JP2010003984A - プリント基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子の位置決めを容易に行うことができるとともに、鉛フリーはんだであっても、はんだ上がり性及びはんだ付け強度を向上させることが可能なプリント基板を提供する。
【解決手段】基板本体1を貫通するスルーホール2を備え、断面矩形状をなす電子部品の端子10がスルーホール2に挿入されるとともに、端子10の先端側より鉛フリーはんだが供給されて、電子部品が実装されるプリント基板30において、スルーホール2を、平面視長円形状をなし、端子10をその矩形断面の長辺を長円形の長手方向に一致させて、かつ、矩形断面の角部10Bを長円形の屈曲内壁面4Bに当接状態にして挿入可能な長孔4と、長孔4の平坦内壁面4Aから窪むとともに基板本体1を貫通して、鉛フリーはんだを流入可能に形成されたスリット孔5とから構成する。
【選択図】図2
【解決手段】基板本体1を貫通するスルーホール2を備え、断面矩形状をなす電子部品の端子10がスルーホール2に挿入されるとともに、端子10の先端側より鉛フリーはんだが供給されて、電子部品が実装されるプリント基板30において、スルーホール2を、平面視長円形状をなし、端子10をその矩形断面の長辺を長円形の長手方向に一致させて、かつ、矩形断面の角部10Bを長円形の屈曲内壁面4Bに当接状態にして挿入可能な長孔4と、長孔4の平坦内壁面4Aから窪むとともに基板本体1を貫通して、鉛フリーはんだを流入可能に形成されたスリット孔5とから構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子部品が実装されるプリント基板に関し、特にフローはんだ付け法に適用されるプリント基板に関する。
従来より、車載機器等の電子機器に実装されるプリント基板には、コネクタ部品、半導体部品等の電子部品の端子が挿入されるスルーホールが設けられており、該スルーホールに端子が挿入された後にはんだ付けが施されることによって、プリント基板上に電子部品が実装される。
このようなはんだ付けの手法としては、スルーホールに端子を挿入した後に、端子の先端側より接合剤としての加熱溶融されたはんだを噴流により供給して、該はんだをスルーホールの内部に侵入させて冷却凝固させるフローはんだ付け法が知られている。
このようなはんだ付けの手法としては、スルーホールに端子を挿入した後に、端子の先端側より接合剤としての加熱溶融されたはんだを噴流により供給して、該はんだをスルーホールの内部に侵入させて冷却凝固させるフローはんだ付け法が知られている。
このフローはんだ付け法においては、はんだをスルーホールの上部まで十分に上げてスルーホール内にはんだの欠乏による間隙が形成されないようにする必要がある。
そのため、例えば特許文献1には、スルーホールに端子が挿入された状態において、毛細管現象を利用してはんだを上げるプリント基板が開示されている。このプリント基板には、貫通孔(スルーホール)に連続するように該貫通孔より小径のはんだ案内孔が設けられており、貫通孔に四角柱状の端子が圧入された状態で、はんだ案内孔をはんだが毛細管現象により上昇することによってはんだ上がり性を向上させている。
特開昭58−84492号公報
そのため、例えば特許文献1には、スルーホールに端子が挿入された状態において、毛細管現象を利用してはんだを上げるプリント基板が開示されている。このプリント基板には、貫通孔(スルーホール)に連続するように該貫通孔より小径のはんだ案内孔が設けられており、貫通孔に四角柱状の端子が圧入された状態で、はんだ案内孔をはんだが毛細管現象により上昇することによってはんだ上がり性を向上させている。
ところで近年、環境対策への配慮から鉛成分を含まない鉛フリーはんだ(無鉛はんだ)の使用が義務付けられるようになってきた。
しかしながら、鉛フリーはんだは融点が高いことから、はんだ上がりの過程において端子に熱を奪われる結果、スルーホール内に十分に充填される前に凝固温度に達してしまい、スルーホール上部にはんだの欠乏が生じることがあった。
また、この鉛フリーはんだを特許文献1に記載されたプリント基板に適用した場合であっても、従来の鉛成分を含んだはんだに比べて粘度が高いことから毛細管力の寄与を期待することはできず、やはりスルーホール内に充填される前に凝固温度に達してしまい、はんだ上がり性の低下を改善することはできなかった。
しかしながら、鉛フリーはんだは融点が高いことから、はんだ上がりの過程において端子に熱を奪われる結果、スルーホール内に十分に充填される前に凝固温度に達してしまい、スルーホール上部にはんだの欠乏が生じることがあった。
