JP2010004942A - 内視鏡用補助具及びその制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑に屈曲した管腔内でも内視鏡の挿入部を容易に奥へ進める。
【解決手段】内視鏡11の鉗子チャンネル21に挿通され、その鉗子出口18から出し入れ自在な内視鏡用補助具(補助具)12を設ける。補助具先端部12aに吸引口30を設ける。内視鏡11の挿入部14を管腔内に挿入した後、補助具12の送出操作を行って、補助具先端部12aを鉗子出口18の前方に位置する管腔内壁(前方管腔内壁)に当接させる。補助具先端部12aが前方管腔内壁に当接したときに、吸引口30に負圧吸引力を発生させ、この吸引口30を前方管腔内壁に吸着させる。補助具12の牽引操作を行って、補助具先端部12a(前方管腔内壁)と挿入部14との距離を縮める。複雑に屈曲した管腔内でも内視鏡の挿入部を容易に奥へ進めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内視鏡の挿入部先端部の開口部から出し入れ自在な内視鏡用補助具及びその制御装置に関するものである。
従来から、医療分野において、大腸や小腸のような管腔臓器の屈曲した管腔(管路)内に内視鏡の挿入部を挿入して、管腔内壁面の観察や診断、治療を施すことが行われている。この場合、管腔が例えば複雑に屈曲したS字結腸であると、このS字結腸に挿入された挿入部は略円弧状(半ループ状)に湾曲する(図3参照)。このように挿入部が湾曲すると、医師が手元で挿入部の押し出し操作を行った際に、S字結腸は比較的自由に動くため、S字結腸が挿入部先端部の進行方向とは逆の方向(押し出し方向)に変形して、挿入部先端部がS字結腸内で相対的に後退するおそれがある。
また、医師が挿入部の引き込み操作を行った場合には、挿入部全体がS字結腸内で進行方向とは逆の方向にスライドして、同様に挿入部先端部が後退するおそれがある。このため、S字結腸内で挿入部先端部を奥へ進めるためには、手技に熟練度が要求されていた。従って、S字結腸のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部を容易に奥へ進めることができる内視鏡が求められていた。
特許文献1には、挿入部先端部に吸引具を装着した内視鏡が記載されている。特許文献1では、挿入部先端部をS字結腸内まで進めた後、吸引具の側面に設けられた吸引口から吸引を開始して、この吸引具をS字結腸の腸壁に吸着させる。次いで、医師が挿入部の引き込み操作を行うと、S字結腸が医師の手元側に手繰り寄せられて蛇腹状に縮められる。これにより、S字結腸が略直線化されるので、挿入部先端部をさらに奥に進めることができる。
特許文献2には、挿入部をS字結腸内などに挿入するための挿入補助具が記載されている。挿入補助具は、基筒と、この基筒に対して回転自在に接続した副筒とから構成されており、両筒は挿入部を挿通自在に内嵌している。副筒の先端部の周面には、螺旋状の吸気口及び突起が形成されている。特許文献2では、副筒をS字結腸内に挿入した後、吸気口から吸引を開始して、この吸気口を腸壁に吸着させる。次いで、略雄ネジ形状の副筒を回転させることで、吸着した腸が手元側に引き寄せられるため、挿入部先端部を相対的に奥に進めることができる。
また、特許文献1及び2の内視鏡以外にも、例えばダブルバルーン内視鏡が知られている。ダブルバルーン内視鏡には、挿入部先端部と、挿入部を覆うオーバーチューブの先端部とにそれぞれバルーンが設けられている。ダブルバルーン内視鏡は、各バルーンを交互に膨らませて、挿入部先端部又はチューブ先端部を交互にS字結腸の腸壁に固定するとともに、非固定側の挿入部先端部又はチューブ先端部を奥へ進める操作を繰り返すことで、挿入部先端部をさらに奥に進めることができる。
特開2002−125921号公報 特開平1−227737号公報
特許文献1のように挿入部先端部に吸引具を装着していると、挿入部先端部の直径が太くなるため、挿入部先端部を管腔の奥へ進め難くなるという問題が発生する。また、吸引具の側面に吸引口が設けられていると、吸引具の吸着状態が見づらくなるという問題も発生する。また、特許文献2では、挿入補助具の副筒をS字結腸内に挿入する必要があるが、この副筒の直径は挿入部先端部の直径よりも大きくなるため、副筒を管腔の奥へ進め難くなるという問題が発生する。また、吸気口は副筒の周面に形成されているので、特許文献1と同様に、副筒の吸着状態が見づらくなるという問題が発生する。
また、ダブルバルーン内視鏡では、挿入部先端部を奥へ進めるための操作として前述の押し出し操作が行われる。この押し出し操作により管腔に力が加えられるため、S字結腸を例示して説明したように、管腔が挿入部先端部の進行方向とは逆の方向に変形して、挿入部先端部を奥に進めることができない場合がある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、S字結腸のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部(挿入部先端部)を容易に奥へ進めることが可能な内視鏡用補助具及びその制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、管腔内に挿入される内視鏡の挿入部先端部に設けた開口部から出し入れ自在な内視鏡用補助具において、補助具先端部は、前記開口部の前方に位置する管腔内壁に当接または近接する第1位置と、前記開口部の手前に位置する第2位置とに変位自在であり、前記補助具先端部に、この前記補助具先端部が前記第1位置に変位した時に、前記補助具先端部を前記管腔内壁に固定するとともに、この固定後に前記補助具先端部が前記管腔内壁と一体に前記第1位置から前記第2位置に変位した時に、前記固定を解除する補助具固定手段を設けたことを特徴とする。
前記開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口であることが好ましい。
前記開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口とは異なる補助具専用口であることが好ましい。
