JP2010002455A - 光走査装置 - Google Patents

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淳 曽我美
Keisuke Fujimoto
圭祐 藤本
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雅一郎 立川
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【課題】ねじり振動する振動ミラーにより光を走査する光走査装置において振動ミラーのねじり振動軸が長くてもコンパクトな装置を提供する。
【解決手段】振動ミラー10によって走査された光を90度折り曲げる走査光反射ミラー58を設けるとともに、走査レンズ54を通過する走査光が形成する平面に対して、光源からの光を走査する振動ミラー10のねじり振動軸を構成する梁3を平行に配置することで、ねじり振動軸が長くなっても装置の高さをコンパクトに抑えることが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源からの光を振動ミラーによって走査させ所定の像面上に結像させる光走査装置に関する。
レーザプリンタ等の画像形成装置は、レーザ光を走査することにより、感光体(感光ドラム)上に潜像を形成する。このようなレーザ光の走査は、レーザスキャニングユニットと呼ばれる光走査装置により実現される。レーザスキャニングユニットは、形成画像に応じて変調されて光源から出射されたレーザ光をミラーにより偏向し、偏向したレーザ光を感光体上にスポット状に結像する。この種のレーザスキャニングユニットに使用される偏向ミラーとして、複数の反射面を有するポリゴンミラーが広く知られている。ポリゴンミラーを備えるレーザスキャニングユニットは、モータ等の駆動手段によりポリゴンミラーを一方向に回転させることによりレーザ光を偏向する。
近年の書込速度高速化の要求に応じて、ポリゴンミラーの回転速度は高まっているが、ポリゴンミラーの回転数を高めると、風切音やモータの振動等に起因して発生する音が大きくなり静寂性を確保することが困難になる。また、ポリゴンミラーを備えるレーザスキャニングユニットは、モータ等の駆動手段を備える必要があるため、小型化や軽量化が困難であるという問題もある。このため、レーザスキャニングユニットに往復型の偏向ミラーが使用されることもある。
このような往復型の偏向ミラーとして振動ミラーが知られている。この振動ミラーは、レーザ光の走査方向に対して垂直方向に配置されたねじり回転軸を有する機械的振動子により構成されている。そして、振動子に支持されたミラーを往復振動させることでレーザ光を走査させる。
近年、このような振動ミラーの製造に半導体製造技術が適用されるようになっている。このような振動ミラーは、単結晶シリコン基板等の半導体基板を加工することにより形成され、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動ミラーとして注目されている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
特開2003−84226号公報 特開2001−305472号公報
しかしながら、上述のような半導体製造技術を適用したMEMS振動ミラーを製造するためには、リソグラフィ装置等の非常に高価な製造設備が必要であり、低コストで製造することが困難である。また、シリコン単結晶基板等の半導体基板を基材として形成されたMEMS振動ミラーは、比較的容易にへき開するためハンドリングの際に破損しやすいという課題もある。
また、これに対し、金属材料を加工することにより、振動ミラーを形成することも可能である。しかしながら、金属材料はシリコン単結晶と比較すると許容応力が低いため、同一性能の振動ミラーを形成する場合、振動軸の長さを長くする必要があり、振動ミラーの外形サイズが大きくなってしまうという課題がある。
また、従来の通常の構成においては、ミラー素子によって走査した光をそのまま走査レンズを通過させるよう構成しているため、走査レンズを通過する走査光が形成する平面とミラー素子のねじり振動軸が垂直になっており、振動軸が長くなると装置の高さも高くなってしまうという課題があった。そして、金属疲労による劣化を避けるために応力を所定の大きさ以下に抑えた状態で共振周波数を高くしようとすると、振動ミラーのねじり振動軸を太く構成すると同時に振動軸の長さを長くする必要があり、光走査装置の外形サイズ(高さ)はさらに大きくなってしまうものである。
