JP2010002763A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルトが誘導加熱される定着装置において、ウォーミングアップ時間の短縮化を図る。
【解決手段】無端状の定着ベルト101の周回経路内側において、定着ベルト101の裏面に接触して、周回方向に案内する規制板105と、前記周回経路外側において、定着ベルト101を挟んで規制板105対向する位置に配され、磁束を発生させる磁束発生部104とを備える。規制板105は、整磁合金からなると共に、定着ローラ102の軸芯1022は銅などの低抵抗導電材料からなる。当該低抵抗導電材料は、規制板105の整磁合金の温度がキュリー温度を超えて非磁性となったとき、これを通過する磁束を打ち消して非通紙部における過昇温を抑制する。
【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および当該定着装置を用いた画像形成装置に関し、特に、誘導加熱される定着ベルトを利用した定着装置においてウォーミングアップ時間を短縮する技術に関する。
近年、プリンタや複写機等の画像形成装置の分野では、ハロゲンヒータを熱源とする定着装置よりも節電効果の高い電磁誘導加熱方式の定着装置を備えたものが普及しつつある(例えば、特許文献1)。
図10(a)は、当該特許文献1における電磁誘導加熱方式の定着装置300の構成を示す断面図である。
同図に示すように定着装置300は、定着ベルト301の周回経路内側に、定着ローラ302を配すると共に、周回経路外側であって、定着ベルト301を挟んで当該定着ローラ302と対向する位置に加圧ローラ303を配し、この加圧ローラ303を定着ベルト301側に付勢することにより、定着ニップ306を形成するようになっている。
加圧ローラ303は、駆動モータ(不図示)からの駆動力を受けて矢印B方向に回転する。この駆動力が定着ニップ306を介して定着ローラ302と定着ベルト301に伝わることにより、定着ローラ302と定着ベルト301が矢印A方向に従動回転する。
また、定着ベルト301の周回経路外側であって、上記加圧ローラ303と反対側の位置には、定着ベルト301に含まれる発熱層を発熱させるための磁束を発生する磁束発生部304が配設される。周回経路内側の、磁束発生部304に対向する位置には、定着べルト301の裏面に接触して、その周回位置を規制する規制板305が配設される。これにより定着ベルト301の周回中も、磁束発生部304との相対的位置が安定し、電磁誘導による定着ベルト301の発熱にばらつきが生じないようにしている。
このような構成において、定着ベルト301が周回駆動されつつ磁束発生部304から磁束が発せられると、定着ベルト301内の発熱層のうち、主に磁束発生部304に対向する部分が発熱し、シートS上に形成されたトナー像が定着ニップ310を通過する際に、加熱・加圧されて当該シートSに熱定着される。
図10(b)は、上記図10(a)の波線T内における定着ベルト301、規制板305の拡大断面図である。
同図に示すように、定着ベルト301は、外側から離型層3011、弾性層3013、発熱層3013、整磁合金層3014を積層してなる。また、規制板305は、銅などの低抵抗かつ非磁性体の導電材料で形成される。
整磁合金は、通常の温度では強磁性体であるが、キュリー温度を超えると非磁性になる特性を有しており、キュリー温度が適切に設定された整磁合金層3014を設けることにより、定着ベルト301のシートが通過しない部分(以下、「非通紙部」という。)の過昇温を防止する効果を得られる。
すなわち、定着ベルト301は、シートSが通紙される中央部分においては、シートSに熱を奪われて温度が低下するが、シートが通過しない両端側の部分では、熱が奪われずに温度が高いままとなっているため、定着ベルト301の中央部分を定着に必要な目標温度に維持しようとして磁束発生部304に電力を供給すると、非通紙部の温度がさらに上昇する。これにより定着ベルト301に含まれている整磁合金層3014の非通紙部が、キュリー温度以上に加熱され、強磁性体から非磁性体に転じ、それまで整磁合金層3014内を循環経路としていた磁束が、今度は整磁合金層3014を透過して規制板305に到達する。
この磁束によって規制板305において、渦電流が発生するが、低抵抗であるため渦電流損として発熱するよりも、むしろ当該磁束を打ち消す方向の磁束を発生するため、非通紙部における磁束密度が急激に低下し、温度上昇が緩和される。
このように、従来の定着装置300は、定着ベルト301自体が発熱するので熱効率に優れ、また、整磁合金層301bと規制板305の相互作用により、ベルト301の非通紙部が過昇温しないように自動的に温度制御することができるようになっている(以下、「過昇温抑制機能」という。)。
特開2007−264421号公報
