更する。これにより、吸引圧力検知センサ57で検知される負圧吸引力が「弱」から次第に高くなる。そして、吸引圧力検知センサ57は、負圧吸引力の検知結果が「強」に達した時に、ON信号を制御装置63へ出力する(図中「t3」)。
制御装置63は、吸引圧力検知センサ57からのON信号が入力した後、つまり、第1吸引口39が目標腸壁に完全に吸着して、補助具先端部12aが目標腸壁に固定された後、搬送モータ68を逆転させる。これにより、補助具先端部12a及び目標腸壁が一体に牽引される。補助具12の牽引が開始されると、判定回路73で算出される補助具12の突出量が減少する。そして、判定回路73は、算出した突出量が目標突出量に到達した時に、補助具先端部12aが第2位置まで牽引されたと判定し、牽引終了判定信号(ON信号)を出力する(図中「t4」)。
制御装置63は、判定回路73から牽引終了判定信号が出力された時に、搬送モータ68の逆転(牽引処理)を停止させる。これにより、前述の第1実施形態で説明したように、挿入部18を目標腸壁の近傍まで移動(第1実施例)、或いは補助具先端部12aを目標腸壁と一体に挿入部先端部18cの近傍まで牽引(第2実施例)することができる。
また、制御装置63は、LANI/F74を介して牽引終了判定信号を挿入部吸引装置55へ送る。挿入部吸引装置55のCPU55aは、LANI/F76を介して制御装置63から牽引終了判定信号を受信した時に挿入部吸引装置55による空気の吸引を開始させて、第2吸引口42に「弱」の負圧吸引力を発生させる。また、CPU55aは、吸引を行っている間、LANI/F76を介して前述の第2負圧吸引力情報を制御装置63へ所定時間間隔で送る。
制御装置63は、前述の牽引処理が停止した後、補助具コントローラ54のモニタ(図示せず)等に、補助具12の吸着・牽引処理が終了した旨を表示させる。この終了表示を確認した医師は、挿入部18の引き込み操作を行う。この引き込み操作により、前述したように、S字結腸37が縮められて略直線化される。この際に、挿入部先端部18cの側面(第2吸引口42)が前述の側方腸壁37bに接触すると、第2接触センサ58が挿入部吸引装置55へON信号を出力する(図中「t5」)。
CPU55aは、第2接触センサ58からのON信号が入力すると、挿入部吸引装置55を制御して、第2吸引口42に「強」の負圧吸引力を発生させる。これにより、第2吸引口42が側方腸壁37bに完全に吸着して、挿入部先端部18cが側方腸壁37bに固定されることで、S字結腸37内での挿入部先端部18cの相対位置が固定される。なお、第2吸引口42にも第1吸引口39と同様に吸引圧力検知センサ57を設けて、負圧吸引力が「強」に達したか否かを検知するようにしてもよい。
制御装置63は、挿入部吸引装置55から入力される第2負圧吸引力情報に基づき、第2吸引口42の負圧吸引力が「強」に変更されたと判断した時に、補助具吸引装置61の作動を停止させて、第1吸引口39からの空気の吸引を停止させる(図中「t6」)。これにより、第1吸引口39の吸着が解除されるため、補助具12の吸着・牽引処理を再度行うことができる。
医師は、引き続き補助具12を使用して挿入部先端部18cを奥に進める場合には、モニタ映像を見ながらアングルノブ25の操作等を適宜行って、補助具先端部12aの前面を新たな目標腸壁に向ける。次いで、医師が、操作パネル65で補助具12の吸着・牽引処理の開始指示を行うと、前述の補助具12の送出、第1吸引口39の吸着が行われる。
CPU55aは、制御装置63からの第1負圧吸引力情報に基づき、第1吸引口39の負圧吸引力が「強」に変更されたと判断した時(図中「t3」に、挿入部吸引装置55の動作を停止して第2吸引口42からの空気の吸引を停止させる(図15の細線で表示、図16では図示を省略)。これにより、第2吸引口42の吸着(挿入部先端部18cの固定)が解除されるため、補助具12の牽引を行うことができる。以下同様にして、補助具12の牽引、挿入部18の引き込み操作、第2吸引口42の吸着、第1吸引口39の吸着解除が行われて、挿入部先端部18cがさらに奥に進められる。
医師は、補助具12を使用しない場合(例えば、挿入部先端部18cを下行結腸50等の固定腸内に挿入した場合)には、操作パネル65で補助具先端部12aの格納開始指示を行う。この指示がなされると、制御装置63は、通電装置44の動作を停止させて、第1吸引口39を閉じ形状に変形させる。次いで、制御装置63は、判定回路73で算出される補助具12の突出量が「0」(補助具検知センサ59がOFF)になるまで、搬送モータ68を逆転させて、補助具先端部12a及び第1吸引口39を鉗子出口35内に格納させる。