本発明は、このような実情を鑑みて従来の課題を解決するものであって、振動ミラーの振動軸が長い場合でも外形形状をコンパクトに構成できる光走査装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は以下の技術的手段を採用している。
まず、本発明は、光を発する光源と、光を反射する面を有しており、その面に沿った一の線をねじり振動軸としたその軸回りにねじり振動し前記光源からの光をその面で反射しかつ走査するミラー素子と、前記ミラー素子によって走査されている光を像面上に結像するための走査レンズと、前記ミラー素子と前記走査レンズとの間に配置されており、前記ミラー素子によって走査されている光を反射する走査光反射ミラーとを備える光走査装置を前提としている。
そして、このような光走査装置において、前記走査光反射ミラーで反射した後の走査光が形成する平面と前記ミラー素子のねじり振動軸とが略平行であることを特徴とするものである。
あるいは、前述した、光源、ミラー素子、走査レンズ及び走査光反射ミラーと、前記光源と前記ミラー素子との間に配置され前記光源からの光を前記ミラー素子に向けて反射する光源光反射ミラーとを備え、前記走査光反射ミラーで反射した後の走査光が形成する平面に対して、前記光源から前記光源光反射ミラーへの光の光軸と前記ミラー素子のねじり振動軸とがともに略平行であることを特徴とするものであってもよい。
また、これらにおいて、ねじり振動するミラー素子を金属材料からなるねじり振動板を含んで構成されたものとしてもよい。
本発明は、ねじり振動軸の長いミラー素子を用いたときでも外形サイズのコンパクトな光走査装置を構成することができるという効果を奏する。
すなわち、本発明に係る構成によって、走査レンズを通過する走査光が形成する平面とミラー素子のねじり振動軸とを略平行にすることで、又は、走査レンズを通過する走査光が形成する平面に対して光源からの出射光の光軸もねじり振動軸もともに平行することで、ねじり振動軸が長くてもそのことは装置の高さに関わらないので、装置を、その高さをコンパクトに、構成できる。
また、ねじり振動するねじり振動板に、シリコン材料の場合と比較してねじり振動軸をより長くすることが必要である金属材料を用いることもできる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(レーザスキャニングユニットの構成)
まず、本発明の光走査装置の一例であるレーザスキャニングユニットの構成について説明する。
(レーザスキャニングユニットの第1実施形態)
図1は、当該レーザスキャニングユニットを示す概略構成図で、図1(a)は装置の平面図、図1(b)は装置の正面図、図1(c)は装置の側面図を示している。レーザスキャニングユニット50は、光源52、偏向器53、走査レンズ54、アパーチャ55、シリンドリカルレンズ56、光源光反射ミラー57、走査光反射ミラー58を筐体51内に備える。
光源52は、回路基板63上に実装されたレーザダイオード61と、コリメータレンズ62とを備える一体のユニットとして構成されている。回路基板63は、外部から入力される画像信号にしたがってレーザダイオード61が出射するレーザ光の強度変調を行う。変調されたレーザ光はコリメータレンズ62に入射される。コリメータレンズ62は、円筒形状のガラスレンズからなり、レーザダイオード61から出力されたレーザ光をコリメータレンズ62の光軸と一致した略平行光に変換して出力する。なお、レーザダイオード61の発光点は、コリメータレンズ62の焦点に配置されている。
レーザ光は、光源52から筐体51の底面51(a)に平行に出射されアパーチャ55、シリンドリカルレンズ56を通った後、光源光反射ミラー57によって底面寄りに折り曲げられて偏向器53の反射面に入射される。偏向器53は、光源52からのレーザ光を走査するためのねじり回転軸を有する振動ミラー10と、当該振動ミラー10を正弦的に往復振動させる駆動手段11とにより構成されている。ここで、振動ミラー10のねじり回転軸は筐体51の底面51(a)に平行に配置されている。シリンドリカルレンズ56は、振動ミラー10の反射面上に、レーザ光のねじり回転軸方向のみを収束させた状態でレーザ光を投影するよう構成されている。
偏向器53により偏向されたレーザ光は筐体51の底面51(a)に対して垂直方向に扇状に走査された後、筐体51の底面51(a)に対して45度傾いて設けられた走査光反射ミラー58で反射されて筐体51の底面51(a)に対して平行に走査される。走査光はこの後、走査レンズ54に入射される。ここでは、走査レンズ54は、2枚のアクリルレンズにより構成されており、偏向器53により偏向されたレーザ光を、感光体上の走査速度が略同一となる状態で感光体上にスポット状に結像させる。すなわち、走査レンズ54は、正弦的に振動する反射ミラー10により反射され、入射角が時間とともに三角関数的に変化するレーザ光を、感光体上に等間隔なスポット列として結像させるアークサインθレンズになっている。