前記補助具固定手段は、前記開口部内に格納可能であることが好ましい。
前記補助具固定手段は、負圧吸引力により前記管腔内壁に吸着する吸引口であることが好ましい。
前記吸引口は、略ラッパ状に拡開したラッパ形状と、前記ラッパ形状よりも開口面積が小さくなり、前記開口部内に格納可能な閉じ形状とに変形自在であることが好ましい。
前記補助具固定手段はフックであることが好ましい。
また、本発明の内視鏡用補助具の制御装置は、請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡用補助具と、前記内視鏡補助具の前記開口部からの送出動作及び前記開口部内への牽引動作を行って、前記補助具先端部を前記第1位置と前記第2位置とに変位させる補助具変位手段と、前記送出動作の開始指示に応じて、前記補助具先端部が前記第1位置に変位するとともに、前記固定後に、前記補助具先端部が前記第2位置に変位するように、前記補助具変位手段を制御する変位制御手段とを備えることを特徴とする。補助具の押し出し及び牽引を自動で行うことができるので、医師の負担を減らすことができる。
前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する検知手段を備え、前記変位制御手段は、前記検知手段の検知結果に基づき、前記送出動作時に前記補助具先端部が前記第1位置に到達したときは前記送出動作を停止させることが好ましい。これにより、補助具先端部が管腔内壁を突き破って管腔内壁に穿孔があくという医療ミスを防止することができる。
前記変位制御手段は、前記補助具先端部の格納開始指示に応じて前記補助具変位手段に前記引き込み動作を行わせ、前記補助具先端部を前記開口部内に格納させることが好ましい。
前記補助具固定手段が前記吸引口である場合、前記吸引口に前記負圧吸引力を発生させるとともに、前記負圧吸引力を少なくとも2段階に調整可能な吸引手段と、前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づき、前記送出動作時に、前記補助具先端部が前記第1位置に到達するまでは前記負圧吸引力が弱くなり、前記補助具先端部が前記第1位置に到達した時に前記負圧吸引力が強くなるように、前記吸引手段を制御する吸引制御手段とを備えることが好ましい。
本発明は、挿入部先端部の開口部の前方に位置する管腔内壁に補助具先端部を固定した後、この補助具先端部を開口部の手前に変位するようにしたので、挿入部の押し出し操作を行うことなく、挿入部先端部とその前方に位置する管腔内壁との距離を縮めることができる。その結果、S字結腸のような複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部を容易に奥へ進めることができる。さらに、従来のように挿入部先端部に吸引具を装着したり、挿入部を挿入補助具に挿通したり必要がなくなるので、太径の挿入部や挿入補助具を管腔内に挿入する必要が無くなり、挿入部先端部を容易に奥へ進めることができる。
図1に示すように、内視鏡装置10は、内視鏡11と、各種弾性体で形成された細長管状の内視鏡用補助具(以下、単に補助具という)12と、補助具コントローラ13とから構成される。内視鏡11は、小腸、大腸等の管腔内に挿入される挿入部14と、内視鏡11の把持及び挿入部14の操作に用いられる操作部15とを備えている。
挿入部14は、可撓性を有する棒状体であり、根元側から可撓管14a、湾曲部14b、挿入部先端部14cを備えている。可撓管14aは、挿入部14の大半を占める長さを有している。湾曲部14bは、操作部15で操作することにより先端側の向きが自在に変えられる。
図2(A),(B)に示すように、挿入部先端部14cには、観察窓17、鉗子出口(開口部)18、照明窓19、送気・送水用ノズル20が設けられている。観察窓17の後方には、撮像部(図示せず)が配置されている。鉗子出口18は、鉗子チャンネル21(図1参照)の出口側開口部である。照明窓19の後方には、照明部(図示せず)が設けられている。送気・送水用ノズル20からは、空気や水等が管腔内及び観察窓17に供給される。
図1に戻って、挿入部14の内部には、鉗子チャンネル21、及び空気や水が流れる送気・送水チャンネル(図示せず)等が設けられている。鉗子チャンネル21は、柔軟性、防水性を有するチューブであり、患者の治療に用いられる鉗子や注射針等の処置具(図示せず)、及び補助具12などが挿通される。
操作部15は、アングルノブ23、鉗子入口24を備えている。アングルノブ23は、湾曲部14bの湾曲方向及び湾曲量を調整する際に回転操作される。鉗子入口24は、鉗子チャンネル21の入口側開口部である。補助具12等は、鉗子入口24から鉗子チャンネル21に挿通される。また、操作部15には、送気・送水や吸引等の各種の操作に用いられる操作ボタン25が設けられている。
操作部15に接続されたユニバーサルコード26には、送気・送水チャンネルと、撮像部及び照明部の配線とが組み込まれている。このユニバーサルコード26の先端部には、コネクタ部27が設けられている。このコネクタ部27は、照明部の光源である図示しない光源装置に接続する。また、コネクタ部27から、図示しないビデオプロセッサに接続するコネクタ部27aが分岐している。
図2(A),(B)に示すように、補助具12は、その直径が鉗子出口18(鉗子チャンネル21、鉗子入口24)の直径よりも細く形成されており、鉗子チャンネル21内にスライド自在に挿通される。この補助具12は、その補助具先端部12aが鉗子出口18の前方に位置する管腔内壁(以下、単に前方管腔内壁という)に着脱可能に吸着する吸着補助具である。本発明では、補助具12を鉗子出口18から突出させて前方管腔内壁に吸着させることで、前述の挿入部先端部14cをS字結腸29(図3〜図8参照)のような複雑に屈曲した管腔内で相対的に進める。
補助具12は、医師の手元での送出操作(鉗子出口18から補助具12を送り出す操作)、及び牽引操作(鉗子出口18内に補助具12を牽引する操作)により鉗子出口18から出し入れ自在である。これにより、補助具先端部12aは、前方管腔内壁に当接する第1位置(図4参照)と、鉗子出口18の手前に位置する第2位置(図5参照)とに変位自在である。