しかしながら、上記従来の定着装置300における定着ベルト301は、整磁合金層3014を含んでいるため、その分熱容量が大きくなり、さらなるウォーミングアップ時間の短縮化を進める上で障害となっていた。
この問題に対処するため、整磁合金層3014を規制板305側に設けて、定着ベルト301自体の熱容量を小さくすることが考えられる。ところが、今度は、規制板305側の熱容量が大きくなってしまうので、定着ベルト301と規制板305との接触部における熱伝導により、定着ベルト301で発生した熱が規制板305側に多く奪われてウォーミングアップ時間が思ったほど短縮できない。
本発明は、整磁合金を用いて非通紙部の過昇温抑制機能を確保しつつ、ウォーミングアップ時間のさらなる短縮化が可能な定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本実施の形態の定着装置は、周回駆動されるベルトの周回経路内側に配された第1ローラを、前記周回経路外側から当該ベルトを介して第2ローラで押圧して、当該ベルト表面と第2ローラの間に定着ニップを形成すると共に、前記ベルトを電磁誘導により加熱して、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通し、当該未定着画像を熱定着する定着装置であって、前記周回経路内側に配設され、周回駆動されるベルトの裏面に接触して、当該ベルトの周回位置を規制する規制板と、前記周回経路外側であって、前記規制板と前記ベルトを介して対向する位置に配設され、前記ベルトを加熱するための磁束を発生する励磁コイルとを備え、前記規制板は、所定の温度以上になると磁性体から非磁性体に可逆的に変化する整磁合金からなる金属層を含むと共に、前記規制板の前記励磁コイルと反対側の位置に、当該規制板と距離をおいて低抵抗導電材料からなる磁束打消部材が配されてなることを特徴としている。
このように、規制板側に整磁合金層を設けているので、その分定着ベルトの熱容量が減少する。また、規制板側に低抵抗導電層を設けず、前記規制板の前記励磁コイルと反対側の位置に、当該規制板と距離をおいて低抵抗導電材料からなる磁束打消部材を配設しているので、規制板の熱容量はそれほど増加することもない。これにより、整磁合金と低抵抗導電材料との組み合わせによる過昇温抑制機能を確保しつつ、定着ベルトとこれに接触する規制板の総熱容量を低減でき、ウォーミングアップ時間のさらなる短縮化が容易になる。
ここで、前記第1のローラの軸芯は、低抵抗導電材料からなり、前記磁束打消部材は、当該軸芯が兼ねるようにしてもよい。
また、前記第1のローラの軸芯の周面に低抵抗導電材料からなる金属層が形成されており、前記磁束打消部材は、当該金属層であるとしてもよい。
ここで、前記金属層は、メッキ処理により形成されているとしてもよい。
また、ここで前記規制板の前記ベルトとの接触面には、発熱層が形成されてなることとしてもよい。
上記の低抵抗導電材料は、銅もしくはアルミニウムであることが望ましい。
また、本発明は、記録シート上に形成された未定着画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、当該定着部として、上記の定着装置を備えることとしてもよい。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合を例にして説明する。
(1)プリンタの構成
図1は、当該プリンタ1の全体の構成を示す断面概略図である。
同図に示すように、プリンタ1は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、ベルト搬送部20と、給送部30と、定着部40を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部10Y〜10Kを備えている。作像部10Yは、感光体ドラム11Yと、その周囲に配設された帯電器12Y、露光部13Y、現像器14Y、転写ローラ15Y、感光体ドラム11Yを清掃するためのクリーナなどを備えており、公知の帯電、露光、現像工程を経て感光体ドラム11Y上にY色のトナー像を作像する。この構成は、他の作像部10M〜10Kについて同様であり、対応する色のトナー像が感光体ドラム11M〜11K上に作像される。
給送部30は、給紙カセットから記録用のシートSを搬送路35に1枚ずつ繰り出して、ベルト搬送部20に送る。
ベルト搬送部20は、矢印方向に循環走行される搬送ベルト21を備え、給送部30からのシートSを搬送ベルト21に密着させた状態で感光体ドラム11Y〜11Kの転写位置に順次搬送する。シートSが各転写位置を通過する際に、各転写位置において転写ローラ15Y〜15Kと感光体ドラム11Y〜11K間に生じる電界による静電力の作用を受けて感光体ドラム11Y〜11K上のトナー像がシートS上に多重転写される。各色トナー像が転写された後、シートSは、搬送ベルト21から離間して定着部40に送られる。