また、この鉛フリーはんだを特許文献1に記載されたプリント基板に適用した場合であっても、従来の鉛成分を含んだはんだに比べて粘度が高いことから毛細管力の寄与を期待することはできず、やはりスルーホール内に充填される前に凝固温度に達してしまい、はんだ上がり性の低下を改善することはできなかった。
ここで、端子とスルーホールとのクリアランスを大きなものとすれば、浸入するはんだ全体としての総熱量が大きくなることで、はんだの温度低下が抑制されてはんだ上がり性を向上できるとも考えられるが、前記クリアランスが大きすぎる場合、端子がスルーホール内で動いてしまうためプリント基板に対する電子部品の位置決めが困難となる。
一方、はんだがスルーホールの上部まで上がり切った場合には、短時間で冷却されて凝固することが望ましい。これにより、はんだの結晶構造が強固になるため、製品としての耐久性を向上させることができる。ところが、はんだ上がり性という観点からは、はんだは冷めにくい方が好ましいため、結晶構造の強度とはんだ上がり性との向上を同時に図ることは困難であった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、端子の位置決めを容易に行うことができるとともに、鉛フリーはんだであってもはんだ上がり性の高いプリント基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、はんだ付け強度を向上させることが可能なプリント基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、はんだ付け強度を向上させることが可能なプリント基板を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係るプリント基板は、基板本体を貫通するスルーホールを備え、挿入方向に直交する断面矩形状をなす電子部品の端子が前記スルーホールに挿入されるとともに、前記端子の先端側より鉛フリーはんだが供給されて、電子部品が実装されるプリント基板において、前記スルーホールが、平面視長円形状をなし、前記端子をその矩形断面の長辺を前記長円形の長手方向に一致させて、かつ、前記矩形断面の角部を前記長円形に沿った内壁面に当接状態にして挿入可能な長孔と、前記長孔における前記長手方向に沿った一対の内壁面の少なくとも一方に形成され、該内壁面から窪むとともに前記基板本体を貫通し、前記鉛フリーはんだを流入可能に形成されたスリット孔とから構成されていることを特徴とする。
即ち、本発明に係るプリント基板は、基板本体を貫通するスルーホールを備え、挿入方向に直交する断面矩形状をなす電子部品の端子が前記スルーホールに挿入されるとともに、前記端子の先端側より鉛フリーはんだが供給されて、電子部品が実装されるプリント基板において、前記スルーホールが、平面視長円形状をなし、前記端子をその矩形断面の長辺を前記長円形の長手方向に一致させて、かつ、前記矩形断面の角部を前記長円形に沿った内壁面に当接状態にして挿入可能な長孔と、前記長孔における前記長手方向に沿った一対の内壁面の少なくとも一方に形成され、該内壁面から窪むとともに前記基板本体を貫通し、前記鉛フリーはんだを流入可能に形成されたスリット孔とから構成されていることを特徴とする。
このような特徴のプリント基板においては、端子が長孔に挿入配置される際に、端子の矩形断面の4つの角部が平面視長円形状をなす長孔の内壁面に当接することで端子が固定されるため、容易にスルーホールに対する端子の位置決めを行うことができる。
また、フローはんだ付け法により端子の先端側から供給される鉛フリーはんだは、端子と長孔との間に形成されたクリアランスのみならずスリット孔にも浸入していく。これにより、スルーホール内の鉛フリーはんだの絶対量が増加して鉛フリーはんだ全体としての熱量が大きくなるため、端子に熱が吸収されても鉛フリーはんだを高温状態に維持することができる。また、スリット孔に浸入した鉛フリーはんだによって、表面積の大きな端子の矩形断面の長辺に沿った面に熱が供給されるため、単位時間当たりの加熱量が増加して端子全体を加熱し易くすることができる。
即ち、スルーホール内に侵入した鉛フリーはんだの総熱量が端子に吸収される熱量を十分に上回ることができるとともに、端子自体を容易に高温状態にすることができるため、スルーホール内を上昇する過程において鉛フリーはんだの温度が凝固点まで達することはなく、溶融状態を維持したままスルーホールの上部まで上がることが可能となる。
即ち、スルーホール内に侵入した鉛フリーはんだの総熱量が端子に吸収される熱量を十分に上回ることができるとともに、端子自体を容易に高温状態にすることができるため、スルーホール内を上昇する過程において鉛フリーはんだの温度が凝固点まで達することはなく、溶融状態を維持したままスルーホールの上部まで上がることが可能となる。