補助具先端部12aには、負圧吸引力により前方管腔内壁に吸着する吸引口30が設けられている。吸引口30は、略ラッパ状(吸盤状)に拡開したラッパ形状[(B)参照]と、ラッパ形状よりも開口面積が小さくなり、その一部がタック状に折り畳まれることで補助具先端部12aと同じ外径となり、鉗子出口18(鉗子チャンネル21)内に格納可能な閉じ形状[(A)参照]とに変形自在な弾性体である。
吸引口30の変形は、その内部に設けられた複数のワイヤ31[(B)では図示を省略]を用いて行われる。各ワイヤ31は、通電加熱により弓状に湾曲して吸引口30をラッパ形状に変形させる形状記憶合金である。そして、各ワイヤ31への通電を停止すると、各ワイヤ31は温度が下がって任意の形状に変形自在となるので、吸引口30(弾性体製)は自身の弾性復元力で元の閉じ形状に復元する。この際に、各ワイヤ31の温度が下がるのに時間がかかり、吸引口30の復元が遅い場合にはペルチェ素子等の各種冷却手段でワイヤ31の温度を強制的に下げてもよい。
図1に戻って、補助具後端部12bは、補助具コントローラ13に接続している。また、前述の各ワイヤ31の後端部は、補助具12内を通って補助具コントローラ13に接続している。この補助具コントローラ13は、ワイヤ31への通電(吸引口30の変形)を制御する通電装置33と、吸引口30からのエアの吸引(負圧吸引力の発生)を制御する吸引装置(吸引手段)34とから構成されている。
通電装置33には、各ワイヤ31への通電が可能な各種電源装置が用いられる。この通電装置33は、各ワイヤ31への通電・通電停止を切り替えることで、吸引口30をラッパ形状と閉じ形状とに変形させる。各ワイヤ31への通電・通電停止は、医師が補助具コントローラ13の通電スイッチ36をON・OFFすることにより切り替えられる。
補助具先端部12aを鉗子チャンネル21内に挿通する時、或いは鉗子チャンネル21内に格納する時は、通電スイッチ36をOFFして吸引口30を閉じ形状に変形させる。また、補助具先端部12aが鉗子出口18から突出している時は、通電スイッチ36をONして吸引口30をラッパ形状に変形させる。なお、補助具先端部12aが鉗子出口18から突出しているか否かは、挿入部先端部14cの撮像部(図示せず)による撮影画像、つまり、ビデオプロセッサのモニタで確認することができる。
吸引装置34には、例えば真空ポンプ等の周知の吸引装置が用いられる。この吸引装置34は、補助具後端部12bから補助具12内のエアを吸引することで、吸引口30に負圧吸引力を発生させる。吸引装置34によるエアの吸引・吸引停止は、医師が補助具コントローラ13の吸引スイッチ37をON・OFFすることで切り替えられる。
補助具先端部12aが第1位置にあるときに吸引スイッチ37をONすると、吸引口30が前方管腔内壁に吸着する。これにより、補助具先端部12aが前方管腔内壁に固定されるので、両者を一体に変位させることができる。この吸着(固定)は、吸引スイッチ37をOFFすることで解除される。なお、吸引口30の負圧吸引力は、管腔内壁を傷付けない程度の力に抑えられている。
次に、図3〜図8を用いて、上記のように構成された補助具12により、S字結腸29内で挿入部先端部14cを進める処理手順の第1実施例及び第2実施例について説明する。なお、各図中の符号39は下行結腸である。S字結腸29及び下行結腸39は共に大腸の一部を構成しており、その形状、体腔内での位置等は周知であるので、ここでは説明を省略する。
[第1実施例]
図3に示すように、医師は、内視鏡11の挿入部14を患者の肛門(図示せず)から挿入した後、この挿入部14の押し出し操作を行う。これにより、挿入部14が直腸(図示せず)を経てS字結腸29内に挿入される。医師が更に押し出し操作を行うと、挿入部14は、S字結腸29の腸壁に沿って湾曲するとともに、その挿入部先端部14cが下行結腸39側の屈曲部29a(S字結腸29と下行結腸39の移行部)を臨む位置まで進む。
医師は、ビデオプロセッサのモニタの映像(以下、モニタ映像という)から、挿入部先端部14cが屈曲部29aを臨む位置まで進んだことを確認した後、補助具12を鉗子入口24から鉗子チャンネル21内に挿入する。この時、通電・吸引スイッチ36,37は共にOFFされており、吸引口30は閉じ形状で且つ吸引を停止している。医師は、モニタ映像により補助具先端部12aが鉗子出口18から突出したことが確認されるまで、補助具12の送出操作を行う。
医師は、補助具先端部12aが鉗子出口18から突出したことを確認した後、通電スイッチ36をONする。これにより、通電装置33により各ワイヤ31が通電加熱されて湾曲し、吸引口30が閉じ形状からラッパ形状に変形する。次いで、医師は、モニタ映像を見ながら補助具12の送出操作を行って、補助具先端部12a(吸引口30)を屈曲部29aの腸壁(前方管腔内壁)に当接または近接する第1位置まで進める。
図4に示すように、医師は、補助具先端部12aが第1位置まで進んだ時に、補助具12の送出操作を停止する。次いで、医師は、吸引スイッチ37をONする。これにより、吸引装置34による吸引が開始されて吸引口30に負圧吸引力が発生し、吸引口30が屈曲部29aの腸壁に吸着して、この腸壁に補助具先端部12aが固定される。この吸引口30の吸着作業は、挿入部先端部14cの前方、すなわち、内視鏡11の視野範囲内で行われるので、吸着作業や吸引口30の吸着状態が見易くなる。医師は、吸引口30の吸着位置や吸着状態が意に沿わない場合には、上述の吸着操作をやり直す。
図5に示すように、医師は、吸引口30の吸着後に、モニタ映像を見ながら補助具12の牽引操作を行って、補助具12を鉗子チャンネル21内に引き込むことで、補助具先端部12aを鉗子出口18の手前に位置する第2位置まで戻す。S字結腸29は体腔内に固定されていない自由腸であるのに対して、下行結腸39は体腔内に固定された固定腸である。このため、屈曲部29aは、下行結腸39によりほぼ固定されている。従って、補助具12の牽引操作を行うと、挿入部14が補助具先端部12aに向かって移動する。これにより、挿入部先端部14cを屈曲部29aまで進めることができる。