定着部40は、定着ベルト101を備える電磁誘導加熱方式によるものであり、搬送ベルト21から送られて来るシートSを加熱、加圧して、シートS上の各色トナー像を定着させる。定着後のシートSは、排出トレイ39上に排出される。
(2)定着部の構成
図2は、上記定着部40の構成を示す部分断面斜視図であり、図3は、その要部における横断面図である。
両図に示すように、定着部40は、定着ベルト101と、定着ローラ102と、加圧ローラ103と、磁束発生部104と、規制板105を備える。
定着ベルト101は、矢印A方向に周回駆動される円筒状のベルトであり、その内径が約40〔mm〕であり、自立して略円筒形を保持できる弾性の自己形状保持可能なベルトが用いられている。定着ベルト101のベルト幅方向(定着ローラ102の回転軸方向に相当)長さは、最大サイズのシートの幅方向長さよりも長くなっている。図2では、最大サイズよりもサイズの小さい小サイズ紙が定着ニップ107を通過している様子を示している。
定着ローラ102は、長尺で円柱状の軸芯1022の周囲に弾性層1021が形成されてなり、定着ベルト101の周回経路(周回走行路)内側に配される。軸芯1022は、アルミニウムまたは銅などの非磁性体かつ低抵抗導電材料からなる。弾性層1021は、シリコーンスポンジからなり断熱層としても機能する。定着ローラ102の外径は、例えば約33〔mm〕である。
加圧ローラ103は、長尺で円柱状の軸芯131の周囲に、弾性層132を介して離型層133が積層されてなり、定着ベルト101の周回経路外側に配置され、定着ベルト101の外側から定着ベルト101を介して定着ローラ102を押圧して、定着ベルト101表面との間に定着ニップ107を確保する。
軸芯131は、ステンレス製であり、弾性層132は、シリコーンスポンジ等からなる。また、離型層133は、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コート等からなる。加圧ローラ103の外径は、例えば約35〔mm〕である。
なお、軸芯131は、パイプ材でもよいし、中実軸でも良い。軸芯131の材質は強度が確保できれば、例えば鉄、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプを使用することも可能であるが、軸芯131が発熱するのを防ぐ為に電磁誘導加熱の影響が少ない非磁性材料を用いるのが望ましい。
定着ローラ102と加圧ローラ103は、軸芯1022、131の軸方向両端部が図示しないフレームに軸受部材などを介して回転自在に支持されると共に、加圧ローラ103は、駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラ103の回転に伴って定着ベルト101と定着ローラ102が矢印A方向に従動回転する。
磁束発生部104は、励磁コイル141と、メインコア142と、センターコア143と、裾コア144と、カバー145と、コイルボビン146を有し、定着ベルト101の周回経路外側であり、定着ベルト101を挟んで加圧ローラ103と相対する位置に、定着ベルト101にその幅方向に沿うように配置される。
励磁コイル141は、定着ベルト101の発熱層113を加熱するための磁束を発生させるものであり、コイルボビン146に巻かれている。励磁コイル141から発生される磁束は、メインコア142〜裾コア144により定着ベルト101に導かれ、定着ベルト101の発熱層1013(図4参照)の、主に磁束発生部104に対向する部分を貫き、この発熱層1013の部分に渦電流を発生させて発熱層1013自体を発熱させる。
この発熱した部分の熱が定着ベルト101の周回駆動により定着ニップ107の位置で加圧ローラ103等に伝わることにより定着ニップ107の領域(シート通過領域)が昇温される。なお、図示していないが定着ベルト101の温度を検出するためのセンサが別途配置されており、このセンサの検出信号により定着ベルト101の現在の温度を検出し、この検出温度に基づき定着ニップ107の領域の温度が目標温度に維持されるように励磁コイル141への電力供給が制御される。定着ニップ107の領域が目標温度に維持された状態でシートSが定着ニップ107を通過する際に、シートS上の未定着のトナー像が加熱、加圧されて当該シートS上に熱定着される。
規制板105は、長さが定着ベルト101のベルト幅方向長さよりも長い長尺状の板状部材であり、定着ベルト101の周回経路内側かつ定着ベルト101を介して磁束発生部104に対向する位置に配置され、定着ベルト101の裏面(以下、「ベルト裏面」という。)115に接触して、周回駆動される定着ベルト101をその周回方向(以下、「ベルト周回方向」という。)に案内しつつ、定着ベルト101と磁束発生部104の相対位置を規制する。なお、規制板105は、その長さ方向両端部が図示しないフレームに固定されている。
(定着ベルト101等の材料及び積層構造)