挿入部18を複雑に屈曲した管腔内に挿入したときは、上述の各処理・各操作を繰り返し実行することで、前述の第1実施形態と同様に、挿入部先端部18cを管腔内の目的ポイントまで到達させることができる。そして、医師は、挿入部先端部18cを目的ポイントまで到達させた後、補助具12及びガイドチューブTを内視鏡11から手動で取り外す。
以上のように本発明の第2実施形態の内視鏡装置53では、第1実施形態で医師が手動で行っていた補助具12の吸着・牽引処理、及び第2吸引口42の吸着処理を自動で行うことができるので、医師の負担を大幅に減らすことができる。
次に、図17を用いて本発明の第3実施形態の内視鏡装置79について説明を行う。内視鏡装置79は、前述の第2実施形態と同様に、補助具12の吸着・牽引処理、及び第2吸引口42の吸着処理を自動制御する。ただし、第3実施形態では、内視鏡装置79の内視鏡11の内部に、鉗子チャンネル21、吸引チャンネル22の他に補助具挿通用の補助具チャンネル80が設けられている。補助具12は、補助具チャンネル80内にスライド自在に常時挿通しており、内視鏡11と一体化している。なお補助具12は、例えば内視鏡11の洗浄・消毒・滅菌(リプロセス処理)を行う時などは、内視鏡11から取り外すことができる。
補助具12の吸着・牽引処理の自動制御は、第2実施形態で説明したように補助具コントローラ54により行われる。補助具コントローラ54は、前述の弛み防止用のガイドチューブTを介して内視鏡11の操作部19に接続している。補助具12は、ガイドチューブT及び補助具チャンネル80内を挿通している。
図18(A)に示すように、補助具コントローラ54は、補助具12の吸着・牽引処理を行わない時、或いは補助具12の格納操作が成された時は、第1吸引口39を閉じ形状に変形させるとともに、補助具先端部12a及び第1吸引口39を補助具チャンネル80の補助具出口(補助具専用口)80a内に格納する。
補助具出口80aには、前述の第2実施形態で説明した補助具検知センサ59が設けられており、補助具コントローラ54の判定回路73は、前述の第2実施形態と同様にして補助具出口80aからの補助具先端部12aの突出量を求める。そして、補助具コントローラ54は、補助具先端部12aを補助具出口80a内に格納する際には、判定回路73で算出される補助具12の突出量が「0」(補助具検知センサ59がOFF)になるまで補助具12の牽引を行う。
図18(B)に示すように、補助具コントローラ54は、補助具12の吸着・牽引処理の開始操作がなされた時は、補助具12の送出を開始するとともに、その補助具先端部12aが補助具出口80aから突出した後、第1吸引口39をラッパ形状に変形させる。これ以降の処理は、上記第2実施形態で説明した補助具12の吸着・牽引処理、及び第2吸引口42の吸着処理(図15及び図16)と基本的に同じであるので、説明は省略する。
以上のように本発明の第3実施形態は、前述の第2実施形態と同様に補助具12の吸着・牽引処理を自動で行うことができるので、医師の負担を大幅に減らすことができる。また、鉗子チャンネル21が補助具12で塞がらないので、補助具12を抜いてから処置具を鉗子チャンネル21に挿通する手間が省ける。
上記各実施形態では、第1吸引口39が閉じ形状に変形されたときにその一部がタック状に折り畳まれる場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図19(A),(B)に示すように、第1吸引口39aの閉じ形状が略円筒形状であってもよい。この場合には、第1吸引口39aがラッパ形状に弾性変形し易いように、この第1吸引口39aを変形容易な素材(例えばゴム)で形成する。また、図20(A),(B)に示すように、第1吸引口39bの閉じ形状が先細り形状(朝顔のつぼみ形状)になるように、この第1吸引口39bを捩って折り畳むようにしてもよい。各第1吸引口39a,39bは、前述のワイヤ40(図20では図示を省略)を通電加熱することでラッパ形状に変形する。
上記各実施形態では、補助具先端部12aに第1吸引口39を設け、この第1吸引口39を第1前方管腔内壁に吸着させることで、補助具先端部12aを第1前方管腔内壁に固定する場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図21に示すように、補助具先端部12aに一対のフック(補助具固定手段)82を設け、このフック82で補助具先端部12aを第1前方管腔内壁に固定するようにしてもよい。
