JP2010002868A - デジタルカメラ - Google Patents

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晃一 高山
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Abstract

【課題】簡単な構成であって、クイックリターンミラーのバウンドを速やかに抑え、かつ、装置のコンパクト化も可能であるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、撮像光学系の光路上に入り、上記撮像光学系からの光束をファインダ観測用ファインダユニットと焦点調節用素子との少なくとも一方に導く進入位置と、上記撮像光学系の光路上から退避し、上記光束を撮像素子に入射させる退避位置との間を往復するクイックリターンミラー16を保持するミラー枠15と、ミラー枠15が上記退避位置から上記進入位置に復帰するとき、上記進入位置近傍でミラー枠15の少なくとも一部と衝突し、上記衝突の後、上記衝突した方向と異なる方向にミラー枠15の一部と再度衝突して、ミラー枠15が上記進入位置に復帰した際の残振動を抑制するロックレバー21とを具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ファインダ観察用(測距用を含む)のクイックリターンミラーを駆動する駆動機構を備えるデジタルカメラに関する。
従来、ファインダ観察用(測距用を含む)のクイックリターンミラーを備えるデジタルカメラ、例えば、一眼レフレックスデジタルカメラにおいて、測距用サブミラーを備えたクイックリターンミラーは、撮影光学系である撮影レンズを介して取り込まれる被写体光束の光路に進入し、ファインダ観察を行い、さらに、サブミラーにより被写体距離の測定(測距)を行うために被写体光束を測距センサに向けて反射する進入位置と、上記被写体光束の光路から退避し、被写体像の撮像信号を得るために撮像素子に入射可能にする退避位置とに回動駆動される。
図39は、上記従来の一眼レフカメラのクイックリターンミラーまわりの要部の構成を示す模式図であって、上記カメラにおいては、撮影レンズから取り込まれる光軸Oに沿った被写体光束は、光軸Oに沿ってカメラボディ100内に取り込まれる。上記光軸O上には、支持軸104に支持されたサブミラー102を備え、回動軸103に支持される回動可能なクイックリターンミラー101と、撮像素子を含む撮像ユニット107が配され、クイックリターンミラー101の上部には、スクリーン、ペンタプリズム、接眼レンズ等を有するファインダユニット108が配されている。
図39に示すようにクイックリターンミラー101は、ミラー駆動機構の駆動レバー(図示せず)を介してストッパ105に当接する進入位置P1 と、ストッパ106に当接する退避位置P2 とに回動駆動されるが、通常、進入位置P1 に向けてバネ付勢されており、退避位置P2 へはカムにより付勢バネをチャージする状態で回動駆動される。進入位置P1 へはカムの後退による上記付勢バネの付勢力により高速で回動駆動される。従って、進入位置P1 に回動駆動され、ストッパ105に当接した際、回動方向のバウンドが生じる。上記バウンドの発生によってファインダ観察像が安定するまで時間を要する。また、サブミラーによる測距も上記バウンドの安定後に行う必要があった。
そこで、特許文献1に開示されたカメラのミラーバウンド防止装置は、ミラーのストッパに当て付ける面を設け、該当て付け面は、該ミラーの回動方向の円周に対して傾斜し、かつ、撮影レンズ光軸と垂直な面に沿って形成する。上記ミラーが上記ストッパに当て付いたとき、上記撮影レンズ光軸に対する傾斜が変化しないような状態で振動することで、上記振動によるファインダ観察像の揺らぎを抑えるように構成されている。
特許文献2乃至5に開示されたミラーバウンド防止装置は、ミラーがストッパに当接したとき、上記ミラーをストッパ側に強制的に押さえ込むためのバウンド防止部材を設けたものである。
特許文献6乃至9に開示されたミラーバウンド防止装置は、ミラーがストッパに当接するとき、ミラーを別途に設けられる可動の慣性体に当て付けることによってミラー回動時の運動エネルギルギを上記可動の慣性体に伝達し、ミラー側のバウンドを無くすように構成したものである。
特開昭61−278831号公報 特開平10−206968号公報 特開平11−024163号公報 特開平11−038501号公報 特許第3900551号 特開平09−274249号 特許第3453799号 特開第3536131号 特開第3804109号
しかし、上述した特許文献1に開示されたミラーバウンド防止装置は、構成が簡単ではあるが、ミラーのバウンドをより速やかに収めることに対しては必ずしも有効ではない。
上述した特許文献2乃至5に開示されたものは、上記バウンド防止部材の構造が複雑化し、ミラー部の占有エリアが増大して、装置の小型化が困難になる。
特許文献6乃至9に開示されたミラーバウンド防止装置は、ミラーとは別体の可動の慣性体を配する必要があり、構造が複雑化するとともに、占有スペースが大きくなり、装置の重量も増えるなどの問題がある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、簡単な構成であって、クイックリターンミラーのバウンドを速やかに抑え、かつ、ミラー駆動装置のコンパクト化も可能であるデジタルカメラを提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載のデジタルカメラは、撮像光学系の光路上に入り、上記撮像光学系からの被写体光束をファインダ観測用ファインダユニットと焦点調節用素子との少なくとも一方に導く第1の位置と、上記撮像光学系の光路上から退避し、上記撮像光学系からの光束を光電変換素子(撮像素子)に入射させる第2の位置との間を往復するクイックリターンミラー部と、上記クイックリターンミラー部が上記第2の位置から上記第1の位置に復帰するとき、上記第1の位置近傍で上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と衝突し、上記衝突の後、上記衝突した方向と異なる方向に上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と再度衝突して、上記クイックリターンミラー部が上記第1の位置に復帰した際に生ずる残振動を抑制する振動抑制手段とを具備する。
本発明の請求項2記載のデジタルカメラは、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、上記振動抑制手段は、上記衝突により得られる衝突エネルギーにより、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と再度衝突する。
本発明の請求項3記載のデジタルカメラは、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、上記振動抑制手段は、上記クイックリターンミラー部を上記第1の位置に停止させる位置決め部材である。
本発明の請求項4記載のデジタルカメラは、請求項3に記載のデジタルカメラにおいて、上記クイックリターンミラー部は、上記クイックリターンミラー部が上記位置決め部材に衝突する衝突エネルギーにより上記振動抑制手段と再度衝突する部分を突出する突出部を更に具備する。
本発明の請求項5記載のデジタルカメラは、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、上記クイックリターンミラー部は、上記クイックリターンミラー部が上記第2の位置から上記第1の位置に復帰するときに生じる遠心力により上記振動抑制手段と衝突する部分を突出する突出部を更に具備する。
本発明の請求項6記載のデジタルカメラは、請求項4または請求項5に記載のデジタルカメラにおいて、上記衝突する際に、または、上記再度衝突する際に上記突出した部分を上記突出する前の位置に戻す方向に付勢し、上記衝突した後、または、上記再度衝突した後、上記突出した部分を突出する前の位置に戻す付勢手段を更に具備する。
本発明の請求項7記載のデジタルカメラは、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、上記振動抑制手段は、上記クイックリターンミラー部が上記第1の位置と上記第2の位置との間を往復する際、上記クイックリターンミラー部がとる回動軌跡の外周円近傍、または、側面の移動軌跡近傍で上記クイックリターンミラー部と衝突する、あるいは、再度衝突する。
本発明の請求項8記載のデジタルカメラは、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、上記クイックリターンミラー部が上記第1の位置と上記第2の位置の間を往復する際、上記クイックリターンミラー部がとる回動軌跡、または、移動軌跡から外れたところに上記振動抑制手段が位置するよう付勢し、衝突した後、または、再度衝突した後、上記振動抑制手段を上記回動軌跡、または、移動軌跡から外れた位置に戻す付勢手段を更に具備する。
本発明の請求項9記載のデジタルカメラは、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、上記振動抑制手段は、上記衝突により、上記クイックリターンミラー部、または、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部の進行方向を変えさせる。
本発明の請求項10記載のデジタルカメラは、請求項9に記載のデジタルカメラにおいて、上記振動抑制手段の少なくとも一部は、上記衝突した後の上記クイックリターンミラー部、または、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部の進行方向先に位置する。
本発明の請求項11記載のデジタルカメラは、請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、上記振動抑制手段は、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と再度衝突する際、少なくとも2点以上で衝突する。
本発明によれば、簡単な構成であって、クイックリターンミラーのバウンドを速やかに抑え、かつ、装置のコンパクト化も可能であるデジタルカメラを提供することができる。
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態のデジタルカメラである一眼レフカメラの要部の構成を示す撮影レンズ光軸に沿った断面図である。図2は、上記一眼レフカメラのミラーボックス部を前方側からみた斜視図である。図3は、上記一眼レフカメラのミラーユニットを前方側からみた斜視図であって、ミラー進入位置状態を示す。図4は、上記ミラーユニットに組み込まれるロック部材としてのロックレバーの斜視図である。
本実施形態の一眼レフカメラ1は、図1に示すようにカメラボディ2と、カメラボディ2に着脱可能な交換式レンズ鏡筒3とからなる。
レンズ鏡筒3は、レンズ光軸を有する撮影レンズ3aを内蔵しており、カメラボディ2に対してボディマウント29により装着可能である。