医師は、挿入部先端部14cを屈曲部29aまで進めた後、吸引スイッチ37をOFFして、吸引口30による吸着(補助具先端部12aの固定)を解除する。次いで、医師は、通電スイッチ36をOFFして、吸引口30を閉じ形状に変形させる。医師は、吸引口30を閉じ形状に変形させた後、補助具12の牽引操作を行って、挿入部先端部14cを鉗子チャンネル21(鉗子出口18)内に格納する。そして、医師は、操作部15を操作して挿入部14の湾曲部14bを屈曲させたり、再度補助具12を用いるなどして、挿入部先端部14cを下行結腸39内に挿入させる。
[第2実施例]
図6に示すように、第2実施例は、内視鏡11の挿入部14をS字結腸29内に挿入するまでは第1実施例と同じである。ただし、第2実施例では、挿入部先端部14cがS字結腸29の上行部29b(屈曲部29aから略上方向に延びた部分)を臨む位置まで達した時に、挿入部14の押し出し操作が停止される。
医師は、第1実施例と同様に、補助具12を鉗子チャンネル21内へ挿通し、補助具先端部12aを鉗子出口18から突出させた後、吸引口30をラッパ形状に変形させる。次いで、医師は、補助具12の送出操作を行って、補助具先端部12aを上行部29bの腸壁に当接または近接する第1位置まで進める。
医師は、補助具先端部12aが第1位置まで進んだことをモニタ映像で確認した時に、補助具12の送出操作を停止するとともに、吸引スイッチ37をONする。これにより、吸引口30が上行部29bの腸壁に吸着して、補助具先端部12aが上行部29bの腸壁に固定される。
次いで、図7に示すように、医師は、モニタ映像を見ながら補助具12の牽引操作を行って、補助具先端部12aを前述の第2位置まで牽引する。前述したようにS字結腸29は自由腸であるので、上行部29bが補助具先端部12aと一体に第2位置まで牽引される。これにより、S字結腸29内で挿入部先端部14cを上行部29bまで相対的に進めることができる。また、上行部29bが挿入部先端部14cの近傍まで手繰り寄せられるため、S字結腸29の全体の屈曲度合いが小さくなる。さらに、屈曲部29aの角度が大きくなるため、挿入部先端部14cを下行結腸39内に挿入させ易くなる。
図8に示すように、医師は、補助具12の牽引操作が完了した後、吸引口30を上行部29bに吸着させたまま、補助具12と同時に挿入部14の引き込み操作を行う。この引き込み操作により、S字結腸29が医師の手元側に手繰り寄せられるとともに、略蛇腹状に折り畳まれる。これにより、S字結腸29が縮められて略直線化されるので、挿入部先端部14cを下行結腸39内により容易に挿入させることができる。
以上説明したように、医師は、挿入部14を複雑に屈曲した管腔内に挿入したときは、上述の第1実施例または第2実施例の処理手順を行って、この複雑に屈曲した管腔内で挿入部14を更に奥へ進める。そして、医師は、挿入部先端部14cを管腔内の目的ポイント(例えば盲腸)まで到達させた後、補助具12を内視鏡11から取り外す。次いで、医師は、挿入部14を目的ポイントから肛門まで戻していきながらモニタ映像を確認し、、必要に応じて鉗子等の処置具を鉗子チャンネル21内に挿通し、この処置具を用いて所定の処置を行う。
このように本発明では、複雑に屈曲した管腔内に挿入部14を進める際に、鉗子出口18から細径の補助具12を前方に突出させ、その補助具先端部12aに設けた吸引口30を前方管腔内壁に吸着させた後、補助具12の牽引操作を行うようにしたので、挿入部14の押し出し操作を行うことなく、挿入部14を前方管腔内壁の近傍まで移動(第1実施例)、或いは前方管腔内壁を挿入部先端部14cの近傍まで牽引(第2実施例)することができる。これにより、複雑に屈曲した管腔内でも挿入部先端部14cを容易に奥へ進めることができる。さらに、従来のように挿入部先端部に吸引具を設ける必要や、挿入部を挿入補助具に挿通する必要がなくなるので、太径の挿入部や挿入補助具を管腔内に挿入する必要が無くなる。このため、挿入部先端部14cをより容易に奥へ進めることができる。
また、挿入部14の押し出し操作を行うことなく、挿入部先端部14cを管腔内で相対的に進めることができるので、前述のダブルバルーン内視鏡のように、挿入部先端部を奥へ進めるための押し出し操作によって、管腔が挿入部先端部の進行方向とは逆の方向に変形し、挿入部先端部を奥へ進められなくなるという問題は発生しない。
次に、図9及び図10を用いて本発明の第2実施形態の内視鏡装置45について説明を行う。図9において、内視鏡装置45は、基本的には第1実施形態の内視鏡装置10と同じ構成である。ただし、内視鏡装置45には、補助具12の送出・牽引、吸引口30の開閉及び吸引・吸引停止からなる処理(以下、単に補助具12の吸着・牽引処理という)を自動制御する補助具コントローラ(内視鏡補助具の制御装置)46が設けられている。
また、補助具12の吸引口30には、接触センサ(検知手段)47及び吸引圧力検知センサ48が設けられているとともに、内視鏡11の鉗子出口18には、補助具検知センサ49が設けられている(図10参照)。なお、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
補助具コントローラ46は、前述の通電装置33の他に、吸引装置(吸引手段)51、補助具変位装置(補助具変位手段)52、制御装置(吸引制御手段、変位制御手段)53、操作パネル54を備えている。吸引装置51は、第1実施形態の吸引装置34と基本的には同じであるが、吸引口30の負圧吸引力を「強」と「弱」の2段階に調整することができる。なお、負圧吸引力「強」は、管腔内壁を傷付けない程度の吸引力である。
補助具変位装置52は、補助具12の送出・牽引を自動で行うための装置であり、補助具12を搬送する搬送ローラ対56と、この搬送ローラ対56を駆動する搬送モータ57と、搬送ローラ対56の補助具搬送方向上流側に設けられた一対のパスローラ58と、この両パスローラ58の間に設けられたダンサーローラ59とから構成される。