一対のフック82は、図示しないリンク機構等により嘴状に開閉自在であり、第1前方管腔内壁にフックする開き形状と、鉗子出口35(鉗子チャンネル21)内に格納可能な閉じ形状(点線)とに変形自在である。リンク機構には、例えば操作ワイヤと、フック82が常時閉じ形状になるようにリンク機構を付勢するバネとが接続されている(例えば、特許3331172号を参照)。この操作ワイヤを引き込み操作することで、リンク機構が作動してフック82が開き形状に変形し、操作ワイヤの引き込み操作を停止することで、バネの付勢力によりフック82が閉じ形状に変形する。
ここで、補助具先端部12aを第1前方管腔内壁に固定するためのフックは、図21に示した形状に限定されず、各種形状のフックを用いてよい。さらに、補助具先端部12aを第1前方管腔内壁に固定可能であれば、吸引口やフックの代わりに、周知のバルーン等の各種固定部材(補助具固定手段)を補助具先端部12aに設けてもよい。
なお、上記各実施形態では、挿入部先端部18cの側面に設けた第2吸引口42を側方管腔内壁に吸着させることで、管腔内での挿入部先端部18cの相対位置を固定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図22に示すように挿入部18に補助具チャンネル85を設け、この補助具チャンネル85内に挿入部固定用補助具(以下、単に固定用補助具という)86をスライド自在に挿通し、この固定用補助具86を用いて挿入部先端部18cの固定を行ってもよい。なお、補助具チャンネル85は、前述の第3実施形態の補助具チャンネル80と基本的に同じであるので説明は省略する。
固定用補助具86は、挿入部先端部18cの前面に設けた補助具チャンネル85の補助具出口(第2開口部)85aから出し入れ自在であり、基本的には前述の第3実施形態の補助具12と同じ構成である。ただし、この固定用補助具86の補助具先端部86aは、略90度屈曲した屈曲形状と、挿入部先端部18cの前面に対して垂直になり、補助具出口85a内に格納可能な格納形状とに変形自在である。この変形は、前述の第1吸引口39と同様に、形状記憶合金からなるワイヤ(図示せず)を用いて行われる。
補助具先端部86aには、第3吸引口87が設けられている。この第3吸引口87は、前述の第1吸引口39と同じものであり、ワイヤ40(図2参照)への通電・通電停止を切り替えることで、ラッパ形状と閉じ形状とに変形する。第3吸引口87は、負圧吸引力により、補助具出口85aの略前方に位置する管腔の内壁(以下、第2前方管腔内壁という)に吸着する。なお、補助具チャンネル85内には、第3吸引口87が第2前方管腔内壁に吸着している時に、挿入部18に対して固定用補助具86を固定する固定装置(図示せず)が設けられている。
補助具先端部86aの突出・格納・屈曲、及び第3吸引口87の開閉・吸引・吸引停止処理は、前述の第2及び第3実施形態の補助具コントローラ54とほほ同じ構成の固定用補助具コントローラ(図示せず)により制御される。なお、補助具12については、吸着・牽引処理を手動(第1実施形態)または自動(第2及び第3実施形態)で行う。
固定用補助具コントローラは、補助具先端部12aが第2位置まで牽引された時に、補助具先端部86aを補助具出口85aから突出させる。そして、固定用補助具コントローラは、補助具先端部86aを格納形状から屈曲形状に変形させるとともに、第3吸引口87をラッパ形状に変形させる。なお、補助具先端部86aが補助具出口85aから突出した時に、腸壁に穿孔が発生することを防止するため、第3吸引口87にも第1吸引口39と同様に接触センサが設けられている。
次いで、固定用補助具コントローラは、第3吸引口87に負圧吸引力を発生させて、この第3吸引口87を第2前方管腔内壁に相当するS字結腸37の腸壁37d(図23参照)に吸着させる。この際に、前述の第2実施形態で説明したように、第3吸引口87の負圧吸引力を2段階で調整するようにしてもよい。また、第3吸引口87の吸着後に、前述の固定装置を作動させて、挿入部18に対して固定用補助具86を固定する。これにより、S字結腸37内での挿入部先端部18cの相対位置を固定することができる。
図23に示すように、第3吸引口87が腸壁37dに吸着した後、補助具コントローラ54は第1吸引口39の吸着を解除する。固定用補助具86により挿入部先端部18cを固定しているので、前述の第1実施形態で説明したように、第1吸引口39の吸着解除後に、S字結腸37が元の形状・位置に復元して挿入部先端部18cの位置が相対的に後退することが防止される。