従来の振動ミラーを用いたレーザスキャニングユニットにおいては、振動ミラーのねじり振動軸が筐体の底面に対して垂直に配置され、振動ミラーにより走査される光が筐体の底面に対して平行になるよう構成されているため、振動ミラーの振動軸が長くなると装置の高さが高くならざるを得なかった。
これに対して本発明の構成においては、振動ミラーのねじり振動軸を筐体の底面に対して略平行に配置するとともに、この振動ミラーにより走査される光の方向を90度折り曲げる走査光反射ミラーによって、走査レンズを通過する走査光が筐体の底面に対して略平行な面内を走査するように配置している。即ち、走査光が形成する平面と振動ミラーのねじり振動軸とが略平行になるようにしている。
このため、振動ミラーのねじり振動軸が長くても装置の高さを小さく構成することができ、コンパクトな装置を提供できるものである。また、光源からのレーザ光についても筐体の底面に略平行に出射された光を光源光反射ミラーによって反射して振動ミラーに入射するよう構成しているため、光路をコンパクトに構成することができるものである。
(レーザスキャニングユニットの第2実施形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態におけるレーザスキャニングユニットを示す概略構成図である。
本実施の形態においては、第1の実施の形態における光源光反射ミラー57のない構成で、光源52、アパーチャ55、シリンドリカルレンズ56が偏向器53の斜め上方に配置され、レーザ光が反射ミラーを経ずに直接偏向器53の反射面に照射される構成となっている。この構成においても、上記と同様にして装置の高さを小さく構成することができるものである。
(振動ミラーの構成)
次に、本発明の光走査装置であるレーザスキャニングユニットに搭載される振動ミラー10の構造について詳細に説明する。図2は、本実施形態の振動ミラー10の構造を示す概略斜視図である。図2に示すように、振動ミラー10は、後述するプレス加工により成形された振動子1と、ミラー5と、永久磁石6とを備え、これらはそれぞれ接着剤により貼り合わされて構成されている。
ここで、振動子1はチタン合金などの金属材料で構成され、ミラー5はシリコンやガラスなどの材料で構成されるが本実施例においてはシリコンが用いられている。振動子1は、ミラー5および永久磁石6が固定される支持部4が同一直線上に配置された2本の梁3により支持された構造を有する。梁3の他端は、振動子1として一体に成形された矩形状の枠体2に支持されており、振動子1は梁3をねじり回転軸として往復振動する。この往復振動は、永久磁石6に交番磁場を付与することで持続される。
永久磁石6に付与する交番磁場は、例えば、電磁石に交流電力を印加する駆動手段11により生成できる。この場合、往復振動の周波数、すなわち、電磁石に印加する交流電力の周波数(以下、駆動周波数という。)と振動ミラー1の共振周波数とが一致していると、振動ミラー10の駆動のための消費電力を小さくすることができる。振動ミラー10が共振周波数で往復振動する場合、振動を維持するために必要な外力の大きさが最小になるからである。
振動ミラー10を介してレーザ光を感光体上で走査させるレーザスキャニングユニットでは、駆動周波数は感光体上の記録密度および印字速度(感光体の送り速度)に密接に関係する。すなわち、駆動周波数fは、記録密度D(dpi)、印字速度V(mm/sec)により以下の式1で示される。
Figure 2010002455
式1は、振動ミラー10がねじり回転軸に対していずれの方向に回転している場合にも印字を行う往復印字を前提としている。振動ミラー10がねじり回転軸に対して一方向に回転している場合にのみ印字を行う片方向印字の場合には、駆動周波数fは2倍になる。例えば、記録密度Dが600dpiであり、印字速度Vが180mm/secである場合、駆動周波数fは、約2126Hz(往復印字)である。
また、以上の構造を有する振動ミラー10の共振周波数f0は、梁3のばね定数K(両方の梁3の合計)と、ミラー5および永久磁石6を含む支持部4の慣性モーメントJとにより、以下の式2で示される。
Figure 2010002455