カメラボディ2は、図1,2に示すようにカメラ本体部2a内部に配される構成部材として、前面部にボディマウント29が配され、かつ、ミラーユニット5および測距センサユニット6を内蔵するミラーボックス4と、ミラーボックス4の後方部に配されるシャッタユニット7、および、撮像ユニット8と、ミラーボックス4の上方部に配されるファインダユニット9と、さらに、カメラ制御部および各ユニット駆動部(図示せず)を具備している。
なお、レンズ鏡筒3がカメラボディ2に装着された状態でのレンズ光軸を図中、Oで示す。レンズ光軸O方向で被写体側をカメラボディ2の前方側とし、結像側を後方側とする。また、レンズ光軸Oに対する左右方向をx方向とする。また、ミラーユニット5のクイックリターンミラーを保持するミラー枠15(後述)がストッパ4a(後述)に当接した状態の進入位置P1 における先端面の回動軌跡の接線の方向をy方向とする。これらの方向は、後述する他の実施形態においても共通とする。
さて、カメラボディ2に内蔵されるファインダユニット9は、焦点板11と、ペンタプリズム12と、接眼レンズ13とからなりファインダ光学系を構成する。
ミラーユニット5は、ミラーボックス4の内部に配され、被写体光束を反射する反射面を有するクイックリターンミラー16が上面部に固着され、かつ、サブミラー17を回動可能に支持するクイックリターンミラー部であるミラー枠15と、振動抑制手段としてのミラー振動抑制部を構成するロック部材であるロックレバー21とからなる。
ミラー枠15は、図3に示すようにx方向に沿った回動軸18を介してミラーボックス4によって回動可能に支持されており、ミラー付勢バネ19によって下方側に付勢されている。また、ミラー枠15は、ミラー駆動装置(図示せず)によりミラー駆動レバー(図示せず)が一方方向に回動駆動されると、被駆動ピン15aを介してミラー付勢バネ19の付勢力に抗して上方(ミラーアップ方向)に向けて回動駆動され、ミラーボックス4の内壁面のストッパ4bに当接して退避位置P2 (後述する)に停止する。一方、上記ミラー駆動レバーが逆方向に回動駆動されるとミラー付勢バネ19の付勢力によって下方(ミラーダウン方向)に向けて回動駆動され、ミラーボックス4の内壁面の位置決め部材であるストッパ4aに当接して進入位置P1 (後述する)に停止する。そのとき、ミラー枠15の背面部に配されるサブミラー17も上記回動動作に連動して回動する移動する。
ミラー枠15が下方の第一の位置である上記進入位置P1 に位置した状態では、クイックリターンミラー16がレンズ光軸O上の被写体光束の光路内に斜設状態で位置する(図1,2)。この状態では撮影レンズ3aを介して取り込まれた被写体光束は、クイックリターンミラー16によって上方のファインダユニット9に向けて反射され、ファインダ観察が可能となる。また、サブミラー17は、ミラー枠15が進入位置P1 にあるとき、ミラー枠15の後方部にて光軸O上に斜設状態で位置しており、クイックリターンミラー16の一部を透過した被写体光束の一部が焦点検出用素子である測距センサユニット6側に反射され、被写体距離の測定(測距)が可能となる。
ミラー枠15が上方の第二の位置である退避位置P2 に位置した状態では、クイックリターンミラー16、サブミラー17とともに被写体光束の光路外に退避した状態にあり、撮影レンズ3aを介して取り込まれた被写体光束は、開状態にあるシャッタユニット7を通過して撮像ユニット8の光電変換素子である撮像素子の光電変換面上に結像する。そして、上記撮像素子より出力される撮像信号が上記カメラ制御部により処理され、被写体画像信号として出力される。
ロックレバー21は、ミラーボックス4の内部であって進入位置P1 にあるミラー枠15の先端部近傍に配されている(図1,3)。ロックレバー21は、L字板形状の部材であり、ロックレバー21を回動可能に支持する回動軸22と、回動軸22の反対側のL字部端部に固着される合焦樹脂製の当接ピン23および枠押エピン24とが固着されている。回動軸22は、進入位置P1 にあるミラー枠15の前方のミラーボックス4の軸支穴4cに嵌入しており、その軸方向は、x,y方向に垂直な方向、すなわち、進入位置P1 にあるミラー枠15の下面部15cの延出方向に沿っている(図1)。
また、ロックレバー21自体は、ミラー枠15の先端部15bの回動軌跡の外側に位置している。そして、ロックレバー21の回動姿勢によって当接ピン23がミラー枠15の先端下面部15cに、また、枠押エピン24がミラー枠15の先端上面部15dにそれぞれ当接可能な位置に支持されている。また、ロックレバー21は、付勢手段であるトーションバネからなる付勢バネ25によって反時計回り(ミラーボックス前方、すなわち、図3のA−A方向から見た回動方向)のF0 方向(図5に示す)に付勢され、ミラー枠15が進入位置P1 近傍以外にあるときは、付勢バネ25の付勢力によってミラーボックス4側のストッパ4dに当接している。
ロックレバー21は、カメラ露光終了後、ファインダ観察および合焦動作(測距)を行うためにミラー枠15が退避位置P2 から進入位置P1 に向けて回動し、ストッパ4aに当接したときに発生するミラー枠15のバウンド、言い換えると、当接後の残振動を抑え、素早く静定させる機能を有している。すなわち、ミラー枠15が回動して進入位置P1 近傍に達したとき、当接ピン23がミラー枠15と当接し、そのときの衝撃エネルギでロックレバー21が瞬間的に時計回りに回動する。その回動によって枠押エピン24がミラー枠15の先端上面部15dの上に移動する。ミラー枠15がストッパ4aに当接後、上方に向けてバウンドしようとすると、枠押エピン24がミラー枠15に当接してそのバウンドが抑えられ、ミラー枠15を素早く静定させることになる。
図5,6を用いてロックレバー21によるミラー枠15のバウンド(振動)抑制動作の挙動を説明する。
図5(A)〜(F)は、図3のA−A矢視図で示されるミラー枠15の進入位置P1 におけるバウンド抑制動作過程を示す模式図である。図6は、ミラー枠15が進入位置P1 へ移動するときの経過時間tに対するミラー枠先端部の変位を示す線図である。なお、図5において、進入位置P1 にあるミラー枠15の下面部15cと先端部15bとで形成される稜線に沿った軸をX軸(x方向と平行)とし、進入位置P1 にあるミラー枠15の左端面部15eと先端部15bとで形成される稜線に沿った軸をY軸とする。また、その交点をX,Y座標の原点S0 (0,0)する。従って、Y軸は、ミラー枠15の左端面部15eの移動軌跡R0 に沿っている。
図5(A)に示すようにミラー枠15がストッパ4aの近傍(進入位置P1 の近傍)に到達する前は、ロックレバー21は、付勢バネ25によって反時計回りに回動しており、当接ピン23の外径上面が距離δ2 だけX軸より上側にあり、枠押エピン24の外径右側面は、ミラー枠移動軌跡R0 の外方(左側)に距離δ3 だけ離間している。なお、ロックレバー21の回動軸22の軸心は、Y軸近傍の右下方(Y軸−側、かつ、X軸+側)の距離δ1 にある。
図6の経過時間t1 にてミラー枠15がストッパ4aの近傍に達して、下面部15cが当接ピン23に当接した後、経過時間t2 にてストッパ4aに当接するまでの間に当接ピン23は、ミラー枠15の運動エネルギを受けて時計回りに回動駆動され、図5(B)の状態を経て図5(C)の位置に回動する。この状態では、当接ピン23はX軸より下側の距離δ4 まで移動し、枠押エピン24の外径左側面がY軸より右側の距離δ5 まで進入し、ミラー枠15の先端上面部15dに対して僅かな隙間をもって当接可能な位置に移動している。ミラー枠15の先端部15bがストッパ4aに当接した反動で上方にバウンドすると、経過時間t3 にて図5(D)に示すようにミラー枠15の先端上面部15dに枠押エピン24が当接してミラー枠15は、ストッパ4aに対して僅かな隙間δ0 より以上の上方への移動が規制される。すなわち、バウンドが抑えられる。このとき、ロックレバー21の回動軸22がY軸近傍に位置していることから、ミラー枠15の反発力でロックレバー21が反時計回りに回動されることがない。
なお、ロックレバー21がミラー枠15の下面部15cの当接により時計回りまわりに回動した後、その反動で反時計回りまわりに回動しようとするがそれまでの所要時間は、ミラー枠15がストッパ4aに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21の慣性、負荷抵抗、付勢バネ25の付勢力を設定する必要がある。
上述した枠押エピン24の作用によりミラー枠15の大きなバウンドが抑えられ、より早い経過時間t4 にてミラー枠15が静定状態となる。図5(E)は、上記静定後の状態を示しており、この状態では当接ピン23がミラー枠15の下端面に当接しており、枠押エピン24の右側面は、ミラー枠15の左端面部15eの移動軌跡R0 より外側に移動している。従って、ミラー枠15の上方への移動(退避位置P2 への移動)が妨げられない状態になっている。
その後、カメラ露光状態に移行するためにミラー枠15が経過時間t5 にて上方に向けて回動駆動されると、図5(F)に示すようにロックレバー21は、ミラー枠15から解放され、付勢バネ25の付勢力によってわずかに反時計回りに回動し、ストッパ4dに当接し、図5(A)の状態に戻り、ミラー枠15の進入位置P1 への進入移動が可能な状態に保持される。
上述したようにミラー枠15の進入位置P1 での衝撃によるバウンドがロックレバー21がミラー枠15と少なくとも2回、当接することによって、極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。
図7は、経過時間に対するミラー枠先端部の変位をロックレバー21を適用した場合(実線Z1 で示す)とロックレバー21を適用しない場合(破線Z2 で示す)とをパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。本図に示すようにロックレバー21を適用した場合は、ミラー枠15がより早く進入位置P1 に静止することがわかる。また、ミラー枠15が早く静定状態になることで、サブミラー17も同様に早く静定する。
以上、説明したように本実施形態の一眼レフカメラ1におけるミラーユニット5によれば、バウンドをロックレバー21をその先端部に配することによって、ミラー枠15の進入位置P1 におけるストッパ4aとの衝突によるクイックリターンミラーのバウンド(残振動)を速やかに抑えることができる。同時にミラー枠15に支持されるサブミラー17の振動も抑えることができる。従って、速やかにファインダ観察が行え、また、サブミラー17の反射光による位相差測距動作についても、待ち時間の極めて少ない状態で即応でき、素早いAF動作が可能となり、露光開始の遅れが避けられる。さらに、ミラー枠15が進入位置P1 に静止した状態では、ロックレバー21の枠押エピン24が付勢バネ25の付勢力によって、ミラー枠15の移動軌跡R0 の外側に退避することから、ロックレバー21を退避させる専用の機構部を必要とせず、装置のコンパクト化も可能である。
上述したミラーユニット5におけるロックレバー21は、ミラー枠15の先端部の前方に配置されるものであったが、それに替わる第一の変形例としてロックレバーをミラー枠の先端部の側方に配し、ミラー枠のバウンドを抑える場合、枠押エピンをミラー枠の先端部側面に当接させ、その摩擦力によって上記バウンドを抑えるものを提案することができる。