ダンサーローラ59は、図示しないダンサ機構により図中上下方向に移動自在に保持されている。このダンサーローラ59は、搬送モータ57が正転して搬送ローラ対56により補助具12が送出されると上昇し、搬送モータ57が逆転して搬送ローラ対56により補助具12が引き込まれると下降する。この補助具変位装置52による補助具12の最大送り出し量は、ダンサーローラ59の上下方向の最大ストローク量の2倍の長さになる。
このように補助具変位装置52は、搬送モータ57を正逆転させることで、補助具先端部12aを鉗子出口18から突出させたり、鉗子出口18内に格納したりすることができる。挿入部先端部14cと前述の前方管腔内壁との距離が離れていても、補助具先端部12aが前述の第1位置まで到達可能なように、ダンサーローラ59の最大ストローク量は充分確保されている。なお、図示は省略するが、補助具変位装置52と鉗子入口24とはガイドチューブ等で接続されている。補助具変位装置52から送出された補助具12は、ガイドチューブ内を通って鉗子入口24から鉗子チャンネル21内に挿通する。これにより、補助具変位装置52から補助具12を送出した際に、補助具変位装置52と鉗子入口24との間において、補助具12に弛みが発生することが防止される。ガイドチューブは、補助具12を内視鏡11から抜き取る時や、鉗子チャンネル21に処置具を挿入する時などには鉗子入口24から取り外される。
図10において、制御装置53には、前述の接触センサ47、吸引圧力検知センサ48、及び補助具検知センサ49が接続されている。接触センサ47は、吸引口30が前方管腔内壁に接触したときに、ON信号を制御装置53へ出力する。この接触センサ47の検知結果は、補助具先端部12aが前述の第1位置に到達したか否かの判定に用いられる。
吸引圧力検知センサ48は、吸引口30の負圧吸引力の大きさを検知し、この負圧吸引力が「強」になったときに、ON信号を制御装置53へ出力する。この吸引圧力検知センサ48の検知結果は、吸引口30の負圧吸引力が「強」まで達したか否か、つまり、吸引口30が前方管腔内壁に完全に吸着したか否かの判定に用いられる。
補助具検知センサ49には、例えば発光センサ及び受光センサからなる一対の光センサが用いられ、発光センサから受光センサに向けて照射される光が補助具12により遮られたときに、ON信号を制御装置53へ出力する。この補助具検知センサ49の検知結果は、鉗子入口24から鉗子チャンネル21内に挿通された補助具先端部12aが鉗子出口18まで達したか否かの判定(後述する補助具先端部12aの突出量を求めるため)に用いられる。
制御装置53は、操作パネル54及び各センサ47〜49から入力される信号に基づいて、通電装置33、吸引装置51、補助具変位装置52等の補助具コントローラ46の各部を統括的に制御して、補助具12の吸着・牽引処理を自動制御する。この制御装置53には、牽引終了判定回路(以下、判定回路という)61が設けられている。
判定回路61は、前述したように補助具先端部12aが第2位置へ牽引される際に、この補助具先端部12aが第2位置に到達したか否かを判定する。この判定は、例えば、鉗子出口18からの補助具先端部12aの突出量(以下、単に突出量という)を求めた結果に基づいて行われる。
具体的には、判定回路61は、補助具12が鉗子チャンネル21内に挿入されて、補助具先端部12aが補助具検知センサ49で検知されたときに、前述の突出量を0にリセットした後、この突出量の算出を開始する。判定回路61は、例えば、搬送モータ57の回転数をカウントし、このカウント結果と、予め求めたモータ1回転当たりの補助具12の移動量Dとに基づいて、突出量を算出する。判定回路61は、搬送モータ57が1回正転する毎に移動量Dを突出量に加算するとともに、搬送モータ57が1回逆転する毎に移動量Dを突出量から減算する。
補助具先端部12aが第2位置にあるときの突出量(以下、目標突出量という)は既知である。このため、判定回路61は、補助具先端部12aの牽引が開始された後、算出した突出量が目標突出量に到達した時に、補助具先端部12aが第2位置まで牽引されたと判定し、牽引終了判定信号を出力する。なお、補助具先端部12aが補助具検知センサ49を通過してから第1位置に向かう途中で第2位置を通過するが、その時は牽引終了判定信号の出力は行わない。
次に、図11(タイミングチャート)及び図12(フローチャート)を用いて、上記構成の補助具コントローラ46(内視鏡装置45)による補助具12の吸着・牽引処理の自動制御について詳しく説明する。なお、S字結腸29内で挿入部先端部14cを前述の屈曲部29aまたは上行部29b(以下、目標腸壁という)を臨む位置まで進める手順については、第1実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。
医師は、目標腸壁を臨む位置まで挿入部先端部14cを進めた後、補助具12を内視鏡11にセットする。具体的には、補助具先端部12aを鉗子入口24から鉗子チャンネル21内に挿入する。次いで、医師は、操作パネル54で補助具12の吸着・牽引処理の開始指示(操作)を行う。この開始指示がなされると、制御装置53は、補助具変位装置52の搬送モータ57を正転させて、補助具12の送出を開始する。
補助具先端部12aが鉗子出口18まで達すると、補助具検知センサ49から制御装置53へON信号が出力される(図中「t1」)。このON信号が制御装置53に入力すると、牽引終了判定回路61は、補助具先端部12aの突出量を0にリセットした後、この突出量の算出を開始する。この突出量の算出結果に基づき、制御装置53は、補助具先端部12aが鉗子出口18から突出したと判定した後、通電装置33を動作させて、吸引口30をラッパ形状に変形させる。また、制御装置53は、吸引装置51を動作させて、吸引口30に「弱」の負圧吸引力を発生させる(図中「t2」)。
補助具変位装置52による補助具12の送出処理が引き続き行われ、補助具先端部12aが目標腸壁に当接すると、接触センサ47からON信号が制御装置53へ出力される(図中「t3」)。制御装置53は、接触センサ47からのON信号が入力されると、補助具変位装置52による送出処理を停止させる。これにより、更なる補助具12の送り出しが防止されるため、補助具先端部12aで腸壁が穿孔されてしまうことが防止される。