一方、本実施形態では、振動子1が金属材料により構成されているため、往復振動中に梁3に付加されるせん断応力が梁3の許容応力を超えると、振動子1が破損してしまう。このため、構造上、振動子1には、梁3に付加されるせん断応力が、梁3の許容応力以下であることが求められる。各梁3のねじり回転軸方向の長さをL、梁3の幅をb、梁3の厚さをt(ここでは、t≦b)、梁3に付与されるトルクをTとすると、梁3の表面において幅方向の中点でのせん断応力τAは、以下の式3により表現される。
Figure 2010002455
また、梁3の表面において厚さ方向の中点でのせん断応力τBは、以下の式4により表現される。
Figure 2010002455
さらに、梁3の単位長さあたりのねじれ角ω(共振周波数で往復振動しているときの最大振り角θ/梁長L)は、梁3の横方向弾性係数Gを用いて、以下の式5により表現される。
Figure 2010002455
この場合、ばね定数Kは、以下の式6を満足する。
Figure 2010002455
したがって、梁3は、式3および式4に示すせん断応力τAとτBとが、梁3の許容応力以下であり、かつ式2、式5および式6を満足する必要がある。
以下、振動ミラー10の具体的な構造をその設計手順とともに説明する。振動ミラー10を設計する場合、まず、振動子1を構成する金属材料を選定する。上述のように、振動子1はプレス加工により成形される。このような成形を可能とするために、金属材料はフープ材であることが望ましい。また、往復振動に起因する金属疲労を生じることがなく、かつ梁3の許容応力を大きくするという観点では、振動子1を構成する金属材料は、大きな疲労限度を有することが望ましい。さらに、慣性モーメントJを小さくする(共振周波数f0を大きくする)観点では、密度が小さいことが好ましく、往復振動の振り角θを大きくする観点では、横弾性係数Gが小さいことが好ましい(上記式5参照)。
加えて、耐環境性能の観点からは材料的に安定しており、価格も安価であることが好ましい。そこで、本実施形態では、以上の条件を全て満足する金属材料としてチタン合金(Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al、AMS4914)を採用している。当該チタン合金の疲労強度は350MPaであり、密度は4.7g/cm3である。なお、振動子1を構成する金属材料として、他の金属を採用することも可能である。
振動子1を構成する金属材料を選定した後、振動ミラー10の振り角、ミラー5の材質およびサイズ、永久磁石6の材質およびサイズを決定する。振動ミラー10の振り角およびミラー5のサイズは、レーザスキャニングユニットとして所望のビーム特性を得るのに必要な振り角およびサイズに決定される。当該ビーム特性は、振動ミラー10と、振動ミラー10により反射されたビームを感光体上に結像するレンズとの間の距離等のレーザスキャニングユニットの構造に依存して決まる。
例えば、記録密度Dが600dpiであり、印字速度Vが180mm/secである場合、振り角は±23度、ミラー5のサイズは幅4.7mm×長さ(ねじり回転軸方向)0.8mm×厚さ0.15mmとすることができる。なお、ここではミラー5の平面形状を矩形としているが、所望のビーム形状のレーザ光を反射可能であれば、楕円形状等の他の平面形状であってもよい。また、ミラー5の材質はレーザ光を反射可能な材質であればよく、ここではシリコンからなるベース材料にアルミなどの材料からなる反射膜を設けさらにその上に保護膜を設けた構成になっている。
次いで、上記チタン合金の疲労強度に基づいて許容応力を決定する。許容応力は、チタン合金の疲労強度曲線(S−N曲線)に基づいて決定することができる。図3は、上記チタン合金のS−N曲線を示す図である。上述のように、当該チタン合金の疲労限度は350MPaであり、最大振り角時に梁3に付与される最大応力が当該疲労限度以下とすれば、半永久的な寿命を実現することができる。ここでは、疲労限度350MPaに対して100MPaのマージンを設けた250Mpaを許容応力としている。
ミラー5は、振動子1の支持部4に接着剤で接合される。永久磁石6は、この支持部4に固定可能なサイズで、振動ミラー10を往復振動させる外力を発生しうるものであればよい。ここでは、永久磁石6として、径0.8mm×厚さ0.4の希土類磁石を使用している。
続いて、振動子1の厚みを仮設定し、ミラー5および永久磁石6を固定した状態、すなわち、ミラー5、永久磁石6、ミラー5を支持部4に固定するための接着部材および永久磁石6を支持部4に固定するための接着部材を含めた状態で、慣性モーメントJを算出する。そして、当該慣性モーメントJおよび式2より、所望の共振周波数f0が得られるばね定数Kを算出する。そして、算出したばね定数Kと式3〜式6を用いて、式3および式4のせん断応力τA、τBが許容応力250MPa以下になる条件下で、梁幅bおよび梁長Lを決定する。なお、梁厚tは、上記仮設定した支持部4の厚さと同一である。