図8は、図3のA−A矢視に対応する図であって、上記第一の変形例のロック部材であるロックレバー21Bを適用したミラー枠バウンド抑え状態を示す図である。
本変形例におけるロックレバー21Bは、L字板形状の部材であり、回動軸22Bと、回動軸22Bと反対の面のL字部端部に固着される当接ピン23Bおよび枠押エピン24Bとが設けられている。回動軸22Bは、ロックレバー21の場合と同様にミラーボックス4の軸支穴4cに嵌入しており、付勢バネ(図示せず)によりF0 方向(図8)に付勢されるロックレバー21Bを回動可能に支持する。また、ロックレバー21Bは、ミラー枠15Bの先端部15Bbの外側(外径側)に配されており、ミラー枠15Bが進入位置P1 近傍に到達する前には、当接ピン23Bがストッパ4aの当接面を延長した面より上側に突出し、かつ、枠押エピン24Bの内側(ミラー枠側)がミラー枠15Bの左端面部15Beの移動軌跡Rbの外側(左側)に位置するように付勢バネ(図示せず)で付勢され、ロックレバーストッパ(図示せず)に当接した状態で位置決めされている。
ミラー枠15Bが降下してミラーボックス4のストッパ4aに当接するとき、当接ピン23Bがミラー枠15Bの下面部15Bcで弾かれて、時計回り(反F0 方向)に回動する。その回動力により枠押エピン24Bの側面がストッパ4aとの当接でバウンドしたミラー枠15Bの左端面部15Beを押圧する。その押圧による摩擦力によってミラー枠15Bのバウンド成分が押さえ込まれ、ミラー枠15Bを素早く静止状態にすることができる。
上述のように本変形例のロックレバー21Bを適用したミラーユニットにおいても第一の実施形態の場合と同様にクイックリターンミラー16を保持するミラー枠15Bのバウンドを押さえ込み、素早く静止状態にすることができる。
さらに、上述した第一の実施形態に適用したロックレバー21に対する第二の変形例として、ミラー枠の先端部の側方に配したロックレバーを適用するものを提案することもできる。
図9は、上記第二の変形例のロック部材であるロックレバー21Cを適用したミラー進入位置状態におけるミラーユニット5Cの斜視図である。図10は、図9のB−B矢視図で示される本変形例のロックレバー21Cとミラー枠15Cとの動作状態を示す図である。
図9に示すように本変形例におけるロックレバー21Cは、L字板形状の部材であり、回動軸22Cと、回動軸22Cと反対の面のL字部端部に固着される当接ピン23Cおよび枠押エピン24Cとが設けられている。回動軸22Cは、ミラーボックス4のx方向に沿った軸支穴4Ccに嵌入しており、ロックレバー21Cを回動可能に支持する。また、ロックレバー21Cは、ミラー枠15Cの左側端面部の移動軌跡外の側方に配されており、図10に示すようにミラー枠15Cが進入位置P1 近傍に到達する以前の状態では、付勢バネ(図示せず)の付勢力によって時計回り(F0 方向)に付勢され、ロックレバーストッパ4Cdに当接して位置決めされている。この位置決め状態では、当接ピン23Cがストッパ4aの当接面を延長した面より上側に突出し、かつ、枠押エピン24Cの内側(ミラー枠側)がミラー枠15Cの先端部15Cbの回動軌跡Rcの外側(外径側)に位置する。
ミラー枠15Cが降下してミラーボックス4のストッパ4aに当接したとき、当接ピン23Cがミラー枠15Cの下面部15Ccで弾かれて、ロックレバー21Cは、反時計回りに回動する。その回動により枠押エピン24Cがストッパ4aに当接した後に上方にバウンドするミラー枠15Cの先端上面部15Ceを押さえ込むので、ミラー枠15Cのバウンドが阻止され、素早く静止状態にすることができる。ミラー枠15Cが進入位置P1 にて静止状態となった後、ロックレバー21Cは、上記付勢バネの付勢力によって時計回りに回動駆動され、当接ピン23Cがミラー枠15Cの下面部15Ccに当接した状態になる、この状態では、枠押エピン24Cは、回動軌跡Rcの外側にあって、ミラー枠15Cの退避方向への移動は可能な状態である。その後、ミラー枠15Cが退避位置P2 に戻ると、ロックレバー21Cは、ロックレバーストッパ4Cdに当接した図10の状態に戻る。この状態ではミラー枠15Cの進入位置P1 への進入移動が可能である。
上述のように本変形例のロックレバー21Cを適用したミラーユニットにおいても第一の実施形態の場合と同様にクイックリターンミラー16を保持するミラー枠15Cのバウンドを押さえ込み、素早く静止状態にすることができる。
また、上述した第一実施形態におけるロックレバー21に対する第三の変形例のロックレバーをミラー枠の先端部の側方に配し、ミラー枠のバウンドを抑える場合、枠押エピンをミラー枠の先端部側面に当接させ、その摩擦力によって上記バウンドを抑えるものを提案することができる。
図11は、上記第三の変形例のロック部材であるロックレバー21Dとミラー枠15Dとの動作状態を左方側からみた図である。
本変形例のロックレバー21Dは、L字板形状の部材であり、回動軸22Dと、回動軸22Dと反対の面のL字部端部に固着される当接ピン23Dおよび枠押エピン24Dとが設けられている。回動軸22Dは、ミラーボックス4のx方向に沿った軸支穴に嵌入しており、回動可能に支持する。また、ロックレバー21Dは、ミラー枠15Dの先端部15Dbの左側方に配されており、ミラー枠15Dが進入位置P1 近傍に到達する前は、当接ピン23Dがストッパ4aの当接面を延長した面より上側に突出し、かつ、枠押エピン24Dの内側(ミラー枠側)がミラー枠15Dの先端部15Dbの回動軌跡Rdの外側に位置するように付勢バネ(図示せず)により時計回り(F0 方向)に付勢され、ロックレバーストッパ4Ddに当接して保持されている。
ミラー枠15Dが降下してミラーボックス4のストッパ4aに当接したとき、当接ピン23Dがミラー枠15Dの下面部15Dcで弾かれて、反時計回りに回動する。その回動力によって枠押エピン24Dの側面がストッパ4aとの当接でバウンドしたミラー枠15Dの先端部15Dbを押圧する。その押圧摩擦力によってミラー枠15Dのバウンド成分が押さえ込まれ、素早く静止状態にすることができる。ミラー枠15Dが進入位置P1 にて静止状態となった後、ロックレバー21Dは、上記付勢バネの付勢力によって時計回りに回動駆動され、当接ピン23Dがミラー枠15Dの下面部に当接する。この状態では、ミラー枠15Dの退避位置P2 への移動は阻止されない。ミラー枠15Dが退避位置P2 に移動した後は、ロックレバー21Dは、ストッパ4Ddに当接し、ミラー枠15Dの進入位置P1 への進入移動が可能な状態になる。
上述のように本変形例のロックレバー21Dを適用したミラーユニットにおいても第一の実施形態の場合と同様にクイックリターンミラー16を保持するミラー枠15Dのバウンドを押さえ込み、素早く静止状態にすることができる。
次に、本発明の第二の実施形態として一眼レフカメラに組み込み可能なミラーユニットについて、図12〜14、および、図15(後述)を用いて説明する。
図12は、本実施形態のミラーユニット5Eにおけるミラー振動抑制部まわりの斜視図である。図13は、図12のE−E断面図である。図14は、上記ミラー振動抑制部の振動抑制動作の過程を示す図である。
本実施形態のミラーユニット5Eは、上記ミラー振動抑制部以外の構成は、前述した第一の実施形態におけるミラーユニット5と同様の構成を有している、従って、同様の構成部材には同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
図12、13に示すように本実施形態のミラーユニット5Eの振動抑制手段であるミラー振動抑制部は、ミラー枠15Eの先端部の近傍の側部に配されるミラー枠側振動抑制部とミラーボックス4の位置決め部材としてのストッパ4Eaとからなる。
ストッパ4Eaは、ミラーボックス4の内壁部4f上に固定される部材であって、ミラー枠15Eが進入位置P1 まで回動したときのストッパであるが、その先端部には、ミラー枠15Eの先端部近傍の側面部所定位置の回動軌跡Reとの接触点から内側に傾斜した面、すなわち、x方向に沿い、y方向と交差する方向に沿った傾斜面4Ea1が設けられている。
上記ミラー枠側振動抑制部は、ミラー枠15Eの傾斜ガイド穴15Eaに嵌入し、スライド可能に嵌入する中空角柱部材からなるロック部材であって、スライド移動(突出移動)可能なロック片21Eと、ロック片21Eをミラー枠15Eの上面側に付勢する付勢手段である圧縮バネからなる付勢バネ25Eと、ストッパ部材22Eとからなる。ロック片21Eが嵌入するミラー枠15Eの傾斜ガイド穴15Eaは、ストッパ4Eaの傾斜面4Ea1と平行な方向であって、ミラー枠15Eの回動軌跡Reに対して内側に傾斜した方向Deに沿って形成されている。
ロック片21Eの中空部には、付勢バネ25Eが挿入されており、また、中空部下端部に突起部21Ebが設けられている。ストッパ部材22Eは、ロック片21Eの中空部の付勢バネ25Eの下側バネ端部に当接する状態で挿入され、ビス26Eによりミラー枠15Eの下面部15Ecに固着されている。
従って、ロック片21Eは、ミラー枠15Eが退避位置P2 にあるときからストッパ4Eaに当接する直前までは、図13に示すように付勢バネ25Eの付勢力で上方に移動し、突起部21Ebがストッパ部材22Eに当接した状態に支持されている。従って、ロック片21Eの先端部は、ミラー枠15Eの下面部15Ecから突出していない。しかし、ロック片21Eが進入位置P1 に到達し、ミラー枠15Eとストッパ4Eaとの当接によって、衝撃を受け、ロック片21Eは、ミラー枠15Eの下面部15Ec側から突出して、ストッパ側外面部21Eaがストッパ4Eaの傾斜面4Ea1の前に僅かな隙間を持った状態でスライド移動する。
上述した構成を有するミラーユニット5Eのミラー振動抑制部によるミラー枠15Eのバウンド(振動)抑制動作の挙動を図14(A)〜(D)を用いて説明する。
ミラー枠15Eが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて回動移動している期間は、図14(A)に示すようにロック片21Eの先端部は、ミラー枠15Eから突出していない。ミラー枠15Eがストッパ4Eaの当接してロック片21Eが衝撃を受けたとき、図14(B)に示すようにロック片21Eが下側に突出し、ストッパ4Eaの傾斜面4Ea1の前面に移動する。そこで、ミラー枠15Eがストッパ4Eaとの当接による衝撃で上方にバウンド移動しようとすると、図14(C)に示すようにロック片21Eのストッパ側外面部21Eaがストッパ4Eaの傾斜面4Ea1と当接し、干渉状態となり、ミラー枠15Eのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかにミラー枠15Eが静止状態となる。該静止状態になった後は、ロック片21Eは、図14(D)に示すように付勢バネ25Eの付勢力で上方に移動し、ミラー枠15Eの下面部15Ecから突出しない状態になる。この状態では、ミラー枠15Eの退避位置P2 への回動が可能な状態である。
なお、ロック片21Eが衝撃を受けて下方に突出した後、その反動で上方に戻ることになるがそれまでの所要時間は、ミラー枠15Eがストッパ4Eaに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロック片21Eの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Eの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Eの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロック片21Eによって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。