一方、鉛フリーはんだがスルーホールの上部まで上がり切ると、鉛フリーはんだの供給が停止されると同時にスルーホール内への熱の供給も停止する。この際、本発明においては、スルーホールの内壁面の表面積がスリット孔の分だけ大きく、鉛フリーはんだとスルーホールとの接触面積も大きくなることから、該鉛フリーはんだの放熱を促進させることができる。これによって鉛フリーはんだが短時間で冷却されるため、結晶構造を強固にすることが可能となる。
また、本発明に係るプリント基板は、前記スリット孔が前記一対の内壁面の両方に形成されていることを特徴とする。
これにより、スリット孔が内壁面の一方に形成されている場合に比べて、スルーホール内に侵入する鉛フリーはんだの絶対量が増加するため、鉛フリーはんだの総熱量が多くなり、より有効にはんだ上がり性を向上させることが可能となる。また、スリット孔に侵入した鉛フローはんだによって長孔内の端子が短手方向から挟み込まれるため、長孔の短手方向に関する端子の位置の偏りを防止することができる。
これにより、スリット孔が内壁面の一方に形成されている場合に比べて、スルーホール内に侵入する鉛フリーはんだの絶対量が増加するため、鉛フリーはんだの総熱量が多くなり、より有効にはんだ上がり性を向上させることが可能となる。また、スリット孔に侵入した鉛フローはんだによって長孔内の端子が短手方向から挟み込まれるため、長孔の短手方向に関する端子の位置の偏りを防止することができる。
さらに、本発明に係るプリント基板は、前記スリット孔が、前記内壁面の長手方向の略中央部に形成されていることを特徴とする。
このようにスリット孔をバランスよく配置することにより、スルーホール内の鉛フリーはんだの熱の偏りを抑制することができ、端子の周囲全体の鉛フリーはんだのはんだ上がり性を向上させることが可能となる。
このようにスリット孔をバランスよく配置することにより、スルーホール内の鉛フリーはんだの熱の偏りを抑制することができ、端子の周囲全体の鉛フリーはんだのはんだ上がり性を向上させることが可能となる。
本発明に係るプリント基板によれば、スルーホールの長孔によって端子の位置決めを容易に行うことができるとともに、スリット孔を設けたことにより、浸入する鉛フリーはんだの総熱量が増加するとともに端子を加熱し易くなるため、はんだ上がり性を向上させることが可能となる。
さらに、鉛フリーはんだとスルーホールとの接触面積が増加することで鉛フリーはんだの供給停止後の放熱が促進されるため、はんだ付け強度を向上させることが可能となる。
さらに、鉛フリーはんだとスルーホールとの接触面積が増加することで鉛フリーはんだの供給停止後の放熱が促進されるため、はんだ付け強度を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係るプリント基板の実施の形態ついて、図1から図4を用いて詳細に説明する。
図1は実施形態に係るプリント基板のスルーホールの側断面図、図2は実施形態に係るプリント基板のスルーホールの平面図、図3は図1のA−A断面図、図4ははんだ付けが行われた後のプリント基板のスルーホールの側断面図である。
プリント基板30は、鉛フリーはんだを用いたフローはんだ付け法に適用されるものであり、本実施形態においては、図2及び3に示すように、挿入方向に直交する断面矩形状の端子10を備えた電子部品を実装するプリント基板30について説明する。
図1は実施形態に係るプリント基板のスルーホールの側断面図、図2は実施形態に係るプリント基板のスルーホールの平面図、図3は図1のA−A断面図、図4ははんだ付けが行われた後のプリント基板のスルーホールの側断面図である。
プリント基板30は、鉛フリーはんだを用いたフローはんだ付け法に適用されるものであり、本実施形態においては、図2及び3に示すように、挿入方向に直交する断面矩形状の端子10を備えた電子部品を実装するプリント基板30について説明する。
図1に示すように、プリント基板30は、その表面にプリント配線(図示省略)が形成された略板状をなす基板本体1を有しており、該基板本体1には、この基板本体1の上面1Aから下面1Bまで貫通して、該基板本体1の上面1A上に実装される電子部品の端子10が挿入されるスルーホール2を有している。
このスルーホール2の内周壁面、上面1A及び下面1Bにおける開口縁部は、銅箔からなるランド3によって覆われており、該ランド3は上記プリント配線と電気的に接続されている。