次いで、制御装置53は、吸引装置51を制御して、吸引口30の負圧吸引力を「強」に変更する。これにより、吸引圧力検知センサ48で検知される負圧吸引力が「弱」から次第に高くなる。そして、吸引圧力検知センサ48は、負圧吸引力の検知結果が「強」に達すると、ON信号を制御装置53へ出力する(図中「t4」)。
制御装置53は、吸引圧力検知センサ48からON信号が入力された後、つまり、吸引口30が目標腸壁に完全に吸着して、補助具先端部12aが目標腸壁に固定された後、搬送モータ57を逆転させる。これにより、補助具先端部12a及び目標腸壁が一体に牽引される。補助具12の牽引が開始されると、判定回路61で算出される補助具12の突出量が減少する。そして、判定回路61は、算出した突出量が目標突出量に到達した時に、補助具先端部12aが第2位置まで牽引されたと判定し、牽引終了判定信号(ON信号)を出力する(図中「t5」)。
制御装置53は、判定回路61から牽引終了判定信号が出力された時に、搬送モータ57の逆転(牽引処理)を停止させる。これにより、前述の第1実施形態で説明したように、挿入部14を目標腸壁の近傍まで移動(第1実施例)、或いは補助具先端部12aを目標腸壁と一体に挿入部先端部14cの近傍まで牽引(第2実施例)することができる。
制御装置53は、前述の牽引処理が停止した後、吸引装置51による吸引を停止させる。次いで、制御装置53は、補助具コントローラ46のモニタ(図示せず)等に、補助具12の吸着・牽引処理が終了した旨を表示させる。この終了表示を確認した医師は、操作パネル54で補助具先端部12aの格納開始指示(操作)を行う。
格納開始指示がなされると、制御装置53は、通電装置33の動作を停止させて、吸引口30を閉じ形状に変形させる。次いで、制御装置53は、判定回路61で算出される補助具12の突出量が「0」(補助具検知センサ49がOFF)になるまで、搬送モータ57を逆転させて、補助具先端部12a及び吸引口30を鉗子出口18内に格納させる。そして、医師は、挿入部14の押し出し操作等を行って、挿入部先端部14cをさらに奥に進める。
挿入部14を複雑に屈曲した管腔内に挿入したときは、上述の処理を繰り返し実行することで、前述の第1実施形態と同様に、挿入部先端部14cを管腔内の目的ポイントまで到達させることができる。そして、医師は、挿入部先端部14cを目的ポイントまで到達させた後、補助具12を内視鏡11から手動で取り外す。
以上のように本発明の第2実施形態の内視鏡装置45では、第1実施形態で医師が手動で行っていた補助具12の吸着・牽引処理を自動で行うことができるので、医師の負担を大幅に減らすことができる。
次に、図13を用いて本発明の第3実施形態の内視鏡装置63について説明を行う。前述の第2実施形態では、鉗子チャンネル21内に挿通された補助具12の吸着・牽引処理を自動で行っている。これに対して、内視鏡装置63では、内視鏡11の内部に、鉗子チャンネル21の他に補助具挿通用の補助具チャンネル64(図14参照)が設けられており、この補助具チャンネル64内に挿通された補助具12の吸着・牽引処理が自動で行われる。
補助具12は、補助具チャンネル64内にスライド自在に常時挿通されており、内視鏡11と一体化している。なお、補助具12は、例えば内視鏡11の洗浄・消毒・滅菌(リプロセス処理)を行う時などは、内視鏡11から取り外すことができる。この補助具12の吸着・牽引処理の自動制御は、前述の第2実施形態で説明した補助具コントローラ46により行われる。また、図示は省略するが、前述の第2実施形態で説明したように、補助具コントローラ46は、弛み防止用のガイドチューブ(図示せず)を介して内視鏡11に接続している。これにより、補助具コントローラ46から補助具12を送出した際に、補助具12の弛みを防止することができる。
図14(A)に示すように、補助具コントローラ46は、補助具12の吸着・牽引処理を行わない時、或いは補助具12の格納操作が成された時は、補助具先端部12aの吸引口30を閉じ形状に変形させるとともに、この補助具先端部12aを補助具チャンネル64の補助具出口(補助具専用口)64a内に格納する。
補助具出口64aには、前述の第2実施形態で説明した補助具検知センサ49が設けられており、補助具コントローラ46の判定回路61は、前述の第2実施形態と同様にして補助具出口64aからの補助具先端部12aの突出量を求める。そして、補助具コントローラ46は、補助具先端部12aを補助具出口64a内に格納する際には、判定回路61で算出される突出量が0になるまで補助具12の牽引を行う。
図14(B)に示すように、補助具コントローラ46は、補助具12の吸着・牽引処理の開始操作がなされたときは、補助具12の送出を開始するとともに、その補助具先端部12aが補助具出口64aから突出した後、吸引口30をラッパ形状に変形させる。これ以降の処理は、上記第2実施形態で説明した補助具12の吸着・牽引処理(図11及び図12)と基本的に同じであるので、説明は省略する。
以上のように本発明の第3実施形態は、前述の第2実施形態と同様に補助具12の吸着・牽引処理を自動で行うことができるので、医師の負担を大幅に減らすことができる。また、鉗子チャンネル21が補助具12で塞がらないので、補助具12を抜いてから処置具を鉗子チャンネル21に挿通する手間が省ける。
上記各実施形態では、吸引口30が閉じ形状に変形されたときにその一部がタック状に折り畳まれる場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図15(A),(B)に示すように、吸引口30aの閉じ形状が略円筒形状であってもよい。この場合には、吸引口30aがラッパ形状に弾性変形し易いように、この吸引口30aを変形容易な素材(例えばゴム)で形成してもよい。また、図16(A),(B)に示すように、吸引口30bの閉じ形状が先細り形状(朝顔のつぼみ形状)になるように、この吸引口30bを捩って折り畳むようにしてもよい。吸引口30a,30bは、前述したように、ワイヤ31(図16では図示を省略)が通電加熱により元の形状に復元することで、前述のラッパ形状に変形する。