図15は、ロック片21Eを適用した場合(実線Z1 で示す)とロック片21Eを適用しない場合(破線Z2 で示す)におけるストッパ4Ea当接後の経過時間に対するミラー枠先端部の変位をパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を示した線図である。本図に示すようにロック片21Eを適用した場合は、ミラー枠15Eが、より早く進入位置に静止することがわかる。
上述したように本実施形態のミラーユニット5Eを適用した場合も第一の実施形態のミラーユニット5を適用した場合と同様の効果を奏することができる。
次に、上記第二の実施形態のミラーユニット5Eに適用したミラー振動抑制部のロック片21Eに対してスライド方向の傾斜が異なるロック片21E′を適用する第一の変形例について、図16を用いて説明する。
図16は、図12のE−E断面に対応する本変形例のミラー振動抑制部周りの断面図である。
図16に示すように本変形例のミラー振動抑制部に適用するロック部材であるロック片21E′は、進入位置P1 に到達したとき、ミラー枠15E′の回動軌跡Re′に対して外側に向けてスライドして突出する。また、位置決め部材として適用するストッパ4Ea′は、ロック片21E′が突出する位置よりも外方側に配されている。その他の構成は、前記第二の実施形態の場合と同様とする。従って、同一の構成部材に対しては、同一の符号を付し、以下、異なる構成について詳しく説明する。
ストッパ4Ea′には、その先端部にミラー枠15E′の先端部近傍の側面部所定位置の回動軌跡Re′との接触点から外側に傾斜した傾斜面4Ea1′が設けられている。
ミラー枠15E′に対してスライド移動(突出移動)可能なロック片21E′は、前記ロック片21Eと同様にミラー枠15E′の傾斜ガイド穴15Ea′に嵌入し、スライド可能に嵌入する中空角柱部材からなり、内部に付勢手段である圧縮バネからなる付勢バネ25Eが挿入され、付勢バネ25Eの端部はストッパ部材22Eで押さえられている。ロック片21E′が嵌入するミラー枠15E′の傾斜ガイド穴15Ea′は、ストッパ4Ea′の傾斜面4Ea1′と平行な方向であって、ミラー枠15E′の回動軌跡Re′に対して外側に傾斜した方向に沿って形成されている。
ロック片21E′は、ミラー枠15E′が退避位置P2 にあるときからストッパ4Ea′に当接する直前まではロック片21E′の先端部は、ミラー枠15E′の下面部15Ec′から突出していない。ロック片21E′が進入位置P1 に到達し、ミラー枠15E′とストッパ4Ea′と当接すると、その衝撃によりロック片21E′は、ミラー枠15E′の下面部15Ec′側から突出して、ストッパ側外面部21Ec′がストッパ4Ea′の傾斜面4Ea1′の後方に僅かな隙間を持った状態でスライド移動する。その後、ミラー枠15E′がストッパ4Ea′との当接による衝撃で上方にバウンド移動しようとすると、ロック片21E′のストッパ側外面部21Ea′がストッパ4Ea′の傾斜面4Ea1′と当接し、干渉状態となり、ミラー枠15E′のそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかにミラー枠15E′が静止状態となる。
上述した構成を有する本変形例のミラー振動抑制部によるミラー枠の振動抑制動作は、第二の実施形態の場合と同様で有り、その効果も同様である。
次に、上記第二の実施形態のミラーユニット5Eに適用したミラー振動抑制部を構成するストッパ4Eaに対して振動抑制用専用のストッパをミラー枠用ストッパとは別に設けた第二の変形例について図16を用いて説明する。
図17は、図12のE−E断面に対応する本変形例のミラー振動抑制部周りの断面図である。
図17に示すように本変形例のミラー振動抑制部においては、ストッパ4Eaの替えてミラー枠位置決め用ストッパ4Fa、および、ミラー振動抑制用係止部材4Fgを設ける。なお、ミラー枠側振動抑制部は、上述した第二実施形態に適用したミラー枠側振動抑制部と同様の構成を有しており、ミラー枠15Fの傾斜ガイド穴15Faに嵌入し、ストッパ側外面部21Faを有し、スライド可能に嵌入する中空角柱部材からなる突出部としてのロック片21Fと、ロック片21Fをミラー枠15Fの上面側に付勢する付勢手段である圧縮バネからなる付勢バネ25Fと、ストッパ部材22Fとからなる。
ミラー振動抑制用係止部材4Fgは、進入位置P1 にあるミラー枠15Fの下面部15Fcから僅かな隙間を設けた状態でミラーボックス4の内壁部4fに固着されている。
ミラー振動抑制用係止部材4Fgの先端部には、ミラー枠15Fの先端部15Fb近傍の所定位置の回動軌跡Rfとの接触点から内側に傾斜した傾斜面4Fa1が形成されている。
上述した構成を有する本変形例のミラー振動抑制部によるミラー枠の振動抑制動作は、第二の実施形態の場合と同様で有り、その効果も同様である。
次に、上記第二の実施形態のミラーユニット5Eに適用したミラー振動抑制部を構成するミラー側振動抑制部のロック部材であるロック片21Eを回動可能なロックレバー21Gに替えた第三の変形例について、図18,19を用いて説明する。
図18は、図12のE−E断面図に対応する本変形例のミラー振動抑制部周りの断面図であって、ストッパ4Gaとロックレバー21Gが係止状態(干渉状態)にある場合を示している。図19は、図18のG矢視図である。
本変形例のミラー振動抑制部を構成するストッパ4Gaは、図18に示すように第二実施形態に適用したストッパ4Eaと同様のものとし、その先端部にミラー枠15Gの先端部近傍の所定位置の回動軌跡Rgとの接触点から内側に傾斜した傾斜面4Ga1が設けられている。
本変形例のミラー振動抑制部を構成するミラー側振動抑制部は、図18,19に示すようにミラー枠15Gの先端部の傾斜面15Gaにy方向に対して傾斜して配される回動軸26Gにより回動可能に支持されるロック部材であるロックレバー21Gと、ロックレバー21Gを反時計回りF0 方向に付勢する付勢手段であるトーションバネからなる付勢バネ25Gとからなる。
ロックレバー21Gがストッパ4Ga側に突出するように回動したとき、ミラー枠傾斜面15Ga側の係止面21Gaは、ストッパ4Gaの傾斜面4Ga1に対して僅かな隙間をもって位置する。
上述した構成を有する本変形例のミラー振動抑制部によるミラー枠の振動抑制動作を説明すると、ミラー枠15Gが回動移動中、または、進入位置P1 に静止しているときは、言い換えると、ストッパ4Gaに衝突したとき以外の状態では、ロックレバー21Gは、付勢バネ25Gの付勢によってストッパピン15Gdに当接しており、ロックレバー21Gの先端部は、ミラー枠15Gから突出していない状態に保持されている(図19の破線で示す)。
ミラー枠15Gが進入位置P1 まで回動し、ストッパ4Eaの当接してロックレバー21Gが衝撃を受けたとき、ロックレバー21Gが時計回り(反F0 方向)に回動し、下側に突出し、ストッパ4Gaの傾斜面4Ga1の前面に移動する(図19の実線の状態)。そこで、ミラー枠15Gがストッパ4Gaとの当接による衝撃で上方にバウンド移動しようとすると、ロックレバー21Gの係止面21Gaがストッパ4Gaの傾斜面4Ga1と干渉し、係合状態となり、ミラー枠15Gのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかにミラー枠15Gが静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Gは、付勢バネ25Gの付勢力で反時計回りに回動し、ストッパ部材15Gdに当接し、ミラー枠15Gの下面部15Gcから突出しない状態になる。従って、ミラー枠15Gの退避位置P2 への回動が可能な状態になる。
なお、ロックレバー21Gが衝撃を受けて下方に突出した後、その反動で上方に戻ることになるがそれまでの所要時間は、ミラー枠15Gがストッパ4Gaに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21Gの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Gの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Gの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Gによって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。
次に、上記第二の実施形態のミラーユニット5Eに適用したミラー振動抑制部を構成するミラー側振動抑制部のロック部材であるロック片21Eに対する第四の変形例の回動可能なロックレバー21Hについて、図20を用いて説明する。
図20は、本変形例のミラー振動抑制部周りの側面図であって、ロックレバー21Hが係止状態(干渉状態)、または、非係止状態(非干渉状態)にある状態を示している。
本変形例のミラー振動抑制部を構成するストッパ4Haは、図20に示すように側方に突出する係止ピン4Ha1を備えている。
本変形例のミラー振動抑制部を構成するミラー側振動抑制部は、図20に示すようにミラー枠15Hの先端部近傍の側面のx方向に沿った回動軸26Hによって回動可能に支持されるロックレバー21Hと、ロックレバー21Hを時計回り(F0 方向)に付勢する付勢手段であるトーションバネからなる付勢バネ25Hとからなる。
ロックレバー21Hは、先端部にストッパ4Haの係止ピン4Ha1と係止可能な円弧状突起からなる係止爪21Haを有している。外力(衝撃力)が作用しない通常の状態では、付勢バネ25Hの付勢力によって時計回り(F0 方向)に回動し、ストッパピン15Hdに当接しており、係止爪21Haは、ストッパ4Haの係止ピン4Ha1とは係止しない位置にある。言い換えると、係止ピン4Ha1の外径に接するミラー枠15Hの回動軌跡Rhの範囲外に位置する(図20の二点鎖線の状態)。
上述した構成を有する本変形例のミラー振動抑制部によるミラー枠の振動抑制動作を説明すると、ミラー枠15Hが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて回動移動している期間は、上述したようにロックレバー21Hの係止爪21Haは、ストッパ4Haの係止ピン4Ha1とは係止しない状態に保持されている。ミラー枠15Hがストッパ4Haの当接してロックレバー21Hが衝撃を受けたとき、ロックレバー21Hが反時計回りに回動し、係止爪21Haがストッパ4Haの係止ピン4Ha1と係止可能位置に回動する(図20の実線の状態)。そこで、ミラー枠15Hがストッパ4Haとの当接による衝撃で上方にバウンド移動しようとすると、係止爪21Haと係止ピン4Ha1が係止状態(干渉状態)となり、ミラー枠15Hのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかにミラー枠15Hが静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Hは、付勢バネ25Hの付勢力で時計回りに回動し、係止爪21Haと係止ピン4Ha1との係止状態が解放される。従って、ミラー枠15Hの退避位置P2 への回動が可能な状態になる。