上記図22及び図23に示した実施形態では、補助具出口85aが挿入部先端部18cの前面に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、挿入部先端部18cの側面に設けられていてもよい。この場合には、例えば、挿入部18内で補助具チャンネル85の先端部を湾曲或いは屈曲すればよく、特に湾曲させた場合には補助具先端部86aを屈曲形状に変形させる必要がなくなる。
また、前述の第2吸引口42や第3吸引口87(固定用補助具86)を用いる代わりに、例えば、挿入部先端部18cまたは補助具先端部86aの側面にバルーンやフック等を設けて、管腔内での挿入部先端部18cの相対位置を解除可能に固定してもよい。
上記各実施形態では、形状記憶合金からなるワイヤ40を用いて、第1吸引口39(第3吸引口87も同様)をラッパ形状と閉じ形状とに変形させているが、本発明はこれに限定されず、周知の各種部材・各種方法を用いて第1吸引口39を変形させてもよい。また、上記各実施形態では、第1吸引口39をラッパ形状に変形させているが、本発明はこれに限定されず、第1前方管腔内壁に吸着し易い形状(例えば開口面積が拡がった形状)であれば特に限定はされない。
上記第2及び第3実施形態では、補助具12の送出・牽引を行う装置として、ダンサーローラ70を備える補助具変位装置62を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、補助具12の送出・牽引が可能な各種の補助具変位装置(補助具変位手段)を用いてもよい。
さらに、補助具変位装置や通電装置を小型化して、内視鏡11に内蔵させてもよい。また、補助具先端部12aに前述のフック82を設けている場合には、このフック82を作動させるフック作動装置を小型化して内視鏡11に内蔵させてもよい。補助具変位装置、通電装置またはフック作動装置を内視鏡11に内蔵可能であれば、補助具コントローラ54を内視鏡11と別体に設ける必要が無くなる。
上記第2及び第3実施形態では、判定回路73により補助具先端部12aが第2位置に到達したか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。補助具先端部12aが第2位置に到達したことを判定または検知可能であれば、各種判定回路または各種検知センサを判定回路73の代わりに設けてもよい。
上記第2及び第3実施形態では、第1吸引口39の負圧吸引力を「強」・「弱」の2段階に調整可能であるが、本発明はこれに限定されるものでは無く、3段階以上に調整可能、或いは第1実施形態と同様に複数段階に調整不可能であってもよい。
上記第2及び第3実施形態では、第1吸引口39に第1接触センサ56を設け、その検知結果に基づいて補助具先端部12aが第1位置に到達したか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、第1接触センサ56の代わりに近接センサ(例えば超音波センサ等)を設けて、補助具先端部が第1前方管腔内壁(目標腸壁)に近接する第1位置まで到達したか否かを判定してもよい。同様に、第2吸引口42に、第2接触センサ58の代わりに近接センサを設けてもよい。
上記第2及び第3実施形態では、操作パネル65で格納開始操作がなされた時に、補助具先端部12a及び第1吸引口39を鉗子出口35内に格納させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、補助具先端部12aが第2位置まで牽引された後、自動的に格納が行われるようにしてもよい。また、上記第1実施形態の通電スイッチ47及び吸引スイッチ48を1つのスイッチにまとめてもよく、このスイッチをONしたときに「ラッパ形状」・「吸引開始」、OFFしたときに「閉じ形状」・「吸引停止」にしてもよい。
上記各実施形態では、補助具コントローラ13,54がプロセッサ装置14と別体に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではく、両者が一体化されていてもよい。また、内視鏡11の操作ボタン等で、補助具コントローラ13,54の操作が行えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、補助具12に第1吸引口39やフック82等を設けた場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補助具12に、その補助具先端部12aの向きを自在に変えることができる湾曲部等を設けても良い。これにより、第1吸引口39を第1前方管腔内壁に吸着させた状態で補助具先端部12aを湾曲させることができるので、例えば観察し難い箇所をめくって観察し易くすることができる。