上記各実施形態では、補助具先端部12aに吸引口30を設け、この吸引口30を前方管腔内壁に吸着させることで、補助具先端部12aを管腔内壁に固定する場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図17に示すように、補助具先端部12aに一対のフック(補助具固定手段)66を設け、このフック66で補助具先端部12aを前方管腔内壁に固定するようにしてもよい。
一対のフック66は、図示しないリンク機構等により嘴状に開閉自在であり、前方管腔内壁にフックする開き形状と、鉗子出口18(鉗子チャンネル21)内に格納可能な閉じ形状(点線)とに変形自在である。リンク機構には、例えば操作ワイヤと、フック66が常時閉じ形状になるようにリンク機構を付勢するバネとが接続されている(例えば、特許3331172号を参照)。この操作ワイヤを引き込み操作することで、リンク機構が作動してフック66が開き形状に変形し、操作ワイヤの引き込み操作を停止することで、バネの付勢力によりフック66が閉じ形状に変形する。
ここで、補助具先端部12aを前方管腔内壁に固定するためのフックは、図17に示した形状に限定されず、各種形状のフックを用いてよい。さらに、補助具先端部12aを前方管腔内壁に固定可能であれば、吸引口やフックの代わりに、周知のバルーン等の各種固定部材(補助具固定手段)を補助具先端部12aに設けてもよい。
上記各実施形態では、形状記憶合金からなるワイヤ31を用いて、吸引口30をラッパ形状と閉じ形状とに変形させているが、本発明はこれに限定されず、周知の各種部材・各種方法を用いて吸引口30を変形させてもよい。また、上記実施形態では、吸引口30をラッパ形状に変形させているが、本発明はこれに限定されず、前方管腔内壁に吸着し易い形状(例えば開口面積が拡がった形状)であれば特に限定はされない。
上記第2及び第3実施形態では、補助具12の送出・牽引を行う装置として、ダンサーローラ59を備える補助具変位装置52を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、補助具12の送出・牽引が可能な各種の補助具変位装置(補助具変位手段)を用いてもよい。
さらに、補助具変位装置や通電装置を小型化して、内視鏡11に内蔵させてもよい。また、補助具先端部12aに前述のフック66を設けている場合には、このフック66を作動させるフック作動装置を小型化して内視鏡11に内蔵させてもよい。補助具変位装置、通電装置またはフック作動装置を内視鏡11に内蔵可能であれば、補助具コントローラ46を内視鏡11と別体に設ける必要が無くなる。
上記第2及び第3実施形態では、判定回路61により補助具先端部12aが第2位置に到達したか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。補助具先端部12aが第2位置に到達したことを判定または検知可能であれば、各種判定回路または各種検知センサを判定回路61の代わりに設けてもよい。
上記第2及び第3実施形態では、吸引口30の負圧吸引力を「強」・「弱」の2段階に調整可能であるが、本発明はこれに限定されるものでは無く、3段階以上に調整可能、或いは第1実施形態と同様に複数段階に調整不可能であってもよい。
上記第2及び第3実施形態では、吸引口30に接触センサ47を設け、その検知結果に基づいて補助具先端部12aが第1位置に到達したか否かを判定しているが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、接触センサ47の代わりに近接センサ(例えば超音波センサ等)を設けて、補助具先端部が前方管腔内壁(目標腸壁)に近接する第1位置まで到達したか否かを判定してもよい。
上記第2及び第3実施形態では、操作パネル54で格納開始操作がなされたときに、補助具先端部12a及び吸引口30を鉗子出口18内に格納させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、補助具先端部12aが第2位置まで牽引された後、自動的に格納が行われるようにしてもよい。また、上記第1実施形態の通電スイッチ36及び吸引スイッチ37を1つのスイッチにまとめてもよく、このスイッチをONしたときに「ラッパ形状」・「吸引開始」、OFFしたときに「閉じ形状」・「吸引停止」にしてもよい。
上記各実施形態では、補助具コントローラ13,46が内視鏡11に接続したビデオプロセッサと別体に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではく、両者が一体化されていてもよい。また、内視鏡11の操作部15の操作ボタン25等で、補助具コントローラ13,46の操作が行えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、補助具12に吸引口30やフック66等を設けた場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補助具12に、その補助具先端部12aの向きを自在に変えることができる湾曲部等を設けても良い。これにより、吸引口30を前方管腔内壁に吸着させた状態で補助具先端部12aを湾曲させることができるので、例えば観察し難い箇所をめくって観察し易くすることができる。
なお、特に上記第1実施形態の内視鏡装置10では、医師(術者)が補助具12を鉗子チャンネル21内に挿入する際に、内視鏡11の挿入部14を保持する介助者が必要となる。このため、例えば、内視鏡11の操作部15に首下げヒモ(図示せず)を取り付けておき、操作部15を首からぶら下げて保持することで、右手で挿入部14を保持しつつ、左手で補助具12の挿入を行うことができる。これにより、介助者無しで術者が1人で作業することができる。
また、上記実施形態では、補助具先端部12aのみに吸引口30やフック66を設けた場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、内視鏡11として、挿入部先端部14cにバルーン、吸引口、フック等の各種固定手段が設けられ、この挿入部先端部14cを管腔内壁に解除可能に固定することができるものを用いてもよい。