なお、ロックレバー21Hが衝撃を受けて反時計回りに回動後、その反動で時計回りに戻ることになるがそれまでの所要時間は、ミラー枠15Hがストッパ4Haに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21Hの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Hの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Hの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Hによって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。
次に、本発明の第三の実施形態として一眼レフカメラに組み込み可能なミラーユニットについて、図21,22、および、図23(後述)を用いて説明する。
図21は、本実施形態のミラーユニット5Iにおけるミラー振動抑制部の斜視図である。図22は、図21のI矢視図であって、各振動抑制動作状態を示す。
本実施形態のミラーユニット5Iは、上記ミラー振動抑制部以外の構成は、前述した第一の実施形態におけるミラーユニット5と同様の構成を有している、従って、同様の構成部材には同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
図21、22に示すように本実施形態のミラーユニット5Iのミラー振動抑制手段であるミラー振動抑制部は、ミラー枠15Iの側方に回動可能に配されるロック部材であるロックレバー21Iと、ロックレバー21Iを反時計回り(F0 方向)に付勢する付勢手段であるトーションバネからなる付勢バネ25Iと、ミラーボックス側ストッパピン4Idと、ミラー枠15Iに設けられる係止穴15Iaとからなる。
ロックレバー21Iには、ミラーボックス4のストッパ4aに当接面に沿ったx,y方向に垂直な方向の回動軸21Iと、当接ピン23Iと、円弧状突起からなる係止爪21Iaとを備えている。ミラー枠15Iが退避位置P2 、または、進入位置P1 近傍に到達していない状態にあるとき、ロックレバー21Iは、付勢バネ25Iの付勢力で反時計回りに回動し、ストッパピン4Idに当接し、当接ピン23Iは、ストッパ4aの当接面の延面より上側にわずかに進入している。この状態では、ロックレバー21Iの係止爪21Iaは、ミラー枠15Iの側面のミラー枠移動軌跡Riの外側に位置しており、ミラー枠15Iの進入位置P1 への回動が可能である。また、ミラー枠15Iがストッパ4aに当接して進入位置P1 に静止している状態では、当接ピン23Iは、ミラー枠15Iの下面部15Icで押圧され、ロックレバー21Iは、わずかに時計回りに回動しており、同様にロックレバー21Iの係止爪21Iaは、ミラー枠15Iの側面のミラー枠移動軌跡Riの外側に位置している。この状態でもミラー枠15Iは、係止爪21Iaと干渉することなく退避位置P2 への回動が可能である。
ミラー枠15Iの係止穴15Iaは、ミラー枠15Iの先端部近傍の側面に設けられ、進入位置P1 にある状態で、ロックレバー21Iの係止爪21Iaがわずかな隙間をもって嵌入可能な穴である。なお、係止穴15Iaは、その先端側が切り欠かれた溝で形成してもよい。
上述した構成を有するミラーユニット5Iのミラー振動抑制部によるミラー枠15Iのバウンド(振動)抑制動作の挙動を説明すると、ミラー枠15Iが退避位置P2 から進入位置P1 近傍までに回動した状態では、ロックレバー21Iの係止爪21Iaの先端部は、ミラー枠移動軌跡Riの外側に位置しており、さらに、ミラー枠15Iが進入位置P1 まで回動移動すると、下面部15Icでロックレバー21Iの当接ピン23Iを弾く。ロックレバー21Iは、時計回り(反F0 方向)に急激に回動して、係止爪21Iaがミラー枠15Iの係止穴15Iaに嵌入した係止状態になる。そこで、ミラー枠15Iがストッパ4aとの当接による衝撃で上方にバウンド移動しようとしても係止爪21Iaによってミラー枠15Iのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかにミラー枠15Iが静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Iは、付勢バネ25Iの付勢力で反時計回りに回動駆動されるので、ミラー枠移動軌跡Riの外側に後退し、ミラー枠15Iの退避位置P2 への回動が可能な状態となる。
なお、ロックレバー21Iが時計回りに回動した後、その反動で反時計回りに回動することになるがそれまでの所要時間は、ミラー枠15Iがストッパ4aに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21Iの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Iの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Iの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Iによって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。図23は、本実施形態のロックレバーを適用した場合と適用しない場合のミラー枠の先端部の変位をパーソナルコンピュータによるシミュレーションによって求めた線図であり、Z1(実線)が本実施形態のロックレバーを適用した場合の変位を示し、Z2(破線)が適用しなかった場合の変位を示している。
本実施形態のミラーユニット5Iを適用した場合も第一の実施形態のミラーユニット5を適用した場合と同様の効果を奏することができる。
次に、第三の実施形態のミラーユニット5Iに適用したミラー振動抑制部のロック部材であるロックレバー21Iに替えて回動軸の方向が異なるロックレバーを適用した変形例について、図24、および、図25を用いて説明する。
図24は、本変形例を適用したミラー振動抑制部周りの斜視図である。図25は、図24のJ矢視図であって、ロックレバー21Jが係止状態、または、非係止状態にある状態を示している。
本変形例のミラー振動抑制部を適用するミラーユニット5Jにてミラーボックス4に配されるストッパ4aは、第一の実施形態の場合と同様のストッパである。
また、ミラー枠15Jの側面には、x方向に沿って突出する係止ピン15Jdが固着されている。
本変形例のミラー振動抑制部は、図24に示すようにミラー枠15Jの先端部近傍の側面のx方向に沿った回動軸22Jによって回動可能に支持されるロックレバー21Jと、ロックレバー21Jを時計回り(F0 方向)に付勢する付勢手段であるトーションバネからなる付勢バネ(図示せず)とからなる。
ロックレバー21Jは、略L字状のレバー部材からなり、x方向に沿った回動軸22Jと、レバー一端部に配される当接ピン23Jと、レバー他端部に配され、ミラー枠15Jの係止ピン15Jdに係合可能な円弧状溝からなる係合溝21Jaとを有している。係止溝21Jaは、当接ピン23J側が開放された溝である。
ロックレバー21Jは、ミラー枠15Jがストッパ4a近傍に到達していない状態では、上記付勢バネの付勢力によってF0 方向に回動し、ストッパピン4Jdに当接しており、係止溝21Jaは、ミラー枠係止ピン15Jdとは係止しない位置に退避している。また、当接ピン23Jは、ストッパ4aの当接面の延面内に僅かに進入した位置にある(図25の実線の状態)。
上述した構成を有する本変形例のミラー振動抑制部によるミラー枠の振動抑制動作を説明すると、ミラー枠15Jが退避位置P2 から回動移動して、進入位置P1 近傍に到達すると、ミラー枠15Jの下面部15Jcでロックレバー21Jの当接ピン23Jを叩くので、ロックレバー21Jは、反時計回り(反F0 方向)に回動し、ミラー枠15Jの係止ピン15Jdがロックレバー21Jの係止溝21Ja内に嵌入する状態となる(図25の2点鎖線の状態)。そこで、ミラー枠15Jがストッパ4aとの当接による衝撃で上方にバウンド移動しようとすると、係止溝21Jaによってミラー枠15Jのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかにミラー枠15Jが静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Jは、付勢バネの付勢力で時計回りに回動して、当接ピン23Jがミラー枠15Jの下面部15Jcに当接し、係止溝21Jaからミラー枠係止ピン15Jdとの係止状態が解放される。従って、ミラー枠15Jの退避位置P2 への回動が可能な状態になる。
なお、ロックレバー21Jが反時計回りに回動後、その反動で時計回りに戻ることになるがそれまでの所要時間は、ミラー枠15Jがストッパ4aに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21Jの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Jの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Jの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Jによって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。
次に、本発明の第四の実施形態として一眼レフカメラに組み込み可能なミラーユニットについて、図26,27、および、図28(後述)を用いて説明する。
図26は、本実施形態のミラーユニット5Kの斜視図である。図27は、図26のミラーユニットをK方向から見たときの振動抑制動作状態を示す模式図であって、図27(A)〜(F)は、それぞれ上記振動抑制動作の各過程を示す。
本実施形態のミラーユニット5Kは、ミラー振動抑制部以外の構成は、前述した第一の実施形態におけるミラーユニット5と同様の構成を有している、従って、同様の構成部材には同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
本実施形態のミラーユニット5Kにおけるミラーボックス4側のストッパ4aは、第一の実施形態の場合と同様のものを適用する。
また、ミラーボックス4には、ミラー振動抑制部を構成するロック受け部材26Kがミラー枠進入位置前方に固定して配されている。
ミラーユニット5Kのミラー枠15Kの下面部15Kcには、ミラー振動抑制部を構成する回動可能なロック部材であるロックレバー21Kが装着されている。
ロックレバー21Kは、先端部にロックピン24Kが設けられ、ミラー枠15Kの下面部15Kcに回動軸22Kにより回動可能に支持されており、付勢バネ25Kによって時計回り(図26の上面側から見て、F0 方向)に付勢されている。ロックピン24Kがロック受け部材26Kから解放された状態にあるときは、ロックレバー21Kは、ミラー枠側ストッパピン15Kfに当接しており、ロックピン24Kがミラー枠15Kの先端部より外方に突出している。