上記の設計によると、応力を抑えた状態で共振周波数を高めるためには梁幅b、梁厚tを大きくするとともに梁長Lを大きくする必要がある。また、金属材料においてはシリコン材料と比較して許容応力が小さいため、同じ共振周波数を得るには梁長Lを長くする必要がある。
(振動ミラーの製造方法)
次に、振動ミラー10の製造方法について説明する。図4は、振動ミラー10を構成する振動子1の製造に使用する金型の一例を示す平面図である。なお、図4では、ダイパンチの形状と位置のみを模式的に示している。
図4に示すように、金型30は、マルチステップの順送プレス加工により振動子1を成形する構造を有している。図4の例では、5ステップのプレス加工により振動子1が成形される。すなわち、領域31では、板状の金属材料にガイド孔が形成される。領域32では、梁3の幅方向の一方の端面が形成される。この時点では、支持部4は枠体2から分離されない。領域33では、梁3の幅方向の他方の端面が形成される。領域32と同様に、この時点では、支持部4は枠体2から分離されない。領域34では、支持部4の幅方向の一方が枠体2から分離されて端面が形成される。そして、領域35では、支持部4の幅方向の他方が枠体2から分離されて端面が形成される。
振動子1の製造工程では、以上の金型30に対して、コイルフィーダー等を使用して帯状の金属材料が送り込まれる。図5は、図4に示す金型30による振動子1の製造過程を示す平面図である。図5に示す矢印は金属材料40の送り方向を示している。図5において、金属材料40の領域41、42、43、44、45が金型30の領域31、32、33、34、35によりそれぞれ成形された部分である。図5に示すように、金型30の各領域31〜35を通過し、5回のプレス加工が完了すると、振動子1の成形が完了する。5回のプレス加工が完了した金属材料40は、順次、振動子1として切断分離される。以上のようなプレス加工を使用することにより、枠体2、梁3、支持部4が一体に形成された振動子1を容易に製造することができる。
以上のようにして形成された振動子1の支持部4には、永久磁石6およびミラー5が順に装着される。永久磁石6の装着には、支持部4の永久磁石搭載面を上方に向けて振動子1を固定支持する機能と、永久磁石6をピックアップして永久磁石搭載面上に搬送する機能とを有する実装装置を使用する。当該実装装置としては、例えば、プリント基板等に電子部品を実装する公知のマウンタ等を流用することができる。
上記実装装置に振動子1が永久磁石搭載面を上方に向けて固定支持されると、実装装置の搬送手段が備える真空コレット等の吸着手段により、当該振動子1に搭載される永久磁石6がピックアップされる。永久磁石6を吸着した搬送手段は、振動子1の永久磁石搭載面の上方に移動する。この移動の過程で、永久磁石6の永久磁石搭載面との接触面にエポキシ樹脂等の接着部材が塗布される。
そして、搬送手段は、永久磁石6の接着部材が塗布された面を永久磁石搭載面に接触させ、永久磁石6を永久磁石搭載面上に配置する。なお、永久磁石搭載面上における永久磁石6の配置位置は、公知の画像認識等により、振動ミラー10の対称性を維持した状態に厳密に位置合わせされる。永久磁石6が装着された振動子1は、実装装置から搬出される。
永久磁石6が固定されると、当該振動子1のミラー搭載面にミラー5が装着される。ミラー5の装着には、永久磁石6が固定された支持部4のミラー搭載面を上方に向けて振動子1を固定支持する機能と、ミラー5をピックアップしてミラー搭載面上に搬送する機能とを有する実装装置を使用する。当該実装装置としては、例えば、プリント基板等に電子部品を実装する公知のマウンタ等を流用することができる。
上記実装装置に永久磁石6が固定された振動子1がミラー搭載面を上方に向けて固定支持されると、振動子1の支持部4におけるミラー5と接合される領域にエポキシ樹脂などの接着剤が塗布される。この後、実装装置の搬送手段が備える真空コレット等の吸着手段により、当該振動子1に搭載されるミラー5がピックアップされ、ミラー5を吸着した搬送手段は、振動子1のミラー搭載面の上方に移動し、ミラー5をミラー搭載面上に配置する。なお、ミラー搭載面上におけるミラー5の配置位置は、公知の画像認識等により、振動ミラー10の対称性を維持した状態に厳密に位置合わせされる。ミラー5が装着された振動子1は、実装装置から搬出される。
以上のようにして振動ミラー10を構成することにより、従来のように、半導体製造装置等の極めて高価な製造設備を使用することなく、低コストで振動ミラーを製造することができる。