このスルーホール2の内周壁面、上面1A及び下面1Bにおける開口縁部は、銅箔からなるランド3によって覆われており、該ランド3は上記プリント配線と電気的に接続されている。
本実施形態におけるスルーホール2は、詳しくは図2及び図3に示すように、上記電子部品の端子10が挿入される長孔4と、該長孔4に連続するようにして形成された2つのスリット孔5、5とから構成されており、平面視にて略十字状をなしている。
長孔4は、図2及び図3に示すように、基板本体1を上面1Aから下面1Bにわたって貫通するように延びており、その平面視における形状が、二つの等しい長さの平行線l、lと、これら平行線l、l同士を両端にて接続する二つの円弧線R、Rとからなり、上記平行線l、lの延在方向を長手方向とした長円形状をなしている。そして、当該長孔4は、平行線l、lに沿った平坦内壁面4A、4Aと、円弧線R、Rに沿った屈曲内壁面4B、4Bとから構成され、これら平坦内壁面4A、4A及び屈曲内壁面4B、4Bはいずれも当該長孔4の貫通方向にわたって延びている。
また、長孔4における上記一対の平坦内壁面4A、4A同士の間隔は、端子10の矩形断面の長辺に沿った一対の端子面10A、10A同士の間隔、即ち端子10の矩形断面の短辺の寸法よりも僅かに大きなものとされている。
さらに、長孔4における屈曲内壁面4B、4B同士の間隔は、端子10の長辺を長孔4の長手方向に一致させた状態で、端子10を長孔4に挿入した際に、該端子10の矩形断面の4つの角部10Bが、屈曲内壁面4B、4Bと当接する大きさに形成されている。
これにより、端子10が長孔4に挿入された際には、端子10の矩形断面の4つの角部4Bが長孔4の屈曲内壁面4B、4Bにそれぞれ当接することにより、端子10が固定されることになる。
さらに、長孔4における屈曲内壁面4B、4B同士の間隔は、端子10の長辺を長孔4の長手方向に一致させた状態で、端子10を長孔4に挿入した際に、該端子10の矩形断面の4つの角部10Bが、屈曲内壁面4B、4Bと当接する大きさに形成されている。
これにより、端子10が長孔4に挿入された際には、端子10の矩形断面の4つの角部4Bが長孔4の屈曲内壁面4B、4Bにそれぞれ当接することにより、端子10が固定されることになる。
また、スリット孔5は、図2及び図3に示すように、平面視における外形が、長孔4の2つの平坦内壁面4A、4Aの長手方向略中央部から半楕円形状に窪んだ形状をなしており、長孔4と連続するようにして、基板本体1を上面1Aから下面1Bにわたって貫通するように延びている。
本実施形態のプリント基板30においては、電子部品を実装する際にフローはんだ付け法によるはんだ付けが行われる。なお、本実施形態においては、鉛フリーはんだとしてSnAgCu系、SnCuBi系、SuCu系等のものが使用され、その具体的な組成が重量パーセントで、Sn:96.5%、Ag:3.0%、Cu:0.5%のもの等が用いられる。
以上のような構成のプリント基板30においてフローはんだ付け法によるはんだ付けを行う際には、まず、スルーホール2の長孔4に電子部品の端子10を挿入配置させる。
この際、端子10の矩形断面の4つの角部10Bが平面視長円形状をなす長孔4の屈曲内壁面4B、4Bにそれぞれ当接することで端子10が固定されるため、容易にスルーホール2に対する端子10の位置決めを行うことが可能となる。
この際、端子10の矩形断面の4つの角部10Bが平面視長円形状をなす長孔4の屈曲内壁面4B、4Bにそれぞれ当接することで端子10が固定されるため、容易にスルーホール2に対する端子10の位置決めを行うことが可能となる。
このように端子10が挿入された状態から余熱工程を施した後に、加熱溶融された接合剤としての鉛フリーはんだを噴流により端子10の先端側より供給してスルーホール2内部に鉛フリーはんだを侵入させる。そして、鉛フリーはんだがスルーホール2の上部まで上がった際に、鉛フリーはんだの供給を停止することで、鉛フリーはんだが冷却凝固し、図4に示すようなはんだ凝固体20となって端子10がスルーホール2内に固定される。
ここで、本実施形態におけるはんだ付けに用いられる鉛フリーはんだは、鉛成分を含んだはんだに比べて、凝固温度が高いという性質を有する。したがって、端子10やスルーホール2の内壁面に熱が奪われる結果、鉛フリーはんだがスルーホール2の上部に上がる前に凝固点に達し凝固してしまい、十分なはんだ付けを行うことが困難となる。
これに対処すべく長孔2と端子10との間のクリアランスによる毛細管力によりはんだ上がりの速度を上昇させて鉛フリーはんだが凝固する前にスルーホール2の上部まで鉛フリーはんだを侵入させることも考えられる。ところが、鉛フリーはんだは従来の鉛成分を含んだはんだに比べて粘度が高いことから毛細管力の寄与を期待することはできず、スルーホール2内に充填される前に凝固温度に達してしまい、はんだ上がり性の低下を改善することはできない。