図4(a)は、図3の波線部Sにおける定着ベルト101、規制板105、定着ローラ102の断面拡大図であり、同図4(b)は、各層の厚みとその材料を表にまとめたものである。
図4(a)に示すように、定着ベルト101は、表面側から順に、離型層1011、弾性層1012および発熱層1013が積層されてなる。
離型層1011は、トナーとの離型性を高めるためのものであって、厚みが30〔μm〕のPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などからなる。他にも、例えば、フッ素ゴムや、PTFE、FEP、PFEP等のフッ素樹脂が用いられる。
弾性層1012は、定着ニップにおいて、記録シートと定着ベルト101表面との密着性を高める役目をするもので、耐熱性・弾性を有するゴム材や樹脂材の層であり、定着温度での使用に耐えられるシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性エラストマーを用いることができる。本例では、厚みが200〔μm〕のシリコーンゴムを使用している。
また、発熱層1013は、厚みが40〔μm〕のニッケル電鋳ベルトである。
一方、規制板105は、ニッケルと鉄の合金からなる整磁合金で形成されており、その厚みは200〔μm〕である。本実施の形態では、そのキュリー温度が、定着に必要な温度より約20℃高い温度(約200℃)となるようにニッケルと鉄の混合率が設定されている。なお、整磁合金は、ニッケルと鉄のほかに、さらにクロムを加えてもよい。
定着ローラ102の軸芯1022は、外径10mmの銅製であり、またアルミニウムなどの他の低抵抗導電材料であってもよい。
定着ローラ102の弾性層1021は、発熱層を断熱保持するためのものであり、耐熱性・弾性を有するゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)が用いられる。このような材料を用いることにより、断熱保持するとともに、発熱層のたわみを許容して圧接ニップ幅を増やし、ローラ硬度を小さくして排紙性・記録材分離性能を向上させる役目を果たす。本実施の形態では、厚みが13mmのシリコーンスポンジを使用している。
(規制板と軸芯による過昇温抑制効果)
図5(a)(b)は、規制板105と定着ローラ102の軸芯1022との相互作用により、定着ベルト101の非通紙部において過昇温が抑制される原理を説明するための模式図である。
整磁合金の温度がキュリー温度より低い場合には、強磁性体であるので、図5(a)に示すように、励磁コイル141で発生された交番磁束G1は、当該規制板(整磁合金)105に向けて集束する。この際、発熱層1013を通過し、そこで生じる渦電流損により発熱層1013が発熱する。発熱層1013を通過した磁束は、規制板105内部を通過して、励磁コイル141方向に帰還するため、ほとんど軸芯1022に至らない。
しかし、定着ベルト101の非通紙部における加熱が進み、これと接触している規制板105の温度も上昇して整磁合金のキュリー温度を超えると非磁性になる。規制板105が非磁性になることで、その集磁効果がなくなり、定着ベルト101を通過する磁力線G2の本数が減少すると共に、定着ベルト101を通過した磁力線も規制板105を通過して、軸芯1022に到達し、ここで渦電流を発生する。ところが、軸芯1022は低抵抗導電材料で形成されているため、渦電流損は少なく、当該渦電流により励磁コイル141の磁束を打ち消す方向の磁束G3を発生するという消磁効果が生じる。そのため、定着ベルト101のシートが通過しない両端側の部分(非通紙部)を透過する磁束密度がますます小さくなる(消磁効果)。
これにより、定着ベルト101の非通紙部の温度が、キュリー温度を大幅に超えることがなくなって、定着ベルト101にダメージを与えるような高温に至るといったことが防止される。なお、キュリー温度は、上記の温度(220℃)に限られず、定着部40の構成によって適切な温度が設定される。
以上のように本実施の形態においては、規制板105を整磁合金で形成すると共に、定着ローラ102の軸芯1022を低抵抗導電材料で形成したので、定着ベルト101の非通紙部における過昇温を効果的に抑止できると共に、規制板105に低抵抗導電材料を積層する必要がなくなったので、励磁コイル141による磁束が大きく作用する発熱領域における定着ローラ102と規制板105を合わせた総熱容量を従来よりも小さくすることが可能となり、その分昇温速度を早めることができ、ウォーミングアップ時間の短縮化を可能ならしめる。
<変形例>
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記実施の形態において定着ベルト101側に設けていた発熱層1013を、規制板105側に設けるようにしてもよい。
