JP2010004589A - コイル巻取り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】4個の芯金ピース12で構成される芯金は、コイル状に巻き取った線材のスプリングバックを見込んで、予め螺旋状に捻じれた形状を有している。このため、芯金に巻き取られた線材は、螺旋状に捻じれた状態でコイル状に成形されるため、芯金から線材を取り外した後に、予め螺旋状に捻じれている分だけ、スプリングバックにより戻ることで、捻じれの無いコイル形状に成形できる。また、4個の芯金ピース12は、縮小方向と拡大方向とに移動可能に構成されている。これにより、線材を巻き取った後、4個の芯金ピース12を縮小方向に移動させることで、コイル状に巻き取った線材を4個の芯金ピース12から容易に取り外すことができる。
【選択図】図1
Description
このコイル巻取り装置は、直線状の線材(例えば平角線)をコイル状に巻き取るための装置であり、図7に示す様に、四カ所のコーナ部にそれぞれR形状を付けた略矩形断面の芯金100を有している。この芯金100に線材をローラでガイドしながら、モータにより芯金100を回転させて、芯金100の周囲に線材を所定回数だけ巻き取ることによりコイル状に成形される。成形されたコイル体は、例えば、スタータモータのフィールドコイルに使用される。
また、芯金100に巻き取った線材200は、スプリングバックにより巻き絞まっているため、芯金100から取り外すのに大きな荷重を要し、取り外しが困難であった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、巻取り工程の後に整形工程が不要であり、且つ、芯金に巻き付けた線材を芯金から容易に取り外すことのできるコイル巻取り装置を提供することにある。
本発明は、四カ所のコーナ部にそれぞれR形状を付けた略矩形断面の芯金を有し、この芯金の周囲に線材をN回(Nは2以上の整数)巻き取ってコイル状に成形するコイル巻取り装置であって、芯金は、線材を巻き取るためのN段の巻取りトラックを有し、このN段の巻取りトラックは、1段目からN段目まで1周毎に四カ所のコーナ部が周方向に順次ずれて螺旋状に構成され、且つ、芯金は、略矩形状の長手方向および短手方向に分割されて、それぞれコーナ部を含む4個の芯金ピースから成り、この4個の芯金ピースが、芯金の中心から放射状に互いの距離が近づく縮小方向と、互いの距離が遠ざかる拡大方向とに移動可能に構成されていることを特徴とする。
また、芯金を構成する4個の芯金ピースは、芯金の中心から放射状に互いの距離が近づく縮小方向と、互いの距離が遠ざかる拡大方向とに移動可能に構成されているので、線材を巻き取った後、4個の芯金ピースを縮小方向に移動させることで、コイル状に巻き取った線材を4個の芯金ピースから容易に取り外すことができる。
請求項1に記載したコイル巻取り装置において、芯金の長手方向に隣合う2個の芯金ピースは、互いのコーナ部を形成するR形状に共通の接線Aを仮想した場合に、R形状の接点からコーナ部の終端までの外形線が、接線Aより内側へ入り込んでいることを特徴とする。
上記の構成によれば、芯金の長手方向に隣合う芯金ピースと芯金ピースとの間で、接線Aの内側へ線材を押圧しながら巻き取ることができるので、線材が接線Aの外側へ太鼓状に膨れることを抑制できる。その結果、コイルの長手方向における角部と角部との間を直線状に成形できる。
請求項2に記載したコイル巻取り装置において、芯金の短手方向に隣合う2個の芯金ピースは、互いのコーナ部を形成するR形状に共通の接線Bを仮想した場合に、R形状の接点からコーナ部の終端までの外形線が、接線Bより内側へ入り込んでいることを特徴とする。
請求項2の場合と同様に、芯金の短手方向に隣合う芯金ピースと芯金ピースとの間で、接線Bの内側へ線材を押圧しながら巻き取ることができるので、線材が接線Bの外側へ太鼓状に膨れることを抑制できる。その結果、コイルの短手方向における角部と角部との間を直線状に成形でき、コイルの全体形状を四角形(矩形)に近づけることができる。
請求項1〜3に記載した何れかのコイル巻取り装置において、線材は、断面矩形の平角線であり、この平角線を芯金に対しエッジワイズ方向に巻き取ってコイル状に成形することを特徴とする。
本実施例のコイル巻取り装置1は、直線状の線材2(図3参照)を、その両端からそれぞれ芯金(後述する)の周囲にコイル状に巻き取るための装置であり、完成品としてのコイルは、例えば、スタータモータのフィールドコイルに使用できる。
このコイル巻取り装置1は、図3に示す様に、平行に設置された2本のスライドガイド3と、この2本のスライドガイド3の一端側に固定される第1の巻取り治具4と、2本のスライドガイド3上を移動可能に搭載される第2の巻取り治具5と、第1、第2の巻取り治具4、5にセットされる線材2にテンションを掛けるためのテンションシリンダ6等より構成される。
巻取りヘッド7は、図1および図2に示す様に、4個の芯金ピース12によって構成される芯金と、線材2の端部をセットするためのフック(図示せず)と、4個の芯金ピース12を縮小方向と拡大方向〔図2(a)に示す矢印方向〕とに移動させるためのカム機構(後述する)等が設けられている。
なお、第2の巻取り治具5は、第1の巻取り治具4と同じく、巻取りヘッド7、サーボモータ9、押圧ローラ10、サーボモータ11等を備える。但し、それぞれの構造および機能は、第1の巻取り治具4と同一であるので、その説明は省略する。