これに対処すべく長孔2と端子10との間のクリアランスによる毛細管力によりはんだ上がりの速度を上昇させて鉛フリーはんだが凝固する前にスルーホール2の上部まで鉛フリーはんだを侵入させることも考えられる。ところが、鉛フリーはんだは従来の鉛成分を含んだはんだに比べて粘度が高いことから毛細管力の寄与を期待することはできず、スルーホール2内に充填される前に凝固温度に達してしまい、はんだ上がり性の低下を改善することはできない。
この点、本実施形態のプリント基板30のスルーホール2においては、端子10の先端側から供給される鉛フリーはんだが、端子10と長孔2との間のクリアランスのみならずスリット孔5にも浸入していくため、スルーホール2内の鉛フリーはんだの絶対量が増加して鉛フリーはんだ全体としての熱量を大きくすることができる。これにより、端子10に熱が吸収されても鉛フリーはんだが高温状態に維持される。
また、スリット孔5に浸入した鉛フリーはんだによって、表面積の大きな端子10の矩形断面の長辺に沿った端子面10Aに熱が供給されるため、単位時間当たりの加熱量が増加して、端子10全体を加熱し易くすることができる。
即ち、スルーホール2内に侵入した鉛フリーはんだの総熱量が端子10に吸収される熱量を十分に上回ることができるとともに、端子10自体を容易に高温状態にすることができるため、スルーホール2内を上昇する過程において鉛フリーはんだの温度が凝固点まで達することはなく、溶融状態を維持したままスルーホール2の上部まで上がることが可能となる。
また、スリット孔5に浸入した鉛フリーはんだによって、表面積の大きな端子10の矩形断面の長辺に沿った端子面10Aに熱が供給されるため、単位時間当たりの加熱量が増加して、端子10全体を加熱し易くすることができる。
即ち、スルーホール2内に侵入した鉛フリーはんだの総熱量が端子10に吸収される熱量を十分に上回ることができるとともに、端子10自体を容易に高温状態にすることができるため、スルーホール2内を上昇する過程において鉛フリーはんだの温度が凝固点まで達することはなく、溶融状態を維持したままスルーホール2の上部まで上がることが可能となる。
また、例えば、スリット孔5が端子10の角部10Bに対応する箇所に形成されている場合、該スリット孔5が端子10の長辺に沿った端子面10A及び短辺に沿った面に臨むことになるため、はんだ上がりの過程において表面積の大きなスリット孔5から熱が逃げ易くなり、はんだ上がり性が低下する。
本実施形態においては、スリット孔5が端子10の長辺に沿った端子面10Aのみに臨む長孔4の平坦内壁面4Aに形成されているため、上記のような状態に陥ることはなく、鉛フリーはんだの高温状態を維持することが可能となる。
本実施形態においては、スリット孔5が端子10の長辺に沿った端子面10Aのみに臨む長孔4の平坦内壁面4Aに形成されているため、上記のような状態に陥ることはなく、鉛フリーはんだの高温状態を維持することが可能となる。
一方、鉛フリーはんだがスルーホール2の上部まで上がり切ると、鉛フリーはんだの供給が停止され、これと同時にスルーホール2内への熱の供給も停止される。この際、本実施形態のプリント基板30においては、スルーホール2の内壁面の表面積がスリット孔5の分だけ大きく、鉛フリーはんだとスルーホール2との接触面積も大きくなることから、該鉛フリーはんだの放熱を促進することができる。これによって鉛フリーはんだが短時間で冷却されるため、結晶構造を強固にすることが可能となる。
このようにして、本実施形態のプリント基板30においては、端子10の位置決めを容易に行うことができ、さらに、鉛フリーはんだを採用した場合であってもはんだ上がり性及びはんだ付け強度を向上させることが可能となる。
また、スリット孔5、5が長孔4の一対の平坦内壁面4A、4Aの両方に形成されているため、スルーホール2内に侵入する鉛フリーはんだの絶対量がより増加して該鉛フリーはんだの総熱量を多くすることができるとともに、端子10を一層加熱し易くすることができるため、より有効にはんだ上がり性を向上させることが可能となる。さらに、スリット孔5、5に侵入した鉛フローはんだによって長孔4内の端子10が短手方向から挟み込まれるため、長孔4の短手方向に関する端子10の位置の偏りを防止することができる。
さらにまた、スリット孔5、5が平坦内壁面4A、4Aの長手方向の略中央部にバランスよく形成されているため、スルーホール2内の鉛フリーはんだの熱の偏りを抑制することができ、端子10の周囲全体の鉛フリーはんだのはんだ上がり性を向上させることが可能となる。