なお、特に上記第1実施形態の内視鏡装置10では、医師(術者)が補助具12を鉗子チャンネル21内に挿入する際に、内視鏡11の挿入部18を保持する介助者が必要となる。このため、例えば、内視鏡11の操作部19に首下げヒモ(図示せず)を取り付けておき、操作部19を首からぶら下げて保持することで、右手で挿入部18を保持しつつ、左手で補助具12の挿入を行うことができる。これにより、介助者無しで術者が1人で作業することができる。
第1実施形態の内視鏡装置の概略図である。 補助具及び吸引口の斜視図であり、吸引口を閉じ形状(A)及びラッパ形状(B)に変形させた状態を示している。 第2吸引口の断面図である。 S字結腸内で挿入部先端部を奥へ進める処理手順の第1実施例を説明するための説明図であり、S字結腸の屈曲部を臨む位置まで挿入部先端部を進めた状態を示している。 補助具先端部を屈曲部の腸壁に当接させた後、この補助具先端部を腸壁に固定することを説明するための説明図である。 補助具の牽引操作により、挿入部が補助具先端部に向かって移動することを説明するための説明図である。 補助具の牽引操作後に行われる挿入部の引き込み操作を説明するための説明図である。 補助具先端部の固定を解除する前に、S字結腸内での挿入部先端部の相対位置を固定することを説明するための説明図である。 S字結腸内で挿入部先端部を奥へ進める処理手順の第2実施例を説明するための説明図であり、S字結腸の上行部を臨む位置まで挿入部先端部を進めた後、補助具先端部を上行部の腸壁に向かって押し出している状態を示している。 補助具の牽引操作により、補助具先端部及び上行部を挿入部先端部に向かって牽引している状態を説明するための説明図である。 挿入部の引き込み操作により、S字結腸が略直線化されることを説明するための説明図である。 補助具先端部の固定を解除する前に、S字結腸内での挿入部先端部の相対位置を固定することを説明するための説明図である。 第2実施形態の内視鏡装置の概略図である。 内視鏡装置の電気的構成を示すブロック図である。 補助具の吸着・牽引処理時、及び第2吸引口の吸着処理時における補助具コントローラ、挿入部吸引装置の動作を示すタイミングチャートである。 補助具の吸着・牽引処理及び第2吸引口の吸着処理の処理手順を示したフローチャートである。 第3実施形態の内視鏡装置の概略図である。 鉗子出口とは別の補助具出口から出し入れ自在な補助具及び吸引口の斜視図であり、補助具先端部及び吸引口を補助具出口内に格納した状態(A)、補助具出口から突出させた状態(B)を示している。 閉じ形状が略円筒形状になる他実施形態の吸引口の側面図及び正面図である。 閉じ形状が先細り形状になる他実施形態の吸引口の側面図及び正面図である。 補助具先端部にフックを設けた他実施形態の補助具の側面図である。 挿入部固定用補助具の斜視図である。 挿入部固定用補助具を用いて、S字結腸内で挿入部先端部の相対位置を固定することを説明するための説明図である。
符号の説明
10,53,79 内視鏡装置
11 内視鏡
12 内視鏡用補助具
12a,86a 補助具先端部
13,54 補助具コントローラ
16,55 挿入部吸引装置
18 挿入部
18c 挿入部先端部
35 鉗子出口
37 S字結腸
39,39a,39b 第1吸引口
42 第2吸引口
44 通電装置
45,61 補助具吸引装置
55a CPU
62 補助具変位装置
63 制御装置
80a,85a 補助具出口
82 フック
86 挿入部固定用補助具
87 第3吸引口

Claims (14)

  1. 管腔内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡の挿入部先端部に設けた第1開口部から出し入れ自在な内視鏡用補助具とを備える内視鏡装置において、
    前記内視鏡用補助具の補助具先端部は、前記第1開口部の前方に位置する第1前方管腔内壁に当接または近接する第1位置と、前記第1開口部の手前に位置する第2位置とに変位自在であり、
    前記補助具先端部に設けられ、前記補助具先端部が前記第1位置に変位した時に、前記補助具先端部を前記第1前方管腔内壁に固定するとともに、この固定後に、前記補助具先端部が前記第1前方管腔内壁と一体に前記第1位置から前記第2位置に変位した後で、当該固定を解除する補助具固定手段と、
    前記内視鏡に設けられ、前記補助具先端部が前記第1位置から前記第2位置に変位した後で、且つ前記補助具先端部の固定が解除される前に、前記管腔内での前記挿入部先端部の相対位置を解除可能に固定する挿入部固定手段とを備えることを特徴とする内視鏡装置。
  2. 前記第1開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