4個の芯金ピース12から成る芯金は、図1に示す様に、線材2を巻き取るためのN段(Nは2以上の整数)の巻取りトラック12a(芯金ピース12の側面)を有し、このN段の巻取りトラック12aは、1段目からN段目まで1周毎に四カ所のコーナ部が周方向に順次ずれて螺旋状に構成されている。
また、図5に示す様に、芯金の長手方向(図示上下方向)に隣合う2個の芯金ピース12は、互いのコーナ部を形成するR形状に共通の接線Aを仮想した場合に、R形状の接点aからコーナ部の終端までの外形線が、接線Aより内側へ入り込んで形成されている。
a)まず、直線状の線材2の両端部を、それぞれ第1、第2の巻取り治具4、5の巻取りヘッド7に設けられたフックにセットする。なお、使用される線材2は、断面矩形状の平角線であり、この平角線を芯金に対しエッジワイズ方向にセットする。但し、本実施例のコイル巻取り装置1は、平角線以外の線材、例えば、断面円形、断面長円形、断面多角形等の線材にも使用できることは言うまでもない。
b)続いて、テンションシリンダ6にエアーを供給して、第2の巻取り治具5を反巻取り方向〔図3(b)の右方向〕へ付勢することにより、両フックにセットされた線材2にテンションが掛かっている状態を保持する。
d)サーボモータ9により巻取りヘッド7の主軸8を回転させる。この主軸8の回転により、巻取りヘッド7が回転して、芯金の周囲に線材2が巻き取られる。なお、主軸8の下端部には、図4に示す様に、台形ねじを有するネジ軸16が取り付けられ、このネジ軸16がフランジナット17にねじ結合されている。フランジナット17は、ステー18を介して支柱19に固定されている。このネジ軸16とフランジナット17とのねじ結合により、主軸8が回転する毎に巻取りヘッド7が定寸ピッチで下降する。
また、第1の巻取り治具4は、定位置に固定され、第2の巻取り治具5は、スライドガイド3上に搭載されているため、第1、第2の巻取り治具4、5の両巻取りヘッド7をそれぞれ回転させて芯金に線材2を巻き取っていくと、第2の巻取り治具5がスライドガイド3上を移動して第1の巻取り治具4に近づいてくる。
f)テンションシリンダ6へのエアーの供給を停止して、テンションを緩める。
g)操作レバー14によりカムプレート13を回転させ、4個の芯金ピース12を縮小方向へ移動させて、巻き取ったコイル状の線材2を芯金ピース12から取り外す。
芯金ピース12から取り外された線材2は、図6(a)に示す様に、連続した2つのコイル部20が形成されており、この後、図6(b)に示す最終形状に成形されて、製品として完成する。
コイル巻取り装置1に使用される芯金は、線材2を巻き取るための巻取りトラック12aが、1段目からN段目まで1周毎に四カ所のコーナ部が周方向に順次ずれて螺旋状に構成されている。つまり、4個の芯金ピース12で構成される芯金は、コイル状に巻き取った線材2のスプリングバックを見込んで、予め螺旋状に捻じれた形状を有している(図1参照)。このため、芯金に巻き取られた線材2は、螺旋状に捻じれた状態でコイル状に成形されるため、芯金から線材2を取り外した後に、予め螺旋状に捻じれている分だけ、スプリングバックにより戻ることで、捻じれの無いコイル形状に成形できる。その結果、巻取り工程の後に、スプリングバックにより生じるコイルの捻りを修正するための整形工程が不要であり、コストダウンに寄与できる。
さらに、芯金の長手方向に隣合う2個の芯金ピース12は、図5に示した様に、R形状の接点aからコーナ部の終端までの外形線が接線Aより内側へ入り込んで形成されている。これにより、芯金の長手方向に隣合う芯金ピース12と芯金ピース12との間で、接線Aの内側へ線材2を押圧ローラ10で押圧しながら巻き取ることができるので、線材2が接線Aの外側へ太鼓状に膨れることを抑制できる。その結果、コイルの長手方向における角部と角部との間を直線状に成形できる。
2 線材
12 芯金ピース(芯金)
12a 巻取りトラック
Claims (4)
- 四カ所のコーナ部にそれぞれR形状を付けた略矩形断面の芯金を有し、この芯金の周囲に線材をN回(Nは2以上の整数)巻き取ってコイル状に成形するコイル巻取り装置であって、
前記芯金は、前記線材を巻き取るためのN段の巻取りトラックを有し、このN段の巻取りトラックは、1段目からN段目まで1周毎に前記四カ所のコーナ部が周方向に順次ずれて螺旋状に構成され、且つ、前記芯金は、略矩形状の長手方向および短手方向に分割されて、それぞれ前記コーナ部を含む4個の芯金ピースから成り、この4個の芯金ピースが、前記芯金の中心から放射状に互いの距離が近づく縮小方向と、互いの距離が遠ざかる拡大方向とに移動可能に構成されていることを特徴とするコイル巻取り装置。 - 請求項1に記載したコイル巻取り装置において、
前記芯金の長手方向に隣合う2個の前記芯金ピースは、互いの前記コーナ部を形成するR形状に共通の接線Aを仮想した場合に、R形状の接点から前記コーナ部の終端までの外形線が、接線Aより内側へ入り込んでいることを特徴とするコイル巻取り装置。 - 請求項2に記載したコイル巻取り装置において、
前記芯金の短手方向に隣合う2個の前記芯金ピースは、互いの前記コーナ部を形成するR形状に共通の接線Bを仮想した場合に、R形状の接点から前記コーナ部の終端までの外形線が、接線Bより内側へ入り込んでいることを特徴とするコイル巻取り装置。 - 請求項1〜3に記載した何れかのコイル巻取り装置において、
前記線材は、断面矩形の平角線であり、この平角線を前記芯金に対しエッジワイズ方向に巻き取ってコイル状に成形することを特徴とするコイル巻取り装置。
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