なお、本実施形態では、支持部4を成形するための複数回のプレス工程を同一方向から実施している。そして、支持部4のプレス加工方向上流側の面をミラー搭載面とし、プレス加工方向下流側の面を永久磁石搭載面にしている。図6は、図2のX−X線における断面構造を示す断面図である。図6に示すように、プレス加工により金属材料を成形する場合、プレス加工方向の下流側にバリが発生することがある。上述のように、支持部4のミラー搭載面のサイズは、ミラー5のサイズよりも小さくなっている。したがって、ミラー5をミラー搭載面に固定した場合、ミラー5の一部がミラー搭載面の外方へ突出する。しかしながら、ミラー5をプレス加工方向上流側の面に固定する構成とすることで、バリの有無に関わらずミラー5をミラー搭載面に密着して固定することができる。
また、永久磁石6のサイズは、支持部4の永久磁石搭載面のサイズより小さいため、バリが形成された状況下であっても、永久磁石6と支持部4とを密着して固定することができる。したがって、本構成によれば、バリの有無に関わらず、ミラー5と永久磁石6とを常に同一の状態で支持部4に固定することができる。このため、プレス加工の過程でバリが形成された場合であっても、バリを除去する必要がなくバリ除去工程の追加による製造コストの増大を防止できる。
(共振周波数の調整方法)
ところで、以上で説明した手法により設計、製造された振動ミラー10は、プレス加工の加工精度、ミラー5や永久磁石6の固定に使用する接着部材の付着量の差異等に起因する個々の振動ミラー10の個体差が、半導体製造技術を使用した形成された振動ミラーに比べると大きくなってしまう。このような個体差は、各振動ミラー10の共振周波数f0の差異として顕在化する。上述のように、レーザスキャニングユニットでは、共振周波数f0は感光体上の記録密度および印字速度を決定するパラメータである。このため、共振周波数f0は一定の範囲内に属している必要がある。
図7は、駆動周波数fと共振周波数f0との差異がレーザスキャニングユニットに与える影響を示す図である。図7(a)は、電磁石に印加する交流電力が一定である場合の、周波数比(f/f0)と振幅(振り角)との関係を示している。また、図7(b)は、振幅を一定にする場合の、周波数比と交流電力の大きさとの関係を示している。図7(a)において、横軸は周波数比に対応し、縦軸は振幅比に対応する。ここで、振幅比は、駆動周波数fと共振周波数f0とが一致する場合の振幅を基準として規格化している。また、図7(b)において、横軸は周波数比に対応し、縦軸は消費電力に対応する。
図7(a)および図7(b)に示すように、振動ミラー10の共振周波数f0と駆動周波数fとが一致している場合、非常に小さな消費電力で大きな振幅が得られている。そして、図7(a)から理解できるように、駆動周波数fと共振周波数f0との間に不一致が発生すると、同一の印加電力により得られる振幅が急激に小さくなる。このため、駆動周波数fと共振周波数f0とが一致している場合と同一の振幅を得るために印加が必要な電力は急激に増大する(図7(b))。レーザスキャニングユニットとして使用する場合、振り角が所望の範囲内でなければ正常な画像形成を行うことができない。また、振動ミラー10を駆動する駆動手段11が電磁石に供給する電力を大幅に調整可能な構成を採用することはレーザスキャニングユニットの製造コストが増大するとともに、全体の消費電力も大きくなるため好ましくない。このため、製造される振動ミラー10のそれぞれの共振周波数f0は、目標とする周波数の±0.5%の範囲内であることが望ましい。しかしながら、金属材料をプレス加工により成形した振動子1を使用した振動ミラー10では、共振周波数f0の個体差は、目標とする周波数の±0.5%以上の範囲で変動する可能性がある。このため、上記振動ミラー10は、共振周波数f0を調整する必要がある。
図8は、共振周波数調整片を備えた共振ミラーの支持部構造の一例を示す平面図である。図8に示すように、支持部4は、同一平面内の外方に延出された共振周波数調整片21を備える。図8の例では、ミラー5の外縁よりも外方に突出する状態でねじり回転軸方向に延出された共振周波数調整片21が、支持部本体4aの四隅のそれぞれに設けられている。なお、共振周波数調整片21は、プレス加工により振動子1として一体に形成される。