ロック受け部材26Kは、ミラー枠15Kの前方のx,y平面に沿って配されており、ミラー枠15Kが進入位置P1 の近傍にあるとき、ロックピン24Kが通過する領域であって、上面のx方向両側に設けられる導入傾斜面26Kaと、ロックピン挿通開口部26Kbと、該開口部左端部(K方向からみて、従って、F0 方向側)の下部に配される傾斜面26Kcと、該傾斜面26Kcから右方に連通する連通溝26Kdとが設けられている。
上述した構成を有する本実施形態のミラーユニット5Kにおけるミラー振動抑制動作について、図27(A)〜(F)を参照して説明する。
図27(A)〜(F)は、図26のK矢視で示される各ミラー振動抑制動作を示す図である。ミラー枠15Kが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて降下し、進入位置P1 近傍に達すると、ロックレバー21Kのロックピン24Kがロック受け部材26Kのロックピン挿通開口部26Kbに挿入する。ミラー枠15Kが進入位置P1 直前からストッパ4aに当接する進入位置P1 に達するまでの間に、ロックピン24Kがロック受け部材26Kの傾斜面26Kcに当接する。ロックレバー21Kは、そのときの運動エネルギを受けてロックピン24Kが右方向の連通溝26Kdに進入するように反時計回り(反F0 方向)に回動する(図27(C))。ミラー枠15Kは、ストッパ4aとの当接後、上方にバウンド移動しようとするが、ロックピン24Kが連通溝26Kdの上面26Keに当接するので(図27(D))、ミラー枠15Kのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかに静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Kは、付勢バネ25Kの付勢力で反時計回りに回動し(図27(E))、ロックピン24Kがロック受け部材26Kの傾斜面26Kcに当接する状態となる(図27(F))。この状態ではミラー枠15Kの退避位置P2 への回動が可能である。
なお、ロックレバー21Kのロックピン24Kが連通溝に進入後、その反動で傾斜面26Kc側に戻ることになるがそれまでの所要時間は、ミラー枠15Kがストッパ4aに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21Kの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Kの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Kの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Kのロックピン24Kがロック受け部材26Kに係合することよって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。図28は、本実施形態のミラー枠側振動抑制部を適用した場合とミラー枠側振動抑制部を適用しない場合のミラー枠の先端部の変位をパーソナルコンピュータによるシミュレーションによって求めた線図であり、Z1(実線)が本実施形態のミラー枠側振動抑制部を適用した場合の変位を示し、Z2(破線)がミラー枠側振動抑制部を適用しなかった場合の変位を示している。
本実施形態のミラーユニット5Kを適用した場合も第一の実施形態のミラーユニット5を適用した場合と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第五の実施形態として一眼レフカメラに組み込み可能なミラーユニットについて図29〜32、および、図33(後述)を用いて説明する。
図29,30は、本実施形態のミラーユニット5Lの斜視図であって、図29がミラー枠が退避位置にある状態、図30がミラー枠が進入位置近傍にある状態を示している。図31(A)〜(F)は、上記ミラーユニットの各振動抑制動作状態をミラー枠上面側から見た図である。図32(A)〜(F)は、上記ミラーユニットの各振動抑制動作状態をミラー枠前面側のL方向から見た図である。
本実施形態のミラーユニット5Lは、ミラー振動抑制部以外の構成は、前述した第一の実施形態におけるミラーユニット5と同様の構成を有している、従って、同様の構成部材には同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
本実施形態のミラーユニット5Lにおけるミラーボックス4側のストッパ4aは、第一の実施形態の場合と同様のものを適用する。
また、ミラーボックス4には、ミラー振動抑制部を構成するロック受け部材26Lがミラー枠進入位置前方に固定配置されている。
ミラーユニット5Lのミラー枠15Lの下面部15Lcには、ミラー振動抑制部を構成する回動可能なロック部材であるロックレバー21Lが装着されている。
ロックレバー21Lは、先端部にロックピン24Lが設けられ、ミラー枠15Lの下面部15Lcに回動軸22Lにより回動可能に支持されており、付勢バネ25Lによって図28の上面側から見て反時計回り(F0 方向)に付勢されている。ミラー枠15Lが退避位置P2 、または、進入位置P1 に静止している状態では、ロックレバー21Lは、付勢バネ25Lの付勢力によってミラー枠側ストッパピン15Lfに当接しており、ロックピン24Lは、ミラー枠15Lの先端部から突出していない。ミラー枠15Lが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて高速で回動するとロックレバー21Lが遠心力を受けて付勢バネ25Lの付勢力に抗して時計回りに回動し、ロックピン24Lがミラー枠15Lの先端部15Laより突出した状態となる(図30)。そのとき、ロックレバー21Lは、ストッパピン15Lgに当接し、ロックピン24Lは、突出位置に保持される。
ロック受け部材26Lは、進入位置P1 に移動したミラー枠15Lの前面のx,y平面に沿って配されており、ミラー枠15Lから突出したロックピン24Lが通過する領域上のx方向両側上面に配される導入傾斜面26Laと、ロックピン挿通開口部26Lbと、該開口部左辺部(L方向からみて)の下部に配される傾斜面26Lcと、該傾斜面26Lcから右方に連通する連通溝26Ldとが設けられている。
上述した構成を有する本実施形態のミラーユニット5Lにおけるミラー振動抑制動作について、図31(A)〜(F)および図32(A)〜(F)を参照して説明する。
ミラー枠15Lが退避位置P2 にあるときは、ロックレバー21Lは、付勢バネ25Lの付勢力で反時計回りに回動しており、ロックピン24Lは、ミラー枠15Lの下面部15Lcに収納された状態になっている(図31(A),図32(A))。そこで、ミラー枠15Lが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて高速で始動すると、ロックレバー21Lが遠心力を受けて時計回りに回動し、ロックピン24Lがミラー枠15Lの先端部15Laより突出した状態となる(図31(B),図32(B))。進入位置P1 近傍に達すると、ロックレバー21Lのロックピン24Lがロック受け部材26Lのロックピン挿通開口部26Lbに挿入する。ミラー枠15Lが進入位置P1 直前からストッパ4aに当接する進入位置P1 まで達するまでの間に、ロックピン24Lがロック受け部材26Lの傾斜面26Lcに当接し、その運動エネルギを受けて右方向の連通溝26Ldに進入するようにロックレバー21Lが反時計回りに回動する(図31(C),図32(C)から図31(D),図32(D)の状態)。そこで、ミラー枠15Lがストッパ4aと当接すると、上方にバウンド移動しようとするが、ロックピン24Lが連通溝26Ldの上面26Leに当接するので(図31(E),図32(E))、ミラー枠15Lのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかに静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Lは、付勢バネ25Lの付勢力でさらに反時計回りに回動し、ロックピン24Lがロック受け部材26Lの連通溝26Ldを通り抜けてミラー枠15Lの下面部15Lcに脱出する(図31(F),図32(F))。この状態ではミラー枠15Lの退避位置P2 への回動が可能である。
なお、ロックレバー21Lのロックピン24Lがロック受け部材26Lの連通溝26Ldに進入後、脱出するまでの所要時間は、ミラー枠15Lがストッパ4Laに当接して跳ね返りに要する時間よりも長くなるようにロックレバー21Lの慣性、負荷抵抗、付勢バネ25Lの付勢力を設定する必要がある。
上述したようにミラー枠15Lの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Lのロックピン24Lがロック受け部材26Lに係合することよって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。図33は、本実施形態のミラー枠側振動抑制部を適用した場合と適用しない場合のミラー枠の先端部の変位をパーソナルコンピュータによるシミュレーションによって求めた線図であり、Z1(実線)が本実施形態のミラー枠側振動抑制部を適用した場合の変位を示し、Z2(破線)がミラー枠側振動抑制部を適用しなかった場合の変位を示している。
本実施形態のミラーユニット5Lを適用した場合も第一の実施形態のミラーユニット5を適用した場合と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第五の実施形態のミラーユニット5Lに適用したミラー振動抑制部の回ロックレバー21Lおよびロック受け部材26Lに対する変形例について、図34を用いて説明する。
図34は、上記変形例を適用したミラーユニット5Mの斜視図であって、ミラー枠が退避位置にある状態と進入位置近傍にある状態を示している。
本変形例を適用したミラーユニット5Mにおいて、ミラーボックス4にはミラー振動抑制部を構成するロック受け部材26Mがミラー枠進入位置側方に固定配置されている。
ミラーユニット5Mのミラー枠15Mの下面部15Mcには、ミラー振動抑制部を構成する回動可能なロック部材であるロックレバー21Mが装着されている。
ロックレバー21Mは、先端部にロックピン24Mが設けられ、ミラー枠15Mの下面部15Mcに回動軸22Mにより回動可能に支持されており、付勢バネ25Mによって反時計回り(図34の上面側から見て)に付勢されている。ミラー枠15Mが退避位置P2 、または、進入位置P1 に静止している状態では、ロックレバー21Mは、付勢バネ25Mの付勢力によってミラー枠側ストッパピン15Mfに当接しており、ロックピン24Mは、ミラー枠15Mの側面部から突出していない。ミラー枠15Mが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて高速で回動するとロックレバー21Mが遠心力を受けて付勢バネ25Mの付勢力に抗して時計回りに回動し、ロックピン24Mがミラー枠15Mの側面部より側方に突出した状態となる。そのとき、ロックレバー21Mは、ストッパピン15Mgに当接して、ロックピン24Mの突出位置が保持される。