  3. 前記第1開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口とは異なる補助具専用口であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
  4. 前記内視鏡用補助具の前記第1開口部からの送出動作及び前記第1開口部内への牽引動作を行って、前記補助具先端部を前記第1位置と前記第2位置とに変位させる補助具変位手段と、
    前記送出動作の開始指示に応じて、前記補助具先端部が前記第1位置に変位するとともに、前記補助具先端部の固定後に、前記補助具先端部が前記第2位置に変位するように、前記補助具変位手段を制御する変位制御手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡装置。
  5. 前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する第1検知手段を備え、
    前記変位制御手段は、前記第1検知手段の検知結果に基づき、前記送出動作時に前記補助具先端部が前記第1位置に到達したときに前記送出動作を停止させることを特徴とする請求項4記載の内視鏡装置。
  6. 前記変位制御手段は、前記補助具先端部の格納開始指示に応じて前記補助具変位手段に前記牽引動作を行わせ、前記補助具先端部を前記第1開口部内に格納させることを特徴とする請求項4または5記載の内視鏡装置。
  7. 前記補助具固定手段は、負圧吸引力により前記第1前方管腔内壁に吸着する第1吸引口であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡装置。
  8. 前記第1吸引口は、略ラッパ状に拡開したラッパ形状と、前記ラッパ形状よりも開口面積が小さくなり、前記第1開口部内に格納可能な閉じ形状とに変形自在であることを特徴とする請求項7記載の内視鏡装置。
  9. 前記第1吸引口に前記負圧吸引力を発生させるとともに、前記負圧吸引力を少なくとも2段階に調整可能な第1吸引手段と、
    前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する第1検知手段と、
    前記第1検知手段の検知結果に基づき、前記第1位置に向けて変位する前記補助具先端部が前記第1位置に到達するまでは前記負圧吸引力が弱くなり、前記第1位置に到達した時に前記負圧吸引力が強くなるように、前記第1吸引手段を制御する第1吸引制御手段とを備えることを特徴とする請求項7または8記載の内視鏡装置。
  10. 前記補助具固定手段はフックであることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡装置。
  11. 前記挿入部固定手段は、前記挿入部先端部の固定後に、再度、前記補助具先端部が前記第2位置から前記第1位置に変位して前記補助具固定手段により前記第1前方管腔内壁に固定された時に、前記挿入部先端部の固定を解除することを特徴とする請求項1ないし10いずれか1項記載の内視鏡装置。
  12. 前記挿入部固定手段は、前記挿入部先端部の側面に設けられ、負圧吸引力により前記挿入部先端部の側方に位置する側方管腔内壁に吸着する第2吸引口であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項記載の内視鏡装置。
  13. 前記第2吸引口に前記負圧吸引力を発生させるとともに、前記負圧吸引力を少なくとも2段階に調整可能な第2吸引手段と、
    前記第2吸引口が前記側方管腔内壁に当接または近接したことを検知する第2検知手段と、
    前記補助具先端部が前記第1位置から前記第2位置に変位した後、前記第2検知手段により検知がなされるまでは前記負圧吸引力が弱くなり、前記第2検知手段により検知がなされた時に前記負圧吸引力が強くなるように、前記第2吸引手段を制御する第2吸引制御手段とを備えることを特徴とする請求項12記載の内視鏡装置。
  14. 前記挿入部先端部には、前記第1開口部とは別に第2開口部が設けられており、
    前記挿入部固定手段は、前記第2開口部から出し入れ自在に設けられ、前記第2開口部からその前方に突出した時に、負圧吸引力により前記第2開口部の略前方に位置する第2前方管腔内壁に吸着する挿入部固定用補助具であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項記載の内視鏡装置。
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