図6(a)は、この場合における、図3の波線部Sにおける定着ベルト101、規制板105、定着ローラ102の断面拡大図であり、同図6(b)は、各層の厚みとその材料をまとめた表である。図6(a)において、図4(a)と同じ符号を付したものは、同じ構成要素であることを示す。
図6(a)に示すように、定着ベルト101は、表側から順に、離型層1011、弾性層1012およびベルト基材1014が積層されてなる。ここで、ベルト基材1014は、厚みが40〔μm〕の耐熱性の樹脂、例えばポリイミドからなる。
一方、規制板105は、定着ベルト101側に配された銅の発熱層1051(厚み200〔μm〕)とその反対側に積層された整磁合金(ニッケル・鉄合金)(厚み200〔μm〕)の2層で形成されている。この規制板105で発熱した熱は、定着ベルト101に伝達される。
本例の構成によれば、規制板105側に発熱層が設けられているため、定着ベルト101側にベルト基材1014が余分に積層されるが、その厚みが40μmで済む。従来の構成(図10(b))では、規制板における低抵抗導電層の厚みが200μmもあったため、それに比べると定着ベルトと規制板を合わせた厚みが160μm薄くなっており、発熱領域におけるトータルの熱容量が従来よりも小さくでき、ウォーミングアップ時間の短縮化に資するものである。
なお、発熱層は、例えば、他にAl、Niなどで形成した薄層であればよい。その厚みは.10〜30μm、望ましくは15〜20μmであればよい。この際、メッキ、蒸着などの方法が有効である。
整磁合金層はある程度の剛性を確保するため最低100μmの厚みは必要である。
発熱層の他の材料として、例えば、磁性ステンレスのような磁性材料(磁性金属)といった、比較的透磁率μが高く、適当な抵抗率ρを持つ物を用いてもよい。また、発熱層は、樹脂に発熱粒子を分散させたものを用いても良い。発熱層に樹脂ベースのものを用いる事によって分離性を良くすることが可能となる。
さらに、発熱層、整磁合金層は2層のクラッド材で形成することも可能である。
本実施の形態では、発熱部が規制板となるため、定着ベルトの基材選択の自由度が高い。そのため金属に比べて柔軟性のある樹脂ベルトの選択が可能で用紙分離性能に有利な構成にすることが可能である。
(2)上記実施の形態では、定着ローラ102の軸芯1022そのものを低抵抗導電材料で形成することで消磁効果を確保したが、この構成には限定されない。
例えば、図8に示すように定着ローラ102の軸芯1022は、ステンレスなどで形成し、その外周に低抵抗材料からなる円筒状部材1023を装着するようにしても同様な効果を得られる。当該円筒状部材1023の厚みは、0.5〜1.0mm程度あればよい。
また、円筒状部材1023の代りに、軸芯1022の周面に銅などの低抵抗金属で厚み100μm〜200μmでメッキもしくは蒸着するようにしてもよい。
(3)本発明は、要するに低抵抗導電材料からなる磁束打消部材が、規制板105と隔てた位置に、当該規制板105と非接触の状態で設けられていれば、昇温速度に影響する部分の熱容量を低減するという目的を達成できるものであるから、磁束打消部材は必ずしも定着ローラ102の軸芯部分にある必要はない。
例えば、図7の定着部40の横断面図に示すように、規制板105と定着ローラ102周面との間に、当該規制板と隙間dをおいて、低抵抗導電材料からなる磁束打消部材120を配設するようにしてもよい。この磁束打消部材120は、規制板105と長手方向の長さがほぼ同じで、当該規制板105とほぼ平行に配され、その長手方向両端部において不図示のフレームにて保持される。
このような構成によれば、磁束打消部材120は、規制板105より隙間dだけおいて配されているため、発熱領域における熱容量を増すことなく、かつ、図3や図8のように軸芯部ではなく、規制板105により近く配されているので、規制板105がキュリー温度を超えたため、これを通過した磁束のほとんどが磁束打消部材120を通過するので、それだけ打ち消す方向の磁束を多く発生し、より高い消磁効果を得ることができる。
(4)なお、定着ベルト101の内周面と、これと対向する規制板105の外側の面は摺擦するので、耐久性を持たせるため、双方もしくはどちらか一方の対向面に低摩擦層をも設けてもよい。図9は、この一例として、図4の実施の形態において、規制板105側に低摩擦層1053を設けた構成を示す要部断面図である。
この低摩擦層1053は、例えば、耐熱性のあるPFAなどを、厚み10〔μm〕でコーティングしてなる。当該低摩擦層1053の厚みは、極めて薄いので、ウォーミングアップ時間の短縮化にほとんど影響しない。
(5)上記実施の形態では、磁束打消し部材として軸芯に使用される低抵抗導電材料は、銅もしくはアルミニウムとした。当該低抵抗導電材料として、さらに金や銀などを挙げることができるが、コスト面でのデメリットが大きい。ただし、上記変形例(2)のように軸芯の周面にメッキするような場合には適用される可能性はある。