ロック受け部材26Mは、進入位置P1 に移動した状態のミラー枠15Mの側面のx,y平面に沿って配されており、第五の実施形態の場合と同様にミラー枠15Mから突出したロックピン24Mが通過する領域上であって、x方向両側上面に配される導入傾斜面26Maと、ロックピン挿通開口部26Mbと、該開口部前部の下部に配される傾斜面26Mcと、該傾斜面26Mcから後方側に連通する連通溝26Mdとが設けられている。
上述した構成を有する本実施形態のミラーユニット5Mにおけるミラー振動抑制動作は、上述した第五の実施形態の場合と同様であり、ミラー枠15Mが退避位置P2 から進入位置P1 に向けて高速で始動すると、ロックレバー21Mが遠心力を受けて時計回りに回動し、ロックピン24Mがミラー枠15Mの先端部15Maより突出した状態となる。ミラー枠15Mが進入位置P1 直前からストッパ4aに当接する進入位置P1 に達するまでの間に、ロックピン24Mがロック受け部材26Mの傾斜面26Mcに当接し、その運動エネルギを受けて後方の連通溝26Mdに進入するようにロックレバー21Mが反時計回りに回動する。そこで、ミラー枠15Mがストッパ4aとの当接して、上方にバウンド移動しようとするが、ロックピン24Mが連通溝26Mdの上面26Meに当接するので、ミラー枠15Mのそれ以上のバウンドが抑えられ、速やかに静止状態となる。該静止状態になった後は、ロックレバー21Mは、付勢バネ25Mの付勢力でさらに反時計回りに回動し、ロックピン24Mがロック受け部材26Mの連通溝26Mdを挿通してミラー枠15Mの下面部15Mc側に脱出する。この状態ではミラー枠15Mの退避位置P2 への回動が可能である。
上述したようにミラー枠15Mの進入位置P1 に到達したときの衝撃によるバウンドがロックレバー21Mのロックピン24Mがロック受け部材26Mに係合することよって極めて少ない状態に抑えられ、静定するまでの所要時間が減じられる。
次に、本発明の第六の実施形態として一眼レフカメラに組み込み可能なミラーユニットについて、図35,36、および、図37(後述)を用いて説明する。
図35は、本実施形態のミラーユニット5Nの斜視図であって、ミラー枠が退避位置および進入位置近傍にある状態を示している。図36は、図35のN矢視図であって、ミラー枠15Nが進入位置近傍に到達した後の動作状態を示している。
本実施形態のミラーユニット5Nは、ミラー振動抑制部以外の構成は、前述した第一の実施形態におけるミラーユニット5と同様の構成を有している、従って、同様の構成部材には同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
本実施形態のミラーユニット5Nにおけるミラーボックス4側のストッパ4aは、第一の実施形態の場合と同様のものを適用する。
さらに、ミラーボックス4には、ミラー振動抑制部を構成する傾斜面4Ng1を有するスライド受ケ壁部4Ngと、ミラー枠側面が当接する当接壁部4Niとがミラー枠15Nの進入位置P1 近傍の両側に配されている。
ミラーユニット5Nのミラー枠15Nの回動軸18の両端は、ミラーボックス4側の右軸受ケ部4Nhと左軸受ケ部4Nhとで回動可能、かつ、左方向にスライド可能に支持されている。そして、左軸受ケ部4Nhには、圧縮バネからなる軸付勢バネ27Nが挿入されており、ミラー枠15Nは、左方向にスライド可能な状態で右方向に向けて付勢されている。
さらに、ミラー枠15Nの右側面には、ミラー振動抑制部として傾斜面28Naを備えた傾斜突起部28Nが固着されている。傾斜突起部28Nは、進入位置P1 近傍でミラーボックス4のスライド受ケ壁部4Ngと当接可能である。ミラー枠15Nの左側面部15Neは、進入位置P1 近傍でミラーボックス4の当接壁部4Niと当接可能である。
上述した構成を有する本実施形態のミラーユニット5Nにおけるミラー振動抑制動作について説明すると、ミラー枠15Nが退避位置P2 にあるときは、軸付勢バネ27Nによって右方向に付勢され、右端側に移動している。退避位置P2 から進入位置P1 に向けて降下し、進入位置P1 近傍に到達してストッパ4aとミラー枠15Nとの隙間がα0 となったとき(図36)、傾斜突起部28Nの傾斜面28Naとミラーボックス4のスライド受ケ壁部4Ngの傾斜面4Ng1とが当接し、軸付勢バネ27Nの付勢力に抗してミラー枠15Nは傾斜面4Ng1を滑りながら左方向に移動しつつ、ストッパ4aに当接する。同時にミラー枠15Nの左側面部15Neがミラーボックス4の当接壁部4Niと当接する。ミラー枠15Nは、ストッパ4aに当接してことによって上方向にバウンドしようとするが、ミラー枠15Nの左側面部15Neが当接壁部4Niと当接状態にあり、その当接による摩擦力によって上記ミラー枠15Nの上方向へのバウンドが抑えられる。従って、ミラー枠15Nは、速やかにストッパ4aに当接した静止状態になる。静止状態になった後、ミラー枠15Nは、軸付勢バネ27Nの付勢力で僅かに右方向に移動し、左側面部15Neが当接壁部4Niから離間する。この離間状態では、左側面部15Neのx方向位置は、ミラー枠15Nの移動軌跡Rnの僅かに外側であるが、ミラー枠15Nの退避位置P2 への移動が可能である。
上述したようにミラー枠15Nの進入位置P1 に到達したとき、ミラー枠15Nを左方向にスライド移動させ、ミラーボックス4の当接壁部4Niと当接させたときの摩擦力でミラー枠15Nのバウンドを極めて少ない状態に抑えて、静定するまでの所要時間が減じることができる。図37は、本実施形態のミラー枠側振動抑制部を適用した場合とミラー枠側振動抑制部を適用しない場合のミラー枠の先端部の変位をパーソナルコンピュータによるシミュレーションによって求めた線図であり、Z1(実線)が本実施形態のミラー枠側振動抑制部を適用した場合の変位を示し、Z2(破線)がミラー枠側振動抑制部を適用しなかった場合の変位を示している。
本実施形態のミラーユニット5Nを適用した場合も第一の実施形態のミラーユニット5を適用した場合と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の第六の実施形態のミラーユニット5Nに適用したミラー振動抑制部の当接壁部4Niに対する第一の変形例について、図38を用いて説明する。
図38は、図35のN矢視図に対応した図であり、本変形例を適用したミラーユニット5Qにおいて、ミラー枠15Qが進入位置近傍に到達した後の動作状態を示している。
本変形例を適用したミラーユニット5Qは、第六の実施形態のミラーユニット5Nに対してミラーボックス4に配されるスライド受ケ壁部4Ngと同一構造の傾斜面4Qg1を有するスライド受ケ壁部4Qgが設けられ、一方、当接壁部4Niに替えて突起部4Qi1を有する係止壁部4Qiが設けられる。
ミラー枠15Qの回動軸18の支持構造は、第六の実施形態の場合と同様であって、回動軸18を右方向に付勢する軸付勢バネ(図示せず)が設けられている。また、ミラー枠15Qの右側面には、傾斜突起部28Nと同様の傾斜面28Qaを有する傾斜突起部28Qが配される。ミラー枠15Qの左側面部には、V字状凹部15Qeが設けられている。
上述した構成を有する本変形例を適用したミラーユニット5Qにおけるミラー枠振動抑制動作は、第六の実施形態の場合と略同様の動作であるが、ミラー枠15Qのバウンドを抑制するとき、ミラー枠15Qの左側面部のV字状凹部15Qeを係止壁部4Qiの突起部4Qi1に係合させることによって上記バウンドを抑制する。なお、ミラー枠15Qが静止した後、ミラー枠15Qも軸付勢バネの付勢力で右方向にミラー枠移動領域Rqに近い位置まで移動し、V字状凹部15Qeと係止壁部4Qiの突起部4Qi1との係合状態が解放される。
本変形例を適用したミラーユニット5Qの場合も第六の実施形態のミラーユニット5Nを適用した場合と同様の効果を奏し、特にバウンドの抑制をV字状凹部15Qeと係止壁部4Qiの突起部4Qi1との係合によって行われるので抑制効果が高い。
次に、本発明の第六の実施形態のミラーユニット5Nに適用したミラー振動抑制部の当接壁部4Niに対する第二の変形例について、図39を用いて説明する。
図39は、図35のN矢視図に対応した図であり、本変形例を適用したミラーユニット5Rにおいて、ミラー枠15Rが進入位置近傍に到達した後の動作状態を示している。
本変形例を適用したミラーユニット5Rは、第六の実施形態のミラーユニット5Nに対してミラーボックス4に配されるスライド受ケ壁部4Ngと同一構造の傾斜面4Rg1を有するスライド受ケ壁部4Rgが設けられ、一方、当接壁部4Niに替えてV字状凹部4Ri1を有する係止壁部4Riが設けられる。
ミラー枠15Rの回動軸18の支持構造は、第六の実施形態の場合と同様であって、回動軸18を右方向に付勢する軸付勢バネ(図示せず)が設けられている。また、ミラー枠15Rの右側面には、傾斜突起部28Nと同様の傾斜面28Raを有する傾斜突起部28Rが配される。ミラー枠15Rの左側面部には、楔状凸部15Reが設けられている。
上述した構成を有する本変形例を適用したミラーユニット5Rにおけるミラー枠振動抑制動作は、第六の実施形態の場合と略同様の動作であるが、ミラー枠15Rのバウンドを抑制するとき、ミラー枠15Rの左側面部の楔状凸部15Reを係止壁部4RiのV字状凹部4Ri1に係合させることによって上記バウンドを抑制する。なお、ミラー枠15Rが静止した後、ミラー枠15Rも軸付勢バネの付勢力で右方向にミラー枠移動領域Rrに近い位置まで移動し、楔状凸部15Reと係止壁部4RiのV字状凹部4Ri1との係合状態が解放される。
本変形例を適用したミラーユニット5Rの場合も第六の実施形態のミラーユニット5Nを適用した場合と同様の効果を奏し、特にバウンドの抑制を楔状凸部15Reと係止壁部4RiのV字状凹部部4Ri1との係合によって行われるので抑制効果が高い。
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
本発明によるデジタルカメラは、簡単な構成であって、クイックリターンミラーのバウンドを速やかに抑え、かつ、装置のコンパクト化も可能であるデジタルカメラとして利用が可能である。