さらにまた、スリット孔5、5が平坦内壁面4A、4Aの長手方向の略中央部にバランスよく形成されているため、スルーホール2内の鉛フリーはんだの熱の偏りを抑制することができ、端子10の周囲全体の鉛フリーはんだのはんだ上がり性を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態に係るプリント基板30ついて詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、本実施形態のプリント基板30におけるスルーホール2は、そのスリット孔5の平面視形状が半楕円形状をなすものについて説明したが、これに限定することはなく、例えば図5に示すような変形例のプリント基板31のスルーホール12であってもよい。このスルーホール12におけるスリット孔15は、長孔4の一対の平坦内壁面4Aから緩やかな円弧線状に窪んで、長孔4の長手方向に幅広の形状をなしている。
これによっても、長孔4により端子10の位置決めを容易としつつも、スリット孔15に鉛フローはんだが侵入することにより、スルーホール2内の鉛フローはんだの総熱量を増加させることができ、はんだ上がりを向上させることが可能となる。
例えば、本実施形態のプリント基板30におけるスルーホール2は、そのスリット孔5の平面視形状が半楕円形状をなすものについて説明したが、これに限定することはなく、例えば図5に示すような変形例のプリント基板31のスルーホール12であってもよい。このスルーホール12におけるスリット孔15は、長孔4の一対の平坦内壁面4Aから緩やかな円弧線状に窪んで、長孔4の長手方向に幅広の形状をなしている。
これによっても、長孔4により端子10の位置決めを容易としつつも、スリット孔15に鉛フローはんだが侵入することにより、スルーホール2内の鉛フローはんだの総熱量を増加させることができ、はんだ上がりを向上させることが可能となる。
また、スルーホール2、12におけるスリット孔5、15の形状は、上記のものに限定されず、他のいかなる形状のものであってもよい。
さらに、上記のスルーホール2、12においては、スリット孔5、15は長孔4の2つの平坦内壁面4A、4Aの両方の略中央に形成されているが、いずれか一方の平坦内壁面4Aに形成されたものであってもよいし、略中央以外の長手方向のいずれか一方に偏って形成されたものであってもよい。
1 基板本体
2 スルーホール
4 長孔
4A 平坦内壁面(内壁面)
4B 屈曲内壁面(内壁面)
5 スリット孔
12 スルーホール
15 スリット孔
30 プリント基板
31 プリント基板
2 スルーホール
4 長孔
4A 平坦内壁面(内壁面)
4B 屈曲内壁面(内壁面)
5 スリット孔
12 スルーホール
15 スリット孔
30 プリント基板
31 プリント基板
Claims (3)
- 基板本体を貫通するスルーホールを備え、挿入方向に直交する断面矩形状をなす電子部品の端子が前記スルーホールに挿入されるとともに、前記端子の先端側より鉛フリーはんだが供給されて、電子部品が実装されるプリント基板において、
前記スルーホールが、
平面視長円形状をなし、前記端子をその矩形断面の長辺を前記長円形の長手方向に一致させて、かつ、前記矩形断面の角部を前記長円形に沿った内壁面に当接状態にして挿入可能な長孔と、
前記長孔における前記長手方向に沿った一対の内壁面の少なくとも一方に形成され、該内壁面から窪むとともに前記基板本体を貫通し、前記鉛フリーはんだを流入可能に形成されたスリット孔とから構成されていることを特徴とするプリント基板。 - 前記スリット孔が前記一対の内壁面の両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
- 前記スリット孔が、前記内壁面の長手方向の略中央部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント基板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008163656A JP2010003984A (ja) | 2008-06-23 | 2008-06-23 | プリント基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013247099A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-09 | Sanyo Electric Co Ltd | 配線基板 |
Citations (3)
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