また、当該軸芯に使用される低抵抗材料は、できるだけ発熱を抑えるため、非磁性である方が望ましい。発熱により弾性層が劣化しやすくなるからである。
(6)なお、各ローラなどの材質や構成は、上記実施の形態に限られない。装置に応じて適時変更してかまわない。また、その軸芯は中実のものならず、円筒状の中空のものであっても構わない。
(7)上記実施の形態では、タンデム型のカラープリンタについて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、モノクロプリンタや、さらには、複写機やファックスといった付加機能を有する装置であってもよく、要するに、電磁誘導加熱方式であって定着ベルトとこれを周回方向に案内する規制板とを用いる定着装置を備えた全ての画像形成装置に適用されるものである。
本発明は、定着ベルトとこれを周回方向に案内する規制板とを用いる定着装置及びこれを用いる画像形成装置に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係るタンデム型カラーデジタルプリンタの断面概略図である。 上記プリンタに配される定着部の構成を示す部分断面斜視図である。 上記定着部の構成を示す横断面図である。 (a)は、図3の破線部T内における定着ベルトと規制板の積層構造を示すための断面図であり、(b)は、各層の材料と厚みを示す表である。 整磁合金による過昇温抑制の効果を説明するための模式図である。 (a)は、本発明の第1の変形例に係る定着部における定着ベルトと規制板の積層構造を示すための断面図であり、(b)は、各層の材料と厚みを示す表である。 本発明の第2の変形例に係る定着部の構成を示す断面図である。 本発明の第3の変形例に係る定着部における定着ローラの構成を示す横断面図である。 本発明の第4の変形例に係る定着部における定着ベルトと規制板の積層構造を示すための断面図である。 (a)は、従来の電磁誘導加熱式の定着装置の構成を示す断面図であり、(b)はその定着ベルトと規制板の積層構造を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 プリンタ
40、300 定着部
101 定着ベルト
102 定着ローラ(第1ローラ)
103 加圧ローラ(第2ローラ)
104 磁束発生部
105、205 規制板
107 定着ニップ
161 定着ローラの回転軸
162 加圧ローラの回転軸
1021、132 弾性層
1022、131 軸芯

Claims (7)

  1. 周回駆動されるベルトの周回経路内側に配された第1ローラを、前記周回経路外側から当該ベルトを介して第2ローラで押圧して、当該ベルト表面と第2ローラの間に定着ニップを形成すると共に、前記ベルトを電磁誘導により加熱して、未定着画像の形成されたシートを前記定着ニップに通し、当該未定着画像を熱定着する定着装置であって、
    前記周回経路内側に配設され、周回駆動されるベルトの裏面に接触して、当該ベルトの周回位置を規制する規制板と、
    前記周回経路外側であって、前記規制板と前記ベルトを介して対向する位置に配設され、前記ベルトを加熱するための磁束を発生する励磁コイルと
    を備え、
    前記規制板は、所定の温度以上になると磁性体から非磁性体に可逆的に変化する整磁合金からなる金属層を含むと共に、前記規制板の前記励磁コイルと反対側の位置に、当該規制板と距離をおいて低抵抗導電材料からなる磁束打消部材が配されてなる
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1のローラの軸芯は、低抵抗導電材料からなり、前記磁束打消部材は、当該軸芯が兼ねることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1のローラの軸芯の周面に低抵抗導電材料からなる金属層が形成されており、前記磁束打消部材は、当該金属層であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記金属層は、メッキ処理により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記規制板の前記ベルトとの接触面には、発熱層が形成されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定着装置
  6. 前記低抵抗導電材料は、銅もしくはアルミニウムであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 記録シート上に形成された未定着画像を定着部により熱定着する画像形成装置であって、
    前記定着部として、請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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