本発明の第一の実施形態の一眼レフカメラの要部の構成を示す撮影レンズ光軸に沿った断面図である。 図1の一眼レフカメラのミラーボックス部を前方側からみた斜視図である。 図1の一眼レフカメラのミラーユニットを前方側からみた斜視図であって、ミラー進入位置状態を示す。 図3のミラーユニットに組み込まれるロックレバーの斜視図である。 図3のA−A矢視図で示されるミラー枠の進入位置P1 におけるバウンド抑制動作状態での模式図であって、図5(A)〜(F)は、上記バウンド抑制動作の各過程を示す。 図3のミラー枠が進入位置P1 へ移動するときの経過時間tに対するミラー枠先端部の変位を示す線図である。 経過時間に対するミラー枠先端部の変位をロックレバーを適用した場合(実線Z1 で示す)と適用しない場合(破線Z2 で示す)とパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。 上記第一の実施形態におけるロックレバーに対する第一の変形例のロックレバーを適用したミラーユニットの図3のA−A矢視に対応する図であって、ミラー枠バウンド抑え状態を示す図である。 上記第一の実施形態におけるロックレバーに対する第二の変形例のロックレバーを適用したミラー進入位置状態におけるミラーユニットの斜視図である。 図9のB−B断面図で示される図9のロックレバーとミラー枠との動作状態を示す図である。 上記第一の実施形態におけるロックレバーに対する第三の変形例のロックレバーとミラー枠との動作状態を左方側からみた図である。 本発明の第二の実施形態のミラーユニットにおけるミラー振動抑制部まわりの斜視図である。 図12のE−E断面図である。 図12のミラー振動抑制部の振動抑制状態を示す模式図であって、図14(A)〜(D)は、上記振動抑制動作の各過程を示す。 図12のミラー振動抑制部のロック片を適用した場合(実線Z1 で示す)と適用しない場合(破線Z2 で示す)におけるストッパ当接後の経過時間に対するミラー枠先端部の変位をパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。 上記第二の実施形態におけるミラーユニットの第一の変形例のミラー振動抑制部周りの図12のE−E断面図に対応する断面図である。 上記第二の実施形態におけるミラーユニットの第二の変形例のミラー振動抑制部周りの図12のE−E断面図に対応する断面図である。 上記第二の実施形態におけるミラーユニットの第三の変形例のミラー振動抑制部周りの図12のE−E断面図に対応する断面図であって、ストッパとロックレバーが係止状態にある場合を示している。 図18のG矢視図である。 上記第二の実施形態におけるミラーユニットの第四の変形例のミラー振動抑制部周りの側面図であって、ロックレバーが係止状態、または、非係止状態にある状態を示している。 第三の実施形態のミラーユニットにおけるミラー振動抑制部の斜視図である。 図21のI矢視図であって、各振動抑制動作状態を示す。 図21のミラー振動抑制部のロックレバーを適用した場合(実線Z1 で示す)と適用しない場合(破線Z2 で示す)における経過時間に対するミラー枠先端部の変位をパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。 上記第三の実施形態のミラーユニットのロッドレバーに対する変形例を適用したミラー振動抑制部周りの斜視図である。ロックレバーが係止状態、または、非係止状態にある状態を示している。 図24のJ矢視図であって、ロックレバーが係止状態、または、非係止状態にある状態を示している。 本発明の第四の実施形態のミラーユニットの斜視図である。 図26のミラーユニットをK方向から見たときの振動抑制動作状態を示す模式図であって、図27(A)〜(F)は、それぞれ上記振動抑制動作の各過程を示す。 図26のミラーユニットのミラー振動抑制部を適用した場合(実線Z1 で示す)と適用しない場合(破線Z2 で示す)における経過時間に対するミラー枠先端部の変位をパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。 本発明の第五の実施形態のミラーユニットの斜視図であって、ミラー枠が退避位置にある状態を示す。 図29のミラーユニットにおいて、ミラー枠が進入位置近傍にある状態を示す斜視図である。 図29のミラーユニットをミラー枠上面側から見た振動抑制動作状態を示す模式図であって。図31(A)〜(F)は、それぞれ上記振動抑制動作の各過程を示す。 図29のミラーユニットをミラー枠前面側のL方向から見た振動抑制動作状態を示す模式図であって、図32(A)〜(F)は、それぞれ上記振動抑制動作の各過程を示す。 図29のミラーユニットのミラー振動抑制部を適用した場合(実線Z1 で示す)と適用しない場合(破線Z2 で示す)における経過時間に対するミラー枠先端部の変位をパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。 上記第五の実施形態におけるミラーユニットに対する変形例の斜視図であって、ミラー枠が退避位置にある状態と進入位置近傍にある状態とを示している。 本発明の第六の実施形態のミラーユニットの斜視図であって、ミラー枠が退避位置および進入位置近傍にある状態を示している。 図35のN矢視図であって、ミラー枠が進入位置近傍に到達した後の動作状態を示している。 図34のミラーユニットのミラー振動抑制部を適用した場合(実線Z1 で示す)と適用しない場合(破線Z2 で示す)における経過時間に対するミラー枠先端部の変位をパーソナルコンピュータを用いてシミュレーションにより求めた結果を比較して示した線図である。 上記第六の実施形態のミラーユニットに対する第一の変形例のミラーユニットにおける図35のN矢視図に対応した図であり、ミラー枠が進入位置近傍に到達した後の動作状態を示している。 上記第六の実施形態のミラーユニットに対する第二の変形例のミラーユニットにおける図35のN矢視図に対応した図であり、ミラー枠が進入位置近傍に到達した後の動作状態を示している。 従来の一眼レフカメラのクイックリターンミラーまわりの要部の構成を示す模式図である。
符号の説明
3a…撮影レンズ(撮像光学系)
4a…ストッパ(位置決め部材)
4Ea,4Ea′,4Ga,4Ha…ストッパ(位置決め部材,振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
4Fg…係止部材(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
4Ng,4Qg,4Rg…スライド受ケ壁部(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
4Ni…当接壁部(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
4Qi,4Ri…係止壁部(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
15,15B,15C,15D,15E,15F,15G,15H,15I,15J,15K,15L,15M,15N,15Q,15R…ミラー枠(クイックリターンミラー部)
16…クイックリターンミラー(クイックリターンミラー部)
21,21B,21C,21D,21H,21I,21J…ロックレバー(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
21E,21E′,21F…ロック片(クイックリターンミラー部の突出部,ミラー枠振動抑制部)
21G,21K,21L,21M…ロックレバー(クイックリターンミラー部の突出部,ミラー枠振動抑制部)
25,25C,25E,25F,25G,25H,25K,25L,25M…付勢バネ(付勢手段)
27N…軸付勢バネ(付勢手段)
26K,26L,26M…ロック受け部材(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
28N,28Q,28R…傾斜突起部(振動抑制手段,ミラー枠振動抑制部)
R0 ,Rb,Ri,Rn,Rq,Rr…移動軌跡
Rc,Rd,Re,Rf,Rg,Rh…回動軌跡

Claims (11)

  1. 撮像光学系の光路上に入り、上記撮像光学系からの被写体光束をファインダ観測用ファインダユニットと焦点調節用素子との少なくとも一方に導く第1の位置と、上記撮像光学系の光路上から退避し、上記撮像光学系からの光束を撮像素子に入射させる第2の位置との間を往復するクイックリターンミラー部と、
    上記クイックリターンミラー部が上記第2の位置から上記第1の位置に復帰するとき、上記第1の位置近傍で上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と衝突し、上記衝突の後、上記衝突した方向と異なる方向に上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と再度衝突して、上記クイックリターンミラー部が上記第1の位置に復帰した際に生ずる残振動を抑制する振動抑制手段と、
    を具備することを特徴とするデジタルカメラ。
  2. 上記振動抑制手段は、上記衝突により得られる衝突エネルギーにより、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と再度衝突することを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
  3. 上記振動抑制手段は、上記クイックリターンミラー部を上記第1の位置に停止させる位置決め部材であることを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
  4. 上記クイックリターンミラー部は、上記クイックリターンミラー部が上記位置決め部材に衝突する衝突エネルギーにより上記振動抑制手段と再度衝突する部分を突出する突出部を更に具備することを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
  5. 上記クイックリターンミラー部は、上記クイックリターンミラー部が上記第2の位置から上記第1の位置に復帰するときに生じる遠心力により上記振動抑制手段と衝突する部分を突出する突出部を更に具備することを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
  6. 上記衝突する際に、または、上記再度衝突する際に上記突出した部分を上記突出する前の位置に戻す方向に付勢し、上記衝突した後、または、上記再度衝突した後、上記突出した部分を突出する前の位置に戻す付勢手段を更に具備することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のデジタルカメラ。
  7. 上記振動抑制手段は、上記クイックリターンミラー部が上記第1の位置と上記第2の位置との間を往復する際、上記クイックリターンミラー部がとる回動軌跡の外周円近傍、または、側面の移動軌跡近傍で上記クイックリターンミラー部と衝突する、あるいは、再度衝突することを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
  8. 上記クイックリターンミラー部が上記第1の位置と上記第2の位置の間を往復する際、上記クイックリターンミラー部がとる回動軌跡、または、移動軌跡から外れたところに上記振動抑制手段が位置するよう付勢し、衝突した後、または、再度衝突した後、上記振動抑制手段を上記回動軌跡、または、移動軌跡から外れた位置に戻す付勢手段を更に具備することを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
  9. 上記振動抑制手段は、上記衝突により、上記クイックリターンミラー部、または、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部の進行方向を変えさせることを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
  10. 上記振動抑制手段の少なくとも一部は、上記衝突した後の上記クイックリターンミラー部、または、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部の進行方向先に位置することを特徴とする請求項9に記載のデジタルカメラ。
  11. 上記振動抑制手段は、上記クイックリターンミラー部の少なくとも一部と再度衝突する際、少なくとも2点以上で衝突することを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
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