この例では、レーザ照射等により各共振周波数調整片21の一部または全部を除去することにより振動ミラーの慣性モーメントJを減少させることができる。なお、振動ミラーの対象性を維持するため、各共振周波数調整片21はそれぞれ同一長さだけ除去することが好ましい。この場合、慣性モーメントJの減少量は、各共振周波数調整片21の除去長さに応じて調整することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変形および応用が可能である。例えば、上記実施形態では、振動ミラーに永久磁石を搭載し、当該永久磁石に駆動手段が交番磁場を付与する構成を説明したが、振動ミラーの駆動方式は、本発明の効果を奏する範囲において任意に変更することができる。
以上説明したように、本発明によれば、走査レンズ54を通過する走査光が形成する平面と振動ミラーのねじり振動軸とを平行に配置することによって、振動ミラーの振動軸が長い場合でもコンパクトな装置を提供できるものである。
本発明の光走査装置は、レーザプリンタ等の画像形成装置においてレーザ光を感光体に走査するものとして利用することができ、さらにそのような画像形成装置を備えるデジタル複写機などにも利用することが可能である。
本発明の一実施形態における光走査装置の構造を示す概略構成図 本発明の一実施形態における光走査装置に用いられる振動ミラーの構造を示す概略斜視図 チタン合金のS−N曲線を示す図 振動ミラーの製造に使用する金型を示す平面図 振動ミラーの製造過程を示す平面図 図2のX−X線における断面構造を示す断面図 駆動周波数と共振周波数との差異がレーザスキャニングユニットに与える影響を示す図 本発明の一実施形態における共振周波数調整片を備えた共振ミラーの支持部構造の一例を示す平面図 本発明の他の実施形態(レーザスキャニングユニットの第2実施形態)における光走査装置の構造を示す概略構成図
符号の説明
1 振動子
2 枠体
3 梁(ねじり回転軸)
4 支持部
5 ミラー
6 永久磁石
10 振動ミラー
21 共振周波数調整片
30 金型
40 金属材料(フープ材)
50 レーザスキャニングユニット
52 光源
53 偏向器
54 走査レンズ(アークサインθレンズ)
56 シリンドリカルレンズ
57 光源光反射ミラー
58 走査光反射ミラー
L 梁長
b 梁幅
t 梁厚

Claims (3)

  1. 光を発する光源と、
    光を反射する面を有しており、その面に沿った一の線をねじり振動軸としたその軸回りにねじり振動し前記光源からの光をその面で反射しかつ走査するミラー素子と、
    前記ミラー素子によって走査されている光を像面上に結像するための走査レンズと、
    前記ミラー素子と前記走査レンズとの間に配置されており、前記ミラー素子によって走査されている光を反射する走査光反射ミラーと、
    を備え、
    前記走査光反射ミラーで反射した後の走査光が形成する平面と前記ミラー素子のねじり振動軸とが平行であることを特徴とする光走査装置。
  2. 光を発する光源と、
    光を反射する面を有しており、その面に沿った一の線をねじり振動軸としたその軸回りにねじり振動し前記光源からの光をその面で反射しかつ走査するミラー素子と、
    前記ミラー素子によって走査されている光を像面上に結像するための走査レンズと、
    前記光源と前記ミラー素子との間に配置され前記光源からの光を前記ミラー素子に向けて反射する光源光反射ミラーと、
    前記ミラー素子と前記走査レンズの間に配置されており、前記ミラー素子によって走査されている光を反射する走査光反射ミラーと、
    を備え、
    前記走査光反射ミラーで反射した後の走査光が形成する平面に対して、前記光源から前記光源光反射ミラーへの光の光軸と前記ミラー素子のねじり振動軸とがともに平行であることを特徴とする光走査装置。
  3. ねじり振動する前記ミラー素子は、金属材料からなるねじり振動板を含んで構成されたものである、請求項1または2に記載の光走査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010002637A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Canon Electronics Inc 光走査装置
JP2010002636A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Canon Electronics Inc 光走査装置
JP2010026226A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Canon Inc 光学走査装置及び画像形成装置

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