第1実施形態の内視鏡装置の概略図である。 補助具及び吸引口の斜視図であり、吸引口を閉じ形状(A)及びラッパ形状(B)に変形させた状態を示している。 S字結腸内で挿入部先端部を奥へ進める処理手順の第1実施例を説明するための説明図であり、S字結腸の屈曲部を臨む位置まで挿入部先端部を進めた状態を示している。 補助具先端部を屈曲部の腸壁に当接させた後、この補助具先端部を腸壁に固定することを説明するための説明図である。 補助具の牽引操作により、挿入部が補助具先端部に向かって移動することを説明するための説明図である。 S字結腸内で挿入部先端部を奥へ進める処理手順の第2実施例を説明するための説明図であり、S字結腸の上行部を臨む位置まで挿入部先端部を進めた後、補助具先端部を上行部の腸壁に向かって押し出している状態を示している。 補助具の牽引操作により、補助具先端部及び上行部を挿入部先端部に向かって牽引している状態を説明するための説明図である。 挿入部の引き込み操作により、S字結腸が略直線化されることを説明するための説明図である。 第2実施形態の内視鏡装置の概略図である。 補助具コントローラの電気的構成を示すブロック図である。 補助具の吸着・牽引処理時における補助具コントローラの各部の動作を示すタイミングチャートである。 補助具の吸着・牽引処理の処理手順を示したフローチャートである。 第3実施形態の内視鏡装置の概略図である。 補助具及び吸引口の斜視図であり、補助具先端部及び吸引口を補助具出口内に格納した状態(A)、補助具出口から突出させた状態(B)を示している。 閉じ形状が略円筒形状になる他実施形態の吸引口の側面図及び正面図である。 閉じ形状が先細り形状になる他実施形態の吸引口の側面図及び正面図である。 補助具先端部にフックを設けた他実施形態の補助具の側面図である。
符号の説明
10,45,63 内視鏡装置
11 内視鏡
12 内視鏡用補助具
12a 補助具先端部
13,46 補助具コントローラ
14 挿入部
14c 挿入部先端部
18 鉗子出口
29 S字結腸
30,30a,30b 吸引口
33 通電装置
34,51 吸引装置
52 補助具変位装置
53 制御装置
64a 補助具出口
66 フック

Claims (11)

  1. 管腔内に挿入される内視鏡の挿入部先端部に設けた開口部から出し入れ自在な内視鏡用補助具において、
    補助具先端部は、前記開口部の前方に位置する管腔内壁に当接または近接する第1位置と、前記開口部の手前に位置する第2位置とに変位自在であり、
    前記補助具先端部に、この前記補助具先端部が前記第1位置に変位した時に、前記補助具先端部を前記管腔内壁に固定するとともに、この固定後に前記補助具先端部が前記管腔内壁と一体に前記第1位置から前記第2位置に変位した時に、前記固定を解除する補助具固定手段を設けたことを特徴とする内視鏡用補助具。
  2. 前記開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用補助具。
  3. 前記開口部は、鉗子チャンネルの鉗子出口とは異なる補助具専用口であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用補助具。
  4. 前記補助具固定手段は、前記開口部内に格納可能であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡用補助具。
  5. 前記補助具固定手段は、負圧吸引力により前記管腔内壁に吸着する吸引口であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡用補助具。
  6. 前記吸引口は、略ラッパ状に拡開したラッパ形状と、前記ラッパ形状よりも開口面積が小さくなり、前記開口部内に格納可能な閉じ形状とに変形自在であることを特徴とする請求項5記載の内視鏡用補助具。
  7. 前記補助具固定手段はフックであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡用補助具。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡用補助具と、
    前記内視鏡補助具の前記開口部からの送出動作及び前記開口部内への牽引動作を行って、前記補助具先端部を前記第1位置と前記第2位置とに変位させる補助具変位手段と、
    前記送出動作の開始指示に応じて、前記補助具先端部が前記第1位置に変位するとともに、前記固定後に、前記補助具先端部が前記第2位置に変位するように、前記補助具変位手段を制御する変位制御手段とを備えることを特徴とする内視鏡用補助具の制御装置。
  9. 前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する検知手段を備え、
    前記変位制御手段は、前記検知手段の検知結果に基づき、前記送出動作時に前記補助具先端部が前記第1位置に到達したときは前記送出動作を停止させることを特徴とする請求項8記載の内視鏡用補助具の制御装置。
  10. 前記変位制御手段は、前記補助具先端部の格納開始指示に応じて前記補助具変位手段に前記牽引動作を行わせ、前記補助具先端部を前記開口部内に格納させることを特徴とする請求項8または9記載の内視鏡用補助具の制御装置。
  11. 前記補助具固定手段が前記吸引口である場合、
    前記吸引口に前記負圧吸引力を発生させるとともに、前記負圧吸引力を少なくとも2段階に調整可能な吸引手段と、
    前記補助具先端部が前記第1位置にあるか否かを検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知結果に基づき、前記送出動作時に、前記補助具先端部が前記第1位置に到達するまでは前記負圧吸引力が弱くなり、前記補助具先端部が前記第1位置に到達した時に前記負圧吸引力が強くなるように、前記吸引手段を制御する吸引制御手段とを備えることを特徴とする請求項8ないし10いずれか1項記載の内視鏡用補助具の制御装置。
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